JP2002144237A - 金属製パイプ内面のブラスト加工方法及びそれに用いるブラスト加工用チップ - Google Patents
金属製パイプ内面のブラスト加工方法及びそれに用いるブラスト加工用チップInfo
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Abstract
面状態を形成することが可能なブラスト用ガンを使用す
る金属製パイプ内面のブラスト加工方法を提供する。 【解決手段】 金属製パイプ29内面を粗面化する方法
であって、ブラスト用ガン25は、先端のノズル部26
に少なくとも2個のブラスト加工用チップ27が嵌め込
まれることにより構成されており、少なくとも2個のブ
ラスト加工用チップ27は、金属製パイプ29の円周方
向と、少なくとも2個のブラスト加工用チップ27のブ
ラスト噴射方向とのなす角度が45〜65°となるよう
に、かつ、少なくとも2個のブラスト加工用チップ27
のブラスト噴射方向が、金属製パイプ29の長手方向で
互いに別方向となるように嵌め込まれていることを特徴
とする金属製パイプ内面のブラスト加工方法である。
Description
面のブラスト加工方法及びそれに用いるブラスト加工用
チップに係り、さらに詳しくは、ナトリウム−硫黄電池
用陽極容器に用いられる金属製パイプ内面のブラスト加
工方法と、優れた耐磨耗性を有するブラスト加工用チッ
プに関するものである。
活物質である溶融金属ナトリウム、他方には陽極活物質
である溶融硫黄を配し、両者をナトリウムイオンに対し
て選択的な透過性を有するβ−アルミナ固体電解質で隔
離し、300〜350℃で作動させる高温二次電池であ
る。
は、例えば図3に示すように、カーボンフェルト等に含
浸された溶融硫黄Sを収納する有底円筒状の陽極容器1
と、溶融金属ナトリウムNaを収納するカートリッジ
(ナトリウム保護管)6と、このカートリッジ6を内部
に収納し、ナトリウムイオンNa+を選択的に透過させ
る機能を有する有底円筒状の固体電解質管5と、カート
リッジ6と固体電解質管5の間の間隙部に、そのカート
リッジ6及び固体電解質管5からそれぞれ所定の間隔を
おいて配設された有底円筒状の隔壁管11からなる。
合されたα−アルミナ製の絶縁リング4及び陽極筒状金
具3を介して陽極容器1と結合されている。また、絶縁
リング4の上端面には陰極金具8が熱圧接合され、この
陰極金具8に陰極蓋9が溶接固定されている。陽極容器
1の外周上部と陰極蓋9の上面には、それぞれ陽極側端
子2と陰極側端子10が設けられている。カートリッジ
6の上部空間には、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性
ガスGが所定の圧力で封入され、この不活性ガスGによ
りカートリッジ6内のナトリウムNaがカートリッジ6
底部に設けられた小孔7から流出する方向へ加圧されて
いる。
黄電池において、放電時にはカートリッジ6の小孔7か
ら供給されるナトリウムNaが、隔壁管11とカートリ
ッジ6との間隙内で上方に移動した後、隔壁管11の上
端を乗り越えて、隔壁管11と固体電解質管5との間隙
内で下方に移動し、更に、固体電解質管5をナトリウム
イオンNa+となって透過して、陽極容器1内の硫黄S
及び外部回路を通ってきた電子と反応し多硫化ナトリウ
ムを生成する。充電時には放電とは逆にナトリウムNa
及び硫黄Sの生成反応が起こる。
容器は図4に示すように、円筒状胴部15と底蓋16と
からなり、円筒状胴部15の開口端部17には底蓋16
が嵌合固定されており、その材質は主としてアルミニウ
ムやアルミニウム合金製である。ここで、放電による生
成物である多硫化ナトリウムは腐食性が強く、多硫化ナ
トリウムが陽極容器に直接接触すると、陽極容器1が腐
食により損傷を受けるため、耐久性が低下するおそれが
ある。そこで従来から、陽極容器1の内面に耐腐食性の
溶射皮膜(耐食皮膜18)を形成することが行われてい
る(例えば、特開平4−284371号公報、特開平5
−166534号公報など参照)。
プの内面に耐食皮膜を溶射形成するための前処理工程と
して、所定の硬度と形状、及び粒径を有する砥粒をブラ
スト用ガンから噴射して陽極容器の内面(被溶射面)に
吹き付けるといった、ブラスト処理が必要とされる。ブ
ラスト処理の主たる目的は、被溶射面の粗面化、清浄
化、活性化であり、特に耐食皮膜の形成を強固なものと
するための粗面化が最も重要な目的である。したがっ
て、被溶射面の粗面化状態が良好でない場合においては
耐食皮膜の密着が弱く、剥離等の欠陥を生ずるおそれが
ある。
面へのブラスト処理の一実施態様を示す模式図であり、
(a)は全体図、(b)はブラスト用ガンのノズル部拡
大図である。棒状のブラスト用ガン25の先端にはノズ
ル部26を有し、ノズル部26の側面には、内部に砥粒
噴出用の穴が設けられた1個のブラスト加工用チップ2
7が被溶射面に対して所定の角度を有して装着されてお
り、このブラスト加工用チップ27から所定の圧力によ
って、ホワイトアルミナグリッド(Al2O3)等からな
る砥粒28が金属製パイプ29の内面30に噴出される
といった仕組みになっている。このとき、ブラスト加工
用チップ27は砥粒28によって磨耗されることを想定
し、適度な硬度を有する金属、例えばタングステン
(W)等からなる場合が多い。
来のブラスト処理方法においては図5(a)に示すよう
に、金属製パイプ29内へのブラスト用ガン25の挿入
時と抜出し時、すなわち往復させながらブラスト処理を
行っていた。したがって、ブラスト処理に要する時間が
長くなると共に、砥粒の消費量や製造に要する時間も余
計にかかるために製造コストが高くなり、量産にも対応
できなくなるといった問題が生じていた。また、ブラス
ト用ガンを往復させながらブラスト処理を行った場合、
一度粗面化した後に再度粗面化が行われるため、一度目
の粗面化状態が崩れ、面粗度の低下と局部的な不均一が
生ずることに起因して、その後に形成した耐食皮膜の局
部的な剥離が発生した。また、ブラスト処理に要する時
間が長いため、ブラスト加工用チップの磨耗が速く、そ
のためにブラスト加工用チップの交換回数が多くなると
いった問題を有していた。
によってブラスト処理を施すため、被溶射面の粗面化状
態が全方位的方向性とならずに一方向性となり、皮膜と
の密着性が方向性を有するものとなる。なお、ここでい
う全方位的方向性とは、被溶射面の粗面化状態が一方向
のみではなく、様々な方向性が混在している状態のこと
である。したがって、耐食皮膜の密着性が良好でない場
合が多く、剥離等の欠陥を引き起こす危険性があった。
らの噴出によってブラスト処理を施した場合において
は、凹凸のない平坦な面に対しては一様にブラスト処理
を施すことが可能であるが、くびれ部を有する場合にお
いては、くびれ部の片側、すなわち砥粒の噴射の影にな
る面には適切に砥粒の噴射がなされず、ほとんどブラス
ト処理されない部分が生じてしまうといった問題があっ
た。このような状況の対策としては、金属製パイプの設
置方向を変更して2回のブラスト処理を行うことが挙げ
られるが、工程数の増加はひいては陽極容器の製造コス
トにも影響を与えてしまうために好ましくない。
用ガン挿入時にはブラスト処理を行わず、抜出し時にの
みブラスト処理を行う場合、ブラスト加工用チップ出口
(噴出口)付近に微細なゴミや粉塵が多く付着してい
る。よって、挿入時においてそれらの粉塵等が被溶射面
に付着して清浄化が失われるために、耐食皮膜との密着
性が低下するおそれがある。
状を示す断面図であり、(a)はブラスト処理前、
(b)はブラスト処理により磨耗された状態を示す。こ
のように、砥粒との磨耗によって、ブラスト加工用チッ
プの内径は広がるために、次第にブラスト処理によって
砥粒が散乱されると共に、砥粒噴出のための圧力が損失
される。また、砥粒の形状が丸みを帯びてくるために、
充分な粗面化が行われない部分等が生じ、粗面化が不均
一になる場合があった。したがって、このような事態を
解消すべく、通常は常に新しい砥粒を補給していくと共
に砥粒噴出圧力を正確に調整しながら所定の面粗度に仕
上げるといった、極めて複雑かつ困難な技術が要求され
ていた。
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、金属製パイプの内面全域にわたって良好な粗面
状態を形成することが可能なブラスト用ガンを使用する
金属製パイプ内面のブラスト加工方法と、前記ブラスト
用ガンに嵌め込まれる、優れた耐磨耗性を有するブラス
ト用チップを提供することにある。
ば、一方の端部付近にくびれ部を有する金属製パイプを
回転させながら、該金属製パイプの一方の端部から、棒
状のブラスト用ガンを挿入し、次いで、該ブラスト用ガ
ンを該金属製パイプの他方の端部へと移動するととも
に、該金属製パイプの内面に該ブラスト用ガンから砥粒
を噴射することにより該金属製パイプ内面を粗面化する
方法であって、該ブラスト用ガンは、先端のノズル部に
少なくとも2個のブラスト加工用チップが嵌め込まれる
ことにより構成されており、前記少なくとも2個のブラ
スト加工用チップは、該金属製パイプの円周方向と、前
記少なくとも2個のブラスト加工用チップのブラスト噴
射方向とのなす角度が45〜65°となるように、か
つ、前記少なくとも2個のブラスト加工用チップのブラ
スト噴射方向が、該金属製パイプの長手方向で互いに別
方向となるように嵌め込まれていることを特徴とする金
属製パイプ内面のブラスト加工方法が提供される。
プの円周方向と、少なくとも2個のブラスト加工用チッ
プのブラスト噴射方向とのなす角度が、それぞれ45〜
65°の範囲で可変であることが好ましく、ブラスト加
工用チップの材質がSiC、Si3N4のいずれかである
ことが好ましく、また、金属製パイプがナトリウム−硫
黄電池用陽極容器に用いられることが好ましい。
ブラスト用ガンの先端のノズル部に嵌め込まれるブラス
ト加工用チップであって、材質がSiC、Si3N4のい
ずれかであることを特徴とするブラスト加工用チップが
提供される。
いて説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当
業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良
等が加えられることが理解されるべきである。
スト加工方法の一実施態様を示す模式図であり、(a)
は全体図、(b)はブラスト用ガンのノズル部拡大図で
ある。本発明に用いるブラスト用ガンは、図1(b)に
示すように、砥粒28が噴射される2個のブラスト加工
用チップ27がブラスト用ガン25のノズル部26に嵌
め込まれているとともに、金属製パイプ29の円周方向
と、2個のブラスト加工用チップ27のブラスト噴射方
向とのなす角度θがそれぞれ45〜65°であり、か
つ、2個のブラスト加工用チップ27のブラスト噴射方
向が金属製パイプ29の長手方向で互いに別方向となっ
ている。以下、さらにその詳細について説明する。
た少なくとも2個のブラスト加工用チップ27は、ブラ
スト噴射方向が金属製パイプ29の長手方向で互いに別
方向となっているために、金属製パイプ29の内面30
の粗面化状態が一方向性とはならずに、全方位的方向性
を有することになる。したがって、その後金属製パイプ
の内面に耐食皮膜を溶射形成する場合において、耐食皮
膜を良好な密着性を有する状態で形成することができ
る。
れ部周辺への砥粒の噴射状態を説明する模式図である。
本発明において使用するブラスト用ガンは、少なくとも
2個のブラスト加工用チップからブラスト噴射を行うた
めに、くびれ部19に対してブラスト処理を施す場合に
おいては、砥粒28が噴射されない影の部分が生ずるこ
とがない。したがって、図5(b)に示すような従来の
ブラスト用ガンを使用する際には、金属製パイプの設置
方向を変更して2回のブラスト処理を要していたのに対
し、本発明において使用するブラスト用ガンによれば、
1回のブラスト処理によって、金属製パイプの内面全域
にわたって粗面化を行うことが可能である。
すように、金属製パイプ29の円周方向と、2個のブラ
スト加工用チップ27のブラスト噴射方向とのなす角度
θがそれぞれ45〜65°であることが好ましく、47
〜62°であることがさらに好ましく、50〜60°で
あることが特に好ましい。角度θを前記の数値範囲に設
定することにより、適度な角度を有する粗面状態を金属
製パイプ29の内面30に形成することができる。した
がって、このような粗面状態を有する金属製パイプの内
面に、より密着性に優れ、剥離等の欠陥が生じ難い耐食
皮膜を溶射形成することが可能である。
ト用ガンは、金属製パイプの円周方向と、2個のブラス
ト加工用チップのブラスト噴射方向とのなす角度θが各
々可変であること、すなわちブラスト加工用チップが当
該角度範囲内で可変・可動であることが好ましい。ま
た、このときの可変角度θは45〜65°であることが
好ましく、47〜62°であることがさらに好ましく、
50〜60°であることが特に好ましい。角度θを前記
の数値範囲に設定することにより、適度な角度を有する
粗面状態を金属製パイプの内面に形成することができ
る。したがって、このような粗面状態を有する金属製パ
イプの内面に、より密着性に優れ、剥離等の欠陥が生じ
難い耐食皮膜を溶射形成することが可能である。また、
ブラスト加工用チップを固定せずに可変・可動とするこ
とにより、くびれ部の形状や大きさ等によってその都度
角度θを適当な値に設定することができ、また、金属パ
イプ全体の大きさ等に対してもより柔軟に対応すること
が可能となる。
おいて使用する、並びに、本発明に係るブラスト用ガン
のノズル部に嵌め込まれるブラスト加工用チップの材質
は、SiC、Si3N4のいずれかであることが好まし
い。図7はブラスト加工用チップの形状を示す断面図で
あり、(a)はブラスト処理前、(b)はブラスト処理
により磨耗された状態を示す。このように、ブラスト加
工用チップ27はブラスト処理に供することにより、噴
射出口31付近が磨耗され、定期的に交換する必要性が
ある。したがって、SiC、またはSi3N4等の材質か
らなる本発明のブラスト加工用チップは、充分に硬度が
高いといった特性を有する他、耐磨耗性に優れるといっ
た特性をも有している。従来、ブラスト加工用チップを
構成する材質として用いられてきたタングステン(W)
からなるブラスト加工用チップに比して、砥粒との磨耗
によるブラスト加工用チップ内径の広がりを極力減少さ
せることができ、ブラスト加工用チップの長寿命化がな
されるためにその交換回数も減少される。
プを構成する材質のすべてをSiC、Si3N4とするほ
かに、ステンレス、タングステン(W)等の金属材料の
表面にSiC、Si3N4を溶射等によるコーティングで
設けてもよく、また、ブラスト加工用チップが特に磨耗
される部分、例えば、図7(a)において示す噴射出口
31付近にのみコーティングにより設けてもよい。
の内面が加工される金属製パイプは、ナトリウム−硫黄
電池用陽極容器に用いられることが好ましい。本発明に
おいては、粗面化状態が全方位的方向性を有し、また、
粗面化状態の局部的な不均一が発生し難いことから、剥
離等の不具合が発生し難い密着性の高い耐食皮膜を溶射
形成することができるからである。さらには、1回のブ
ラスト処理によって、金属製パイプの内面全域にわたっ
て粗面化を行うことが可能であるとともに、ブラスト加
工用チップの交換回数も低減されているために、ナトリ
ウム−硫黄電池用陽極容器の製造コスト削減等にも配慮
のなされたブラスト加工方法である。
ブラスト加工方法おいては、図1(a)に示すように、
一方の端部付近にくびれ部19を有する金属製パイプ2
9を所定の回転速度で回転させながら、金属製パイプ2
9の一方の端部から前述のブラスト用ガン25を挿入
し、次いで、ブラスト用ガン25を他方の端部へと移動
するとともに金属製パイプ29の内面30に砥粒28を
噴射することにより金属製パイプ29の内面30にブラ
スト処理を施すことを特徴としている。すなわち、ブラ
スト用ガンの挿入時のみブラスト処理を施すために、従
来の方法に比して処理に要する時間の短縮がなされ、ま
た、砥粒の消費量を削減することも可能である。また、
金属製パイプの内面に形成される粗面の状態に関して
も、粗面化状態の局部的な不均一が発生し難いといった
利点を有している。
みブラスト処理を施す従来方法に比しても、金属製パイ
プ内に砥粒や粉塵が存在しない状態、すなわちフレッシ
ュな面(活性化面)にブラスト処理を施すことができ
る。また、ブラスト処理に要する時間が短縮されている
ために、残留砥粒が減少されているといった特徴を有し
ている。なお、ここでいう残留砥粒とは、アルミニウム
製パイプの内面に食い込んで落下せずに残留した砥粒の
ことである。
用の砥粒を噴出し、金属製パイプの内面にブラスト処理
を施す工程を詳述する。まず、図1(a)に示すよう
に、金属製パイプ29を例えば100〜500rpmの
等速で回転させ、一方の端部からブラスト用ガン25を
挿入する。ここで用いる、金属製パイプ29は、そのサ
イズは、外径が50〜180mmで、長さが200〜5
00mmのものまで適用可能であり、また、材質はアル
ミニウムやアルミニウム合金等が好適に採用される。そ
して、ブラスト用ガンは前述のような特徴を有するも
の、例えば、図1(b)に示すような構造を有するもの
を使用する。当該ブラスト用ガンの挿入に際しては、例
えば6〜20mm/secの等速度でブラスト用ガンを
移動し、それと同時に、ブラスト処理用の砥粒28の噴
射を開始する。このとき使用する砥粒はホワイトアルミ
ナグリッド(Al2O3)等が好ましく、その粒径は♯3
0〜120程度が好ましい。また、砥粒を噴出するため
の空気吐出圧力(ゲージ圧力)は3〜5kg/mm2程
度が好ましい。その後、ブラスト用ガン25が金属製パ
イプの他方の端部を通過すると同時に、砥粒28の噴出
を停止し、金属製パイプ29内を、もう一方の端部方向
へと前記砥粒噴射時の移動よりも速い速度で、例えば2
00〜400mm/secの速度で戻ればよい。以上の
ような操作によって、金属製パイプのくびれ部付近も含
めた内面全域にわたって、全方位的方向性を有する粗面
化を行うことができる。
る。 (実施例1)図1(a)に示すように、外径が90m
m、長さが450mmであるアルミニウム製パイプを設
置し、300rpmの等速度で回転させた。引き続き、
一方の端部から、図2(b)に示すようなノズル部26
の構造を有するブラスト用ガン25を、12mm/se
cの等速度で挿入・移動し、それと同時に、ブラスト処
理用の砥粒28(ホワイトアルミナグリッド:♯60)
を、空気吐出圧力(ゲージ圧力)を4kg/mm2とし
て噴射を開始した。その後、ブラスト用ガン25がアル
ミニウム製パイプの他方の端部を通過すると同時に、ア
ルミニウム製パイプ内を、もう一方の端部方向(逆方
向)へと12mm/secの等速度で移動して引抜い
た。同様の操作を600本のアルミニウム製パイプを使
用して行った(実施例、試料No.1〜600)。
径が90mm、長さが450mmであるアルミニウム製
パイプを設置し、300rpmの等速度で回転させた。
引き続き、一方の端部から、図5(b)に示すようなノ
ズル部26の構造を有するブラスト用ガン25を、12
mm/secの等速度で挿入・移動し、それと同時に、
ブラスト処理用の砥粒28(ホワイトアルミナグリッ
ド:♯60)を、空気吐出圧力(ゲージ圧力)を4kg
/mm2として噴射を開始した。その後、ブラスト用ガ
ン25がアルミニウム製パイプの他方の端部を通過した
後、砥粒28噴出は停止せずにアルミニウム製パイプ内
を、もう一方の端部方向(逆方向)へと12mm/se
cの等速度で移動してブラスト処理を行い、引抜いた。
同様の操作を600本のアルミニウム製パイプを使用し
て行った(比較例、試料No.1〜600)。
よび比較例1において内面粗面化処理を行ったアルミニ
ウム製パイプから100本ごとに1本ずつ抜き取り、各
々の中央部を表面粗さ計を使用し、長手方向に沿って面
粗度Raを測定し、標準偏差を算出した。結果を表1に
示す。
に比して標準偏差の数値が小さく、すなわち、個体間の
バラツキが少ないことを確認することができた。したが
って、その後、この粗面上に耐食皮膜を溶射形成した場
合、個体間でその耐食皮膜の密着性に差が生じ難く、均
一な物理特性を有する陽極容器が製造可能であることが
予測される。
例1において内面粗面化処理を行ったアルミニウム製パ
イプから各3本ずつ抜き取り、アルミニウム製パイプを
長手方向に20mmの範囲を切り出した粗面化された内
面を、光学顕微鏡を用いて残留砥粒数の測定(倍率:×
200)を行った。結果を表2に示す。
に比して残留砥粒数が著しく減少することを確認するこ
とができた。これは、実施例においては、ブラスト処理
の時間が短縮されているためと考えられる。
例1および比較例1において内面粗面化処理を行ったア
ルミニウム製パイプから各3本ずつ抜き取り、特開平7
−105972号公報の実施例の記載にしたがって耐食
皮膜を溶射形成した。次に、図6(a)に示すように、
アルミニウム製パイプの中央部付近A、B面における切
片35を採取し、図6(b)に示すように、当該切片3
5を治具36で固定して所定の圧力を加えた後、皮膜の
剥離状態を判定した。結果を表3に示す。なお、耐食皮
膜の溶射形成は、特開平7−105972号公報の実施
例の記載にしたがって行い、このときの耐食皮膜の厚さ
は68μm、材質はCr73重量%−Fe合金であっ
た。また、このときの判定基準は、剥離が認められなか
った場合を○、極少量の剥離が認められた場合を△とし
た。
離を確認することができず、極少量の耐食皮膜の剥離が
確認された比較例に比して、優位性を確認することがで
きた。これは、実施例においては粗面化状態が全方位的
方向性を有しており、耐食皮膜の密着性に優れているた
めであると考えられる。
変化)の測定)SiC製、Si3N4製、タングステン
(W)製の各ブラスト加工用チップをノズル部に嵌め込
んだ3種類のブラスト用ガンを用意し、砥粒にホワイト
アルミナグリッド(♯60)を使用し、空気吐出圧力
(ゲージ圧力)を4.5〜5.2kg/mm2とする他
は、実施例1と同様にして、各1200本ずつのアルミ
ニウム製パイプに対してブラスト処理をおこなった。こ
のとき、各々200本ごと処理経過ごとに図7(b)に
示す噴射出口31付近の内径を測定し、ブラスト処理本
数に対するブラスト加工用チップ内径をプロットしたグ
ラフを図8に示す。
製に比して、SiC製、Si3N4製ブラスト加工用チッ
プは耐磨耗性に優れており、本発明に使用するブラスト
用ガンの優れた特性を確認することができた。
属製パイプ内面のブラスト加工方法において使用するブ
ラスト用ガンは、所定の材質からなる2個以上のブラス
ト加工用チップを使用しているため、ブラスト加工用チ
ップの耐久性・耐磨耗性に優れており、前記ブラスト加
工用チップを所定の配置で溶射ガンのノズル部に嵌め込
んでいるために、金属製パイプの内面全域にわたって全
方位的方向性を有する粗面化状態を形成することができ
る。また、この粗面化状態はその後金属製パイプの内面
に耐食皮膜を溶射形成した場合、その密着性を良好とす
るため、特に、ナトリウム−硫黄電池用陽極容器に用い
られる金属製パイプ内面のブラスト加工方法として好適
に採用される。
方法の一実施態様を示す模式図であり、(a)は全体
図、(b)はブラスト用ガンのノズル部拡大図である。
の砥粒の噴射状態を説明する模式図である。
ある。
り、(a)は円筒状胴部、(b)は底蓋、(c)は組み
立てられた陽極容器を示す。
一実施態様を示す模式図であり、(a)は全体図、
(b)はブラスト用ガンのノズル部拡大図である。
あり、(a)は金属製パイプの切断様式、(b)は具体
的な試験実施方法、(c)は耐食皮膜の剥離状態を示
す。
あり、(a)はブラスト処理前、(b)はブラスト処理
により磨耗された状態を示す。
スト処理本数に対するブラスト加工用チップ内径をプロ
ットしたグラフである。
…絶縁リング、5…固体電解質管、6…カートリッジ、
7…小孔、8…陰極金具、9…陰極蓋、10…陰極側端
子、11…隔壁管、15…円筒状胴部、16…底蓋、1
7…開口端部、18…耐食皮膜、19…くびれ部、20
…嵌合部、25…ブラスト用ガン、26…ノズル部、2
7…ブラスト加工用チップ、28…砥粒、29…金属製
パイプ、30…内面、31…噴射出口、32…固定用治
具、35…切片、36…治具、37…剥離部。
Claims (5)
- 【請求項1】 一方の端部付近にくびれ部を有する金属
製パイプを回転させながら、該金属製パイプの一方の端
部から、棒状のブラスト用ガンを挿入し、次いで、該ブ
ラスト用ガンを該金属製パイプの他方の端部へと移動す
るとともに、該金属製パイプの内面に該ブラスト用ガン
から砥粒を噴射することにより該金属製パイプ内面を粗
面化する方法であって、 該ブラスト用ガンは、先端のノズル部に少なくとも2個
のブラスト加工用チップが嵌め込まれることにより構成
されており、 前記少なくとも2個のブラスト加工用チップは、該金属
製パイプの円周方向と、前記少なくとも2個のブラスト
加工用チップのブラスト噴射方向とのなす角度が45〜
65°となるように、かつ、前記少なくとも2個のブラ
スト加工用チップのブラスト噴射方向が、該金属製パイ
プの長手方向で互いに別方向となるように嵌め込まれて
いることを特徴とする金属製パイプ内面のブラスト加工
方法。 - 【請求項2】 金属製パイプの円周方向と、少なくとも
2個のブラスト加工用チップのブラスト噴射方向とのな
す角度が、それぞれ45〜65°の範囲で可変である請
求項1記載の金属製パイプ内面のブラスト加工方法。 - 【請求項3】 ブラスト加工用チップの材質がSiC、
Si3N4のいずれかである請求項1又は2に記載の金属
製パイプ内面のブラスト加工方法。 - 【請求項4】 金属製パイプがナトリウム−硫黄電池用
陽極容器に用いられる請求項1〜3のいずれか一項に記
載の金属製パイプ内面のブラスト加工方法。 - 【請求項5】 砥粒を噴射するブラスト用ガンの先端の
ノズル部に嵌め込まれるブラスト加工用チップであっ
て、 材質がSiC、Si3N4のいずれかであることを特徴と
するブラスト加工用チップ。
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