JP2002183824A - 自動販売機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 物品を破損させることなく入れ替え作業を迅
速に行うことができると共に、従来販売が難しかった強
度の低い物品や薄型の物品も収納可能な自動販売機を提
供すること。 【解決手段】 コイルスプリングの隣接する巻き間に物
品２００を収納するようにしたスプリングストッカー１
０と、スプリングストッカー１０の一方の端部に備えら
れ、スプリングストッカー１０を間欠的に回転させる駆
動モータ２０とから構成されており、スプリングストッ
カー１０が駆動モータ２０によって間欠的に回転するこ
とで収納した物品２００を駆動モータ２０を備えた端部
とは反対側の端部へ順次送り込んで離脱させることで取
出部７０まで物品２００を搬送する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本願発明は、収納した物品を
取出部まで搬送する搬送手段を備えた自動販売機に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の自動販売機としては、装
置内部に物品を縦積みに収納し、その縦積みの最下部に
位置する物品から順に取出部へ落下させる搬送手段を備
えたものが種々の物品の無人販売に広く利用されてい
る。この搬送手段は、物品を係止する係止部を備えたス
ライド板が最下部に収納されている物品を係止しながら
横方向にスライドして物品を１つずつ取出部へと搬送す
るものである。

【０００３】また、上記のような手段以外に、中心軸に
支持されたスパイラルコイルを装置内部に水平に配置し
て、その支持体にリングやフック等の吊下具を介して吊
り下げて収納し、スパイラルコイルを中心軸回りに回転
させることで物品全体をスパイラルコイルの先端側に送
り、その最先端に位置する物品から順次離脱させて取出
部まで搬送する自動販売機が特開平１０−３０５９１２
号によって開示されている。

【０００４】

【解決しようとする課題】しかし、物品を縦積みに収納
する従来の自動販売機では、例えばビニールパックやプ
ラスチックパックのように強度の低い物品を収納する
と、縦積みの下側にある物品がそれよりも上側にある物
品の重みによって変形したり、植物の種子入りパック等
の薄型の物品を収納するとスライド板の係止部が２つ以
上の物品を係止してスライドしてしまい、物品を余計に
搬送することもあった。また、物品を補充する場合には
新しい物品を上から順に積んでいって補充するので、次
第に下側に収納されている物品が古くなり、その下側に
収納されている物品だけを入れ替える必要が生じる場合
もある。このように下側にある物品だけを取り出したい
場合に、その下側の物品を無理に引き出そうとすれば上
下に重なり合う物品同士が引っ掛かる等して破損するこ
ともあるため、取り出す必要のない上側にある物品も全
て取り出さなければならないという煩を伴っていた。

【０００５】また、スパイラルコイル式の自動販売機で
は強度の低い物品でも変形することなく収納できたが、
フックやリング等の吊下具が必要で、収納する物品もフ
ック等を引っ掛けるための吊下部を備えているものに限
られていた。また物品の吊下部の１つ１つにフックを掛
けなければならないため、物品の補充作業や入れ替え作
業が非常に面倒であった。

【０００６】そこで、本発明は物品を破損させることな
く収納又は取り出しをすることができるとともに、その
作業を容易かつ迅速に行うことができる自動販売機を提
供することを課題とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために請求項１に記載の発明が採った手段は、収納
した物品２００を取出部７０まで搬送する搬送手段が、
コイルスプリングの隣接する巻き間のそれぞれが物品２
００を収納する収納部１１であるスプリングストッカー
１０と、スプリングストッカー１０の一方の端部に備え
られ、スプリングストッカー１０を軸中心に間欠的に回
転させる駆動モータ２０とからなり、駆動モータ２０に
よってスプリングストッカー１０が軸中心に間欠的に回
転することによって収納部１１に収納した物品２００を
スプリングストッカー１０の駆動モータ２０を備えた側
と反対側の端部に順次送り込んで離脱させて取出部７０
に搬送するものであることを特徴とする自動販売機１０
０である。すなわち、スプリングストッカー１０の隣接
する巻き間に物品２００を収納することでコイルスプリ
ングによって物品２００間が仕切られて、物品２００を
それぞれ独立して収納し、スプリングストッカー１０を
駆動モータ２０で回転して物品２００をスプリングスト
ッカー１０の端部に向けて順次送り出すことで取出部７
０まで搬送するものである。

【０００８】請求項２に記載された発明が採った手段
は、スプリングストッカー１０が、その軸方向が垂直と
なるように配設され、駆動モータ２０がスプリングスト
ッカー１０の上端部に備えられ、収納部１１に収納した
物品２００をスプリングストッカー１０の下端部に順次
送り込んで離脱させるものであることを特徴とする請求
項１記載の自動販売機１００である。すなわち、スプリ
ングストッカー１０が物品２００間を仕切って物品２０
０をそれぞれ独立して収納できるために、スプリングス
トッカーを縦置きに配設して、上部にある物品２００の
重みによって下部にある物品２００が変形することなく
縦積みに収納できるようにしたものである。

【０００９】請求項３に記載された発明が採った手段
は、収納部１１に収納した物品２００を係止して、スプ
リングストッカー１０が駆動モータ２０によって回転す
ることに追随して物品２００が回転することを阻止する
回転阻止部３０を備えたことを特徴とする請求項１また
は２に記載の自動販売機１００である。すなわち、物品
２００がスプリングストッカー１０の回転に伴って回転
してしまうと物品２００を順次送り出すことができなく
なるため、物品２００が回転しないように係止して、確
実に送ることを可能にするものである。

【００１０】請求項４に記載された発明が採った手段
は、金銭投入部４０から金銭を投入したときに駆動モー
タ２０を作動させる制御手段を備えたことを特徴とする
請求項１から３のいずれか１項に記載の自動販売機１０
０である。

【００１１】請求項５に記載された発明が採った手段
は、スプリングストッカー１０を複数備え、スプリング
ストッカー１０、１０・・・のうちの何れかと対応する
駆動モータ２０を選択して作動させる選択手段を備えた
ことを特徴とする請求項４記載の自動販売機１００であ
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
示す実施例に基づいて説明する。本実施例の自動販売機
１００は、図１に示したように装置内部１０１にスプリ
ングストッカー１０が４基縦置きに横並びで配設されて
いる。スプリングストッカー１０の隣接する巻き間が物
品２００を収納する収納部１１、１１、・・・になって
おり、収納部１１には図４に示したように１つずつ物品
２００を挿入して収納していく。

【００１３】なお、スプリングストッカー１０におい
て、スプリングの巻き数は特に限定されるものではな
く、物品の収納数、装置の大きさに合わせて決定すれば
よい。巻き間の幅もまた特に限定されるものではない
が、少なくとも収納部１１として機能できるように物品
を安定して収納できる程度の幅である必要がある。ま
た、装置内に軸方向が水平となるよう横置きに配設して
も斜めに配設してもよく、配設する基数も限定されるも
のではない。これらは販売しようとする物品の種類数や
形状または物品販売装置本体の大きさや形を考慮して配
設すればよい。

【００１４】スプリングストッカー１０の上端部には駆
動モータ２０を備えている。駆動モータ２０の回転軸２
１はベアリング２２を備えており、回転軸２１の端部に
設けた取付板２３にスプリングストッカー１０が固着さ
れている。また、ベアリング２２の外周にはスプリング
ストッカー１０の上蓋２４が取り付けられている。駆動
モータ２０は制御ボックス６０と連動しており、制御ボ
ックス６０によってその作動が制御されている。

【００１５】なお、駆動モータ２０は、スプリングスト
ッカー１０を１回転ずつ間欠的に回転するものであり、
駆動モータ２０の回転方向はスプリングストッカー１０
の巻き方向と逆方向である必要がある。

【００１６】また、角筒状の回転阻止部３０がスプリン
グストッカー１０の外周を囲うように上蓋２４の下面に
ネジ止めによって固着されている。角筒状の回転阻止部
３０は、前面パネル部１０２を開けて物品２００を収納
部１１に収納できるよう前面部分を軸方向に沿って切り
取った形状となっており、前面パネル部１０２を開けた
ときには収納部１１が露出するようにしている。なお、
この回転阻止部３０の形状や取り付け位置は、スプリン
グストッカー１０に収納した物品２００がスプリングス
トッカー１０の回転に追随して回転するのを防げるもの
であれば特に限定されるものではない。

【００１７】スプリングストッカー１０の下側には図３
に示したように収納部１１から落下してきた物品２００
を受け止める取出部７０が形成されており、この取出部
７０は前面パネル部１０２に備えた取出口７１から物品
２００を取り出せるように前面開口形成されている。さ
らに、取出部７０の上部には落下してくる物品２００を
取出部７０へ導くためのホッパ８０が設けられている。

【００１８】図２に示すように、自動販売機１００の前
面パネル部１０２には取出口７１、金銭投入部４０と物
品選択部５０が備えられている。取出口７１の裏側には
取出蓋７２が蝶番７３により取り付けされており、物品
２００を取り出すときに取出蓋７２を取出部７０の内部
に押し込んで開くことができる。金銭投入部４０及び物
品選択部５０は何れも周知の手段によるもので、駆動モ
ータ２０の作動を制御する制御ボックス８０と連動して
いる。

【００１９】金銭投入部４０は硬貨投入口４１、返却口
４２及び返却ツマミ４３を備え、硬貨投入口４１から金
銭が投入されると物品選択部５０が作動する。

【００２０】なお、金銭投入部４０は本実施例にて示し
たものに限られるものではなく、金銭を投入によって、
その金額等を確認したときに駆動モータ２０または物品
選択部５０を作動させるようなものであればよい。

【００２１】物品選択部５０は、販売する物品２００の
サンプルを展示するサンプル展示部５１と、複数の押ボ
タン５２を備えている。この押ボタン５２はそれぞれ所
定の駆動モータ２０と連動している。

【００２２】なお、物品選択部５０は必ずしも備える必
要はなく、例えばスプリングストッカー１０を１基だけ
備えて１種類の物品２００だけを販売する場合には必要
がない。また、物品選択部５０は本実施例に示したもの
に限られるものではなく、購入者が所望する物品２００
を収納したスプリングストッカー１０に対応した駆動モ
ータ２０を選択的に作動することができるものであれば
よい。

【００２３】また、図には示していないが、前面パネル
部１０２は、周知の手段によって開閉可能であり、物品
や金銭の補充や取り出し作業をするときは、前面パネル
部１０２を開けて行う。さらに周知の施錠手段によって
他人が無断で開閉して収納部内の物品や金銭を持ち出す
ことができないようにしている。

【００２４】次に、本実施例の自動販売機の操作及び販
売方法を説明する。スプリングストッカー１０に物品を
収納するには、前面パネル部を開けてスプリングストッ
カー１０の収納部１１、１１・・・に物品２００を１つ
ずつ図４に示したように横方向に挿入して収納する。収
納する物品としては様々なものが考えられるが、折り畳
んだ袋に入った加熱前のポップコーン、種子、ポケット
テッシュ、カード、袋入りの菓子パン等、従来の物品を
縦積みに収納する自動販売機では販売することが難しか
った物品でも問題なく収納して販売することができる。

【００２５】購入者は自動販売機１００のサンプル展示
部５１に展示された物品２００のサンプルを見て収納さ
れている物品２００の種類や存在等を確認して、金銭投
入部４０に所定金額の金銭を投入すると物品選択部５０
が作動する。そして購入しようとする物品２００と対応
した押ボタン５２を押すと、その押ボタン５２と連動し
た駆動モータ２０が作動してスプリングストッカー１０
がその巻き方向とは逆方向に１回転する。このとき、収
納されている物品２００、２００、・・・は回転阻止部
３０によって係止されるためにスプリングストッカー１
０のみが回転して物品２００、２００、・・・が１コイ
ルずつ下端方向に送られて、最下部にある物品２００だ
けががスプリングストッカー１０から離脱してホッパ８
０に誘導されて取出部７０内に落下する。そして、購入
者は取出蓋７２を取出部７０の内部に押し込んで取出部
７０内に落下した物品２００を取り出すことができる。

【００２６】本実施例の自動販売機１００では、物品２
００を１つずつ収納部１１へ収納することで、物品２０
０同士が干渉しあうことがないために、上記のような従
来販売することが難しかった物品でも潰れたりすること
なく縦積み状態に収納できると共に、薄型の物品であっ
ても１つずつ確実に取出部７０まで搬送することが可能
である。また物品２００を収納部１１毎に１つずつ収納
できるので入れ替え作業時において物品２００を取り出
す場合でも物品２００を傷めることなく迅速に行うこと
ができる。

【００２７】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、物品をス
プリングストッカーの隣接する巻き間のそれぞれを収納
部として物品間が仕切られて、物品を取り出すときに物
品同士が引っ掛かったり絡んだりして破損させることが
なく、物品の入れ替え作業を迅速に行うことができる。
また、強度の低い物品でも変形等することなく整列して
収納することができるとともに、薄型の物品でも確実に
１つずつ搬送することができる。また、物品を収納する
ための吊下具等の部材も不要であり、収納する物品も吊
下部を有するものに限定されない。

【００２８】請求項２記載の発明によれば、請求項１に
係る発明の効果に加えて、スプリングストッカーの隣接
する巻き間を収納部としているため物品同士間が仕切ら
れているため、物品を縦積み状態で収納しても下側にあ
る物品だけの取り出しが容易であると共に、上部にある
物品の重さによって変形することもない。

【００２９】請求項３に係る発明によれば、請求項１ま
たは２に係る発明の効果に加えて、収納部に収納した物
品がスプリングストッカーに追随して回転することを阻
止して確実に搬送することができるので、物品がスプリ
ングストッカーから離脱しない等のトラブルを防ぐこと
ができる。

【００３０】請求項４に係る発明によれば、請求項１か
ら３のいずれか１項に係る発明の効果に加えて、金銭を
投入しなければ駆動モータが作動しないために、収納し
た物品を金銭と引き替えにして販売することができる。

【００３１】請求項５に係る発明によれば、請求項１か
ら４のいずれか１項に係る発明の効果に加えて、複数の
スプリングストッカーにそれぞれ種類等が異なる物品を
収納している場合でも、購入者がそれを任意に選択して
購入することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例に係る自動販売機であって、前面パネ
ルを開放したときの正面図である。

【図２】 実施例に係る自動販売機の正面図である。

【図３】 図１のＡ−Ａ切断線による断面図である。

【図４】 実施例に係る自動販売機内部に配設したスプ
リングストッカーの拡大図であって、物品の収納状態を
示したものである。

【符号の説明】

１０ スプリングストッカー １１ 収納部 ２０ 駆動モータ ２１ 回転軸 ２２ ベアリング ２３ 取付板 ２４ 上蓋 ３０ 回転阻止部 ４０ 金銭投入部 ４１ 硬貨投入口 ４２ 返却口 ４３ 返却ツマミ ５０ 物品選択部 ５１ サンプル展示部 ５２ 押ボタン ６０ 制御ボックス ７０ 取出部 ７１ 取出口 ７２ 取出蓋 ７３ 蝶番 ８０ ホッパ １００ 自動販売機 １０１ 装置内部 １０２ 前面パネル部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 収納した物品を取出部まで搬送する搬送
   手段が、 コイルスプリングの隣接する巻き間のそれぞれが物品を
   収納する収納部であるスプリングストッカーと、 前記スプリングストッカーの一方の端部に備えられ、前
   記スプリングストッカーを軸中心に間欠的に回転させる
   駆動モータとからなり、 前記駆動モータによって前記スプリングストッカーが軸
   中心に間欠的に回転することによって前記収納部に収納
   した物品を前記スプリングストッカーの駆動モータを備
   えた側と反対側の端部に順次送り込んで離脱させて取出
   部に搬送するものであることを特徴とする自動販売機。
2. 【請求項２】 スプリングストッカーが、その軸方向が
   垂直となるように配設され、駆動モータが前記スプリン
   グストッカーの上端部に備えられ、収納部に収納した物
   品を前記スプリングストッカーの下端部に順次送り込ん
   で離脱させるものであることを特徴とする請求項１記載
   の自動販売機。
3. 【請求項３】 収納部に収納した物品を係止して、スプ
   リングストッカーが駆動モータによって回転することに
   追随して前記物品が回転することを阻止する回転阻止部
   を備えたことを特徴とする請求項１または２に記載の自
   動販売機。
4. 【請求項４】 金銭投入部から金銭を投入したときに駆
   動モータを作動させる制御手段を備えたことを特徴とす
   る請求項１から３のいずれか１項に記載の自動販売機。
5. 【請求項５】 スプリングストッカーを複数備え、前記
   スプリングストッカーのうちの何れかに対応する駆動モ
   ータを選択して作動させる選択手段を備えたことを特徴
   とする請求項１から４のいずれか１項に記載の自動販売
   機。