JP2002192465A - 被除去物の再利用方法 - Google Patents
被除去物の再利用方法Info
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- Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
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- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Abstract
する研磨屑、研削屑は、水で流され、フィルタで濾過さ
れていた。しかし排水がアルカリ性を示すと、ゲル状ま
たはコロイド状の生成物が現れ、フィルタに目詰まりを
発生させていた。 【解決手段】 排水のpHを測定し、所望のpHにする
ためにpH調整手段12を取り付ける。pHが測定され
た排水は、その値によりアルカリ性または酸性を示す薬
品が加えられ、所望のpHに排水が調整される。特にシ
リコンの屑では、中性または酸性側にその排水が調整さ
れ、ゲル状またはコロイド状の物質の生成を防止し、フ
ィルタの目詰まりを防止する。また、高濃度に濃縮され
た被除去物は、ウェハ用のシリコンのインゴット、瓦、
セメントまたはコンクリートとして再利用することがで
きる。
Description
工程で発生した被除去物を含む流体から、被除去物を回
収し、再利用する方法に関するものである。
ジーの観点から重要なテーマであり、21世紀へ向けて
の企業課題である。この産業廃棄物の中には、排水があ
り、高価な濾過処理装置等で排水をきれいな水として再
利用したり、除去できずに残ったものを産業廃棄物とし
て処理している。特に水は、きれいな状態にして川や海
等の自然界に戻したり、再利用することがこれからの重
要課題である。
コスト等の問題から、これらの装置を採用することが非
常に難しく、色々な所で環境問題が発生しており、更に
はリサイクルの点からも重要な問題である。
を以下に説明していく。一般に、金属、半導体、セラミ
ック等の板状体を研削または研磨する際、設備の温度上
昇防止、潤滑性向上、研削屑または切削屑の板状体への
付着等が考慮され、水等の流体が供給されている。
工工程を説明するものである。図17は、Siの単結晶
がインゴット状に引き上げられたものを示す。例えば8
インチで2メートルもある。そしてこのインゴット1の
不要部分、上・下端部2、3を切断除去し、円柱状のい
くつかのブロック4に切断分離する。この時は、図示し
ないブレードでカットし、水が供給される。(以上第1
の研磨・研削工程) 続いて図18の如く、円柱状のブロック4を所定のウェ
ハ径にするため、研削刃5で外周を研削する。ここでも
研削刃5、ブロック4の保護を兼ねて、水の供給手段6
を介してシャワーリングする。(以上第2の研磨・研削
工程) 続いて、図19に示すように、ブロック4には、ウェハ
の面内結晶方位を示すために、オリエンテーションフラ
ット7と呼ばれる切り欠けが形成される。(以上第3の
研磨・研削工程) 続いて、図20、図21に示すように、ブロック4を接
着剤で支持台SUBに貼り付け、一枚・一枚のウェハに
切断する。図20は、ダイヤモンド粒を貼り付けたブレ
ードソー8でスライシングしている。また図21では、
ピアノ線9を張り、ピアノ線に沿ってスラリーのダイヤ
モンド砥粒を流し、ブロック4をスライシングしてい
る。
を支持台から剥がし、ウェハとして分離している。(第
4の研磨・研削工程) 更には、ウェハの角部が欠けるのを防止するために、面
取りが行われ、ウェハラッピングが行われる。例えば図
22のラッピング装置を使い、ウェハの表面または/お
よび裏面を機械的化学的に研磨する。(以上第5の研磨
・研削工程) そして不純物の導入、表面の欠陥処理を行い、完全結晶
にして、ウェハが出荷される。
望のICとして作り込まれる。またこのICは、ウェハ
にマトリックス状に形成され、少なくともICの表面に
樹脂、Si窒化膜等の保護膜が被覆される。
難しいため、また裏面の電気抵抗を下げるために、バッ
クラップし、約300μmまで薄くされる。このバック
ラップ装置が図22に示される。ターンテーブル200
の上にウェハ201が取り付けられ、砥石202でウェ
ハ裏面が削られる。符号204は、水を供給するノズル
(シャワー)204である。(以上第6の研磨・研削工
程) 最後に、図23の様に半導体ウェハがダイシングされ
る。Wは、半導体ウェハで、DBは、ダイシングブレー
ドである。またSW1、SW2は、ブレードに水をかけ
るシャワーであり、SW3は、ウェハWに水をかけるた
めのシャワーである。(以上第7の研磨・研削工程) 以上の様に、半導体の製造工程では、研磨・研削工程が
数多く存在し、研磨・研削工程の際に、井戸水、水道水
または工業用水等の水、あるいは蒸留水、イオン交換水
等の純水を流す手法が取られている。例えばダイシング
装置では、ダイシングブレードの温度上昇防止のため
に、またダイシング屑がウェハに付着するのを防止する
ために、半導体ウェハ上に純水の流れを作ったり、ブレ
ードに純水が当たるように放水用のノズルが取り付けら
れている。またバックグラインドでウェハ厚を薄くする
際も、同様な理由により純水が流されている。
半導体ウェハの研削屑または研磨屑が混入された排水
は、濾過されてきれいな水にして自然界に戻したり、あ
るいは再利用され、濃縮された排水は、回収されてい
る。
処理には、凝集沈殿法、フィルタ濾過と遠心分離機を組
み合わせた方法の二通りがあり、各半導体メーカーで採
用している。
C(ポリ塩化アルミニウム)またはAl2(SO4)3
(硫酸バンド)等を排水の中に混入させ、Siとの反応
物を生成させ、この反応物を取り除くことで、排水の濾
過をしていた。
わせた方法では、排水を濾過し、濃縮された排水を遠心
分離機にかけて、スラッジとして回収するとともに、排
水を濾過してできたきれいな水を自然界に放出したり、
または再利用していた。
時に発生する排水は、原水タンク301に集められ、ポ
ンプ302で濾過装置303に送られる。濾過装置30
3には、セラミック系のフィルタFが装着されているの
で、濾過された水は、配管304を介して回収水タンク
305に送られ、再利用される。または自然界に放出さ
れる。
詰まりが発生するため、定期的に洗浄が施される。例え
ば、原水タンク301側のバルブB1を閉め、バルブB
3と原水タンクにこれから発生する洗浄水を送付するた
めのバルブB2が開けられ、回収水タンク305の水
で、フィルタFが逆洗浄される。これにより発生した高
濃度のSi屑が混入された排水は、原水タンク301に
戻される。また濃縮水タンク306の濃縮水は、ポンプ
308を介して遠心分離器309へ輸送され、遠心分離
器309により汚泥(スラッジ)と分離液に分離され
る。Si屑から成る汚泥は、汚泥回収タンク310に集
められ、分離液は分離液タンク311に集められる。更
に分離液が集められた分離液タンク311の排水は、ポ
ンプ312を介して原水タンク301に輸送される。
l等の金属材料を主材料とする固形物または板状体、セ
ラミック等の無機物から成る固形物や板状体等の研削、
研磨の際に発生する屑を回収する際も同様な方法が採用
されていた。
剤として化学薬品を使用するため、濾過された水の中に
前記化学薬品が投入される。しかしシリコン屑が完全に
反応する薬品の量を特定するのは非常に難しく、どうし
ても薬品が多く投入され未反応の薬品が残る。逆に薬品
の量が少ないと、全てのSiの屑が凝集沈降されず、シ
リコン屑が分離せず残ってしまう。特に、薬品の量が多
い場合は、上澄液に薬品が残る。これを再利用する場
合、濾過水に薬品が残留するため、化学反応を嫌うもの
には再利用できない問題があった。例えば薬品の残留し
た濾過水をウェハ上に流すと、好ましくない反応を引き
起こすため、ダイシング時に使用する水として再利用で
きない問題があった。
ックは、あたかも藻の如き浮遊物で生成される。このフ
ロックを形成する条件は、pH条件が厳しく、約pH6
〜pH8に維持する必要があり、攪拌機、pH測定装
置、凝集剤注入装置およびこれらを制御する制御機器等
が必要となる。またフロックを安定して沈降させるに
は、大きな沈殿槽が必要となる。例えば、3m3/1時
間の排水処理能力であれば、直径3メートル、深さ4メ
ートル程度のタンク(約15トンの沈降タンク)が必要
となり、全体のシステムにすると約11メートル×11
メートル程度の敷地も必要とされる大がかりなシステム
になってしまう。
ックもあり、これらはタンクから外部に流出する恐れが
あり、全てを回収する事は難しかった。つまり設備の大
きさの点、このシステムによるイニシャルコストが高い
点、水の再利用が難しい点、薬品を使う点から発生する
ランニングコストが高い点等の問題があった。
ィルタ濾過と遠心分離機を組み合わせた方法では、濾過
装置303にフィルタF(UFモジュールと言われ、ポ
リスルホン系ファイバで構成されたもの、またはセラミ
ックフィルタ)を使用するため、水の再利用が可能とな
る。しかし、濾過装置303には4本のフィルタFが取
り付けられ、フィルタFの寿命から、約50万円/本と
高価格なフィルタを、少なくとも年に1回程度、交換す
る必要があった。しかも濾過装置303の手前のポンプ
302は、フィルタFが加圧型の濾過方法であるためモ
ータの負荷が大きく、ポンプ302が高容量であった。
また、フィルタFを通過する排水のうち、2/3程度
は、原水タンク301に戻されていた。更にはシリコン
屑が入った排水をポンプ302で輸送するため、ポンプ
302の内壁が削られ、ポンプ302の寿命も非常に短
かった。
が非常にかかり、ポンプPやフィルタFの取り替え費用
がかかることからランニングコストが非常に大きい問題
があった。
装置を開発した。これは、特願平11−148351
号、特願平11−148352、特願平11−1483
53号で既に出願されている発明である。
3は、吸引型のフィルタを採用し、濾過された水は、パ
イプ56、第1のバルブ58、パイプ60を介して再利
用したり、自然界に放出される。このフィルタには、原
水タンク50の中に混入された研削屑または研磨屑がト
ラップされ、この研削屑または研磨屑が自己形成膜とな
り、第2のフィルタとして機能するものである。この詳
細は、図14〜図16で説明するため、ここでは省略す
る。
磨屑の集合体であるため、フィルタの下から気泡発生装
置54を介して気泡を流すと、気泡の上昇力、気泡の破
裂等の外力により、第2のフィルタの表面がリフレッシ
ュされ、長期間の濾過が可能なものである。
採用される一般的なフィルタを示し、前述した排水の濾
過には、必ずこのフィルタが採用される。
て、半導体材料や金属の濾過される屑の多くは、酸もし
くはアルカリに反応して溶解する。この溶解したイオン
は、pHによって水酸化物として沈殿したり、ゲル状ま
たはコロイド状物質として水中に存在し、フィルタの目
詰まりの原因物質となる。
入された場合、反応物が形成され、連続的な濾過により
フィルタの孔71がつまりやすく、頻繁にフィルタの洗
浄が必要となったり、もしくは交換が必要と成る場合が
あった。更には、濾過が困難になるという問題もあっ
た。
研削工程では、研削屑または研磨屑を流す水として、蒸
留水、イオン交換水または純水を使用するため、研削屑
または研磨屑の反応物は、生成されず、生成したとして
も極微量である。従って、フィルタにトラップされた研
削屑または研磨屑は、固形物だけであり必ず隙間が発生
し、濾過できる時間は比較的長い。
または研磨屑を流す水として、井戸水、水道水、工業用
水を採用すると、以下の問題が発生した。つまり前述し
た水自身が、研削屑または研磨屑に注がれる前から、ア
ルカリ性または酸性に傾いている場合があった。
屑に注がれたとしても、切断後に接着剤を薬液で溶かし
たりする処理が施されるため、何らかの薬液が排水に入
る場合がある。そのため、受け皿BLには、研削屑また
は研磨屑を流す排水と一緒に薬品が混入される場合があ
る。
屑が反応し、水酸化物、ゲル状またはコロイド状の反応
物が生成し、フィルタの目詰まりを発生させていた。
みてなされ、第1に、pHが調整された排水から分離さ
れた被除去物を回収し再利用することで解決するもので
ある。
ることで解決するものである。
トをウェハまで機械加工する工程または半導体ウェハを
機械加工する工程で発生することで解決するものであ
る。
酸性に調整されることで解決するものである。
解してインゴットとすることで解決するものである。
はコンクリートとして再利用されることで解決するもの
である。
イド、ダイヤモンドまたはジルコニアであることで解決
するものである。
と、前記不純物が導入されていない前記被除去物を分別
して回収することで解決するものである。
融して再利用する被除去物の再利用方法であって、前記
被除去物は原水タンクの中で高濃度に濃縮された排水か
ら分離されたものであることで解決するものである。
縦型のフィルタの表面に形成された自己形成膜によって
前記原水タンク内で高濃度に濃縮され、前記被除去物は
半固形物として再利用されることで解決するものであ
る。
ることで解決するものである。
ンゴットとすることで解決するものである。
たはコンクリートとして再利用されることで解決するも
のである。
バイド、ダイヤモンドまたはジルコニアであることで解
決するものである。
弱酸性に調整されることで解決するものである。
る。
て、接着されたブロックの接着剤を溶かす薬品、または
アニオン界面活性剤やその他のアルカリ成分の薬品が使
用される場合がある。この場合、研磨・研削工程に於い
て、排水の受け皿BL(図17〜図21を参照)には前
記薬品が混入され、このシリコン排水は、pHが弱アル
カリ性となる場合がある。
は研磨屑は、μmオーダーの微粉末であり、このシリコ
ン粉末の表面積は、非常に広く、しかも活性である。そ
のため、シリコン粉末は溶解し、式1の様に珪酸イオン
となる。アルカリ性が強ければ強いほど、この珪酸イオ
ン量は増加する。その後、式2に示す様に、経時的に珪
酸イオンの一部がゲル状またはコロイド状に成り、濾過
フィルタの表面を被うことにより、フィルタが目詰まり
を起こし、濾過が困難となる場合がある。
が、中性または酸性であり、シリコン粉末が溶解しない
場合であっても、原水タンクまでの経路に於いて、シリ
コン排水の中にアルカリ性の物質が混入される場合も想
定される。この場合、原水タンクの排水のpHは高くな
り、水酸基の量は増加し、シリコンが溶解し、珪酸イオ
ンを生成する。さらに珪酸イオンがゲル状もしくはコロ
イド状のシリカとなる。このゲル状もしくはコロイド状
のシリカが、濾過フィルタを目詰まりさせる原因とな
る。
ていることに着目し、排水中に酸を加え、水酸基の量を
減らすことによって、シリコンの溶解を押さえ、目詰ま
りを防止できたので、以下にその説明を行う。
る排水(原水)は、原水タンク10に集められる。例え
ば、図17〜図23に示す研磨・研削装置に取り付けら
れた排水の受け皿BLから濾過装置11までの排水の経
路に、pH調整手段12を設けることで、排水のpHを
調整することができる。
0までの排水のパイプ、または原水タンク10にpH調
整手段12が設けられる。
酸または/およびアルカリを添加するための注入装置1
4で構成される。酸は塩酸、硫酸、硝酸等を使用でき、
アルカリは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用
できる。
装置14と電気的に連動し、pHの測定値と対応して酸
またはアルカリの薬品が投入され、排水を所望のpHに
制御できるシステムに成っている。また、薬品が注入さ
れた排水は、撹拌手段により撹拌される。例えばパイプ
の中に酸またはアルカリの薬品が注入される場合は、こ
のパイプの中で薬品が撹拌される手段を設ける必要があ
る。また原水タンクに薬品が注入される場合は、スクリ
ュー等の攪拌機が必要となる。尚、下から気泡を発生し
たりすることで、原水タンクの排水が常に撹拌されてい
る場合は、攪拌機を取り付けなくても良い。
入される薬品は、アルカリ液または酸性液、排水と溶け
てアルカリ性または酸性を示す固形物または粉体、また
排水と溶けてアルカリ性または酸性を示す気体が該当す
る。
れる水のpHを調整するものである。この研磨・研削装
置15に注がれる水は、必ずしも純水、蒸留水である必
要はない。例えば図17〜図21で採用されるシャワー
用の水は、ウェハになった後に、鏡面研磨をするため、
ウェハの表面が若干汚染する井戸水、工業用水または水
道水でよい。しかしこれらの水は、中性ではなく、酸性
またはアルカリ性に傾いている場合が多く、研削屑また
は研磨屑と反応する場合がある。従って、シャワー16
に水が注がれる段階で、水を所望のpHに調整しておい
ても良い。
水タンク10の中の排水は、より速やかに調整される。
そしてpHが調整された排水は、ポンプで引いたり、押
し出したりすることにより、濾過装置11に送られる。
濾過装置11には、フィル夕が装着されているが、ゲル
状もしくはコロイド状の反応物質が生成されないため、
目詰まりもなく、濾過された水は、配管を介して回収水
タンク等に送られ、再利用される。また固形物の反応が
無いため、固形物の再利用も可能となる。
に成ると、シリコンの溶出が問題となる。よって、中性
もしくは弱酸性に制御することで、フィルタの目詰まり
を防止できる。
溶液による珪酸イオンの溶出について調査したので以下
に説明する。図3で示すように、一定のpHの水溶液に
一定のシリコン粉末を混ぜ、珪酸イオンの出方について
調査した。
の反応について(反応時間) 0.01N(0.01規定) NaOH水溶液 5mlを密栓付きポ
リ容器(100ml)に取り、純水を加えて100mlとする。こ
れにシリコン(99.99%)の粉末(約10μm粒径)100mg
を加えたものを5つ用意する。4、8、23、47及び71時間
後にそれぞれ0.01N HCl水溶液 5mlを加え、中和した後
(71時間後は中和せず)、孔径0.5μmの濾過フィルタで
濾過し、濾液中の珪酸イオン量を測定した。尚、測定
は、ICP(Inductively coupled plasma)発光分析で
シリコンの量を特定したものであり、珪酸イオンの数値
の欄は、酸素分が加えられていないシリコンの量であ
る。従ってここの珪酸イオンの量は、このシリコンの量
に酸素が加えられた量が正しい値である。
は、アルカリと反応して、珪酸イオンを生成するが、酸
で中和すると、その反応は止まる。またアルカリとの反
応が時間と共に減衰し、0.01N NaOH 5ml/100mlのアルカ
リと反応するシリコン(99.99%)の粉末(約10μm粒
径)では、反応はほぼ71時間で反応はほぼ終了してい
る。また47時間で8〜9割が反応し終わっている。
l溶液の理論的なpHは10.7となる。
示され、強アルカリの場合は、14+log[OH−]で
示される。よって14+l og[0.01×5/100]
=10.7で表せる。
ら、研磨工程から濾過工程に至るまでの時間が数時間以
内では、数mg-Si/Lの珪酸イオンの溶出量である。
まれる濃度レベルであり、濾過フィルタは目詰まりを起
こす濃度ではなく大きな問題はない。従って、数時間以
内にpH調整ができれば、珪酸イオンの溶出は、極微量
であり、濾過工程に影響を与えることはない事が判る。 実験2 シリコン粉末とアルカリ水溶液との反応につい
て(最適pH) 0.0 1N NaOH水溶液と0.01N HCl水溶液を数mlを取って混
合し、pHメータを使って調整しながら、pH4 、5、
6、7、7.5、8、9及び10の水溶液100mlを作成する。これ
にシリコン(99.99%)の粉末(約10μm粒径)100mgを
加える。48時間後に孔径0.5μmの濾過フィルタで濾過
し、濾液中の珪酸イオン量を測定した。尚、前記ICP
(Inductively coupled plasma)発光分析でシリコンの
量を特定したため、珪酸イオンの欄は、シリコンの量が
示されている。
側では、珪酸イオンの生成は認められないが、pH8よ
り高いpHで珪酸イオンの溶出が認められる。
シリコンの溶解が異なるか調べてみた。図7〜図9に示
すように、強塩基としてNaOH、弱酸強塩基としてN
a2CO3,NaHCO3の3種類を用意した。まず
1,3、5mlを純水で希釈し、100mlとし、pH
を測定した。そして100mgのSiをそれぞれに添加
し、44時間の後に珪酸イオン濃度を測定した。測定方
法は、実験1で説明した様に、0.5μmのフィルタで
濾過したのち、この濾過水の中のシリコン量をICP発
光分光法で測定した。
NaOHが一番アルカリ性が強く、その後、NaCO
3,NaHCO3の順で弱くなる。また図8も一緒に考
慮すると、アルカリ性を強く示す水溶液の方がシリコン
の溶出が多かった。
ン濃度(シリコンの溶出量)をグラフに示してみると、
図6のカーブとほぼ一致した一定のカーブを描くことが
判り、珪酸イオンの濃度は、排水のpHに影響されると
考えられる。
については、弱アルカリ性であるpH8以下に排水を調
整することにより、珪酸イオンの溶出を押さえることが
出きる。
ですみ、反応性を押さえる意味で、中性に制御すること
が望ましい。
H10の排水になったと仮定した場合、NaOHは純水中に0.
0001モル存在する。0.0001モルのNaOHは4mgである。こ
れをHClで中和した場合、HClは3.6mg必要である。通常
の水道水には、ナトリウム(Na+)イオンや塩化物イオ
ン(Cl-)は、水道水中に数mg/Lの濃度で溶解してお
り、中和に必要な酸もしくはアルカリを添加しても、水
道水に含まれる濃度レベルと同レベルである。研磨工程
では、純水だけでなく水道水や地下水も利用されてお
り、工程でアルカリが混入し、pHが高くなっても、中
和処理によって、濾過処理後の水は元の水道水とほぼ同
じ水質であり、充分再生利用でき、また自然界に放出で
きるものである。
Hの調整ができれば、珪酸イオンの生成量は、水道水に
一般的に含まれる不純物の量と同程度であり、しかもp
Hを中性または酸性側に調整することにより、この珪酸
イオンの析出量を0.1mg/L以下に抑えることがで
きる。
整手段および酸または/アルカリ性の注入器を設け、排
水のpHを所望のpHにすることにより、目詰まりの原
因の一つであるゲル状もしくはコロイド状のシリカの生
成を防止することができる。
いても、排水のpHを調整することにより、金属の反応
を防止でき、この反応物によるフィルタの目詰まりを防
止することができる。
実施の形態を説明していく。
50に貯められるもので、この原水タンク50の中に濾
過装置53が浸漬される。この濾過装置53は、セラミ
ックのフィルタ、発泡金属から成るフィルタ、ガラス繊
維から成るフィルタまたは高分子のフィルタが取り付け
られ、加圧されても、吸引されても良い。尚、高分子の
フィルタ材料は、ポリオレフィン系、フッ素系またはポ
リテトラフロロエチレン系等と耐薬品性のある色々な材
料がある。また比較的耐薬品性の無い高分子、例えばセ
ルロース系の高分子でも採用可能である。図ではポンプ
57により吸引されて濾過されているものを示した。こ
の濾過された濾過水は、センサ67で濾過水の研削屑ま
たは研磨屑が常時センシングされ、所望の濃度よりも数
値が低い場合は、パイプ60を介して濾過水が再利用さ
れたり、また自然界に放出される。また前記所望の濃度
よりも高い場合は、第1のバルブ58により切り替えら
れ、濾過水がパイプ59を介して原水タンク50に戻さ
れるようになっている。
時pH調整手段でコントロールされ、ゲル状もしくはコ
ロイド状の反応物質の生成を防止している。
pHセンサであり、符号14は、酸・アルカリ注入装置
である。またATは、スクリュー等から成る撹拌手段で
ある。pHセンサ13は、原水のpHを測定し、この結
果が注入装置14にフィードバックされている。例え
ば、研削屑または研磨屑がシリコンで、原水がアルカリ
性に傾いている場合は、注入装置で酸性の物質が注入さ
れ、原水52が弱アルカリ性〜酸性、特に弱アルカリ
性、中性または弱酸性になるように制御されている。ま
た原水を強酸性に傾けると、シリコンの反応物は極微量
生成されるかまたは生成されない。しかし、濾過装置の
取り付け金具、フィルタ自身の溶解等を考慮すると、ア
ルカリの薬品を注入し、原水52が中性または弱酸性に
なるように制御した方が良い。
タには、数μmまたは1μm以下の微細な孔が数多く形
成されている。従来では、このフィルタの孔を塞ぐシリ
コンの反応物が発生していた。しかし、本発明では、原
水52のpHを制御しているため、原水に混ざった研削
屑または研磨屑の反応物が生成されず、フィルタの目詰
まりを防止することができる。
コンを採用し、図5に示すように酸性側では、極微量
で、無視できる量のシリコンの溶出しか認められなかっ
た。しかし他の半導体材料、金属材料を採用する場合、
注意を要する。例えば、これらの反応物質が仮に酸性側
で生成し、アルカリ性で生成しない場合は、逆の制御が
必要となる。
アルカリ性または酸性の薬液が注入される注入装置を採
用した。しかし原水52に注入される薬品は、水と溶け
て酸性またはアルカリ性を示す固形物または粉体、更に
は水と溶けて酸性またはアルカリ性を示す気体でも良
い。
も更に濃縮され、これをバルブ64を介して回収するこ
とも可能となる。もちろん、従来例で述べた遠心分離や
凝集沈殿でも回収が可能である。
研削屑または研磨屑は、不純物が導入されていない単結
晶の屑であるため、回収して再利用が可能な材料であ
る。特に研磨工程と異なり、大量に屑が生成されるた
め、リサイクルする事により、製造コストを大幅に下げ
ることができる。
いない研削屑または研磨屑と、不純物が導入されたウェ
ハの研磨屑を、一つのタンクに混ぜると、回収された屑
の純度が落ちる。よって、不純物の導入されていない研
削屑または研磨屑と、不純物が導入されたウェハの研磨
屑を別々のタンクで回収すれば、より効率の高い回収が
可能となる。 第3の実施の形態 本実施の形態を図11に示す。この実施の形態は、濾過
装置53が入る原水タンク50とpH調整手段12が取
り付けられる撹拌タンク50Aを別々にしたものであ
り、それ以外は、第2の実施の形態と実質的に同じであ
る。
給されるため、原水52を一定のpHに制御するのは、
非常に難しい。
Aで所望のpHに調整されてから原水が原水タンク50
に供給されるため、pHの制御性がより高まる特徴を有
する。尚、撹拌タンク50Aのサイズが原水タンク50
よりも小さければ、更に制御性が高まる。また原水タン
ク50にも撹拌手段AT2を設けても良い。 第4の実施の形態 本実施の形態を図12に示す。図12aは、pH調整手
段12の取り付け位置を説明するものであり、図12b
は、撹拌手段ATを説明するものである。
ため、ここでは異なる部分のみ説明する。
て、研削屑または研磨屑を流したり、研磨・研削治具の
温度上昇を防止するために、水道水、井戸水、工業用水
を採用する場合がある。この場合、図10や図11のよ
うに、原水52を調整しても良いが、ここでは研磨・研
削工程から原水タンク50へ排水を輸送するパイプ51
に、pH調整手段12が取り付けられる。具体的にはパ
イプ51の中にpHセンサ13のセンサ部と注入装置1
4の注入部が入るように取り付けられても良いし、図1
2aの様に、パイプ51よりもサイズの大きい調整室R
Mを取り付け、ここにpH調整手段12を取り付けても
良い。
さいため、排水のpH調整精度を非常に高くすることが
できる。また注入装置14から注入された薬品は、図1
2bに示すように、排水の流れを乱流させる撹拌手段A
Tが設けられる。例えば調整室の入り口で、pHセンサ
13Aを使って排水のpHが測定される。そしてこの測
定結果に基づき、注入装置14により薬品が注入された
排水は、板状の撹拌手段ATに衝突する。排水が衝突す
ることにより、排水の流路が複数に分離され、撹拌手段
の右の空間で撹拌される。そして撹拌された排水が、p
Hセンサ13Bで再度チェックされることで、精度の高
いpH制御が可能となる。 第5の実施の形態 本実施の形態を図13に示す。この濾過手段は、特願平
11−148351号で示した手段である。
5から成り、フィルタとして吸引型の高分子フィルタが
採用される。また材料としては、第2の実施の形態に於
いて説明した材料が採用できるが、ここではポリオレフ
ィン樹脂を採用し、この孔径は、0.25μmである。
号30aは、見た限り段ボールの様な形状に成ってい
る。0.2mm程度の薄い樹脂シートSHT1、SHT
2が重なり、その間に縦方向にセクションSCが複数個
設けられ、樹脂シートSHT1、SHT2,セクション
SCで囲まれて空間33が設けられる。この空間33の
断面は、縦3mm、横4mmから成る矩形であり、別の
表現をすると、この矩形断面を持ったストローが何本も
並べられ一体化されたような形状である。符号30a
は、両側のフィルタ膜FTを一定の間隔で維持している
ので、以下スペーサと呼ぶ。
T1,SHT2の表面には、直径1mmの孔HLがたく
さん開けられ、その表面にはフィルタ膜FTが貼り合わ
されている。よって、フィルタ膜FTで濾過された濾過
水は、孔HL、空間33を通り、最終的にはパイプ34
から出ていく。
両面SHT1、SHT2に貼り合わされている。スペー
サ30aの両面SHT1,SHT2には、孔HLの形成
されていない部分があり、ここに直接フィルタ膜FT1
が貼り付けられると、孔HLの形成されていない部分に
対応するフィルタ膜FT1は、濾過機能が無く排水が通
過しないため、被除去物が捕獲されない部分が発生す
る。この現象を防止するため、フィルタ膜FTは、複数
枚貼り合わされている。一番表側のフィルタ膜FT1
は、被除去物を捕獲するフィルタ膜で、このフィルタ膜
FT1からスペーサ30aの表面SHT1に向かうにつ
れて、フィルタ膜FT1の孔よりも大きな孔を有するフ
ィルタ膜が複数枚設けられる。ここではフィルタ膜FT
2が一枚貼り合わされている。スペーサ30aの孔HL
が形成されていない部分でも、孔の大きなフィルタ膜F
T2が設けられてからフィルタ膜FT1が貼り合わされ
ているので、フィルタ膜FT1全面が濾過機能を有する
ようになり、フィルタ膜FT1全面に被除去物が捕獲さ
れ、研削屑または研磨屑から成るフィルタ膜が表裏の全
面に形成されることになる。また図面の都合で、フィル
タ膜FT1、FT2が矩形状のシートの様に表されてい
るが、実際は袋状に形成されている。
スペーサ30aおよび押さえ手段RGがどのように取り
付けられているか、図14a、図14C、図14dで説
明する。
示す斜視図であり、図14Cは、図14aのA−A線に
示すように、パイプ34頭部からパイプ34の延在方向
(縦方向)に切断した図を示し、図14dは、B−B線
に示すように、濾過装置35を水平方向に切断し時の断
面図である。
スペーサ30aは、袋状のフィルタFTに挿入され、フ
ィルタ膜FTも含めて4側辺が押さえ手段RGで挟まれ
ている。そして袋状にとじた3側辺および残りの1側辺
は、押さえ手段RGに塗布された接着剤AD1で固定さ
れる。また残りの1側辺(袋の開口部)と押さえ手段R
Gとの間には、空間SPが形成され、空間33に発生し
た濾過水は、空間SPを介してパイプ34へと吸引され
る。また押さえ金具RGの開口部OPには、接着剤AD
2が全周に渡り設けられ、完全シールされ、フィルタ以
外から流体が侵入できない構造になっている。
り、パイプ34を吸引すると、フィルタ膜FTの孔、ス
ペーサ30aの孔HLを介して流体が空間33に向かっ
て通過し、空間33からパイプ34を経由して外部へ濾
過水を輸送できる構造となっている。またスペーサ30
aを構成するシートSHTに於いて、孔HLが形成され
た領域以外は、フラットな面であるため、フィルタFT
の支持部材となり、フィルタFTが常にフラットな面を
維持でき、第2のフィルタ膜の破壊を防止する構造にな
っている。この濾過装置35の動作を概念的に示したも
のが図15である。ここでは、パイプ34側をポンプ等
で吸引すれば、ハッチング無しの矢印のように、水が流
れ濾過されることになる。
この膜31、32で捕獲された研削屑または研磨屑の層
で第2のフィルタ膜36が形成されることになる。
屑または研磨屑が第1のフィルタ膜31、32表面に捕
獲され、残存した層を第2のフィルタ膜36として活用
することにある。
発生する被除去物は、その大きさ(粒径)が有る程度の
範囲で分布し、しかもそれぞれの被除去物の形状が異な
っている。また第1のフィルタ膜31、32が浸かって
いる排水の中で研削屑または研磨屑がランダムに位置し
ている。そして大きな研削屑または研磨屑から小さな研
削屑または研磨屑までが不規則に第1のフィルタ孔に移
動していく。この時フィルタ孔よりも小さな研削屑また
は研磨屑16Bは通過するが、フィルタ孔よりも大きな
研削屑または研磨屑16Aは捕獲される。そして捕獲さ
れた大きな研削屑または研磨屑16Aが第2のフィルタ
膜36の初段の層となり、この層がフィルタ孔よりも小
さなフィルタ孔を形成し、この小さなフィルタ孔を介し
て大きな研削屑または研磨屑16Aから小さな研削屑ま
たは研磨屑16Bが捕獲されていく。この時、研削屑ま
たは研磨屑の形状がそれぞれ異なるために、研削屑また
は研磨屑の間には、色々な形状の隙間ができ、水はこの
隙間を通路として移動し、最終的には濾過される。これ
は、砂浜の水はけが良いのと非常に似ている。
屑または研磨屑16Aから小さな研削屑または研磨屑1
6Bをランダムに捕獲しながら徐々に成長し、水(流
体)の通路を確保しながら小さな研削屑または研磨屑1
6Bをトラップする様になる。しかも第2のフィルタ膜
36は、層状に残存しているだけで研削屑または研磨屑
は容易に移動可能なので、層の付近に気泡を通過させた
り、水流を与えたり、音波や超音波を与えたり、機械的
振動を与えたり、更にはスキージ等でこすったりする事
で、簡単に第2のフィルタ膜36の表層を排水側に移動
させることができる。つまり第2のフィルタ膜36のフ
ィルタ能力が低下しても、第2のフィルタ膜36に外力
を加えることで、簡単にその能力を復帰させることがで
きるメリットを有する。また別の表現をすれば、フィル
タ能力の低下の原因は、主に目詰まりであり、この目詰
まりを発生させている第2のフィルタ膜36の表層の被
除去物を再度流体中に移動させる事ができ、目詰まりを
解消させることができる。
は、Siウェハのダイシング時に発生する切削屑を用い
た。この屑の粒径分布は、図16aに示されるように、
およそ0.1μm〜200μmの範囲で分布されてい
る。
も小さい粒が検出不能であったため、0.1μmよりも
小さい切削屑の分布は示されていない。しかし図16b
を観察すると、実際は、これよりも小さいものが含まれ
ていると推察する。実験に依れば、この切削屑が混入さ
れた排水を前述した0.25μm孔のポリオレフィン膜
より成るフィルタで濾過した際、この切削屑がポリオレ
フィンより成るフィルタ膜に均一に層状に形成され、
0.1μm以下の切削屑まで捕獲することが判った。
るが、ピークは1つであっても良い。1μm以下〜数百
μmと広い範囲で存在していること、屑の形状が異なる
ことが、水の通路を確保する上で重要である。
取り除く方法、リフレッシュする方法として、気泡の上
昇を活用した例を示した。図15の斜線で示す矢印の方
向に気泡が上昇し、この気泡の上昇力や気泡の破裂が直
接研削屑または研磨屑に外力を与え、また気泡の上昇力
や気泡の破裂により発生する水流が研削屑または研磨屑
に外力を与える。そしてこの外力により第2のフィルタ
膜36の濾過能力は、常時リフレッシュし、ほぼ一定の
値を維持することになる。
にある。つまり第2のフィルタ膜36に目詰まりが発生
してその濾過能力が低下しても、前記気泡のように、第
2のフィルタ膜36を構成する研削屑または研磨屑を動
かす外力を与えることで、第2のフィルタ膜36を構成
する研削屑または研磨屑を排水側に動かすことができ、
濾過能力を長期にわたり維持させることができる。
ひとつは、完全に第2のフィルタ膜36をこわす(取り
除く)方法である。この場合、研削屑または研磨屑は、
第1のフィルタ膜に積層されていないので、小さい研削
屑または研磨屑がフィルタ膜を通過してしまう。そのた
め小さな研削屑または研磨屑がトラップされるのを確認
するまでは、濾過水を排水(原水)の入った水槽(タン
ク)に循環させている。また効率的ではないが、小さな
被除去物が捕獲されるまで、小さな被除去物が混入され
た濾過水を別の水槽に移しても良い。
極表面に形成された膜(目詰まりの原因である被除去
物)を移動する方法である。つまり目詰まりの原因であ
る研削屑または研磨屑がフィルタ膜の極表面に捕獲され
ているので、気泡により発生する外力により捕獲を解除
し、常に一定の濾過能力を維持させるている。これは、
外力を与えることで第2のフィルタの厚みをほぼ一定に
していると思われる。あたかも研削屑または研磨屑1つ
1つが濾過水の入り口に栓をかけており、栓が外力によ
り外れ、外れた所から濾過水が浸入し、また栓が形成さ
れたら再度外力により外すの繰り返しを行っているよう
なものである。これは、気泡のサイズ、その量、気泡を
当てている時間を調整することにより、常に濾過能力を
維持できるメリットを有する。
加わっていても良いし、間欠的に加わっても良い。
は、原水に完全に浸されている必要がある。第2のフィ
ルタ膜は、長時間空気に触れると膜が乾燥し、剥がれた
り、崩れたりするからである。また空気に触れている所
が少しでも有ると、フィルタ膜は空気を吸引するため、
濾過能力が低下するからである。
と、第2のフィルタ膜36が第1のフィルタ膜31、3
2に形成されている限り、第1のフィルタ膜31、32
は、シート状の高分子膜でもセラミックでも良し、吸引
型でも加圧型でも良い。しかし実際採用するとなると、
第1のフィルタ膜31、32は、高分子膜で、しかも吸
引型が良い。その理由を以下に述べる。
となるとかなりコストは上昇し、クラックが発生した
ら、リークが発生し、濾過ができなくなる欠点を有す
る。また加圧型であると、排水を加圧する必要がある。
例えば図13のタンク50を例に取ると、圧力を加える
のに、タンクの上方は開放型ではなく密閉型でなくては
ならない。しかし密閉型であると、気泡を発生させるこ
とが難しい。一方、高分子膜は、色々なサイズのシート
や袋状のフィルタが安価で手に入る。また柔軟性がある
ためクラックが発生せず、またシートに凹凸を形成する
ことも容易である。凹凸を形成することで、第2のフィ
ルタ膜がシートに食い付き、排水中での剥離を抑制する
ことができる。しかも吸引型であれば、タンクは開放型
のままで良い。
成が難しい。図15に於いて、空間33内の圧力を1と
仮定すれば、排水は1以上の圧力をかける必要がある。
従ってフィルタ膜に負荷がかかり、更には捕獲された被
除去物が高い圧力で固定され、被除去物が移動しにくい
と思われる。
吸引型のシステムを図13で説明する。
ある。このタンク50の上方には、原水供給手段として
パイプ51が設けられている。このパイプ51は、研削
屑または研磨屑が混入した流体の通過する所である。例
えば、半導体分野で説明すると、図17〜図23で説明
した研磨・研削工程に於いて、研削屑または研磨屑が混
入された排水(原水)が通過する所である。尚、この排
水は、ダイシング装置から流れるシリコン屑が混入され
た排水として説明していく。
には、濾過装置53が複数個設置される。この濾過装置
53の下方には、例えばパイプに小さい孔を開けたよう
な、また魚の水槽に使うばバブリング装置の如き、気泡
発生装置54が設けられ、ちょうどフィルタ膜の表面を
通過するようにその位置が調整されている。55は、エ
アーブローである。
濾過装置53で濾過された濾過水が通過し、第1のバル
ブ58を介して原水タンク50側に向かうパイプ59
と、再利用(または排水される)側に向かうパイプ60
に選択輸送される。また原水タンク50の側壁および底
面には、第2のバルブ61、第3のバルブ62、第4の
バルブ63および第5のバルブ64が取り付けられてい
る。またパイプ65の先に取り付けられているものは、
別途設けられた濾過装置66である。
水タンク50に貯められ、濾過装置53により濾過され
る。この濾過装置に取り付けられたフィルタ膜の表面
は、気泡が通過し、気泡の上昇力や破裂により、フィル
タ膜にトラップした研削屑または研磨屑を動かし、常に
その濾過能力が低下しないように維持されている。
り、休日により長期間停止されたり、またはパイプ56
にシリコン屑が混入されている場合は、バルブ58を使
って、濾過水がパイプ59を介して原水タンク50に循
環する様に設計されている。それ以外は、バルブ58
は、パイプ60に切り替えられており、濾過水は再利用
されたり、自然界に放出される。
ルタ膜のサイズ、シリコン屑の量、吸引速度によって循
環の時間は異なるが、およそ4〜5時間でフィルタ膜の
表面に第2のフィルタ膜が形成され、0.1μm以下の
シリコン屑まで捕獲できる膜となる。しかしフィルタ膜
のサイズの小さいものであれば30分でも良いことが判
っている。従って循環時間が判っていれば、タイマーで
設定し、所定の時間が経過したら自動的に第1のバルブ
58が切り替わるようにしても良い。
常時センシングしている。センサとしては、受光・発光
素子の付いた光センサが、常に計測できるため好まし
い。発光素子は、発光ダイオードやレーザが考えられ
る。またセンサ67は、パイプ56の途中あるいはパイ
プ59の途中に取り付けても良い。
れてくる。そして所望の濃度になった場合、濾過作業を
停止し、PAC、またはAl2(SO4)3等を用いて
凝集沈殿させ、放置する。するとタンクの中の原水は、
だいたい層状に分かれる。つまり上層から下層に従い、
やや透明な水から被除去物で全く非透明な液体に分布さ
れる。これらをバルブ61〜64を使い分けて回収して
いる。
水は、第2のバルブ61を開けて、濾過装置66を介し
て回収する。続いてバルブ62、63を順次開けて原水
を回収する。最後には、原水タンクの底に貯まった濃縮
スラリーをバルブ64を開けて回収する。
の自重によりいっきに濃縮スラリーが流れ、しかも上方
の水も出て制御が難しい。そのため、ここでは、61、
62、63、64の順にバルブを開けて回収している。
カリ性にしてからpHを下げていき、その後に前記凝集
剤を添加していく。本再生システムには、pH調整手段
が備えられるため、この凝集沈殿を行う際、薬品の注入
手段としても活用できる特徴を有する。
説明したが、これに限ることはない。例えば、原水52
がある濃度になったら、別の濾過装置66(FD)に移
しても良い。
回収装置として用いても良い。例えば半導体ウェハのシ
リコン屑が入った原水タンク50が所定の濃度になった
ら、凝集沈殿を行わず、濾過装置66(FD)で分離し
ても良い。分離されたシリコン屑は再度溶融されてウェ
ハ用のSiのインゴットにしても良い。また瓦の材料、
セメント、コンクリートの材料等と、色々な分野に再利
用が可能である。
うに、pH調整手段12を設けたことにある。
る膜をフィルタとして活用しており、また研削屑または
研磨屑が個別に分離移動できるSiの如き、硬い物質か
らなる点にポイントがある。従って気泡等の外力を与え
ることにより、フィルタの構成物である研削屑または研
磨屑が移動可能となる。そしてこの研削屑または研磨屑
の移動がフィルタをリフレッシュさせる。しかしパイプ
の中に流れる排水のpHが例えばアルカリ性に傾いてい
ると、研削屑または研磨屑である固形物が原水タンク5
0の中で反応し、ゲル状もしくはコロイド状のベトベト
した物質を生成させる。
研削屑または研磨屑からなるフィルタの孔を塞ぐと同時
に、研削屑または研磨屑の移動を妨害する。前述したよ
うに、研削屑または研磨屑が個別に分離可能な状態で存
在しているため、フィルタの表面に外力を与えること
で、フィルタをリフレッシュできるが、ゲル状もしくは
コロイド状のベトベトした物質が研削屑または研磨屑に
付着すると、移動が不可能になりリフレッシュ機能が無
くなってしまう。
プ51または原水タンク50に取り付けることで、原水
タンク50の中の原水52を所望のpHに調整すること
ができ、ゲル状もしくはコロイド状の反応物の生成を防
止することができる。
タの機能を維持することができ、長時間に渡る濾過を可
能とする。
2の表面に、排水中の研削屑または研磨屑で第2のフィ
ルタ36を形成し、この膜によって排水中の研削屑また
は研磨屑と水に分離するものである。しかし別途第2の
フィルタ36が形成された濾過装置35用意し、この排
水に投入し、濾過してもよい。
ルタを形成した濾過装置を図17〜図21の工程で生成
された排水の中に入れ、濾過しても良い。更には、この
濾過装置を使い、Siカーバイドの研削屑または研磨屑
が入った排水、研磨ブレードとして使用されるダイヤモ
ンドの粉が排出された排水、ジルコニア等の高価な材料
が混入された排水等を濾過しても良い。
ハから発生するシリコン屑で説明してきたが、本発明
は、実施例の最初に説明したように、色々な固形物の研
削屑または研磨屑で応用が可能である。特に研削屑また
は研磨屑が、周期表の中で、2a族〜7a族、2b族〜
7b族の元素のうち少なくとも一つを含む無機固形物で
あれば、これらのものは本発明を採用することにより殆
ど取り除くことができる。
いる固形物と水の反応を防止することにより、ゲル状も
しくはコロイド状の反応物質の生成を防止することがで
き、排水と固形物の分離が可能となる。
用すけば、排水のpHを所望の値に設定することがで
き、固形物と水の反応をより防止することができる。
屑または研磨屑がどんどん高濃度になり長時間滞在す
る。よって貯留槽に供給される排水、更には貯留槽の中
の排水を制御することにより、より高濃度になった研削
屑または研磨屑と水の反応を防止することができる。
にpHをモニターするためのセンサーと酸またはアルカ
リを注入するための手段を設け、フィルタ濾過前に前記
排水のpHを制御することにより、固形物から成る研削
屑または研磨屑の溶解、沈殿を防止でき、フィルタの目
詰まりを未然に防止できる。
をフィルタとして採用し、且つこのフィルタにリフレッ
シュ機能を備えた濾過装置に於いて、前記pH調整手段
を採用すれば、ゲル状もしくはコロイド状の反応物質が
生成されない。よって、フィルタを構成する固形物の移
動が維持されるので、このフィルタのリフレッシュ機能
を維持させることができ、濾過装置の特徴である長期間
の濾過を可能にできる。
て、ウェハ用のシリコンのインゴット、瓦、セメントま
たはコンクリートとして再利用することができる。
を説明する図である。
を説明する図である。
際、時間と共にどれだけ珪酸イオンが生成されるかを説
明する図である。
されるかを説明する図である。
濃度とpHを示す図である。
生成されるか説明した図である。
生成量を説明する図である。
する図である。
発明の濾過システムと従来型の装置を比較した図であ
る。
屑の粒度分布およびその形状・サイズを説明する図であ
る。
を説明する図である。
形成する工程を説明する図である。
程を説明する図である。
程を説明する図である。
る。
Claims (15)
- 【請求項1】 pHが調整された排水から分離された被
除去物を回収し再利用することを特徴とする被除去物の
再利用方法。 - 【請求項2】 前記被除去物は、シリコン屑であること
を特徴とする請求項1記載の被除去物の再利用方法。 - 【請求項3】 前記シリコン屑は、結晶インゴットをウ
ェハまで機械加工する工程または半導体ウェハを機械加
工する工程で発生することを特徴とする請求項2記載の
被除去物の再利用方法。 - 【請求項4】 前記排水のpHは、中性または弱酸性に
調整されることを特徴とする請求項1記載の被除去物の
再利用方法。 - 【請求項5】 回収された前記被除去物を、再融解して
インゴットとすることを特徴とする請求項1記載の被除
去物の再利用方法。 - 【請求項6】 前記被除去は、瓦、セメントまたはコン
クリートとして再利用されることを特徴とする請求項1
記載の被除去物の再利用方法。 - 【請求項7】 前記被除去物は、シリコンカーバイド、
ダイヤモンドまたはジルコニアであることを特徴とする
請求項1記載の被除去物の再利用方法。 - 【請求項8】 不純物が導入された前記被除去物と、前
記不純物が導入されていない前記被除去物とを分別して
回収することを特徴とする請求項1記載の被除去物の再
利用方法。 - 【請求項9】 半固形物にされた被除去物を再溶融して
再利用する被除去物の再利用方法であって、前記被除去
物は原水タンクの中で高濃度に濃縮された排水から分離
されたものであることを特徴とする被除去物の再利用方
法。 - 【請求項10】 前記被除去物を含む前記排水は縦型の
フィルタの表面に形成された自己形成膜によって前記原
水タンク内で高濃度に濃縮され、前記被除去物は半固形
物として再利用されることを特徴とする請求項9記載の
被除去物の再利用方法。 - 【請求項11】 前記被除去物はシリコン屑であること
を特徴とする請求項9または請求項10のいずれかに記
載の被除去物の再利用方法。 - 【請求項12】 前記被除去物を、再融解してインゴッ
トとすることを特徴とする請求項9〜請求項11のいず
れかに記載の被除去物の再利用方法。 - 【請求項13】 前記被除去は、瓦、セメントまたはコ
ンクリートとして再利用されることを特徴とする請求項
9〜請求項11のいずれかに記載の被除去物の再利用方
法。 - 【請求項14】 前記被除去物は、シリコンカーバイ
ド、ダイヤモンドまたはジルコニアであることを特徴と
する請求項9または請求項10のいずれかに記載の被除
去物の再利用方法。 - 【請求項15】 前記排水のpHは、中性または弱酸性
に調整されることを特徴とする請求項9記載の被除去物
の再利用方法。
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