JP2002040209A - 帯電防止性反射防止フィルム - Google Patents
帯電防止性反射防止フィルムInfo
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Abstract
もに、優れた帯電防止性をも発揮する、特にディスプレ
イ用として好適な帯電防止性反射防止フィルムを提供す
る。 【解決手段】 少なくともカチオン変性ケイ素化合物を
含有したケイ素化合物を、透明基体の片面に直接あるい
は他の層を介して塗布し、これを硬化して低反射層を設
けることにより、帯電防止性反射防止フィルムを製造す
る。
Description
(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、CR
T、EL等の画像表示体等に好適に用いられ、特に、反
射防止性、耐摩耗性、帯電防止性に優れた帯電防止性反
射防止フィルムに関する。
代表される画像表示装置(以下、これを「ディスプレ
イ」と称する)は、テレビやコンピュータをはじめとし
て様々な分野で繁用されており、目覚ましい発展を遂げ
ている。特にLCDは、薄く、軽量で、かつ汎用性に富
むディスプレイとして、ノート型のパーソナルコンピュ
ータやワードプロセッサ、携帯電話、PHS、その他各
種携帯端末用としての普及が著しい。
は、表面の反射を低減するために低屈折率の反射防止層
が設けられているが、この反射防止層およびディスプレ
イを構成するその他の部材には一般に絶縁性の樹脂が使
用されているので、ディスプレイ表面に発生する静電気
によりホコリ等の汚れが付着してしまうといった問題を
有していた。このディスプレイ表面での静電気を防止す
る方法として、具体的には、アルミニウム、錫等の金
属、ITO等の金属酸化膜を蒸着、スパッタ等で極めて
薄く設ける方法、アルミニウム、錫等の金属微粒子やウ
イスカー、酸化錫等の金属酸化物にアンチモン等をドー
プした微粒子やウィスカー、7,7,8,8−テトラシ
アノキノジメタンと金属イオンや有機カチオンなどの電
子供与体(ドナー)との間でできた電荷移動錯体をフィ
ラー化したもの等をポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂等に分散し、ソルベントコーティング等に
より設ける方法、ポリピロール、ポリアニリン等にカン
ファースルホン酸等をドープしたものをソルベントコー
ティング等により設ける方法等によって帯電防止層を設
けたり、または、上記のような帯電防止剤を反射防止層
やその他の層に含有させることによって帯電防止性を付
与させることが一般的であった。
電防止性の微粒子や帯電防止剤は非常に屈折率の高い物
質であるため、帯電防止層または帯電防止剤を含有する
層の反射率が高くなってしまい、反射防止性が損なわれ
るという問題があった。さらに、このような帯電防止性
微粒子や帯電防止剤を含有することによって、層の耐摩
耗性の低下を引き起こしてしまうといった問題も有して
いた。
上記した実情に鑑みてなされたもので、優れた光学特性
および物理的特性を示すとともに、優れた帯電防止性を
も発揮する帯電防止性反射防止フィルムを提供すること
を目的としている。
イ等の表面に生じる静電気を防止するために反射防止フ
ィルムの最表面の帯電防止性について鋭意検討を重ねた
結果、カチオン変性ケイ素化合物を低反射層に含有させ
ることにより、従来の優れた反射防止性および耐久性を
保持しつつ、優れた帯電防止性をも付与することができ
ることを見い出した。
ルムは、透明基体の片面に、直接あるいは他の層を介し
て、少なくともケイ素化合物を硬化させてなる低反射層
を設けた反射防止フィルムであって、該ケイ素化合物が
カチオン変性ケイ素化合物を含有することを特徴として
いる。
止フィルムの好適な実施の形態について詳細に説明す
る。 A.透明基体 本発明の帯電防止性反射防止フィルムに使用する透明基
体としては、公知の透明なフィルム、ガラス等を使用す
ることができる。その具体例としては、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(T
AC)、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテル、
ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、セロファン、芳香族ポリアミド、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリビニルアルコール等の各種樹脂フィ
ルムおよび石英ガラス、ソーダガラス等のガラス基材等
を好適に使用することができる。PDP、LCDに用い
る場合は、PET、TACが好ましい。
であるが、光線透過率(JIS C−6714)として
は80%以上、より好ましくは90%以上がよい。ま
た、その透明基体を小型軽量の液晶ディスプレイに用い
る場合には、透明基体はフィルムであることがより好ま
しい。透明基体の厚さは、軽量化の観点から薄いほうが
望ましいが、その生産性を考慮すると、10〜500μ
mの範囲のものを使用することが好適である。
処理、プラズマ処理、フッ素処理、スパッタ処理等の表
面処理や、界面活性剤、シランカップリング剤等の塗
布、あるいはSi蒸着などの表面改質処理を行うことに
より、低反射層またはその間に介する他の層と透明基体
との密着性を向上させることができる。
て形成するものであり、より好ましくはシリカゾルを硬
化させて形成するものである。このシリカゾルは、シリ
カ超微粒子を水もしくは有機溶剤に分散したものであ
り、ケイ酸アルカリ塩中のアルカリ金属イオンをイオン
交換等で脱アルカリし、またはケイ酸アルカリ塩を鉱酸
で中和した活性ケイ酸を縮合する方法、あるいはアルコ
キシシランを有機溶媒中で塩基性触媒の存在下に加水分
解と縮合する方法により製造される。また、上記の水性
シリカゾル中の水を蒸留法等により有機溶剤に置換する
ことにより得られる有機溶剤系のオルガノシリカゾルと
しても用いられる。これらのシリカゾルは水系および有
機溶剤系のどちらでも使用することができる。有機溶剤
系シリカゾルの製造に際し、完全に水を有機溶剤に置換
する必要はない。上記シリカゾルは、SiO2として
0.5〜50重量%濃度の固形分を含有する。シリカゾ
ル中のシリカ超微粒子の構造は、球状、針状、板状等様
々なものが使用可能である。
て使用するため、溶媒への分散性等を考慮して、pHが
中性付近であることが望ましい。また、シリカゾルの粒
径は、5〜500nmが好ましく、より好ましくは5〜
300nmが好適である。シリカゾルの粒径が5nm未
満である場合には、反射率の低減に十分な効果を与える
ことができない。一方、シリカゾルの粒径が500nm
を越えると、ヘイズ値が上昇し、フィルム表面が白く濁
ってしまい、さらに、帯電防止性においても悪影響を及
ぼしてしまう。
成剤および帯電防止剤として作用するカチオン変性ケイ
素化合物が含有されていなければならない。さらに、こ
のカチオン変性ケイ素化合物は、窒素を含有する化合物
が適宜用いられ、中でも窒素原子が4級アンモニウム塩
であることが好ましい。カチオン変性ケイ素化合物の具
体例としては、オクタデシルジメチル[3−(トリメト
キシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、3−
(N−スチルメチル−2−アミノエチルアミノ)−プロ
ピルトリメトキシシラン塩酸塩、N(3−トリメトキシ
シリルプロピル)−N−メチル−N,N−ジアリルアン
モニウムクロライド、N,N−ジデシル−N−メチル−
N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウム
クロライド、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシ
シリルプロピル)アンモニウムクロライド、テトラデシ
ルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモ
ニウムクロライド、N−トリメトキシシリルプロピル−
N,N,N−トリ−n−ブチルアンモニウムクロライ
ド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−ト
リメチルアンモニウムクロライド、トリメトキシシリル
プロピル(ポリエチレンイミン)、ジメトキシメチルシ
リルプロピル変性(ポリエチレンイミン)等が挙げられ
る。
て、窒素原子が4級アンモニウム塩として含有されてい
る化合物は、安定で取り扱い易いことから好ましい。と
ころで、窒素原子の含有は、屈折率を増加させてしま
い、反射防止性の低下を生じるおそれがあるため、本発
明におけるカチオン変性ケイ素化合物は、低反射層の窒
素含有率が0.5〜2.0重量%となるように使用する
ことが好ましく、より好ましくは0.8〜1.8重量%
がよい。窒素含有率が0.5重量%よりも低い場合に
は、4級アンモニウム塩の含有率が少なく帯電防止性が
十分に発揮されない。一方、窒素含有率が2.0重量%
を越える場合には、反射防止性が損なわれたり、耐摩耗
性および耐水性が低下するという問題を生じるおそれが
ある。
防止性および耐摩耗性が向上することから、皮膜形成剤
として、フッ素変性ケイ素化合物が含有されていること
が好ましい。フッ素変性ケイ素化合物としては、トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロ
ピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルト
リメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエト
キシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシ
ラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等
を挙げることができ、これらは単独または組み合わせて
用いることができる。また、フッ素変性ケイ素化合物の
含有率としては、低反射層を形成するケイ素化合物にお
けるフッ素とケイ素の原子数比(F/Si)が1.0〜
7.5となるように使用することが好ましく、より好ま
しくは2.5〜6.5がよい。
化合物を例えば溶剤で希釈し、スピンコーター、ロール
コーター、印刷等の方法で基体上に直接またはその他の
層を介して塗布し、50〜80℃で乾燥後、100〜5
00℃で加熱硬化させて形成する。なお、熱によるダメ
ージを受けやすいPET、TAC等のプラスチックフィ
ルムを透明基体に使用する場合には、加熱硬化の温度を
プラスチックフィルムに悪影響を与えない範囲で低く設
定することが好ましい。
揮するための厚さについては、公知の計算式で算出する
ことができる。公知の文献(サイエンスライブラリ、物
理学9「光学」70〜72頁)によれば、入射光が低反
射層に垂直に入射する場合に、低反射層が光を反射せ
ず、かつ100%透過するための条件は次の関係式を満
たせばよいとされている。なお、式中N0は低反射層の
屈折率、Nsは基体または基体側の下層の屈折率、hは
低反射層の厚さ、λ0は光の波長を示す。
%防止するためには、低反射層の屈折率が基体または下
層の屈折率の平方根になるような材料を選択すればよい
ことが分かる。ただし、実際は、この数式を完全に満た
す材料は見出し難く、限りなく近い材料を選択すること
になる。上記(2)式では(1)式で選択した低反射層
の屈折率と、光の波長から低反射層の反射防止膜として
の最適な厚さが計算される。たとえば、基体または下
層、低反射層の屈折率をそれぞれ1.50、1.38、
光の波長を550nm(視感度の基準)とし、これらの
値を上記(2)式に代入すると、低反射層の厚さは0.
1μm前後の光学膜厚、好ましくは0.1±0.01μ
mの範囲が最適であると計算される。
体および低反射層を基本構成とするものであるが、必要
に応じてさらにハードコート層、防眩層などを基体と低
反射層の間に積層して設けることができる。以下、これ
らについて説明する。
用樹脂が適宜使用できる。なお、本発明でいうハードコ
ートとは、後述の鉛筆硬度がH以上のものをいう。この
ような樹脂としては、放射線、熱の何れかもしくは組み
合わせにより硬化する樹脂を用いることができる。放射
線硬化型樹脂としては、アクリロイル基、メタクリロイ
ル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基
等重合性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマー、プ
レポリマーを適宜混合した組成物が用いられる。モノマ
ーの例としては、スチレン、メチルアクリレート、ラウ
リルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアク
リレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレー
ト、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフル
フリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシアク
リレート等の単官能アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリス
リトールアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息
香酸エステル、トリメチロールプロパン安息香酸エステ
ル等の多官能アクリレート等のアクリル酸誘導体、メチ
ルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、n−ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメ
タクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレー
ト、フェノキシエチルメタクリレート、メトキシポリエ
チレンメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート等の単官
能メタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、グリセリンジメタクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート等の多官能メタクリレート等のメタク
リル酸誘導体、グリセリンジメタクリレートヘキサメチ
レンジイソシアネート、ペンタエリスリトールトリアク
リレートヘキサメチレンジイソシアネート等のウレタン
アクリレート等を挙げることができる。オリゴマー、プ
レポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリ
ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエ
ーテルアクリレート、アルキットアクリレート、メラミ
ンアクリレート、シリコンアクリレート等のアクリレー
ト、不飽和ポリエステル、エポキシ系化合物等を挙げる
ことができる。これらは単独、もしくは複数混合して使
用してもよい。モノマーは硬化膜の可撓性が要求される
場合は少な目にし、さらに架橋密度を低くするために
は、1官能、2官能のアクリレート系モノマーを使用す
ることが好ましく、逆に、硬化膜に耐熱性、耐摩耗性、
耐溶剤性等過酷な耐久性を要求される場合は、モノマー
の量を増やし、3官能以上のアクリレート系モノマーを
使用することが好ましい。
には、例えば紫外線、電子線、X線などの放射線を照射
すればよいが、必要に応じて適宜重合開始剤を添加する
ことができる。なお、紫外線により硬化させる場合は、
光重合開始剤を添加する必要がある。光重合開始剤とし
ては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジル
ジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フ
ェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオ
メチルフェニル)プロパン−1−オン等のアセトフェノ
ン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン
イソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンゾ
フェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニ
ルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフ
ェニルサルファイド、4−ベンゾイル−N,N−ジメチ
ル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)
エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベン
ゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等の
ベンゾフェノン類、2,4−ジエチルチオキサントン、
1−クロロ−4−ジクロロチオキサントン等のチオキサ
ントン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルベンゾイルオキサイド等を挙げることができる。これ
らは単独もしくは複数、混合して使用することができ
る。また、促進剤(増感剤)として、N,N−ジメチル
パラトルイジン、4,4’−ジエチルアミノベンゼンフ
ェノン等アミン系化合物を混合し、使用することもでき
る。光重合開始剤の含有量としては、放射線硬化型樹脂
に対し、0.1〜10重量%の範囲がよい。この範囲よ
り多くても少なくても効果が悪くなる。
ート層の硬化に伴う体積収縮率(下記方法より算出)
は、20%以下が望ましい。体積収縮率が20%より大
きくなると、透明基体がフィルムの場合はカールが著し
くなり、また基材がガラス等リジットな材料系の場合は
ハードコート層の密着性が低下する。
により測定)
は、放射線硬化型樹脂に対し、ハイドロキノン、p−ベ
ンゾキノン、t−ブチルハイドロキノン等の安定化剤
(熱重合禁止剤)を添加してもよい。添加量は、放射線
硬化型樹脂に対し、0.1〜5.0重量%の範囲が好ま
しい。
きる熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹
脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルム
アルデヒド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アニリン
樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂等を挙げることができる。これらは単独もしくは
複数混合して使用してもよい。透明基体がプラスチック
フィルムである場合は、熱硬化温度を高く設定すること
ができない。特に、PET、TACを使用する場合に
は、使用する熱硬化樹脂は、100℃以下で硬化できる
ことが望ましい。
透明性は高いほどよく、光線透過率(JIS C−67
14)としては、透明基体同様、80%以上、好ましく
は90%以上が好ましい。また、本構成の帯電防止性反
射防止フィルムの反射防止性は、ハードコート層の屈折
率が1.45〜1.70の範囲、特に、1.5〜1.6
5の範囲が好ましい。このハードコート層の屈折率は、
高屈折材料を添加することによっても調整することがで
きる。
スチロール樹脂、PET、ビスフェノールAのポリカー
ボネート、ポリ塩化ビニル、ポリテトラブロモビスフェ
ノールAグリシジルエーテル等の芳香環やBr、I、C
l等のハロゲン化元素を含む樹脂や、ポリビニルピリジ
ン、ポリビスフェノールSグリシジルエーテル等のS、
N、P等を含む樹脂が挙げられる。また、他の高屈折材
料としては、TiO2(屈折率:n=2.3〜2.
7)、CeO2(n=1.95)、ZnO(n=1.
9)、Sb2O3(n=1.71)、SnO2(n=
1.95)、ITO(n=1.95)、Y2O3(n=
1.87)、La2O3(n=1.95)、ZrO
2(n=2.05)、Al2O3(n=1.63)、H
fO2(n=2.00)、Ta2O3等の無機化合物微
粒子を挙げることができ、単独または混合して使用する
ことができる。
あるいは他の層を介してハードコート層を設ける方法と
しては、上記ハードコート層形成樹脂中に、必要に応じ
て架橋アクリルビーズ等のフィラーや水あるいは有機溶
剤を混合し、これをペイントシェーカー、サンドミル、
パールミル、ボールミル、アトライター、ロールミル、
高速インペラー分散機、ジェットミル、高速衝撃ミル、
超音波分散機等によって分散して塗料またはインキと
し、これをエアドクターコーティング、ブレードコーテ
ィング、ナイフコーティング、リバースコーティング、
トランスファロールコーティング、グラビアロールコー
ティング、キスコーティング、キャストコーティング、
スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティン
グ、カレンダーコーティング、電着コーティング、ディ
ップコーティング、ダイコーティング等のコーティング
やフレキソ印刷等の凸版印刷、ダイレクトグラビア印
刷、オフセットグラビア印刷等の凹版印刷、オフセット
印刷等の平版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印
刷手法により透明基体の片面上に一層設け、溶媒を含ん
でいる場合は、熱乾燥工程を経て、放射線(紫外線の場
合、光重合開始剤が必要)照射等により塗工層もしくは
印刷層を硬化させることによって得る方法が挙げられ
る。なお、放射線が電子線による場合は、コックロフト
ワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変
圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種
電子線加速器から放出される50〜1000keVのエ
ネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線の場合
は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボン
アーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光
線から発する紫外線等が利用できる。
向上させるために、必要に応じ、シリコーンオイル等の
レベリング剤、ポリエチレンワックス、カルナウバワッ
クス、高級アルコール、ビスアマイド、高級脂肪酸等の
油脂、イソシアネート等の硬化剤、炭酸カルシウム、合
成雲母等0.1μm以下の超微粒子等の添加剤を適宜使
用することができる。
mの範囲、好ましくは1〜5μmの範囲がよい。ハード
コート層が0.5μmより薄い場合は、ハードコート層
の耐摩耗性が劣化したり、紫外線硬化型樹脂を使用した
場合などに、酸素阻害による硬化不良を起こしたりす
る。10μmより厚い場合は、樹脂の硬化収縮によりカ
ールが発生したり、ハードコート層にマイクロクラック
が発生したり、さらに、透明基体との密着性が低下した
りする。
層をさらに設けてもよい。防眩層は、通常結着剤として
使用される樹脂、好ましくは上記ハードコート層を構成
する樹脂に、フィラーを含有させて形成されるもの(こ
の場合は、ハードコート防眩層となる)で、層表面を粗
面化することにより、光を散乱もしくは拡散させて防眩
性を付与したものである。フィラーとしては、シリカ、
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、クレー、タルク、二酸化チタン等の無機系白色顔
料、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹
脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ビーズ等有機系の透
明または白色顔料等を挙げることができる。特に、球状
で吸油性を示さない有機フィラーが好ましく、球状のフ
ィラーを用いることによって、防眩層の表面から突出す
る部分がなだらかになり、油分等の汚れが付着し難くな
るとともに付着した汚れを拭い易くなる。
固形分比で、0.5〜30%の範囲がよい。特に、1〜
15%の範囲が好ましい。配合量が0.5%以下では、
反射防止効果が不充分となり、30%以上では、透明
性、画像のコントラストが劣るばかりでなく、耐摩耗性
や耐環境性等の耐久性が悪くなる。また、フィラーの屈
折率(JIS K−7142によるB法)は、硬化型樹
脂と同等であることが好ましい。フィラーの屈折率が硬
化型樹脂の屈折率と異なる場合は、フィラーと樹脂界面
で光が拡散し、透明性が損なわれる。硬化型樹脂と同等
の屈折率を有するフィラーの例としては、有機系のフィ
ラー、特に、架橋アクリルビーズが好適である。
およびそのエステル、メタクリル酸およびそのエステ
ル、アクリルアミド、アクリルニトリル等のアクリル系
モノマーと過硫酸等の重合開始剤、エチレングリコール
ジメタクリレート等の架橋剤を用い、懸濁重合法等によ
り重合して得られる重合体および共重合体からなる架橋
アクリル系ビーズが好適に使用できる。特にアクリル系
のモノマーとして、メチルメタクリレートを使用した構
成が好ましい。この様にして得られた架橋アクリルビー
ズは球状で吸油性を示さないことから、防眩層に使用し
た場合、優れた耐汚染性を発現できる。また、架橋アク
リルビーズには、塗料の分散性を向上させるために油脂
類、シランカップリング剤、金属酸化物等の有機・無機
材料による表面改質を行ってもよい。本発明における防
眩層は、上記のハードコート層の積層方法と同様にして
設けることができる。
性反射防止フィルムのJIS K7105によるHAZ
E値は、3〜30の範囲、特に好ましくは5〜15の範
囲であることがよい。この場合、この値が3未満では、
光拡散の効果が少なくそれ程大きな反射防止効果を得る
ことができない。一方、HAZE値が30を超えると、
画像コントラストが悪く視認性不良となり、ディスプレ
イとしての機能低下を招くことから好ましくない。な
お、HAZE値とは、曇価を意味するものであり、積分
球式光線透過率測定装置を用いて、拡散透過率(Hd
%)と全光線透過率(Ht%)を測定し、下記式にて算
出する。
射防止フィルムをさらに詳細に説明する。図1は、本発
明の反射防止材料の構成を示す概略断面図であり、反射
防止フィルム10は、透明基体11の片面上にハードコ
ート率層12が形成され、さらに、このハードコート層
12の表面に低反射層13が形成されている。
ルムを偏光フィルムに適用した構成を示す概略断面図で
あり、偏光フィルム20は、透明基体24上に防眩層2
5および低反射層26を有する第1の保護材23、すな
わち反射防止フィルムが、偏光基体22の片面に、さら
に他の面に第2の保護材21が形成されている。
ムにより帯電防止性を改善した液晶表示パネル30の構
成を示すものである。この液晶表示パネル30は、背面
(図3で下面)にバックライト40が配され、TFTガ
ラス基板31の表面側(図3で上側)に液晶セル32、
反射防止層付き偏光フィルム33が順次積層され、TF
Tガラス基板31の背面側に低反射層のない偏光フィル
ム34が積層された構成となっている。
ネマチック(TN)液晶セルなどが使用可能である。T
N液晶セルは、所望のパターンからなる透明電極付きの
2枚のガラス基盤の透明電極面上に、ポリイミドの溶液
を塗布して配向膜を形成し、これをラビング操作により
配向させ、その後、この基板間にネマチック液晶を注入
し、ガラス基盤周辺部をエポキシ樹脂等で封着すること
により形成される。このネマチック液晶は、配向膜の作
用により90゜捻れ配向する。
の表面および背面に、透明基材36および保護層37が
それぞれ積層された積層体が基本構成となっており、低
反射層付き偏光フィルム33は、この積層体の表面に、
防眩層38、低反射層39が順次積層されている。この
偏光フィルム33,34は、偏光角度が互いに90゜捻
れるように、TFTガラス基板31および液晶セル32
を挟む構成となっている。
駆動信号を印加すると信号が印加された電極間には電界
が発生する。その際、液晶分子の持つ電子的異方性によ
り、液晶分子の長軸が電界方向と平行になるため、液晶
分子による光の旋光性が失われることとなり、その結
果、液晶パネルには光が透過しない状態となる。画像の
表示はこの時の光透過の差に基づくコントラストにより
視覚情報として認識される。上記液晶表示体において
は、バックライト40の光を液晶パネル30に透過さ
せ、光の透過する部分と透過しない部分にコントラスト
を持たせることにより画像表示を可能とするものであ
る。
に説明する。 <実施例1>開裂型光開始剤(商品名:ダロキュア11
73、チバ・スペシャリテイ・ケミカルズ製)を5%含
有した6官能アクリレート:ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート(商品名:DPE−6A、新中村化学
社製)を、膜厚80μmのトリアセチルセルロースフィ
ルム(商品名:富士タックUVD−80、富士写真フィ
ルム社製)の片面上に、膜厚3μmとなるように塗工
し、出力120W/cmの集光型高圧水銀灯1灯を用い
て、照射距離10cm、処理速度5m/分で紫外線照射
を行い、塗工膜を重合、硬化させ、高屈折率ハードコー
ト層を形成した。
2.40gのシュウ酸・二水和物を14.16gのエタ
ノールに溶解し、オイルバス中で還流させた。次いで、
これに、テトラエトキシシラン:2.20g(10.7
mmol)、1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパ
ーフルオロオクチルトリエトキシシラン:0.62g
(1.4mmol)、N−トリメトキシシリルプロピル
−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド:0.
62g(2.4mmol)、メタノール:0.62gの
混合物を30分かけて滴下し、さらに5時間還流して完
全に加水分解した。この加水分解物をイソプロピルアル
コールで8.26倍に希釈して低反射層用塗料とし、こ
れをマイクログラビアコーティング方式により上記高屈
折率層上に塗工し、送風乾燥機により100℃で1時間
加熱硬化した。このようにして、低反射層を形成し、実
施例1の帯電防止性反射防止フィルムを作製した。
H,2H−テトラヒドロパーフルオロオクチルトリエト
キシシランを1,1,1−テトラヒドロパーフルオロプ
ロピルトリエトキシシラン0.62g(2.84mmo
l)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例
2の帯電防止性反射防止フィルムを作製した。
ランを3.00g(14.4mmol)に、1H,1
H,2H,2H−テトラヒドロパーフルオロオクチルト
リエトキシシランを0.24g(0.4mmol)に、
N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメ
チルアンモニウムクロリドをオクタデシルジメチル[3
−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロ
リド:0.62g(1.2mmol)に変更した以外
は、実施例1と同様にして、実施例3の帯電防止性反射
防止フィルムを作製した
シリルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウム
クロリドをN−(トリメトキシプロピル)イソチオロニ
ウムクロリド:0.62g(2.3mmol)に変更し
た以外は、実施例1と同様にして、実施例4の帯電防止
性反射防止フィルムを作製した。
で、2.40gのシュウ酸を14.16gのエタノール
に溶解し、オイルバス中で還流させた。次いで、これ
に、テトラエトキシシラン2.20g(10.7mmo
l)と1H,1H,2H,2H−テトラヒドロパーフル
オロオクチルトリエトキシシラン1.24g(2.7m
mol)の混合物を30分かけて滴下し、さらに5時間
還流して完全に加水分解した。この加水分解物をイソプ
ロピルアルコールで8.26倍に希釈して低反射層用塗
料を調製した。この塗料を用いた以外は、実施例1と同
様にして、比較例1の反射防止フィルムを作製した。
よび比較例1の帯電防止性反射防止フィルムを用いて、
フッ素/ケイ素原子数比、窒素含有率、反射率、耐擦傷
性、減数半減期および帯電防止性について下記方法によ
り測定、評価した。
ルム上に塗布、乾燥し、この層上にカーボン蒸着して、
測定用の試料を調製した。次いで、電子線マイクロアナ
ライザー(商品名:EMAX−7000、日本電子社
製)を用いて、この測定用試料の原子数濃度を測定し
た。測定条件は、加速電圧:20kV、入射角:90
°、取出し角:35°とした。このようにして得られた
原子数濃度から、F/Siを算出した。
乾燥(脱溶媒)させて、測定用試料を調製し、元素分析
機(商品名:EA−1108、CARLOERBA社
製)を用いて、各測定用試料の窒素含有率を測定した。
測定条件は、アセトアニリドを標準サンプルとし、燃焼
管:1020℃、還元管:650℃として、TCD検出
器で測定した。
低反射層側を測定面とし、裏面は反射を遮るためにスチ
ールウールで荒らし、黒色マジック(登録商標)で着色
して、測定用試料を調製した。この測定試料の550n
mにおける反射率を、5°正反射測定装置のついた分光
光度計(商品名:UV−3100、島津製作所社製)を
用いて測定した。
低反射層側を測定面とし、裏面は反射を遮るためにスチ
ールウールで荒らし、黒色マジックで着色して、測定用
試料を調製した。この測定試料の測定面を指で20回ほ
ど力強くこすり、表面に付着した指紋脂をティッシュペ
ーパーで除去し、こすった部分とその周りの色目の違い
を目視で確認した。色目の違いが確認できれば×、確認
できなければ○とした。
減衰半減期を、スタティック・オネストメーター(シシ
ド静電気社製)を使用し、JIS L1094に従って
測定した。
最表面をポリエステル製布で擦り帯電させた。5分後、
この帯電させた面をタバコの灰の入った灰皿に近づけ、
灰の付着を観察し、帯電防止性の評価を行った。灰の付
着がない場合を○、付着がある場合を×とした。
表面上に印刷用紙をのせ、この印刷用紙の端部を持ち、
用紙の自重でフィルム面と20回擦り合わせた。次い
で、フィルムを床に対して垂直に垂らした際の用紙の落
下を観察し、帯電性の評価を行った。用紙が落下した場
合を○(摩擦帯電なし)、落下しない場合を×(摩擦帯
電あり)とした。 以上の評価結果を表1に示す。
射防止フィルムである比較例1では、帯電防止性が実用
上問題を有するものであったのに対し、本発明の帯電防
止性反射防止フィルムによれば、優れた反射率および耐
擦傷性を示すとともに、優れた帯電防止性をも発揮する
ことが示された。
ともカチオン変性ケイ素化合物を含有したケイ素化合物
を、透明基体の片面に直接あるいは他の層を介して塗布
し、これを硬化して低反射層を設けることにより、従来
の優れた光学特性および物理的特性を示すとともに、優
れた帯電防止性をも発揮することができ、ほこり等の付
着を防ぐことができるので、特に各種のディスプレイ等
の表面に付与することにより好適に用いることができ
る。
図である。
ムの構成を示す概略断面図である。
する液晶表示体の構成を示す概略断面図である。
12…ハードコート層、13…低反射層、20…偏光フ
ィルム、21…第2の保護材、22…偏光基体、23…
第1の保護材、24…透明基体、25…防眩層、26…
低反射層、30…液晶パネル、31…TFTガラス基
板、32…液晶セル、33,34…偏光フィルム、35
…偏光材、36…透明基材、37…保護層、38…防眩
層、39…低反射層、40…バックライト。
Claims (4)
- 【請求項1】 透明基体の片面に、直接あるいは他の層
を介して、少なくともケイ素化合物を硬化させてなる低
反射層を設けた反射防止フィルムであって、該ケイ素化
合物がカチオン変性ケイ素化合物を含有することを特徴
とする帯電防止性反射防止フィルム。 - 【請求項2】 前記カチオン変性ケイ素化合物は、4級
アンモニウム塩化合物であることを特徴とする請求項1
に記載の帯電防止性反射防止フィルム。 - 【請求項3】 前記低反射層は、窒素含有率が0.5〜
2.0重量%であることを特徴とする請求項1または2
に記載の帯電防止性反射防止フィルム。 - 【請求項4】 前記ケイ素化合物はフッ素を含有し、そ
のフッ素とケイ素の原子数比(F/Si)が1.0〜
7.5であることを特徴とする請求項2に記載の帯電防
止性反射防止フィルム。
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JP2004184706A (ja) | 防眩材料およびそれを用いた偏光フィルム |
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