JP2001232546A - 動力伝達部材の研磨方法及び研磨装置、及び該動力伝達部材を用いた揺動内接噛合遊星歯車伝動機構 - Google Patents
動力伝達部材の研磨方法及び研磨装置、及び該動力伝達部材を用いた揺動内接噛合遊星歯車伝動機構Info
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Abstract
て、騒音発生及び角度バックラッシュの低減等を図る。 【解決手段】 外歯歯車W(動力伝達部材)の軸受孔に
対し、シュー120でバックアップすることによりフィ
ルム研磨材110を押し付け、その状態で外歯歯車Wを
フィルム研磨材110に対して周方向に相対的に回転さ
せ、同時に外歯歯車Wを軸方向に振動させて、歯面を研
磨する。
Description
該内歯歯車に内接噛合する外歯歯車等に好適な、動力伝
達部材の研磨方法、研磨装置、及び、この研磨方法によ
り研磨された外歯歯車を有し、該外歯歯車の周囲の内側
に内歯歯車の中心がある歯車伝動機構に関する。
接噛合する外歯歯車を有し、この外歯歯車が偏心体と嵌
合して揺動回転すると共に、前記内歯歯車の中心が、外
歯歯車の周囲の内側にある歯車機構(国際分類F16H
1/32に該当する伝動機構)が広く知られている。
は、例えば、第1軸と、該第1軸の回転によって回転す
る偏心体と、該偏心体にベアリングを介して取り付けら
れ偏心回転が可能とされた複数の外歯歯車と、該外歯歯
車が、外ピンで構成される内歯を介して内接噛合する内
歯歯車と、前記外歯歯車に、該外歯歯車の自転成分のみ
を取り出す内ピンを介して連結された第2軸と、を備え
る。
す。この従来例は、前記第1軸を入力軸とすると共に、
第2軸を出力軸とし、且つ内歯歯車を固定することによ
って上記構造を「減速機」に適用したものである。
0°)をもって偏心体3a、3bが嵌合されている。こ
の偏心体3a、3bは、それぞれ入力軸1(中心O1)
に対して偏心量eだけ偏心している(中心O2)。それ
ぞれの偏心体3a、3bには複数の軸受用ローラ4a、
4bを介して2枚の外歯歯車5a、5bが複列に取り付
けられている。つまり、外歯歯車5a、5bの中心には
軸受孔14a、14bが形成されており、この軸受孔1
4a、14bと偏心体3a、3bとの隙間に軸受用ロー
ラ4a、4bが収容(挿入)されている。なお、外歯歯
車を2枚(複列)にしているのは、主に伝達容量の増
大、強度の維持、回転バランスの保持を図るためであ
る。
6bが複数設けられ、内ピン7及び内ローラ8が嵌入さ
れており、この外歯歯車5a、5bの外周にはトロコイ
ド歯形や円弧歯形の外歯9が設けられ、この外歯9がケ
ーシング12に固定された内歯歯車20と内接噛合して
いる。又、前記外歯歯車5a、5bを貫通する内ピン7
は、出力軸2付近のフランジ部に固着又は嵌入されてい
る。
複数の半円状のピン保持孔13が形成されるピン保持リ
ング10と、前記ピン保持孔13に回転しやすく遊嵌さ
れ且つピン保持孔13から露出した(半円状の)部分で
円弧状歯形を形成する外ピン11とから構成されてい
る。
が1回転する。この偏心体3a,3bの1回転により、
外歯歯車5a、5bは入力軸1の周りで揺動回転を行お
うとするが、内歯歯車20によってその自転が拘束され
るため、外歯歯車5a、5bは、この内歯歯車20に内
接しながらほとんど揺動のみを行うことになる。
N、内歯歯車20の歯数をN+1とした場合、その歯数
差Nは1である。そのため、入力軸1の1回転毎に外歯
歯車5a、5bは、ケーシング12に固定された内歯歯
車20に対して1歯分だけずれる(自転する)。これは
入力軸1の1回転が外歯歯車5a、5bの−1/Nの回
転(マイナスは逆回転を表す)に減速されたことを意味
する。
孔6a、6b及び内ピン7(内ローラ8)の隙間によっ
てその揺動成分が吸収され、自転成分のみが該内ピン7
を介して出力軸2へと伝達される。
速比−1/Nの減速が達成される。
現在種々の減速機あるいは増速機に適用されている。例
えば、上記構造においては、第1軸を入力軸、第2軸を
出力軸とすると共に、内歯歯車を固定するようにしてい
たが、第1軸を入力軸、内歯歯車を出力軸とすると共
に、第2軸を固定することによっても、減速機を構成す
ることが可能である。更に、これらの構造において、
入、出力軸を逆転させることにより、「増速機」を構成
することもできる。
機構を小型化、高負荷能力化するためには、噛み合い部
や摺動部を持つ部品のうち、内歯歯車20は高力特性を
有し、外歯歯車5a、5b、外ピン11、内ローラ8、
内ピン7、軸受用ローラ4a、4b、偏心体3a、3b
は高力特性と高硬度特性を有するように作らなければな
らない。そこで、通常は、そのような特性を持つ金属材
料で上記の部品を製作している。
属材料は、通常比較的高い摩擦係数を持つため、これら
の金属材料を使用した摺動接触面は、油やグリースで潤
滑しておく必要がある。ここで、一般的に潤滑は接触面
に油膜を形成して行うことから、そのための隙間を伝動
機構の接触面同士の間に作っておく必要がある。
ガタを作ることになり、一方側の回転がすぐに他方側の
回転となって現れなくなってしまう。このような応答の
遅れを以下、角度バックラッシュと呼ぶことにする。
えば産業用ロボットの関節のような正逆回転を伴う位置
制御機構として使用されたときには、その制御精度を低
下させる要因となる。従って、該角度バックラッシュを
無くすためには前記隙間を小さくしなければならない
が、この隙間を小さくすることは潤滑油保持の面から見
ると好ましいとは言えず、結局、角度バックラッシュの
低減と潤滑性能向上とは相反するものとなっている。
処理皮膜を形成し、摺動部分の摩擦係数を低下させるこ
とも公知である。この化成処理皮膜はそれ自体が低摩擦
係数ではなく、微小な凹凸に多量の潤滑油を保持してい
るために低摩擦係数となるものである。
部分を含む)に上記公知の化成処理皮膜を形成すること
も考えられるが、化成処理皮膜はそれ自体摩耗しやす
く、皮膜が短時間ではがれてしまう欠点がある。
36825号公報、特許1623717号)では、伝動
機構の接触面の隙間を小さくし、且つ潤滑油の保持を長
期に亘って維持できるようにすることを目的として、歯
形の研削目の歯筋方向及び該研削目の歯筋方向と交差す
る方向(歯形方向)に凹凸面を形成し、且つ、この凹凸
の高さよりも低い膜厚で化成処理皮膜を施した接触面等
の構造及び製造方法を提案している。
の方法はいずれも、外歯歯車と内歯歯車との歯形の接触
面の摩擦係数を潤滑油の存在(保持)によって小さくし
て、高効率、長寿命を達成しようとするものであり、接
触面を滑らかにするという発想を持つものではなかっ
た。特に化成処理被膜は、それ自体が低摩擦なのではな
く、凹凸のある被膜の間に潤滑油を保持して低摩擦を得
るものであるから、潤滑油を十分に保持するという意義
からも接触面の表面粗さは必ずしも良好ではなかった。
保持によって摩擦係数を低減することを主目的としてい
たため、歯車の歯面(接触面)や軸受孔の表面粗さを、
積極的に高めることは行っていなかった。このため、外
歯歯車と内歯歯車の外ピンの噛み合い部が滑りを伴いな
がら転がり接触する際に、接触面の粗さによって滑り騒
音及び転がり騒音が発生するという問題があった。ま
た、このような理由によって滑り騒音が大きくなること
から、外歯歯車と内歯歯車の隙間をいま以上に小さくす
ることは難しく、それが前述した角度バックラッシュの
増大の原因ともなっていた。
08021(現時点では未公開)により歯面の面粗度を
格段に向上させる方法を提案し、これにより上記の問題
点を十分に解決している。
分に解決した一方で、そこには新たな可能性(課題)が
秘められていることを知得した。
1によって提案された「歯面」の面粗度を向上させる技
術によれば、伝動機構が従来よりも飛躍的に低騒音、低
バックラッシュになることが明らかとなったが、その技
術には軸受孔の面粗度が全く考慮されていなかった。こ
れは、上記技術が提案される以前は、一般的に軸受孔の
面粗度は歯面と比較して十分良好だったので、歯面の潤
滑状態のみに主眼を置いて対策を講じれば良いと考えら
れていたからである。
段に向上した結果、予測以上に軸受孔の面粗度の影響が
顕在化した。つまり、(従来、全く注目されることがな
かった)軸受孔を改良すれば、騒音、バックラッシュの
低減効果等が更に高いレベルで得られる可能性が期待さ
れた。
歯の噛み合い及び回転に伴う騒音発生の低減に寄与する
ことができると共に、回転時の角度バックラッシュを低
減し、併せて、軸受孔部分の実質的な許容荷重を増大し
て、コンパクトな状態で外歯歯車の高負荷容量化を可能
にする動力伝達部材の研磨方法、この研磨方法により製
造された外歯歯車を有する伝動機構、及び、その研磨方
法の実施に使用する研磨装置を提供することを目的とす
る。
軸方向に形成された軸受孔を有する動力伝達部材の研磨
方法において、前記軸受孔の内周面に対し、押圧部材で
バックアップすることによりフィルム研磨材を押し付
け、その状態で前記内周面と前記フィルム研磨材とを周
方向に相対的に摺動させることにより、該内周面を研磨
することにより、上記課題を解決したものである。
うねりや粗さが減少されて、内周面が平滑度を増大する
と共に、真円度、円筒度を向上させることができる。従
って、これにより、例えば軸受孔の内部に直接軸受用ロ
ーラが挿入されて、このローラが転がり接触をした際
に、滑り騒音や転がり騒音が発生するのを抑制すること
ができる。この特性は、例えば動力伝達部材が外歯歯車
であり、この外歯歯車が揺動内接噛合構造に使用される
際に要求される特性として非常に大きな意義を有する
(詳細は後述する)。
接触面間の流体潤滑が可能となる。このため、軸受孔部
分の焼き付きのおそれが少なく、軸受用ローラと軸受孔
の隙間を小さくすることができ、がたつき音が減少す
る。このことは、例えば動力伝達部材が歯車である場合
には、それに噛合する相手側歯車との隙間精度を高める
ことにもつながり、更に高いレベルで角度バックラッシ
ュを低減できることになる。
で研磨した後又はCBN刃物で切削した後に、該内周面
に対して前記フィルム研磨材を用いた押圧研磨を実行す
るようにしてもよい。そうすれば、より効率的な切削と
研磨による複合加工を行なうことができる。
の押圧研磨を実行する際に、更に、前記動力伝達部材の
前記軸受孔をフィルム研磨材に対して軸方向に相対的に
振動させるようにしてもよい。そうすれば、一層表面粗
さの向上を図ることができる。
伝達部材は外歯歯車であることが好ましく、その場合に
は更に、前記外歯歯車の歯面に対し、歯面用の押圧部材
でバックアップすることにより歯面用フィルム研磨材を
押し付け、その状態で外歯歯車の歯と歯面用フィルム研
磨材とを歯形方向に相対的に摺動させることにより、前
記歯面と前記内周面とを同時に押圧研磨しても良い。
受孔とが同時に研磨可能となるので、製造工程及び時間
が短縮されてコストが低減する。
外歯歯車の歯を歯筋方向に成形砥石で研磨した後に、前
記フィルム研磨材を用いた前記歯面及び前記内周面の押
圧研磨を実行することが好ましく、更に効率的な歯面加
工が達成される。
テルフィルムに酸化アルミニウム、シリコンカーバイ
ト、ダイヤモンド等の微粒子研磨剤をコーティングした
ものを用いるのがよい。
は、前記動力伝達部材の軸受孔の内周面を研磨するため
のフィルム研磨材と、前記内周面に対して付勢可能とさ
れた押圧部材を有し、該押圧部材を介して前記フィルム
研磨材を前記内周面に所定の圧力で押し付ける押付機構
と、前記内周面とフィルム研磨材とを周方向に相対的に
摺動させる研磨駆動機構と、を備えたことにより、上記
課題を解決したものである。
面に押し付ける手段としては、例えば空圧シリンダ機構
を使用することができる。
ルム研磨材を長さ方向に送り(引張り)移動するフィル
ム送り装置や、ワークである動力伝達部材を支持して回
転させるワーク回転装置等を使用することができる。ワ
ーク側を駆動する場合は、軸受孔の周方向、軸方向とも
に細かく往復回転駆動することが簡単にできるため、往
復摺動による研磨効果を更に上げることもできる。
して軸方向に相対的に振動させるオシレーション機構を
備えると、一層の研磨効果を上げることができる。
の外歯の歯面も同時に研磨する場合等においては、前記
外歯歯車の歯面を研磨するための歯面用フィルム研磨材
と、外歯歯車の軸心に対して半径方向に進退動可能とさ
れた歯面用の押圧部材を有し、該押圧部材を介して前記
フィルム研磨材を前記歯面に所定の圧力で押し付ける歯
面用押付機構と、を備えるようにし、前記内周面とフィ
ルム研磨材とを摺動させる前記研磨駆動機構が、同時に
前記外歯歯車の歯面と歯面用フィルム研磨材とを歯形方
向に相対的に摺動させることが好ましい。
研磨する場合において、研磨駆動機構やオシレーション
機構の共通化が図られ、簡単な構成で効率の良い装置が
得られる。
動力伝達部材(外歯歯車)の適用例としては、揺動内接
噛合遊星歯車伝動機構が代表的である。具体的には、内
歯歯車、及び該内歯歯車に内接する外歯歯車を有し、該
外歯歯車が偏心体と係合して揺動回転すると共に、該外
歯歯車の周囲の内側に前記内歯歯車の中心が位置する揺
動内接噛合遊星歯車伝動機構において、前記外歯歯車
を、上記の研磨方法により研磨すると共に、該外歯歯車
の前記軸受孔を前記偏心体に遊嵌させ、且つ、該軸受孔
と該偏心体との隙間に、複数の軸受用ローラを直接挿入
するように構成すればよい。
の騒音、ガタが低減され、結果として、外歯歯車と内歯
歯車とのバックラッシュも大幅に減少する。又、騒音が
小さいことから軸受用ローラの数を増加させることがで
き、大きな荷重にも十分耐え得ると共に軸受部の長寿命
化が図られる。
歯車以外にも、摩擦伝動装置の各摩擦ローラ、動力伝動
軸等を含むものであり、又、その軸受孔とは、内部にお
いて軸(ローラ)部材や円筒部材、球状部材等が直接転
接、摺動回転等する孔を意味するものである。
面に基づいて説明する。
用する研磨装置の概略構成を示し、図2はその主要部の
関係を拡大して示している。
2、図13で示した内接噛合遊星外歯歯車機構の外歯歯
車5a、5bと同類の外歯歯車Wである。
を有するもので、内ローラ孔6部分が、チャック104
によりクランプされて水平な駆動軸101によって支持
されている。駆動軸101は、外歯歯車Wを支持した状
態で、その歯形方向(外歯歯車W及びその軸受孔14の
円周方向:図2参照)に往復回転駆動されると共に、歯
筋方向(外歯歯車W及びその軸受孔14の軸方向:図1
参照)に微小振動(オシレーション)させられるように
なっている。図1において、102は駆動軸101を回
転駆動させるための回転駆動装置(研磨駆動機構)、1
03は微小振動させるためのオシレーション装置であ
る。
Wの軸受孔14の内周面には、外歯歯車Wの歯面を研磨
するためのフィルム研磨材110が内側より押し付けら
れている。具体的に、フィルム研磨材110は、外歯歯
車Wの軸受孔14を一方から他方へ(押付け状態で)通
過し、その通過先で折り返して軸受孔14を戻るように
して(非押付け状態で)再度通過している。
を示すように、ポリエステルフィルム110aの表面
に、熱硬化性接着剤110b、110cを用いて酸化ア
ルミニウム、シリコンカーバイト、ダイヤモンド等の研
磨粒子(微粒子研磨剤)110dをコーティングしたも
のであり、研磨粒子110dの一部が露出している方が
研磨側である。
部には、フィルム研磨材110をこの軸受孔14の内周
面に押し付けるための(押付機構における押圧部材とし
ての)シュー120が配されている。このシュー120
は、空気圧シリンダ機構等を内蔵した定圧押付装置13
0のアーム131に支持されており、一定圧力Pでフィ
ルム研磨材110を内周面に押し付けるバックアップ部
材としての役目を果たす。
曲面(内周面)よりも小さな(又は同等の)曲率の凸曲
面に形成されており、この凸曲面でフィルム研磨材11
0を内周面に押し付けることで、確実に効率良く研磨で
きるようになっている。
2やオシレーション装置103を制御するための研磨制
御装置や、フィルム研磨材110を送り(引張り)移動
するためのフィルム送り装置、定圧押付装置130の制
御装置(いずれも図示せず)等が装備されている。
歯歯車や円筒状の摩擦ローラ等における軸受孔を研磨す
る場合には、チャック104によってそれらの外周面を
クランプすればよく、又その他にも、軸方向にクランプ
(挟持)したり、遊星構造の太陽部材位置にワークを収
容し、その遊星部材によりワークをクランプ及び回転駆
動するようにしても良い。
法について説明する。
る研削加工を施し、第2工程で前述の研磨装置を用いた
研磨工程を施す。なお、第1工程の研削加工の代わり
に、CBN(立方晶窒化ほう素)チップによる切削加工
を施してもよく、又、これらを組合わせても構わない。
14よりも小径の円筒形状に成形された砥石201を、
この軸受孔14の内周面に合わせて回転させ、外歯歯車
Wも同時に回転させることにより歯を研削する。この工
程は加工のベースとなるもので、外歯歯車Wのピッチ円
との同軸度や、歯車の側面に対する軸受孔14の軸心線
の直角度等がこの工程である程度確保される。このと
き、内周面の軸方向には、図5に示すように「粗さ(微
小な変位)」と「うねり(微小な変位を無視した際の全
体的な変位)」が残る。
フィルム研磨材110を外歯歯車Wの軸受孔14内に配
置し、定圧押付装置130を作動させて、シュー120
によりフィルム研磨材110を内周面に一定圧力Pで押
し付ける。
又は連続的に時計方向及び反時計方向に回転させる(相
対的に摺動させる)。これにより、フィルム研磨材11
0によって内周面が周方向に研磨される。このとき、外
歯歯車Wを軸方向に微振動(オシレーション)させるこ
とで、歯面の研磨効果を高める。
程により、第1工程での軸方向のうねりと粗さが大幅に
除去される。
た段階で、あるいは軸受孔14を所定角度(所定回転)
研磨した段階で所定量だけ送り(引張り)、新たな面で
研磨できるようにする。
0は、研磨に当って要するに相対的に摺動すればよいた
め、例えば外歯歯車Wが軸方向のみに振動している間
に、フィルム研磨材110(シュー120)を内周面に
沿って周方向に回転させるような構成としてもよい。
又、フィルム研磨材110の送り方向は軸方向に限られ
ず、周方向あるいは斜め方向(ヘリカル方向)に送って
も構わない。
方向及び軸方向の粗さとうねりが除去され、表面粗さが
向上するので、周方向に移動しながら転がり接触する軸
受用ローラ4a、4bとの間を流体潤滑できるようにな
る。その結果、適正な油膜が確保されやすくなり、これ
により軸受孔14a、14b、軸受用ローラ4a、4b
及び偏心体3a、3bとの隙間を詰めても焼き付きが生
じにくくなり、径方向のガタ付きも低減できる。
ーラ4a、4bの転がりによる騒音が低下する。その結
果として、従来は騒音を防止するために軸受用ローラ4
a、4bの数をできるだけ少なくしていたが、本発明に
よれば、軸受用ローラ4a、4bの数を多くしても騒音
が増大することがないので、各ローラの荷重分担が軽減
し、高荷重化及び長寿命化が達成される。
いて説明する。
用する第2実施形態に係る研磨装置の概略構成を示し、
図8はその主要部の関係を拡大して示している。
2、図13で示した内接噛合遊星外歯歯車機構の外歯歯
車5a、5bと同類の外歯歯車Wである。又、この研磨
装置は外歯歯車Wの軸受孔14及び歯面を同時に研磨す
るものであるが、軸受孔14の研磨については第1実施
形態で示したものとほぼ同様であるので、同一部分には
下2桁を同一符号を付して説明・図示は省略する。
を有するもので、水平な駆動軸201によって支持され
ている。駆動軸201は、既に第1実施形態で示したよ
うに、外歯歯車Wを支持した状態で、その歯形方向(外
歯歯車Wの円周方向:図参照)に往復回転駆動されると
共に、歯筋方向(外歯歯車Wの軸方向:図参照)に微小
振動(オシレーション)させられるようになっている。
図7において、202は回転駆動させるための回転駆動
装置(研磨駆動機構)、203は微小振動させるための
オシレーション装置であり、実際には図1の回転駆動装
置102、オシレーション装置103が兼用されてい
る。
Wの外周には、外歯歯車Wの歯面を研磨するためのフィ
ルム研磨材210(軸受孔14の研磨に用いるのと同様
なもの)が被せられ、外歯歯車Wのほぼ半周を覆ってい
る。
には、フィルム研磨材210を外歯歯車Wの歯面に押し
付けるための歯面用(押付機構の押圧部材としての)シ
ュー250が配されている。これらのシュー250は、
空気圧シリンダ機構等を内蔵した定圧押付装置260の
アーム261に支持されており、一定圧力Pでフィルム
研磨材210を外歯歯車Wの歯面に押し付けるバックア
ップ部材としての役目を果たす。
形の凹曲面よりも小さな曲率の凸曲面(外歯歯車Wの回
転に伴って歯面に追従する程度の曲率Rの曲面)に形成
されており、この凸曲面でフィルム研磨材210を歯面
に押し付けることにより、歯形の谷部を確実に効率良く
研磨できるようになっている。
2やオシレーション装置203を制御するための研磨制
御装置(図1と同等装置)や、フィルム研磨材210を
送り(引張り)移動するためのフィルム送り装置、定圧
押付装置の制御装置(いずれも図示せず)等が装備され
ている。
上げ方法について説明する。
14の砥石による研削加工を施し、第2工程で前述の研
磨装置を用いた研磨工程を施す。なお、軸受孔14の加
工については、第1実施形態と同様であるので説明は省
略する。
示すように、歯形形状に成形された砥石280を外歯歯
車Wの歯形に合わせて回転させ、外歯歯車Wを歯筋方向
(図面と垂直な方向)に動かすことにより歯を研削す
る。この工程は加工のベースとなるもので、歯のピッチ
精度や歯形精度はこの工程で確保する。このとき、歯面
の歯形方向には、図10に示すように粗さとうねりが残
る。
フィルム研磨材210を外歯歯車Wの外形を囲むように
配置し、定圧押付装置230を作動させて、シュー25
0によりフィルム研磨材210を外歯歯車Wの歯面に一
定圧力Pで押し付ける。その際、軸受孔14の内周面に
もシュー250を用いてフィルム研磨材210を押し付
ける。
又は連続的に時計方向及び反時計方向に回転させる(相
対的に摺動させる)。これにより、フィルム研磨材21
0によって歯面が歯形方向(周方向)に、又、軸受孔1
4が周方向に同時に研磨される。このとき、外歯歯車W
を歯筋方向に微振動(オシレーション)させることで、
歯面及び内周面の研磨効果を高める。
を示す。第2工程により、第1工程での歯形方向のうね
りと粗さが除去される。
た段階で、あるいは外歯歯車Wを所定角度、あるいは所
定歯数研磨した段階で所定量だけ送り(引張り)、新た
な面で研磨できるようにする。
0は、研磨に当って要するに相対的に摺動すればよいた
め、例えば外歯歯車Wが歯筋方向のみに振動している間
に、フィルム研磨材210を送る(引張る)ような構成
としてもよい。
うねりが同時に除去され、表面粗さが向上するので、歯
形方向に移動しながら滑りを伴って転がり接触する外ピ
ン11(内歯外歯歯車の歯に相当するもので、図12、
図13を参照のこと)との間を流体潤滑できるようにな
る。その結果、適正な油膜が確保されやすくなり、これ
により歯と歯の隙間を詰めても焼き付きが生じにくくな
り、角度バックラッシュも低減できる。又、既に第1実
施形態で示したように、軸受孔14における径方向のガ
タも改善されているので、この軸受孔14と相乗効果に
より、(特に揺動回転するような外歯歯車Wの場合は)
正転・逆転を切り換える際の角度バックラッシュが大幅
に低減される。
で、主に滑りや転がりによる騒音が低下すると共に、外
ピン11と外歯外歯歯車5a、5b(外歯歯車W)の動
荷重が減少することで、実質的な噛合率が大きくなり、
一層の低騒音化が達成できる。
外歯歯車等の動力伝達部材の軸受孔の表面粗さを向上さ
せることができるので、軸受用ローラの回転や外歯歯車
の歯の噛み合いに伴う騒音発生の低減と、各接触面の流
体潤滑による油膜確保の実現を図ることができる。従っ
て、歯面や軸受の焼き付きを抑えながら、歯と歯の隙間
又は軸受孔のガタを詰めることができ、その点からも騒
音の低減及び角度バックラッシュの低減に寄与すること
ができる。更には、径の小さな軸受用ローラを数多く軸
受孔に挿入できるので、動力伝達部材(例えば外歯歯
車)のコンパクト化、高耐荷重化を実現することができ
る。
断面図
行う研削加工の説明図
す特性図
示す特性図
行う研削加工の説明図
す特性図
示す特性図
車機構の断面図
Claims (10)
- 【請求項1】自身の内部に軸方向に形成された軸受孔を
有する動力伝達部材の研磨方法において、 前記軸受孔の内周面に対し、押圧部材でバックアップす
ることによりフィルム研磨材を押し付け、その状態で前
記内周面と前記フィルム研磨材とを周方向に相対的に摺
動させることにより、該内周面を研磨することを特徴と
する動力伝達部材の研磨方法。 - 【請求項2】請求項1において、 前記軸受孔の前記内周面を成形砥石によって研磨した後
又はCBN刃物によって切削した後に、該内周面に対し
て前記フィルム研磨材を用いた押圧研磨を実行すること
を特徴とする動力伝達部材の研磨方法。 - 【請求項3】請求項1又は2において、 前記フィルム研磨材を用いた周方向の押圧研磨を実行す
る際に、更に、前記動力伝達部材の前記軸受孔をフィル
ム研磨材に対して軸方向に相対的に振動させることを特
徴とする動力伝達部材の研磨方法。 - 【請求項4】請求項1、2又は3において、 前記動力伝達部材が外歯歯車であることを特徴とする動
力伝達部材の研磨方法。 - 【請求項5】請求項4において、 前記外歯歯車の歯面に対し、歯面用の押圧部材でバック
アップすることにより歯面用フィルム研磨材を押し付
け、その状態で外歯歯車の歯と歯面用フィルム研磨材と
を歯形方向に相対的に摺動させることにより、前記歯面
と前記軸受孔の内周面とを同時に押圧研磨することを特
徴とする動力伝達部材の研磨方法。 - 【請求項6】請求項5において、 前記外歯歯車の歯を歯筋方向に成形砥石で研磨した後
に、前記歯面及び前記内周面の押圧研磨を実行すること
を特徴とする動力伝達部材の研磨方法。 - 【請求項7】自身の内部に軸方向に形成された軸受孔を
有する動力伝達部材の研磨装置において、 前記軸受孔の内周面を研磨するためのフィルム研磨材
と、 前記内周面に対して付勢可能とされた押圧部材を有し、
該押圧部材を介して前記フィルム研磨材を前記内周面に
所定の圧力で押し付ける押付機構と、 前記内周面と前記フィルム研磨材とを周方向に相対的に
摺動させる研磨駆動機構と、 を備えたことを特徴とする動力伝達部材の研磨装置。 - 【請求項8】請求項7において、 更に、前記動力伝達部材の前記軸受孔をフィルム研磨材
に対して軸方向に相対的に振動させるオシレーション機
構を備えたことを特徴とする動力伝達部材の研磨装置。 - 【請求項9】請求項7又は8において、前記動力伝達部
材が外歯歯車であり、更に、 該外歯歯車の歯面を研磨するための歯面用フィルム研磨
材と、 前記外歯歯車の軸心に対して半径方向に進退動可能とさ
れた歯面用の押圧部材を有し、該押圧部材を介して前記
フィルム研磨材を前記歯面に所定の圧力で押し付ける歯
面用押付機構と、を備え、 前記内周面を研磨するための前記研磨駆動機構が、同時
に、前記外歯歯車の歯面と歯面用フィルム研磨材とを歯
形方向に相対的に摺動させるように構成したことを特徴
とする動力伝達部材の研磨装置。 - 【請求項10】内歯歯車、及び該内歯歯車に内接する外
歯歯車を有し、該外歯歯車が偏心体と係合して揺動回転
すると共に、該外歯歯車の周囲の内側に前記内歯歯車の
中心が位置する揺動内接噛合遊星歯車伝動機構におい
て、 前記外歯歯車を、請求項1乃至6のいずれかに記載の研
磨方法により研磨すると共に、該外歯歯車の前記軸受孔
を前記偏心体に遊嵌させ、且つ該軸受孔と該偏心体との
隙間に、複数の軸受用ローラを直接挿入したことを特徴
とする揺動内接噛合遊星歯車伝動機構。
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