JP2001302549A - 脂肪酸含有組成物 - Google Patents
脂肪酸含有組成物Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】水可溶性ケイ酸ポリマーの薬理活性を増強させ
る組成物を提供する。 【解決手段】本発明組成物は、抗アレルギー剤等の医薬
として有用な飽和脂肪酸及び水可溶性ケイ酸ポリマーを
有効成分として含有する医薬組成物である。 【効果】飽和脂肪酸と水可溶牲ケイ酸ポリマーとを組み
合わせることによって、該ケイ酸ポリマーの薬理活性を
増強させる効果を見い出した。誘因物質による肥満細胞
の細胞膜の構造変化によって誘因されるヒスタミン遊離
を本発明組成物は抑制することから、本発明組成物は細
胞防御等の優れた生体維持機能を有するものであり、抗
アレルギー剤等に医薬として有用である。
る組成物を提供する。 【解決手段】本発明組成物は、抗アレルギー剤等の医薬
として有用な飽和脂肪酸及び水可溶性ケイ酸ポリマーを
有効成分として含有する医薬組成物である。 【効果】飽和脂肪酸と水可溶牲ケイ酸ポリマーとを組み
合わせることによって、該ケイ酸ポリマーの薬理活性を
増強させる効果を見い出した。誘因物質による肥満細胞
の細胞膜の構造変化によって誘因されるヒスタミン遊離
を本発明組成物は抑制することから、本発明組成物は細
胞防御等の優れた生体維持機能を有するものであり、抗
アレルギー剤等に医薬として有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗アレルギー剤等の医
薬として有用な脂肪酸含有組成物、詳しくは飽和脂肪酸
及び水可溶性ケイ酸ポリマーを有効成分として含有する
医薬組成物に関する。
薬として有用な脂肪酸含有組成物、詳しくは飽和脂肪酸
及び水可溶性ケイ酸ポリマーを有効成分として含有する
医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】生命の単位である細胞は全て膜によって
囲まれている。この膜は内部で細胞の正常な活動が行わ
れるよう保護する包みとして役立つだけでなく、栄養物
等を取り込んだり、老廃物を排出する門戸としての役
割、更には細胞内外の情報伝達の役割も果たしている。
高等生物の細胞には、まわりを囲む細胞膜のほかに、内
部にも細胞内膜系の細胞小器官がある。細胞小器官は多
様に分化した役割を持ち、例えばミトコンドリアはエネ
ルギー産生、異化代謝、呼吸等の機能を有し、ライソソ
ームは内部に多くの加水分解酵素を内包するため細胞内
外物質の消化を行い、小胞体はタンパク質や脂質など生
体物質を合成する場であり、ゴルジ装置は小胞体で合成
された生体物質の細胞外への輸送分泌を行う。
囲まれている。この膜は内部で細胞の正常な活動が行わ
れるよう保護する包みとして役立つだけでなく、栄養物
等を取り込んだり、老廃物を排出する門戸としての役
割、更には細胞内外の情報伝達の役割も果たしている。
高等生物の細胞には、まわりを囲む細胞膜のほかに、内
部にも細胞内膜系の細胞小器官がある。細胞小器官は多
様に分化した役割を持ち、例えばミトコンドリアはエネ
ルギー産生、異化代謝、呼吸等の機能を有し、ライソソ
ームは内部に多くの加水分解酵素を内包するため細胞内
外物質の消化を行い、小胞体はタンパク質や脂質など生
体物質を合成する場であり、ゴルジ装置は小胞体で合成
された生体物質の細胞外への輸送分泌を行う。
【0003】これら細胞の形質膜や細胞小器官の膜の主
成分は極性脂質と膜タンパク質である。生体膜に含まれ
る脂質はリン脂質が主で、ホスファチジルコリン(PC)
とホスファチジルエタノールアミン(PE)がその60〜90
%を占める。ラット肝細胞のリン脂質の脂肪酸組成を調
べた結果、形質膜のPCでは37%がパルミチン酸、32%が
ステアリン酸であり、PEでは26%がパルミチン酸、33%
がステアリン酸であった。ミトコンドリアのPC、PEで
は、パルミチン酸が両者とも27%であり、ステアリン酸
が各々22%、27%であった。このようにパルミチン酸や
ステアリン酸等の飽和脂肪酸は生体膜の主要な構成成分
として知られている。
成分は極性脂質と膜タンパク質である。生体膜に含まれ
る脂質はリン脂質が主で、ホスファチジルコリン(PC)
とホスファチジルエタノールアミン(PE)がその60〜90
%を占める。ラット肝細胞のリン脂質の脂肪酸組成を調
べた結果、形質膜のPCでは37%がパルミチン酸、32%が
ステアリン酸であり、PEでは26%がパルミチン酸、33%
がステアリン酸であった。ミトコンドリアのPC、PEで
は、パルミチン酸が両者とも27%であり、ステアリン酸
が各々22%、27%であった。このようにパルミチン酸や
ステアリン酸等の飽和脂肪酸は生体膜の主要な構成成分
として知られている。
【0004】またケイ素は動植物界に広く分布してお
り、特に動物組織においてケイ酸塩として毛、羽、骨、
皮膚などに存在し、骨形成における必須成分であること
が知られている。動物組織中では、コラーゲン中の交差
結合鎖を形成し、酸性ムコ多糖体の構成成分として含ま
れている。このようにケイ素は生体組織に必須な成分で
あるが、動物にケイ素を投与した場合の薬理作用として
は、抗マクロファージ作用による免疫抑制作用や抗糖尿
病作用などのわずかな薬理作用が知られているに過ぎな
い。またその医薬用途としては、ケイ酸化合物であるケ
イ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム等が制酸剤とし
て使用されている程度であった。
り、特に動物組織においてケイ酸塩として毛、羽、骨、
皮膚などに存在し、骨形成における必須成分であること
が知られている。動物組織中では、コラーゲン中の交差
結合鎖を形成し、酸性ムコ多糖体の構成成分として含ま
れている。このようにケイ素は生体組織に必須な成分で
あるが、動物にケイ素を投与した場合の薬理作用として
は、抗マクロファージ作用による免疫抑制作用や抗糖尿
病作用などのわずかな薬理作用が知られているに過ぎな
い。またその医薬用途としては、ケイ酸化合物であるケ
イ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム等が制酸剤とし
て使用されている程度であった。
【0005】本発明者はケイ酸およびケイ素含有化合物
の生体内での機能並びに薬理学的作用に着目して研究を
続けており、ケイ酸ポリマーに関しては、本発明者独自
の方法で水溶性ケイ酸類をポリマー化して製造した水可
溶性のケイ酸ポリマーが、病態時に生ずる生体の細胞機
能不全に伴う神経系・内分泌系並びに免疫系の歪みを調
節し、これを修復して生体機能を正常化する優れた作用
を見い出し、特許出願している。これはモノマーの状態
では見られなかった薬理活性であり、水可溶性ケイ酸ポ
リマーとなって初めて見い出された効果であり、例え
ば、特許第2698908号公報には水可溶性ケイ酸ポリマー
及びその製造方法が、また特許第2588109号公報、特許
第2727441号公報、特許第2727442号公報、特許第294878
4号公報、特許第3113619号公報には各々該水可溶性ケイ
酸ポリマーの鎮痛剤、抗アレルギー剤、異常知覚改善
剤、末梢血流改善剤、抗炎症剤としての用途が記載され
ている。
の生体内での機能並びに薬理学的作用に着目して研究を
続けており、ケイ酸ポリマーに関しては、本発明者独自
の方法で水溶性ケイ酸類をポリマー化して製造した水可
溶性のケイ酸ポリマーが、病態時に生ずる生体の細胞機
能不全に伴う神経系・内分泌系並びに免疫系の歪みを調
節し、これを修復して生体機能を正常化する優れた作用
を見い出し、特許出願している。これはモノマーの状態
では見られなかった薬理活性であり、水可溶性ケイ酸ポ
リマーとなって初めて見い出された効果であり、例え
ば、特許第2698908号公報には水可溶性ケイ酸ポリマー
及びその製造方法が、また特許第2588109号公報、特許
第2727441号公報、特許第2727442号公報、特許第294878
4号公報、特許第3113619号公報には各々該水可溶性ケイ
酸ポリマーの鎮痛剤、抗アレルギー剤、異常知覚改善
剤、末梢血流改善剤、抗炎症剤としての用途が記載され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記水可
溶性ケイ酸ポリマーに関する研究をさらに進めた結果、
細胞膜の主要構成成分である飽和脂肪酸と水可溶牲ケイ
酸ポリマーとを組み合わせることによって、該ケイ酸ポ
リマーの薬理活性を増強させる効果を見い出し、本発明
を完成した。
溶性ケイ酸ポリマーに関する研究をさらに進めた結果、
細胞膜の主要構成成分である飽和脂肪酸と水可溶牲ケイ
酸ポリマーとを組み合わせることによって、該ケイ酸ポ
リマーの薬理活性を増強させる効果を見い出し、本発明
を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、抗アレ
ルギー剤等の医薬として有用な飽和脂肪酸及び水可溶性
ケイ酸ポリマーを有効成分として含有する医薬組成物を
提供することにある。
ルギー剤等の医薬として有用な飽和脂肪酸及び水可溶性
ケイ酸ポリマーを有効成分として含有する医薬組成物を
提供することにある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明医薬組成物の有効成分の一
つである水可溶性ケイ酸ポリマーは、ケイ酸又はケイ酸
塩が重合したケイ酸ポリマーであり、ケイ酸種として
は、例えばオルトケイ酸、メタケイ酸、メソ二ケイ酸、
メソ三ケイ酸、メソ四ケイ酸等が挙げられる。これらケ
イ酸の塩、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属との塩或いはケイ酸アルカリ塩の濃厚水溶液である水
ガラス等のケイ酸含有物質を用いて製造することもでき
る。また、酸化ケイ素にアルカリ水溶液を加え、加熱溶
解して生成したケイ酸塩溶液も使用することができる。
つである水可溶性ケイ酸ポリマーは、ケイ酸又はケイ酸
塩が重合したケイ酸ポリマーであり、ケイ酸種として
は、例えばオルトケイ酸、メタケイ酸、メソ二ケイ酸、
メソ三ケイ酸、メソ四ケイ酸等が挙げられる。これらケ
イ酸の塩、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属との塩或いはケイ酸アルカリ塩の濃厚水溶液である水
ガラス等のケイ酸含有物質を用いて製造することもでき
る。また、酸化ケイ素にアルカリ水溶液を加え、加熱溶
解して生成したケイ酸塩溶液も使用することができる。
【0009】本発明の水可溶性ケイ酸ポリマーは、分子
量は4800乃至200万、好ましくは13000乃至100万であり
(ゲル濾過法、限外濾過法、電気泳動法などにより分
析)であり、ケイ酸の重合度は75乃至33000、好ましく
は210乃至16500で示される。
量は4800乃至200万、好ましくは13000乃至100万であり
(ゲル濾過法、限外濾過法、電気泳動法などにより分
析)であり、ケイ酸の重合度は75乃至33000、好ましく
は210乃至16500で示される。
【0010】本発明のケイ酸ポリマーは、例えば次のよ
うな方法により製造することができる。オルトケイ酸ナ
トリウム、メタケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸カリウ
ム、メタケイ酸カリウム等の水溶性ケイ酸塩、又は水ガ
ラス等のケイ酸含有物質を水溶性溶媒に溶解する。上記
ケイ酸塩の水溶液は高pHであるので、塩酸、硫酸、酢酸
等の通常の酸類でpH2乃至10、好ましくはpH4〜9.5の範
囲に調整するのが好ましい。該水溶液には乳糖、マンニ
ット、ソルビット、白糖、ブドウ糖、果糖、ガラクトー
ス等の糖類を添加しておくのが好ましい。また食塩、塩
化カリウム、硫酸ナトリウム等の塩類を添加してもよ
い。
うな方法により製造することができる。オルトケイ酸ナ
トリウム、メタケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸カリウ
ム、メタケイ酸カリウム等の水溶性ケイ酸塩、又は水ガ
ラス等のケイ酸含有物質を水溶性溶媒に溶解する。上記
ケイ酸塩の水溶液は高pHであるので、塩酸、硫酸、酢酸
等の通常の酸類でpH2乃至10、好ましくはpH4〜9.5の範
囲に調整するのが好ましい。該水溶液には乳糖、マンニ
ット、ソルビット、白糖、ブドウ糖、果糖、ガラクトー
ス等の糖類を添加しておくのが好ましい。また食塩、塩
化カリウム、硫酸ナトリウム等の塩類を添加してもよ
い。
【0011】また、丹参、紫霊芝、木賊等の動植物を起
源とする生薬類やワクシニアウイルス接種動物組織抽出
物にも上記水可溶性ケイ酸ポリマーを含有する。従っ
て、これら生薬や抽出物から精製して得られた水可溶性
ケイ酸ポリマーを本発明組成物の有効成分として利用で
き、或いは該生薬や抽出物に飽和脂肪酸を添加して、こ
れらに含有される水可溶性ケイ酸ポリマーの作用を増強
させることもできる。
源とする生薬類やワクシニアウイルス接種動物組織抽出
物にも上記水可溶性ケイ酸ポリマーを含有する。従っ
て、これら生薬や抽出物から精製して得られた水可溶性
ケイ酸ポリマーを本発明組成物の有効成分として利用で
き、或いは該生薬や抽出物に飽和脂肪酸を添加して、こ
れらに含有される水可溶性ケイ酸ポリマーの作用を増強
させることもできる。
【0012】製剤上好ましくは、上記の水可溶性ケイ酸
ポリマー含有水溶液を乾燥させて粉末状にしてもよい。
粉末化は通常用いられている方法により行うことが可能
であり、例えば加熱又は凍結乾燥する方法が利用でき
る。加熱乾燥するとき、好ましい粉末化を行うために、
例えば150乃至250℃の下に乾燥する方法等が挙げられ
る。凍結乾燥するには、常法に従って減圧下にて凍結乾
燥して粉末化することができる。
ポリマー含有水溶液を乾燥させて粉末状にしてもよい。
粉末化は通常用いられている方法により行うことが可能
であり、例えば加熱又は凍結乾燥する方法が利用でき
る。加熱乾燥するとき、好ましい粉末化を行うために、
例えば150乃至250℃の下に乾燥する方法等が挙げられ
る。凍結乾燥するには、常法に従って減圧下にて凍結乾
燥して粉末化することができる。
【0013】ポリマーとしての確認は、モリブデン酸ア
ンモニウム液を加え、亜硫酸塩溶液で還元することによ
り生じるモリブデン酸青の発色が重合により低下する方
法等によって確認することができる。また酸性条件下で
ゲル濾過法を行うことにより高分子帯にケイ酸ポリマー
を分離することができ、これをアルカリ下で分解してモ
リブデンケイ酸青により確認することも可能である。
ンモニウム液を加え、亜硫酸塩溶液で還元することによ
り生じるモリブデン酸青の発色が重合により低下する方
法等によって確認することができる。また酸性条件下で
ゲル濾過法を行うことにより高分子帯にケイ酸ポリマー
を分離することができ、これをアルカリ下で分解してモ
リブデンケイ酸青により確認することも可能である。
【0014】本発明医薬組成物の有効成分として含有さ
れる飽和脂肪酸とは、分子内に二重結合、三重結合を持
たない脂肪酸の総称であり、CnH2n+1COOHの
化学式で示される。該飽和脂肪酸は、直鎖状または分枝
状の飽和脂肪酸を用いることができ、好ましくは、炭素
数8乃至26の飽和脂肪酸、例えばカプリル酸(8:0)、カ
プリン酸(10:0)、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸
(14:0)、ペンタデカン酸(15:0)、パルミチン酸(1
6:0)、ヘプタデカン酸(17:0)、ステアリン酸(18:
0)、イコサン酸(20:0)、ヘンエイコサン酸(21:
0)、ドコサン酸(22:0)、トリコサン酸(23:0)、リ
グノセリン酸(24:0)、セロチン酸(26:0)等の直鎖状
飽和脂肪酸や2-ヘキシルデカン酸(16:0)、13-メチル
ペンタデカン酸(16:0)、16-メチルヘプタデカン酸(1
8:0)等の分枝状飽和脂肪酸が挙げられる。
れる飽和脂肪酸とは、分子内に二重結合、三重結合を持
たない脂肪酸の総称であり、CnH2n+1COOHの
化学式で示される。該飽和脂肪酸は、直鎖状または分枝
状の飽和脂肪酸を用いることができ、好ましくは、炭素
数8乃至26の飽和脂肪酸、例えばカプリル酸(8:0)、カ
プリン酸(10:0)、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸
(14:0)、ペンタデカン酸(15:0)、パルミチン酸(1
6:0)、ヘプタデカン酸(17:0)、ステアリン酸(18:
0)、イコサン酸(20:0)、ヘンエイコサン酸(21:
0)、ドコサン酸(22:0)、トリコサン酸(23:0)、リ
グノセリン酸(24:0)、セロチン酸(26:0)等の直鎖状
飽和脂肪酸や2-ヘキシルデカン酸(16:0)、13-メチル
ペンタデカン酸(16:0)、16-メチルヘプタデカン酸(1
8:0)等の分枝状飽和脂肪酸が挙げられる。
【0015】これら飽和脂肪酸は一種で又は数種を組み
合わせた混合物として用いることができる。遊離型又は
ナトリウム塩やカリウム塩等の塩として用いることがで
き、水に可溶の形で用いるのが好ましい。飽和脂肪酸及
びその塩は、市販されているものを用いることもできる
し、動物性油脂や植物油等を原料として抽出・精製した
ものを使用することもできる。
合わせた混合物として用いることができる。遊離型又は
ナトリウム塩やカリウム塩等の塩として用いることがで
き、水に可溶の形で用いるのが好ましい。飽和脂肪酸及
びその塩は、市販されているものを用いることもできる
し、動物性油脂や植物油等を原料として抽出・精製した
ものを使用することもできる。
【0016】本発明において、水可溶性ケイ酸ポリマー
(ケイ素換算量)に対して20分の1乃至50倍(w/
w)、好ましくは10分の1乃至30倍の量の飽和脂肪
酸を用いることによって、所望の効果を得ることができ
る。
(ケイ素換算量)に対して20分の1乃至50倍(w/
w)、好ましくは10分の1乃至30倍の量の飽和脂肪
酸を用いることによって、所望の効果を得ることができ
る。
【0017】本発明の有効成分である飽和脂肪酸と水可
溶性ケイ酸ポリマーは、適当な医薬用の担体若しくは希
釈剤と組み合わせて医薬組成物とすることができ、通常
の方法によって各種製剤化可能であり、皮下、静脈内、
筋肉内、直腸内、鼻腔内投与用の非経口剤として、又は
錠剤、カプセル剤、粉末剤、液剤等の経口剤として製剤
化できる。処方にあたっては、本発明の有効成分のみで
用いるか、或いは他の医薬活性成分と適宜組み合わせて
処方してもよい。
溶性ケイ酸ポリマーは、適当な医薬用の担体若しくは希
釈剤と組み合わせて医薬組成物とすることができ、通常
の方法によって各種製剤化可能であり、皮下、静脈内、
筋肉内、直腸内、鼻腔内投与用の非経口剤として、又は
錠剤、カプセル剤、粉末剤、液剤等の経口剤として製剤
化できる。処方にあたっては、本発明の有効成分のみで
用いるか、或いは他の医薬活性成分と適宜組み合わせて
処方してもよい。
【0018】注射剤としては、注射用蒸留水、生理食塩
水、ブドウ糖注射液等の水性溶剤、又はプロピレングリ
コール等の非水性溶剤の溶液、懸濁液若しくは乳化液と
することができ、必要に応じ溶解補助剤、等張化剤、懸
濁化剤、乳化剤、安定剤、保存剤等の通常用いられる添
加剤を適宜加えてもよい。また、無菌処理をしたバイア
ル入粉末を、例えば注射用蒸溜水、生理食塩水、リンゲ
ル液等の上記溶液に用時溶解して用いることができる。
さらに疾患の種類や患者に応じて、その治療に最適な上
記以外の剤型、シロップ剤、坐剤、吸入剤、エアゾール
剤、点眼剤、外用剤(軟膏剤、ゲル剤、貼付剤など)等
に製剤化することができる。
水、ブドウ糖注射液等の水性溶剤、又はプロピレングリ
コール等の非水性溶剤の溶液、懸濁液若しくは乳化液と
することができ、必要に応じ溶解補助剤、等張化剤、懸
濁化剤、乳化剤、安定剤、保存剤等の通常用いられる添
加剤を適宜加えてもよい。また、無菌処理をしたバイア
ル入粉末を、例えば注射用蒸溜水、生理食塩水、リンゲ
ル液等の上記溶液に用時溶解して用いることができる。
さらに疾患の種類や患者に応じて、その治療に最適な上
記以外の剤型、シロップ剤、坐剤、吸入剤、エアゾール
剤、点眼剤、外用剤(軟膏剤、ゲル剤、貼付剤など)等
に製剤化することができる。
【0019】経口投与製剤としては、両成分をそのまま
或いは適当な添加剤、例えば乳糖、マンニット、トウモ
ロコシデンプン、バレイショデンプン、クエン酸カルシ
ウム等の慣用の賦形剤と共に、結晶セルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、アラビ
アゴム、トウモロコシデンプン、ゼラチン等の結合剤、
トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、カルボキ
シメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤、タルク等の
滑沢剤、その他増量剤、湿潤化剤、緩衝剤、安定剤、保
存剤、香料等を適宜組み合わせて錠剤、散剤、顆粒剤或
いはカプセル剤とすることができる。
或いは適当な添加剤、例えば乳糖、マンニット、トウモ
ロコシデンプン、バレイショデンプン、クエン酸カルシ
ウム等の慣用の賦形剤と共に、結晶セルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、アラビ
アゴム、トウモロコシデンプン、ゼラチン等の結合剤、
トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、カルボキ
シメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤、タルク等の
滑沢剤、その他増量剤、湿潤化剤、緩衝剤、安定剤、保
存剤、香料等を適宜組み合わせて錠剤、散剤、顆粒剤或
いはカプセル剤とすることができる。
【0020】本発明物質の望ましい投与量は、投与対象
(患者の年齢、体重、症状など)、剤形、投与方法、投
与期間等によって変わるが、所望の効果を得るには、一
般の成人に対して通常1日にケイ酸量として1μg乃至10m
g/kgを1回乃至数回に分けて投与することができる。注
射剤等の非経口投与の場合、吸収等の影響により、経口
投与量の3乃至10分の1の用量レベルの投与量が一般的に
好ましい。
(患者の年齢、体重、症状など)、剤形、投与方法、投
与期間等によって変わるが、所望の効果を得るには、一
般の成人に対して通常1日にケイ酸量として1μg乃至10m
g/kgを1回乃至数回に分けて投与することができる。注
射剤等の非経口投与の場合、吸収等の影響により、経口
投与量の3乃至10分の1の用量レベルの投与量が一般的に
好ましい。
【0021】以下に本発明の好ましい態様を示す。 (1)飽和脂肪酸及び水可溶性ケイ酸ポリマーを有効成
分として含有する医薬組成物。 (2)飽和脂肪酸が炭素数8乃至26の飽和脂肪酸である
上記(1)記載の医薬組成物。 (3)飽和脂肪酸がステアリン酸である上記(2)記載
の医薬組成物。 (4)水可溶性ケイ酸ポリマーの分子量が4800乃至200
万である上記(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の
医薬組成物。 (5)糖類を含有する上記(1)乃至(4)のいずれか
一つに記載の医薬組成物。 (6)糖類が乳糖、マンニット、ソルビット、白糖、ブ
ドウ糖、果糖又はガラクトースである上記(5)記載の
医薬組成物。 (7)抗アレルギー剤である上記(1)記載の医薬組成
物。 (8)抗炎症剤である上記(1)記載の医薬組成物。
分として含有する医薬組成物。 (2)飽和脂肪酸が炭素数8乃至26の飽和脂肪酸である
上記(1)記載の医薬組成物。 (3)飽和脂肪酸がステアリン酸である上記(2)記載
の医薬組成物。 (4)水可溶性ケイ酸ポリマーの分子量が4800乃至200
万である上記(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の
医薬組成物。 (5)糖類を含有する上記(1)乃至(4)のいずれか
一つに記載の医薬組成物。 (6)糖類が乳糖、マンニット、ソルビット、白糖、ブ
ドウ糖、果糖又はガラクトースである上記(5)記載の
医薬組成物。 (7)抗アレルギー剤である上記(1)記載の医薬組成
物。 (8)抗炎症剤である上記(1)記載の医薬組成物。
【0022】(9)飽和脂肪酸によって水可溶性ケイ酸
ポリマーの薬理活性を増強させる方法。 (10)飽和脂肪酸が炭素数8乃至26の飽和脂肪酸であ
る上記(9)記載の方法。 (11)飽和脂肪酸がステアリン酸である上記(10)
記載の方法。 (12)水可溶性ケイ酸ポリマーの分子量が4800乃至20
0万である上記(9)乃至(11)のいずれか一つに記
載の方法。
ポリマーの薬理活性を増強させる方法。 (10)飽和脂肪酸が炭素数8乃至26の飽和脂肪酸であ
る上記(9)記載の方法。 (11)飽和脂肪酸がステアリン酸である上記(10)
記載の方法。 (12)水可溶性ケイ酸ポリマーの分子量が4800乃至20
0万である上記(9)乃至(11)のいずれか一つに記
載の方法。
【0023】
【実施例】参考例1.7.6gの水ガラス(ケイ素として1.
2g)を100mLの水に溶解した。別に97.5gの乳糖を300mL
の水に加温溶解し、これに水ガラス溶液を混和した後、
希塩酸を用いてpHを8.0に調整した。これを200℃で乾燥
し、90gの粉末を回収した。得られた本発明ケイ酸ポリ
マーは次のような物性値を有しており、1g中12mgのケイ
素を含んでいた。 ・分子量:13000乃至100万 ・重合度:210乃至16500
2g)を100mLの水に溶解した。別に97.5gの乳糖を300mL
の水に加温溶解し、これに水ガラス溶液を混和した後、
希塩酸を用いてpHを8.0に調整した。これを200℃で乾燥
し、90gの粉末を回収した。得られた本発明ケイ酸ポリ
マーは次のような物性値を有しており、1g中12mgのケイ
素を含んでいた。 ・分子量:13000乃至100万 ・重合度:210乃至16500
【0024】参考例2.12.9gのメタケイ酸ナトリウム
(ケイ素として1.2g)を100mLの水に溶解した。別に95.
8gの乳糖を300mLの水に加温溶解し、これにメタケイ酸
ナトリウム溶液を混和した後、希塩酸を用いてpHを8.O
に調整した。これを200℃で乾燥し90gの粉末を回収し
た。得られた本発明ケイ酸ポリマーは次のような物性値
を有しており、1g中に12mgのケイ素を含んでいた。 ・分子量:15000乃至90万 ・重合度:250乃至15000
(ケイ素として1.2g)を100mLの水に溶解した。別に95.
8gの乳糖を300mLの水に加温溶解し、これにメタケイ酸
ナトリウム溶液を混和した後、希塩酸を用いてpHを8.O
に調整した。これを200℃で乾燥し90gの粉末を回収し
た。得られた本発明ケイ酸ポリマーは次のような物性値
を有しており、1g中に12mgのケイ素を含んでいた。 ・分子量:15000乃至90万 ・重合度:250乃至15000
【0025】参考例3.5.9gのオルトケイ酸ナトリウム
(ケイ素としてO.6g)を100mLの水に溶解した。別に99g
のマンニットを300mLの水に加温溶解し、これにオルト
ケイ酸ナトリウム溶液を混和した後、希塩酸を用いてpH
を8.0に調整した。これを200℃で乾燥し、88gの粉末を
回収した。得られた本発明ケイ酸ポリマーは次のような
物性値を有しており、1g中6mgのケイ素を含んでいた。 ・分子量:20000乃至100万 ・重合度:330乃至16500
(ケイ素としてO.6g)を100mLの水に溶解した。別に99g
のマンニットを300mLの水に加温溶解し、これにオルト
ケイ酸ナトリウム溶液を混和した後、希塩酸を用いてpH
を8.0に調整した。これを200℃で乾燥し、88gの粉末を
回収した。得られた本発明ケイ酸ポリマーは次のような
物性値を有しており、1g中6mgのケイ素を含んでいた。 ・分子量:20000乃至100万 ・重合度:330乃至16500
【0026】参考例4.1.89gの水ガラス(ケイ素とし
て0.3g)を100mLの水に溶解した。これに500mLの20%乳
糖水溶液を加え、希塩酸でpH8.Oに調整した。この液を
1.2mLずつバイアル瓶に充填し、次いで凍結乾燥を行っ
た。得られた乾燥粉末品は1バイアル中0.6mgのケイ素を
含有し、次のような物性値を有するものであった。 ・分子量:30000乃至150万 ・重合度:490乃至25000
て0.3g)を100mLの水に溶解した。これに500mLの20%乳
糖水溶液を加え、希塩酸でpH8.Oに調整した。この液を
1.2mLずつバイアル瓶に充填し、次いで凍結乾燥を行っ
た。得られた乾燥粉末品は1バイアル中0.6mgのケイ素を
含有し、次のような物性値を有するものであった。 ・分子量:30000乃至150万 ・重合度:490乃至25000
【0027】実施例1.後述する薬理試験に供するた
め、本発明脂肪酸含有組成物の水溶液を以下のように調
製した。本試験で用いた飽和脂肪酸は和光純薬工業株式
会社と東京化成工業株式会社から購入した。飽和脂肪酸
を20mg量り採り、それと当モル量(又は必要に応じて増
量)の水酸化ナトリウム(1mol/Lの水溶液)及び生理食
塩液(又は蒸留水)を加えて溶かし、全量を200mLとし
た。この液(100μg/mL)をそのまま(原液)或いは生
理食塩液で適宜希釈して試験に用いた。イコサン酸以上
の長鎖の飽和脂肪酸は溶けにくいため、25μg/mLの濃度
の溶液を調製して原液とした。
め、本発明脂肪酸含有組成物の水溶液を以下のように調
製した。本試験で用いた飽和脂肪酸は和光純薬工業株式
会社と東京化成工業株式会社から購入した。飽和脂肪酸
を20mg量り採り、それと当モル量(又は必要に応じて増
量)の水酸化ナトリウム(1mol/Lの水溶液)及び生理食
塩液(又は蒸留水)を加えて溶かし、全量を200mLとし
た。この液(100μg/mL)をそのまま(原液)或いは生
理食塩液で適宜希釈して試験に用いた。イコサン酸以上
の長鎖の飽和脂肪酸は溶けにくいため、25μg/mLの濃度
の溶液を調製して原液とした。
【0028】水可溶性ケイ酸ポリマーは上記参考例1の
粉末25mgをバイアルに量り採り、該ケイ酸ポリマー単独
の活性を測定する際は、3mLの生理食塩液で溶かして原
液とし、生理食塩液で適宜希釈して試験に用いた。本発
明組成物は飽和脂肪酸及び水可溶性ケイ酸ポリマーとか
ら成るものである。従って、25mgの水可溶性ケイ酸ポリ
マーが入っているバイアルに、生理食塩液の代わりに上
記飽和脂肪酸の原液3mLを加えて溶かし、本発明組成物
の原液として同様に試験に用いた。
粉末25mgをバイアルに量り採り、該ケイ酸ポリマー単独
の活性を測定する際は、3mLの生理食塩液で溶かして原
液とし、生理食塩液で適宜希釈して試験に用いた。本発
明組成物は飽和脂肪酸及び水可溶性ケイ酸ポリマーとか
ら成るものである。従って、25mgの水可溶性ケイ酸ポリ
マーが入っているバイアルに、生理食塩液の代わりに上
記飽和脂肪酸の原液3mLを加えて溶かし、本発明組成物
の原液として同様に試験に用いた。
【0029】実施例2. 肥満細胞からのヒスタミン遊
離抑制作用(脱顆粒抑制作用) ウイスター系雄性ラット(150〜200g)を断頭放血し、
その腹腔内に5U/mLのヘパリンを含むMCM(Mast Cell
Medium、150mmol/L-NaC1, 3.7mmol/L-KCl, 0.9mmol/L-
CaCl2, 0.9mmol/L-MgCl2, 3.0mmol/L-Na2HP04, 3.5mmol
/L-KH2P04, 5.6mmol/L-Glucose, 0.1%-Geratin, pH=6.
8)を10mLを注入して約90秒間マッサージした後、開腹
して腹腔内浸出細胞(PEC)浮遊液を採取した。この細
胞を4℃にて5分間、130xgで3回遠心洗浄し、最後に適当
量のMCMに浮遊させて肥満細胞浮遊液(1〜2x105個/m
L)とした。この細胞浮遊液1mLと各被検物質(原液及び
これを適宜希釈した試料)0.5mLをポリチューブに入れ
て37℃にて10分間反応させ、さらにコンパウンド48/80
(終濃度50 mg/mL)0.5mLを加えて10分間反応させた。
次にチューブを氷水中に入れて反応を停止した後、4℃
にて5分間、130xgで遠心分離し、その上清1 mLについて
Shoreらの方法(J. Pharm. Exp. Ther., 127, 183-186
(1959))により、遊離ヒスタミン量を抽出測定した。別
の細胞浮遊液1mLに蒸留水と6%過塩素酸を各0.5mLずつ
を加えて混和後、遠心分離(130xg)して得られた上清1
mLについて、同様にヒスタミン量を測定してTotalヒス
タミン量とした。Totalヒスタミン量の約半量のヒスタ
ミンが遊離する程度に、コンパウンド48/80の使用濃度
を上記のように定めた。
離抑制作用(脱顆粒抑制作用) ウイスター系雄性ラット(150〜200g)を断頭放血し、
その腹腔内に5U/mLのヘパリンを含むMCM(Mast Cell
Medium、150mmol/L-NaC1, 3.7mmol/L-KCl, 0.9mmol/L-
CaCl2, 0.9mmol/L-MgCl2, 3.0mmol/L-Na2HP04, 3.5mmol
/L-KH2P04, 5.6mmol/L-Glucose, 0.1%-Geratin, pH=6.
8)を10mLを注入して約90秒間マッサージした後、開腹
して腹腔内浸出細胞(PEC)浮遊液を採取した。この細
胞を4℃にて5分間、130xgで3回遠心洗浄し、最後に適当
量のMCMに浮遊させて肥満細胞浮遊液(1〜2x105個/m
L)とした。この細胞浮遊液1mLと各被検物質(原液及び
これを適宜希釈した試料)0.5mLをポリチューブに入れ
て37℃にて10分間反応させ、さらにコンパウンド48/80
(終濃度50 mg/mL)0.5mLを加えて10分間反応させた。
次にチューブを氷水中に入れて反応を停止した後、4℃
にて5分間、130xgで遠心分離し、その上清1 mLについて
Shoreらの方法(J. Pharm. Exp. Ther., 127, 183-186
(1959))により、遊離ヒスタミン量を抽出測定した。別
の細胞浮遊液1mLに蒸留水と6%過塩素酸を各0.5mLずつ
を加えて混和後、遠心分離(130xg)して得られた上清1
mLについて、同様にヒスタミン量を測定してTotalヒス
タミン量とした。Totalヒスタミン量の約半量のヒスタ
ミンが遊離する程度に、コンパウンド48/80の使用濃度
を上記のように定めた。
【0030】結果の一例を以下に示す。希釈度が1/4と
いうのが被検物質の原液をそのまま用いたときの結果で
ある(被検薬液0.5mL/試験系の最終量2mL)。被検物質
のヒスタミン遊離抑制作用は、コントロール(生理食塩
液のみ)のヒスタミン遊離量を100%として、対コント
ロール(%)の値で示した。なお、肥満細胞は試験毎に
調製するため、その感度は試験における調製毎に変化す
る。例えば、表3の試験で調製した細胞は、非常に感受
性の高い細胞であったため、低濃度の試料で効果が見ら
れた。
いうのが被検物質の原液をそのまま用いたときの結果で
ある(被検薬液0.5mL/試験系の最終量2mL)。被検物質
のヒスタミン遊離抑制作用は、コントロール(生理食塩
液のみ)のヒスタミン遊離量を100%として、対コント
ロール(%)の値で示した。なお、肥満細胞は試験毎に
調製するため、その感度は試験における調製毎に変化す
る。例えば、表3の試験で調製した細胞は、非常に感受
性の高い細胞であったため、低濃度の試料で効果が見ら
れた。
【表1】
【表2】
【表3】
【0031】
【発明の効果】上記の薬理試験の結果から明らかなよう
に、飽和脂肪酸類は肥満細胞からのヒスタミン遊離に対
してほとんど抑制作用を示さない。水可溶性ケイ酸ポリ
マーは表1に示したとおり用量依存的にヒスタミン遊離
抑制作用を有するが、飽和脂肪酸と組み合わせることに
よって、その作用が非常に増強された。従って、本発明
組成物はヒスタミンが関与する疾患、例えばアレルギー
や炎症に対する治療・予防剤として有用なものである。
に、飽和脂肪酸類は肥満細胞からのヒスタミン遊離に対
してほとんど抑制作用を示さない。水可溶性ケイ酸ポリ
マーは表1に示したとおり用量依存的にヒスタミン遊離
抑制作用を有するが、飽和脂肪酸と組み合わせることに
よって、その作用が非常に増強された。従って、本発明
組成物はヒスタミンが関与する疾患、例えばアレルギー
や炎症に対する治療・予防剤として有用なものである。
【0032】肥満細胞(マスト細胞)はヒスタミンを含
有する顆粒を含み、IgE受容体の架橋反応の他、アナフ
ィラトキシンである補体成分であるC3aやC5a、化学物質
のコンパウンド48/80等によっても脱顆粒が起こり、細
胞外へヒスタミンが遊離され、アレルギー反応が引き起
こされる。即ち、これら誘因物質によって肥満細胞の細
胞膜において構造変化が起こり、ヒスタミンが遊離され
るのであり、本発明組成物はこの細胞膜変化に対する保
護作用を有するものと考えられる。細胞は生体の基本単
位であり、外的・内的な刺激やストレス等によって細胞
が傷害を受け、アレルギーや炎症が惹起されるのであ
り、本発明組成物は細胞傷害を防御する優れた生体維持
機能を有するものである。
有する顆粒を含み、IgE受容体の架橋反応の他、アナフ
ィラトキシンである補体成分であるC3aやC5a、化学物質
のコンパウンド48/80等によっても脱顆粒が起こり、細
胞外へヒスタミンが遊離され、アレルギー反応が引き起
こされる。即ち、これら誘因物質によって肥満細胞の細
胞膜において構造変化が起こり、ヒスタミンが遊離され
るのであり、本発明組成物はこの細胞膜変化に対する保
護作用を有するものと考えられる。細胞は生体の基本単
位であり、外的・内的な刺激やストレス等によって細胞
が傷害を受け、アレルギーや炎症が惹起されるのであ
り、本発明組成物は細胞傷害を防御する優れた生体維持
機能を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 A61P 29/00 37/06 37/06 37/08 37/08
Claims (2)
- 【請求項1】 飽和脂肪酸及び水可溶性ケイ酸ポリマー
を有効成分として含有する医薬組成物。 - 【請求項2】 飽和脂肪酸によって水可溶性ケイ酸ポリ
マーの薬理活性を増強させる方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001039809A JP2001302549A (ja) | 2000-02-18 | 2001-02-16 | 脂肪酸含有組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000-41327 | 2000-02-18 | ||
JP2000041327 | 2000-02-18 | ||
JP2001039809A JP2001302549A (ja) | 2000-02-18 | 2001-02-16 | 脂肪酸含有組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001302549A true JP2001302549A (ja) | 2001-10-31 |
Family
ID=26585665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001039809A Pending JP2001302549A (ja) | 2000-02-18 | 2001-02-16 | 脂肪酸含有組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001302549A (ja) |
-
2001
- 2001-02-16 JP JP2001039809A patent/JP2001302549A/ja active Pending
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