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JP2001230447A - Iii族窒化物系化合物半導体素子の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物系化合物半導体素子の製造方法

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Publication number
JP2001230447A
JP2001230447A JP2000037381A JP2000037381A JP2001230447A JP 2001230447 A JP2001230447 A JP 2001230447A JP 2000037381 A JP2000037381 A JP 2000037381A JP 2000037381 A JP2000037381 A JP 2000037381A JP 2001230447 A JP2001230447 A JP 2001230447A
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Japan
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layer
semiconductor layer
substrate
thickness
iii nitride
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Application number
JP2000037381A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Taki
瀧  哲也
Makoto Asai
誠 浅井
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toyoda Gosei Co Ltd filed Critical Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板とnコンタクト層との間の格子不整合を
緩和し、III族窒化物系化合物半導体層の結晶性を向上
する。 【構成】 基板とnコンタクト層との間に、MOCVD
法により1000℃〜1180℃の成長温度でAl
In1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦
x+y≦1)からなる第1の半導体層をその格子定数を
変化させながら成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はIII族窒化物系化合物半
導体素子の製造方法に関する。詳しくは、有機金属気相
成長法(MOCVD法)によりIII族窒化物系化合物半
導体素子を製造するときのバッファ層の成膜方法の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、III族窒化物系化合物半導体を用
いた半導体素子の構造として発光素子の場合を例にとれ
ば、サファイア基板の上にAlGa1−XN(0≦X
≦1)からなるバッファ層を設け、その上にnコンタク
ト層、発光層等を形成した構造が知られている。バッフ
ァ層は発光層等の結晶性を向上させる目的で設けられ
る。バッファ層の成長方法として、例えば、特開昭62
−119196号公報には、950℃〜1150℃の成
長温度AlGa1−XN(0≦X≦1)バッファ層を
MOCVD法により成長させている。また、その後の研
究によれば400℃程度の成長温度でバッファ層を成長
することにより、その上に成長させるIII族窒化物系化
合物半導体層の結晶性が向上することがわかっている
(特開平2−229476号公報等)。一方、特開平5
−29618号公報には、基板上に組成傾斜をもたした
バッファ層(Ga1−X−YInAlN(0≦X≦
1、0≦Y≦1))を形成する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】III族窒化物系化合物
半導体発光素子には、更なる発光出力の向上が求められ
ている。そのためには、nコンタクト層、nクラッド
層、発光層等の各III族窒化物系化合物半導体層の結晶
性を向上させることが不可欠である。本発明者らは、か
かる課題に鑑みIII族窒化物系化合物半導体層の下地と
なるバッファ層に注目してその成長方法を検討した。そ
の結果、所定の条件下、高温でバッファ層を成長する
と、その上に成長されるIII族窒化物系化合物半導体層
の結晶性が向上するという知見を得た(特願平11−2
22882、出願人整理番号:980341、代理人整理番
号:P0129、参照)。本発明者らの観察によれば、従来
より高温で成長されたバッファ層は単結晶の状態になっ
ており、かかる結晶性の良い下地層の上にIII族窒化物
系化合物半導体層が成長されるためIII族窒化物系化合
物半導体の結晶性が向上するものと考えられる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の知見に基
づきなされたものであり、新規なIII族窒化物系化合物
半導体層の下地層(バッファ層)の成長方法を提供する
ことを目的とし、当該III族窒化物系化合物半導体層の
結晶性の更なる向上を図ろうとするものである。その構
成は次の通りである。即ち、基板上にMOCVD法によ
り1000℃〜1180℃の成長温度でAlGa
1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y
≦1)からなる第1の半導体層をその格子定数を段階的
及び/又は連続的に変化させながら成長させるステップ
を含む、ことを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体
素子の製造方法、である。
【0005】本発明の製造方法によれば、結晶性の良い
第1の半導体層(下地層)が形成され、この結晶性の良
い下地層の上にIII族窒化物系化合物半導体層を成長さ
せることができる。その結果、III族窒化物系化合物半
導体層の結晶性が向上される。また、第1の半導体層
(下地層)はその格子定数が徐々に変化するように形成
されるので、基板とIII族窒化物系化合物半導体層との
間の格子不整合が下地層において効果的に緩和される。
換言すれば、基板とIII族窒化物系化合物半導体層との
間の大きな格子定数の差が、下地層において段階的又は
連続的に緩和され、即ち急激な格子定数の変化を伴うこ
となくIII族窒化物系化合物半導体層を成長させること
ができる。もって、III族窒化物系化合物半導体層の結
晶性は更に向上し、半導体素子の特性の向上が図られ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各構成要素につい
て説明する。基板の材質はIII族窒化物系化合物半導体
に適したものであれば特に限定されない。サファイア、
スピネル、シリコン、炭化シリコン、酸化亜鉛、リン化
ガリウム、ヒ化ガリウム、酸化マグネシウム、酸化マン
ガンなどを基板の材料として挙げることができる。本発
明ではサファイア基板のa面にIII族窒化物系化合物半
導体を成長させるようにすることが好ましい。
【0007】III族窒化物系化合物半導体は、一般式と
してAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦
Y≦1、0≦X+Y≦1)で表され、AlN、GaN及
びInNのいわゆる2元系、AlGa1−xN、Al
In1−xN及びGaIn1−xN(以上において
0≦x≦1)のいわゆる3元系を包含する。III族元素
の一部をボロン(B)、タリウム(Tl)等で置換して
も良く、また、窒素(N)の一部もリン(P)、ヒ素
(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等で
置換できる。III族窒化物系化合物半導体は任意のドー
パントを含むものであっても良い。n型不純物として、
Si、Ge、Se、Te、C等を用いることができる。
p型不純物として、Mg、Zn、Be、Ca、Sr、B
a等を用いることができる。なお、かかるp型不純物を
ドープしたのみではIII族窒化物系化合物半導体を低抵
抗のp型半導体とすることは困難であり、p型不純物を
ドープした後にIII族窒化物系化合物半導体を電子線照
射、プラズマ照射若しくは炉による加熱にさらすことも
可能である。
【0008】基板上には、AlGaIn1−x−y
N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)からな
る第1の半導体層が形成される。第1の半導体層は有機
金属化合物気相成長法(この明細書中で「MOCVD
法」という。)により形成される。第1の半導体層の成
長は1000℃〜1180℃の温度条件下で行われる。
かかる温度条件で第1の半導体層を成長させることによ
り、単結晶からなる半導体層が成長される。好ましく
は、1050℃〜1180℃で行う。さらに好ましくは
1110℃〜1150℃である。上記温度条件の範囲内
において、第1の半導体層の成長に伴って成長温度を変
化させることができる。なお、基板上にかかる高温で結
晶性のよいIII族窒化物系化合物半導体層をMOCVD
法により形成するには、さらに次の条件を満足すること
が好ましい(既述の特願平11−222882号参
照)。即ち、30nm以下の表面窒化層厚を持ち、基板
の上に形成される第1層の膜厚が0.01〜3.2μm
であること。更に好ましくは、表面窒化層の膜厚が1〜
30nmであり、第1層の膜厚が1.2〜3.2μmで
ある。一方、表面窒化層の膜厚を1nm未満とし、第1
層の膜厚が0.01〜2.3μmとすることもできる。
基板の表面には窒化層が形成されている。MOCVD法
を実行する際には、水素ガスなどの流通下、基板を昇温
してその表面をクリーニングした後、基板の温度を保っ
たまま、水素ガスをキャリアガスとしてIII族窒化物系
化合物半導体の窒素材料元となる第1のガス(アンモニ
ア、ヒドラジン、有機アミンなど)を流通させることに
よりこの窒化層は形成される。本発明の1の局面では、
かかる表面窒化層の厚さ(深さ)を10〜300Åとし
た。300Åを超える厚さの表面窒化層も使用可能であ
るが、そうすると表面窒化層の形成に長時間を要するこ
ととなる。例えば、水素ガス(10リットル/分)とア
ンモニアガス(3リットル/分)との混合ガスを119
0℃に加熱されたサファイア基板上に30分間流通させ
たとき、約200Åの厚さの表面窒化層が形成された。
水素ガスとアンモニアガスとの混合ガスの流通時間を調
整することにより、この表面窒化層の厚さを制御でき
る。更には、アンモニアガスの濃度及び/又は基板温度
の調整によっても表面窒化層の厚さを制御できると考え
られる。また、表面窒化層の厚さを10Å未満とする。
基板の表面クリーニング終了後、最初、アンモニアガス
などの窒素材料元ガスを流通させる。そして、その流通
が安定した後、速やかに、TMAなどのIII族金属元素
材料ガスを流通させる。本発明者らの経験によれば、ア
ンモニアガスを導入するバルブを開いてから30秒〜9
0秒後(通常は、30〜60秒未満)にはアンモニアガ
スの流通は安定する。これにより、10Å未満の厚さの
表面窒化層が形成される。この場合、短時間であるがア
ンモニアガスのみが基板表面へ供給されるので、当該基
板表面が窒化されると考えられるが、その厚さは測定困
難である。ここにおいては、アンモニアガスの流通が安
定した後、速やかにIII族金属元素材料ガスを流通させ
るという製造ステップ自体が重要である。
【0009】第1の半導体層はその格子定数が基板側か
ら段階的又は連続的に変化する様に成長される。換言す
れば、段階的又は連続的に格子定数が変化する様にその
組成を変化させながら第1の半導体層を成長させる。ま
た、段階的な変化及び連続的な変化を任意に組み合わせ
て第1の半導体層を成長させることもできる。第1の半
導体層の格子定数を段階的又は連続的に変化させるに
は、MOCVD法において、第1の半導体層を成長させ
るにしたがって原料ガスの組成比を段階的又は連続的に
変化させればよい。第1の半導体層をその格子定数が段
階的に変化するように成長させる場合には、組成の異な
る複数の半導体層が積層されて第1の半導体層を構成す
ることとなる。この場合、第1の半導体層を構成する各
層の膜厚は200nm〜4000nmであることが好ま
しい。さらに好ましくは各層の膜厚を500nm〜20
00nmの範囲とする。最も好ましくは各層の膜厚はお
よそ1000nmである。勿論、各層の膜厚が全て同じ
である必要はなく、膜厚の異なる層を積層して第1の半
導体層とすることもできる。この場合には、各層の膜厚
を基板側から段階的に変化させることが好ましい。ま
た、第1の半導体層の最上層を成長させるときにSi、
Ge、C、Sn等の不純物をドープすることにより、最
上層をnコンタクト層とすることもできる。
【0010】第1の半導体層はその上に形成されるIII
族窒化物系化合物半導体層(この明細書で、「第2の半
導体層」という。)側で当該第2の半導体層の格子定数
と実質的に同じか若しくはこれに近い格子定数を有する
ことが好ましい。かかる構成によれば、より格子整合し
た下地層の上に第2の半導体層を成長させることとな
り、当該第2の半導体層の結晶性の向上が図れるからで
ある。更には、基板側においても当該基板と実質的に同
じか若しくはこれに近い格子定数を有することが好まし
い。
【0011】基板としてサファイアを用いる場合には、
第1の半導体層の基板と接する面の組成はAlNである
ことが好ましい。サファイアの組成はAlであ
り、その表面において酸素でターミネートしていると考
えられる。したがって、第1の半導体層の基板と接する
組成をAlNとすると、そのAlがサファイア基板の酸
素原子と相性よく結合する。そして、成長させる第1の
半導体層中のAl原子の割合を順次変化させていけば、
結晶構造に無理が生じない。なお、サファイア基板の表
面酸素原子には当初水素原子が結合しているので、サフ
ァイア基板を昇温してアンモニアを流通させて当該水素
原子を奪い去り、当該表面酸素原子を表出させる必要が
ある。
【0012】第1の半導体層の膜厚は、400nmから
100μmであることが好ましい。400nmより薄い
場合には歪み緩衝層としての機能が十分に発揮できない
からであり、100μmよりも厚いと成長に時間がかか
り製造効率上好ましくないからである。更に好ましくは
1000nmから50μmの膜厚とする。尚、数十μm
と厚く形成した場合は、サファイア基板を除去し導電性
の半導体素子の基板として機能させることもできる。
【0013】第2の半導体層は、有機金属気相成長法
(MOCVD法)のほか、周知の分子線結晶成長法(M
BE法)、ハライド系気相成長法(HVPE法)、スパ
ッタ法、イオンプレーティング法、電子シャワー法等に
よっても形成することができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明の構成を更に詳細
に説明する。 (第1実施例)図1は本発明の製造方法により製造され
る発光ダイオード1である。各層のスペックは次の通り
である。 層 : 組成:ドーパント (膜厚) 透光性電極15 pコンタクト層14 : p−GaN:Mg (0.3μm) 発光層13 : 超格子構造 量子井戸層 : In0.15Ga0.85N (3. 5nm) バリア層 : GaN (3.5nm) 量子井戸層とバリア層の繰り返し数:1〜10 nコンタクト層 12 : n−GaN:Si (4μm) 第1の半導体層 11 : AlGa1−xN(0≦x≦1) (10μm ) 基板10 : サファイア (300μm)
【0015】第1の半導体層は、図2に示されるように
基板10側からnコンタクト層12側に向かってその組
成が段階的に変化する複数層が積層して構成される。即
ち、第1の半導体層の組成は、基板10に接する面にお
いてはAlNであり、nコンタクト層12に接する面に
おいてはnコンタクト層と同じGaNである。本実施例
では、第1の半導体層の組成を10段階に変化させた
が、勿論、10段階の変化に限定されるわけではない。
また、組成の変化の度合いも実施例のものに限定はされ
ない。本実施例では、第1の半導体層を構成する各層の
膜厚はすべて1000nmとしたが、膜厚はこれに限定
されるものではなく、また、各層毎にその膜厚を変える
こともできる。
【0016】nコンタクト層12は発光層13側の低電
子濃度n層と第1の半導体層11側の高電子濃度n
層とからなる2層構造とすることができる。発光層13
は超格子構造のものに限定されない。発光素子の構成と
しては、MIS接合、PIN接合やpn接合を有したホ
モ構造、シングルヘテロ構造若しくはダブルヘテロ構造
のものを用いることができる。発光層として量子井戸構
造(単一量子井戸構造若しくは多重量子井戸構造)を採
用することもできる。発光層13とpコンタクト層14
との間にマグネシウム等のアクセプタをドープしたバン
ドキャップの広いAlGaIn1−X−YN(0≦
X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)層を介在させること
ができる。これは発光層13の中に注入された電子がp
コンタクト層14に拡散するのを防止するためである。
pコンタクト層14を発光層13側の低ホール濃度p
層とp電極16側の高ホール濃度p側とからなる2層
構造とすることができる。
【0017】上記構成の発光ダイオード1は次のように
して製造される。まず、MOCVD装置の反応装置内へ
水素ガスを流通させながら当該サファイア基板を100
0℃まで昇温させて5分間維持する。そして、基板11
を1130℃まで昇温し、材料ガスとして先ずアンモニ
アガスのみを15分間導入する。その後、基板温度を1
130℃に維持しながら第1の半導体層を形成する。第
1の半導体層の形成は、アンモニアガスとIII族元素の
アルキル化合物ガスであるトリメチルガリウム(TM
G)、トリメチルアルミニウム(TMA)を原料ガスと
したMOCVD法によって行われる。まず、TMGの供
給量をゼロとして、AlN層が形成される。その後、T
MGの供給量を段階的に増加させることにより、Al
0.9Ga0.1N〜GaNまでAlとGaの組成比が
段階的に変化する層が形成される。nコンタクト層1
2、発光層13、及びpコンタクト層14は常法(MO
CVD法)に従い形成される。即ち、アンモニアガスと
III族元素のアルキル化合物ガス、例えばトリメチルガ
リウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)
やトリメチルインジウム(TMI)とを基板上に供給し
て熱分解反応させ、もって所望の結晶を成長させる。
【0018】透光性電極15は金を含む薄膜であり、p
コンタクト層14の上面の実質的な全面を覆って積層さ
れる。p電極16も金を含む材料で構成されており、蒸
着により透光性電極15の上に形成される。n電極17
はエッチングにより露出されたnコンタクト層12の面
へ蒸着により形成される。
【0019】(第2実施例)図3に本発明の他の実施例
である発光ダイオード2の要部拡大図を示す。なお、第
1実施例の発光ダイオード1と同一の部材には同一の符
号を付してその説明を省略する。発光ダイオード2では
第1の半導体層21の組成が基板10からnコンタクト
層12に向かってAlN〜GaNへと連続的に変化して
いる。この組成が連続的に変化する第1の半導体層21
は、MOCVD法を行うときに原料ガスの組成比を連続
的に変化させることにより形成される。尚、第1の半導
体層21の膜厚は50μmである。
【0020】(第3実施例)図4に本発明の他の実施例
である発光ダイオード3の要部拡大図を示す。なお、第
1実施例の発光ダイオード1と同一の部材には同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0021】発光ダイオード3では第1の半導体層31
の組成が基板10からnコンタクト層に向かってAlN
〜Al0.1Ga0.72In0.18Nへと9段階に
変化している。また、nコンタクト層32の組成はGa
0.8In0.2N(Siドープ)である。このよう
に、発光ダイオード3では第1の半導体層31からnコ
ンタクト層32まで、段階的に組成が変化する層が積層
されて構成される。このような第1の半導体層31及び
nコンタクト層32は、MOCVD法を行うとき、原料
ガスの組成比を段階的に変化させることにより、連続的
に形成される。第1の半導体層31における組成の変化
の度合い、及び回数は実施例のものに限定はされない。
【0022】本発明が適用される素子は上記の発光ダイ
オードに限定されるものではなく、受光ダイオード、レ
ーザダイオード、太陽電池等の光素子の他、整流器、サ
イリスタ及びトランジスタ等のバイポーラ素子、FET
等のユニポーラ素子並びにマイクロウェーブ素子などの
電子デバイスにも適用できる。また、これらの素子の中
間体としての積層体にも本発明は適用されるものであ
る。
【0023】この発明は、上記発明の実施の形態及び実
施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の
範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲
で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【0024】以下、次の事項を開示する。 (10) 前記基板はサファイアである、ことを特徴と
する請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。 (11) 前記第1の半導体層の前記基板に接する面に
おける組成はAlNである、ことを特徴とする(10)
に記載の製造方法。 (20) 前記第1の半導体層の膜厚は、400nm〜
100μmであることを特徴とする請求項1〜8、(1
0)、及び(11)のいずれかに記載の製造方法。 (21) 前記第1の半導体層の膜厚は、1000nm
〜50μmであることを特徴とする(20)に記載の製
造方法。 (30) 前記第1の半導体層の成長温度が1050℃
〜1180℃である、ことを特徴とする請求項1〜8、
(10)、(11)、(20)、及び(21)のいずれ
かに記載の製造方法。 (31) 前記第1の半導体層の成長温度が1110℃
〜1150℃である、ことを特徴とする請求項1〜8、
(10)、(11)、(20)、及び(21)のいずれ
かに記載の製造方法。 (40) 基板の上にAlGaIn1−x−y
(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)からなる
単結晶の層が複数積層されてなる第1の半導体層をMO
CVD法により成長させるステップであって、前記単結
晶の各層の格子定数が段階的及び/又は連続的に変化す
るように該各層を成長させるステップを含む、ことを特
徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方法。 (41) 最上面に位置する前記単結晶の層の格子定数
はその上に形成されるIII族窒化物系化合物半導体層の
格子定数と実質的に同一である、ことを特徴とする(4
0)に記載の製造方法。 (42) 前記単結晶の各層の格子定数が段階的に変化
するように該各層を成長させ、かつ該各層の膜厚は20
0nm〜4000nmである、ことを特徴とする(4
0)又は(41)に記載の製造方法。 (43) 前記各層の前記膜厚は500nm〜2000
nmである、ことを特徴とする(42)に記載の製造方
法。 (44) 前記各層の前記膜厚はおよそ1000nmで
ある、ことを特徴とする(42)に記載の製造方法。 (45) 前記各層の前記膜厚は該各層間で異なる、こ
とを特徴とする(42)又は(43)に記載の製造方
法。 (46) 前記各層の前記膜厚が段階的に変化するよう
に前記第1の半導体層を成長させる、ことを特徴とする
(45)に記載の製造方法。 (50) 前記III族窒化物系化合物半導体素子は発光
素子である、ことを特徴とする請求項1〜8、(1
0)、(11)、(20)、(21)、(30)、(3
1)、及び(40)〜(46)のいずれかに記載の製造
方法。 (60) 基板上にMOCVD法により1000℃〜1
180℃の成長温度でその格子定数を段階的及び/又は
連続的に変化させながら成長させるAlGa In
1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦
1)からなる半導体層を含む、ことを特徴とするIII族
窒化物系化合物半導体素子。 (61) 基板と、前記基板上にMOCVD法により1
000℃〜1180℃の成長温度でその格子定数を段階
的及び/又は連続的に変化させながら成長させるAl
GaIn 1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0
≦x+y≦1)からなる第1の半導体層と、前記第1の
半導体層の上に形成させるIII族窒化物系化合物半導体
からなる第2の半導体層と、を含んでなるIII族窒化物
系化合物半導体素子。 (62) 前記第1の半導体層は前記第2の半導体層側
で該第2の半導体層の格子定数と実質的に同一の格子定
数を有する、ことを特徴とする(61)に記載の素子。 (63) 前記第1の半導体層の格子定数が段階的に変
化するように該第1の半導体層を成長させ、かつ各格子
定数における各層の膜厚は200nm〜4000nmで
ある、ことを特徴とする(60)〜(62)に記載の素
子。 (64) 前記各層の前記膜厚は500nm〜2000
nmである、ことを特徴とする(63)に記載の素子。 (65) 前記各層の前記膜厚はおよそ1000nmで
ある、ことを特徴とする(63)に記載の素子。 (66) 前記各層の前記膜厚は該各層間で異なる、こ
とを特徴とする(63)又は(64)に記載の素子。 (67) 前記各層の前記膜厚は段階的に変化する、こ
とを特徴とする(66)に記載の素子。 (68) 前記基板はサファイアである、ことを特徴と
する(60)〜(67)のいずれかに記載の素子。 (69) 前記第1の半導体層の前記基板に接する面に
おける組成はAlNである、ことを特徴とする(68)
に記載の素子。 (70) 前記第1の半導体層の膜厚は、400nm〜
100μmであることを特徴とする(10)〜(69)
のいずれかに記載の素子。 (71) 前記第1の半導体層の膜厚は、1000nm
〜50μmであることを特徴とする(70)に記載の素
子。 (72) 基板と、前記基板上に形成され、AlGa
In1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x
+y≦1)からなる単結晶の層が複数積層されてなる第
1の半導体層と、を含んでなるIII族窒化物系化合物半
導体素子であって、前記単結晶の各層の格子定数が段階
的及び/又は連続的に変化する、ことを特徴とするIII
族窒化物系化合物半導体素子。 (73) 前記III族窒化物系化合物半導体素子は発光
素子である、ことを特徴とする(60)〜(72)のい
ずれかに記載の素子。 (80) 基板と、前記基板上にMOCVD法により1
000℃〜1180℃の成長温度でその格子定数を段階
的及び/又は連続的に変化させながら成長させるAl
GaIn 1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0
≦x+y≦1)からなる第1の半導体層と、前記第1の
半導体層の上に形成させるIII族窒化物系化合物半導体
からなる第2の半導体層と、からなる積層体。 (81) 前記第1の半導体層は前記第2の半導体層側
で該第2の半導体層の格子定数と実質的に同一の格子定
数を有する、ことを特徴とする(80)に記載の積層
体。 (82) 前記第1の半導体層の格子定数が段階的に変
化するように該第1の半導体層を成長させ、かつ各格子
定数における各層の膜厚は200nm〜4000nmで
ある、ことを特徴とする(81)又は(82)に記載の
積層体。 (83) 前記各層の前記膜厚は500nm〜2000
nmである、ことを特徴とする(82)に記載の積層
体。 (84) 前記各層の前記膜厚はおよそ1000nmで
ある、ことを特徴とする(82)に記載の積層体。 (85) 前記各層の前記膜厚は該各層間で異なる、こ
とを特徴とする(82)又は(83)に記載の積層体。 (86) 前記各層の前記膜厚は段階的に変化する、こ
とを特徴とする(85)に記載の積層体。 (87) 前記基板はサファイアである、ことを特徴と
する(80)〜(86)のいずれかに記載の積層体。 (88) 前記第1の半導体層の前記基板に接する面に
おける組成はAlNである、ことを特徴とする(87)
に記載の積層体。 (89) 前記第1の半導体層の膜厚は、400nm〜
100μmであることを特徴とする(80)〜(88)
のいずれかに記載の積層体。 (90) 前記第1の半導体層の膜厚は、1000nm
〜50μmであることを特徴とする(89)に記載の積
層体。 (91) 基板と、前記基板上に形成され、AlGa
In1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x
+y≦1)からなる単結晶の層が複数積層されてなる第
1の半導体層であて、前記単結晶の各層の格子定数が段
階的及び/又は連続的に変化する第1の半導体層と、II
I族窒化物系化合物半導体からなる第2の半導体層と、
からなる積層体。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施例である発光ダイオード1の
構成を示す図である。
【図2】同じく発光ダイオード1の部分拡大図である。
【図3】本発明の他の実施例である発光ダイオード2の
部分拡大図である。
【図4】本発明の他の実施例である発光ダイオード3の
部分拡大図である。
【符号の説明】
1 2 3 発光ダイオード 10 基板 11 21 31 第1の半導体層 12 32 nコンタクト層 13 発光層 14 pコンタクト層 15 透光性電極 16 p電極 17 n電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F041 AA40 CA05 CA34 CA40 CA46 CA65 CA88 5F045 AA04 AB09 AB14 AB17 AB18 AB40 AC08 AC12 AD14 AD15 AF02 AF03 AF04 AF06 AF09 AF13 BB12 CA10 DA58 EB15 EE12 EE17 5F073 AA74 CA07 CB05 CB07 DA05 DA35 EA29

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にMOCVD法により1000℃
    〜1180℃の成長温度でAlGaIn1−x−y
    N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)からな
    る第1の半導体層をその格子定数を段階的及び/又は連
    続的に変化させながら成長させるステップを含む、こと
    を特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第1の半導体層上にはIII族窒化物
    系化合物半導体からなる第2の半導体層が形成され、前
    記第1の半導体層は前記第2の半導体層側で該第2の半
    導体層の格子定数と実質的に同一若しくはこれに近い格
    子定数を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の半導体層は前記基板側で該基
    板の格子定数と実質的に同一若しくはこれに近い格子定
    数を有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の半導体層をその格子定数を段
    階的に変化させながら成長させ、各格子定数における各
    層の膜厚は200nm〜4000nmである、ことを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記各層の前記膜厚は500nm〜20
    00nmである、ことを特徴とする請求項4に記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記各層の前記膜厚はおよそ1000n
    mである、ことを特徴とする請求項4に記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記各層の前記膜厚は該各層間で異な
    る、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記各層の前記膜厚が段階的に変化する
    ように前記第1の半導体層を成長させる、ことを特徴と
    する請求項7に記載の製造方法。
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