JP2001526724A

JP2001526724A - ポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルセルロースを含む香料固定剤

Info

Publication number: JP2001526724A
Application number: JP55009398A
Authority: JP
Inventors: パーリング、キース・ダグラス; アーバイン、パメラ・バージニア; ネス、ジェリミ・ニコラス; タック、カスリーン・メアリ
Original assignee: クエスト・インターナショナル・ビー・ブイ
Priority date: 1997-05-21
Filing date: 1998-05-14
Publication date: 2001-12-18
Also published as: EP0983043A1; DE69815842T2; EP0983043B1; WO1998052527A1; DE69815842D1; AU7440098A; BR9809865A; US6172037B1

Abstract

(57)【要約】香料固定剤は、ａ）ポリビニルピロリドン(ＰＶＰ)、（ｂ）ヒドロキシプロピルセルロース（ＨＰＣ）及び（ｃ）疎水性油を含む。香料固定剤は、香料含有配合物又は製品中に混合されることにより用いられる。その香料固定剤は、低含量で用いられる場合でさえ香料寿命を長くすることにおいて有効である。低含量においてさえ効力は驚くべきほどであり、予測できないほどであり、その効力の理由は知られていない。実際的な理由のために、ＰＶＰ及びＨＰＣはともに香料含有製品の約0.5重量％より多く構成すべきではない。それらの物質がより高い含量で存在する場合、視覚的にも触感的にも消費者により認識され得て、望ましくない。しかし、それらの香料固定剤は、この制限に相当する量以下で有効であることが見出されている。本発明は又、香料と香料固定剤との混合物、製品ベースと香料固定剤との混合物及び、香料と香料固定剤を含む香り付けされた製品にも及ぶ。

Description

【発明の詳細な説明】ポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルセルロースを含む香料固定剤発明の分野本発明は、香料固定剤すなわち、芳香剤寿命を長くするために香料含有配合物における使用が意図される組成物に関する。本明細書において「香料(perfume) 」という用語と「芳香剤(fragrance)」という用語は同意語として用いられ、特定の文脈において用いられた用語の選択について意味づけするべきではない。本発明には、その範囲内に香料固定剤、香料と固定剤の混合物、製品ベースと固定剤の混合物並びに、香料及び固定剤を含有する香り付けされた製品を包含する。発明の背景香り付けされた皮膚につける製品、特に(しかしそれらに限定されない)エタノール系の製品、例えば、オーデコロン、デオコロン、香水、発汗抑制脱臭剤、毛髪用コロン等は、それらの特質を迅速に失ってしまう、すなわち、トップ／ミドルノートが蒸発してしまう傾向を有する。そのような香料の寿命を延ばす、特に、芳香の初期の特質及び強度を保持することにおける要求があり、種々の香料固定剤が提案されている。固定剤が、その製品の美的特質に悪影響を及ぼさない、すなわち、固定剤がユーザーにより認識されてはならないことが重要で実際的な考慮すべき点である。先行技術固定油［例えばＧＬＵＣＡＭ P20(ＧＬＵＣＡＭは商標である)］又は皮膜形成ポリマーを含む種々の固定剤系が提案されている。前者は、顕著な効果を発揮するためには比較的高含量の油の使用を必要とし、後者は、効果的である場合には非常に顕著な皮膜（可視でき、触知できる）を生成する。種々の香料キャリヤー／包封物質（encapsulates）も提案されているが、コスト並びに製品及び／又は皮膚／毛髪における可視性による問題を欠点としてもつ。ＪＰ62114909には、長期に持続する芳香を得るために、芳香物質とともに１乃至60重量％のポリビニルピロリドン（ＰＶＰ）及び１乃至30重量％のヒドロキシプロピルセルロース（ＨＰＣ）の使用が開示されている。そのような量のＰＶＰ及びＨＰＣは、消費者に非常に容易に認識されてしまう。発明の概要１つの面において、本発明は、（ａ）ポリビニルピロリドン、（ｂ）ヒドロキシプロピルセルロース及び（ｃ）疎水性油を含む香料固定剤を提供する。ある範囲の分子量のポリビニルピロリドン（ＰＶＰ）は商業的に容易に入手できる。ＰＶＰの分子量は臨界的ではないが、一般的に、より高い分子量のＰＶＰはより良好な性能を与えると考えられる。ＢＡＳＦからの高分子量ＰＶＰＬＵＶＩＳＫＯＬ K90（ＬＵＶＩＳＫＯＬは商標である）を用いて良好な結果が得られる。異なるＰＶＰの混合物も用いられ得る。ある範囲の分子量のヒドロキシプロピルセルロース（ＨＰＣ）は同様に商業的に容易に入手できる。より高い分子量のＨＰＣは、より良好な性能を与えるが、増粘効果を有する。従って、性能と製品の適合性との間の折衷として中分子量のＨＰＣを用いることが好ましい。AqualonからのＫＬＵＣＥＬＧ（ＫＬＵＣＥＬは商標である）を用いて良好な結果が得られる。異なるＨＰＣの混合物も用いられ得る。疎水性油は、皮膚温度（通常の条件下で約35℃）において液体である非イオン油でなくてはならない。疎水性油は、３より大きい、好ましくは５より大きいオクタノール／水分配係数（log Ｐ）を有することか適している。疎水性油は、20ＭＰａ^1/2未満の、好ましくは14ＭＰａ^1/2より大きいヒルデブランド溶解パラメーター（δ_HILD）[Hildebrand,J.H.及びScott,R.L.によるThe Solubility of Nonelectrolytes、３版、Reinhold（ニューヨーク）(1950年)]を有する。明白な理由のために、疎水性油は無臭性か、低臭性か又は中性のもしくは不快感を与えない匂いでなくてはならない。疎水性油は又、非揮発性でなくてはならなく、好ましくは約0.01mmHg末満の蒸気圧を有しなくてはならない。疎水性油は好ましくはエステル及び／又は(ポリ)エーテルである。現在、エステル類は最も好ましい物質である。適する疎水性油には、プロピレングリコールジカプレート／ジカプリレート、すなわち、例えば、Huls からのＭＩＧＬＹＯＬ 840（ＭＩＧＬＹＯＬは商標である）のようなプロピレングリコールのＣ8、Ｃ10ジエステル、ジオクチルアジペート、イソプロピルミリステート、グリセロールモノオレエート、ＰＯＥ(10)セチルエーテル、ＰＯＥ(20)ソルビタンモノラウレート、ジブチルフタレート、アセチルトリブチルシトレートが含まれる。ＰＯＥはポリ(オキシエチレン)エーテルの略名である。現在、好ましい物質はＭＩＧＬＹＯＬ 840である。疎水性油の混合物は用いられ得る。固定剤中の３成分の割合は臨界的ではない。好ましくは、ＰＶＰ及びＨＰＣは共に固定剤の総重量の少なくとも30重量％、より好ましくは少なくとも40重量％を構成する。疎水性油は好ましくは固定剤の総重量の少なくとも10重量％を構成する。その組成物は典型的には、ＰＶＰとＨＰＣの等重量を含むが、このことは本質的なことではなく、ＰＶＰの重量を超えるＨＰＣの重量で利益を有する場合がある。 25重量％のＰＶＰ、25重量％のＨＰＣ及び50重量％の疎水性油を含む固定剤を用いて良好な結果が得られている。典型的な固定剤配合物は、ＭＩＧＬＹＯＬ 840 50.0重量％非揮発性油ＬＵＶＩＳＫＯＬ K90 25.0重量％ＰＶＰ、高分子量ＫＬＵＣＥＬＧ 25.0重量％ＨＰＣ、中分子量から成る。香料固定剤は、香料含有配合物又は製品中に混合することにより用いられる。それらの固定剤が低含量で用いられる場合でさえ、香料寿命を長くすることにおいて効果的であることが見出される。低含量においてさえその効力は驚くべきほどであり、予測できないほどであり、この効力の理由はいまだ知られていない。実際的な理由で、ＰＶＰ及びＨＰＣはともに香料含有製品の約0.5重量％より多く構成するべきではなく、好ましくは約0.25重量％より多く構成すべきではない。それらの物質がより高い含量で存在する場合、それらは消費者により視覚的にも触覚的にも認識され得て、望ましくない。しかし、固定剤は、この制約に相当する量及びより低い含量においても有効であることが見出されている。例えば、１重量％の香料(この量は消臭剤中の香料の典型的な含量)を含有する香り付けされた製品では、多くて２：１の香料：固定剤の重量比は、上記の好ましい制約(50重量％のＰＶＰ及びＨＰＣを含む固定剤について)を満たし、そのことは、良好な結果を得るために適切である以上であることが見出されている。実際、有用な効果は、固定剤のかなり少ない量、例えば、９：１の又は19：１でさえの香料：固定剤の重量比で、得られ、それらの比はそれぞれ0.055％及び0.026 ％のＰＶＰ及びＨＰＣの合計重量に相当する(50重量％のＰＶＰ及びＨＰＣを含む固定剤について)。典型的に香料を２乃至25重量％の範囲の量で含有する香水(personal perfumes )及び純度の高い芳香剤(fine fragrances)のような、より高い含量を有する香り付けされた製品では、それよりも高い香料：固定剤の重量比が効果的であり得る。固定剤の最も有効な量は香料の性質及び用いられる量により、経験により決定されることができる。最も優れた結果は、非常に実体的(substantive)でない香料、すなわち改良を必要とするほとんどである香料を用いて得られるが、広範な範囲の香料とともに固定剤は用いられ得る。香料における又は香り付けされた製品における混合のためには、固定剤を香料と予備混合し、次に製品ベース(香料以外のすべての製品成分である)に添加する。その代わりとしては、固定剤を香り付けされた製品(すなわち、製品ベース及び香料)に添加し得る。他の可能性としては、固定剤を製品ベースに添加し、次に香料を添加する。従って、他の面において、本発明は、本発明による香料固定剤と混合された香料を提供する。本発明は又、本発明による香料固定剤と混合された製品ベースにも及ぶ。本発明の他の面は、本発明による香料固定剤を含有する香り付けされた製品に及ぶ。本発明は、オーデコロン(colongnes)、デオコロン(deo-colognes)、香水、消臭剤、制汗消臭剤、毛髪用コロン等のような、エタノール−、水−及びシリコーン−系製品を含む、香り付けした、皮膚につける製品を含む、芳香寿命が重要である広範囲の香り付けされた製品に適用できる。典型的な消臭剤は、下記の組成を有する：エタノール 80.0重量％水 100.0重量％まで芳香剤 1.00重量％固定剤ブレンド 0.50重量％トリクロサン(Triclosan) 0.25重量％固定剤は、先に記載したように、都合よく、50重量％のＭＩＧＬＹＯＬ 840、 25重量％のＬＵＶＩＳＫＯＬ K90及び25重量％のＫＬＵＣＥＬＧを含有する。本発明を下記の実施例において例示によりさらに記載する。実施例１(オーデコロン) 下記の実施例は、古典的なシトラスコロン(citruscologne)香料を用いて生みだされる性能における改良を示している。試験した香料は、下記の成分から構成される：下記のような３つのオーデコロンを単純混合によって調製した： MYVEROL 18-99(MYVEROLは商標である)は主にグリセロールモノオレエートであり、クエスト・インターナショナル(Quest International)から入手できる。すべてが熟練した香料評価者である被験者の前腕の印をつけた領域に、目盛り付きピペツトを用いて50μｌの各試料を置く(一腕当り一つの試料)、対比較法試験によりオーデコロンを試験した。試験のオーデコロンを対照のオーデコロンに関して１時間後及び２時間後に各被験者が自己評価し、下記の平均スコアを得た (０乃至５等級)。実施例２(エーロゾル) 試験３は、１：２の固定剤：香料の量を示す。試験４は同じ固定剤であるが、１：９の固定剤：香料の量を示す。試験５は、１：19の固定剤：香料の量における少し異なる固定剤を示す。下記の溶液を調製した。次にこれらの溶液を、65：35の高圧ガス：溶液の比を用いて標準エーロゾルを作つた。その高圧ガスは、標準のプロパン／ブタン配合物であった。次にオーデコロンと同じように、しかし、腕から15cmの設定された距離において３秒間の設定された噴霧時間を用いてそのエーロゾルを試験した。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項【提出日】平成１１年６月７日（１９９９．６．７）【補正内容】請求の範囲１．（ａ）ポリビニルピロリドン、（ｂ）ヒドロキシプロピルセルロース及び（ｃ）疎水性油を含む香料固定剤。２．ポリビニルピロリドンが高分子量のポリビニルピロリドンである、請求項１に記載の香料固定剤。３．ヒドロキシプロピルセルロースが中分子量のヒドロキシプロピルセルロースである、請求項１又は請求項２に記載の香料固定剤、４．疎水性油がエステル及び／又は(ポリ)エーテルであり、好ましくはエステルである、請求項１乃至３のいずれか１請求項に記載の香料固定剤。５．疎水性油が、プロピレングリコールジカブレート／ジカプリレート、ジオクチルアジペート、イソプロピルミリステート、グリセロールモノオレエート、ＰＯＥ(10)セチルエーテル、ＰＯＥ(20)ソルビタンモノラウレート、ジブチルフタレート、アセチルトリブチルシトレートから選ばれた１つ以上を含む、請求項４に記載の香料固定剤。６．ポリビニルピロリドンとヒドロキシプロピルセルロースがともに、香料固定剤の総重量の少なくとも30重量％、好ましくは少なくとも40重量％を構成する、請求項１乃至５のいずれか１請求項に記載の香料固定剤。７．請求項１乃至６のいずれか１請求項に記載の香料固定剤と混合された香料。８．請求項１乃至６のいずれか１請求項に記載の香料固定剤と混合された製品ベース。９．請求項１乃至６のいずれか１請求項に記載の香料固定剤と混合された香り付けされた製品。 10．香料固定剤中のポリビニルピロリドンとヒドロキシプロピルセルロースがともに、香り付けされた製品の総重量の約0.5重量％以下、好ましくは約0.25重量％以下を構成する、請求項９に記載の香り付けされた製品。 11．請求項１乃至６のいずれか１請求項に記載の香料固定剤を含有する香り付けされた皮膚につける製品を調製し、その香り付けされた皮膚につける製品をヒトの皮膚につけることを含む、請求項１乃至６のいずれか１請求項に記載の香料固定剤の使用。 12．請求項１乃至６のいずれか１請求項に記載の香料固定剤を調製し、その香料固定剤を香料と混合することを含む、香料又は香り付けされた製品を調製す方法。 13．香料又は香り付けされた製品が皮膚につける製品である、請求項12に記載の方法。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者ネス、ジェリミ・ニコラス英国、ケント・ティーエヌ25・４ディーキュー、アッシュフォード、シャロック、ハイ・スノード・ウッド 25 (72)発明者タック、カスリーン・メアリ英国、ケント・ティーエヌ24・８ワイディー、アッシュフォード、ゴア・ヒル、アーデン・ドライブ 20

Claims

【特許請求の範囲】１．（ａ）ポリビニルピロリドン、（ｂ）ヒドロキシプロピルセルロース及び（ｃ）疎水性油を含む香料固定剤。２．ポリビニルピロリドンが高分子量のポリビニルピロリドンである、請求項１に記載の香料固定剤。３．ヒドロキシプロピルセルロースが中分子量のヒドロキシプロピルセルロースである、請求項１又は請求項２に記載の香料固定剤。４．疎水性油がエステル及び／又は(ポリ)エーテルであり、好ましくはエステルである、請求項１乃至３のいずれか１請求項に記載の香料固定剤。５．疎水性油が、プロピレングリコールジカプレート／ジカプリレート、ジオクチルアジペート、イソプロピルミリステート、グリセロールモノオレエート、ＰＯＥ(10)セチルエーテル、ＰＯＥ(20)ソルビタンモノラウレート、ジブチルフタレート、アセチルトリブチルシトレートから選ばれた１つ以上を含む、請求項４に記載の香料固定剤。６．ポリビニルピロリドンとヒドロキシプロピルセルロースがともに、香料固定剤の総重量の少なくとも30重量％、好ましくは少なくとも40重量％を構成する、請求項１乃至５のいずれか１請求項に記載の香料固定剤。７．請求項１乃至６のいずれか１請求項に記載の香料固定剤と混合された香料。８．請求項１乃至６のいずれか１請求項に記載の香料固定剤と混合された製品ベース。９．請求項１乃至６のいずれか１請求項に記載の香料固定剤と混合された香り付けされた製品。 10．香料固定剤中のポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルセルロースがともに、香り付けされた製品の総重量の約0.5重量％以下、好ましくは約0.25 重量％以下を構成する、請求項９に記載の香り付けされた製品。