JP2001513688A - 注入装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 注入装置は、ハウジング（１１２，１１６）と、ハウジングに縦方向へ可動に設置され液体容器（１１８）から注入液を押出す押出要素（１８６）とを有する。押出要素（１８６）には、ハウジング(１１２，１１６))内を押出要素を縦方向へ摺動させ得るよう、作動要素（１７０，１７２）が配してある。この作動要素は、近位終点位置と遠位終点位置との間を摺動できる。作動要素（１７０，１７２）の遠位終点位置において非作動状態となり且つ遠位終点位置に続く、近位終点位置も含む、作動要素（１７０，１７２）の位置範囲において作動状態となる位置依存の結合装置（１６６’’，１６７’’，１９８，２１０，２１２）が、作動要素（１７０，１７２）と押出要素（１８６；１８６’）との間に設けてある。かくして、簡単に操作でき、特に、患者が一定の同一注入量を反復して投与するのに特に適する注入装置が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の名称］ 注入装置 ［技術分野］ 本発明は、ハウジングと、ハウジングに縦方向へ可動に設置され液体容器から 注入液を押出すピストンロッドとを有する注入装置に関する。 ［背景技術］ この種の注入装置は、主として、概ねもはやよく見えず、複雑な装置の操作が 重荷になるような高齢の糖尿病患者によって使用される。従って、常に、正しい 投与量が注入されるよう、装置は、簡単に且つできる限り誰でも失敗することな く操作できなければならない。 ［発明の開示］ 従って、本発明の課題は、上述の種類の新規の注入装置を提供することにある 。 この課題は、本発明にもとづき、請求項１の対象によって解決される。ハウジ ングに対する作動要素の軸線方向位置に依存して結合装置を作動状態および非作 動状態とすることによって、この種の注入装置の極めて簡単で明確な操作が行わ れ、誤操作は、顕著に排除される。 本発明の特に有利な構成は、請求項２の対象である。この構成によって、押出 要素は、注入開始前に、液体容器のピストンに確実に当接し、従って、常に、予 設定された全投与量が注入されることが保証される。更に、投与量が一定の場合 は、予設定を一度行うだけでよく、この場合、この予設定が、以降のすべての注 入について同様に有効である。 本発明の更なる詳細および有利な構成は、図示し以下に説明した、本発明を制 限するものではない実施例および従属請求項から明らかであろう。 ［図面の簡単な説明］ 第１図は、本発明に係る注入装置の実施例のほぼ原寸の図面であり、 第２図は、第１図の部分Ａの拡大詳細図であり、 第３図は、第１図と類似の縦方向拡大断面図であり、 第４図は、第３図の部分Ｂの拡大図であり、 第５図は、近位部分の縦断面を示した第１，３図と類似の図面であり、 第６図は、第５図の部分Ｃの拡大図であり、 第７図は、注入終了後の注入装置を示す第４図に対応する図面であり、 第８図は、次の注入のための準備の開始状態を示す図面であり、 第９図は、このような準備の以降の推移を示す図面であり、 第１０図は、注入準備終了時の、設定された投与量の注入のためのスタンバイ 状態の装置の図面であり、 第１１図は、手動操作（力Ｋ’）可能な、注入の開始時の状態を示す図面であ り、 第１２図は、注入終了時の状態を示す図面であり、 第１３図は、注入スタンバイ状態の本発明に係る注入装置の縦断面図であり、 第１４図は、第１３図の部分Ｄの拡大図であり、 第１５図は、ハウジングに回転自在に軸支した注入液容器を受容する部分を含 む、注入装置のハウジングの部分の縦断面図であり、 第１６図は、押出要素および作動要素の縦断面図であり、 第１７図は、第１５図の線ＸVII−ＸVIIに沿う断面図であり、 第１８図は、第１６図の線ＸVIII−ＸVIIIに沿う断面図であり、 第１９図は、本発明の好ましい実施例を説明するための図面であり、 第２０図は、投与量の調節・表示要素（設定投与量がゼロの状態にある）の図 面であり、 第２１図は、調節可能な（設定）投与量が最大の状態を示す第２０図と類似の 図面である。 ［発明を実施するための最良の形態］ 以下の説明において、概念“近位”および“遠位”は、医学で慣用の態様で使 用する。即ち； 近位：患者へ向く(これは、注入装置の針を備えた側である)。 遠位：患者から遠い。 第１５図に示した如く、第１図に示した注入装置１１０のハウジングは、適切 な合成樹脂からなるパイプの態様の遠位部分１１２を有し、この部分、即ち、こ の遠位部分ないしはハウジング部分１１２には、軸受１１４を介して、同じくパ イプ状の部材１１６が回転自在に結合されており、このパイプ状部材１１６は、 注入液を含む容器１１８（第３，４図）の受容を行い、従って、近位端には、シ ョルダ（肩部）１２０および径のより小さく短い円筒形部分１２２を備えており 、上記円筒形部分の近位端には、同じく、中央開口１２６が貫通するショルダ１ ２４が設けてある。円筒形部分１２２の外面には、例えば、第６図または第１３ 図にカニューレ（注入針）１４６とともに示した如きカニューレホルダ１４８を 固定するためのネジ山を設けることができる。非使用状態では、第１図に示した 如く、パイプ状部材１１６の近位部分の上方に、上記部分を無菌状態に被い汚染 を防止する保護キャップ２１７が置かれる。 軸受１１４は、第４図に示した如く、ハウジング部分１１２の近位端に環状ミ ゾ１３０を有し、この環状ミゾには、この環状ミゾに対して補完関係のパイプ状 部材１１６の隆起１３２がクランプ（ないしスナップ係合）され、従って、上記 軸受は、アキシャル軸受およびラジアル軸受として作用する。クランプ係合のた め、環状ミゾ１３０の近位側には、近位方向へ円錐状に拡張する内径のより大き い部分１３６が続いている。 容器１１８は、例えば、１，５ｍｌまたは３ｍｌの注入液（例えば、成長ホル モンまたはインシュリン）を含むことができる、いわゆる、カルピュールである 。容器は、通常、ガラスからなり、その遠位端に ピストン１４０を有する。このピストンは、例えば、第１４図に示した如く、予 圧されて、即ち、対応する摩擦状態で容器１１８の内面に当接する複数の周面リ ブ１４２ａ，１４２ｂを有する形状を取ることができる。即ち、このようなピス トン１４０を容器１１８に対して摺動させるには、所定の最低の力が必要である 。ピストン１４０に対する力が上記数値を越えると始めて、ピストンは、容器１ １８に対して相対移動される。 容器１１８は、近位側に、狭窄頚部１１８’を有し、この頚部上には、通常の 態様で金属キャップ１４４によって薄いゴム膜（図示してない）が固定されてい る(第３図参照)。第１３図に示した注入針（カニューレ）１４６は、円筒形部分 １２２（第６，１５図）にはめ込み得るまたは螺着できるカニューレホルダ１４ ８に固定されている。針１４６は、(キャップ１４４内の)上述のゴム膜を貫通す る遠位端１４６’を有し(第６図)、従って、ピストン１４０を第１３図において 近位方向へ、即ち、下方へ移動すると、液体が、容器１１８から針１４６を介し て外方へ押出されることになる。このような容器（カルピュール）１１８および 針１４６は、大量生産され、この分野の当業者には周知である。 例えば、第１３図に示した如く、近位ハウジング部分１１６は、この部材に内 蔵された容器１１８とともに、遠位ハウジング部分１１２に対して相対回転させ ることができる。この回転は、注入投与量(Dosis例えば、インシュリン４単位) の予設定に役立ち、上記投与量は、一度設定すれば、患者、担当医師または担当 看護婦が新たに設定しない限り、以降の注入において不変である。即ち、上記投 与量は、通常、一度だけ設定され、例えば、一度、４単位に設定すれば、以降の すべての注入において、−新たに設定しなければ−容器（カルピュール）１１８ が空になるまで４単位の投与量が注入される。 投与量設定のため、近位ハウジング部分１１６は、遠位ハウジング部分１１２ 内に突出し外面に雄ネジ１５０を備えた遠位部分１１７を 有する(第１５図参照)。上記雄ネジ１５０の形状を第２０，２１図に示した。こ の雄ネジは、ハウジング部分１１２の縦方向ミゾ１５６（第１７図）内に軸線方 向へ摺動自在に案内された、即ち、上記部分に対して回転できない配量要素とし て作用するネジスリーブ１５４の補完関係の雌ネジ１５２（第１４図）に係合す る。 近位ハウジング部分１１６を遠位ハウジング部分１１２に対して回転すれば、 配量要素（ネジスリーブ）１５４が、遠位ハウジング部分１１２に対して軸線方 向へ摺動される。従って、遠位ハウジング部分１１２に対する配量要素１５４の 位置は、設定可能な注入投与量を決定する。この投与量は、例えば、インシュリ ンの２−６０単位の範囲に調節できる。以下に、これを第２０，２１図を参照し て詳細に説明する。 配量要素１５４の円筒形内面１５８は、遠位端の範囲において、（環状）ショ ルダの形のストッパ１６２（第１４図）によって遠位方向へ限定され且つ横断面 で見て、例えば、円部分の形状を取り得るパタン（プロフィル形）付ショルダ１ ６４、（或いは、一般的に云えば、傾斜したカム面）によって近位方向へ限定さ れたミゾ１６０まで拡張される。 実際に、ミゾ１６０は、連続ではなく、射出成形品としての製造を簡単化する ため、周縁中断部分を有する。ミゾ１６０およびショルダ１６２は、以下に説明 する締付ジョー１６６〜１６９との相互作用が起きる箇所において必要である。 注入装置１１０が注入前に取る第１３図または第１４図の位置では、第１６図 および第１８図に形状を最も詳細に示した作動要素１７０の円周方向へ均一に分 布させた４つの締付ジョー１６６，１６７，１６８，１６９の近位端は、上記ミ ゾ１６０内にある。上記締付ジョーは、作動ノブ１７２と一体に構成されている 。上記締付ジョーは、ハウジング部分１１２の閉止遠位端を形成し、例えば、ス ナップ結合によって上記部分に結合された環状部材１７８の対応する開口１７４ ，１７ ６を貫通している(第２図参照)。各縦断面図には、締付ジョー１６６，１６７の みが示してある。同図（第１４、１６図）において、その近位端を１６６’，１ ６７’で示した。締付ジョー１６６〜１６９は、例えば、ハウジング部分１１２ の縦方向ミゾ１５６内に案内されている。 ここで指摘するが、必ずしも、４つの数の締付ジョー１６６〜１６９を設ける 必要はない。例えば、１２０°だけずらして配置した３つの締付ジョー（図示し てない）を使用することもできる。この場合、もちろん、対応して、３つの締付 ジョーの１つとそれぞれ共働する３つだけの歯列２００を有する押出要素１８６ が必要となる。締付ジョーが押出要素１８６に加える力は、本質的に相殺し合う のが好ましく、即ち、例えば、２つだけの締付ジョーを使用する場合は、締付ジ ョーは、ほぼ対向させる。もちろん、本発明の枠内において、唯一つの締付ジョ ーの使用も除外されるものではない。 第１６図に示した如く、環状部材１７８の内面には、半径方向凹み（第１８図 参照）を備えた案内パイプ１８０が設けてあり、この場合、パイプの近位端は、 第１６図の位置１８２にある。上記案内パイプの内面には、４つの縦方向ミゾ１ ８１が設けてあり、上記縦方向ミゾは、本質的に円筒形で中空の押出要素１８６ の半径方向突起１８３の案内を行う。この場合、上記押出要素の内部の円筒形中 空部１８７には、図示の如く、圧縮バネ１９０が設けてある。押出要素１８６は 、ピストンロッドと呼ぶこともできる。 圧縮バネ１９０は、その近位端で、押出要素１８６の近位底部１８８に抗支さ れ、その遠位端で、環状部材１７８に抗支される。このバネ１９０は、弱く予圧 されている。バネの機能は、恐らくなされうるであろう予期に反して、注入操作 の支援ではなく、バネは、押出要素１８６の追従（フォロー）に役立ち、かくし て、締付ジョー１６６〜１６９が押出要素１８６と係合してない場合に、押出要 素は、第１０図に示した態様で、常にピストン１８６に当接できる。 第７図および第１２図の比較から明らかな如く、注入毎に、ピストン１４０は 、近位方向へ更に移動され、押出要素（ピストンロッド）１８６は、上記の各位 置において、ピストン１４０を摺動することなく、即ち、ピストン１４０の引離 力（スライド可動力）(例えば、２...２．５Ｎ)未満の力でピストンに当接する ことになる。即ち、バネ１９０は、最大に圧縮された状態において、即ち、カル ピュール１１８に充填した際に、上記引離力よりも大きい力を形成してはならず 、有利にはより小さい力、即ち、この実施例の場合、最大１．５Ｎの力を形成し てはならない。即ち、バネ１９０は、追従機能のみを有し、極めて弱く、バネ定 数が小さい。 例えば、第７図および第１４図に示した如く、押出要素（ピストンロッド）１ ８６は、その外面に、好ましくは等間隔の、この場合、歯列２００の形の凹み１ ９８を有する。締付ジョー１６６，１６７の近位端１６６’，１６７’は、凹み １９８に対して補完関係に構成された突起１６６’’，１６７’’を有する(第 １４図)。締付ジョー１６８，１６９および押出要素１８６の上記ジョーに配し た歯列（図示してない）についても全く同様である。 締付ジョー１６６〜１６９は、第１６図から明らかな如く、半径方向外方へ予 圧され、従って、注入装置１１０が注入直前において取る位置では、半径方向外 方へ反らされ(弾性変形され)、従って、凹み１９８に係合（嵌合）しない。この 状態を第１４図に示した。同図において、自由端１６６’，１６７’は、上記予 圧によって、それぞれ関連のミゾ１６０内に押込まれ、歯列２００とは係合しな い。かくして、締付ジョー１６６〜１６９と押出要素１８６との間には、作動要 素１７０，１７２の軸線方向位置に依存する駆動結合が達成される。 即ち、第１３，１４図に示した如く、力Ｆによって作動ノブ１７２を近位方向 へ摺動すると、締付ジョーの近位端１６６’，１６７’が、それぞれ、ミゾ１６ ０のカム面１６４およびカム面と補完関係の端部１６６’，１６７’の形状によ って、半径方向内方へ押圧され(第１ １図参照)、その突起１６６’’，１６７’’が、当該突起に対向する凹み１９ ８と係合し、かくして、作動要素１７０，１７２と押出要素（ピストンロッド） １８６との間に駆動結合（Antriebsverbindung）が達成される。この駆動結合は 、第１３，１４図の位置では解除されている。 この駆動結合によって、(第１３図の力Ｆによる)近位方向の作動要素１７０， １７２の運動は、直接に、即ち、形状結合（ありつぎ式係合）によって、押出要 素（ピストンロッド）１８６に伝達され、押出要素は、近位方向へ摺動される。 押出要素の底面１８８は、−弱いバネ１９０の力によって−既に、ピストン１４ ０に直接に当接するので、上記運動も、ピストン１４０に直接に伝達され、かく して、作動ノブ１７２が、その近位縁１７２ａ（第１３図）が環状部材１７８の 遠位端面１７８ａに当接するまで、即ち、ストッパまで、力Ｆによって摺動され る限り、あらかじめ設定された投与量の液体が、容器１１８から針１４６を介し て押出される。 ここで指摘するが、上記注入操作において、第１２図に示した如く、近位端１ ６６’，１６７’は、その半径方向外面２２０，２２２が、配量要素１５４の内 面１５５によってカム制御機構の態様で半径方向内方へ押圧されて、押出要素（ ピストンロッド）１８６と係合し、かくして、−ミゾ１６０から離れた後−作動 要素１７０と押出要素１８６との間の駆動結合が、常に、維持される。この駆動 結合が、形状結合であれば好ましいが、場合によっては、当業者に自明の如く、 力結合も可能である。別の方策として、電磁石の励磁によっても上記結合を実現 できる。 ［作動態様］ 第７図に、注入後の注入装置１１０を示した。作動要素１７０の突起１６６’ ’，１６７’’は、歯列２００の対応する凹み１９８と強制係合される。 さて、第８図に示した如く、利用者は、力Ｋで作動ノブ１７２を遠 位方向へ移動することによって作動要素１７０を引っ張る。第８図に、上記運動 プロセスの中間位置を示し、第９図に、突起１６６’’，１６７’’が、既に、 ほぼミゾ１６０に達した更に進行した中間位置を示した。 第１０図では、ミゾ１６０に達している。締付ジョー１６６〜１６９は、半径 方向外方へ跳反して上記ミゾ１６０内に入り、かくして、押出要素（ピストンロ ッド）１８６に対する駆動結合を解除し、従って、押出要素は、直ちに（弱い） バネ１９０の作用を受けて近位方向へ移動され、その結果、その底面１８８は、 僅かな力でピストン１４０に当接する。これは、押出要素１８６の既述の追従運 動であり、注入装置１１０は、この位置では、注入スタンバイ状態である。 利用者が、第８図または第９図の位置において既に上記操作を中断した場合は 、バネ１９０が、押出要素１８６および作動要素１７０を第７図の位置にもどす ので、この場合、注入は不可能である。ハウジング部材１１６の回転によってあ らかじめ設定した配量が行われる第１０図の位置に達して始めて、注入が可能と なる。これは、有効な安全特徴をなし、患者が設定した投与量よりも少量の液体 が患者に注入されるのを阻止する。 注入時、患者は、まず、カニューレ（針）１４６（第１３図）を皮膚の下の脂 肪組織に刺し、次いで、力Ｆで作動ノブ１７２を押す。この場合、締付ジョー１ ６６〜１６９の端部１６６’，１６７’は、半径方向内方へ移動され(第１１図) 、上記端部に対向する凹み１９８に係合する。かくして、力Ｆが、押出要素１８ ６に伝達され、この押出要素を介してピストン１４０に伝達され、従って、設定 した投与量が、容器１１８から押出されて注入される。 第１２図に、この操作の終了、即ち、設定した投与量の注入終了状態を示した 。既述の如く、第１３図において環状ショルダ１７２ａがハウジング部材１１２ の端面１７８ａに当接すると、終了となる。 患者は、注入に続いて、針１４６を皮膚の下の脂肪組織から引抜き、 第５，６図に示した如く、通常、無菌のキャップ１４７で被われた新しい無菌の 針と交換する。 第１９図に、より精密な配量が可能な本質的な改良例を示した。この場合、押 出要素（ピストンロッド）１８６’は、左の歯列２１０および右の歯列２１２を 有する。双方の歯列は、同一の歯ピッチＴを有するが、半ピッチだけ、即ち、Ｔ ／２だけ軸線方向へ相互にずれている(第１９図参照)。締付ジョー１６６，１６ ７は、軸線方向へずれずに対向しているので、例えば、締付ジョー１６７の自由 端１６７’は、歯列２１２の凹み２１２’に完全に係合し、他方、締付ジョー１ ６６の自由端１６６’は、図示の如く、歯列２１０の関連する凹み２１０’に半 分だけ係合し、即ち、図示の例の場合、右の締付ジョー１６７が有効であり、駆 動結合を行う。逆に、締付ジョー１６６の自由端１６６’が、関連の凹み２１０ ’に完全に係合し、他方、自由端１６７’は、関連の凹み２１２’に半分だけ係 合することもあり得る。ここで指摘するが、当業者が容易に知り得る如く、第１ ８図には、歯列２００の同様のズレを断面図として示した。 ズレによって、歯ピッチＴの１／２、即ち、Ｔ／２で投与量設定が可能であり 、即ち、この変更例の場合、より小さいステップで投与量を設定でき、この場合 、より小さい歯２１０，２１２は必要ない。第１９図において、歯列２１０，２ １２は、判り易いよう、大きく拡大して示してある。 容易に知られる如く、更に精密な設定可能性を得るため、例えば、３種類の歯 列を使用し、Ｔ／３だけ各歯列を相互にずらすこともできる。更に、歯列２１０ ，２１２ではなく、締付ジョー１６６，１６７の自由端１６６’，１６７’を、 例えば、Ｔ／２だけ、相互にずらすことも可能である。当業者は、このような変 更例および他の変更例を制約なく自由に使用できる。 第２０図および第２１図に、注入装置の投与量設定（調節）のための部材を示 した。これら双方の図面において、パイプ状部材１１６は、 縦断面図ではなく平面図として示してある。この部材は、軸受１１４を介してハ ウジング１１２に回転自在に軸支（支承）してあるので、ハウジング１１２内で 、軸線方向へ摺動することなく回転させることができる。 パイプ状部材１１６のハウジング１１２内にある部分１１７の外面には、ネジ 山が、好ましくは、台形横断面を有する雄ネジ１５０（急勾配ネジ）が設けてあ り、この雄ネジ１５０は、ネジスリーブ１５４の対応する雌ネジ１５８（第２１ 図）と（螺合）係合する。このネジスリーブは、ハウジング１１２の縦方向ミゾ １５６に軸線方向へ案内され、即ち、ハウジング１１２内で回転できず、軸線方 向へのみ摺動し、配量要素として役立つ。 ハウジング１１２は、例えば、第１図に示した如き形状を有しハウジング１１ ２の縦方向へ延びる長い窓２３０を有する。この窓は、設定した注入量の指示に 役立つ。 同じく、配量要素１５４は、窓２３０よりも短い軸線方向長さを有するが上記 窓と同一の幅に構成できる窓２３２を有する。 更に、パイプ状部材１１６の外面２３４には、図示の態様で、注入量の指示値 ２３６、即ち、この場合、数０，２，４..．６０が設けてある。 窓２３２は、常に、上記指示値（投与量）２３６のうち唯一つの数値（例えば 、第１図の場合は、指示値“６０”）のみが指示されるよう設計してある。 第２０図および第２１図から明らかな如く、指示値２３６は、遠位部分１１７ の外面２３４にラヤン状に設けてあり、即ち、投与量の増加とともに、指示値は 、窓２３０内を遠位方向へ“移動”（変化）する。なぜならば、ネジスリーブ１ ５４が、ハウジング１１２内を遠位方向へ摺動するからである。 第２０図に、注入量“０”の場合の配量要素１５４の位置を示した；この位置 は、第５図にも示してある。第２１図に、最大注入量、即ち、 例えば、“６０”の場合の配量要素１５４の位置を示した；この位置は、第１図 にも示してある。第２０図および第２１図を比較すれば明らかな如く、ハウジン グ１１２に対する配量要素１５４の位置は異なり、同じく、窓２３０に対する窓 ２３２の位置も異なる。 ここで再び指摘するが、窓２３２内の一度設定した投与量、即ち、例えば、４ のインシュリン単位（“４”）は、以降のすべての注入に同一の態様で有効であ り、即ち、上記投与量を不変に保持する場合は、一度の設定で十分であり、これ は、患者にとって著しく簡単である。なぜならば、患者は、−投与量が一定の場 合−注入前に、もはや、投与量設定に煩わされることはないからである。 もちろん、本発明の枠内において、多様な設計変更が可能であり、例えば、本 発明に係る注入装置は、注入が全自動で推移する、いわゆる、フルオートマット として構成できる。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年８月２０日（１９９９．８．２０） 【補正内容】 明細書（補正） ［発明の名称］ 注入装置 ［技術分野］ 本発明は、ハウジングと、ハウジングに縦方向へ可動に設置され液体容器から 注入液を押出すピストンロッドとを有する注入装置に関する。 ［背景技術］ この種の注入装置は、主として、概ねもはやよく見えず、複雑な装置の操作が 重荷になるような高齢の糖尿病患者によって使用される。従って、常に、正しい 投与量が注入されるよう、装置は、簡単に且つできる限り誰でも失敗することな く操作できなければならない。 注入液の容器をハウジングに設けた注入装置は、ドイツ特許公開第１９５１９ １４７号から公知である。この容器には、ピストンが摺動自在に設けてある。容 器内でピストンを摺動させると、ピストンは、注入液を容器から押出す。ハウジ ングには、更に、押出要素が縦方向へ摺動自在に設けてある。押出要素は、操作 時、ピストンに当接し、注入液容器内をピストンを摺動させるのに役立つ。更に 、作動要素が設けてあり、作動要素は、ハウジング内の近位終点位置と遠位終点 位置との間を縦方向へ可動である。作動要素は、ハウジング内において押出要素 を縦方向へ摺動させるのに役立つ。作動要素と押出要素との間の結合装置は、作 動要素の位置によって制御される。結合装置は、作動要素の遠位終点位置におい て且つ上記位置に続くゾーンにおいて、注入液容器のピストンの方向へ押出要素 を摺動させることができ、即ち、上記範囲において作動状態となる。作動要素が 、近位方向へ所定距離だけ摺動されると、上記結合装置は、更に、作動状態とな り、従って、結合装置は、一方向のみならず、両方向へ作動可能となる。 更に、ドイツ特許公開第３８１４０３２号には、−針を刺した後−作動要素に おいてポンプ運動を実施することによって注入を行う注入 装置が記載されている。このような各運動毎に、ピストンロッドの１単位の送り が実現される。各ポンプ運動毎に、まず第１に、半径方向へ延びるピンが、半径 方向内方へ摺動され、かくして、ピストンロッドの環状ミゾと形状結合を形成し 、続いて、上記ピストンロッドは、ポンプ運動によって上記結合を介して摺動さ れ、容器から対応する投与量を押出す。ポンプ運動後、半径方向ピンは解放され 、上記ピンを案内する部材が、バネによって、ピストンロッドの次のミゾまで摺 動され、この位置において、場合によっては、上述の操作を反復できる。 ＷＯ９４／１５１２０には、充填された注射器にバヨネット閉鎖機構を介して 結合できる注入機構が記載されている。この注入機構において、回転によって、 所望の投与量を設定でき、続いて、手操作で上記投与量を注入する。この場合、 注入操作は、一方向へのみ作用する継手（カップリング）を介して注射器のピス トンに伝達される。 ヨーロッパ特許公開第０２９５０７５号には、所望の投与量を押出すためにラ ックを使用する手動注入装置が記載されている。この場合、注入前に、まず、投 与量指示をゼロにリセット回動する。次いで、ハウジング部材を回転して、クラ ンプジョーを解放し、即ち、ラックとの係合を解除する。この場合、クランプジ ョーは、スリーブと係合する。次いで、ハウジング部材を回転して上記スリーブ を変位させ、所望の投与量を設定する。次いで、クランプジョーをラックと再び 係合させる。次いで、針を刺し、作動ノブを押して設定投与量を注入する。 極めて類似した装置は、ヨーロッパ特許公開第０４９８７３７号から公知であ る。しかしながら、この装置の場合、注入時、バネが負荷され、次いで、設定投 与量を変更しない限り、上記バネによって、ヨーロッパ特許公開第０２９５０７ ５号に記載の操作の一部を自動的に推移させることによって、操作が簡単化され ている。 ［発明の開示］ 従って、本発明の課題は、新規の注入装置を提供することにある。 この課題は、本発明にもとづき、請求項１の対象によって解決され る。ハウジングに対する作動要素の軸線方向位置によって制御して結合装置を作 動状態および非作動状態とすることによって、この種の注入装置の極めて簡単で 明確な操作が行われ、誤操作は、顕著に排除される。液体容器内に設けたピスト ンの引離力よりも小さい力で押出要素を近位方向へ負荷することによって、押出 要素は、注入開始前に、液体容器のピストンに対して確実に当接し、従って、設 定された全投与量が注入される。更に、投与量が一定の場合は、設定を一度行う だけでよく、この場合、この設定が、以降のすべての注入について同様に有効で ある。 本発明の更なる詳細および有利な構成は、図示し以下に説明した、本発明を制 限するものではない実施例および従属請求項から明らかであろう。 （[図面の簡単な説明]に続く） 請求の範囲 （請求項１〜５のみの補正） １． ハウジング（１１２，１１６）と、ハウジング内に設置され、ピストン（ １４０）の摺動によって液体容器（１１８）から注入液を押出し得るよう上記ピ ストン（１４０）を摺動自在に設けた、注入液の受容に役立つ液体容器（１１８ ）と、 ハウジング（１１２，１１６）に縦方向へ可動に設置され、上記ピストン（１ ４０）に対する当接および該液体容器（１１８）内での上記ピストンの摺動によ って注入液を押出す押出要素（１８６；１８６’）と、 該押出要素（１８６；１８６’）に配され近位終点位置と遠位終点位置との間 をハウジング（１１２，１１６）に対して縦方向へ可動でありハウジング（１１ ２）内において該押出要素（１８６；１８６’）を摺動させる作動要素（１７０ ，１７２）と、 該作動要素（１７０，１７２）の軸線方向位置によって制御され、該作動要素 （１７０，１７２）の遠位終点位置において非作動状態となり、この際、該押出 要素（１８６；１８６’）の軸線方向摺動を実現でき且つ遠位終点位置に続く、 近位終点位置も含む、該作動要素（１７０，１７２）の位置範囲において作動状 態となる、作動要素（１７０，１７２）と押出要素（１８６；１８６’）との間 の結合装置（１６６’’，１６７’’，１９８，２１０，２１２）と、 を有する注入装置において、 該押出要素（１８６；１８６’）が、該液体容器（１１８）内に設けた上記ピ ストン（１４０）の引離力よりも小さい力で近位方向へ付勢されており、かくし て、該押出要素は、該結合装置が非作動状態となる該作動要素（１７０，１７２ ）の遠位終点位置では、上記力によって、移動されて上記ピストン（１４０）に 当接するが、この際、上記ピストンが、液体容器（１１８）内を摺動されること がないこと、 を特徴とする注入装置。 ２． 前記力形成のために、ハウジング（１１２）と該押出要素（１８６；１８ ６’）との間で作用する圧縮バネ（１９０）が設けてあることを特徴とする請求 項１に記載の注入装置。 ３． 圧縮バネ（１９０）が、少なくとも部分的に、該押出要素（１８６；１８ ６’）内の成形中空部（１８７）内に設けてあることを特徴とする請求項２に記 載の注入装置。 ４． 該押出要素（１８６；１８６’）の該成形中空部（１８７）が、本質的に 円筒形に構成され、該圧縮バネ（１９０）を案内することを特徴とする請求項３ に記載の注入装置。 ５． 液体容器（１１８）が、注入装置の使用時に軸線方向へ摺動しないよう、 注入装置の容器を受容するハウジング部材（１１６）に設置されていることを特 徴とする請求項１〜４の１つまたは複数に記載の注入装置。 （請求項６〜２４は原出願のとおり）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． ハウジング（１１２，１１６）と、ハウジングに縦方向へ可動に設置され 液体容器（１１８）から注入液を押出す押出要素（１８６；１８６’）と、 該押出要素（１８６；１８６’）に配され近位終点位置と遠位終点位置との間 をハウジング（１１２，１１６）に対して縦方向へ可動でありハウジング（１１ ２）内において該押出要素（１８６；１８６’）を摺動させる作動要素（１７０ ，１７２）と、 該作動要素（１７０，１７２）の遠位終点位置において非作動状態となり且つ 遠位終点位置に続く、近位終点位置も含む作動要素（１７０，１７２）の位置範 囲において作動状態となる、該作動要素（１７０，１７２）と該押出要素（１８ ６；１８６’）との間の位置依存の結合装置（１６６’’，１６７’’，１９８ ，２１０，２１２）と、 を有する注入装置。 ２． 該押出要素（１８６；１８６’）が、該液体容器（１１８）内に設けたピ ストン（１４０）の引離力よりも小さい力で近位方向へ付勢されており、かくし て、該押出要素は、該結合装置が非作動状態となる該作動要素（１７０，１７２ ）の遠位終点位置では、上記力によって、移動されて上記ピストン（１４０）に 当接するが、この際、上記ピストンが、液体容器（１１８）内を摺動されること がないことを特徴とする請求項１に記載の注入装置。 ３． 前記力形成のために、ハウジング（１１２）と該押出要素（１８６；１８ ６’）との間で作用する圧縮バネ（１９０）が設けてあることを特徴とする請求 項２に記載の注入装置。 ４． 圧縮バネ（１９０）が、少なくとも部分的に、該押出要素（１８６；１８ ６’）内の成形中空部（１８７）内に設けてあることを特徴とする請求項３に記 載の注入装置。 ５． 該押出要素（１８６；１８６’）の該成形中空部（１８７）が、 本質的に円筒形に構成され、該圧縮バネ（１９０）を案内することを特徴とする 請求項４に記載の注入装置。 ６． 該作動要素（１７０，１７２）の遠位終点位置が、調節自在のストッパ（ １６２）によって定められることを特徴とする先行請求項１〜５の１つまたは複 数に記載の注入装置。 ７． 前記調節自在のストッパ（１６２）が、ハウジング（１１２）に縦方向へ 摺動自在であるが回転しないよう設置された部材（１５４）に設けてあることを 特徴とする請求項６に記載の注入装置。 ８． 前記ストッパ（１６２）を備えた部材（１５４）が、ハウジング（１１２ ）内に回転自在であるが縦方向へ摺動しないよう設置された調節部材（１１６） の補完関係のネジ部（１５０）と係合するネジ部（１５２）を備え、かくして、 ストッパ（１６２）を備えた部材（１５４）は、ハウジング（１１２）に対する 前記調節部材（１１６）の回転によって縦方向へ摺動可能であることを特徴とす る請求項７に記載の注入装置。 ９． ハウジング（１１２）内に回転自在に設置された前記調節部材（１１６） が、注入液を含む前記液体容器（１１８）を受容するよう構成されていることを 特徴とする請求項８に記載の注入装置。 １０． ハウジング（１１２）に回転自在に設置された前記調節部材（１１６） が、その外面に、注入量の指示値（２３６）を備えており、上記指示値のうちそ の時点での設定注入量に対応する指示値が、ハウジング（１１２）に設けた窓（ ２３０）およびストッパ（１６２）を備えた部材（１５４）に設けた窓（２３２ ）を有する窓装置を介して読取り得ることを特徴とする請求項８または９に記載 の注入装置。 １１． ストッパ（１６２）を備えた部材（１５４）に設けた窓（２３２）が、 本質的に注入量の１つの指示値（２３６）によって占められる面積に対応し、上 記面積の周縁に隣接する指示値を隠蔽するよう設計されていることを特徴とする 請求項１０に記載の注入装置。 １２． ハウジング（１１２）に設けた窓（２３０）が、注入装置（１ １０）のほぼ縦方向へ延びる縦軸線を有する縦方向開口の形を有することを特徴 とする請求項１０または１１に記載の注入装置。 １３． 押出要素（１８６；１８６’）には、ハウジングに固定され上記押出要 素を縦方向へ案内し、好ましくは、更にハウジング（１１２）に対する回転を阻 止する、ハウジングに固定された案内部材（１８０）が配してあることを特徴と する先行請求項の１つまたは複数に記載の注入装置。 １４． 該作動要素（１７０，１７２）と該押出要素（１８６；１８６’）との 間に設けた位置依存の前記結合装置が、該押出要素（１８６；１８６’）の縦方 向へ延びる少なくとも一連の凹み（１９８）と、前記作動要素（１７０，１７２ ）に設けられ上記凹み（１９８）に任意に係合する少なくとも１つの係合要素（ １６６’’，１６７’’）とを有することを特徴とする先行請求項１〜１３の１ つまたは複数に記載の注入装置。 １５． 前記凹み（１９８）が、少なくともほぼ等間隔（Ｔ）に構成されている ことを特徴とする請求項１４に記載の注入装置。 １６． 位置依存の結合装置が、該押出要素（１８６’）の外面の等間隔の凹み （２１０’，２１２’）の縦方向へ延びる列（２１０，２１２）と、上記凹みに 関連させて作動要素（１７０，１７２）に設けた係合要素（１６６’，１６７’ ）とを有し、 前記凹み（２１０’，２１２’）および／または前記係合要素（１６６’，１ ６７’）の軸線方向位置が、該押出要素（１８６’）と前記作動要素（１７０， １７２）との間の所定の位置において、前記作動要素（第１９図；１６７）の少 なくとも１つが、上記作動要素に関連する凹み列（第１９図；２１２）のうちの 凹み（２１２’）と完全には係合しないよう(第１９図)、設計されていることを 特徴とする請求項１４または１５に記載の注入装置。 １７． 少なくとも１つの前記係合要素（１６６，１６７，１６８，１６９）が 、前記押出要素（１８６，１８６’）から離れる方向へ弾 性的に付勢されていることを特徴とする請求項１４−１６の１つまたは複数に記 載の注入装置。 １８． 少なくとも１つの前記係合要素（１６６，１６７，１６８，１６９）の ために、前記押出要素（１８６；１８６’）に対する上記係合要素の位置を前記 作動要素（１７０，１７２）の軸線方向位置に依存して制御するカム制御機構（ １５５，１６０，１６４）が設けてあることを特徴とする請求項１４〜１７の１ つまたは複数に記載の注入装置。 １９． 少なくとも１つの前記係合要素（１６６，１６７，１６８，１６９）が 、半径方向外方へ弾性的に構成されており、前記カム制御機構（１５５，１６０ ，１６４）が、上記の半径方向弾性力とは逆方向へ作用することを特徴とする請 求項１８に記載の注入装置。 ２０． 少なくとも１つの前記係合要素（１６６，１６７，１６８，１６９）が 、その半径方向外面に、カム面（２２０，２２２）を備えており、上記係合要素 は、上記カム面を介して、ハウジング（１１２）の範囲に設けた対向カム面（１ ５５，１６０，１６４）と相互に作用することを特徴とする請求項１８または１ ９に記載の注入装置。 ２１． 少なくとも１つの前記係合要素（１６６’’，１６７’’）が、対応す る前記凹み（１９８；２１０’，２１２’）と形状結合するよう構成されている ことを特徴とする請求項１４〜２０の１つまたは複数に記載の注入装置。 ２２． 等間隔の前記凹み（１９８）の少なくとも１つの列（２００；２１０， ２１２）が、歯列として構成されていることを特徴とする請求項１４〜２１の１ つまたは複数に記載の注入装置。 ２３． 軸線方向へ相互にずらした少なくとも２つの別個の歯列（２１０，２１ ２）が設けてあることを特徴とする請求項２２に記載の注入装置。 ２４． 別個の歯列が、軸線方向へ歯ピッチの少なくとも半分（Ｔ／２）だけ相 互にずれていることを特徴とする請求項２３に記載の注入 装置。