JP2001302541A - Hvj−電荷型リポソームからなるアジュバント - Google Patents
Hvj−電荷型リポソームからなるアジュバントInfo
- Publication number
- JP2001302541A JP2001302541A JP2000128670A JP2000128670A JP2001302541A JP 2001302541 A JP2001302541 A JP 2001302541A JP 2000128670 A JP2000128670 A JP 2000128670A JP 2000128670 A JP2000128670 A JP 2000128670A JP 2001302541 A JP2001302541 A JP 2001302541A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hvj
- liposome
- charged
- adjuvant
- hiv
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】液性免疫及び細胞免疫を誘導することができ、
且つ免疫原性の低いペプチドに対しても高い免疫増強活
性を誘導することができるHVJ-電荷型リポソームからな
るアジュバント及びその利用法を提供することにある。 【解決手段】電荷を有する脂質及びセンダイウイルス
(HVJ)を主構成要素とするHVJ-電荷型リポソーム、該H
VJ-電荷型リポソームにヒト免疫不全ウイルスのエピト
ープペプチドを封入した免疫組成物並びにこれらの作製
方法。
且つ免疫原性の低いペプチドに対しても高い免疫増強活
性を誘導することができるHVJ-電荷型リポソームからな
るアジュバント及びその利用法を提供することにある。 【解決手段】電荷を有する脂質及びセンダイウイルス
(HVJ)を主構成要素とするHVJ-電荷型リポソーム、該H
VJ-電荷型リポソームにヒト免疫不全ウイルスのエピト
ープペプチドを封入した免疫組成物並びにこれらの作製
方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液性免疫及び細胞
性免疫を効果的に増強することができる電荷型リポソー
ム及びその製造方法に関する。更に詳細には、細胞融合
作用を有するセンダイウイルス(Hemagglutinating Vir
us of Japan:HVJと称することもある)及び正・負荷電
脂質を含む電荷型リポソーム、該電荷型リポソームに抗
原物質を含有させた免疫組成物、及び該組成物の製造方
法に関する。
性免疫を効果的に増強することができる電荷型リポソー
ム及びその製造方法に関する。更に詳細には、細胞融合
作用を有するセンダイウイルス(Hemagglutinating Vir
us of Japan:HVJと称することもある)及び正・負荷電
脂質を含む電荷型リポソーム、該電荷型リポソームに抗
原物質を含有させた免疫組成物、及び該組成物の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】感染症の予防や治療に使用されるワクチ
ンの効果を上げるために、免疫応答を増強させるアジュ
バントやアジュバントに添加される免疫刺激物質が用い
られる。これまでに多種のアジュバントが報告されてい
るが、その多くは、毒性を示したり潰瘍を形成するな
ど、ヒトに使用できないものが多い。
ンの効果を上げるために、免疫応答を増強させるアジュ
バントやアジュバントに添加される免疫刺激物質が用い
られる。これまでに多種のアジュバントが報告されてい
るが、その多くは、毒性を示したり潰瘍を形成するな
ど、ヒトに使用できないものが多い。
【0003】唯一、ヒトに使用可能なアジュバントとし
て、水酸化アルミニウムやりん酸化アルミニウムゲルな
どの吸着型のアジュバントが認められている。しかしな
がら、このアルミニウムゲルは、抗体産生に係る液性免
疫を効果的に誘導するが、細胞性免疫の誘導能は強くな
い。生態防御には、液性免疫だけでなく細胞性免疫が深
く関与しており、免疫不全ウイルス(HIV)などの持続
性感染型のウイルス性疾患の予防や治療においては、特
に細胞性免疫のコントロールの重要性が指摘されてい
る。また、アルミニウムゲルは、免疫原性が比較的弱い
物質、例えばサイズの小さなペプチドに対して、免疫増
強活性が低いという欠点が示されている。
て、水酸化アルミニウムやりん酸化アルミニウムゲルな
どの吸着型のアジュバントが認められている。しかしな
がら、このアルミニウムゲルは、抗体産生に係る液性免
疫を効果的に誘導するが、細胞性免疫の誘導能は強くな
い。生態防御には、液性免疫だけでなく細胞性免疫が深
く関与しており、免疫不全ウイルス(HIV)などの持続
性感染型のウイルス性疾患の予防や治療においては、特
に細胞性免疫のコントロールの重要性が指摘されてい
る。また、アルミニウムゲルは、免疫原性が比較的弱い
物質、例えばサイズの小さなペプチドに対して、免疫増
強活性が低いという欠点が示されている。
【0004】近年、このような問題を解消する方法の一
つとして、従来、生体膜モデルとして細胞膜構造の研究
材料等に広く使用されてきたリポソームが注目されてい
る。リポソームは、膜の流動性や膜透過障壁などの生物
学的な現象の解析だけでなく、種々の蛋白抗原、DNA、
及びdrugなどの物質を効果的に細胞内に投与する方法と
して、種々の疾患の治療への応用が求められており、そ
の必要性及び利用技術が追求されてきた。
つとして、従来、生体膜モデルとして細胞膜構造の研究
材料等に広く使用されてきたリポソームが注目されてい
る。リポソームは、膜の流動性や膜透過障壁などの生物
学的な現象の解析だけでなく、種々の蛋白抗原、DNA、
及びdrugなどの物質を効果的に細胞内に投与する方法と
して、種々の疾患の治療への応用が求められており、そ
の必要性及び利用技術が追求されてきた。
【0005】例えば、癌細胞表面に存在する抗原提示糖
蛋白質をリポソームに再構築したリポソームワクチン
(特願平2−188532)、インフルエンザのhemagg
lutinin(HA)をリポソーム膜に取り込んだビロゾーム
型インフルエンザワクチン(Vaccine, Vol.15, pp.1675
-1679, 1997)、インフルエンザビロゾームに不活化A
型肝炎ウイルス(HAV)を結合させたIRIV-HAVワクチン
(J. Clin. Invest Vol.90,2491-2495, 1992)など、免
疫増強活性を賦与したワクチンが報告されている。
蛋白質をリポソームに再構築したリポソームワクチン
(特願平2−188532)、インフルエンザのhemagg
lutinin(HA)をリポソーム膜に取り込んだビロゾーム
型インフルエンザワクチン(Vaccine, Vol.15, pp.1675
-1679, 1997)、インフルエンザビロゾームに不活化A
型肝炎ウイルス(HAV)を結合させたIRIV-HAVワクチン
(J. Clin. Invest Vol.90,2491-2495, 1992)など、免
疫増強活性を賦与したワクチンが報告されている。
【0006】しかしながら、これらのリポソームワクチ
ンに使用された免疫原は、いずれも高分子量の蛋白質分
子あるいはウイルス粒子であって、免疫原性の低い物質
に対して同様の効果を示すかどうかは明らかにされてい
ない。更に、インフルエンザのHAをリポソームに使用し
た場合は、ほとんどのヒトがインフルエンザウイルスに
対する抗体を有しているので、実質的な効果は半減する
可能性がある。
ンに使用された免疫原は、いずれも高分子量の蛋白質分
子あるいはウイルス粒子であって、免疫原性の低い物質
に対して同様の効果を示すかどうかは明らかにされてい
ない。更に、インフルエンザのHAをリポソームに使用し
た場合は、ほとんどのヒトがインフルエンザウイルスに
対する抗体を有しているので、実質的な効果は半減する
可能性がある。
【0007】また、リポソームにアジュバント活性を有
する物質を含有させることにより免疫増強活性を高める
試みがなされている。例えば、PCT公開公報(WO 964024
3)には、免疫増強活性やインターフェロン誘導活性を
有するリポ多糖(例えば、グラム陰性菌の細胞壁外膜に
存在する内毒素であるリピドA)をリポソームに再構築
し、これにHIVのgp120エピトープを添加したリポソーム
は、gp120に対する液性免疫及び細胞性免疫を誘導する
ことが記載されている。しかしながら、リピドAは、パ
イロジェンの本体であり、発熱や炎症を起こすことが危
惧されるため、ヒトへの使用に際しては、慎重な取り扱
いを要する。
する物質を含有させることにより免疫増強活性を高める
試みがなされている。例えば、PCT公開公報(WO 964024
3)には、免疫増強活性やインターフェロン誘導活性を
有するリポ多糖(例えば、グラム陰性菌の細胞壁外膜に
存在する内毒素であるリピドA)をリポソームに再構築
し、これにHIVのgp120エピトープを添加したリポソーム
は、gp120に対する液性免疫及び細胞性免疫を誘導する
ことが記載されている。しかしながら、リピドAは、パ
イロジェンの本体であり、発熱や炎症を起こすことが危
惧されるため、ヒトへの使用に際しては、慎重な取り扱
いを要する。
【0008】また、リポソームは、使用する脂質によ
り、その形状やサイズ、安定性、保有できる物質の大き
さや量などに大きく影響を受けることやリポソームの極
性によって細胞膜に対する親和性や物質の膜透過性に差
異を生じることが知られている(油化学 第34巻第1
0号 p784-798、1985)。したがって、リポソームを作
製する際には、目的に応じて脂質を使い分けることが重
要と考えられる。
り、その形状やサイズ、安定性、保有できる物質の大き
さや量などに大きく影響を受けることやリポソームの極
性によって細胞膜に対する親和性や物質の膜透過性に差
異を生じることが知られている(油化学 第34巻第1
0号 p784-798、1985)。したがって、リポソームを作
製する際には、目的に応じて脂質を使い分けることが重
要と考えられる。
【0009】HVJは、シアル酸のついた糖脂質、糖蛋白
質(F:フュージョン,HN:ヘモアグルチニン-ノイラミ
ニダーゼの2種類の糖蛋白が知られている)からなるエ
ンベロープを有し、リンパ球以外のほとんどの細胞に融
合することができる。HVJの細胞融合作用が発見されて
以来、HVJを利用した物質の細胞内導入法に関する研究
が盛んに行われ、HVJを用いた酵素の細胞内導入、赤血
球ゴーストとHVJを用いた抗体や核蛋白質の導入、リポ
ソーム表面にHVJの融合蛋白質を植え込んだ融合リポソ
ーム(以下、HVJ-リポソームと称することもある)によ
る毒素の導入など、多くの報告が見られる。特に、HVJ
−リポソームは、蛋白質や核酸断片などの物質を細胞内
に効率良く導入することができ、細胞毒性も少ないこと
から、最近では、遺伝子の細胞内導入法として注目さ
れ、遺伝子治療への応用が期待されている(Biogenic A
mines, Vol.14, pp.553-572, 1998, MOLECULAR MEDICIN
E TODAY, JULY 1999 (VOL.5), P298-303, 化学と生物
Vol.36, No6. p376-384, 1988)。
質(F:フュージョン,HN:ヘモアグルチニン-ノイラミ
ニダーゼの2種類の糖蛋白が知られている)からなるエ
ンベロープを有し、リンパ球以外のほとんどの細胞に融
合することができる。HVJの細胞融合作用が発見されて
以来、HVJを利用した物質の細胞内導入法に関する研究
が盛んに行われ、HVJを用いた酵素の細胞内導入、赤血
球ゴーストとHVJを用いた抗体や核蛋白質の導入、リポ
ソーム表面にHVJの融合蛋白質を植え込んだ融合リポソ
ーム(以下、HVJ-リポソームと称することもある)によ
る毒素の導入など、多くの報告が見られる。特に、HVJ
−リポソームは、蛋白質や核酸断片などの物質を細胞内
に効率良く導入することができ、細胞毒性も少ないこと
から、最近では、遺伝子の細胞内導入法として注目さ
れ、遺伝子治療への応用が期待されている(Biogenic A
mines, Vol.14, pp.553-572, 1998, MOLECULAR MEDICIN
E TODAY, JULY 1999 (VOL.5), P298-303, 化学と生物
Vol.36, No6. p376-384, 1988)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、HVJ-
リポソームを用いた物質の効率的な細胞内導入法は、既
に幾つか試みられているものの、HVJ-リポソームのアジ
ュバント活性に係る研究成果は、これまでほとんど報告
されていない。有効性や安全性の点から実用に耐え得る
アジュバントは、現時点ではアルミニウムゲル以外には
なく、これに代わり得るアルミニウムゲルの持つ欠点を
克服した、より実用的で効果的なアジュバントの開発が
望まれている。
リポソームを用いた物質の効率的な細胞内導入法は、既
に幾つか試みられているものの、HVJ-リポソームのアジ
ュバント活性に係る研究成果は、これまでほとんど報告
されていない。有効性や安全性の点から実用に耐え得る
アジュバントは、現時点ではアルミニウムゲル以外には
なく、これに代わり得るアルミニウムゲルの持つ欠点を
克服した、より実用的で効果的なアジュバントの開発が
望まれている。
【0011】このような状況下、本願発明は、液性免疫
及び細胞免疫を誘導することができ、且つ免疫原性の低
いペプチドに対しても高い免疫増強活性を誘導すること
ができるHVJ-電荷型リポソーム及びその作製方法を提供
することを目的とするものである。
及び細胞免疫を誘導することができ、且つ免疫原性の低
いペプチドに対しても高い免疫増強活性を誘導すること
ができるHVJ-電荷型リポソーム及びその作製方法を提供
することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記の
目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、HIVのエ
ピトープペプチドを取り込んだHVJ-電荷型リポソーム
は、これまで抗原性が低くてワクチンとして使用するこ
とが困難と考えられていたHIV抗原性を有意に効果的に
高めること及びHVJ-電荷型リポソームは強力なブースタ
ー(booster)効果を有することを見出し、本願発明を
完成するに至った。
目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、HIVのエ
ピトープペプチドを取り込んだHVJ-電荷型リポソーム
は、これまで抗原性が低くてワクチンとして使用するこ
とが困難と考えられていたHIV抗原性を有意に効果的に
高めること及びHVJ-電荷型リポソームは強力なブースタ
ー(booster)効果を有することを見出し、本願発明を
完成するに至った。
【0013】したがって、本願発明は、HVJ-電荷型リポ
ソーム、HIVエピトープペプチドを取り込んだHVJ-電荷
型リポソームを主成分とするワクチン及びこれらの製造
方法を包含する。
ソーム、HIVエピトープペプチドを取り込んだHVJ-電荷
型リポソームを主成分とするワクチン及びこれらの製造
方法を包含する。
【0014】
【発明の実施の形態】本願発明は、HVJのエンベロープ
糖蛋白質(F,HN)を電荷型リポソームに再構築したHVJ
-電荷型リポソーム及び該リポソームに感染防御抗原を
取り込んだ組成物によって特徴付けられる。この組成物
を対象動物叉はヒトに投与することにより、感染防御抗
原に対する高い免疫を賦与することができる。
糖蛋白質(F,HN)を電荷型リポソームに再構築したHVJ
-電荷型リポソーム及び該リポソームに感染防御抗原を
取り込んだ組成物によって特徴付けられる。この組成物
を対象動物叉はヒトに投与することにより、感染防御抗
原に対する高い免疫を賦与することができる。
【0015】正電荷型リポソームは、局所への対流性が
優れていて、局所の細胞と融合しやすいのでboosterと
しての局所免疫に優れている。一方、負電荷型リポソー
ムは、細胞膜と反発しやすいので、全身にばらまかれて
全身のリンパ系組織に取り込まれやすい。したがって、
目的と免疫スケジュールに合わせて、正電荷型か負電荷
型かを選ぶことにより、より効果的に免疫作用を誘導す
ることができる。例えば、局所の粘膜免疫の誘導には正
電荷型の使用がより有効であるし、遅延型過敏反応(DT
H)の誘導にも正電荷型が有効である。これに対して、b
oosterとして皮下投与して全身免疫を誘導する際には、
負電荷型の使用が効果的である。
優れていて、局所の細胞と融合しやすいのでboosterと
しての局所免疫に優れている。一方、負電荷型リポソー
ムは、細胞膜と反発しやすいので、全身にばらまかれて
全身のリンパ系組織に取り込まれやすい。したがって、
目的と免疫スケジュールに合わせて、正電荷型か負電荷
型かを選ぶことにより、より効果的に免疫作用を誘導す
ることができる。例えば、局所の粘膜免疫の誘導には正
電荷型の使用がより有効であるし、遅延型過敏反応(DT
H)の誘導にも正電荷型が有効である。これに対して、b
oosterとして皮下投与して全身免疫を誘導する際には、
負電荷型の使用が効果的である。
【0016】リポソームの粒子は、上記の免疫増強の目
的に応じて、組成を変えることによりリポソーム電荷を
自由に賦与することができる。本願発明のHVJ−電荷型
リポソームの作製に使用される脂質成分としては、ホス
ファチジルコリン(phosphatidylcholine:PC)、ホス
ファチジルセリン(phosphatidylserine:PS)、コレス
テロール(cholesterol:Chol)、ジメチルアミノエタ
ン・カーバミルコレステロール(dimethylaminoethane-c
arbamoyl cholesterol:DC-chol)、ホスファジチルエ
タノラミン(dioleoylphosphatidylethanolamine:DOP
E)、スフィンゴミエリン(sphingomyelin:Sph)、ジ
オレイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロラ
イド(N-{1-(2,3-dioleyloxy)propyl}-r,n,n-trimethyl
ammonium chloride:DOTMA)、トリメチルアンモニオ
アセチルジドデシルグルタメートクロライド(N-(α-tr
imethyl ammonioacetyl)didodecyl-D-glutamate chlori
de:TMAG)、アミノプロピルジメチルドデシルオキシプ
ロパナミニウムブロマイド(N-(3-aminopropyl)-N,N-di
methyl-2,3-bis(dodecyloxy)-1-propanaminium bromid
e:GAPDLRIE)などが挙げられる。これら脂質成分の組
み合わせにより、電荷の程度が異なる種々の正電荷型リ
ポソーム叉は負電荷型リポソームを作製することができ
る。
的に応じて、組成を変えることによりリポソーム電荷を
自由に賦与することができる。本願発明のHVJ−電荷型
リポソームの作製に使用される脂質成分としては、ホス
ファチジルコリン(phosphatidylcholine:PC)、ホス
ファチジルセリン(phosphatidylserine:PS)、コレス
テロール(cholesterol:Chol)、ジメチルアミノエタ
ン・カーバミルコレステロール(dimethylaminoethane-c
arbamoyl cholesterol:DC-chol)、ホスファジチルエ
タノラミン(dioleoylphosphatidylethanolamine:DOP
E)、スフィンゴミエリン(sphingomyelin:Sph)、ジ
オレイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロラ
イド(N-{1-(2,3-dioleyloxy)propyl}-r,n,n-trimethyl
ammonium chloride:DOTMA)、トリメチルアンモニオ
アセチルジドデシルグルタメートクロライド(N-(α-tr
imethyl ammonioacetyl)didodecyl-D-glutamate chlori
de:TMAG)、アミノプロピルジメチルドデシルオキシプ
ロパナミニウムブロマイド(N-(3-aminopropyl)-N,N-di
methyl-2,3-bis(dodecyloxy)-1-propanaminium bromid
e:GAPDLRIE)などが挙げられる。これら脂質成分の組
み合わせにより、電荷の程度が異なる種々の正電荷型リ
ポソーム叉は負電荷型リポソームを作製することができ
る。
【0017】正電荷型リポソームを作製する際には、好
ましくは、DC-Chol、PC、Sph、DOPE及びCholよりなる組
成物が使用される。負電荷型リポソームを作製する際に
は、PS、PC、Sph、DOPE及びCholよりなる組成物を使用
するのが好ましい。各脂質成分の量比は、リポソームの
形状やサイズ及び使用目的に応じて変更される。例え
ば、低分子量の物質を封入するための正電荷型リポソー
ムを作製する場合には、DC-Chol:PC:Chol=6:48:24(重
量比)で使用可能であるが、好ましくは、DC-Chol:PC:S
ph:DOPE:Chol=6:13:12:12:24(重量比)が使用される。
負電荷型リポソームの作製は、PS:PC:Chol=10:48:24
(重量比)で可能であるが、好ましくは、PS:PC:Sph:DO
PE:Chol=10:13:12:12:24(重量比)が使用される。
ましくは、DC-Chol、PC、Sph、DOPE及びCholよりなる組
成物が使用される。負電荷型リポソームを作製する際に
は、PS、PC、Sph、DOPE及びCholよりなる組成物を使用
するのが好ましい。各脂質成分の量比は、リポソームの
形状やサイズ及び使用目的に応じて変更される。例え
ば、低分子量の物質を封入するための正電荷型リポソー
ムを作製する場合には、DC-Chol:PC:Chol=6:48:24(重
量比)で使用可能であるが、好ましくは、DC-Chol:PC:S
ph:DOPE:Chol=6:13:12:12:24(重量比)が使用される。
負電荷型リポソームの作製は、PS:PC:Chol=10:48:24
(重量比)で可能であるが、好ましくは、PS:PC:Sph:DO
PE:Chol=10:13:12:12:24(重量比)が使用される。
【0018】HVJ−電荷型リポソームの作製には、精製
したHVJのウイルス粒子及び該ウイルス粒子から抽出・
精製した糖蛋白質(F,HN)のいずれも使用可能であ
るが、好ましくは、ウイルス粒子が使用される。HVJの
精製は、該ウイルス感染細胞の培養液から、一般的なウ
イルス精製方法、すなわち、遠心分離、膜ろ過及びイオ
ン交換クロマトグラフィーなどの方法叉はこれらを組み
合わせた方法により行われる。
したHVJのウイルス粒子及び該ウイルス粒子から抽出・
精製した糖蛋白質(F,HN)のいずれも使用可能であ
るが、好ましくは、ウイルス粒子が使用される。HVJの
精製は、該ウイルス感染細胞の培養液から、一般的なウ
イルス精製方法、すなわち、遠心分離、膜ろ過及びイオ
ン交換クロマトグラフィーなどの方法叉はこれらを組み
合わせた方法により行われる。
【0019】該ウイルスを不活化する際には、紫外線照
射による方法やbeta-propyolactoneなどの化学物質を用
いる方法が使用される。また、HVJエンベロープ蛋白質
の抽出・精製は、界面活性剤、例えばNP-40、Triton X-
100、octylglucosideなどで膜蛋白質を抽出した後、蛋
白質化学において通常使用される精製方法、例えば、イ
オン交換クロマトグラフィー法、ゲル濾過クロマトグラ
フィー法、アフィニティークロマトグラフィー法などを
適宜利用することにより達成される。
射による方法やbeta-propyolactoneなどの化学物質を用
いる方法が使用される。また、HVJエンベロープ蛋白質
の抽出・精製は、界面活性剤、例えばNP-40、Triton X-
100、octylglucosideなどで膜蛋白質を抽出した後、蛋
白質化学において通常使用される精製方法、例えば、イ
オン交換クロマトグラフィー法、ゲル濾過クロマトグラ
フィー法、アフィニティークロマトグラフィー法などを
適宜利用することにより達成される。
【0020】HVJ-電荷型リポソームには、ウイルス粒
子、抗原蛋白質及びペプチドなどの抗原物質、抗生物質
やアンチセンスオリゴヌクレオチドなどの医薬品、細胞
内や生体内で発現する様に構築された核酸断片など、種
々の物質を封入することができる。本願発明のHVJ−リ
ポソームは、抗原物質のアジュバント活性を高めるのに
特に有用である。この際使用する抗原物質は、目的のエ
ピトープを有する免疫物質であるならばどのようなもの
も使用でき、抗原性の強さに制限されない。このような
抗原物質として、例えば、免疫不全ウイルスに対するエ
ピトープを有するペプチドが挙げられ、遺伝子組換え技
術叉は化学合成により作製されたものを使用することが
できる。
子、抗原蛋白質及びペプチドなどの抗原物質、抗生物質
やアンチセンスオリゴヌクレオチドなどの医薬品、細胞
内や生体内で発現する様に構築された核酸断片など、種
々の物質を封入することができる。本願発明のHVJ−リ
ポソームは、抗原物質のアジュバント活性を高めるのに
特に有用である。この際使用する抗原物質は、目的のエ
ピトープを有する免疫物質であるならばどのようなもの
も使用でき、抗原性の強さに制限されない。このような
抗原物質として、例えば、免疫不全ウイルスに対するエ
ピトープを有するペプチドが挙げられ、遺伝子組換え技
術叉は化学合成により作製されたものを使用することが
できる。
【0021】HIV−電荷型リポソームに封入する物質の
量は、物質の種類、形状、サイズ及び目的に応じて適宜
選択される。例えば、抗原物質の量は、抗原の種類やリ
ポソームの組成・構造等により異なるが、一般にリポソ
ームを構成する脂質 9.75 mg当り、0〜10 mgの範囲で使
用される(例えば、溶媒200〜500μlに溶解可能な量で
あれば、10〜60%の率で封入可能)。
量は、物質の種類、形状、サイズ及び目的に応じて適宜
選択される。例えば、抗原物質の量は、抗原の種類やリ
ポソームの組成・構造等により異なるが、一般にリポソ
ームを構成する脂質 9.75 mg当り、0〜10 mgの範囲で使
用される(例えば、溶媒200〜500μlに溶解可能な量で
あれば、10〜60%の率で封入可能)。
【0022】本願発明のHVJ-電荷型リポソームは、金田
らの方法(Saeki, Y., & Kaneda, Y.: Protein modifie
d liposomes (HIV-liposomes) fro the delivery of ge
nes,oligonucleotides and proteins. Cell Biology; A
laboratory handbook (2ndeds.) edited by J.E.Celis
(Academic Press Inc., San Diego) vol4, 127-135, 1
998.)に従って調製される。すなわち、所定の脂質を溶
剤に溶解した後、エバポレーターなどにより該溶剤を蒸
発除去し、脂質の薄膜を形成させる。このとき使用され
る溶剤として、クロロホルム、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフランなどが挙げられ、単独叉は数種を混合し
て使用することができる。好ましくは、クロロホルムが
使用される。
らの方法(Saeki, Y., & Kaneda, Y.: Protein modifie
d liposomes (HIV-liposomes) fro the delivery of ge
nes,oligonucleotides and proteins. Cell Biology; A
laboratory handbook (2ndeds.) edited by J.E.Celis
(Academic Press Inc., San Diego) vol4, 127-135, 1
998.)に従って調製される。すなわち、所定の脂質を溶
剤に溶解した後、エバポレーターなどにより該溶剤を蒸
発除去し、脂質の薄膜を形成させる。このとき使用され
る溶剤として、クロロホルム、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフランなどが挙げられ、単独叉は数種を混合し
て使用することができる。好ましくは、クロロホルムが
使用される。
【0023】次に、この脂質の薄膜に水溶性媒体を加え
て激しくボルテックス振盪し、電荷型リポソームを形成
させる。水溶性媒体として、BBS(ホウ酸緩衝液)、PBS
(リン酸緩衝液)、生理食塩水、水などが使用可能であ
るが、好ましくは、BBS、PBSが使用される。水溶性媒体
のpHは、7〜8の範囲で使用できるが、好ましくは、pH
7.5が使用される。
て激しくボルテックス振盪し、電荷型リポソームを形成
させる。水溶性媒体として、BBS(ホウ酸緩衝液)、PBS
(リン酸緩衝液)、生理食塩水、水などが使用可能であ
るが、好ましくは、BBS、PBSが使用される。水溶性媒体
のpHは、7〜8の範囲で使用できるが、好ましくは、pH
7.5が使用される。
【0024】水溶性媒体中に、目的物質を溶解叉は懸濁
させておくことにより、該目的物質を電荷型リポソーム
に封入することができる。このようにして得られる電荷
型リポソームの無菌処理は、0.2〜0.45μmのフィルター
を通すことにより行われる。本発明のHVJ−電荷型リポ
ソームは、多重層型叉は単層型のいずれの型であっても
よく、これらは、ボルテックス法、超音波法、エタノー
ル注入法、エーテル法及び逆相蒸発法などを適宜選択叉
は組み合わせることにより調製される。
させておくことにより、該目的物質を電荷型リポソーム
に封入することができる。このようにして得られる電荷
型リポソームの無菌処理は、0.2〜0.45μmのフィルター
を通すことにより行われる。本発明のHVJ−電荷型リポ
ソームは、多重層型叉は単層型のいずれの型であっても
よく、これらは、ボルテックス法、超音波法、エタノー
ル注入法、エーテル法及び逆相蒸発法などを適宜選択叉
は組み合わせることにより調製される。
【0025】次に、電荷型リポソームにHVJ粒子叉はHVJ
のエンベロープ糖蛋白質が導入される。例えば、上記リ
ポソーム液に、紫外線照射して不活化したHVJを加え、
氷上10分間放置した後、37℃の恒温槽に移し、振盪する
ことにより、HVJが電荷型リポソーム表面に結合したHVJ
−電荷型リポソームを形成させることができる。HVJ−
電荷型リポソームは、密度勾配遠心を行うことにより未
反応成分から分離・精製される。
のエンベロープ糖蛋白質が導入される。例えば、上記リ
ポソーム液に、紫外線照射して不活化したHVJを加え、
氷上10分間放置した後、37℃の恒温槽に移し、振盪する
ことにより、HVJが電荷型リポソーム表面に結合したHVJ
−電荷型リポソームを形成させることができる。HVJ−
電荷型リポソームは、密度勾配遠心を行うことにより未
反応成分から分離・精製される。
【0026】種々の感染防御抗原、その他の免疫抗原を
封入したHVJ−電荷型リポソームは、単独叉は薬剤とし
て投与可能な適当な安定剤と共に、生体内に投与するこ
とによりワクチンとして使用される。また、本願発明の
HVJ−電荷型リポソームは、通常のリポソームと同様
に、本願発明のHVJ−電荷型リポソームに抗生物質や核
酸断片などの目的物質を封入することにより、物質の細
胞内への取りこみを促進させる補助剤として利用するこ
ともできる。
封入したHVJ−電荷型リポソームは、単独叉は薬剤とし
て投与可能な適当な安定剤と共に、生体内に投与するこ
とによりワクチンとして使用される。また、本願発明の
HVJ−電荷型リポソームは、通常のリポソームと同様
に、本願発明のHVJ−電荷型リポソームに抗生物質や核
酸断片などの目的物質を封入することにより、物質の細
胞内への取りこみを促進させる補助剤として利用するこ
ともできる。
【0027】
【発明の効果】本願発明によると、アジュバント活性を
有するHVJ−電荷型リポソームが提供される。
有するHVJ−電荷型リポソームが提供される。
【0028】免疫原物質を封入した本願発明のHVJ−電
荷型リポソームは、強力なアジュバント活性を有するた
め、抗原性の低いペプチドに対しても高い免疫を誘導す
ることができる。また、HVJ−電荷型リポソームは、液
性及び細胞性免疫を増強させるbooster効果を有する。
更に、本願発明の方法により容易に調製される極性の異
なる電荷型リポソームは、ドラッグデリバリーシステム
として効果的に利用でき、且つHVJの細胞融合作用を有
するために、目的物質を効率良く細胞内に取り込ませる
ことができる。
荷型リポソームは、強力なアジュバント活性を有するた
め、抗原性の低いペプチドに対しても高い免疫を誘導す
ることができる。また、HVJ−電荷型リポソームは、液
性及び細胞性免疫を増強させるbooster効果を有する。
更に、本願発明の方法により容易に調製される極性の異
なる電荷型リポソームは、ドラッグデリバリーシステム
として効果的に利用でき、且つHVJの細胞融合作用を有
するために、目的物質を効率良く細胞内に取り込ませる
ことができる。
【0029】
【実施例】実施例1:HIV−V3ペプチドを含むHVJ−正電
荷型リポソームの作製 DC-Chol(日本油脂より供与)6mg、DOPE(Sigma P5078)
12mg、Sph(Sigma S0756)12mg、egg yolk PC(Sigma P
2772)13 mg、Chol(Sigma C8667)24 mgをクロロホル
ム(Nakarai)4 mlに溶解させ、これを0.5 mlずつ、尖
頭ガラス管(13cm長、Iwaki Glass)8本に分注し、窒素
ガスを吹き込んで密栓し、−20℃に一時保存した。ガラ
ス管を1本ずつ取り出し、回転式エバポレーター(Tokyo
Rikakikai)に取り付け、クロロホルムを蒸発させなが
ら、ガラス管内壁に混合脂質の薄膜を形成させ、窒素ガ
スを吹き込んで密栓し、−20℃に保存した。ガラス管1
本に300 μlのHIV−V3ペプチド(1 mg)溶液(PBS)を
加え、50秒間、激しくボルテックス振盪し、10秒間37℃
に保温した。これを8回繰り返した。BSS(10 mM Tris-H
Cl pH7.5, 137 mM NaCl, 54 mM KCl)700 μlを加え、
セルロースアセテートフィルター(Iwaki Glass)0.45
μm径を通し、さらに500 μl BBSでフィルターを洗浄
し、次にリポソーム液を0.20 μm径の同フィルターを通
し、再び500 μl BBSでフィルターを洗浄した。
荷型リポソームの作製 DC-Chol(日本油脂より供与)6mg、DOPE(Sigma P5078)
12mg、Sph(Sigma S0756)12mg、egg yolk PC(Sigma P
2772)13 mg、Chol(Sigma C8667)24 mgをクロロホル
ム(Nakarai)4 mlに溶解させ、これを0.5 mlずつ、尖
頭ガラス管(13cm長、Iwaki Glass)8本に分注し、窒素
ガスを吹き込んで密栓し、−20℃に一時保存した。ガラ
ス管を1本ずつ取り出し、回転式エバポレーター(Tokyo
Rikakikai)に取り付け、クロロホルムを蒸発させなが
ら、ガラス管内壁に混合脂質の薄膜を形成させ、窒素ガ
スを吹き込んで密栓し、−20℃に保存した。ガラス管1
本に300 μlのHIV−V3ペプチド(1 mg)溶液(PBS)を
加え、50秒間、激しくボルテックス振盪し、10秒間37℃
に保温した。これを8回繰り返した。BSS(10 mM Tris-H
Cl pH7.5, 137 mM NaCl, 54 mM KCl)700 μlを加え、
セルロースアセテートフィルター(Iwaki Glass)0.45
μm径を通し、さらに500 μl BBSでフィルターを洗浄
し、次にリポソーム液を0.20 μm径の同フィルターを通
し、再び500 μl BBSでフィルターを洗浄した。
【0030】HVJを漿尿液より精製しておき、このウイ
ルス液20,000 HAU (Hemagglutinating Unit)を紫外線照
射(198 mjoule/cm2)して不活化し、これをリポソーム
液に加え、氷上10分間置き、37℃の恒温槽に移し、1時
間振盪(毎秒2回転)した。30%蔗糖含有BBS(W/V) 7 ml
を遠心チューブに入れ、その上にHVJ−リポソーム液を
重層し、スイング型超遠心機(日立 CP85beta)にて、6
2,800 g、90分間超遠心した。30%蔗糖液の直上のHVJ−
リポソーム層をパスツールピペットで回収し、4℃で保
存した。
ルス液20,000 HAU (Hemagglutinating Unit)を紫外線照
射(198 mjoule/cm2)して不活化し、これをリポソーム
液に加え、氷上10分間置き、37℃の恒温槽に移し、1時
間振盪(毎秒2回転)した。30%蔗糖含有BBS(W/V) 7 ml
を遠心チューブに入れ、その上にHVJ−リポソーム液を
重層し、スイング型超遠心機(日立 CP85beta)にて、6
2,800 g、90分間超遠心した。30%蔗糖液の直上のHVJ−
リポソーム層をパスツールピペットで回収し、4℃で保
存した。
【0031】実施例2:HIV−V3ペプチド含むHVJ−負電
荷型リポソームの作製 PS 10mg、DOPE(Sigma P5078)12 mg、Sph(Sigma S075
6)12mg、egg yolk PC(Sigma P2772)13mg、Chol(Sig
ma C8667)24mgをクロロホルム(Nakarai)4mlに溶解
させ、これを0.5 mlずつ、尖頭ガラス管(13 cm長、Iwa
ki Glass)8本に分注し、窒素ガスを吹き込んで密栓
し、−20℃に一時保存した。ガラス管を1本ずつ取り出
し、回転式エバポレーター(Tokyo Rikakikai)に取り
付け、クロロホルムを蒸発させながら、ガラス管内壁に
混合脂質の薄膜を形成させ、窒素ガスを吹き込んで密栓
し、−20℃に保存した。ガラス管1本に200 μlのHIV−V
3ペプチド(1 mg)溶液(PBS)を加え、30秒間、激しく
ボルテックス振盪し、30秒間37℃に保温した。これを8
回繰り返した。湯浴型超音波発生装置で3秒間超音波処
理し、30秒間ボルテックスで激しく振盪し、300 μl BS
Sを加え、37℃で30分間振盪(毎秒2回転)させた。
荷型リポソームの作製 PS 10mg、DOPE(Sigma P5078)12 mg、Sph(Sigma S075
6)12mg、egg yolk PC(Sigma P2772)13mg、Chol(Sig
ma C8667)24mgをクロロホルム(Nakarai)4mlに溶解
させ、これを0.5 mlずつ、尖頭ガラス管(13 cm長、Iwa
ki Glass)8本に分注し、窒素ガスを吹き込んで密栓
し、−20℃に一時保存した。ガラス管を1本ずつ取り出
し、回転式エバポレーター(Tokyo Rikakikai)に取り
付け、クロロホルムを蒸発させながら、ガラス管内壁に
混合脂質の薄膜を形成させ、窒素ガスを吹き込んで密栓
し、−20℃に保存した。ガラス管1本に200 μlのHIV−V
3ペプチド(1 mg)溶液(PBS)を加え、30秒間、激しく
ボルテックス振盪し、30秒間37℃に保温した。これを8
回繰り返した。湯浴型超音波発生装置で3秒間超音波処
理し、30秒間ボルテックスで激しく振盪し、300 μl BS
Sを加え、37℃で30分間振盪(毎秒2回転)させた。
【0032】HVJを漿尿液より精製しておき、このウイ
ルス液20,000 HAU (Hemagglutinating Unit)を紫外線照
射(198 mjoule/cm2)して不活化し、これをリポソーム
液に加え、氷上10分間置き、37℃の恒温槽に移し、1時
間振盪(毎秒2回転)した。30%蔗糖含有BBS(W/V) 7 ml
を遠心チューブに入れ、その上にHVJ−リポソーム液を
重層し、スイング型超遠心機(日立 CP85beta)にて、6
2,800 g、90分間超遠心した。30%蔗糖液の直上のHVJ−
リポソーム層をパスツールピペットで回収し、これを4
倍量のBSSで希釈し、遠心管に入れ、27,000 g、 30分
間、4℃で遠心し、HVJ-リポソームを沈殿させ、これに
300 μlのPBSを加え、ボルテックスで懸濁し、4℃で保
存した。
ルス液20,000 HAU (Hemagglutinating Unit)を紫外線照
射(198 mjoule/cm2)して不活化し、これをリポソーム
液に加え、氷上10分間置き、37℃の恒温槽に移し、1時
間振盪(毎秒2回転)した。30%蔗糖含有BBS(W/V) 7 ml
を遠心チューブに入れ、その上にHVJ−リポソーム液を
重層し、スイング型超遠心機(日立 CP85beta)にて、6
2,800 g、90分間超遠心した。30%蔗糖液の直上のHVJ−
リポソーム層をパスツールピペットで回収し、これを4
倍量のBSSで希釈し、遠心管に入れ、27,000 g、 30分
間、4℃で遠心し、HVJ-リポソームを沈殿させ、これに
300 μlのPBSを加え、ボルテックスで懸濁し、4℃で保
存した。
【0033】実施例3:電荷型リポソームのブースター
効果 (1)局所皮膚反応の誘導 B型肝炎ウイルスコア蛋白(HBc)遺伝子をキャリアと
して、これにHIV-1HXB2又はHIV-1MNenv V3-PND(主要中
和領域)遺伝子を挿入し、HIV-HBsキメラ粒子を作製し
た(作製方法は、特許番号第2717799号に記載されてい
る)。モルモット(ハートレー種)を、フロイント完全
アジュバント(CFA)に懸濁したHIV-HBc(HIV-HBc/CF
A)、生理食塩水に懸濁したHIV-HBc(HIV-HBc/PBS)、
生理食塩水に懸濁したHBc(HBc/PBS)又はHIV-1 PNDペ
プチド(HIV/PBS)で、2週間の間隔で2回免疫した。7
日後に、それぞれのグループのモルモットにカブトガニ
血球凝集素(KLH)とHIVenvV3ドメインの主要中和領域
(PND)ペプチドとのコンジュゲート、又はHBc粒子、又
はPBSを皮下注射して、皮膚反応を見た。局所の皮膚反
応は抗原接種の24時間後に測定した。その結果を表1に
示す(数値は、各グループ(8匹)の平均値を示す)。H
Bc抗原に対してのみ特異的皮膚反応を呈した。
効果 (1)局所皮膚反応の誘導 B型肝炎ウイルスコア蛋白(HBc)遺伝子をキャリアと
して、これにHIV-1HXB2又はHIV-1MNenv V3-PND(主要中
和領域)遺伝子を挿入し、HIV-HBsキメラ粒子を作製し
た(作製方法は、特許番号第2717799号に記載されてい
る)。モルモット(ハートレー種)を、フロイント完全
アジュバント(CFA)に懸濁したHIV-HBc(HIV-HBc/CF
A)、生理食塩水に懸濁したHIV-HBc(HIV-HBc/PBS)、
生理食塩水に懸濁したHBc(HBc/PBS)又はHIV-1 PNDペ
プチド(HIV/PBS)で、2週間の間隔で2回免疫した。7
日後に、それぞれのグループのモルモットにカブトガニ
血球凝集素(KLH)とHIVenvV3ドメインの主要中和領域
(PND)ペプチドとのコンジュゲート、又はHBc粒子、又
はPBSを皮下注射して、皮膚反応を見た。局所の皮膚反
応は抗原接種の24時間後に測定した。その結果を表1に
示す(数値は、各グループ(8匹)の平均値を示す)。H
Bc抗原に対してのみ特異的皮膚反応を呈した。
【0034】
【表1】
【0035】次に,モルモットをHIV-HBcでプライミン
グし、その2週後に種々のHVJ-HIV-リポソームでブース
ターをかけた。上記と同様の方法に従い、局所の皮膚反
応を測定した。その結果を表2に示す(数値は、各グル
ープ(8匹)の平均値を示す)。HIVリポソームにHVJを
取りこませることにより、HIV特異的遅延型皮膚反応が
誘導された。その中でも局所のDTH反応においては、cat
ionicなリポソームに比べてanionicなリポソームの方が
効率が良かった。
グし、その2週後に種々のHVJ-HIV-リポソームでブース
ターをかけた。上記と同様の方法に従い、局所の皮膚反
応を測定した。その結果を表2に示す(数値は、各グル
ープ(8匹)の平均値を示す)。HIVリポソームにHVJを
取りこませることにより、HIV特異的遅延型皮膚反応が
誘導された。その中でも局所のDTH反応においては、cat
ionicなリポソームに比べてanionicなリポソームの方が
効率が良かった。
【0036】
【表2】
【0037】(2)抗体産生の誘導 モルモット(ハートレー種)を、CFAに懸濁したHIV-HBc
(HIV-HBc/CFA)、生理食塩水に懸濁したHIV-HBc(HIV-
HBc/PBS)、生理食塩水に懸濁したHBc(HBc/PBS)又はH
IV-1 PNDペプチド(HIV/PBS)で、2週間の間隔で2回免
疫した。初回免疫の6週後に採血し、血清中のHIV-1抗
体及びHBc抗体を測定した。抗体力価は、血清の限界希
釈によるELISA法で算出した(数値は、4回の異なるア
ッセイの平均値を示す)。HBc抗原に対する特異的抗体
が検出された。
(HIV-HBc/CFA)、生理食塩水に懸濁したHIV-HBc(HIV-
HBc/PBS)、生理食塩水に懸濁したHBc(HBc/PBS)又はH
IV-1 PNDペプチド(HIV/PBS)で、2週間の間隔で2回免
疫した。初回免疫の6週後に採血し、血清中のHIV-1抗
体及びHBc抗体を測定した。抗体力価は、血清の限界希
釈によるELISA法で算出した(数値は、4回の異なるア
ッセイの平均値を示す)。HBc抗原に対する特異的抗体
が検出された。
【0038】
【表3】
【0039】次に、モルモットをHIV-HBcでプライミン
グし、その2週後に種々のHVJ-HIV-リポソームでブース
ターをかけた。初回免疫の6週後に採血し、血清中のHI
V-1抗体及びHBc抗体を測定した。その結果を図1に示
す。抗体力価は、上記と同様の方法で算出した(数値
は、4回の異なるアッセイの平均値を示す)。中和活性
は、GHOST-cellアッセイ法による阻止効果(コントロー
ルに対する%)で表した(数値は、4回の測定の平均値
を示す)。HVJ-HIV-リポソームでブーストしたモルモッ
トから得たIgGは、10〜15μl/mlでHIV-1LAIを50%中和
した。
グし、その2週後に種々のHVJ-HIV-リポソームでブース
ターをかけた。初回免疫の6週後に採血し、血清中のHI
V-1抗体及びHBc抗体を測定した。その結果を図1に示
す。抗体力価は、上記と同様の方法で算出した(数値
は、4回の異なるアッセイの平均値を示す)。中和活性
は、GHOST-cellアッセイ法による阻止効果(コントロー
ルに対する%)で表した(数値は、4回の測定の平均値
を示す)。HVJ-HIV-リポソームでブーストしたモルモッ
トから得たIgGは、10〜15μl/mlでHIV-1LAIを50%中和
した。
【0040】(3) CTLの誘導 HIV-HBcキメラ粒子を免疫した後、3週目にHIV-HVJ-リ
ポソームを追加免疫した。追加免疫1週目のCTL活性を
図2に示した。CTLの活性測定は通常の51Crクロームリ
リースアッセイにより測定された。Aが標的細胞にHIV
のIIIB株由来のPNDペプチドをパルスラベルした場合
で、Bが標的細胞にHIVのMN株由来のPNDペプチドをパル
スラベルした場合の成績である。いずれの場合でもHIV
リポソームにHVJを取り込ませることにより、CTL誘導活
性が飛躍的に向上した。本免疫に使用されたマウスにお
いては、体重増加の結果も含めて臨床上の異常は見られ
なかった。この結果は、CTL誘導のアジュバント活性がH
IV-HVJ-リポソームにあり、その有効成分としてHVJ取り
込みがその効率に大きく寄与していることを示してい
る。
ポソームを追加免疫した。追加免疫1週目のCTL活性を
図2に示した。CTLの活性測定は通常の51Crクロームリ
リースアッセイにより測定された。Aが標的細胞にHIV
のIIIB株由来のPNDペプチドをパルスラベルした場合
で、Bが標的細胞にHIVのMN株由来のPNDペプチドをパル
スラベルした場合の成績である。いずれの場合でもHIV
リポソームにHVJを取り込ませることにより、CTL誘導活
性が飛躍的に向上した。本免疫に使用されたマウスにお
いては、体重増加の結果も含めて臨床上の異常は見られ
なかった。この結果は、CTL誘導のアジュバント活性がH
IV-HVJ-リポソームにあり、その有効成分としてHVJ取り
込みがその効率に大きく寄与していることを示してい
る。
【図1】Aは、HIV IIIB株(LAI株と同じ)のPND領域の
ペプチドに対するELISA抗体価を測定した結果を示す図
である。Bは、HIV MN株のPND領域のペプチドに対するE
LISA抗体価を測定した結果を示す図である。Cは、上記
抗体の中和か性を測定した結果を示す図である。
ペプチドに対するELISA抗体価を測定した結果を示す図
である。Bは、HIV MN株のPND領域のペプチドに対するE
LISA抗体価を測定した結果を示す図である。Cは、上記
抗体の中和か性を測定した結果を示す図である。
【図2】Aは、HIVのIIIB株のPNDを有するHIV-HBcキメ
ラ粒子で基礎免疫をしたマウスに、IIIB株のPND由来のH
VJ-HIV-1HXB22の環状V3ペプチドを含むリポソームで追
加免疫をしたときに観察されるHIV-1特異的なCTL活性の
測定結果を示す図である。Bは、HIVのMN株のPNDを有す
るHIV-HBcキメラ粒子で基礎免疫をしたマウスに、IIIB
株のPND由来のHVJ-HIV-1HXB22の環状V3ペプチドを含む
リポソームで追加免疫をしたときに観察されるHIV-1特
異的なCTL活性の測定結果を示す図である。
ラ粒子で基礎免疫をしたマウスに、IIIB株のPND由来のH
VJ-HIV-1HXB22の環状V3ペプチドを含むリポソームで追
加免疫をしたときに観察されるHIV-1特異的なCTL活性の
測定結果を示す図である。Bは、HIVのMN株のPNDを有す
るHIV-HBcキメラ粒子で基礎免疫をしたマウスに、IIIB
株のPND由来のHVJ-HIV-1HXB22の環状V3ペプチドを含む
リポソームで追加免疫をしたときに観察されるHIV-1特
異的なCTL活性の測定結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/115 A61K 37/02 Fターム(参考) 4C076 AA19 BB11 CC06 EE41 EE51 EE56 4C084 AA02 AA03 BA44 CA01 NA05 NA14 ZB022 ZB092 ZB262 ZC552 4C085 AA02 AA38 BA69 CC08 CC21 CC32 FF19 4H045 AA11 AA30 BA53 CA01 CA05 DA86 EA31
Claims (10)
- 【請求項1】低分子物質に対する液性免疫及び細胞性免
疫を誘導し得るアジュバントであって、センダイウイル
ス(HVJと称することもある)又は該HVJのエンベロープ
糖蛋白質、及び脂質成分を主構成要素とするHVJ-電荷型
リポソームからなることを特徴とする前記アジュバン
ト。 - 【請求項2】HVJ-電荷型リポソームが正電荷型であるこ
とを特徴とする請求項1記載のアジュバント。 - 【請求項3】HVJ-電荷型リポソームが負電荷型であるこ
とを特徴とする請求項1記載のアジュバント。 - 【請求項4】脂質成分が、ホスファチジルコリン(P
C)、コレステロール(Chol)、ジメチルアミノエタン
・カーバミルコレステロール(DC-Chol)ホスファチジ
ルセリン(PS)、スフィンゴミエリン(Sph)、ホスフ
ァチジルエタノラミン(DOPE)、(DOTMA)、(TMAG)
及び(GAPDLRIE)からなる群より選ばれる請求項1ない
し3記載のいずれかのアジュバント。 - 【請求項5】HVJのエンベロープ糖蛋白質が、F又はH
N蛋白質である請求項1ないし4記載のいずれかのアジ
ュバント。 - 【請求項6】請求項1ないし5記載のいずれかのアジュ
バントに、任意の抗原物質を含有してなる免疫組成物。 - 【請求項7】前記抗原物質がHIV感染防御抗原である請
求項6記載の免疫組成物。 - 【請求項8】HIV感染防御抗原がエピトープペプチドで
ある請求項7記載の免疫組成物。 - 【請求項9】エピトープペプチドが、V3ペプチドである
請求項8に記載の免疫組成物。 - 【請求項10】任意の抗原物質及び脂質成分を用いて、
該抗原物質が封入された電荷型リポソームを作製し、該
電荷型リポソームにHVJ又は該HVJのエンベロープ糖蛋白
質を取り込ませることを特徴とするの免疫組成物の作製
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000128670A JP2001302541A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | Hvj−電荷型リポソームからなるアジュバント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000128670A JP2001302541A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | Hvj−電荷型リポソームからなるアジュバント |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001302541A true JP2001302541A (ja) | 2001-10-31 |
Family
ID=18638076
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000128670A Pending JP2001302541A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | Hvj−電荷型リポソームからなるアジュバント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001302541A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005094878A1 (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-13 | Genomidea Inc. | 抗腫瘍作用を有する組成物 |
CN101940787A (zh) * | 2010-09-03 | 2011-01-12 | 朱善元 | 一种提高猪繁殖与呼吸道障碍综合征灭活疫苗免疫效能的佐剂及其制备方法和用途 |
WO2011105520A1 (ja) * | 2010-02-26 | 2011-09-01 | 国立大学法人 長崎大学 | 抗原または薬物送達複合体 |
-
2000
- 2000-04-28 JP JP2000128670A patent/JP2001302541A/ja active Pending
Non-Patent Citations (6)
Title |
---|
JPN6010040265, 中西剛 他, 臨床免疫, 1999, vol.32, no.2, p.170−7 * |
JPN6010040266, A, HAYASHI et al., Biochem Biophys Res Commun, 1999, vol.261, no.3, p.824−8 * |
JPN6010040267, 高橋一郎 他, 医学のあゆみ, 1999, 別冊10月, p.108−12 * |
JPN6010040271, 国沢純 他, Drug Deliv Syst, 1998, vol.13, no.1, p.21−6 * |
JPN6010040274, 中西剛 他, Drug Deliv Syst, 1998, vol.13, no.1, p.27−33 * |
JPN6010040276, 中西剛 他, 日本免疫学会総会・学術集会記録, 1998, vol.28, p.85 * |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005094878A1 (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-13 | Genomidea Inc. | 抗腫瘍作用を有する組成物 |
US7871765B2 (en) | 2004-03-31 | 2011-01-18 | Genomidea Inc. | Composition having antitumor effect |
WO2011105520A1 (ja) * | 2010-02-26 | 2011-09-01 | 国立大学法人 長崎大学 | 抗原または薬物送達複合体 |
US9028797B2 (en) | 2010-02-26 | 2015-05-12 | Nagasaki University | Composite body for antigen or drug delivery |
CN101940787A (zh) * | 2010-09-03 | 2011-01-12 | 朱善元 | 一种提高猪繁殖与呼吸道障碍综合征灭活疫苗免疫效能的佐剂及其制备方法和用途 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Chatzikleanthous et al. | Lipid-based nanoparticles for delivery of vaccine adjuvants and antigens: toward multicomponent vaccines | |
ES2279127T3 (es) | Procedimiento para aumentar una respuesta inmunitaria de vacunacion de acido nucleico. | |
US8673285B2 (en) | Sphingoid polyalkylamine conjugates for vaccination | |
CA2258878C (en) | Liposomal influenza vaccine composition and method | |
ES2220973T3 (es) | Vehiculos de cocleato para la administracion de moleculas biologicamente relevantes. | |
AU4221489A (en) | Affinity associated vaccine | |
US20140072616A1 (en) | Lyophilization of Virosomes | |
US7906122B2 (en) | Sphingoid polyalkylamine conjugates for Hepatitis B virus vaccination | |
CN103533923A (zh) | 囊泡及由其产生之制剂的制备方法 | |
EP0356340B1 (en) | Affinity associated vaccine | |
CN107073105A (zh) | 用于提供含佐剂病毒体的方法及由此可获得的含佐剂病毒体 | |
US5897873A (en) | Affinity associated vaccine | |
JP2001302541A (ja) | Hvj−電荷型リポソームからなるアジュバント | |
EA025333B1 (ru) | Вакцинный носитель для индукции клеточного иммунного ответа | |
CN114306244B (zh) | 一种微米级脂质复合物及其制备和应用 | |
ES2242376T3 (es) | Administracion de particulas inmunogenas mediante particulas de agshb. | |
Moser et al. | Influenza virosomes as antigen delivery system | |
WO1998052603A2 (en) | An influenza enveloped dna vaccine | |
WO1990001947A1 (en) | Affinity associated vaccine | |
US20030113347A1 (en) | Immunostimulating and immunopotentiating reconstituted influenza virosomes and vaccines containing them | |
JP2001081044A (ja) | リポソームおよびそれからなるワクチン | |
CN100469393C (zh) | 用于接种的sphingoid聚烷基胺缀合物 | |
CA1334165C (en) | Affinity associated vaccine | |
Martinez-Gil et al. | The Role of Self-Assembling Lipid Molecules in Vaccination | |
IL172464A (en) | Couplings of polyalkylamine sphingoid for vaccination |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070326 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100727 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110118 |