JP2001262483A - シュープレス用ベルト - Google Patents
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- JP2001262483A JP2001262483A JP2000069532A JP2000069532A JP2001262483A JP 2001262483 A JP2001262483 A JP 2001262483A JP 2000069532 A JP2000069532 A JP 2000069532A JP 2000069532 A JP2000069532 A JP 2000069532A JP 2001262483 A JP2001262483 A JP 2001262483A
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- thermal conductivity
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- D—TEXTILES; PAPER
- D21—PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
- D21F—PAPER-MAKING MACHINES; METHODS OF PRODUCING PAPER THEREON
- D21F3/00—Press section of machines for making continuous webs of paper
- D21F3/02—Wet presses
- D21F3/0209—Wet presses with extended press nip
- D21F3/0218—Shoe presses
- D21F3/0227—Belts or sleeves therefor
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
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- Y10T428/24—Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.]
- Y10T428/24479—Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.] including variation in thickness
- Y10T428/2457—Parallel ribs and/or grooves
Landscapes
- Paper (AREA)
- Belt Conveyors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高温・高圧下ではベルトを構成する樹脂層が
軟化し、プレス下において溝形状が変形するが、そのよ
うな問題がないようにするとともに、樹脂層に外部熱が
侵入させないか、たとえ侵入したとしてもその影響を受
けないようにしたシュープレス用ベルトを提供する。 【解決手段】 本発明は、基材層と樹脂層とからなり、
該樹脂層の表層に脱水を促進するための溝を付けたシュ
ープレス用ベルトにおいて、前記基材層を耐熱性の高い
素材に変更し、かつ前記樹脂層の素材も耐熱性の高いも
のに変更し、さらに樹脂層にその熱伝導率を調節するた
めの充填剤を含有させたことを特徴とし、基材層及び樹
脂層とも耐熱性を高めるとともに、ベルト自身を外部か
らの熱の影響を受け難くするように構成した。
軟化し、プレス下において溝形状が変形するが、そのよ
うな問題がないようにするとともに、樹脂層に外部熱が
侵入させないか、たとえ侵入したとしてもその影響を受
けないようにしたシュープレス用ベルトを提供する。 【解決手段】 本発明は、基材層と樹脂層とからなり、
該樹脂層の表層に脱水を促進するための溝を付けたシュ
ープレス用ベルトにおいて、前記基材層を耐熱性の高い
素材に変更し、かつ前記樹脂層の素材も耐熱性の高いも
のに変更し、さらに樹脂層にその熱伝導率を調節するた
めの充填剤を含有させたことを特徴とし、基材層及び樹
脂層とも耐熱性を高めるとともに、ベルト自身を外部か
らの熱の影響を受け難くするように構成した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抄紙機のプレスパ
ートでの湿紙水分を効率よく搾水するために形成された
高温ニップ部に導入できるシュープレス用ベルトに関す
るものである。
ートでの湿紙水分を効率よく搾水するために形成された
高温ニップ部に導入できるシュープレス用ベルトに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】高温抄紙技術として、インパルスドライ
ング等の200°C以上、 高い場合においては350°
C程度の温度下でシュープレスを用いて高圧高温プレス
することにより繊維性ウェッブから搾水する方法が提案
されている。この搾水はプレス部分の圧力による繊維性
ウェッブからの水の排水とプレス部分を通過するときに
繊維性ウェッブが長時間にわたって高温を受けることに
よる繊維性ウェッブ内から発生する水蒸気の排出から成
り立っている。また、繊維性ウェッブの温度が上がるこ
とにより繊維性ウェッブに含まれている水の粘度が下が
り、常温で搾水するより効率のよい搾水性が得られると
考えられている。この技術として、特公平6−6319
5号、特公平6−33590号、特許第2590170
号、特許第2832713号、特表平11−50079
3号などが提案されている。
ング等の200°C以上、 高い場合においては350°
C程度の温度下でシュープレスを用いて高圧高温プレス
することにより繊維性ウェッブから搾水する方法が提案
されている。この搾水はプレス部分の圧力による繊維性
ウェッブからの水の排水とプレス部分を通過するときに
繊維性ウェッブが長時間にわたって高温を受けることに
よる繊維性ウェッブ内から発生する水蒸気の排出から成
り立っている。また、繊維性ウェッブの温度が上がるこ
とにより繊維性ウェッブに含まれている水の粘度が下が
り、常温で搾水するより効率のよい搾水性が得られると
考えられている。この技術として、特公平6−6319
5号、特公平6−33590号、特許第2590170
号、特許第2832713号、特表平11−50079
3号などが提案されている。
【0003】特に、特公平6−33590号のベルト技
術は、高圧高温プレス時に繊維性ウェッブからの脱水量
が多くなって紙砕けや地合い不良を防止し、搾水性を向
上させるためにベルト表面に溝を付けて脱水量をプレス
系外に排出することができるようにした基本技術であ
る。
術は、高圧高温プレス時に繊維性ウェッブからの脱水量
が多くなって紙砕けや地合い不良を防止し、搾水性を向
上させるためにベルト表面に溝を付けて脱水量をプレス
系外に排出することができるようにした基本技術であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高温・
高圧下でベルトを使用した場合、ベルトを構成する樹脂
層が軟化し、プレス下において溝形状が変形し、溝が閉
塞し、脱水量を補助することができなくなる上、樹脂層
の摩耗のために溝容積の減少も速く、寿命が短くなるな
ど、短時間でかなりのダメージを受けるという問題があ
った。
高圧下でベルトを使用した場合、ベルトを構成する樹脂
層が軟化し、プレス下において溝形状が変形し、溝が閉
塞し、脱水量を補助することができなくなる上、樹脂層
の摩耗のために溝容積の減少も速く、寿命が短くなるな
ど、短時間でかなりのダメージを受けるという問題があ
った。
【0005】また、ベルトが高温下で使用されるため、
構成する基布及び樹脂の熱劣化による耐久性の低下が速
く、基布の脆化による寸法の不安定及び樹脂の脆化によ
るクラックの発生等の問題があった。
構成する基布及び樹脂の熱劣化による耐久性の低下が速
く、基布の脆化による寸法の不安定及び樹脂の脆化によ
るクラックの発生等の問題があった。
【0006】さらに、ベルトとシューとの接触による摩
擦力を減少させる目的で使用している潤滑油の粘度が、
ベルトの温度上昇に伴い低下し、これによりマシンの駆
動負荷が増大する結果となるという問題もあった。
擦力を減少させる目的で使用している潤滑油の粘度が、
ベルトの温度上昇に伴い低下し、これによりマシンの駆
動負荷が増大する結果となるという問題もあった。
【0007】本発明者らは、上記種々の問題点を解決す
るため日夜鋭意研究を重ねた結果、遂に本発明を完成し
た。しかして、本発明の目的とするところは、高温・高
圧下においてベルトを構成する樹脂層の軟化や溝形状の
変形がなく、樹脂層に外部熱を侵入させないか、たとえ
侵入したとしてもその影響を受け難いシュープレス用ベ
ルトを提供することにある。
るため日夜鋭意研究を重ねた結果、遂に本発明を完成し
た。しかして、本発明の目的とするところは、高温・高
圧下においてベルトを構成する樹脂層の軟化や溝形状の
変形がなく、樹脂層に外部熱を侵入させないか、たとえ
侵入したとしてもその影響を受け難いシュープレス用ベ
ルトを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、基材層と樹脂層とからなり、該樹脂層の
表層に脱水を促進するための溝を付けたシュープレス用
ベルトにおいて、前記基材層及び樹脂層を耐熱性の素材
で構成し、さらに樹脂層にその熱伝導率を調節するため
の充填剤を含有させたことを特徴とし、基材層及び樹脂
層共、耐熱性を高めるとともに、ベルト自身が外部から
の熱の影響を受け難くするように構成した。
め、本発明は、基材層と樹脂層とからなり、該樹脂層の
表層に脱水を促進するための溝を付けたシュープレス用
ベルトにおいて、前記基材層及び樹脂層を耐熱性の素材
で構成し、さらに樹脂層にその熱伝導率を調節するため
の充填剤を含有させたことを特徴とし、基材層及び樹脂
層共、耐熱性を高めるとともに、ベルト自身が外部から
の熱の影響を受け難くするように構成した。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、前記充填
剤が、低熱伝導性の素材からなることを特徴とし、外部
からの熱による樹脂層の温度上昇を防ぐことができるよ
うに構成した。
剤が、低熱伝導性の素材からなることを特徴とし、外部
からの熱による樹脂層の温度上昇を防ぐことができるよ
うに構成した。
【0010】さらに、請求項3に記載の発明は、前記充
填剤が、高熱伝導性の素材からなることを特徴とし、外
部からの熱の浸入があったとしても、浸入した熱を簡易
に外部に排出し、冷却速度を速めることができるように
構成した。
填剤が、高熱伝導性の素材からなることを特徴とし、外
部からの熱の浸入があったとしても、浸入した熱を簡易
に外部に排出し、冷却速度を速めることができるように
構成した。
【0011】さらにまた、請求項4に記載の発明は、前
記樹脂層が、厚み方向に複数層になっており、各層に選
択的に前記充填剤を含有させたことを特徴とし、例え
ば、表面の樹脂性能を変化させない状態においてベルト
全体の熱伝導率を調整できるように構成した。
記樹脂層が、厚み方向に複数層になっており、各層に選
択的に前記充填剤を含有させたことを特徴とし、例え
ば、表面の樹脂性能を変化させない状態においてベルト
全体の熱伝導率を調整できるように構成した。
【0012】さらにまた、請求項5に記載の発明は、前
記樹脂層が、厚み方向に複数層になっており、その各層
に熱伝導性の異なる充填剤を含有させたことを特徴と
し、例えば、高熱伝導率から低熱伝導率、或いは低熱伝
導率から高熱伝導率に連続的に変化させることにより効
率的な熱制御ができるように構成した。
記樹脂層が、厚み方向に複数層になっており、その各層
に熱伝導性の異なる充填剤を含有させたことを特徴と
し、例えば、高熱伝導率から低熱伝導率、或いは低熱伝
導率から高熱伝導率に連続的に変化させることにより効
率的な熱制御ができるように構成した。
【0013】
【発明の実施の態様】次に、本願発明の実施の態様を添
付図面に基づいて説明する。図1は樹脂層に充填剤を含
有させた本願ベルトの略示的拡大断面図、図2は樹脂層
を複数層に積層し、その一部の層に充填剤を含浸させた
本願ベルトの略示的拡大断面図、図3は樹脂層を複数層
に積層し、各層に熱伝導率の異なる充填剤を段階的に変
化含有させた本願ベルトの略示的拡大断面図、図4はシ
ュープレス用テスターの略図、図5は各種素材の熱伝導
率(熱伝導率:W/m・K)を示す図、図6はシュープ
レス用テスターを用いて本願サンプル及び比較サンプル
のベルト走行テストを実施し、100時間走行後の物性
の測定結果を示す図である。
付図面に基づいて説明する。図1は樹脂層に充填剤を含
有させた本願ベルトの略示的拡大断面図、図2は樹脂層
を複数層に積層し、その一部の層に充填剤を含浸させた
本願ベルトの略示的拡大断面図、図3は樹脂層を複数層
に積層し、各層に熱伝導率の異なる充填剤を段階的に変
化含有させた本願ベルトの略示的拡大断面図、図4はシ
ュープレス用テスターの略図、図5は各種素材の熱伝導
率(熱伝導率:W/m・K)を示す図、図6はシュープ
レス用テスターを用いて本願サンプル及び比較サンプル
のベルト走行テストを実施し、100時間走行後の物性
の測定結果を示す図である。
【0014】本願ベルト10の第1の特徴は、基材層1
1と樹脂層12の素材を、耐熱性の高いものに変更した
ことにある。これにより樹脂層11自体の高温に対する
耐久性を向上させている。
1と樹脂層12の素材を、耐熱性の高いものに変更した
ことにある。これにより樹脂層11自体の高温に対する
耐久性を向上させている。
【0015】耐熱性の高い素材として、具体的には、フ
ッ素系のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テ
トラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重
合体(FEP)、エチレン/テトラフルオロエチレン共
重合体(ETFE)などがある。また、芳香族・複素環
系の樹脂として、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミドなど
がある。さらに、耐熱性のあるゴム系の原料として、ア
クリルゴム(ACM)、エチレンアクリルゴム(EA
R)、エチレンプロピレンジェンゴム(EPDM)、フ
ッ素ゴム、シリコンゴム、塩素化ポリエチレンゴム(C
M)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、
ブチルゴム(IIR)などがある。
ッ素系のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テ
トラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重
合体(FEP)、エチレン/テトラフルオロエチレン共
重合体(ETFE)などがある。また、芳香族・複素環
系の樹脂として、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミドなど
がある。さらに、耐熱性のあるゴム系の原料として、ア
クリルゴム(ACM)、エチレンアクリルゴム(EA
R)、エチレンプロピレンジェンゴム(EPDM)、フ
ッ素ゴム、シリコンゴム、塩素化ポリエチレンゴム(C
M)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、
ブチルゴム(IIR)などがある。
【0016】前記基材層11の耐熱性を向上させるため
の素材としては、有機系では、PTFE、FEP、ET
FE、PEEK、PES、PEI、パラ系アラミド繊
維、メタ系アラミド繊維などが、また、無機系では、ガ
ラス、岩綿などが、さらに、金属系では、スチール、ス
テンレス、ブロンズなどがある。基材層2の基材の構成
は、糸の場合、モノフィラメント、マルチフィラメン
ト、紡績糸の形態で使用しても、織布、不織布、経糸・
緯糸の積層体として使用してもよい。
の素材としては、有機系では、PTFE、FEP、ET
FE、PEEK、PES、PEI、パラ系アラミド繊
維、メタ系アラミド繊維などが、また、無機系では、ガ
ラス、岩綿などが、さらに、金属系では、スチール、ス
テンレス、ブロンズなどがある。基材層2の基材の構成
は、糸の場合、モノフィラメント、マルチフィラメン
ト、紡績糸の形態で使用しても、織布、不織布、経糸・
緯糸の積層体として使用してもよい。
【0017】本願ベルト10の第2の特徴は、樹脂層1
2にベルト温度をコントロールするための充填剤13を
入れるたことにある。図1のものは、該充填剤13を含
有させた樹脂素材を、基材層11の上下に必要厚みにな
るまで塗布し、該樹脂層12を熱を掛けて硬化させた
後、表裏を研磨して設計した厚みに仕上げ、しかる後、
樹脂層12の表層に脱水用の溝14を切削して得たもの
である。
2にベルト温度をコントロールするための充填剤13を
入れるたことにある。図1のものは、該充填剤13を含
有させた樹脂素材を、基材層11の上下に必要厚みにな
るまで塗布し、該樹脂層12を熱を掛けて硬化させた
後、表裏を研磨して設計した厚みに仕上げ、しかる後、
樹脂層12の表層に脱水用の溝14を切削して得たもの
である。
【0018】また、図2のものは、前記樹脂層12が、
基材層11の上面に接した第1層Aと、該第1層Aの上
面に重なる第2層Bと、前記基材層11の下面に接した
第3層Cとに分け、前記第1層Aには充填剤13を含有
させた樹脂素材を塗布し、第2層Bと第3層Cには充填
剤13を含有させない樹脂素材を塗布し、熱を掛けて硬
化させた後、表裏を研磨して設計した厚みに仕上げ、表
層に脱水用の溝14を切削して得たものである。かくし
て得た本願ベルト10は、表面の樹脂性能を変化させな
いでベルト全体の熱伝導率を調整した製品となってい
る。
基材層11の上面に接した第1層Aと、該第1層Aの上
面に重なる第2層Bと、前記基材層11の下面に接した
第3層Cとに分け、前記第1層Aには充填剤13を含有
させた樹脂素材を塗布し、第2層Bと第3層Cには充填
剤13を含有させない樹脂素材を塗布し、熱を掛けて硬
化させた後、表裏を研磨して設計した厚みに仕上げ、表
層に脱水用の溝14を切削して得たものである。かくし
て得た本願ベルト10は、表面の樹脂性能を変化させな
いでベルト全体の熱伝導率を調整した製品となってい
る。
【0019】さらに、図3のものは、前記樹脂層12
が、その厚み方向(上から順)に複数層A、B、C、D
になっており、その各層に、熱伝導性(熱伝導率)の異
なる充填剤13を連続的に変化、含有させた樹脂素材を
塗布し、熱を掛けて硬化させた後、表裏を研磨して設計
した厚みに仕上げ、表層に脱水用の溝14を切削して得
たものである。この場合、熱伝導率は、使用目的に応じ
て高熱伝導率から低熱伝導率、或いは低熱伝導率から高
熱伝導率に連続的に変化させるようにすることは自由で
ある。
が、その厚み方向(上から順)に複数層A、B、C、D
になっており、その各層に、熱伝導性(熱伝導率)の異
なる充填剤13を連続的に変化、含有させた樹脂素材を
塗布し、熱を掛けて硬化させた後、表裏を研磨して設計
した厚みに仕上げ、表層に脱水用の溝14を切削して得
たものである。この場合、熱伝導率は、使用目的に応じ
て高熱伝導率から低熱伝導率、或いは低熱伝導率から高
熱伝導率に連続的に変化させるようにすることは自由で
ある。
【0020】前記樹脂層12への充填剤13の含有は、
ベルト温度をコントロールするためであるが、該充填剤
13の機能としては2つある。一つは、ベルトの温度上
昇を抑制すること、2つ目は、ベルトの蓄熱を抑止する
にある。
ベルト温度をコントロールするためであるが、該充填剤
13の機能としては2つある。一つは、ベルトの温度上
昇を抑制すること、2つ目は、ベルトの蓄熱を抑止する
にある。
【0021】前者の場合には、樹脂層12に使用してい
る素材の熱伝導率より低い熱伝導率の充填剤を使用す
る。この充填剤の代表的なものとして「気泡」がある。
該気泡は樹脂層の熱劣化防止及び潤滑油の温度上昇を抑
える機能を備える。
る素材の熱伝導率より低い熱伝導率の充填剤を使用す
る。この充填剤の代表的なものとして「気泡」がある。
該気泡は樹脂層の熱劣化防止及び潤滑油の温度上昇を抑
える機能を備える。
【0022】後者の場合は、樹脂層12に使用している
素材の熱伝導率より高い熱伝導度率の充填剤を使用す
る。これにより水等の冷却媒体による冷却効果を高める
ことができ、ベルトの蓄熱を抑止するから、潤滑油の温
度上昇を防げるようになる利点がある。
素材の熱伝導率より高い熱伝導度率の充填剤を使用す
る。これにより水等の冷却媒体による冷却効果を高める
ことができ、ベルトの蓄熱を抑止するから、潤滑油の温
度上昇を防げるようになる利点がある。
【0023】前記基材層11、樹脂(ゴムを含む)層1
2及び充填剤13の素材の選択を、図5の熱伝導率(W
/m・K)を示す図に基づいて決定できる。この素材の
選択に当たっては樹脂層の強度・耐久性が低下しない範
囲で1種又は2種以上を混合して使用することが可能と
なる。
2及び充填剤13の素材の選択を、図5の熱伝導率(W
/m・K)を示す図に基づいて決定できる。この素材の
選択に当たっては樹脂層の強度・耐久性が低下しない範
囲で1種又は2種以上を混合して使用することが可能と
なる。
【0024】
【実施例1】いま、基材層11として耐熱性のあるノー
メックス繊維(熱伝導率:H=0.13W/m・K)か
らなる不織布を使用し、樹脂層12として耐熱性のある
フッ素樹脂(H=0.25)を使用し、充填剤としてフ
ッ素樹脂よりも熱伝導性の低いノーメックス繊維のチョ
ップドファイバー(H=0.13)を使用して、基材層
11の両面に塗布し、加熱硬化させた後、表裏面を研磨
し必要厚みとし表層に脱水用の溝14を切削して本願サ
ンプル101を試作した(図1と同構造)。
メックス繊維(熱伝導率:H=0.13W/m・K)か
らなる不織布を使用し、樹脂層12として耐熱性のある
フッ素樹脂(H=0.25)を使用し、充填剤としてフ
ッ素樹脂よりも熱伝導性の低いノーメックス繊維のチョ
ップドファイバー(H=0.13)を使用して、基材層
11の両面に塗布し、加熱硬化させた後、表裏面を研磨
し必要厚みとし表層に脱水用の溝14を切削して本願サ
ンプル101を試作した(図1と同構造)。
【0025】上記サンプル101を、図4に示すシュー
プレス用テスター41を用い、加圧シュー42と加熱ロ
ール43とのプレス部44をエンドレスに通過するよう
に適用(実機の場合、一点鎖線の如く、フェルト45を
エンドレスに走行させるとともに湿紙46が供給され
る)し、加熱ロール43を200°Cに加熱した状態で
抄速1000m/min、ニップ圧1000kg/cm
でベルト走行テストを実施し、100時間走行後の物性
を測定した。
プレス用テスター41を用い、加圧シュー42と加熱ロ
ール43とのプレス部44をエンドレスに通過するよう
に適用(実機の場合、一点鎖線の如く、フェルト45を
エンドレスに走行させるとともに湿紙46が供給され
る)し、加熱ロール43を200°Cに加熱した状態で
抄速1000m/min、ニップ圧1000kg/cm
でベルト走行テストを実施し、100時間走行後の物性
を測定した。
【0026】上記走行テストの結果(図6参照)では、
ベルト温度は70°C以下であり、熱伝導率を下げてい
るので、プレス下で瞬間的に加熱されても温度上昇はほ
とんど見られなかった。従って、 加圧シュー42とサン
プル101との間に注入した潤滑油の温度上昇も少なか
った。この結果、脱水用の溝の摩耗は5%程度と良好で
あった。また、被膜効果の低下も見られず動力負荷のア
ップも認められなかった。
ベルト温度は70°C以下であり、熱伝導率を下げてい
るので、プレス下で瞬間的に加熱されても温度上昇はほ
とんど見られなかった。従って、 加圧シュー42とサン
プル101との間に注入した潤滑油の温度上昇も少なか
った。この結果、脱水用の溝の摩耗は5%程度と良好で
あった。また、被膜効果の低下も見られず動力負荷のア
ップも認められなかった。
【0027】
【実施例2】次に、基材層11に熱伝導率の良いカーボ
ン繊維(H=11.7)を経、緯交互に積層したものを
使用し、樹脂層12に実施例1と同じ耐熱性のあるフッ
素樹脂(H=0.25)を使用し、充填剤として基材層
11と同じカーボン繊維のチョップドファイバー(H=
11.7)を混合したものを該基材層11の表面に塗布
し、その上と基材層の裏面に充填剤を含まないフッ素樹
脂を塗布し、加熱硬化後、表面を研磨し、更に表面側に
脱水用の溝14を研削して本願サンプル102を試作し
た(図2と同構造)。
ン繊維(H=11.7)を経、緯交互に積層したものを
使用し、樹脂層12に実施例1と同じ耐熱性のあるフッ
素樹脂(H=0.25)を使用し、充填剤として基材層
11と同じカーボン繊維のチョップドファイバー(H=
11.7)を混合したものを該基材層11の表面に塗布
し、その上と基材層の裏面に充填剤を含まないフッ素樹
脂を塗布し、加熱硬化後、表面を研磨し、更に表面側に
脱水用の溝14を研削して本願サンプル102を試作し
た(図2と同構造)。
【0028】上記サンプル102を、図4に示すシュー
プレス用テスター41を用い、該テスター41を、上記
サンプル101のときと同様の条件で適用し、ベルト走
行テストを実施し、100時間走行後の物性を測定した
結果(図6参照)、ベルト温度は70°C以上になる
が、シャワー(水)を使用して冷却することにより70
°C以下に低下し、潤滑油の温度も低下したため、被膜
効果が低下せず動力負荷のアップも認められなかった。
また、脱水用の溝14の容積は90%保持されていた。
プレス用テスター41を用い、該テスター41を、上記
サンプル101のときと同様の条件で適用し、ベルト走
行テストを実施し、100時間走行後の物性を測定した
結果(図6参照)、ベルト温度は70°C以上になる
が、シャワー(水)を使用して冷却することにより70
°C以下に低下し、潤滑油の温度も低下したため、被膜
効果が低下せず動力負荷のアップも認められなかった。
また、脱水用の溝14の容積は90%保持されていた。
【0029】
【実施例3】さらに、基材層11として経糸、緯糸共、
ポリエステル繊維(H=0.27)からなる織布を使用
し、樹脂層12としてウレタン樹脂(H=0.27)を
使用し、表層(図3の第1層Aに対応する)に使用する
樹脂にはアルミナ粉体(H=226)を混合して用い、
該表層と基材層との間(図3の第2層Bに対応する)に
使用するウレタン樹脂にはカーボン繊維のチョップドフ
ァイバー(H=11.7)を混合した樹脂を用いた。ま
た、裏面側を形成する樹脂層のうち、裏面表層(図3の
第4層Dに対応する)にはウレタン樹脂(H=0.2
7)にノーメックス繊維のチョップドファイバー(H=
0.13)を混合して用い、裏面表層と基材層との間
(図3の第3層Cに対応する)に使用する樹脂はウレタ
ン樹脂(H=0.27)にマイクロカプセル(H=0.
03)を混合して用いた。それぞれ熱伝導率が異なる充
填剤を混合した樹脂層の加熱硬化後、表裏面を研磨し、
更に表層に脱水用の溝14を研削して本願サンプル10
3を作成した。
ポリエステル繊維(H=0.27)からなる織布を使用
し、樹脂層12としてウレタン樹脂(H=0.27)を
使用し、表層(図3の第1層Aに対応する)に使用する
樹脂にはアルミナ粉体(H=226)を混合して用い、
該表層と基材層との間(図3の第2層Bに対応する)に
使用するウレタン樹脂にはカーボン繊維のチョップドフ
ァイバー(H=11.7)を混合した樹脂を用いた。ま
た、裏面側を形成する樹脂層のうち、裏面表層(図3の
第4層Dに対応する)にはウレタン樹脂(H=0.2
7)にノーメックス繊維のチョップドファイバー(H=
0.13)を混合して用い、裏面表層と基材層との間
(図3の第3層Cに対応する)に使用する樹脂はウレタ
ン樹脂(H=0.27)にマイクロカプセル(H=0.
03)を混合して用いた。それぞれ熱伝導率が異なる充
填剤を混合した樹脂層の加熱硬化後、表裏面を研磨し、
更に表層に脱水用の溝14を研削して本願サンプル10
3を作成した。
【0030】上記サンプル103を、図4に示すシュー
プレス用テスター41を用い、該テスター41を、上記
サンプル101のときと同様の条件で適用し、ベルト走
行テストを実施し、100時間走行後の物性を測定した
結果(図6参照)、表面でシャワーを使用することによ
り表層の蓄熱を防ぎ、裏面層の非伝熱性によりベルト温
度は70°C以下、潤滑油温度も70°C以上は上がら
ず、被膜効果が低下せず動力負荷の上昇も認められなか
った。また、脱水用の溝14の容積は90%保持されて
いた。
プレス用テスター41を用い、該テスター41を、上記
サンプル101のときと同様の条件で適用し、ベルト走
行テストを実施し、100時間走行後の物性を測定した
結果(図6参照)、表面でシャワーを使用することによ
り表層の蓄熱を防ぎ、裏面層の非伝熱性によりベルト温
度は70°C以下、潤滑油温度も70°C以上は上がら
ず、被膜効果が低下せず動力負荷の上昇も認められなか
った。また、脱水用の溝14の容積は90%保持されて
いた。
【0031】本発明は上記実施例1〜3に限らず、熱伝
導率の調整に寄与する種々の形態を使用できる。充填剤
としては、ガラスバルーマや上記で使用したマイクロカ
プセル等のエアー混入充填剤の使用もできることは勿論
である。
導率の調整に寄与する種々の形態を使用できる。充填剤
としては、ガラスバルーマや上記で使用したマイクロカ
プセル等のエアー混入充填剤の使用もできることは勿論
である。
【0032】
【比較例1】さらにまた、基材層11として経糸、緯糸
共、ポリエステル繊維(熱伝導率:H=0.27W/m
・K)からなる織布を用い、その両面に現状使用されて
いるウレタン樹脂(H=0.27)を塗布し、加熱硬化
後、表面層を研磨し、更に脱水用の溝14を研削し、比
較サンプル104を試作した
共、ポリエステル繊維(熱伝導率:H=0.27W/m
・K)からなる織布を用い、その両面に現状使用されて
いるウレタン樹脂(H=0.27)を塗布し、加熱硬化
後、表面層を研磨し、更に脱水用の溝14を研削し、比
較サンプル104を試作した
【0033】上記比較サンプル104を、図4に示すシ
ュープレス用テスター41を用い、該テスター41を、
上記サンプル101のときと同様の条件で適用し、ベル
ト走行テストを実施し、100時間走行後の物性を測定
した結果(図6参照)、該比較サンプルからなるベルト
はその表面温度がウレタン常用温度の限界である70°
C以上にアップし、樹脂の摩耗が早く、溝14の容積の
保持率は60%と、見込みより40%の低下が認められ
た。また、潤滑油の温度も75°C以上にアップし、オ
イルの被膜効果が低下し、動力負荷の増加が認められ
た。さらに、当該ベルトにシャワーを散布することによ
りベルト温度、潤滑油温度共低下が見られたがベルト温
度は70°C以下の許容温度に下がらなかった。
ュープレス用テスター41を用い、該テスター41を、
上記サンプル101のときと同様の条件で適用し、ベル
ト走行テストを実施し、100時間走行後の物性を測定
した結果(図6参照)、該比較サンプルからなるベルト
はその表面温度がウレタン常用温度の限界である70°
C以上にアップし、樹脂の摩耗が早く、溝14の容積の
保持率は60%と、見込みより40%の低下が認められ
た。また、潤滑油の温度も75°C以上にアップし、オ
イルの被膜効果が低下し、動力負荷の増加が認められ
た。さらに、当該ベルトにシャワーを散布することによ
りベルト温度、潤滑油温度共低下が見られたがベルト温
度は70°C以下の許容温度に下がらなかった。
【0034】
【比較例2】さらにまた、基材層11として耐熱性のノ
ーメックス繊維(H=0.13)からなる不織布を使用
し、樹脂層12は通常使用しているウレタン樹脂(H=
0.27)を使用し、基材層11の両面に塗布し、加熱
硬化させた後、表裏面を研磨し、表面に脱水用の溝14
を切削し比較サンプル105を試作した。
ーメックス繊維(H=0.13)からなる不織布を使用
し、樹脂層12は通常使用しているウレタン樹脂(H=
0.27)を使用し、基材層11の両面に塗布し、加熱
硬化させた後、表裏面を研磨し、表面に脱水用の溝14
を切削し比較サンプル105を試作した。
【0035】上記比較サンプル105を、図4に示すシ
ュープレス用テスター41を用い、該テスター41を、
上記サンプル101のときと同様の条件で適用し、ベル
ト走行テストを実施し、100時間走行後の物性を測定
した結果(図6参照)、該比較サンプルからなるベルト
の表面温度はウレタン常用温度の限界である70°C以
上にアップし、樹脂の摩耗が早く、溝14の容積の保持
率は70%と低下し、見込みより30%の低下が認めら
れた。また、潤滑油の温度も75°C以上にアップし、
オイルの被膜効果が低下し、動力負荷の増加が認められ
た。さらに、当該ベルトにシャワーを散布することによ
りベルト温度、潤滑油温度共、低下が見られたがベルト
温度は70°C以下の許容温度に下がらなかった。
ュープレス用テスター41を用い、該テスター41を、
上記サンプル101のときと同様の条件で適用し、ベル
ト走行テストを実施し、100時間走行後の物性を測定
した結果(図6参照)、該比較サンプルからなるベルト
の表面温度はウレタン常用温度の限界である70°C以
上にアップし、樹脂の摩耗が早く、溝14の容積の保持
率は70%と低下し、見込みより30%の低下が認めら
れた。また、潤滑油の温度も75°C以上にアップし、
オイルの被膜効果が低下し、動力負荷の増加が認められ
た。さらに、当該ベルトにシャワーを散布することによ
りベルト温度、潤滑油温度共、低下が見られたがベルト
温度は70°C以下の許容温度に下がらなかった。
【0036】上記テスト結果は、図6から判るように、
基材層11を耐熱性の高い素材に変更し、かつ、樹脂層
についても耐熱性の高い素材に変更し、これと同時に充
填剤13として、樹脂層にその素材樹脂よりも熱伝導率
の低い物質を混合することにより、ベルトの熱伝導率を
下げ、ベルトへの外部からの熱の浸入を少なくし、温度
上昇を抑えることが判る。また、逆に、樹脂層にその素
材樹脂よりも熱伝導率の高い物質を混合することによっ
てベルトの熱伝導率を高くし、外部より熱が伝わってき
ても、冷却等によってベルトに浸入した熱を簡単に外部
に排出することが可能となり、ベルトの耐久性向上にも
寄与することが判った。
基材層11を耐熱性の高い素材に変更し、かつ、樹脂層
についても耐熱性の高い素材に変更し、これと同時に充
填剤13として、樹脂層にその素材樹脂よりも熱伝導率
の低い物質を混合することにより、ベルトの熱伝導率を
下げ、ベルトへの外部からの熱の浸入を少なくし、温度
上昇を抑えることが判る。また、逆に、樹脂層にその素
材樹脂よりも熱伝導率の高い物質を混合することによっ
てベルトの熱伝導率を高くし、外部より熱が伝わってき
ても、冷却等によってベルトに浸入した熱を簡単に外部
に排出することが可能となり、ベルトの耐久性向上にも
寄与することが判った。
【0037】
【発明の効果】以上の如く、本発明は、基材層と樹脂層
とからなり、該樹脂層の表層に脱水を促進するための溝
を付けたシュープレス用ベルトにおいて、前記基材層及
び樹脂層を耐熱性の素材で構成し、さらに樹脂層にその
熱伝導率を調節するための充填剤を含有させたことを特
徴としているから、基材層及び樹脂層共耐熱性が高く、
しかも、充填剤が含有されたベルトは外部からの熱の浸
入を少なくするか、或いは熱の侵入があっても、熱の影
響を受け難くなる上に、潤滑油への熱量の移動が少な
く、潤滑油の粘度や被膜効果が良好となり、動力負荷が
上昇せず、エネルギーコストを抑えることができるとい
う優れた効果を奏する。
とからなり、該樹脂層の表層に脱水を促進するための溝
を付けたシュープレス用ベルトにおいて、前記基材層及
び樹脂層を耐熱性の素材で構成し、さらに樹脂層にその
熱伝導率を調節するための充填剤を含有させたことを特
徴としているから、基材層及び樹脂層共耐熱性が高く、
しかも、充填剤が含有されたベルトは外部からの熱の浸
入を少なくするか、或いは熱の侵入があっても、熱の影
響を受け難くなる上に、潤滑油への熱量の移動が少な
く、潤滑油の粘度や被膜効果が良好となり、動力負荷が
上昇せず、エネルギーコストを抑えることができるとい
う優れた効果を奏する。
【0038】また、請求項2に記載の発明は、前記充填
剤が、低熱伝導性の素材からなることを特徴としている
から、外部から樹脂層内に浸入しようとする熱を樹脂層
の素材よりも熱伝導率の低い物質がベルトの温度上昇を
抑制できるという優れた効果を奏する。
剤が、低熱伝導性の素材からなることを特徴としている
から、外部から樹脂層内に浸入しようとする熱を樹脂層
の素材よりも熱伝導率の低い物質がベルトの温度上昇を
抑制できるという優れた効果を奏する。
【0039】さらに、請求項3に記載の発明は、前記充
填剤が、高熱伝導性の素材からなることを特徴としてい
るから、ベルトの熱伝導率を高くし外部より熱が伝わっ
てきても、浸入した熱を簡単に外部に排出でき、ベルト
の冷却速度を速め、蓄熱を抑止できるという優れた効果
を奏する。
填剤が、高熱伝導性の素材からなることを特徴としてい
るから、ベルトの熱伝導率を高くし外部より熱が伝わっ
てきても、浸入した熱を簡単に外部に排出でき、ベルト
の冷却速度を速め、蓄熱を抑止できるという優れた効果
を奏する。
【0040】さらにまた、請求項4に記載の発明は、前
記樹脂層が、厚み方向に複数層になっており、各層に選
択的に前記充填剤を含有させたことを特徴としているか
ら、例えば、表面層を形成する樹脂層に充填剤を含有さ
せず、他の樹脂層に充填剤を含有させれば、表面層の樹
脂性能を変化させない状態においてベルト全体の熱伝導
率を調整することができるという優れた効果を奏する。
記樹脂層が、厚み方向に複数層になっており、各層に選
択的に前記充填剤を含有させたことを特徴としているか
ら、例えば、表面層を形成する樹脂層に充填剤を含有さ
せず、他の樹脂層に充填剤を含有させれば、表面層の樹
脂性能を変化させない状態においてベルト全体の熱伝導
率を調整することができるという優れた効果を奏する。
【0041】さらにまた、請求項5に記載の発明は、前
記樹脂層が、厚み方向に複数層になっており、その各層
に熱伝導性の異なる充填剤を含有させたことを特徴とし
ているから、例えば、高熱伝導率から低熱伝導率、或い
は低熱伝導率から高熱伝導率に連続的に変化させること
により、より効率的な熱制御ができるという優れた効果
を奏する。
記樹脂層が、厚み方向に複数層になっており、その各層
に熱伝導性の異なる充填剤を含有させたことを特徴とし
ているから、例えば、高熱伝導率から低熱伝導率、或い
は低熱伝導率から高熱伝導率に連続的に変化させること
により、より効率的な熱制御ができるという優れた効果
を奏する。
【図1】樹脂層に充填剤を含有させた本願ベルトの略示
的拡大断面図である。
的拡大断面図である。
【図2】樹脂層を複数層に積層し、その一部の層に充填
剤を含浸させた本願ベルトの略示的拡大断面図である。
剤を含浸させた本願ベルトの略示的拡大断面図である。
【図3】樹脂層を複数層に積層し、各層に熱伝導率の異
なる充填剤を段階的に変化含有させた本願ベルトの略示
的拡大断面図である。
なる充填剤を段階的に変化含有させた本願ベルトの略示
的拡大断面図である。
【図4】シュープレス用テスターの概略図である。
【図5】各種素材の熱伝導率(熱伝導率:W/m・K)
を示す図である。
を示す図である。
【図6】シュープレス用テスターを用いて本願サンプル
及び比較サンプルのベルト走行テストを実施し、100
時間走行後の物性の測定結果を示す図である。
及び比較サンプルのベルト走行テストを実施し、100
時間走行後の物性の測定結果を示す図である。
10 本願ベルト 11 基材層 12 樹脂層 13 充填剤 14 脱水用の溝 41 シュープレス用テスター 42 加圧シュー 43 加熱ロール 44 プレス部 45 フェルト 46 湿紙
Claims (5)
- 【請求項1】 基材層と樹脂層とからなり、該樹脂層の
表層に脱水を促進するための溝を付けたシュープレス用
ベルトにおいて、前記基材層及び樹脂層を耐熱性の素材
で構成し、さらに樹脂層にその熱伝導率を調節するため
の充填剤を含有させたことを特徴とするシュープレス用
ベルト。 - 【請求項2】 前記充填剤が、低熱伝導性の素材からな
ることを特徴とする請求項1に記載のシュープレス用ベ
ルト。 - 【請求項3】 前記充填剤が、高熱伝導性の素材からな
ることを特徴とする請求項1に記載のシュープレス用ベ
ルト。 - 【請求項4】 前記樹脂層が、厚み方向に複数層になっ
ており、各層に選択的に前記充填剤を含有させたことを
特徴とする請求項1〜3のうちの1に記載のシュープレ
ス用ベルト。 - 【請求項5】 前記樹脂層が、厚み方向に複数層になっ
ており、その各層に熱伝導性の異なる充填剤を含有させ
たことを特徴とする請求項1〜4のうちの1記載のシュ
ープレス用ベルト。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000069532A JP2001262483A (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | シュープレス用ベルト |
US09/791,102 US6530854B2 (en) | 2000-03-13 | 2001-02-23 | Belt for shoe press |
EP01104750A EP1136618B1 (en) | 2000-03-13 | 2001-02-26 | Belt for shoe press |
DE60118641T DE60118641T2 (de) | 2000-03-13 | 2001-02-26 | Band für eine Schuhpresse |
CNB011094516A CN1159492C (zh) | 2000-03-13 | 2001-03-13 | 靴形压榨机的传送带 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000069532A JP2001262483A (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | シュープレス用ベルト |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=18588390
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000069532A Pending JP2001262483A (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | シュープレス用ベルト |
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Country | Link |
---|---|
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EP (1) | EP1136618B1 (ja) |
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CN (1) | CN1159492C (ja) |
DE (1) | DE60118641T2 (ja) |
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JP2007524768A (ja) * | 2003-07-02 | 2007-08-30 | アルバニー インターナショナル コーポレイション | 抄紙機に用いるエンドレスベルト用の基材 |
JP2012511611A (ja) * | 2008-12-12 | 2012-05-24 | メトソ・ファブリクス・インコーポレイテッド | シュープレスベルト |
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JP2004084125A (ja) * | 2002-08-27 | 2004-03-18 | Ichikawa Woolen Textile Co Ltd | 製紙機械用ベルト |
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JPH0663195A (ja) | 1992-08-24 | 1994-03-08 | Biimen:Kk | ゴルフ練習装置およびターンテーブル |
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-
2001
- 2001-02-23 US US09/791,102 patent/US6530854B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2001-02-26 EP EP01104750A patent/EP1136618B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2001-02-26 DE DE60118641T patent/DE60118641T2/de not_active Expired - Lifetime
- 2001-03-13 CN CNB011094516A patent/CN1159492C/zh not_active Expired - Fee Related
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040302 |