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JP2002249973A - 保温材用網状繊維シート - Google Patents

保温材用網状繊維シート

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Publication number
JP2002249973A
JP2002249973A JP2001051351A JP2001051351A JP2002249973A JP 2002249973 A JP2002249973 A JP 2002249973A JP 2001051351 A JP2001051351 A JP 2001051351A JP 2001051351 A JP2001051351 A JP 2001051351A JP 2002249973 A JP2002249973 A JP 2002249973A
Authority
JP
Japan
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fiber sheet
sheet
net
carbon
reticulated
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001051351A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Ikeda
清 池田
Tetsuo Ishii
哲雄 石井
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YUNISERU KK
Original Assignee
YUNISERU KK
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Publication date
Application filed by YUNISERU KK filed Critical YUNISERU KK
Priority to JP2001051351A priority Critical patent/JP2002249973A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 網状繊維シートのファイバー自体に炭素微粉
末を含有させたものとなし、これにより柔軟性や保温効
果に優れ、且つ格段の耐久性や脱臭効果を発揮できる各
種製品の提供。 【解決手段】 備長炭、竹炭、活性炭、カーボンブラッ
クからなる群から選ばれた1種以上の炭素微粉末および
発泡性物質を含有する熱可塑性樹脂をスリットより溶融
状態で押出して、網状繊維シートにおける結合点間の平
均距離を1〜50mm、タテ方向の引張強度を0.00
05N/dtex以上、繊維の平均径を1〜150μm
となし、このシートをそのまま若しくは2枚以上をヨコ
方向に特定倍率で延展せしめて作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は保温材用網状繊維シ
ートに関する。詳しくは炭素微粉末と気泡を含有せしめ
た保温材用網状繊維シートに関する。本発明の保温材用
網状繊維シートはスポーツ衣料、カジュアル衣料、イン
ナー衣料、寝装製品用など種々の分野に利用することが
できる。本発明の保温材用網状繊維シートは極薄地でも
高い保温効果を有するので、特にスポーツ衣料、乳幼児
用衣料、こたつ掛けぶとん、寝具、下着などの分野に適
している。
【0002】
【従来の技術】炭素粉末を寝装材、内装材などの保温効
果向上に利用することは従来種々の方法で試みられてい
るが、主に炭素粉末をバインダーで固着する技術を利用
したものが多い。例えば、「10〜60g/mの量の
備長炭または竹炭の微粉末を、空隙率50%以上で2m
m以上の肉厚を有する合成繊維からなる不織布の表面及
び内部全体に水溶性接着剤を介して該繊維の交絡部分に
おいて高密度となるように結着してなる不織布マット
材」」(特開2000―027071号公報)がある。
或いは、「白炭の微粒子を不織布の芯材にして特殊なバ
インダーを介して圧縮加工してシート状とした白炭シー
ト材」(特開平11−290683号公報)が開示され
ている。これらの技術はいずれも炭素粉末を使用するこ
とにより、脱臭性や調湿性に優れた不織布マット材やシ
ート材を提供することを目的としたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炭素粉
末のバインダーによる固着を利用した上記従来技術には
以下の如き欠点がある。 (ア)炭素粉末のバインダーによる固着処理は、その加
工工程中に、例えば炭素粉末とアクリル酸エステルのエ
マルジョンを均一に混練し、シート上に均等に塗布付着
させ、さらにバインダーを熱処理によりキュアリングさ
せるため、該工程は不連続且つ長時間にならざるを得
ず、生産性を高め難い。 (イ)炭素粉末のバインダーによる固着は、あくまでシ
ート上もしくはシート間に炭素粉末を付着させるもので
あるから、揉み、摩耗或いは洗濯の繰り返し等により、
次第に付着炭素粉末が剥離脱落するのは避け難く、耐久
性の低下は否めない。 (ウ)炭素粉末の表面を樹脂で被覆して耐久性を高めた
場合は、係る構成の層は製品にごわつき感を与え、柔軟
性を損ねる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
問題点を解決せんと鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明に係る保温材用網状繊維シートは、備
長炭、竹炭、活性炭、カーボンブラックからなる群から
選ばれた1種以上の炭素微粉末および発泡性物質を含有
する熱可塑性樹脂をスリツトより溶融状態で押出して得
られた網状繊維シートであって、該シートにおける結合
点問の平均距離が1〜50mmであり、タテ方向の引張
強度0.0005N/dtex以上、繊維の平均径が1
〜150μmである網状繊維シートをそのまま若しくは
2枚以上延展して、下記式(1)および(2)を満足す
る倍率Aでヨコ方向に延展せしめて得られる。 100m・L≦A≦500m・L (1) 2≦A (2) (mは網状繊維シートのタテ方向の引張り強度(N/d
tex)を示す。但しmが0.01N/dtex以上の
場合はm=0.01とする。Lは網状繊維シートの結合
点間平均距離(mm)を示す) この際、炭素微粉末の最長径を500μmとなし、上記
シートに対する含有量を2重量%から14重量%となし
たりする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に於いて用いる炭素微粉末は、備長炭、竹炭、活
性炭、カーボンブラックからなる群から選ばれた1種以
上である。これらはいずれも熱線の輻射能が極めて低い
炭素群であり、保温材用途に用いた場合、高い保温効果
を挙げ得るものである、該炭素微粉末は単独で用いても
よいが2種以上を混合して使用しても同様に保温効果を
得ることができる。
【0006】上記炭素微粉末の平均粒径は、120μm
以下のものが好ましい。従来の繊維にあっては、延伸後
の繊維径が凡そ10〜50μmとなされることから、一
般的に繊維に含有せしめる金属微粉末の平均粒径は40
μm以下、好ましくは20μ以下となされるが、本発明
に於ける網状繊維シートは繊維の平均径は1〜150μ
mである網状繊維シートとなされることから、平均粒径
120μmのものでも網状繊維シート中に含有せしめる
ことができる。
【0007】この際、炭素微粉末の網状繊維シート重量
に対する含有率は2〜14重量%の範囲が好ましい。特
に3〜12重量%の範囲がさらに好ましい。2重量%未
満では保温性が不十分であり、15重量%を超えると網
状繊維シートの成型性が悪化し、得られる網状繊維シー
ト物性が実用性を失うものとなる。
【0008】繊維中の炭素微粉末の含有状態は、網状繊
維シートの押出方向(吐出方向)に対し並行状態に配列
した状態が好ましい。例えば、炭素微粉末と発泡性物質
を含む熱可塑性物質を円筒状スリットから押出したと
き、該円筒状スリット内において炭素微粉末が押出方向
に並行に配列している状態が好ましい。かかる構造は該
熱可塑性物質を芯さや構造のスリットダイを用いて押出
すことにより成型可能である。かかる二層構造とすれ
ば、炭素微粉末の使用量を減じることができると共に、
炭素微粉末を含有しない内層部(芯部)により網状繊維
シート物性が維持されるので炭素微粉末を含有せしめた
ことによる網状繊維シートの性能劣化、例えば強度劣
化、伸度劣化等をわずかな程度に止めることができる。
【0009】本発明に於ける網状繊維シートは、熱可塑
性樹脂を炭素微粉末および発泡性物質と共にスリットダ
イより溶融状態で押出して、10〜300倍、好ましく
は20〜200倍のドラフト率で捲取ることにより得ら
れたものであって、以下に説明する特性を有するもので
ある。
【0010】かかる網状繊維シートを構成する熱可塑性
樹脂は、その融点が70〜350℃、特に90〜300
℃の範囲のものが好ましい。かかる熱可塑性樹脂として
は、例えば、(あ)エチレン、プロピレン、スチレン、
アクリル酸エステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、
塩化ビニルなどを出発原料とする単独重合体または2種
以上の共重合体、(い)例えば、フタル酸類(フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、これらの核アルキル
置換体)、ナフタリンジカルボン酸の如き炭素数8〜1
5の芳香族ジカルボン酸、炭素数6〜30の脂肪族ジカ
ルボン酸および環族ジカルボン酸よりなる群から選ばれ
た少くとも一種のジカルボン酸成分(もしくはその低級
アルキルエステル)と、炭素数2〜12の脂肪族グリコ
ールもしくは脂環族グリコールおよび炭素数6〜15の
芳香族ジヒドロキシ化合物よりなる群から選ばれた少な
くとも一種のグリコール成分とから形成されたポリエス
テル、または炭素数4〜12のヒドロキシカルボン酸
(もしくはその低級アルキルエステル)から形成された
ポリエステル、もしくはこれらの相互共重合ポリエステ
ル、(う)例えば、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン
酸と炭素数4〜15の脂肪族又は芳香族ジアミンとから
形成されるポリアミド或るいはアミノ酸(もしくはラク
タム)から形成されるポリアミドまたはこれらの相互共
重合体、(え)例えば、ビスフェノール系のポリカーボ
ネート、(お)ポリアセタール、(か)各種ポリウレタ
ン等が挙げられる。
【0011】上述した如き、熱可塑性樹脂を炭素微粉末
および発泡性物質と共に、溶融状態でスリットダイより
押出して網状繊維シートを得るのである。その発泡性物
質とは溶融した樹脂がスリットダイから押出される際、
気体となる物質であって、樹脂自体がかかる気体を発生
する性質を有していてもよく、また気体を発生する物質
を含有していてもよい。例えば、(き)窒素ガス、炭酸
ガスの如き常温で気体の物質を溶融熱可塑性樹脂中に混
練する方法、(く)水などの如く常温では液体を呈する
が、熱可塑性樹脂の溶融温度では気体となる物質を溶融
熱可塑性樹脂と混練する方法、(け)例えば、ジアゾ化
合物、炭酸ソーダなどの分解により気体を発生する物質
を溶融熱可塑性樹脂と混練する方法、(こ)例えば、ポ
リカーボネートの如き溶融熱可塑性樹脂の一部(例えば
ポリエステル、ポリアミド)と反応して気体を発生する
重合体をそのような溶融熱可塑性樹脂と混練する方法な
どがある。
【0012】いずれの方法であっても熱可塑性樹脂が溶
融状態でスリットダイから押出される際、該樹脂と共に
気体がダイから発生すればよいが、上記した種々の発泡
性物質と炭素微粉末は出来るだけ熱可塑性樹脂と十分に
混練されていることが好ましい。この混練が充分でない
と均一で且つ所望する物性を有する網状繊維シートは得
難くなる。熱可塑性樹脂を炭素微粉末および発泡性物質
と共に溶融状態でスリットダイから溶融して押出し、網
状繊維シートを得る方法の一例を次に説明する。
【0013】炭素微粉末を含有した熱可塑性樹脂を、中
間にベント口を有する加熱押出機から押出し、中間ベン
ト口から、窒素等の不活性ガスを圧入する。この様にし
て吐出される樹脂は、不活性ガスを小さい泡として含有
する。この溶融熱可塑性樹脂を加圧状態でスリットダイ
を通して吐出せしめる。この際、スリットダイのスリッ
ト間隔は20μm〜1mm程度となされるが、50μm
〜500μmのものがより好ましい。また、圧力は1.
0Pa/cmG以上、好ましくは3.0Pa/cmG
以上が適当である。1.0Pa/cmG未満の場合、
均一な網目のシートが得られなかったり、極端な場合発
泡フィルムの如きものが得られたりする。
【0014】上述の如く、ダイより吐出された樹脂は速
やかに冷却することが必要である。この冷却は特に網目
の大きさを定める要因ともなり、十分に管理することが
望ましい。例えば、網目の大きい網状繊維シートを製造
したい場合は冷却を少なくすればよく、網目を細くする
場合は逆になる。この冷却は一般的には空気冷却の方法
が好ましく、その風量を変化させる事で網目の調節がな
されるが、水等の液体を使用したり、冷却した固体と接
触させるたりすることも可能である。
【0015】かくして吐出された樹脂は十分な速さで引
取る必要がある。この引取り速度が十分でない場合得ら
れる網状繊維シートが弱かったり、極端な場合はフィル
ムに穴の開いた状態となる。この引取速度の目安はドラ
フト率で表現され、通常10〜300倍、好ましくは2
0〜200倍のドラフト率で引取られる。ここに、ドラ
フト率とはダイを通る樹脂の線速度に対する引取り速度
の比で表現される。引取りの途中で延展を行う場合は、
延展を行わない場合の速度に換算するのは当然である。
【0016】さらに網状繊維シートの網目の大きさを調
節する一つの方法に、樹脂の溶融粘度を変える方法があ
る。この溶融粘度を変える方法としては、例えば温度条
件を変える方法、樹脂の重合度を変える方法、可塑剤な
どを使用する方法、或いはこれらの組合せによる方法等
があるが、温度条件を変える方法が最も簡単であり、好
ましい。
【0017】以上網状繊維シートを製造する方法の一例
について説明したが、本発明の網状繊維シートは上記の
方法によって得られたものに何等限定されない。この他
さらに、例えば炭素微粉末含有熱可塑性樹脂を熱分解に
よって、気体を発生する物質と共に溶融してスリットダ
イより押出す方法、ガス混練機を用いて溶融した状態の
炭素微粉末含有熱可塑性樹脂に不活性ガスを混練した
後、スリットダイより押し出す方法等がある。これらの
方法に於いても、冷却および引取り作業は、上述と同様
の方法で行うのが望ましい。
【0018】本発明に於ける網状繊維シートは、上記し
た方法で得られたものであり、しかも (a)結合点間の平均距離が1〜50mm (b)タテ方向の引張り強度が0.0005N/dte
x以上、および (c)繊維の平均径が1〜150μm という特性を有するものである。
【0019】上記(a)、(b)および(c)の要件を
全て満足する網状繊維シートは、容易に大きな倍率で延
展可能であり、しかも延展により均一な網状繊維シート
を形成することができる。ここに、本発明に於ける上記
「結合点間の平均距離」「タテ方向の引張り強度」およ
び「繊維の平均径」はそれぞれ以下の方法で測定された
ものである。
【0020】(a)結合点間の平均距離:L 網状繊維シートの一枚をヨコ方向に2倍に拡げ10cm
に含まれる全ての結合点間の距離を測定し、下記式
(3)に従って算出する。
【0021】
【式(3)】
【0022】(b)タテ方向の引張り強度:m 網状繊維シートを全デニール(dtex)が約一万dt
exになるようにタテ方向に切り、長さ1cm当り1個
の撚りを与え、チャツク間距離5cm、引張り速度5c
m/分の速度で引張り最高応力をそのデニール(dte
x)で除した値mとする。2枚以上のシートを積層する
場合も積層物をタテ方向に切り同様に測定する。
【0023】(c)繊維の平均径 400倍の顕微鏡を用い、繊維に対し直角方向に直線を
引いた時、その直線上にある繊維を順番に10〜25点
繊維径を測定し、サンプルを交換してこの方法を繰返
し、合計100点の測定を行って、その全ての平均値と
する。
【0024】本発明の網状繊維シートは、上述した各々
の測定に従って(a)、(b)および(c)の要件が決
定される。結合点間の平均距離が1mmよりも短いと、
結合点数があまりにも多くなるため。大きな延展倍率を
得ることができず、均一な網状繊維シートが得られな
い。一方、結合点間の平均距離が50mmを越えると延
展した場合、同様に均一なシートを形成させることが極
めて困難となる。特に好ましい結合点間の平均距離は2
〜40mmの範囲である。
【0025】一方、網状繊維シートは、そのタテ方向の
引張り強度が0.0005N/dtex以上、好ましく
は0.001N/dtex以上のものである。タテ方向
の引張り強度が、上記範囲より小さいと延展が実質的に
困難となるのみならず、実用上充分な強度を有する網状
繊維シートを得ることが困難となる。
【0026】上述の如く、(a)結合点間距離および
(b)タテ方向の引張り強度が前記範囲を満足していて
も、(c)繊維の平均径が1〜150μmの範囲を満足
する網状繊維シートでない限り、目的とする網状繊維シ
ートを得ることはできない。繊維の平均径が1μmより
小さい網状繊維シートは、安定した強さのものを得るこ
とが難かしい。一方、150μmよりも繊維の平均径が
大きいと柔軟性のある均一な網状繊維シートを得ること
はできない。
【0027】本発明の網状繊維シートは、上記(a)、
(b)および(c)の要件を満足する網状繊維シート
を、そのままもしくは2枚以上積層してヨコ方向に2倍
以上でしかも下記式(1)を満足する倍率Aに延展する
ことにより得られる。 100m・L≦A≦500m・L (1) (mおよびLの定義は上記の通り)
【0028】ヨコ方向に対する延展倍率が上記範囲より
も小さいか或いは大きい場合は、いずれも均一な網状繊
維シートを得ることはできない。本発明に於ける網状繊
維シートの延展は、ヨコ方向に網目を拡げるのであり、
その方法としては、例えば、網状繊維シートをその両端
を把持しながら横方向に拡げる方法や円形状のスリット
から押出された網状繊維シートをスリットの直径方向に
拡げる方法などがある。特に多数枚のシートを積層し
て、その両端を把持しつつ横方向に拡げる方法が好まし
い。次に両端を把持しつつヨコ方向に拡げる方法につい
て説明するが、同様のことが直径方向に延展する方法に
ついても言える。
【0029】網状繊維シートをヨコ方向に延展する場
合、タテ方向に1.3〜3倍のオーバーフィードをする
ことが好ましい。このオーバーフィードは繊維の配列角
を定めるものであり、オーバーフィード量が大きくなる
と、横配向のシートとなる。オーバーフイードの割合に
よって最適延展倍率も変り、3倍程度オーバーフィード
した時には、前記の定義に従って3〜5m・L倍の延展
倍率となり、一方、オーバーフィード率が1.3倍程度
であれば、100m・L倍の延展倍率がよい。このオー
バーフィードの割合は、意識的に定めることができその
方が好ましいが、場合によっては自然になされることも
ある。例えば、有限長の網状繊維シートをヨコ方向に拡
げる際、タテ方向の長さが短かくなる場合がこの例に当
る。
【0030】延展の方法は、かかるオーバーフィードを
考慮して実施するのが適切であり、例えばピンテンター
で両端を把持する場合、ピンテンターの速度よりも速い
周速度を有するフィードローラーで網状繊維シートをフ
ィードし、折りたたまれた状態でピンに突きさす方法が
ある。このようにオーバーフィードされた網状繊維シー
トをヨコ方向に拡げることが必要である。ヨコ方向へ拡
げる方法は、上記の通り、両端のみを把持して拡げる方
法、幅方向に幾つかのゾーンに分け、各ゾーンを拡げる
方法、その他の方法等、いずれの方法であっても上記し
た倍率になるように均一に拡げ得る手段であればよい。
【0031】上記した延展は、網状繊維シートをそのま
ま行ってもよく、2枚以上積層して行ってもよい。2枚
以上積層する場合、その枚数は2〜2000枚、好まし
くは10〜1000枚の範囲が望ましい。
【0032】かくして延展された網状繊維シートは、均
一な網状繊維シートとなる。この網状繊維シートは、そ
のままもしくはニードルパンチ、ステッチボンド、キル
ティングなどの方法によって不織布として有用である。
【0033】以下実施例において本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではな
い。なお、実施例中の「部」は重量部をあらわす。
【0034】実施例1 (A)平均粒径3μmの備長炭微粉末を3wt%含むポ
リブチレンテレフタレート100部、タルク1部を内径
30mmのガス吹込口付押出機に連続的にフィードし、
ガス吹込口より窒素ガスを5.0Pa/cmGの圧力
で押込みながら、250μmの間隔を有する径140m
mの円形スリットダイより押出した。この際の温度は、
シリンダーのフィード部近辺を240℃ガス吹込口近辺
からシリンダー先端部を200℃、ダイを280℃とし
吐出量は45g/分になる様に、フィード量及びシリン
ダーとダイの間に設けたギアポンプにより規制した。ダ
イから吐出されたポリマーは25℃の冷却風により直ち
に冷却して80m/分の引取り速度で引取り、網状繊維
シートを得た。この網状繊維シートを同様の装置から得
られた4錘分を重ね合せて積層物としてボビンに巻取っ
た。巻取りは円筒形で得られるシートを巾20cmの平
面状に押しつぶして行ったものであり、巻取った一つの
積層物は8枚の網状繊維シートからなるものである。得
られた網状繊維シートは全体で2万dtexであり、強
力は9.0Nであった。これらより換算すると、引張強
度は0.0045N/dtexとなる。また、繊維の平
均径は顕微鏡により測定した結果30μmであった。網
状繊維シート1枚を剥がして2倍に横方向に拡大し、測
定した結節点間の平均距離は9.5mmであった。この
引張強度と結節点問の平均距離とを掛けた値は4.3で
ある。 (B)上記(A)で得られた網状繊維シートの積層物を
20枚積層し、ピンテンターにより延展を行った。この
ピンテンターは、2対のピン列が入口巾160mmで3
5゜の角度で末広がりに配置されるのであり、ピンの巾
が1280mmの所で延展されたものが切断される様に
してある(延展倍率8倍)。このピンテンターの入口
に、ピンの動く速度の1.8倍(オーバーフィード率
1.7倍)の速度で(A)の網状繊維シートをフィード
両端をピンに突きさし延展した。ピン巾1280mmの
時点で切断し、網状繊維シートを得た。 (C)上記(A)で得られた網状繊維シートを160℃
の熱風乾燥機中で30秒間処理し、バルキーな不織布を
得た。この物性を表−1に示す。得られた網状繊維シー
トはムラが少なく均一であり、且つ保温性が極めて良好
であり、ドレープ性、耐洗濯性も良好であり、一般物性
も実用性を有するものであった。
【0035】
【表−1】
【0036】実施例2〜7 各種炭素微粉末(備長炭、竹炭、活性炭、カーボンブラ
ック)を単独でまたは混合して用いて、実施例1の
(A)と同様な手段で網状繊維シートを作成した。ま
た、実施例1の(B)、(C)と同様の方法で延展比率
を変えて延展を行い得られた網状繊維シートの物性を表
−1に示した。得られた網状繊維シートは実施例1と同
様に、均一なシートであり保温性が良好でドレープ性、
耐洗濯性も良好であり、一般物性も実用上問題ない範囲
であった。
【0037】比較例1〜4 炭素微粉末を有しないこと以外は、実施例1と同様な処
理方法で調整したシートは保温性が低いものであった。
また、炭素微粉末として平均粒径3μmの備長炭の微粉
末を30wt%含むポリブチレンテレフタレートを用い
たこと以外は、実施例1と同様な方法で作成した網状繊
維シートは、保温性の低いものであった。次に、実施例
1の(A)で得られた網状繊維シートを(B)と同様の
ピンテンターで延展した。この際、切断する場所をピン
の巾が320mmの点(延展倍率2倍)で行った以外
は、実施例1と同様である。得られた網状繊維シートは
表−1に示す如く、目付ムラが大きかった。また、同様
にして切断する場所をピンの巾が2080mmの点(延
展倍率13倍)とすると、切断する場所に達する迄に部
分的に割れる部分が生じ、明らかにムラになることが確
認された。
【0038】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く本発明を構成せ
しめた結果、本発明は以下の如き効果を有する。 (ア)従来の炭素微粉末をバインダー処理されたシート
の場合と異なり、網状繊維シート自体の中に炭素微粉末
を含有せしめたものであるから、本発明の保温材用網状
繊維シートを連続且つ安定的に生産することが可能であ
る。 (イ)従来の炭素微粉末をバインダーで固着したシート
と異なり、網状繊維シート自体の中に炭素微粉末を含有
せしめたものであるから、保温効果が永久的に一定であ
り、耐洗濯性などの耐久性に対する問題を生じない。 (ウ)従来の炭素微粉末をバインダーで固着したシート
と異なり、網状繊維シート自体の中に炭素微粉末を含有
せしめたものであるから、炭素微粉末をバインダーで固
着したシートによるシートのごわつき感、或いはシート
の柔軟性を損ねる等の問題はない。 (エ)炭素微粉末含有繊維による保温効果が高いのでシ
ートの厚みを薄くすることができる。従って、従来品の
ように積層体に成型しなくとも実用的な保温性を具備す
る。また、脱臭作用効果に優れる各種の製品化も容易と
なる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 備長炭、竹炭、活性炭、カーボンブラッ
    クからなる群から選ばれた1種以上の炭素微粉末および
    発泡性物質を含有する熱可塑性樹脂をスリットより溶融
    状態で押出して得られた網状繊維シートであって、該シ
    ートにおける結合点間の平均距離が1〜50mmであ
    り、タテ方向の引張強度0.0005N/dtex以
    上、繊維の平均径が1〜150μmである網状繊維シー
    トをそのまま若しくは2枚以上延展して、下記式(1)
    および(2)を満足する倍率Aでヨコ方向に延展せしめ
    て得られる保温材用網状繊維シート。 100m・L≦A≦500m・L (1) 2≦A (2) (mは網状繊維シートのタテ方向の引張り強度(N/d
    tex)を示す。但しmが0.01N/dtex以上の
    場合はm=0.01とする。Lは網状繊維シートの結合
    点間平均距離(mm)を示す)
  2. 【請求項2】 炭素微粉末の最長径を500μmとな
    し、上記シートに対する含有量を2重量%から14重量
    %となしたことを特徴とする請求項1記載の保温材用網
    状繊維シート。
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