JP2002146704A - 杭と桁の結合構造体 - Google Patents
杭と桁の結合構造体Info
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Abstract
合に簡単に結合が可能であり、溶接を不要として現場作
業の省力化を図り、コンパクトな構造ながら杭頭に大き
な荷重が作用してもそれに対抗し得る耐力を発生する。 【解決手段】円筒部20及びこの円筒部の上部開口を閉
塞した蓋部22とからなる外管14を、円筒部の外周に
桁18を接続した状態で、円筒部の内周面で杭12の杭
頭部12aを取り囲むとともに、蓋部の下面及び杭頭部
の頂部との間に、複数本の板状部材を井桁状に組み込ん
でなる補強ビーム24を介装する。そして、蓋部に設け
た注入口22aからモルタル又はコンクリート26を注
入し、杭の内部を充填し、外管と前記杭頭部との間に生
じた隙間を充填し、さらには補強ビームが埋設されるよ
うに充填することで、杭及び桁を一体化する。
Description
と桁の結合構造体に係り、特に杭頭に加わる荷重が非常
に大きい場合に好適な杭と桁の結合構造体に関する。
結んで上部構造体を支持する構造は、一般に建築工事に
おいて採用されている。その建築工事の一例として、図
8に示すように、拡幅道路を新たに構築する山岳道路工
事がある。この山岳道路工事は、所定間隔をあけて地盤
Gに打設した複数本の杭2A、2Bの頭部(以下、杭
頭)2aにトッププレート4を溶接により固定し、谷側
に突出しながら杭2A、2Bの上方に配置した桁6の下
端を、トッププレート4に溶接により固定し、桁6上に
床版10を配置して、既存道路R1に平行に、谷側に突
出した拡幅道路R2を設けた道路としている。
差などにより桁6と杭頭2aとの位置が多少ずれている
場合であっても、問題なく杭頭2aと桁6とを固定でき
るというメリットがある。また、既存道路R1側に大型
車両等の通行による大荷重が加わると、桁6と杭頭2a
との結合部分に対して桁6から非常に大きな押し込み荷
重が作用し、拡幅道路R2側に大荷重が加わると、杭2
Aを支点として杭2Bの桁6と杭頭2aとの結合部分に
対して桁6から非常に大きな引き抜き荷重が作用する
が、杭頭2aと桁が6がトッププレート4を介して強固
に固定されているので、それらの荷重に十分に耐える構
造としている。
2aと桁6の結合構造は、現場における溶接作業が律速
工程となり、工期が不安定で、品質も一定とするのが難
しく、しかもコスト的にも割高になるデメリットがあ
る。また、杭頭2aとトッププレート4との溶接作業の
ために杭頭2aよりもかなり下方まで地盤Gを掘削する
余計な作業を必要としていた。
と桁との構造として、例えば特開平8−284159号
公報に開示されているように、外面突起付きの杭の杭頭
の外周を覆うように、桁が連結した内面突起付きの大径
鋼管を配置し、それらの相互間にコンクリートを充填し
てその付着力により杭頭及び桁を一体化する構造が知ら
れている。
報に開示した構造を図8の工事に採用すると、前述した
ように桁6と杭頭2aとの結合部分に非常に大きな押し
込み荷重、引き抜き荷重が作用するので、杭頭と大径鋼
管との間のコンクリート充填高さを大きくして杭頭及び
コンクリートの間、コンクリート及び大径外管の間の剪
断抵抗を大きくする必要があり、桁6と杭頭2aとの結
合部分が過大に大型構造となるおそれがある。
あり、杭の打設誤差により桁と多少の偏心が生じた場合
にも簡単に結合が可能であり、溶接を不要として現場作
業の省力化を図るとともに、コンパクトな構造ながら杭
頭に大きな荷重が作用してもそれに対抗し得る耐力を発
生することができる杭と桁の結合構造体を提供すること
を目的としている。
に、請求項1記載の発明は、杭と桁とを強固に繋ぐ結合
構造体であって、円筒部及び当該円筒部の上部開口を閉
塞する注入口を有する蓋部とからなる外管が、前記円筒
部の外周に桁を接続した状態で、該円筒部の内周面で杭
の杭頭部を取り囲み、前記蓋部の下面及び前記杭頭部の
頂部との間に蓋部補強部材を介装するとともに、前記蓋
部に設けられた注入口から注入されたモルタル又はコン
クリートが、少なくとも前記外管と前記杭頭部との間に
生じた隙間に充填され、さらには前記蓋部補強部材が埋
設されるように充填されることで、前記杭及び前記桁を
一体化するようにした。
載の杭と桁の結合構造体において、前記蓋部補強部材
を、複数本の板状部材を井桁状に組み込んで形成した。
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の
杭と桁の結合構造体において、前記杭頭部と前記外管と
を、互いに隙間を設けた状態で補強ボルトで連結した。
係る実施形態を具体的に説明する。図1は、第1実施形
態の杭と桁の結合構造体をその平面について示したもの
であり、図2は、図1のA−A線断面図を示したもので
ある。これらの図の符号12は、地盤に打設されている
中空円筒形状の杭であり、この杭12の杭頭部12a
を、外管14が隙間を設けた状態で取り囲んでいる。な
お、符号16は、外管14と杭頭部12aの隙間の下側
を閉塞する閉塞ブラケットであり、杭12の外周に締め
付けた状態で配置されている。
12aと外管14との隙間へモルタル、或いはコンクリ
ートなどを充填する際の底板として使用するものであ
り、本発明を構成する部材でない。モルタル、或いはコ
ンクリートなどの施工、養生が終わった時点で取り外し
て別の杭頭部の施工に再利用することができる。もちろ
ん、再利用する手間を省力する場合には放置していても
良い。
らなる桁18の端部が外周に溶接により接続され、杭頭
部12aの外径より大きな内径とした円筒部20と、円
筒部20の上部開口部を閉塞する蓋部22とを備えた部
材である。そして、蓋部22の中心位置には、蓋部22
の外部から内部に貫通する注入穴22aが形成されてい
るとともに、蓋部22の外周側にも、周方向に所定間隔
をあけて複数の空気抜き穴22bが形成されている。な
お、外管14と桁18の端部との接続、円筒部20及び
蓋部22からなる外管14は、予め、工場等で製作され
ている。
部12aの頂部との間に補強ビーム24を介在させた状
態で杭頭部12aを取り囲んでいる。補強ビーム24
は、図3に示すように、金属製の複数の板状部材24a
を互いに直角に交叉するように接続して外観が井桁状を
なす部材であり、予め、蓋部22の下面に溶接により固
定されている。
タル又はコンクリート26を注入していく。注入したモ
ルタル又はコンクリート26は、杭12の下側から充填
されていき、杭頭部12aまで充填されていった後、杭
頭部12aから溢れ出て、補強ビーム24の各板状部材
24aの間を通過して外管14と杭頭部12aとの間の
隙間に充填されていく。この際、外管14と杭頭部12
aとの間に存在している空気は、蓋部22に形成した空
気抜き穴22bから外部に抜け出ていく。
は、杭12の内部全体へ充填される必要はなく、外管1
4に対応する範囲程度で杭12の内部へ充填されれば強
度上十分である。予め、杭12内部に底板を設けておく
ことで、適当な位置で杭12内へモルタル、或いはコン
クリートなどを充填することができる。また、杭14と
してコンクリート杭を使用した場合には、当然、杭頭内
部へモルタル、或いはコンクリートが注入されることは
ないが、本発明の効果を得るのに妨げとなるものではな
い。
よると、従来、不可欠であった現場溶接の工程を省くこ
とができるとともに、杭12の打設において多少の偏心
があっても、それを解消することができる。また、蓋部
22の下面と杭頭部12aの頂部との間に補強ビーム2
4を介在させたことにより、桁18に押し込み荷重(図
2のF1で示す荷重)が作用しても蓋部22の剛性を高
めることができる。すなわち、結合構造体を道路工事の
躯体として使用すると、大型車両による大荷重の押し込
み荷重F1が桁18に加わり、蓋部22を上部に押し上
げようとする杭反力が杭頭部12aから働くが、複数の
板状部材24aを井桁状に組み込んでなる補強ビーム2
4は、自身の変形耐力が大きいので蓋部22の剛性を高
める。したがって、本実施形態の結合構造体は、桁18
に押し込み荷重が作用する場合、桁18と杭頭部12a
との結合部分を過大に大型構造としなくても、強度を長
期にわたって維持することができる。
は、補強ビーム24を構成する井桁状に組み込んだ板状
部材24aの間を通過して充填されるので、杭12の内
部、杭頭部12a及び外管14の間の隙間への充填をス
ムーズに行うことができる。加えて、補強ビーム24と
して井桁状に組み込んだ板状部材とすることで、杭12
の打設において多少の偏心があった場合でも、井桁に組
んだ中央の交差部分の少なくとも3点以上が杭頭部上に
載置させることが可能であり、大荷重が掛かったときに
補強ビームと杭頭の間の荷重伝達を良好に維持でき、好
適である。
合構造体の平面について示したものであり、図5は、図
4のB−B線断面図を示したものである。なお、第1実
施形態と同一構成部分には、同一符号を付してその説明
を省略する。また、図5では、便宜的に、補強ボルト2
8、ナット30を断面をずらして記入した。本実施形態
は、杭頭部12a及び外管14を補強ボルト28が貫通
しており、この補強ボルト28の両端部をナット30が
螺合して締め付けている。なお、杭頭部12a、外管1
4には、現場或いは工場等でボルト貫通孔が設けられて
いるものとする。
は、第1実施形態と同様に、現場溶接の工程を省くこと
ができるとともに、杭12の打設において多少の偏心が
あっても、それを解消することができる。また、本実施
形態は、補強ボルト28が杭頭部12a及び外管14を
貫通していることで、桁18に引き抜き荷重(図6のF
2で示す荷重)が作用しても杭12と桁18の結合力を
高めることができる。すなわち、結合構造体を道路工事
の躯体として使用すると、他の箇所に配置した杭12を
支点として図5の桁18に大荷重の引き抜き荷重F2加
わる場合があるが、補強ボルト28の曲げ耐力が作用す
ることで杭12と桁18の結合力を高める。
桁18に押し込み荷重、或いは引き抜き荷重の両者が作
用する場合、桁18と杭頭部12aとの結合部分を過大
に大型構造としなくても、強度を長期にわたって維持す
ることができる。
造体を図6に示す山岳道路の拡幅工事に採用する場合
に、第1実施形態の結合構造体を構成する補強ビーム2
4の形状、材質を設定した。谷側に突出した拡幅道路R
2に大型車両等が通過する際には、桁18に100トン
(tf)[9.81×105 N]の押し込み荷重F1が加わる
ものとした。この場合、杭18から杭反力が作用する補
強ビーム24は、図3に示すように、4本の板状部材2
4aにより構成されているので、一本の板状部材24a
に作用する杭反力は25tf[2.45×105 N]である。
各板状部材24aに作用する最大曲げモーメントMmax
を3.125tf・m、許容応力度を1400kgf/cm2
[132.3 MPa]、必要断面係数Wを223cm3 とする
と、各板状部材24aは、材質をSS400材として、
形状を高さ200mm、厚さ35mmの矩形板状体とした。
したがって、図6に示す具体例においても、杭12の打
設誤差により桁18と多少の偏心が生じた場合にも簡単
に結合が可能であり、溶接を不要として現場作業の省力
化を図るとともに、コンパクトな構造ながら杭頭部12
aに大きな押し込み荷重F1が作用しても対抗し得る耐
力を発生する山岳道路の拡幅工事を行うことができる。
の結合構造体を、図7に示す山岳道路の拡幅工事に採用
する場合に、第2実施形態の結合構造体を構成する補強
ボルト30を設定した。既存道路R1に大型車両等が通
過する際には、図6でも説明したように、補強ビーム2
4を配設したことによって、大きな押し込み荷重が作用
しても対抗し得る耐力を発生することができる。
が通過する場合には、図7の左側の杭12を支点とし
て、右側の杭12の杭頭部12a付近に引き抜き力F2
が作用する。ここで、杭12を厚さ9.5mm、直径が5
08mmになるシーム鋼管とし、外管14を、厚さ9.5
mm、直径が711.2mmになるシーム鋼管とすると、ボ
ルト直径が36mmの補強ボルト28を、杭頭部12a及
び外管14を貫通させた。
杭12の周囲にモルタル(普通モルタル)を充填して杭
の引き抜き試験(試験条件:静的載荷試験、破壊までの
単調載荷)を行ったが、その結果、補強ボルト28を有
しない他は同様の条件になる結合構造体においては荷重
の増加は停止したであろうと考えられる点以降もボルト
の曲げ耐力により再び荷重が緩やかに増加し240.1
tf[2.35×106 N]の最大荷重を確認できた。
も、杭12の打設誤差により桁18と多少の偏心が生じ
た場合にも簡単に結合が可能であり、溶接を不要として
現場作業の省力化を図るとともに、コンパクトな構造な
がら杭頭部12aに大きな押し込み荷重F1、引き抜き
荷重F2が作用しても、十分に対抗し得る耐力を発生す
る山岳道路の拡幅工事を行うことができる。
と桁の結合構造体によると、従来、不可欠であった現場
溶接の工程を省くことができるとともに、杭の打設にお
いて多少の偏心があっても、正常に結合構造体を構築す
ることができる。また、蓋部の下面と杭頭部の頂部との
間に蓋部補強部材を介在させたことにより、桁に押し込
み荷重が作用しても蓋部の剛性を高めることができ、杭
と桁との結合部分を過大に大型構造としなくても、強度
を長期にわたって維持することができる。
によると、蓋部補強部材を井桁状に組み込んだ板状部材
で構成しているので、蓋部から注入したモルタル又はコ
ンクリートは、各板状部材の間を通過して、杭の内部
や、杭頭部及び外管の間の隙間に向けてスムーズに流れ
ていくので、充填作業を容易に行うことができる。さら
に、請求項3記載の杭と桁の結合構造体によると、補強
ボルトが杭頭部及び外管を貫通していることで、桁に引
き抜き荷重が作用しても杭と桁の結合力を高めることが
できる。したがって、さらに、杭と桁の結合部分の強度
を長期にわたって維持することができる。
体を示す平面図である。
す斜視図である。
体を示す平面図である。
幅工事を示す図である。
幅工事を示す図である。
の拡幅工事を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 杭と桁とを強固に繋ぐ結合構造体であっ
て、円筒部及び当該円筒部の上部開口を閉塞する注入口
を有する蓋部とからなる外管が、前記円筒部の外周に桁
を接続した状態で、該円筒部の内周面で杭の杭頭部を取
り囲み、前記蓋部の下面及び前記杭頭部の頂部との間に
蓋部補強部材を介装するとともに、前記蓋部に設けられ
た注入口から注入されたモルタル又はコンクリートが、
少なくとも前記外管と前記杭頭部との間に生じた隙間に
充填され、さらには前記蓋部補強部材が埋設されるよう
に充填されることで、前記杭及び前記桁が一体化されて
なることを特徴とする杭と桁の結合構造体。 - 【請求項2】 前記蓋部補強部材を、複数本の板状部材
を井桁状に組み込んで形成したことを特徴とする請求項
1記載の杭と桁の結合構造体。 - 【請求項3】 前記杭頭部と前記外管とを、互いに隙間
を設けた状態で補強ボルトで連結したことを特徴とする
請求項1又は2記載の杭と桁の結合構造体。
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JP2000346293A JP3978642B2 (ja) | 2000-11-14 | 2000-11-14 | 杭と桁の結合構造体 |
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- 2000-11-14 JP JP2000346293A patent/JP3978642B2/ja not_active Expired - Fee Related
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