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JP2002151841A - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法

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Publication number
JP2002151841A
JP2002151841A JP2000345322A JP2000345322A JP2002151841A JP 2002151841 A JP2002151841 A JP 2002151841A JP 2000345322 A JP2000345322 A JP 2000345322A JP 2000345322 A JP2000345322 A JP 2000345322A JP 2002151841 A JP2002151841 A JP 2002151841A
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JP
Japan
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resin
layer
printed wiring
wiring board
multilayer printed
Prior art date
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Pending
Application number
JP2000345322A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Ichikawa
慎一郎 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜導体層表面の物性が均一となり、また、
薄膜導体層に感光性ドライフィルムを圧着した際に、両
者の接触面積が増加することにより薄膜導体層と感光性
ドライフィルムとの密着性が向上するため、薄膜導体層
に密着した矩形状のめっきレジストを形成することがで
き、さらに、接続信頼性に優れる断面が矩形状の導体回
路を形成することができる多層プリント配線板の製造方
法を提供する。 【解決手段】 1)薄膜導体層が形成された層間樹脂絶縁
層上に感光性ドライフルムを貼り付ける工程、2)上記感
光性ドライフィルムに露光、現像処理を施すことにより
めっきレジストを形成する工程、および、3)めっきレジ
スト非形成部に導体回路を形成する工程を含む多層プリ
ント配線板の製造方法であって、上記1)の工程におい
て、上記薄膜導体層表面に粗化面または粗化層を形成し
た後、感光性ドライフィルムを貼り付けることを特徴と
する多層プリント配線板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線
板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる多層ビルドアップ配線基板と呼
ばれる多層プリント配線板は、セミアディティブ法等に
より製造されており、コアと呼ばれる0.6〜1.5m
m程度のガラスクロス等で補強された樹脂基板の上に、
銅等による導体回路と層間樹脂絶縁層とを交互に積層す
ることにより作製される。この多層プリント配線板の層
間樹脂絶縁層を介した導体回路間の接続は、バイアホー
ルにより行われている。
【0003】従来、ビルドアップ多層プリント配線板
は、例えば、特開平9−130050号公報等に開示さ
れた方法により製造されている。すなわち、まず、銅箔
が貼り付けられた銅張積層板に貫通孔を形成し、続いて
無電解銅めっき処理を施すことによりスルーホールを形
成する。続いて、基板の表面を導体パターン状にエッチ
ング処理して導体回路を形成し、この導体回路の表面に
無電解めっきやエッチング等により粗化面を形成し、そ
の粗化面を有する導体回路上に層間樹脂絶縁層を形成し
た後、露光、現像処理を行うか、レーザ処理によりバイ
アホール用開口を形成し、その後、UV硬化、本硬化を
経て層間樹脂絶縁層を形成する。
【0004】さらに、層間樹脂絶縁層に粗化形成処理を
施した後、形成された粗化面に薄い無電解めっき膜を形
成し、この無電解めっき膜上にめっきレジストを形成し
た後、電気めっきにより厚付けを行い、めっきレジスト
剥離後にエッチングを行って、下層の導体回路とバイア
ホールにより接続された導体回路を形成する。
【0005】これを繰り返した後、最外層として導体回
路を保護するためのソルダーレジスト層を形成し、ソル
ダーレジスト層に開口を形成し、開口部分の導体層にめ
っき等を施してパッドとした後、半田バンプを形成する
ことにより、ビルドアップ多層プリント配線板を製造す
る。
【0006】このような多層プリント配線板の製造方法
において、めっきレジストは、薄い無電解めっき膜等の
薄膜導体層上に感光性ドライフィルムを貼り付け、該感
光性ドライフィルムに露光、現像処理を施すことにより
形成していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、表面に薄
膜導体層を有する層間樹脂絶縁層上に直接感光性ドライ
フィルムを貼り付ける場合、該薄膜導体層は、その表面
の一部が酸化されている等により変性していることがあ
り、薄膜導体層表面の物性が均一ではないため、図7に
示すように、薄膜導体層112上に直接感光性ドライフ
ィルム18を貼り付けた際に、感光性ドライフィルム1
8に膨れ等が発生し易かった(図7(a)参照)。その
ため、露光、現像処理を施すことにより、めっきレジス
ト103を形成した際に、この膨れに起因してめっきレ
ジスト103の表面が波状となって、その底部に空隙が
形成される場合があり(図7(b)参照)、この後、電
気めっき層113を形成すると、電気めっき層113は
この空隙部分にも形成されてしまい(図7(c)参
照)、めっきレジスト103および薄膜導体層112の
除去を行うことにより形成する導体回路105は、底部
が広がった形状となることがあった(図7(d)参
照)。
【0008】このような形状の導体回路では、隣接する
導体回路同士の底部の間隔が狭く、隣接する導体回路間
で短絡が発生しやすいという問題点があった。特に、L
/S=35/35のような幅の狭い導体回路間では、上
記のような問題が起こり易かった。なお、上記L/Sと
は、導体配線の幅と導体配線間の距離のことであり、こ
れを本明細書においては、以下、単にL/Sという。ま
た、このような形状の導体回路では、多層プリント配線
板のインピーダンスの整合が図りにくく、信号遅延や信
号エラーが発生することがあった。
【0009】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的は、底部に空隙が形
成されることがなく、表面が平坦なめっきレジストを形
成することができるため、隣接する導体回路間で短絡の
発生するおそれがなく、信号遅延や信号エラーが発生せ
ず、ヒートサイクル条件下や高温高湿下において接続信
頼性に優れる多層プリント配線板を製造する方法を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
の実現に向け鋭意研究した結果、薄膜導体層表面に粗化
面または粗化層を形成することにより、粗化面または粗
化層を含む薄膜導体層表面の物性が均一となり、また、
薄膜導体層に感光性ドライフィルムを圧着した際に、両
者の接触面積が増加することにより薄膜導体層と感光性
ドライフィルムとの密着性が向上するため、薄膜導体層
に密着した矩形状のめっきレジストを形成することがで
きることを見いだし、以下に示す内容を要旨構成とする
本発明に想到した。
【0011】すなわち、本発明の多層プリント配線板の
製造方法は、薄膜導体層が形成された層間樹脂絶縁層
上に感光性ドライフィルムを貼り付ける工程、上記感
光性ドライフィルムに露光、現像処理を施すことにより
めっきレジストを形成する工程、および、めっきレジ
スト非形成部に導体回路を形成する工程を含む多層プリ
ント配線板の製造方法であって、上記の工程におい
て、上記薄膜導体層表面に粗化面または粗化層を形成し
た後、感光性ドライフィルムを貼り付けることを特徴と
する。
【0012】上記多層プリント配線板の製造方法におい
て、上記粗化面または粗化層の平均粗さRaは、0.0
1〜1μmであることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の多層プリント配線板の製
造方法は、薄膜導体層が形成された層間樹脂絶縁層上
に感光性ドライフィルムを貼り付ける工程、上記感光
性ドライフィルムに露光、現像処理を施すことによりめ
っきレジストを形成する工程、および、めっきレジス
ト非形成部に導体回路を形成する工程を含む多層プリン
ト配線板の製造方法であって、上記の工程において、
上記薄膜導体層表面に粗化面または粗化層(以下、両者
を合わせて単に粗化面等ともいう)を形成した後、感光
性ドライフィルムを貼り付けることを特徴とする。
【0014】このような本発明の多層プリント配線板の
製造方法によれば、薄膜導体層表面に粗化面等を形成す
るため、薄膜導体層表面の物性が均一となり、また、薄
膜導体層に感光性ドライフィルムを圧着した際に、両者
の接触面積が増加することにより薄膜導体層と感光性ド
ライフィルムとの密着性が向上するため、該薄膜導体層
上に感光性ドライフィルムを貼り付けた際に、感光性ド
ライフィルムに膨れ等が発生せず、薄膜導体層と密着し
た矩形状のめっきレジストを形成することができる。
【0015】そのため、めっきレジストを形成した後、
めっきレジスト非形成部に導体回路を形成すると、その
断面が矩形状の導体回路を形成することができ、隣接す
る導体回路間で短絡の発生するおそれがなく、信号遅延
や信号エラーが発生せず、ヒートサイクル条件下や高温
高湿下において、接続信頼性に優れる多層プリント配線
板を製造することができる。
【0016】本発明の製造方法では、薄膜導体層が形成
された層間樹脂絶縁層上に感光性ドライフィルムを貼り
付ける工程において、上記薄膜導体層表面に粗化面等を
形成した後、感光性ドライフィルムを貼り付ける。
【0017】上記粗化面を形成する方法としては、例え
ば、エッチング処理が挙げられ、上記粗化層を形成する
方法としては、例えば、酸化−還元処理、無電解めっき
処理等が挙げられる。これらのなかでは、エッチング処
理が望ましい。これは、薄膜導体層表面を加工すること
により粗化面を形成した場合には、薄膜導体層表面に他
の層等を介することなく、直接、電気めっきにより密着
性に優れた導体層を形成することができるからである。
【0018】上記エッチング処理を行う際に使用するエ
ッチング液としては、例えば、有機酸と第二銅錯体の混
合水溶液、過酸化水素水と硫酸とテトラゾールとの混合
液等が挙げられる。上記酸化−還元処理としては、例え
ば、NaOH、NaClO2 およびNa3 PO4 を含む
水溶液を酸化浴とし、NaOHおよびNaBH4 を含む
水溶液を還元浴とする酸化−還元処理等が挙げられる。
上記無電解めっき処理としては、例えば、Cu−Ni−
P針状合金めっき処理等が挙げられる。
【0019】上記粗化面等の平均粗さRaは、0.01
〜1μmであることが望ましい。上記平均粗さRaが
0.01μm未満では、薄膜導体層とめっきレジストと
の密着性が余り向上せず、一方、上記平均粗さRaが1
μmを超えると、めっきレジストを剥離する際に、粗化
面等を含む薄膜導体層表面に該めっきレジストが残留す
ることがあり、次に、エッチングによりめっきレジスト
下の薄膜導体層を除去する際にエッチング液が浸透しに
くく、薄膜導体層を確実に除去することができず、これ
が、短絡の原因となることがある。より望ましくは、
0.1〜0.5μmである。この範囲であれば、薄膜導
体層とめっきレジストとの密着性、および、めっきレジ
ストの剥離容易性という相反する特性をバランス良く両
立することができるからである。
【0020】図1(a)〜(d)は、本発明の製造方法
を用いた多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断
面図である。このような本発明の多層プリント配線板の
製造方法では、図1に示すように、薄膜導体層112上
に、粗化面22を形成し、さらにその上に感光性ドライ
フィルム18を貼り付けているため、感光性ドライフィ
ルム18に膨れ等が発生しない(図1(a)参照)。そ
のため、露光、現像処理を施すことにより、底部に空隙
が形成されることがなく、断面が矩形状のめっきレジス
ト103を形成することができる(図1(b)参照)。
従って、この後、電気めっきを施すと、薄膜導体層との
密着性に優れ、断面が矩形状の電気めっき層113を形
成することができ(図1(c)参照)、さらに、めっき
レジスト103を剥離し、エッチング処理により薄膜導
体層を除去することにより、隣接する導体回路間で短絡
の発生するおそれがなく、層間樹脂絶縁層やソルダーレ
ジスト層との密着性に優れる導体回路105を形成する
ことができる(図1(d)参照)。
【0021】次に、このような本発明の多層プリント配
線板の製造方法について、工程順に簡単に説明する。
【0022】(1) まず、樹脂基板の表面に下層導体回路
を有する配線基板を作製する。樹脂基板としては、無機
繊維を有する樹脂基板が望ましく、具体的には、例え
ば、ガラス布エポキシ基板、ガラス布ポリイミド基板、
ガラス布ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板、ガラス
布フッ素樹脂基板等が挙げられる。また、上記樹脂基板
の両面に銅箔を貼った銅張積層板を用いてもよい。
【0023】通常、この樹脂基板にドリルで貫通孔を設
け、該貫通孔の壁面および銅箔表面に無電解めっきを施
してスルーホールを形成する。無電解めっきとしては銅
めっきが好ましい。さらに、銅箔の厚付けのために電気
めっきを行ってもよい。この電気めっきとしては銅めっ
きが好ましい。この後、スルーホール内壁等に粗化処理
を施し、スルーホールを樹脂ペースト等で充填し、その
表面を覆う導電層を無電解めっきもしくは電気めっきに
て形成してもよい。
【0024】上記粗化処理の方法としては、例えば、黒
化(酸化)−還元処理、有機酸と第二銅錯体の混合水溶
液によるスプレー処理、Cu−Ni−P針状合金めっき
による処理等が挙げられる。上記工程を経て、基板上の
全面に形成された銅のベタパターン上にフォトリソグラ
フィーの手法を用いてエッチングレジストを形成し、続
いて、エッチングを行うことにより、下層導体回路を形
成する。この後、必要に応じて、導体回路の形成によ
り、エッチングされ、凹部となった部分に樹脂等を充填
してもよい。
【0025】(2) 次に、形成された下層導体回路に、必
要により粗化処理を施す。粗化処理の方法としては、上
記した方法、すなわち、黒化(酸化)−還元処理、有機
酸と第二銅錯体の混合水溶液によるスプレー処理、Cu
−Ni−P針状合金めっきによる処理等が挙げられる。
また、下層導体回路に粗化処理を施さず、下層導体回路
が形成された基板を樹脂成分を溶解した溶液に浸漬する
ことにより、下層導体回路の表面に樹脂からなる層を形
成し、その上に形成する層間樹脂絶縁層との密着性を確
保してもよい。
【0026】(3) 次に、上記(2) で作製した下層導体回
路を有する配線基板の両面に、層間樹脂絶縁層を形成す
る。上記層間樹脂絶縁層の材料としては、熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の一部を感光化した樹
脂またはこれらの複合樹脂を使用することができる。層
間樹脂絶縁層は、未硬化の樹脂を塗布して形成してもよ
く、また、未硬化の樹脂フィルムを熱圧着して形成して
もよい。さらに、未硬化の樹脂フィルムの片面に銅箔な
どの金属層が形成された樹脂フィルムを貼付してもよ
い。このような樹脂フィルムを使用する場合は、バイア
ホール形成部分の金属層をエッチングした後、レーザ光
を照射して開口を設ける。金属層が形成された樹脂フィ
ルムとしては、樹脂付き銅箔などを使用することができ
る。
【0027】これらの層間樹脂絶縁層を形成する材料の
具体例としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
フェニレン系樹脂(PPE、PPO等)、フッ素系樹脂
等が挙げられる。上記ポリオレフィン系樹脂としては、
例えば、上記ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソ
ブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、2−ノル
ボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、これら
の樹脂の共重合体等が挙げられ、上記フッ素系樹脂とし
ては、例えば、エチル/テトラフルオロエチレン共重合
樹脂(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン
(PCTFE)等が挙げられる。
【0028】また、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との複
合樹脂として、例えば、粗化面形成用樹脂組成物を用い
ることもできる。
【0029】上記粗化面形成用樹脂組成物としては、例
えば、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくと
も1種からなる粗化液に対して難溶性の未硬化の耐熱性
樹脂マトリックス中に、酸、アルカリおよび酸化剤から
選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性
の物質が分散されたもの等が挙げられる。なお、上記
「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液
に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いも
のを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅い
ものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0030】上記耐熱性樹脂マトリックスとしては、層
間樹脂絶縁層に上記粗化液を用いて粗化面を形成する際
に、粗化面の形状を保持できるものが好ましく、例え
ば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が
挙げられる。また、感光性樹脂を用いることにより、層
間樹脂絶縁層に露光、現像処理を用いてバイアホール用
開口を形成してもよい。
【0031】上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、上記熱
硬化性樹脂を感光化する場合は、メタクリル酸やアクリ
ル酸等を用い、熱硬化基を(メタ)アクリル化反応させ
る。特にエポキシ樹脂の(メタ)アクリレートが望まし
い。さらに、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有す
るエポキシ樹脂がより望ましい。上述の粗化面を形成す
ることができるばかりでなく、耐熱性等にも優れている
ため、ヒートサイクル条件下においても、導体回路に応
力の集中が発生せず、導体回路と層間樹脂絶縁層との間
で剥離が発生しにくい。
【0032】上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェ
ノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォ
ン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以
上併用してもよい。
【0033】上記酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれ
る少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質
は、無機粒子、樹脂粒子、金属粒子、ゴム粒子、液相樹
脂および液相ゴムから選ばれる少なくとも1種であるこ
とが望ましい。
【0034】上記無機粒子としては、例えば、アルミニ
ウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、マグ
ネシウム化合物、ケイ素化合物等が挙げられる。これら
は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0035】上記アルミニウム化合物としては、例え
ば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記
カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、
水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物と
しては、例えば、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグ
ネシウム化合物としては、例えば、マグネシア、ドロマ
イト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等が挙げられ、
上記ケイ素化合物としては、例えば、シリカ、ゼオライ
ト等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2
種以上併用してもよい。
【0036】上記アルミナ粒子は、ふっ酸で溶解除去す
ることができ、炭酸カルシウムは塩酸で溶解除去するこ
とができる。また、ナトリウム含有シリカやドロマイト
はアルカリ水溶液で溶解除去することができる。
【0037】上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸、ア
ルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からな
る粗化液に浸漬した場合に、上記耐熱性樹脂マトリック
スよりも溶解速度の早いものであれば特に限定されず、
具体的には、例えば、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素
樹脂、グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイ
ミド−トリアジン樹脂等挙げられる。これらは、単独で
用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0038】なお、上記エポキシ樹脂は、酸や酸化剤に
溶解するものや、これらに難溶性のものを、オリゴマー
の種類や硬化剤を選択することにより任意に製造するこ
とができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
をアミン系硬化剤で硬化させた樹脂はクロム酸に非常に
よく溶けるが、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を
イミダゾール硬化剤で硬化させた樹脂は、クロム酸には
溶解しにくい。
【0039】上記樹脂粒子は予め硬化処理されているこ
とが必要である。硬化させておかないと上記樹脂粒子が
樹脂マトリックスを溶解させる溶剤に溶解してしまうた
め、均一に混合されてしまい、酸や酸化剤で樹脂粒子の
みを選択的に溶解除去することができないからである。
【0040】上記金属粒子としては、例えば、金、銀、
銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケ
ル、鉄、鉛等が挙げられる。これらは、単独で用いても
よく、2種以上併用してもよい。また、上記金属粒子
は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆
されていてもよい。
【0041】上記ゴム粒子としては、例えば、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、ポ
リイソプレンゴム、アクリルゴム、多硫系剛性ゴム、フ
ッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ABS樹脂
等が挙げられる。
【0042】また、上記ゴム粒子として、例えば、ポリ
ブタジエンゴム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メ
タ)アクリロニトリル変性等の各種変性ポリブタジエン
ゴム、カルボキシル基を含有した(メタ)アクリロニト
リル・ブタジエンゴム等を使用することもできる。これ
らのゴム粒子を使用することにより、該ゴム粒子が酸あ
るいは酸化剤に溶解しやすくなる。つまり、酸を用いて
ゴム粒子を溶解する際には、強酸以外の酸でも溶解する
ことができ、酸化剤を用いてゴム粒子を溶解する際に
は、比較的酸化力の弱い過マンガン酸でも溶解すること
ができる。また、クロム酸を用いた場合でも、低濃度で
溶解することができる。そのため、酸や酸化剤が層間樹
脂絶縁層表面に残留することがなく、後述するように、
粗化面形成後、塩化パラジウム等の触媒を付与する際
に、触媒が付与されなかったり、触媒が酸化されたりす
ることがない。これらは、単独で用いてもよく、2種以
上併用してもよい。
【0043】上記可溶性の物質を、2種以上混合して用
いる場合、混合する2種の可溶性の物質の組み合わせと
しては、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望まし
い。両者とも導電性が低くいため、層間樹脂絶縁層の絶
縁性を確保することができるとともに、難溶性樹脂との
間で熱膨張の調整が図りやすく、粗化面形成用樹脂組成
物からなる層間樹脂絶縁層にクラックが発生せず、層間
樹脂絶縁層と上層導体回路との間で剥離が発生しないか
らである。
【0044】上記液相樹脂としては、上記熱硬化性樹脂
の未硬化溶液を使用することができ、このような液相樹
脂の具体例としては、例えば、未硬化のエポキシオリゴ
マーとアミン系硬化剤の混合液等が挙げられる。上記液
相ゴムとしては、例えば、上記したポリブタジエンゴ
ム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メタ)アクリロニ
トリル変性等の各種変性ポリブタジエンゴム、カルボキ
シル基を含有した(メタ)アクリロニトリル・ブタジエ
ンゴム等の未硬化溶液等を使用することができる。
【0045】上記液相樹脂や液相ゴムを用いて上記感光
性樹脂組成物を調製する場合には、耐熱性樹脂マトリッ
クスと可溶性の物質とが均一に相溶しない(つまり相分
離するように)ように、これらの物質を選択する必要が
ある。上記基準により選択された耐熱性樹脂マトリック
スと可溶性の物質とを混合することにより、上記耐熱性
樹脂マトリックスの「海」の中に液相樹脂または液相ゴ
ムの「島」が分散している状態、または、液相樹脂また
は液相ゴムの「海」の中に、耐熱性樹脂マトリックスの
「島」が分散している状態の感光性樹脂組成物を調製す
ることができる。
【0046】そして、このような状態の感光性樹脂組成
物を硬化させた後、「海」または「島」の液相樹脂また
は液相ゴムを除去することにより粗化面を形成すること
ができる。
【0047】上記粗化液として用いる酸としては、例え
ば、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸や、蟻酸、酢酸等の有機
酸等が挙げられるが、これらのなかでは有機酸を用いる
ことが望ましい。粗化処理した場合に、バイアホールか
ら露出する金属導体層を腐食させにくいからである。上
記酸化剤としては、例えば、クロム酸、クロム硫酸、ア
ルカリ性過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム等)の
水溶液等を用いることが望ましい。また、上記アルカリ
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶
液が望ましい。
【0048】上記可溶性の物質の平均粒径は、10μm
以下が望ましい。また、平均粒径が2μm以下の平均粒
径の相対的に大きな粗粒子と平均粒径が相対的に小さな
微粒子とを組み合わせて使用してもよい。即ち、平均粒
径が0.1〜0.5μmの可溶性の物質と平均粒径が1
〜2μmの可溶性の物質とを組み合わせる等である。
【0049】このように、平均粒子と相対的に大きな粗
粒子と平均粒径が相対的に小さな微粒子とを組み合わせ
ることにより、無電解めっき膜の溶解残渣をなくし、め
っきレジスト下のパラジウム触媒量を少なくし、さら
に、浅くて複雑な粗化面を形成することができる。さら
に、複雑な粗化面を形成することにより、粗化面の凹凸
が小さくても実用的なピール強度を維持することができ
る。上記粗粒子は平均粒径が0.8μmを超え2.0μ
m未満であり、微粒子は平均粒径が0.1〜0.8μm
であることが望ましい。
【0050】上記粗粒子と微粒子とを組み合わせること
により、浅くて複雑な粗化面を形成することができるの
は、使用する粒子径が粗粒子で平均粒径2μm未満であ
ると、これらの粒子が溶解除去されても形成されるアン
カーは浅くなり、また、除去される粒子は、相対的に粒
子径の大きな粗粒子と相対的に粒子径の小さな微粒子の
混合粒子であるから、形成される粗化面が複雑になるの
である。このような複雑な粗化面を形成することによ
り、浅い粗化面でも実用的なピール強度を維持すること
ができる。
【0051】また、この場合、使用する粒子径が、粗粒
子で平均粒径2μm未満であると、粗化が進行しすぎて
空隙を発生させることはなく、形成した層間樹脂絶縁層
は層間絶縁性に優れている。なお、上記粗化面形成用樹
脂組成物において、可溶性の物質の粒径とは、可溶性の
物質の一番長い部分の長さである。
【0052】また、粗粒子は平均粒径が0.8μmを超
え2.0μm未満であり、微粒子は平均粒径が0.1〜
0.8μmであると、粗化面の深さは概ねRmax=3
μm程度となり、セミアディテイブ法では、無電解めっ
き膜をエッチング除去しやすいだけではなく、無電解め
っき膜下のパラジウム触媒をも簡単に除去することがで
き、また、実用的なピール強度1.0〜1.3kg/c
mを維持することができる。
【0053】上記可溶性の物質の形状は特に限定され
ず、球状、破砕状等が挙げられる。また、上記可溶性の
物質の形状は、一様な形状であることが望ましい。均一
な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができるか
らである。
【0054】上記粗化面形成用樹脂組成物は基板上等に
塗布することができるように有機溶剤を含有するもので
あってもよいし、基板上等に圧着することができるよう
にフィルム状に成形されたもの(以下、粗化面形成用樹
脂フィルムともいう)でもよい。上記粗化面形成用樹脂
組成物が有機溶剤を含有する場合、その含有量は、10
重量%以下であることが望ましい。
【0055】上記粗化面形成用樹脂フィルムにおいて、
上記可溶性の物質は、上記耐熱性樹脂マトリックス中に
ほぼ均一に分散されていることが望ましい。均一な粗さ
の凹凸を有する粗化面を形成することができ、樹脂フィ
ルムにバイアホールやスルーホールを形成しても、その
上に形成する上層導体回路との密着性を確保することが
できるからである。また、上記粗化面形成用樹脂フィル
ムは、粗化面を形成する表層部だけに可溶性の物質を含
有するよう形成されていてもよい。それによって、粗化
面形成用樹脂フィルムの表層部以外は酸または酸化剤に
さらされることがないため、層間樹脂絶縁層を介した導
体回路間の絶縁性が確実に保たれる。
【0056】上記粗化面形成用樹脂フィルムにおいて、
難溶性樹脂中に分散している可溶性の物質の配合量は、
粗化面形成用樹脂フィルムに対して、3〜40重量%が
望ましい。可溶性の物質の配合量が3重量%未満では、
所望の凹凸を有する粗化面を形成することができない場
合があり、40重量%を超えると、酸または酸化剤を用
いて可溶性の物質を溶解した際に、樹脂フィルムの深部
まで溶解してしまい、樹脂フィルムからなる層間樹脂絶
縁層を介した導体回路間の絶縁性を維持できず、短絡の
原因となる場合がある。
【0057】上記粗化面形成用樹脂フィルムは、上記可
溶性の物質、上記耐熱性樹脂マトリックス以外に、硬化
剤、その他の成分等を含有していることが望ましい。上
記硬化剤としては、例えば、イミダゾール系硬化剤、ア
ミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、これらの硬化剤の
エポキシアダクトやこれらの硬化剤をマイクロカプセル
化したもの、トリフェニルホスフィン、テトラフェニル
ホスフォニウム・テトラフェニルボレート等の有機ホス
フィン系化合物等が挙げられる。
【0058】上記硬化剤の含有量は、粗化面形成用樹脂
フィルムに対して0.05〜10重量%であることが望
ましい。0.05重量%未満では、粗化面形成用樹脂フ
ィルムの硬化が不充分であるため、酸や酸化剤が粗化面
形成用樹脂フィルムに侵入する度合いが大きくなり、粗
化面形成用樹脂フィルムの絶縁性が損なわれることがあ
る。一方、10重量%を超えると、過剰な硬化剤成分が
樹脂の組成を変性させることがあり、信頼性の低下を招
いたりしてしまうことがある。
【0059】上記その他の成分としては、例えば、粗化
面の形成に影響しない無機化合物あるいは樹脂等のフィ
ラーが挙げられる。上記無機化合物としては、例えば、
シリカ、アルミナ、ドロマイト等が挙げられ、上記樹脂
としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、メラ
ニン樹脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。これらの
フィラーを含有させることによって、熱膨脹係数の整合
や耐熱性、耐薬品性の向上等を図りプリント配線板の性
能を向上させることができる。
【0060】また、上記粗化面形成用樹脂フィルムは、
溶剤を含有していてもよい。上記溶剤としては、例え
ば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブア
セテートやトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上
併用してもよい。
【0061】(4) 次に、層間樹脂絶縁層を硬化する一方
で、その層間樹脂絶縁層に露光および現像処理、もしく
は、レーザ処理を行うことによりバイアホール用開口を
形成する。層間樹脂絶縁層の開口は、粗化面形成用樹脂
組成物の樹脂マトリックスが熱硬化樹脂、ポリオレフィ
ン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂等の場合は、レーザ
ー光や酸素プラズマ等を用いて行い、感光性樹脂である
場合には、露光現像処理にて行う。なお、露光現像処理
は、バイアホール用開口形成のための円パターンが描画
されたフォトマスク(ガラス基板がよい)を、円パター
ン側を感光性の層間樹脂絶縁層の上に密着させて載置し
た後、露光し、現像処理液に浸漬するか、現像処理液を
スプレーすることにより行う。充分な凹凸形状の粗化面
を有する導体回路上に形成された層間樹脂絶縁層を硬化
させることにより、導体回路との密着性に優れた層間樹
脂絶縁層を形成することができる。
【0062】上記レーザ光を用いて、バイアホール用開
口を設ける場合、使用するレーザ光としては、例えば、
炭酸ガス(CO2 )レーザ、紫外線レーザ、エキシマレ
ーザ、YAGレーザ等が挙げられる。これらのなかで
は、エキシマレーザや短パルスの炭酸ガスレーザが好ま
しい。
【0063】エキシマレーザは、後述するように、バイ
ヤホール用開口を形成する部分に貫通光が形成されたマ
スク等を用いることにより、一度に多数のバイヤホール
用開口を形成することができ、また、短パルスの炭酸ガ
スレーザは、開口内の樹脂残りが少なく、開口周縁の樹
脂に対するダメージが小さいからである。
【0064】また、エキシマレーザのなかでも、ホログ
ラム方式のエキシマレーザを用いることが望ましい。ホ
ログラム方式とは、レーザ光をホログラム、集光レン
ズ、レーザマスク、転写レンズ等を介して目的物に照射
する方式であり、この方式を用いることにより、一度の
照射で層間樹脂絶縁層に多数の開口を効率的に形成する
ことができる。
【0065】また、炭酸ガスレーザを用いる場合、その
パルス間隔は、10-4〜10-8秒であることが望まし
い。また、開口を形成するためのレーザを照射する時間
は、10〜500μ秒であることが望ましい。バイアホ
ール用開孔を形成する部分に貫通孔が形成されたマスク
の貫通孔は、レーザ光のスポット形状を真円にするため
に、真円である必要があり、上記貫通孔の径は、0.1
〜2mm程度が望ましい。
【0066】レーザ光にて開口を形成した場合、特に炭
酸ガスレーザを用いた場合には、デスミア処理を行うこ
とが望ましい。上記デスミア処理は、クロム酸、過マン
ガン酸塩等の水溶液からなる酸化剤を使用して行うこと
ができる。また、酸素プラズマ、CF4 と酸素の混合プ
ラズマやコロナ放電等で処理してもよい。また、低圧水
銀ランプを用いて紫外線を照射することにより、表面改
質することもできる。
【0067】(5) 次に、必要により、バイアホール用開
口を設けた層間樹脂絶縁層の表面を粗化する。粗化面形
成用樹脂組成物を用いて層間樹脂絶縁層を形成した場
合、層間樹脂絶縁層の粗化は、粗化面形成用樹脂組成物
層の表面に存在する耐熱性樹脂粒子等を酸または酸化剤
で溶解除去することにより行う。酸処理等により形成す
る粗化面の高さは、Rmax=0.01〜20μmが望
ましい。導体回路との密着性を確保するためである。特
にセミアディティブ法では、0.1〜5μmが望まし
い。密着性を確保しつつ、金属層を除去することができ
るからである。
【0068】上記酸処理を行う際には、リン酸、塩酸、
硫酸、または、蟻酸や酢酸などの有機酸を用いることが
でき、特に有機酸を用いるのが望ましい。粗化形成処理
した場合に、バイアホールから露出する金属導体層を腐
食させにくいからである。上記酸化処理は、クロム酸、
過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム等)を用いるこ
とが望ましい。
【0069】(6) 次に、層間樹脂絶縁層およびバイアホ
ールの開口部の表面にCu、Ni、P、Pd、Coおよ
びW等の金属からなる薄膜導体層を形成する。上記薄膜
導体層は単独の金属からなるものであってもよいし、2
種以上の金属からなるものであってもよい。また、上記
薄膜導体層は、1層であってもよいし、2層以上であっ
てもよい。この薄膜導体層の厚さは、0.1〜5μmが
望ましく、0.5〜2μmがより望ましい。また、上記
薄膜導体層は、スパッタリング、めっき、もしくは、ス
パッタリングおよびめっきを行うことにより形成するこ
とが望ましい。
【0070】(7) 次に、上記薄膜導体層表面に、粗化面
等を形成する。上記粗化面等は、上述したようにエッチ
ング処理、黒化−還元処理または無電解めっき処理等を
施すことにより形成する。 (8) 続いて、上記(7) で形成した粗化面等を含む薄膜導
体層上にめっきレジストを形成する。このめっきレジス
トは、感光性ドライフィルムを粗化面等を含む薄膜導体
層上に貼り付けた後、露光、現像処理を施すことにより
形成される。
【0071】(9) 次に、層間樹脂絶縁層上に形成した粗
化面等を含む薄膜導体層をめっきリードとして電気めっ
きを行い、導体回路を厚付けする。電気めっき膜の膜厚
は、5〜30μmが好ましい。上記電気めっきとして
は、銅めっきを用いることが望ましい。この時、バイア
ホール用開口を電気めっきで充填してフィルドビア構造
としてもよい。
【0072】(10)電気めっき膜を形成した後、めっきレ
ジストを剥離し、めっきレジストの下に存在していた粗
化面等を含む薄膜導体層をエッチングにより除去し、独
立した導体回路とする。エッチング液としては、例え
ば、硫酸−過酸化水素水溶液、過硫酸アンモニウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩水溶液、
塩化第二鉄、塩化第二銅の水溶液、塩酸、硝酸、熱希硫
酸等が挙げられる。また、前述した第二銅錯体と有機酸
とを含有するエッチング液を用いて、導体回路間のエッ
チングと同時に粗化面を形成してもよい。
【0073】(11)必要により、(3) 〜(10)の工程を繰り
返し、さらに、必要により、最上層の導体回路に上記
(3) の工程と同様の条件で無電解めっきやエッチング等
を施し、最上層の導体回路上に粗化層または粗化面を形
成する。
【0074】次に、最上層の導体回路を含む基板面にロ
ールコータ法等によりソルダーレジスト樹脂組成物を塗
布し、レーザ処理、露光、現像処理等による開口処理を
行い、硬化処理等を行うことにより、ソルダーレジスト
層を形成する。そしてこの後、ソルダーレジスト層の開
口部分に半田バンプを形成することによりプリント配線
板の製造を終了する。
【0075】また、この工程で、製品認識文字などを形
成するための文字印刷工程やソルダーレジスト層の改質
のために、酸素や四塩化炭素などのプラズマ処理を適時
行ってもよい。以上の方法は、セミアディティブ法によ
るものであるが、フルアディティブ法を採用してもよ
い。
【0076】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0077】(実施例1) A.ポリオレフィン系樹脂組成物からなる樹脂フィルム
の作製 (i) 500mlのn−ヘプタン中に、スチレン104g
およびブチルリチウム10.8gを溶解させ、70℃で
3時間加熱した。 (ii)上記処理を行った溶液中に、エチレン:ブタジエン
の容量比が3:1の混合ガスを吹き込みながら、70℃
で5時間放置した。
【0078】(iii) この後、さらにI2 を添加し、10
0℃で1時間放置することにより、n−ヘプタンを除去
した。 (iv) 残った生成物をアセトンにて洗浄し、未反応物お
よびLiIを除去した。その後、粒径が0.1μmで球
状のメラニンと粒径が0.05μmの球状のメラニンを
2:1の割合で配合し、凝集せずに分散するように混合
した。
【0079】(v) (iv)の工程で得られた混合物のうち、
50gを再度500mlのn−ヘプタンに溶解させ、さ
らに1gの過酸化ベンゾイルを溶かした後、この溶液を
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に薄く広げ、こ
のフィルム状物を50℃まで加熱した後、さらに1℃/
分でゆっくりと加熱し、100℃に達した後、30分放
置することにより溶剤を除去した。このようにして、4
0μmの厚さの半硬化状態のポリオレフィンオリゴマー
からなる樹脂フィルムが得られた。
【0080】B.樹脂充填材の調製 (i) ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル
社製、分子量:310、YL983U)100重量部、
表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均
粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下の
SiO2 球状粒子(アドマテックス社製、CRS 11
01−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノ
プコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にと
り、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で
40〜50Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬
化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E
4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
【0081】C.プリント配線板の製造方法 (1) 厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT
(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両
面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層
板を出発材料とした(図2(a)参照)。まず、この銅
張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パ
ターン状にエッチングすることにより、基板1の両面に
下層導体回路4とスルーホール9を形成した。
【0082】(2) スルーホール9および下層導体回路4
を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(1
0g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO
4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする
黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH
4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を
行い、そのスルーホール9を含む下層導体回路4の全表
面に粗化面4a、9aを形成した(図2(b)参照)。
【0083】(3) 上記Bに記載した樹脂充填材を調製し
た後、下記の方法により調製後24時間以内にスルホー
ル9内、および、基板1の片面の導体回路非成形部と導
体回路4の外縁部とに樹脂充填材10の層を形成した。
すなわち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹
脂充填材を押しこんだ後、100℃、20分の条件で乾
燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開
口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて、凹
部となっている導体回路非形成部に樹脂充填材10の層
を形成し、100℃、20分の条件で乾燥させた(図2
(c)参照)。
【0084】(4) 上記(3) の処理を終えた基板の片面
を、#600のベルト研磨紙(三共理化学社製)を用い
たベルトサンダー研磨により、導体回路外縁部に形成さ
れた樹脂充填材10の層や導体回路非形成部に形成され
た樹脂充填材10の層の上部を研磨し、ついで、上記ベ
ルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を
行った。このような一連の研磨を基板の他方の面につい
ても同様に行った。なお、必要に応じて、研磨の前後に
エッチングを行い、スルーホール9のランド9aおよび
下層導体回路4に形成された粗化面4aを平坦化しても
よい。この後、100℃で1時間、150℃で1時間の
加熱処理を行い、樹脂充填材の層を完全に硬化させた。
【0085】このようにして、スルーホール9や導体回
路非形成部に形成された樹脂充填材10の表層部および
下層導体回路4の表面を平坦化し、樹脂充填材10と下
層導体回路4の側面4aとが粗化面を介して強固に密着
し、またスルーホール9の内壁面9aと樹脂充填材10
とが粗化面を介して強固に密着した絶縁性基板を得た
(図2(d)参照)。
【0086】(5) 次に、上記(4) の処理を終えた基板の
両面に、エッチング液をスプレーで吹きつけ、一旦平坦
化された下層導体回路4の表面とスルーホール9のラン
ド表面とをエッチングすることにより、下層導体回路4
の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図3(a)参
照)。エッチング液として、イミダゾール銅(II)錯
体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5
重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッ
チボンド)を使用した。
【0087】(6) 次に、基板の両面に、上記Aにおいて
作製した厚さ40μmのポリオレフィン系樹脂組成物か
らなるフィルムを温度160℃、圧力1MPaで圧着、
積層し、上記ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層間
樹脂絶縁層2を形成した(図3(b)参照)。形成され
た層間樹脂絶縁層の厚さは、30μmであった。
【0088】(7) 次に、波長0.248μmのエキシマ
レーザにて、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層間
樹脂絶縁層2に直径80μmのバイアホール用開口6を
設けた(図3(c)参照)。この後、酸素プラズマを用
いてデスミア処理を行った。
【0089】(8) 次に、日本真空技術株式会社製のSV
−4540を用い、Niをターゲットにしたスパッタリ
ングを、気圧0.6Pa、温度80℃、電力200W、
時間5分間の条件で行い、Ni金属層12aを層間樹脂
絶縁層2の表面に形成した(図3(d)参照)。このと
き、形成されたNi金属層12aの厚さは0.1μmで
あった。
【0090】(9) 次に、上記SV−4540を用いて、
Cuをターゲットにしたスパッタリングを、気圧0.6
Pa、温度80℃、電力200W、時間5分間の条件で
行い、Ni金属層12aの表面に厚さ0.5μmのCu
金属層12bを形成した。(図4(a)参照)。
【0091】(10) 続いて、Cu金属層12bの表面
に、上記(5) で用いたエッチング液と同様のエッチング
液を用いて、平均粗さRaが0.3μmの粗化面(図示
せず)を形成した。なお、平均粗さRaの測定は、表面
粗さ形状測定機(東京精密社製、サーフコム130A/
480A)を用いて行った。
【0092】(11)市販の感光性ドライフィルムを粗化面
に貼り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2
露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理を行
うことより、厚さ15μmのめっきレジスト3を設けた
(図4(b)参照)。
【0093】(12)ついで、レジスト非形成部に以下の条
件で電気銅めっきを施し、厚さ15μmの電気銅めっき
膜13を形成した(図4(c)参照)。 〔電気めっき水溶液〕 硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤 19.5 ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドHL) 〔電気めっき条件〕 電流密度 1 A/dm2 時間 65 分 温度 22±2 ℃
【0094】(13)さらにめっきレジストを5%KOH水
溶液で剥離除去した後、そのめっきレジスト下の粗化面
を含むCu金属層12bおよびNi金属層12a無電解
めっき膜を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理
して溶解除去し、独立の上層導体回路5(バイアホール
7を含む)とした(図4(d)参照)。
【0095】(14)続いて、上記(5) 〜(13)の工程を繰り
返すことにより、さらに上層の導体回路を形成した(図
5(a)〜図6(a)参照)。さらに、上記した工程
(5) で用いたエッチング液と同様のエッチング液を用い
て、導体回路(バイアホール7を含む)5の表面をエッ
チングすることにより導体回路(バイアホール7を含
む)5の表面に粗化面を形成した(図6(b)参照)。
【0096】(15)次に、ジエチレングリコールジメチル
エーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように
溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日
本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光
性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重
量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビ
スフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品
名:エピコート1001)15重量部、イミダゾール硬
化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.
6重量部、感光性モノマーである多官能アクリルモノマ
ー(日本化薬社製、商品名:R604)3重量部、同じ
く多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DP
E6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社
製、商品名:S−65)0.71重量部を容器にとり、
攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に
対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社
製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン
(関東化学社製)0.2重量部を加えて、粘度を25℃
で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト樹脂組成
物を得た。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社
製、DVL−B型)で60rpmの場合はローターN
o.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
【0097】(16)次に、多層配線基板の両面に、上記ソ
ルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70
℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行
った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画され
た厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密
着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DM
TG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口を形成
した。そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1
時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそ
れぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化さ
せ、半田パッド部分が開口した、その厚さが20μmの
ソルダーレジスト層(有機層間樹脂絶縁層)14を形成
した。
【0098】(17)次に、ソルダーレジスト層(有機層間
樹脂絶縁層)14を形成した基板を、塩化ニッケル
(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム
(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム
(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無
電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚
さ5μmのニッケルめっき層15を形成した。さらに、
その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol
/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/
l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/
l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/
l)を含む無電解めっき液に80℃の条件で7.5分間
浸漬して、ニッケルめっき層15上に、厚さ0.03μ
mの金めっき層16を形成した。
【0099】(18)この後、ソルダーレジスト層14の開
口に半田ペーストを印刷して、200℃でリフローする
ことにより半田バンプ17を形成し、半田バンプ17を
有する多層プリント配線板を製造した(図6(c)参
照)。
【0100】(実施例2)工程(10)において、メック社
製、メックエッチボンドに代えて、過酸化水素水と硫酸
とテトラゾールとからなるエッチング液を用いて粗化面
を形成した以外は、実施例1と同様にして多層プリント
配線板を製造した。
【0101】(実施例3)工程(6) 〜(10)の工程に代え
て、以下の(1) 〜(6) の工程を用いてバイアホール用開
口を有する層間樹脂絶縁層の形成と、粗化面を有する薄
膜導体層の形成とを行った以外は実施例1と同様にして
多層プリント配線板を製造した。 (1) 下記の方法で作製した粗化面形成用樹脂フィルム
を、温度50〜150℃まで昇温しながら、0.5MP
aで真空圧着ラミネートして貼り付け、樹脂フィルム層
を形成した。
【0102】粗化面形成用樹脂フィルムの作製 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量46
9、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30
重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロン
N−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノー
ルノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大
日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−705
2)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重
量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱
溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム
(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)
15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシ
メチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリ
カ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエ
ポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組
成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さ
が50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布し
た後、80〜120℃で10分間乾燥させることによ
り、樹脂フィルムを作製した。
【0103】(2) 次に、樹脂フィルム層上に、厚さ1.
2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長1
0.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0m
m、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスク
の貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で樹脂フィ
ルム層に、直径80μmのバイアホール用開口を形成
し、層間樹脂絶縁層とした。
【0104】(3) バイアホール用開口を形成した基板
を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に1
0分間浸漬し、層間樹脂絶縁層の表面に存在するエポキ
シ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用
開口の内壁面を含むその表面に粗化面を形成した。
【0105】(4) 次に、上記処理を終えた基板を、中和
溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さら
に、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面
に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶
縁層の表面(バイアホール用開口の内壁面を含む)に触
媒核を付着させた。即ち、上記基板を塩化パラジウム
(PbCl2 )と塩化第一スズ(SnCl2 )とを含む
触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることに
より触媒を付与した。
【0106】(5) 次に、以下の組成の無電解銅めっき水
溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層の表面に厚さ
0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜を形成した。 〔無電解めっき水溶液〕 NiSO4 0.003 mol/l 酒石酸 0.200 mol/l 硫酸銅 0.030 mol/l HCHO 0.050 mol/l NaOH 0.100 mol/l α、α′−ビピリジル 100 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l 〔無電解めっき条件〕 34℃の液温度で40分
【0107】(6) 続いて、無電解銅めっき膜の表面に、
メック社製、メックエッチボンドを用いて、平均粗さR
aが0.3μmの粗化面を形成した。
【0108】(実施例4)工程(6) において、メック社
製、メックエッチボンドに代えて、過酸化水素水と硫酸
とテトラゾールとからなるエッチング液を用いて粗化面
を形成した以外は、実施例3と同様にして多層プリント
配線板を製造した。
【0109】(比較例1)上記(10)の工程において、粗
化面を形成しなかった以外は実施例1と同様にして多層
プリント配線板を製造した。なお、感光性ドライフィル
ムを露光、現像処理した後、めっきレジスト3の設けら
れた基板の断面を顕微鏡で観察したところ、めっきレジ
ストの形状は、底部に空隙を有するアンダーカット形状
であった。
【0110】実施例1〜4および比較例1で得られた多
層プリント配線板について、該多層プリント配線板をカ
ッターで切断し、その断面を顕微鏡で観察したところ、
実施例1〜4の多層プリント配線板では、断面が台形状
の導体回路はみられなかったのに対し、比較例1の多層
プリント配線板では、一部に底部が広がっている導体回
路がみられた。
【0111】さらに、実施例1〜4および比較例1で得
られた多層プリント配線板について、−55℃で30分
間保持した後、125℃で30分間保持するヒートサイ
クルを1000回繰り返すヒートサイクル試験を実施し
た後、多層プリント配線板をカッターで切断し、その断
面を顕微鏡で観察した。その結果、実施例1〜4の多層
プリント配線板では、導体回路の剥離はなく、層間樹脂
絶縁層にクラックの発生もみられなかったの対し、比較
例1の多層プリント配線板では、一部に剥離している導
体回路が見られ、また、層間樹脂絶縁層の一部にクラッ
クの発生がみられた。
【0112】さらに、実施例1〜4および比較例1で得
られた多層プリント配線板について、ヒートサイクル試
験を実施した後、導通試験を行ったところ、実施例1〜
4の多層プリント配線板では、導通不良が発生していな
かったのに対し、比較例1の多層プリント配線板では、
一部に導通不良が発生していた。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように本発明の多層プリン
ト配線板の製造方法によれば、薄膜導体層表面に粗化面
等を形成するため、薄膜導体層表面の物性が均一とな
り、また、薄膜導体層に感光性ドライフィルムを圧着し
た際に、両者の接触面積が増加することにより薄膜導体
層と感光性ドライフィルムとの密着性が向上するため、
該薄膜導体層上に感光性ドライフィルムを貼り付けた際
に、感光性ドライフィルムに膨れ等が発生せず、薄膜導
体層との密着性に優れた矩形状のめっきレジストを形成
することができる。そのため、めっきレジストを形成し
た後、めっきレジスト非形成部に導体回路を形成する
と、その断面が矩形状の導体回路を形成することがで
き、隣接する導体回路間で短絡の発生するおそれがな
く、信号遅延や信号エラーが発生せず、ヒートサイクル
条件下や高温高湿下において、接続信頼性に優れる多層
プリント配線板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の製造方法を用いた
多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図であ
る。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の製造方法を用いた
多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図であ
る。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の製造方法を用いた
多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図であ
る。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の製造方法を用いた
多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図であ
る。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の製造方法を用いた
多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図であ
る。
【図6】(a)〜(c)は、本発明の製造方法を用いた
多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図であ
る。
【図7】(a)〜(d)は、従来の多層プリント配線板
の製造工程の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2、102 層間樹脂絶縁層 3 めっきレジスト 4 下層導体回路 4a 粗化面 5 上層導体回路 6 バイアホール用開口 7 バイアホール 8 銅箔 9 スルーホール 9a 粗化面 10 樹脂充填材 12a Ni金属層 12b Cu金属層 13 電気めっき膜 14 ソルダーレジスト層 15 ニッケルめっき膜 16 金めっき膜 17 はんだバンプ 18 感光性ドライフィルム 21 マスク 22 粗化層 105 導体回路 112 薄膜導体層 113 電気めっき層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E343 AA02 AA12 AA15 AA17 AA36 AA37 BB16 BB21 BB71 CC33 CC43 CC50 CC62 DD33 DD43 DD76 EE17 EE52 ER16 ER18 GG04 5E346 AA05 AA06 AA12 AA15 AA32 BB01 CC04 CC09 CC31 CC54 CC58 DD01 DD22 DD33 EE33 EE38 GG17 GG22 GG23 GG27 HH11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜導体層が形成された層間樹脂絶縁
    層上に感光性ドライフィルムを貼り付ける工程、前記
    感光性ドライフィルムに露光、現像処理を施すことによ
    りめっきレジストを形成する工程、および、めっきレ
    ジスト非形成部に導体回路を形成する工程を含む多層プ
    リント配線板の製造方法であって、前記の工程におい
    て、前記薄膜導体層表面に粗化面または粗化層を形成し
    た後、感光性ドライフィルムを貼り付けることを特徴と
    する多層プリント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記粗化面または粗化層の平均粗さRa
    は、0.01〜1μmである請求項1に記載の多層プリ
    ント配線板の製造方法。
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