JP2001200040A - ポリエステル樹脂およびポリエステルシート - Google Patents
ポリエステル樹脂およびポリエステルシートInfo
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Abstract
油性、機械特性、衛生性、安全性等の諸性能を損なうこ
となく、品質の安定化、透明性、柔軟性、耐擦傷性が高
く、成形後のブリードアウトや白化等による外観低下を
防止したポリエステルシート及びそれを可能ならしめる
樹脂。 【解決手段】 (A)芳香族ジカルボン酸を60〜9
4.9[モル%]と、1分子中に2個以上のカルボキシル
基を有する炭素数32〜72の不飽和炭化水素化合物を
5〜39.9[モル%]とからなる成分と、(B)エチ
レングリコールを主体とするグリコール成分と、(C)
不飽和ジカルボン酸成分を0.1〜10[モル%]とを有
し、25℃のフェノール/テトラクロロエタン等量混合
溶媒中で測定される極限粘度[η]が0.6〜1.2[d
l/g]である。
Description
の耐擦傷性に優れ、さらに良好な透明性、機械特性を有
し、かつ経時変化のないポリエステルシート及びその為
の樹脂に関するものであり、例えば建材、内装部品等広
く利用されるポリエステルシートに関するものである。
化ビニル樹脂は柔軟剤等の添加剤の配合により物性のコ
ントロールに適しているが、可塑剤や金属系安定剤等の
添加物により衛生面で問題があり、しかも焼却すると有
害ガスを生成するという問題点があり、他の材料への変
更が強く要望されつつある。一方、芳香族ジカルボン酸
と脂肪族グリコールのポリエステルをハードセグメント
とし、ポリアルキレングリコールをソフトセグメントと
するポリエステル−ポリエーテル型のブロック共重合体
は、耐寒性、耐熱性、耐油性、機械特性など種々の性質
に優れ、しかも成形した際にも残留モノマーや有害添加
剤の心配が少なく、衛生性、安全性に優れていることか
ら、シート、フィルムなどの産業資材に拡大してきた。
例えば、特開平11−106496号公報では脂肪族ポ
リエステルを混練し、柔軟性を付与する方法が提案され
ている。
うなポリエステルにおいては、混練によるエステル交換
のため、熱履歴が異なると物性の発現も異なるという欠
点があった。さらに、ポリエステルへの添加剤のコンパ
ウンドによる柔軟性改質では、柔軟性分としてゴム材料
を添加するが、相溶性が極めて低いため、分散粒子径の
コントロールが難しく、また、柔軟性を発現させるため
に過剰のゴム材料を添加する必要がある。そのため、成
形後のブリードアウト等が起こり外観を損なっていた。
また、特開平11−166045号公報では高分子量ポ
リアルキレングリコールを共重合する方法が提案されて
いるが、短鎖エステル単位を50重量%以上含有してい
るため柔軟性を確保することが難しく、ポリアルキレン
グリコール単位の結晶性によってシートの白化が起こり
外観を損なうため、透明性、柔軟性を有するポリエステ
ルシートが望まれていた。本発明者は、先に透明性、お
よび柔軟性に優れるポリエステルシートを提供するた
め、1分子中に2個以上のヒドロキシル基を有する炭素
数36の飽和炭化水素化合物を共重合させる方法を提案
していたが、シートの耐擦傷性については必ずしも満足
のいくものではなかった。
たもので、ポリエステル樹脂のもつ耐寒性、耐熱性、耐
油性、機械特性、衛生性、安全性等の諸性能を損なうこ
となく、品質の安定化、透明性、柔軟性、耐擦傷性が高
く、成形後のブリードアウトや白化等による外観低下を
防止したポリエステルシート及びそれを可能ならしめる
樹脂を目的とするものである。
脂は、(A)芳香族ジカルボン酸を60〜94.9[モル
%]と、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する
炭素数32〜72の不飽和炭化水素化合物を5〜39.
9[モル%]とからなる成分と、(B)エチレングリコ
ールを主体とするグリコール成分と、(C)不飽和ジカ
ルボン酸成分を0.1〜10[モル%]とを有し、25℃
のフェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中で測
定される極限粘度[η]が0.6〜1.2[dl/g]であ
ることを特徴とするものである。ここで、(C)不飽和
ジカルボン酸成分には、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸のうち少なくとも1つ以上が含まれていることが望
ましい。また、芳香族ジカルボン酸としては、イソフタ
ル酸を5〜30[モル%]含有していることが望まし
い。また、(A)成分中の前記2個以上のカルボキシル
基を有する不飽和炭化水素化合物としては、炭素数が3
6のものが望ましい。本発明のポリエステルシートは、
上述したポリエステル樹脂からなるものである。特に、
50℃、95[%RH]、5時間の条件で処理した後の
ヘイズ値が2以下とすることができ、かつ、望ましい。
なくとも(A)〜(C)成分を有する。(A)成分は、
芳香族ジカルボン酸を60〜94.9[モル%]と、1分
子中に2個以上のカルボキシル基を有する炭素数32〜
72の不飽和炭化水素化合物を5〜39.9[モル%]
(なお、(A)+(C)=100モル%)とからなるも
のである。(A)成分の芳香族ジカルボン酸としては特
に制限されないが、耐熱性の観点から、テレフタル酸、
イソフタル酸、ナフタレン−1,4もしくは2,6−ジカ
ルボン酸、アントラセンジカルボン酸、4,4'−ジフェ
ニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカル
ボン酸、5−スルホイソフタル酸、3−スルホイソフタ
ル酸ナトリウム等が挙げられ、これらのエステル形成誘
導体としては低級アルキルエステルやアリールエステ
ル、炭酸エステル、酸ハロゲン化物等が挙げられる。中
でも、コスト面から、テレフタル酸、イソフタル酸が好
ましく使用される。特に、本発明のポリエステル樹脂を
シート状に成形した場合の、透明性を向上させるために
は、テレフタル酸30〜90[モル%]と、イソフタル酸
5〜30[モル%]を共重合することが好ましい。上記芳
香族ジカルボン酸以外の酸成分として脂肪族ジカルボン
酸、またはこれらのエステル形成誘導体を全酸成分中に
20[モル%]未満、好ましくは15[モル%]未満の範囲
で含有させることもできる。これは20[モル%]以上含
有させると成形品の機械的強度の低下を招く恐れがある
ためである。本発明で使用される脂肪族ジカルボン酸と
しては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン
ジオン酸、1,3もしくは1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、4,4'−ジシク
ロヘキシルジカルボン酸等が挙げられる。
以上のカルボキシル基を有する炭素数32〜72の不飽
和炭化水素化合物が含まれる。炭素数が32〜72であ
ることにより、得られるポリエステル樹脂中での自由体
積が増加し柔軟性が向上する。中でも、該不飽和炭化水
素化合物の製造における原料の入手、およびコストから
炭素数は36を主成分とするものであることが好まし
い。そのような炭素数36の不飽和炭化水素化合物とし
ては、9−ノニリデン−10−オクチル−ノナデカンジ
カルボン酸、11−へプチル−12−オクチル−10−
ヘニコセンジカルボン酸、11−[2−(8−カルボキ
シオクチル)−5−ヘキシル−6−ペンチル−3−シク
ロヘキセニル]−9−ウンデセンカルボン酸、8−[2
−(8−カルボキシオクチル)−5−ヘキシル−6−
(2−オクテニル)−3−シクロヘキセニル]−オクタ
ンカルボン酸、8−[3−(8−カルボキシオクチル)
−6−ヘキシル−2−(2−オクテニル)−4−シクロ
ヘキセニル]−オクタンカルボン酸、11−[3−(8
−カルボキシオクチル)−6−ヘキシル−2−ペンチル
−4−シクロヘキセニル]−9−ウンデセンカルボン
酸、10−[2−(8−カルボキシオクチル)−5,6
−ジヘキシル−3−シクロヘキセニル]−9−デセンカ
ルボン酸、10−[3−(8−カルボキシオクチル)−
2,6−ジヘキシル−4−シクロヘキセニル]−9−デ
センカルボン酸、8−[2−(8−カルボキシオクチ
ル)−5−ヘキシル−6−(1−オクテニル)−3−シ
クロヘキセニル]−オクタンカルボン酸、8−[3−
(8−カルボキシオクチル)−6−ヘキシル−2−(1
−オクテニル)−4−シクロヘキセニル]−オクタンカ
ルボン酸、8−[2−(8−カルボキシオクチル)−5
−ヘキシル−6−オクチル−3−シクロヘキセニル]−
オクタンカルボン酸、8−[3−(8−カルボキシオク
チル)−5−ヘキシル−2−オクチル−4−シクロヘキ
セニル]−オクタンカルボン酸およびこれら化合物の水
添物等が挙げられる。これらの化合物は、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸から選ばれる一種または二種の
組み合わせによるディールスアルダー反応によって得ら
れ、上記の化合物の混合体である。カルボキシル基が2
個以上あることにより、本発明のポリエステル樹脂中に
共重合することができる。2〜3個であることが好まし
い。上記1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する
炭素数32〜72の不飽和炭化水素化合物の好ましい使
用範囲は5〜39.9[モル%]である。5[モル%]
未満であると柔軟性付与に効果が無く、39.9[モル
%]を超えると熱安定性が低下し、重合反応が停滞した
り、成形品の機械物性が低下する傾向にある。より好ま
しい範囲は10〜35[モル%]である。
ルを主体とするグリコール成分である。(B)成分とし
ては、色調、透明性、耐熱性、耐衝撃性等の付与のため
以下のグリコール成分を共重合することができる。ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレング
リコール-ポリプロピレングリコールブロック共重合
体、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレ
ングリコール、ダイマージオール等が挙げられ、単独あ
るいは混合物として用いることができ、また、シクロヘ
キサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,1
−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)シ
クロヘキサン、4,4'−ビス(2−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、さらに下記一般式(1)、(2)、およ
び(3)で表されるアルコール成分、及びこれらの誘導
体のエチレンオキサイド付加物等が含有されることがで
きる。
O、S、及びSO2を示し、n及びmは、1≦n+m≦
4を満足する。)
O、S、及びSO2を示し、RはC1〜C5のアルキル
基を示し、n及びmは、1≦n+m≦4を満足する。)
有するビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物が
好ましい。
いて、m+nが4よりも大きくなると、耐熱性が低下す
る傾向がある。
飽和ジカルボン酸の具体例としてはマレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、グルタコン酸およびこれらの無水物、
エステル形成誘導体等が挙げられる。中でも、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸およびこれらの無水物が好ま
しい。本発明において、(C)の配合量としては、0.
1〜10[モル%]の範囲が好ましい。この範囲よりも低
いと配合の効果がなく、高い場合はゲル化により反応の
制御が難しい傾向にある。より好ましくは、0.5〜7
[モル%]の範囲である。さらに、本発明には3価以上の
多価カルボン酸及び多価アルコールを共重合することが
でき、その具体例としてはトリメリット酸、ピロメリッ
ト酸及びこれらの無水物等の多価カルボン酸、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等
の多価アルコールが挙げられる。本発明において、3価
以上の多価カルボン酸及び多価アルコールの配合量とし
ては、5[モル%]を超えるとゲル化により反応の制御が
難しい傾向にある。
としては、公知の直接重合法やエステル交換法等により
製造することができ、重合度としては、25℃のフェノ
ール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中で測定される
極限粘度[η]が0.6〜1.2[dl/g]の重合度であ
ることが好ましい。0.6[dl/g]よりも小さいと
粘度が低く、成形時のロスが大きい傾向にある。また、
1.2[dl/g]を超えると押出時の負荷が大きく十
分な吐出量が得られず、成形品の外観を損なう可能性が
ある。本発明のポリエステル樹脂は、様々な成形方法に
適用でき、射出成形、カレンダー成形、ブロー成形、押
出成形、熱成形、発泡成形、溶融紡糸などを挙げること
ができ、成形体としても、射出成型品、シート、フィル
ム、中空成形体、パイプ、角棒、異形品、熱成形体、発
泡体、繊維などを挙げることができるが、特に軟質なシ
ート(フィルム)状成形体において、その得られる利点
が顕著である。また、その成形方法は従来一般に知られ
ている方法を適宜利用すればよい。本発明のポリエステ
ル樹脂を使用した成形品に、さらに特定の性能を付与す
るために従来公知の各種加工処理を施したり、適当な添
加剤を配合することができる。加工処理の例としては、
紫外線、α線、β線、γ線あるいは電子線等の照射、コ
ロナ処理、プラズマ照射処理、火炎処理等の処理、塩化
ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリ
オレフィン等の樹脂の塗布、ラミネート、あるいは金属
の蒸着等が挙げられる。添加剤の例としては、ポリエー
テル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリメチルメタク
リレート等の樹脂、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カ
ルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック
等の顔料、紫外線吸収剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤
等が挙げられる。本発明のポリエステル樹脂を用いれ
ば、50℃、95[%RH]、5時間の条件で処理した
後のヘイズ値が2以下となるシートを得ることができ、
特に透明性の耐久性にも優れている。
する。極限粘度は、25℃のフェノール/テトラクロロ
エタン等量混合溶媒中で測定した。柔軟性は、ASTM
−K7215に準じてショアD表面硬度を測定した。シ
ョアD硬度は単位はない。透明性は、40mmφ単軸押
出機を使用して得た2mmシートをヘイズメーター(日
本電色)により、製膜直後と、50℃、95[%R
H]、5時間の条件で処理した後について測定した。但
し、2mmシートが成形できなかった実験例について
は、500μmシートでの測定結果を2mm厚に換算し
た。引張強度は、ASTM−D638に準拠して測定し
た。表面擦傷性は、JIS−R−3212の磨耗試験機
を使用し、摩耗輪CS−10F、500g荷重にて10
0回転摩耗した後、拡散透過率(ヘイズ値)を測定し、
判定を行った。判定基準は次ぎの通りである。 ○…増加ヘイズ値=5未満 △…増加ヘイズ値=6以上10未満 ×…増加ヘイズ値=10以上 成形性の指標としては、キャピログラフ(東洋精機製作
所)を使用して、270℃、剪断速度60[sec.-1]、
L/D=10で押出されたストランドが400mmに到
達する時間[sec.]を測定した。
と、アジピン酸を65.9gと、エチレングリコールを
419.9gと、無水マレイン酸を65.9gと、1分子
中に2個以上のカルボキシル基を有する炭素数36の不
飽和炭化水素化合物として、8−[2−(8−カルボキ
シオクチル)−5−ヘキシル−6−(2−オクテニル)
−3−シクロヘキセニル]−オクタンカルボン酸と9−
ノニリデン−10−オクチル−ノナデカンジカルボン酸
の77:23混合物を238.9gとを反応容器に入
れ、190〜225℃で3時間加熱攪拌してエステル化
反応を行った。ついで260℃に昇温し、重合触媒とし
て三酸化アンチモン0.44gを添加して重合反応を進
行させた。得られたポリエステル樹脂は極限粘度[η]
=0.90であった。この樹脂、および室温で減圧下2
4時間乾燥したペレットを230℃でASTM−D63
8試験片を射出成形したものを用いた評価結果を表1に
示した。 [実施例2]テレフタル酸を329.3gと、エチレン
グリコールを278.9gと、1,4−シクロヘキサンジ
メタノールを22.3gと、無水マレイン酸を3.04g
と、1分子中に2個以上のヒドロキシル基を有する炭素
数36の飽和炭化水素化合物として、8−[2−(8−
カルボキシオクチル)−5−ヘキシル−6−(2−オク
テニル)−3−シクロヘキセニル]−オクタンカルボン
酸と9−ノニリデン−10−オクチル−ノナデカンジカ
ルボン酸の77:23混合物を574.6gと、三酸化
アンチモン0.45gとを用い実施例1と同様にして得
られたポリエステル樹脂は極限粘度[η]=0.88で
あった。この樹脂を実施例1と同様に評価した結果を表
1に示した。
と、イソフタル酸を135.7gと、エチレングリコー
ル380.6gと、無水マレイン酸を12.0gと、1分
子中に2個以上のヒドロキシル基を有する炭素数36の
飽和炭化水素化合物として、8−[2−(8−カルボキ
シオクチル)−5−ヘキシル−6−(2−オクテニル)
−3−シクロヘキセニル]−オクタンカルボン酸と9−
ノニリデン−10−オクチル−ノナデカンジカルボン酸
の77:23混合物を324.8gと、三酸化アンチモ
ンを0.45gとを用い実施例1と同様にして得られたポ
リエステル樹脂は極限粘度[η]=0.95であった。
この樹脂を実施例1と同様に評価した結果を表1に示し
た。 [実施例4]テレフタル酸を496.7gと、イソフタ
ル酸を31.2gと、エチレングリコールを338.0g
と、トリメチロールプロパンを1.51gと、無水マレ
イン酸を1.84gと、1分子中に2個以上のヒドロキ
シル基を有する炭素数36の飽和炭化水素化合物とし
て、8−[2−(8−カルボキシオクチル)−5−ヘキ
シル−6−(2−オクテニル)−3−シクロヘキセニ
ル]−オクタンカルボン酸と9−ノニリデン−10−オ
クチル−ノナデカンジカルボン酸の77:23混合物を
199.4gと、平均分子量1000のポリテトラメチ
レングリコールを188.1gと、三酸化アンチモンを
0.36gとを用い実施例1と同様にして得られたポリ
エステル樹脂は極限粘度[η]=1.10であった。こ
の樹脂を実施例1と同様に評価した結果を表1に示し
た。
と、イソフタル酸を138.6gと、エチレングリコー
ルを375.6gと、無水マレイン酸を2.05gと、平
均分子量1000のポリテトラメチレングリコールを2
08.6gと、三酸化アンチモン0.34gとを用い実施
例1と同様にして得られたポリエステル樹脂は極限粘度
[η]=0.85であった。この樹脂を実施例1と同様
に評価したが、50℃、95[%RH]、5時間の条件
で処理した後、白化した。その他の評価結果を表1に示
した。 [比較例2]テレフタル酸を473.3gと、イソフタ
ル酸を34.8gと、エチレングリコールを390.4g
と、無水マレイン酸を49.3gと、1分子中に2個以
上のヒドロキシル基を有する炭素数36の飽和炭化水素
化合物として、8−[2−(8−カルボキシオクチル)
−5−ヘキシル−6−(2−オクテニル)−3−シクロ
ヘキセニル]−オクタンカルボン酸と9−ノニリデン−
10−オクチル−ノナデカンジカルボン酸の77:23
混合物を333.2gと、三酸化アンチモンを0.45g
とを用い実施例1と同様にして得られたポリエステル樹
脂はゲル状であり極限粘度は測定不可であった。この樹
脂を実施例1と同様に評価したが、射出成形、40mm
φ押出成形ともに成形不可であった。
と、アジピン酸を70.2gと、エチレングリコールを
447.7gと、無水マレイン酸を2.36gと、1分子
中に2個以上のヒドロキシル基を有する炭素数36の飽
和炭化水素化合物として、8−[2−(8−カルボキシ
オクチル)−5−ヘキシル−6−(2−オクテニル)−
3−シクロヘキセニル]−オクタンカルボン酸と9−ノ
ニリデン−10−オクチル−ノナデカンジカルボン酸の
77:23混合物を127.3gと、三酸化アンチモン
を0.44gとを用い実施例1と同様にして得られたポ
リエステル樹脂は極限粘度[η]=0.56であった。
この樹脂を実施例1と同様に評価したが、40mmφ押
出成形は流動性が良すぎ2mm厚のシートが成形不可で
あった。その他の評価結果を表1に示した。 [比較例4]テレフタル酸を209.8gと、エチレン
グリコールを250.3gと、無水マレイン酸を7.91
gと、8−[2−(8−カルボキシオクチル)−5−ヘ
キシル−6−(2−オクテニル)−3−シクロヘキセニ
ル]−オクタンカルボン酸と9−ノニリデン−10−オ
クチル−ノナデカンジカルボン酸の77:23混合物を
712.2gと、三酸化アンチモンを0.47gとを用い
実施例1と同様にして得られたポリエステル樹脂は極限
粘度[η]=1.00であった。この樹脂を実施例1と
同様に評価したが、実用上、引張強度が十分でなかっ
た。その他の評価結果を表1に示した。 [比較例5]テレフタル酸を617.6gと、イソフタ
ル酸を36.3gと、エチレングリコールを407.5g
と、1分子中に2個以上のヒドロキシル基を有する炭素
数36の飽和炭化水素化合物として、8−[2−(8−
カルボキシオクチル)−5−ヘキシル−6−(2−オク
テニル)−3−シクロヘキセニル]−オクタンカルボン
酸と9−ノニリデン−10−オクチル−ノナデカンジカ
ルボン酸の77:23混合物を231.9gと、三酸化
アンチモン0.44gとを用い実施例1と同様にして得
られたポリエステル樹脂は極限粘度[η]=0.78で
あった。この樹脂を実施例1と同様に評価したが、40
mmφ押出成形は流動性が良すぎ2mm厚のシートが成
形不可であった。その他の評価結果を表1に示した。
下の通りである。 TPA;テレフタル酸 IPA;イソフタル酸 NDC;ナフタレンジカルボン酸 ADA;アジピン酸 C36不飽和ジカルボン酸;8−[2−(8−カルボキ
シオクチル)−5−ヘキシル−6−(2−オクテニル)
−3−シクロヘキセニル]−オクタンカルボン酸/9−
ノニリデン−10−オクチル−ノナデカンジカルボン酸
=77/23混合物 EG;エチレングリコール CHDM;1,4−シクロヘキサンジメタノール PTMG;ポリテトラメチレングリコール TMP;トリメチロールプロパン MA;無水マレイン酸
ステル樹脂はシート状とした場合、従来のポリエステル
樹脂の持つ優れた物性、成形加工性を維持し、実用上十
分な成形性を示し、表面光沢に優れた特性を有する材料
であることがわかる。従って本発明は、例えば軟質透明
シート、表面保護材、建材、内装部品等広く利用するこ
とが可能である。
Claims (6)
- 【請求項1】 (A)芳香族ジカルボン酸を60〜9
4.9[モル%]と、1分子中に2個以上のカルボキシル
基を有する炭素数32〜72の不飽和炭化水素化合物を
5〜39.9[モル%]とからなる成分と、(B)エチ
レングリコールを主体とするグリコール成分と、(C)
不飽和ジカルボン酸成分を0.1〜10[モル%]とを有
し、 25℃のフェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒
中で測定される極限粘度[η]が0.6〜1.2[dl/
g]であることを特徴とするポリエステル樹脂。 - 【請求項2】 前記(C)不飽和ジカルボン酸成分に、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸のうち少なくとも1
つ以上を含むことを特徴とする請求項1記載のポリエス
テル樹脂。 - 【請求項3】 前記芳香族ジカルボン酸としてイソフタ
ル酸を5〜30[モル%]含有することを特徴とする請
求項1記載のポリエステル樹脂。 - 【請求項4】 (A)成分中の前記2個以上のカルボキ
シル基を有する不飽和炭化水素化合物の炭素数が36で
あることを特徴とする請求項1記載のポリエステル樹
脂。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のポリエ
ステル樹脂からなることを特徴とするポリエステルシー
ト。 - 【請求項6】 50℃、95[%RH]、5時間の条件
で処理した後のヘイズ値が2以下であることを特徴とす
る請求項5記載のポリエステルシート。
Priority Applications (1)
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