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JP2001319852A - 乾燥方法及び乾燥装置 - Google Patents

乾燥方法及び乾燥装置

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JP2001319852A
JP2001319852A JP2000135414A JP2000135414A JP2001319852A JP 2001319852 A JP2001319852 A JP 2001319852A JP 2000135414 A JP2000135414 A JP 2000135414A JP 2000135414 A JP2000135414 A JP 2000135414A JP 2001319852 A JP2001319852 A JP 2001319852A
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chamber
drying
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Mitsuru Ushijima
満 牛島
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Tokyo Electron Ltd
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  • Drying Of Solid Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上の塗布液に対する乾燥処理の所要時間
を大幅に短縮してスループットの向上を実現すること。 【解決手段】 先ず被処理基板Bは第1のチャンバ10
に搬入される。基板Bが支持台18に載置されたなら、
第1のチャンバ10内の排気(真空引き)が開始され
る。こうして、第1のチャンバ10において基板Bが常
圧状態から真空度の比較的低い設定圧力まで徐々に減圧
する空間内に所定時間置かれることで、基板B上の塗布
液中の溶剤が徐々にかつ穏やかに揮発し、揮発した溶剤
は室外に排出される。第1のチャンバ10における減圧
乾燥処理が終了すると、搬送装置24が作動して開状態
の基板搬入出口28を通って基板Bを第1のチャンバ1
0から第2のチャンバ12に移す。第2のチャンバ12
内では、第1のチャンバ12内で減圧乾燥による乾燥処
理を一定の段階まで受けてきた基板Bに対して、より高
い真空度の減圧空間にて減圧乾燥の処理が続行されると
同時に加熱も行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理基板上に塗
布された塗布液を乾燥させる技術に関し、より詳細には
減圧空間で乾燥処理を行う方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の減圧乾燥処理は、たとえば、液
晶ディスプレイ(LCD)や半導体デバイス製造のフォ
トリソグラフィー工程の中で被処理基板(LCD基板、
半導体ウエハ)上に塗布したレジスト液を乾燥させるた
めに行われている。通常は、スピンコート法等によりレ
ジスト液が塗布された基板を密閉可能なチャンバに搬入
し、チャンバの室内を常温下で排気ないし真空引きして
減圧状態とし、その減圧空間の中で基板上のレジスト液
を乾燥させるようにしている。他にも、たとえば、半導
体デバイスの多層配線構造における層間絶縁膜をSOG
(Spin On Glass)塗布法で形成する工程において、基
板上に塗布したSOG溶液を乾燥させるのに、同様の減
圧乾燥法が使用できる。
【0003】このような減圧乾燥法によれば、塗布液中
の溶剤が徐々に揮発するので、塗布膜内に歪みやボイド
等が発生し難く、良好な膜質を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
減圧乾燥法においては、チャンバに基板を搬入してから
所要の圧力の減圧空間を形成するまでに相当の時間(排
気時間)を要するため、乾燥処理の所要時間が長く、ス
ループットを上げるのが難しい。また、減圧乾燥だけで
は、基板と塗布膜との間に十分な密着性を得るのは難し
い。そこで、減圧乾燥処理後に基板を加熱装置(オーブ
ン)に移し、そこで加熱処理(ベーキング)を施して塗
布液の更なる乾燥と基板への密着性を高めている。結
局、基板上に所望の塗布膜を得るためには、減圧乾燥だ
けでは足りず、後工程としてベーキングによる乾燥処理
を要している。
【0005】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み
てなされたもので、基板上の塗布液に対する乾燥処理の
所要時間を大幅に短縮してスループットの向上を実現す
る乾燥方法および乾燥装置を提供することを目的とす
る。
【0006】本発明の別の目的は、被処理基板上に塗布
された塗布液を短時間で安定かつ良好に乾燥させ、高品
質の塗布膜を形成することができる乾燥方法および乾燥
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の乾燥方法は、被処理基板上に塗布された
揮発性の溶剤を含む塗布液を乾燥させる乾燥方法であっ
て、第1の減圧空間内に前記基板を置いて、前記塗布液
中の溶剤を所定の量だけ揮発させる第1の工程と、前記
第1の工程の後に、前記第1の減圧空間から実質的に独
立した第2の減圧空間内に前記基板を置きかつ加熱し
て、前記塗布液中の溶剤をさらに所定の量だけ揮発させ
る第2の工程とを有する。
【0008】本発明においては、最初の第1の工程で、
減圧乾燥のみの乾燥処理を基板に施すことにより、基板
上の塗布液から溶剤を穏やかに揮発させる。したがっ
て、第1の減圧空間の真空度は比較的低くてよく、第1
の工程を常圧から開始してもよい。
【0009】次の第2の工程では、第1の減圧空間から
実質的に独立し、好ましくは第1の減圧空間よりも圧力
の低い(真空度の高い)第2の減圧空間内で基板上の塗
布液に減圧乾燥を施すと同時に加熱を施すことにより、
塗布液からの溶剤の揮発は一気に本格化し、短時間のう
ちに塗布液が乾燥し、基板に対して密着性のよい塗布膜
が形成される。この際、基板上の塗布液は先の第1の工
程における減圧乾燥で既に一定の段階まで乾燥してお
り、しかもこの第2の工程でも減圧乾燥を引き続き受け
るため、加熱による熱的応力が作用しても、塗布膜内で
歪みやボイドあるいは塗布液の移動等は発生し難く、良
好な膜質が得られる。なお、第2の減圧空間において
は、基板の搬入前から所定の真空度の減圧状態を準備し
ておくことができる。
【0010】本発明においては、第1および第2の工程
における減圧乾燥処理の連続性または継続性を確保する
うえで、第1の減圧空間と第2の減圧空間との間に常圧
または陽圧空間を介在させないのが好ましい。
【0011】この減圧空間の連続性の要件を満たすため
の装置構成の一態様は、第1および第2の減圧空間をゲ
ート機構を介して互いに隣接させるとともに、開状態の
上記ゲート機構を通って基板を搬送するための基板搬送
手段を第1または第2の減圧空間内に設ける構成であ
る。かかる構成においては、第1の工程の終了後に、上
記ゲート機構を開状態にして基板を第1の減圧空間から
ゲート機構を通って第2の減圧空間へ移すことが可能で
あり、第1の工程から第2の工程への移行時間を短くす
ることができる。
【0012】上記減圧空間の連続性の要件を満たすため
の装置構成の別の態様は、第1のゲート機構を介して第
1の減圧空間に隣接するとともに第2のゲート機構を介
して第2の減圧空間に隣接する減圧可能な第3の室を設
け、この第3の室内に開状態の第1のゲート機構を通っ
て第1の減圧空間より基板を搬出し、開状態の第2のゲ
ート機構を通って第2の減圧空間へ基板を搬入する基板
搬送手段を設ける構成である。かかる構成においては、
第1の工程の終了後に第1のゲート機構を開状態にして
基板を第1の減圧空間から第1のゲート機構を通って第
3の減圧空間へ移し、次いで第2のゲート機構を開状態
にして基板を第3の減圧空間から第2のゲート機構を通
って第2の減圧空間へ移すことができる。
【0013】この態様においては、第3の減圧空間によ
り両処理空間(第1および第2の減圧空間)を常時分離
できるため、両処理空間の間で(通常は第1の減圧空間
から第2の減圧空間への)パーティクルやコンタミネー
ションの流通を確実に防止することができる。また、第
1の工程の開始前に第3の減圧空間を経由して基板を第
1の減圧空間に搬入し、第2の工程の終了後に第2の減
圧空間から第3の減圧空間を介して基板を搬出すること
ができる。
【0014】なお、本発明において、第1および第2の
減圧空間は、必ずしも同時に存在する必要はなく、一方
の減圧空間が基板に作用している間、他方の減圧空間は
存在していなくてもよい。また、第1および第2の減圧
空間は、必ずしも空間的に分断または遮断されている必
要はなく、したがって必ずしも別々の処理室またはチャ
ンバに形成される必要はない。たとえば、同一のチャン
バ内に場所を変えて第1および第2の減圧空間を形成す
ることも可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図を参照して本発明の
好適な実施形態を説明する。
【0016】図1に、本発明の一実施形態における乾燥
装置の構成を模式的に示す。この乾燥装置は、密閉可能
つまり減圧可能な2つの処理室またはチャンバ10,1
2を併設してなる。両チャンバ10,12は、側壁14
とゲートバルブ16を介して互いに隣接している。
【0017】第1のチャンバ10内には、基板支持台ま
たは支持板18が配設され、この支持台18の上に被処
理基板(たとえばLCD基板または半導体ウエハ等)B
が載置されるようになっている。通常は、支持台18の
表面または上面に多数の支持ピン20が離散的に取付さ
れ、これらの支持ピン20に担持されるようにして基板
Bが載置される。支持台18には、基板Bを担持して昇
降移動できる複数本たとえば4本のリフトピン22も設
けられている。支持台18の内部または下方に設けられ
た昇降駆動部(図示せず)がこれらのリフトピン22を
昇降駆動するようになっている。
【0018】第1のチャンバ10において、支持台18
と側璧14との間に基板搬送装置24が設置されてい
る。この搬送装置24の搬送アーム26は、昇降・回転
・伸縮自在に構成され、基板Bの受け渡しのためにチャ
ンバ10内では支持台18の上方に設定された基板受け
渡し位置にアクセスできるようになっており、さらにゲ
ートバルブ16が開状態のときに側璧14に形成される
基板搬入出口(開口)28を通って第2のチャンバ12
内の基板受渡し位置までアクセスできるようになってい
る。
【0019】第1のチャンバ10において、第2のチャ
ンバ12側の側璧14とは異なる側璧30に基板搬入口
(開口)32とこれを開閉するゲートバルブ34が設け
られている。このゲートバルブ34が開いた状態で、外
部の基板搬送装置の搬送アーム(図示せず)が基板搬入
口32を通って基板Bを室10内に搬入するようになっ
ている。
【0020】第1のチャンバ10には、たとえば底面
に、第1の真空排気システム(図示せず)に接続または
連通する排気口36が設けられている。また、室内の気
圧を測定するための圧力センサ38が設けられており、
このセンサ38の出力信号(圧力測定信号)S1はコン
トローラ(図示せず)に送られる。該コントローラの制
御の下で、第1の真空排気システムは、チャンバ10内
を所定の真空度まで排気して室内に減圧空間を形成す
る。
【0021】第1のチャンバ10には、室内に不活性ガ
スを供給するためのガス供給管40が接続されている。
室10内を常圧に戻すときは、不活性ガス供給部(図示
せず)からの不活性ガスたとえばN2ガスがパージング
ガスとしてガス供給管40を介して室内に供給されるよ
うになっている。
【0022】第2のチャンバ12内には、支持台または
支持部材42が配設され、この支持台42の上に熱板4
4が設置されている。熱板44は、熱伝導度の高い材質
たとえばアルミニウムからなり、発熱体たとえばモリブ
デンまたはタングステン等からなる抵抗発熱体(図示せ
ず)を内蔵しており、支持台42の内側または下方のユ
ーティリティユニット46に設けられている電源部(図
示せず)より電力の供給を受けて設定温度で発熱するよ
うになっている。熱板44の発熱温度をフィードバック
方式で制御するために、熱板44の温度またはその付近
の温度を検出する温度センサ(図示せず)を設けてよ
い。
【0023】熱板44には複数個の貫通孔(図示せず)
が所定の間隔をおいて離散的に形成され、それらの貫通
孔をそれぞれ通ってリフトピン48が昇降できるように
なっている。リフトピン48の下端部は、支持台42の
内側または下方のユーティリティユニット46内に設け
られている昇降駆動部(図示せず)に結合または連結さ
れ、かつ支持されている。該昇降駆動部の昇降駆動およ
び支持により、リフトピン48はピン上に基板Bをほぼ
水平に担持した状態で熱板44の上方に設定された所定
の上限および下限位置(範囲)内で任意の高さ位置に昇
降移動でき、かつ任意の高さ位置で静止できるようにな
っている。
【0024】このように、第2のチャンバ12では、一
定温度で発熱する熱板44の真上で基板Bの高さ位置、
つまり熱板44と基板Bとの間隔hをリフトピン48お
よび昇降駆動部により可変制御することで、基板Bに対
する加熱温度を可変制御できるようになっている。
【0025】第2のチャンバ12において、第1のチャ
ンバ10側の側璧14とは異なる側璧50に基板搬出口
(開口)52とこれを開閉するゲートバルブ54が設け
られている。このゲートバルブ54が開いた状態で、外
部の搬送装置の搬送アーム(図示せず)が基板搬出口5
2を通って基板Bをチャンバ12から搬出するようにな
っている。
【0026】第2のチャンバ12にも、たとえば底面
に、第2の真空排気システム(図示せず)に接続または
連通する排気口56が設けられている。室内の気圧を測
定するための圧力センサ58も設けられており、そのセ
ンサ出力(圧力測定信号)S2は上記コントローラに送
られる。このコントローラの制御の下で、第2の真空排
気システムは、第2のチャンバ12内を所定の真空度ま
で排気して室内に減圧空間を形成する。
【0027】通常、最初の乾燥工程が行われる第1のチ
ャンバ10内の減圧空間の圧力よりも次の乾燥工程が行
われる第2のチャンバ12内の減圧空間の圧力の方を低
い値(高い真空度)に設定してよい。たとえば、塗布液
としてレジスト液を乾燥させる場合は、第1のチャンバ
10内の減圧空間の圧力を1Torr付近に設定し、第2の
チャンバ12内の減圧空間の圧力を10-1 Torr付近に
設定してよい。塗布液がSOG溶液である場合は、たと
えば、第1のチャンバ10内の減圧空間の圧力を数Torr
付近に設定し、第2のチャンバ12内の減圧空間の圧力
を10-3 Torr付近に設定してよい。
【0028】第2のチャンバ12にも、室内に不活性ガ
スを供給するためのガス供給管60が接続されている。
処理後に室10内を常圧に戻すとき、あるいは処理中
に、不活性ガス供給部(図示せず)からの不活性ガスた
とえばN2ガスがガス供給管60を介して室12内に供
給されるようになっている。また、第2のチャンバ12
内には、基板Bを加熱するのと相俟って、必要に応じて
反応性ガスたとえばO2ガスやH2ガス等を別の反応性ガ
ス供給管61より供給することも可能である。
【0029】上記コントローラは、外部の処理装置また
は搬送装置の動作と連携し、この乾燥装置内の各部、特
に搬送系の各部(ゲートバルブ16,34,54、搬送
装置24、リフトピン22,48およびその昇降駆動部
等)、圧力系の各部(第1および第2の真空排気システ
ム、不活性ガス供給部、反応性ガス供給部等)、加熱系
の各部(熱板44の熱発生部、リフトピン48およびそ
の昇降駆動部等)の動作を制御する。
【0030】次に、この乾燥装置の作用を説明する。
【0031】先ず、被処理基板Bは第1のチャンバ10
に搬入される。この搬入される基板Bは、直前に塗布装
置(図示せず)において基板表面全体にたとえば常法の
塗布工程たとえばスピンコート法により塗布液を一定の
膜厚に塗布されている。
【0032】この基板Bの搬入に際して、第1のチャン
バ10の室内は不活性ガス(パージングガス)で満たさ
れ常圧に維持されている。ゲートバルブ34が開いて外
部搬送装置の搬送アームが基板Bを保持したまま室10
内に入ってきて、基板Bを支持台18の上方にセットす
る。そこに、リフトピン22が上昇して搬送アームから
基板Bを受け取る。搬送アームが退室した後、リフトピ
ン22が下降して基板Bを支持台18に載置する。一方
で、ゲートバルブ34が閉じて、第1のチャンバ10内
は密閉空間となる。
【0033】基板Bが支持台18に載置されたなら、コ
ントローラの制御の下で第1の真空排気システムにより
第1のチャンバ10内の排気(真空引き)が開始され
る。この真空引きでは、室内の圧力を常圧から設定値ま
で連続的または単調に下げてもよく、あるいは段階的に
下げても良い。
【0034】こうして、第1のチャンバ10において基
板Bが常圧状態から真空度の比較的低い設定圧力まで徐
々に減圧する空間内に置かれることで、基板B上の塗布
液中の溶剤が徐々にかつ穏やかに揮発し、揮発した溶剤
は室外に排出される。ここで、減圧乾燥の初期段階に
は、基板Bの表面よりガスが放出される。また、真空引
きの初期段階には第1のチャンバ10の内壁等からもガ
スが放出される。これらの脱ガスも第1の真空排気シス
テムにより室外に排出される。
【0035】真空引きを開始してから所定時間t1が経
つと、第1のチャンバ10における減圧乾燥処理が終了
する。この時点で、基板B上の塗布液は一定の段階まで
乾燥している。この減圧乾燥処理における乾燥の度合い
または溶剤の揮発量は、レジスト液の種類に依存する
が、処理時間t1、圧力等のパラメータによって調節可
能であり、たとえば所望の到達乾燥度(総揮発量)の3
0%の程度まで乾燥させてよい。
【0036】上記のようにして第1のチャンバ10にお
ける減圧乾燥処理が終了すると、リフトピン22が上昇
して基板Bを水平姿勢のまま所定の高さ位置まで持ち上
げる。この直後に、同室内の搬送装置24が作動して、
搬送アーム26をリフトピン22に支持されている基板
Bの下まで伸ばし、リフトピン22から基板Bを受け取
る。一方で、ゲートバルブ16が開く。
【0037】搬送アーム26は、開状態の基板搬入出口
28を通って基板Bを第2のチャンバ12内に搬入し、
所定の高さ位置にて基板Bを熱板44の真上にセットす
る。この直後に、リフトピン48が上昇して、搬送アー
ム26から基板Bを受け取る。基板Bを渡した搬送アー
ム26は第2のチャンバ12から退出し、直後にゲート
バルブ16が閉じる。ゲートバルブ16が閉じた後で、
第1のチャンバ10では第1の真空排気システムによる
真空引きが止められ、ガス供給管40よりパージングガ
ス(不活性ガス)が室内に供給される。この結果、こチ
ャンバ10の室内は、減圧状態が解除され、常圧空間に
変わる。
【0038】第2のチャンバ12の室内は、基板Bの搬
入に先立って予め所定の真空度たとえば10-2 Torr付
近に維持されている。基板Bの搬入時には上記のように
ゲートバルブ16が開いて一時的に第1のチャンバ10
と連通するため、第2のチャンバ12の室内の圧力は上
昇する。この圧力の変化は圧力センサ58によって検出
され、コントローラの制御の下で第2の真空排気システ
ムにより直ちに補正される。これにより、第2のチャン
バ12においては、基板Bの搬入直後から所定の真空度
で減圧乾燥を開始することができる。
【0039】一方、第2のチャンバ12内では、基板B
の搬入前から熱板44が所定の温度で発熱状態を維持し
ている。したがって、搬入直後から基板Bに熱エネルギ
ーを供給できるようになっている。
【0040】リフトピン48は、上記したように昇降移
動可能であり、かつ所定範囲内の任意の高さ位置にて基
板Bを水平姿勢に保ったまま支持することができる。通
常は、搬送アーム26から基板Bを受け取った高さ位置
あるいは別の所定の高さ位置を初期位置としてよく、こ
の初期位置で基板Bが真下の熱板44より加熱される温
度が初期加熱温度となる。
【0041】第2のチャンバ12内の昇降駆動部は、リ
フトピン48に基板Bを水平姿勢に担持させながら、コ
ントローラの制御の下で時間の経過とともに連続的(単
調)にまたは段階的にリフトピン48を下降させる。こ
のようなリフトピン48の下降移動にしたがって時間の
経過とともに連続的(単調)にまたは段階的に、リフト
ピン48上の基板Bの高さ位置が下がり、ひいては基板
Bと熱板44との間隔hが小さくなり、基板Bに対する
加熱温度が上昇する。
【0042】このように、第2のチャンバ12内では、
第1のチャンバ12内で減圧乾燥処理を一定の段階まで
受けてきた基板Bに対して、より高い真空度の減圧空間
にて減圧乾燥処理が続行されると同時に加熱処理が行わ
れる。これにより、基板B上の塗布液から溶剤が本格的
に勢いよく揮発し、短時間のうちに塗布液が乾燥して、
塗布膜(被膜)が形成される。
【0043】この際、基板B上の塗布液は先の第1のチ
ャンバ10における減圧乾燥処理で既に一定の段階まで
乾燥しており、しかもこの第2のチャンバ12内でも減
圧乾燥処理が継続して行われるため、加熱による熱的応
力が塗布膜に作用しても、膜内で歪みやボイドあるいは
塗布液の移動等が発生し難い。
【0044】また、基板B上の塗布液を減圧乾燥せずに
いきなり加熱すると、乾燥後の塗布膜にリフトピンや支
持ピン等の跡がつくという問題がある。しかし、本発明
によれば、塗布液に対する最初の処理として第1のチャ
ンバ10内で加熱を伴わない減圧乾燥処理が行われてい
るので、そのようなピン跡の発生を防止することができ
る。
【0045】なお、基板B表面からの脱ガスは先の第1
のチャンバ10における減圧乾燥によってほぼ出尽くし
ており、第2のチャンバ12における減圧乾燥での脱ガ
スは殆どないか、あっても僅かである。また、第2のチ
ャンバ12の室内は基板Bの搬入前から排気(真空引
き)を開始しているため、処理中に室内の内壁面や各部
から脱ガスは殆ど出ない。したがって、パーティクルや
コンタミネーションの少ない清浄な減圧空間の中で基板
Bは減圧および加熱乾燥処理を受けることができる。
【0046】基板Bの搬入が完了してから所定時間t2
が経つと、第2のチャンバ12における乾燥処理が終了
する。この時点で、基板B上の塗布液はさらに所定の段
階まで乾燥している。しかも、加熱されて乾燥するた
め、基板Bに対して良好に密着する。この減圧乾燥およ
び加熱処理における乾燥の度合いまたは溶剤の揮発量
は、塗布液の種類や先の第1のチャンバ10における乾
燥の到達等に依存するが、処理時間t2、圧力、加熱温
度等のパラメータによって調節可能であり、たとえば所
望の到達乾燥度まで乾燥させてよい。その場合、専用加
熱装置での更なる乾燥処理(ベーキング)を不要とする
ことができる。もっとも、乾燥途中(たとえば到達乾燥
度の80%程度)でチャンバ10内の乾燥処理を終了
し、後で専用加熱装置においてベーキングにより到達乾
燥度まで乾燥させることも可能である。
【0047】また、塗布膜の種類によっては、たとえば
シラノール化合物からなるSOGにおいては、第2のチ
ャンバ12における乾燥処理の中で、溶剤の揮発に終始
することなく、さらに所定の温度条件の下で塗布膜を縮
合または重合させることも可能である。このような縮合
または重合反応に際しては、塗布膜表面において酸化反
応等の不所望な反応を防止するために、チャンバ12内
の減圧空間を不活性ガスで満たすようにしてよい。
【0048】あるいは、層間絶縁膜等に用いられている
シリカ系被膜においては、第2のチャンバ12における
乾燥処理の中で、室内に所定の温度たとえば300゜C
で反応性ガス供給管16より供給の酸素または水蒸気で
雰囲気を形成し、基板B上の塗布膜を酸化反応させて所
望の被膜を得ることもできる。
【0049】第2のチャンバ12における減圧乾燥およ
び加熱処理が終了したなら、基板Bを室外へ搬出する。
側璧50の隣(外)に減圧空間たとえば第3の室(また
はチャンバ)が設けられている場合は、直ちにゲートバ
ルブ54が開いて、外部の搬送装置(図示せず)がチャ
ンバ12内にアクセスして基板Bをリフトピン48から
受け取って第3の室へ搬出してよい。側璧50の隣
(外)が常圧の空間になっている場合は、第2の真空排
気システムによる真空引きが止まって、不活性ガス供給
管60より不活性ガスがパージングガスとしてチャンバ
12内に供給され、室内の減圧状態が解除された後にゲ
ートバルブ54が開いて、外部の搬送装置が基板Bを室
外へ搬出してよい。基板Bを室外へ搬出した後は、ゲー
トバルブ54が閉じて、第2の真空排気システムによる
真空引きが再開され、チャンバ12内に減圧空間が再生
される。
【0050】もっとも、図2に示すように、第1および
第2のチャンバ10,12の間に第3の室62を設ける
装置構成としてもよい。この装置構成では、第3の室6
2内に基板搬送装置64を設置すればよく、両処理室1
0,12内に搬送系を置く必要はない。第3の室62
は、第1および第2のチャンバ10,12とそれぞれゲ
ートバルブ68,70を介して隣接するとともに、ゲー
トバルブ72を介して他の処理室または搬送空間(図示
せず)と隣接する。第3の室62の排気口74は第3の
真空排気システムに接続され、両チャンバ10,12と
は別個に室62内が所定の真空度に減圧される。また、
第3の室62内にも、必要に応じて室内を常圧にするた
めのパージングガスがガス供給管76より供給されるよ
うになっている。
【0051】この装置構成において、最初に基板Bは外
部から開状態のゲートバルブ72を通って第3の室62
に搬入される。次に、ゲートバルブ68が開いて、第3
の室62内に設置の搬送装置64が基板Bを第1のチャ
ンバ10内に搬入する。第1のチャンバ10内では上記
と同様の減圧乾燥処理が行われる。この乾燥処理が終了
すると、ゲートバルブ68が開いて、第3の室62の搬
送装置64がチャンバ10から基板Bを搬出する。基板
Bが第3の室62に搬入されてから、ゲートバルブ68
が閉まると同時(好ましくは直後)に、ゲートバルブ7
0が開き、搬送装置64が基板Bを第2のチャンバ12
に搬入する。第2のチャンバ12内では、上記と同様の
減圧乾燥および加熱処理が行われる。この乾燥処理の終
了後にゲートバルブ70が開いて、搬送装置64が基板
Bをチャンバ12から搬出する。しかる後、ゲートバル
ブ72が開き、第3の室62から基板Bが外部へ搬出さ
れる。第3の室62のゲートバルブ68,70,72は
同時に開状態となる必要はなく、その中の1つが開状態
になっている時に他の全てのゲートバルブは閉状態にな
っていてよい。
【0052】このように第1および第2のチャンバ1
0,12の間に第3の室62を設ける装置構成において
は、第3の室62の減圧空間により両チャンバ10,1
2内の減圧空間を常時分離できるため、両チャンバ1
0,12の間で(通常はチャンバ10からチャンバ12
への)パーティクルやコンタミネーションの流通を確実
に防止することができる。また、乾燥処理前の基板Bを
第3の室62を経由して第1のチャンバ10に搬入し、
第2のチャンバ12から処理済みの基板Bを第3の室6
2を経由して搬出することが可能であり、両チャンバ1
0,12の室内を常時減圧状態に維持することも可能で
ある。
【0053】なお、基板Bが第1のチャンバ10から第
3の室62を通って第2のチャンバ12に移送される間
も減圧空間に置かれるため、厳密には第1のチャンバ1
0における減圧乾燥処理が移送中も継続または延長す
る。したがって、第3の室62内の圧力を、たとえば両
チャンバ内圧力の中間値、つまり第1のチャンバ10の
減圧空間の圧力よりは低く、第2のチャンバ12の減圧
空間の圧力よりも高い値に設定してよい。
【0054】次に、図3〜図5につき本発明の一実施形
態による塗布装置を適用した塗布現像処理システムを説
明する。
【0055】図3に、この塗布現像処理システムの構成
を示す。この塗布現像処理システムは、たとえばLCD
基板を被処理基板とし、LCD製造プロセスにおいてフ
ォトリソグラフィー工程の中の洗浄、レジスト塗布、乾
燥、現像およびポストベークの各処理を行うものであ
る。露光処理は、このシステムに隣接して設置される外
部の露光装置(図示せず)で行われる。
【0056】この塗布現像処理システムは、大きく分け
て、カセットステーション(C/S)100と、プロセ
スステーション(P/S)102と、インタフェース部
(I/F)104とで構成される。
【0057】システムの一端部に設置されるカセットス
テーション(C/S)100は、複数のLCD基板Bを
収容するカセットCを所定数たとえば4個まで載置可能
なカセットステージ106と、このステージ106上の
カセットCについて基板Bの出し入れを行うサブアーム
機構108とを備えている。このサブアーム機構108
は、基板Bを保持できる搬送アームを有し、X,Y,
Z,θの4軸で動作可能であり、後述するプロセスステ
ーション(P/S)102側の搬送装置132と基板B
の受け渡しを行えるようになっている。
【0058】プロセスステーション(P/S)102
は、上記カセットステーション(C/S)100側から
順に洗浄プロセス部110と、塗布プロセス部112
と、現像プロセス部114とを基板中継部116、薬液
供給ユニット118およびスペース120を介して(挟
んで)横一列に設けている。
【0059】洗浄プロセス部110は、2つのスクラバ
洗浄ユニット(SCR)122と、上下2段の紫外線照
射/冷却ユニット(UV/COL)124と、加熱ユニ
ット(HP)126と、冷却ユニット(COL)128
とを含んでいる。
【0060】塗布プロセス部112は、レジスト塗布ユ
ニット(CT)134と、乾燥ユニット(VD)136
と、エッジリムーバ・ユニット(ER)138と、上下
2段型アドヒージョン/冷却ユニット(AD/COL)
140と、冷却ユニット(COL)142と、加熱ユニ
ット(HP)144とを含んでいる。乾燥ユニット(V
D)136が本発明の一実施形態による乾燥装置であ
り、その詳細は後に説明する。
【0061】現像プロセス部114は、3つの現像ユニ
ット(DEV)150と、2つの上下2段型加熱/冷却
ユニット(HP/COL)152と、加熱ユニット(H
P)154とを含んでいる。
【0062】各プロセス部110,112,114の中
央部には長手方向に搬送路130,146,156が設
けられ、主搬送装置132,148,158が各搬送路
に沿って移動して各プロセス部内の各ユニットにアクセ
スし、基板Bの搬入/搬出または搬送を行うようになっ
ている。なお、このシステムでは、各プロセス部11
0,112,114において、搬送路130,146,
156の一方の側にスピンナ系のユニット(SCR,C
T,DEV等)が配置され、他方の側に熱処理系のユニ
ット(HP,COL等)が配置されている。
【0063】システムの他端部に設置されるインタフェ
ース部(I/F)104は、プロセスステーション(P
/S)102と隣接する側にイクステンション(基板受
け渡し部)159およびバッファステージ160を設
け、露光装置と隣接する側に搬送機構162を設けてい
る。
【0064】図4に、この塗布現像処理システムにおけ
る処理の手順を示す。先ず、カセットステーション(C
/S)100において、サブアーム機構108が、ステ
ージ106上の所定のカセットCの中から1つの基板B
を取り出し、プロセスステーション(P/S)102の
洗浄プロセス部110の主搬送装置132に渡す(ステ
ップS1)。
【0065】洗浄プロセス部110において、基板B
は、先ず紫外線照射/冷却ユニット(UV/COL)1
24に順次搬入され、最初の紫外線照射ユニット(U
V)では紫外線照射による乾式洗浄を施され、次の冷却
ユニット(COL)では所定温度まで冷却される(ステ
ップS2)。この紫外線洗浄では主として基板表面の有
機物が除去される。
【0066】次に、基板Bはスクラバ洗浄ユニット(S
CR)122の1つでスクラビング洗浄処理を受け、基
板表面から粒子状の汚れが除去される(ステップS
3)。スクラビンク洗浄の後、基板Bは、加熱ユニット
(HP)126で加熱による脱水処理を受け(ステップ
S4)、次いで冷却ユニット(COL)128で一定の
基板温度まで冷却される(ステップS5)。これで洗浄
プロセス部110における前処理が終了し、基板Bは、
主搬送装置132により基板受け渡し部116を介して
塗布プロセス部112へ搬送される。
【0067】塗布プロセス部112において、基板B
は、先ずアドヒージョン/冷却ユニット(AD/CO
L)140に順次搬入され、最初のアドヒージョンユニ
ット(AD)では疎水化処理(HMDS)を受け(ステ
ップS6)、次の冷却ユニット(COL)で一定の基板
温度まで冷却される(ステップS7)。
【0068】その後、基板Bは、レジスト塗布ユニット
(CT)134でレジスト液を塗布され、次いで乾燥ユ
ニット(VD)136で本発明による乾燥処理を受け、
次いでエッジリムーバ・ユニット(ER)138で基板
周縁部の余分(不要)なレジストを除かれる(ステップ
S8)。
【0069】次に、基板Bは、冷却ユニット(HP/C
OL)142に搬入され、そこで一定の基板温度まで冷
却される(ステップS9)。もっとも、必要に応じて、
この冷却処理の前に加熱ユニット144でベーキングを
行うことも可能である。
【0070】上記塗布処理の後、基板Bは、塗布プロセ
ス部112の主搬送装置148と現像プロセス部114
の主搬送装置158とによってインタフェース部(I/
F)104へ搬送され、そこから露光装置に渡される
(ステップS10)。露光装置では基板B上のレジストに
所定の回路パターンを露光される。そして、パターン露
光を終えた基板Bは、露光装置からインタフェース部
(I/F)104に戻される。インタフェース部(I/
F)104の搬送機構162は、露光装置から受け取っ
た基板Bをイクステンション158を介してプロセスス
テーション(P/S)102の現像プロセス部112に
渡す(ステップS10)。
【0071】現像プロセス部114において、基板B
は、現像ユニット(DEV)150のいずれか1つで現
像処理を受け(ステップS11)、次いで加熱/冷却ユニ
ット(HP/COL)152の1つに順次搬入され、最
初の加熱ユニット(HP)ではポストベーキングが行わ
れ(ステップS12)、次に冷却ユニット(COL)で一
定の基板温度まで冷却される(ステップS13)。このポ
ストベーキングに加熱ユニット(HP)154を用いる
こともできる。
【0072】現像プロセス部114での一連の処理が済
んだ基板Bは、プロセスステーション(P/S)102
内の主搬送装置158,148,132によりカセット
ステーション(C/S)100まで戻され、そこでサブ
アーム機構108によりいずれか1つのカセットCに収
容される(ステップS1)。
【0073】図5に、塗布プロセス部112におけるレ
ジスト塗布ユニット(CT)134、乾燥ユニット(V
D)136およびエッジリムーバ・ユニット(ER)1
38の要部の構成を示す。乾燥ユニット(VD)136
の構成は、基本的には図1の構成と同じなので、図1の
各部と同様の構成または機能を有する部分には同一の符
号を付している。
【0074】乾燥ユニット(VD)136において、図
1の装置構成と異なる点は、第2のチャンバ12の側璧
52の基板搬出用ゲートバルブ54が省かれて、代わり
に第1のチャンバ10の側璧168に基板搬出用のゲー
トバルブ170が設けられるとともに、第1のチャンバ
10内に処理済みの基板Bを主搬送装置148へ渡す際
に一時的に留めておく支持台またはステージ172が第
1のチャンバ10内に設けられていることである。
【0075】レジスト塗布ユニット(CT)134は、
基板Bをほぼ水平姿勢で保持して一緒または一体に回転
するスピンチャック174と、このスピンチャック17
4およびチャック上の基板Bの側方の周囲を包囲する回
転可能な有底円筒状の回転カップ176と、この回転カ
ップ176の上端開口を閉塞可能な蓋体(図示せず)
と、回転カップ176の外周を取り囲む固定設置型のド
レインカップ178と、基板Bの表面(上面)にレジス
ト液を吐出して供給するためのレジスト供給機構180
と、塗布処理後の基板Bをゲートバルブ34を介して乾
燥ユニット(VD)136側へ搬送する搬送装置(図示
せず)等を備えている。
【0076】エッジリムーバ・ユニット(ER)138
には、基板Bを載置して支持するステージ182と、基
板Bを一対の角隅部にて位置決めするアライメント手段
184と、基板Bの四辺の周縁部(エッジ)から余分な
レジストを除去する4個のリムーバヘッド186等が設
けられている。
【0077】これらの処理ユニット134、136、1
38における一連の処理は次のようになる。なお、図5
において、基板および主搬送装置を表す参照符号B,1
48の後に添えられている括弧付きの数字または番号
(n)は、この一連の処理における各位置の移動順序を
示している。
【0078】先ず、主搬送装置148(1)が、アドヒー
ジョン/冷却ユニット(AD/COL)46(図3)か
ら疎水化処理済みの基板B(1)を搬出して来て、搬送路
146側から基板B(1)を矢印で示すようにレジスト
塗布ユニット(CT)134内に搬入する。
【0079】レジスト塗布ユニット(CT)134で
は、スピンチャック174が基板B(2)を水平状態で保
持したまま所定の速度で回転し、最初に蓋体が退避して
いて回転カップ176が開口している状態の下でレジス
ト供給機構180のノズル部182が基板B(2)の真上
まで移動してきてレジスト液を基板B(2)の上面に吐出
(滴下)し、次いでノズル部182が基板B(2)上から
退避した後で、蓋体がカップ上端開口を閉塞した状態で
回転カップ176も回転し、基板B(2)上でレジスト液
が遠心力によって基板表面全域にむらなく拡散する。
【0080】レジスト塗布ユニット(CT)134にお
いて上記のようなスピンコート法によるレジスト塗布工
程が終了すると、ゲートバルブ34が開き、ユニット
(CT)134内の搬送装置が矢印で示すように開状
態のゲートバルブ34を通って塗布処理済みの基板B
(2)を乾燥ユニット(VD)136の第1のチャンバ1
0内に搬入する。
【0081】第1のチャンバ10内で基板B(3)は、図
1の装置構成における場合と同様の減圧乾燥処理を受け
てよい。この第1のチャンバ10における乾燥処理が終
了すると、図1の装置構成における場合と同様にして、
第1のチャンバ10内の搬送装置24が矢印で示すよ
うに開状態のゲートバルブ16を通って基板B(3)を隣
室の第2のチャンバ12内に搬入する。
【0082】第2のチャンバ12内で、基板B(4)は、
図1の装置構成における場合と同様の減圧乾燥および加
熱処理を受けてよい。処理条件(圧力、温度、時間、供
給ガス等)は、レジスト液の種類等に応じて適宜の値に
設定してよい。加熱ユニット(HP)144でのベーキ
ング(プリベーク)を省略する場合は、第2のチャンバ
12において基板B(4)上の塗布液を所望の到達乾燥度
まで乾燥させてよい。この場合、第2のチャンバ12に
おける加熱は減圧乾燥と同時に行われるので、専用加熱
装置(144)でベーキングを行う場合の加熱温度より
も低い加熱温度に設定できる。これにより、加熱処理に
起因するレジスト表面のストライゼーション(一種のし
わ)を低減することも可能であり、ひいてはそのような
ストライゼーションに起因する露光・現像処理後のパタ
ーン形状の歪み等を改善できる。
【0083】第2のチャンバ12における乾燥処理が終
了すると、ゲートバルブ16が開いて、第1のチャンバ
10内の搬送装置24が第2のチャンバ12から矢印
で示すように開状態のゲートバルブ16を通って基板B
(4)を引き取り、チャンバ10内の支持台172上に基
板B(5)を載置する。
【0084】しかる後、搬送路146に面したゲートバ
ルブ170が開き、搬送路146側から主搬送装置14
8(2)が矢印で示すようにこの開状態のゲートバルブ
170を通って支持台172から基板B(5)を引き取
る。そして、主搬送装置148(2)は、引き取った基板
B(6)を水平状態で支持したまま搬送路146上を矢印
で示すように図5の右側へ移動して隣のエッジリムー
バ・ユニット(ER)138の前まで搬送し、矢印で
示すように搬送路146側からユニット(ER)138
内に基板B(7)を搬入する。
【0085】エッジリムーバ・ユニット(ER)138
では、アライメント手段184がステージ182上の基
板B(8)を位置決めした状態で、各リムーバヘッド18
6が基板B(8)の各辺に沿って移動しながら、基板各辺
の周縁部に付着している余分なレジストをシンナーで溶
解して除去する。
【0086】エッジリムーバ・ユニット(ER)138
におけるレジスト除去処理が終了すると、搬送路146
側の主搬送装置148(3)が基板B(8)をユニット(E
R)138から搬出する。次いで、主搬送装置148
(3)は、向い側の冷却ユニット(COL)142に基板
B(8)を搬送する。
【0087】上記したように、レジスト塗布ユニット
(CT)134でレジスト液を塗布された基板Bが、本
発明による乾燥ユニット(VD)136の2つのチャン
バ10,12内で2段階の、かつ実質的に連続的な乾燥
処理を受ける。より詳細には、基板B上の塗布液に対し
て、第1のチャンバ10における前段の乾燥処理では比
較的低い真空度の減圧空間内で乾燥が行われ、後段の第
2のチャンバ10における後段の乾燥処理では比較的高
い真空度の減圧空間内で乾燥ないし加熱が行われる。こ
れにより、レジスト液が歪みやボイド、ピン跡や汚染等
を来すことなく基板B上に良好に密着して乾燥し、良質
のレジスト膜が得られる。
【0088】しかも、本発明による2段階式の乾燥処理
は、終始減圧乾燥だけの乾燥処理に比してより短い時間
で効率的に所要の乾燥結果(溶剤の揮発量)を得ること
が可能であり、さらには第2のチャンバ10における減
圧および加熱処理の条件(圧力、温度、時間等)を適宜
選ぶことで、基板B上の塗布液を十全に乾燥させ、専用
加熱ユニットでのベーキングを不要にすることも可能で
ある。
【0089】これにより、基板B上に塗布されたレジス
ト液に対する乾燥処理の所要時間を大幅に短縮してスル
ープットを向上させることができる。また、基板B上に
塗布されたレジスト液を短時間で安定かつ良好に乾燥さ
せ、高品質のレジスト膜を形成することができる。
【0090】上記した塗布現像処理システムはLCD基
板を被処理基板としたが、半導体ウエハを被処理基板と
するシステムに変形することが可能であり、その場合に
も半導体ウエハ上に塗布したレジスト液の乾燥について
上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0091】また、他の塗布液たとえばSOG溶液を基
板(典型的には半導体ウエハ)上に塗布して乾燥させる
システムにも本発明は適用可能である。その場合、半導
体ウエハ上のSOG溶液に対する第1および第2のチャ
ンバ10,12における処理条件(圧力、温度、時間、
供給ガス等)はSOGの材質等に応じて適宜選択してよ
い。たとえば、メタル配線形成前のSOGについては、
第1のチャンバ10における圧力を数Torr、第2のチャ
ンバ10における圧力および加熱温度をそれぞれ1〜1
-3 Torr、700〜850゜Cとしてよい。また、メ
タル配線形成後のSOGについては、第1のチャンバ1
0における圧力を数Torr、第2のチャンバ10における
圧力および加熱温度をそれぞれ1〜10-3 Torr、35
0〜400゜Cとしてよい。
【0092】第1および第2のチャンバ10,12にお
ける各部の構成を種々変形することが可能である。たと
えば、第2のチャンバ12における加熱機構の熱板44
をランプ等の他の加熱手段に置き換えることができる。
【0093】本発明はレジストやSOG以外にも、基板
上に塗布された揮発性の溶剤を含む任意の塗布液を乾燥
させる技術に適用可能である。本発明における被処理基
板はLCD基板や半導体ウエハに限らず、CD基板、ガ
ラス基板、フォトマスク、プリント基板等も可能であ
る。
【0094】
【発明の効果】上記したように、本発明によれば、基板
上の塗布液に対する乾燥処理の所要時間を大幅に短縮し
てスループットを向上させることができる。また、基板
上の塗布液を短時間で安定かつ良好に乾燥させ、高品質
の塗布膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による乾燥装置の構成を模
式的に示す略側面図である。
【図2】一変形例による乾燥装置の構成を模式的に示す
略側面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるを適用した塗布現像
処理システムの構成を示す平面図である。
【図4】実施例の塗布現像処理システムにおける処理の
手順を示すフローチャートである。
【図5】実施例の塗布現像処理システムにおけるレジス
ト塗布ユニット、乾燥ユニットおよびエッジリムーバ・
ユニットの主要な構成を示す略平面図である。
【符号の説明】
10 第1のチャンバ(処理室) 12 第2のチャンバ(処理室) 16 ゲートバルブ 18 支持台 24 基板搬送装置 34 ゲートバルブ 36 排気口 44 熱板 48 リフトピン 56 排気口 40,60 不活性ガス供給管 61 反応性ガス供給管 62 第3の室 64 搬送装置 68,70 ゲートバルブ 76 不活性ガス供給管 134 レジスト塗布ユニット 136 乾燥ユニット 138 エッジリムーバ・ユニット 148 主搬送装置 170 ゲートバルブ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/31 H01L 21/30 567 Fターム(参考) 2H025 EA10 3L113 AA01 AB02 AB10 AC01 AC20 AC23 AC67 AC73 AC75 BA34 DA10 5F045 AB32 AE01 BB08 BB15 BB17 CA15 EB09 EB20 EN02 EN04 HA16 HA25 5F046 KA04 KA07 KA10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理基板上に塗布された揮発性の溶剤
    を含む塗布液を乾燥させる乾燥方法であって、 第1の減圧空間内に前記基板を置いて、前記塗布液中の
    溶剤を所定の量だけ揮発させる第1の工程と、 前記第1の乾燥工程の後に、前記第1の減圧空間から実
    質的に独立した第2の減圧空間内に前記基板を置きかつ
    加熱して、前記塗布液中の溶剤をさらに所定の量だけ揮
    発させる第2の工程とを有する乾燥方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の減圧空間の圧力を前記第1の
    減圧空間の圧力よりも低い値に設定する請求項1に記載
    の乾燥方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の工程中に前記基板に対する加
    熱温度を可変制御する工程を含む請求項1または2に記
    載の乾燥方法。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2の減圧空間をゲート
    機構を介して互いに隣接させ、前記第1の工程の終了後
    に前記ゲート機構を開状態にして前記基板を前記第1の
    減圧空間から前記ゲート機構を通って前記第2の減圧空
    間へ移す請求項1〜3のいずれかに記載の乾燥方法。
  5. 【請求項5】 前記第1および第2の減圧空間から実質
    的に独立した第3の減圧空間を第1および第2のゲート
    機構を介して前記第1および第2の減圧空間にそれぞれ
    隣接させ、前記第1の工程の終了後に前記第1のゲート
    機構を開状態にして前記基板を前記第1の減圧空間から
    前記第1のゲート機構を通って前記第3の減圧空間へ移
    し、次いで前記第2のゲート機構を開状態にして前記基
    板を前記第3の減圧空間から前記第2のゲート機構を通
    って前記第2の減圧空間へ移す請求項1〜3のいずれか
    に記載の乾燥方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の工程の開始前に前記第1のゲ
    ート機構を開状態にして前記基板を前記第3の減圧空間
    から前記第1のゲート機構を通って前記第1の減圧空間
    へ搬入する工程と、前記第2の工程の終了後に前記第2
    のゲート機構を開状態にして前記基板を前記第2の減圧
    空間から前記第2のゲート機構を通って前記第3の減圧
    空間へ搬出する工程とを含む請求項5に記載の乾燥方
    法。
  7. 【請求項7】 前記第2の工程中に前記第2の減圧空間
    を不活性ガスで満たす工程を含む請求項1〜6のいずれ
    かに記載の乾燥方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の工程中に前記第2の減圧空間
    を反応性ガスで満たす工程を含む請求項1〜6のいずれ
    かに記載の乾燥方法。
  9. 【請求項9】 被処理基板上に塗布された揮発性の溶剤
    を含む塗布液を乾燥する乾燥装置であって、 第1の減圧空間を有し、前記第1の減圧空間内に前記基
    板を置いて、前記塗布液中の溶剤を所定の量だけ揮発さ
    せる第1の処理部と、 前記第1の減圧空間から実質的に独立した第2の減圧空
    間を有し、前記第2の減圧空間内に前記基板を置いてか
    つ加熱して、前記塗布液中の溶剤をさらに所定の量だけ
    揮発させる第2の処理部とを有する乾燥装置。
  10. 【請求項10】 前記第1および第2の減圧空間をゲー
    ト機構を介して互いに隣接させ、開状態の前記ゲート機
    構を通って前記基板を搬送するための基板搬送手段を前
    記第1または第2の減圧空間内に設ける請求項9に記載
    の乾燥装置。
  11. 【請求項11】 第1のゲート機構を介して前記第1の
    減圧空間に隣接するとともに第2のゲート機構を介して
    前記第2の減圧空間に隣接する減圧可能な第3の室と、 前記第3の室内に配置され、開状態の前記第1のゲート
    機構を通って前記第1の減圧空間より前記基板を搬出
    し、開状態の前記第2のゲート機構を通って前記第2の
    減圧空間へ前記基板を搬入する基板搬送手段とを有する
    請求項9に記載の乾燥装置。
  12. 【請求項12】 前記第2の減圧空間内の所定位置に配
    設され、前記基板を加熱するための発熱体を有する加熱
    手段と、 前記加熱手段に対して可変制御可能な間隔を置いて前記
    基板を支持する基板支持部材と、 前記間隔を可変制御するために前記基板支持部材を変位
    させる駆動手段とを有する請求項9〜11に記載の乾燥
    装置。
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