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JP2001200040A - ポリエステル樹脂およびポリエステルシート - Google Patents

ポリエステル樹脂およびポリエステルシート

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JP2001200040A
JP2001200040A JP2000013498A JP2000013498A JP2001200040A JP 2001200040 A JP2001200040 A JP 2001200040A JP 2000013498 A JP2000013498 A JP 2000013498A JP 2000013498 A JP2000013498 A JP 2000013498A JP 2001200040 A JP2001200040 A JP 2001200040A
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polyester resin
mol
polyester
dicarboxylic acid
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Makoto Tokumizu
眞 徳水
Jun Yoshida
純 吉田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステル樹脂のもつ耐寒性、耐熱性、耐
油性、機械特性、衛生性、安全性等の諸性能を損なうこ
となく、品質の安定化、透明性、柔軟性、耐擦傷性が高
く、成形後のブリードアウトや白化等による外観低下を
防止したポリエステルシート及びそれを可能ならしめる
樹脂。 【解決手段】 (A)芳香族ジカルボン酸を60〜9
4.9[モル%]と、1分子中に2個以上のカルボキシル
基を有する炭素数32〜72の不飽和炭化水素化合物を
5〜39.9[モル%]とからなる成分と、(B)エチ
レングリコールを主体とするグリコール成分と、(C)
不飽和ジカルボン酸成分を0.1〜10[モル%]とを有
し、25℃のフェノール/テトラクロロエタン等量混合
溶媒中で測定される極限粘度[η]が0.6〜1.2[d
l/g]である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は柔軟性を示し、表面
の耐擦傷性に優れ、さらに良好な透明性、機械特性を有
し、かつ経時変化のないポリエステルシート及びその為
の樹脂に関するものであり、例えば建材、内装部品等広
く利用されるポリエステルシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、軟質材料用途に使用されてきた塩
化ビニル樹脂は柔軟剤等の添加剤の配合により物性のコ
ントロールに適しているが、可塑剤や金属系安定剤等の
添加物により衛生面で問題があり、しかも焼却すると有
害ガスを生成するという問題点があり、他の材料への変
更が強く要望されつつある。一方、芳香族ジカルボン酸
と脂肪族グリコールのポリエステルをハードセグメント
とし、ポリアルキレングリコールをソフトセグメントと
するポリエステル−ポリエーテル型のブロック共重合体
は、耐寒性、耐熱性、耐油性、機械特性など種々の性質
に優れ、しかも成形した際にも残留モノマーや有害添加
剤の心配が少なく、衛生性、安全性に優れていることか
ら、シート、フィルムなどの産業資材に拡大してきた。
例えば、特開平11−106496号公報では脂肪族ポ
リエステルを混練し、柔軟性を付与する方法が提案され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなポリエステルにおいては、混練によるエステル交換
のため、熱履歴が異なると物性の発現も異なるという欠
点があった。さらに、ポリエステルへの添加剤のコンパ
ウンドによる柔軟性改質では、柔軟性分としてゴム材料
を添加するが、相溶性が極めて低いため、分散粒子径の
コントロールが難しく、また、柔軟性を発現させるため
に過剰のゴム材料を添加する必要がある。そのため、成
形後のブリードアウト等が起こり外観を損なっていた。
また、特開平11−166045号公報では高分子量ポ
リアルキレングリコールを共重合する方法が提案されて
いるが、短鎖エステル単位を50重量%以上含有してい
るため柔軟性を確保することが難しく、ポリアルキレン
グリコール単位の結晶性によってシートの白化が起こり
外観を損なうため、透明性、柔軟性を有するポリエステ
ルシートが望まれていた。本発明者は、先に透明性、お
よび柔軟性に優れるポリエステルシートを提供するた
め、1分子中に2個以上のヒドロキシル基を有する炭素
数36の飽和炭化水素化合物を共重合させる方法を提案
していたが、シートの耐擦傷性については必ずしも満足
のいくものではなかった。
【0004】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、ポリエステル樹脂のもつ耐寒性、耐熱性、耐
油性、機械特性、衛生性、安全性等の諸性能を損なうこ
となく、品質の安定化、透明性、柔軟性、耐擦傷性が高
く、成形後のブリードアウトや白化等による外観低下を
防止したポリエステルシート及びそれを可能ならしめる
樹脂を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のポリエステル樹
脂は、(A)芳香族ジカルボン酸を60〜94.9[モル
%]と、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する
炭素数32〜72の不飽和炭化水素化合物を5〜39.
9[モル%]とからなる成分と、(B)エチレングリコ
ールを主体とするグリコール成分と、(C)不飽和ジカ
ルボン酸成分を0.1〜10[モル%]とを有し、25℃
のフェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中で測
定される極限粘度[η]が0.6〜1.2[dl/g]であ
ることを特徴とするものである。ここで、(C)不飽和
ジカルボン酸成分には、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸のうち少なくとも1つ以上が含まれていることが望
ましい。また、芳香族ジカルボン酸としては、イソフタ
ル酸を5〜30[モル%]含有していることが望まし
い。また、(A)成分中の前記2個以上のカルボキシル
基を有する不飽和炭化水素化合物としては、炭素数が3
6のものが望ましい。本発明のポリエステルシートは、
上述したポリエステル樹脂からなるものである。特に、
50℃、95[%RH]、5時間の条件で処理した後の
ヘイズ値が2以下とすることができ、かつ、望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル樹脂は、少
なくとも(A)〜(C)成分を有する。(A)成分は、
芳香族ジカルボン酸を60〜94.9[モル%]と、1分
子中に2個以上のカルボキシル基を有する炭素数32〜
72の不飽和炭化水素化合物を5〜39.9[モル%]
(なお、(A)+(C)=100モル%)とからなるも
のである。(A)成分の芳香族ジカルボン酸としては特
に制限されないが、耐熱性の観点から、テレフタル酸、
イソフタル酸、ナフタレン−1,4もしくは2,6−ジカ
ルボン酸、アントラセンジカルボン酸、4,4'−ジフェ
ニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカル
ボン酸、5−スルホイソフタル酸、3−スルホイソフタ
ル酸ナトリウム等が挙げられ、これらのエステル形成誘
導体としては低級アルキルエステルやアリールエステ
ル、炭酸エステル、酸ハロゲン化物等が挙げられる。中
でも、コスト面から、テレフタル酸、イソフタル酸が好
ましく使用される。特に、本発明のポリエステル樹脂を
シート状に成形した場合の、透明性を向上させるために
は、テレフタル酸30〜90[モル%]と、イソフタル酸
5〜30[モル%]を共重合することが好ましい。上記芳
香族ジカルボン酸以外の酸成分として脂肪族ジカルボン
酸、またはこれらのエステル形成誘導体を全酸成分中に
20[モル%]未満、好ましくは15[モル%]未満の範囲
で含有させることもできる。これは20[モル%]以上含
有させると成形品の機械的強度の低下を招く恐れがある
ためである。本発明で使用される脂肪族ジカルボン酸と
しては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン
ジオン酸、1,3もしくは1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、4,4'−ジシク
ロヘキシルジカルボン酸等が挙げられる。
【0007】本発明の(A)成分には、1分子中に2個
以上のカルボキシル基を有する炭素数32〜72の不飽
和炭化水素化合物が含まれる。炭素数が32〜72であ
ることにより、得られるポリエステル樹脂中での自由体
積が増加し柔軟性が向上する。中でも、該不飽和炭化水
素化合物の製造における原料の入手、およびコストから
炭素数は36を主成分とするものであることが好まし
い。そのような炭素数36の不飽和炭化水素化合物とし
ては、9−ノニリデン−10−オクチル−ノナデカンジ
カルボン酸、11−へプチル−12−オクチル−10−
ヘニコセンジカルボン酸、11−[2−(8−カルボキ
シオクチル)−5−ヘキシル−6−ペンチル−3−シク
ロヘキセニル]−9−ウンデセンカルボン酸、8−[2
−(8−カルボキシオクチル)−5−ヘキシル−6−
(2−オクテニル)−3−シクロヘキセニル]−オクタ
ンカルボン酸、8−[3−(8−カルボキシオクチル)
−6−ヘキシル−2−(2−オクテニル)−4−シクロ
ヘキセニル]−オクタンカルボン酸、11−[3−(8
−カルボキシオクチル)−6−ヘキシル−2−ペンチル
−4−シクロヘキセニル]−9−ウンデセンカルボン
酸、10−[2−(8−カルボキシオクチル)−5,6
−ジヘキシル−3−シクロヘキセニル]−9−デセンカ
ルボン酸、10−[3−(8−カルボキシオクチル)−
2,6−ジヘキシル−4−シクロヘキセニル]−9−デ
センカルボン酸、8−[2−(8−カルボキシオクチ
ル)−5−ヘキシル−6−(1−オクテニル)−3−シ
クロヘキセニル]−オクタンカルボン酸、8−[3−
(8−カルボキシオクチル)−6−ヘキシル−2−(1
−オクテニル)−4−シクロヘキセニル]−オクタンカ
ルボン酸、8−[2−(8−カルボキシオクチル)−5
−ヘキシル−6−オクチル−3−シクロヘキセニル]−
オクタンカルボン酸、8−[3−(8−カルボキシオク
チル)−5−ヘキシル−2−オクチル−4−シクロヘキ
セニル]−オクタンカルボン酸およびこれら化合物の水
添物等が挙げられる。これらの化合物は、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸から選ばれる一種または二種の
組み合わせによるディールスアルダー反応によって得ら
れ、上記の化合物の混合体である。カルボキシル基が2
個以上あることにより、本発明のポリエステル樹脂中に
共重合することができる。2〜3個であることが好まし
い。上記1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する
炭素数32〜72の不飽和炭化水素化合物の好ましい使
用範囲は5〜39.9[モル%]である。5[モル%]
未満であると柔軟性付与に効果が無く、39.9[モル
%]を超えると熱安定性が低下し、重合反応が停滞した
り、成形品の機械物性が低下する傾向にある。より好ま
しい範囲は10〜35[モル%]である。
【0008】本発明の(B)成分は、エチレングリコー
ルを主体とするグリコール成分である。(B)成分とし
ては、色調、透明性、耐熱性、耐衝撃性等の付与のため
以下のグリコール成分を共重合することができる。ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレング
リコール-ポリプロピレングリコールブロック共重合
体、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレ
ングリコール、ダイマージオール等が挙げられ、単独あ
るいは混合物として用いることができ、また、シクロヘ
キサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,1
−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)シ
クロヘキサン、4,4'−ビス(2−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、さらに下記一般式(1)、(2)、およ
び(3)で表されるアルコール成分、及びこれらの誘導
体のエチレンオキサイド付加物等が含有されることがで
きる。
【0009】
【化1】 (式中、XはCH2、C(CH32、C(CF32
O、S、及びSO2を示し、n及びmは、1≦n+m≦
4を満足する。)
【0010】
【化2】 (式中、XはCH2、C(CH32、C(CF32
O、S、及びSO2を示し、RはC1〜C5のアルキル
基を示し、n及びmは、1≦n+m≦4を満足する。)
【0011】中でも次の一般式(3)に示される構造を
有するビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物が
好ましい。
【化3】 (式中、n及びmは、1≦n+m≦4を満足する。)
【0012】上記(1)〜(3)に示される化合物にお
いて、m+nが4よりも大きくなると、耐熱性が低下す
る傾向がある。
【0013】また本発明の(C)として使用される、不
飽和ジカルボン酸の具体例としてはマレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、グルタコン酸およびこれらの無水物、
エステル形成誘導体等が挙げられる。中でも、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸およびこれらの無水物が好ま
しい。本発明において、(C)の配合量としては、0.
1〜10[モル%]の範囲が好ましい。この範囲よりも低
いと配合の効果がなく、高い場合はゲル化により反応の
制御が難しい傾向にある。より好ましくは、0.5〜7
[モル%]の範囲である。さらに、本発明には3価以上の
多価カルボン酸及び多価アルコールを共重合することが
でき、その具体例としてはトリメリット酸、ピロメリッ
ト酸及びこれらの無水物等の多価カルボン酸、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等
の多価アルコールが挙げられる。本発明において、3価
以上の多価カルボン酸及び多価アルコールの配合量とし
ては、5[モル%]を超えるとゲル化により反応の制御が
難しい傾向にある。
【0014】次に本発明のポリエステル樹脂を得る方法
としては、公知の直接重合法やエステル交換法等により
製造することができ、重合度としては、25℃のフェノ
ール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中で測定される
極限粘度[η]が0.6〜1.2[dl/g]の重合度であ
ることが好ましい。0.6[dl/g]よりも小さいと
粘度が低く、成形時のロスが大きい傾向にある。また、
1.2[dl/g]を超えると押出時の負荷が大きく十
分な吐出量が得られず、成形品の外観を損なう可能性が
ある。本発明のポリエステル樹脂は、様々な成形方法に
適用でき、射出成形、カレンダー成形、ブロー成形、押
出成形、熱成形、発泡成形、溶融紡糸などを挙げること
ができ、成形体としても、射出成型品、シート、フィル
ム、中空成形体、パイプ、角棒、異形品、熱成形体、発
泡体、繊維などを挙げることができるが、特に軟質なシ
ート(フィルム)状成形体において、その得られる利点
が顕著である。また、その成形方法は従来一般に知られ
ている方法を適宜利用すればよい。本発明のポリエステ
ル樹脂を使用した成形品に、さらに特定の性能を付与す
るために従来公知の各種加工処理を施したり、適当な添
加剤を配合することができる。加工処理の例としては、
紫外線、α線、β線、γ線あるいは電子線等の照射、コ
ロナ処理、プラズマ照射処理、火炎処理等の処理、塩化
ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリ
オレフィン等の樹脂の塗布、ラミネート、あるいは金属
の蒸着等が挙げられる。添加剤の例としては、ポリエー
テル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリメチルメタク
リレート等の樹脂、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カ
ルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック
等の顔料、紫外線吸収剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤
等が挙げられる。本発明のポリエステル樹脂を用いれ
ば、50℃、95[%RH]、5時間の条件で処理した
後のヘイズ値が2以下となるシートを得ることができ、
特に透明性の耐久性にも優れている。
【0015】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。極限粘度は、25℃のフェノール/テトラクロロ
エタン等量混合溶媒中で測定した。柔軟性は、ASTM
−K7215に準じてショアD表面硬度を測定した。シ
ョアD硬度は単位はない。透明性は、40mmφ単軸押
出機を使用して得た2mmシートをヘイズメーター(日
本電色)により、製膜直後と、50℃、95[%R
H]、5時間の条件で処理した後について測定した。但
し、2mmシートが成形できなかった実験例について
は、500μmシートでの測定結果を2mm厚に換算し
た。引張強度は、ASTM−D638に準拠して測定し
た。表面擦傷性は、JIS−R−3212の磨耗試験機
を使用し、摩耗輪CS−10F、500g荷重にて10
0回転摩耗した後、拡散透過率(ヘイズ値)を測定し、
判定を行った。判定基準は次ぎの通りである。 ○…増加ヘイズ値=5未満 △…増加ヘイズ値=6以上10未満 ×…増加ヘイズ値=10以上 成形性の指標としては、キャピログラフ(東洋精機製作
所)を使用して、270℃、剪断速度60[sec.-1]、
L/D=10で押出されたストランドが400mmに到
達する時間[sec.]を測定した。
【0016】[実施例1]テレフタル酸を546.6g
と、アジピン酸を65.9gと、エチレングリコールを
419.9gと、無水マレイン酸を65.9gと、1分子
中に2個以上のカルボキシル基を有する炭素数36の不
飽和炭化水素化合物として、8−[2−(8−カルボキ
シオクチル)−5−ヘキシル−6−(2−オクテニル)
−3−シクロヘキセニル]−オクタンカルボン酸と9−
ノニリデン−10−オクチル−ノナデカンジカルボン酸
の77:23混合物を238.9gとを反応容器に入
れ、190〜225℃で3時間加熱攪拌してエステル化
反応を行った。ついで260℃に昇温し、重合触媒とし
て三酸化アンチモン0.44gを添加して重合反応を進
行させた。得られたポリエステル樹脂は極限粘度[η]
=0.90であった。この樹脂、および室温で減圧下2
4時間乾燥したペレットを230℃でASTM−D63
8試験片を射出成形したものを用いた評価結果を表1に
示した。 [実施例2]テレフタル酸を329.3gと、エチレン
グリコールを278.9gと、1,4−シクロヘキサンジ
メタノールを22.3gと、無水マレイン酸を3.04g
と、1分子中に2個以上のヒドロキシル基を有する炭素
数36の飽和炭化水素化合物として、8−[2−(8−
カルボキシオクチル)−5−ヘキシル−6−(2−オク
テニル)−3−シクロヘキセニル]−オクタンカルボン
酸と9−ノニリデン−10−オクチル−ノナデカンジカ
ルボン酸の77:23混合物を574.6gと、三酸化
アンチモン0.45gとを用い実施例1と同様にして得
られたポリエステル樹脂は極限粘度[η]=0.88で
あった。この樹脂を実施例1と同様に評価した結果を表
1に示した。
【0017】[実施例3]テレフタル酸を420.8g
と、イソフタル酸を135.7gと、エチレングリコー
ル380.6gと、無水マレイン酸を12.0gと、1分
子中に2個以上のヒドロキシル基を有する炭素数36の
飽和炭化水素化合物として、8−[2−(8−カルボキ
シオクチル)−5−ヘキシル−6−(2−オクテニル)
−3−シクロヘキセニル]−オクタンカルボン酸と9−
ノニリデン−10−オクチル−ノナデカンジカルボン酸
の77:23混合物を324.8gと、三酸化アンチモ
ンを0.45gとを用い実施例1と同様にして得られたポ
リエステル樹脂は極限粘度[η]=0.95であった。
この樹脂を実施例1と同様に評価した結果を表1に示し
た。 [実施例4]テレフタル酸を496.7gと、イソフタ
ル酸を31.2gと、エチレングリコールを338.0g
と、トリメチロールプロパンを1.51gと、無水マレ
イン酸を1.84gと、1分子中に2個以上のヒドロキ
シル基を有する炭素数36の飽和炭化水素化合物とし
て、8−[2−(8−カルボキシオクチル)−5−ヘキ
シル−6−(2−オクテニル)−3−シクロヘキセニ
ル]−オクタンカルボン酸と9−ノニリデン−10−オ
クチル−ノナデカンジカルボン酸の77:23混合物を
199.4gと、平均分子量1000のポリテトラメチ
レングリコールを188.1gと、三酸化アンチモンを
0.36gとを用い実施例1と同様にして得られたポリ
エステル樹脂は極限粘度[η]=1.10であった。こ
の樹脂を実施例1と同様に評価した結果を表1に示し
た。
【0018】[比較例1]テレフタル酸を554.3g
と、イソフタル酸を138.6gと、エチレングリコー
ルを375.6gと、無水マレイン酸を2.05gと、平
均分子量1000のポリテトラメチレングリコールを2
08.6gと、三酸化アンチモン0.34gとを用い実施
例1と同様にして得られたポリエステル樹脂は極限粘度
[η]=0.85であった。この樹脂を実施例1と同様
に評価したが、50℃、95[%RH]、5時間の条件
で処理した後、白化した。その他の評価結果を表1に示
した。 [比較例2]テレフタル酸を473.3gと、イソフタ
ル酸を34.8gと、エチレングリコールを390.4g
と、無水マレイン酸を49.3gと、1分子中に2個以
上のヒドロキシル基を有する炭素数36の飽和炭化水素
化合物として、8−[2−(8−カルボキシオクチル)
−5−ヘキシル−6−(2−オクテニル)−3−シクロ
ヘキセニル]−オクタンカルボン酸と9−ノニリデン−
10−オクチル−ノナデカンジカルボン酸の77:23
混合物を333.2gと、三酸化アンチモンを0.45g
とを用い実施例1と同様にして得られたポリエステル樹
脂はゲル状であり極限粘度は測定不可であった。この樹
脂を実施例1と同様に評価したが、射出成形、40mm
φ押出成形ともに成形不可であった。
【0019】[比較例3]テレフタル酸を674.6g
と、アジピン酸を70.2gと、エチレングリコールを
447.7gと、無水マレイン酸を2.36gと、1分子
中に2個以上のヒドロキシル基を有する炭素数36の飽
和炭化水素化合物として、8−[2−(8−カルボキシ
オクチル)−5−ヘキシル−6−(2−オクテニル)−
3−シクロヘキセニル]−オクタンカルボン酸と9−ノ
ニリデン−10−オクチル−ノナデカンジカルボン酸の
77:23混合物を127.3gと、三酸化アンチモン
を0.44gとを用い実施例1と同様にして得られたポ
リエステル樹脂は極限粘度[η]=0.56であった。
この樹脂を実施例1と同様に評価したが、40mmφ押
出成形は流動性が良すぎ2mm厚のシートが成形不可で
あった。その他の評価結果を表1に示した。 [比較例4]テレフタル酸を209.8gと、エチレン
グリコールを250.3gと、無水マレイン酸を7.91
gと、8−[2−(8−カルボキシオクチル)−5−ヘ
キシル−6−(2−オクテニル)−3−シクロヘキセニ
ル]−オクタンカルボン酸と9−ノニリデン−10−オ
クチル−ノナデカンジカルボン酸の77:23混合物を
712.2gと、三酸化アンチモンを0.47gとを用い
実施例1と同様にして得られたポリエステル樹脂は極限
粘度[η]=1.00であった。この樹脂を実施例1と
同様に評価したが、実用上、引張強度が十分でなかっ
た。その他の評価結果を表1に示した。 [比較例5]テレフタル酸を617.6gと、イソフタ
ル酸を36.3gと、エチレングリコールを407.5g
と、1分子中に2個以上のヒドロキシル基を有する炭素
数36の飽和炭化水素化合物として、8−[2−(8−
カルボキシオクチル)−5−ヘキシル−6−(2−オク
テニル)−3−シクロヘキセニル]−オクタンカルボン
酸と9−ノニリデン−10−オクチル−ノナデカンジカ
ルボン酸の77:23混合物を231.9gと、三酸化
アンチモン0.44gとを用い実施例1と同様にして得
られたポリエステル樹脂は極限粘度[η]=0.78で
あった。この樹脂を実施例1と同様に評価したが、40
mmφ押出成形は流動性が良すぎ2mm厚のシートが成
形不可であった。その他の評価結果を表1に示した。
【0020】
【表1】
【0021】なお、表中に示した化合物は、それぞれ以
下の通りである。 TPA;テレフタル酸 IPA;イソフタル酸 NDC;ナフタレンジカルボン酸 ADA;アジピン酸 C36不飽和ジカルボン酸;8−[2−(8−カルボキ
シオクチル)−5−ヘキシル−6−(2−オクテニル)
−3−シクロヘキセニル]−オクタンカルボン酸/9−
ノニリデン−10−オクチル−ノナデカンジカルボン酸
=77/23混合物 EG;エチレングリコール CHDM;1,4−シクロヘキサンジメタノール PTMG;ポリテトラメチレングリコール TMP;トリメチロールプロパン MA;無水マレイン酸
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるポリエ
ステル樹脂はシート状とした場合、従来のポリエステル
樹脂の持つ優れた物性、成形加工性を維持し、実用上十
分な成形性を示し、表面光沢に優れた特性を有する材料
であることがわかる。従って本発明は、例えば軟質透明
シート、表面保護材、建材、内装部品等広く利用するこ
とが可能である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA45 AF13 AF28 AH03 BA01 BB05 BC01 4J029 AA01 AA03 AA07 AD01 AD10 AE01 AE02 AE03 BA02 BA03 BA05 BA08 BD03A BD07A BD09A BF09 BF13 BF17 BF18 BF20 BF21 BF23 BF24 BF25 BF28 BG08Y CA01 CA02 CA04 CA05 CA06 CB05A CB06A CB10A CC04A CC05A CC06A CD03 CF06 CF08 CH02 DB02 DB07 DB12 FC05 FC08 FC35 FC36 GA12 GA13 GA14 GA17 GA22 JE182 JF032

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ジカルボン酸を60〜9
    4.9[モル%]と、1分子中に2個以上のカルボキシル
    基を有する炭素数32〜72の不飽和炭化水素化合物を
    5〜39.9[モル%]とからなる成分と、(B)エチ
    レングリコールを主体とするグリコール成分と、(C)
    不飽和ジカルボン酸成分を0.1〜10[モル%]とを有
    し、 25℃のフェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒
    中で測定される極限粘度[η]が0.6〜1.2[dl/
    g]であることを特徴とするポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】 前記(C)不飽和ジカルボン酸成分に、
    マレイン酸、フマル酸、イタコン酸のうち少なくとも1
    つ以上を含むことを特徴とする請求項1記載のポリエス
    テル樹脂。
  3. 【請求項3】 前記芳香族ジカルボン酸としてイソフタ
    ル酸を5〜30[モル%]含有することを特徴とする請
    求項1記載のポリエステル樹脂。
  4. 【請求項4】 (A)成分中の前記2個以上のカルボキ
    シル基を有する不飽和炭化水素化合物の炭素数が36で
    あることを特徴とする請求項1記載のポリエステル樹
    脂。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のポリエ
    ステル樹脂からなることを特徴とするポリエステルシー
    ト。
  6. 【請求項6】 50℃、95[%RH]、5時間の条件
    で処理した後のヘイズ値が2以下であることを特徴とす
    る請求項5記載のポリエステルシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003040948A (ja) * 2001-07-26 2003-02-13 Hitachi Chem Co Ltd 耐熱性不飽和ポリエステル樹脂組成物及びガラス繊維強化プラスチックス成形品
US8017795B2 (en) 2005-04-21 2011-09-13 Ndsu Research Foundation Radiation curable polymer films having improved laser ablation properties and radiation curable sensitizers therefor
WO2022142512A1 (zh) * 2020-12-31 2022-07-07 江苏金发科技新材料有限公司 一种半芳香族聚酯及其制备方法和应用

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