JP2001260382A - インクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクタンク２６をキャリッジ４以外の装置
本体に設ける場合に、記録装置の大型化を抑制しつつ、
単位時間当たりの吐出量が他の色のインクよりも多いブ
ラックインクインクを記録ヘッド１に確実に供給する。 【解決手段】 ブラックインク用供給チューブ２７を、
単位時間当たりのインク供給量が他の色のインク用の供
給チューブ２８〜３０よりも多くなるように構成する。
つまり、ブラックインク用供給チューブ２７の径を、該
供給チューブ２７の長さ方向全体において、他の色のイ
ンク用の供給チューブ２８〜３０よりも大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、キャリッジ以外の
装置本体に設けられたインクタンク内の複数色のインク
を、キャリッジに設けられた記録ヘッドへそれぞれ供給
する複数の供給チューブを備えたインクジェット記録装
置に関する技術分野に属する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、カラー印字や印画が可能なイン
クジェット記録装置は、複数色のインクをノズルから吐
出する記録ヘッドと、上記各色のインクを貯溜するイン
クタンクとを備えている。上記記録ヘッドは、一方向に
搬送される記録紙に対して、該搬送方向に垂直であって
記録紙面に沿った方向に相対移動するキャリッジに支持
固定されていて、このキャリッジと共に移動しながら上
記ノズルからインクを吐出することで、上記記録紙に印
字や印画を行うようになっている。

【０００３】上記インクタンクは、上記記録ヘッドやキ
ャリッジに設けられる場合と、キャリッジ以外の装置本
体に設けられる場合とがあり、後者の場合には、記録ヘ
ッドとインクタンクとを接続して、該インクタンク内の
各色のインクを記録ヘッドへそれぞれ供給する複数の供
給チューブが設けられ、この各供給チューブは同径の可
撓性材料からなっていて、略円弧状に曲げられた湾曲部
を有し、この湾曲部の位置がキャリッジの移動に伴って
変化するようになされている。一方、前者の場合には、
上記のような供給チューブは必要がなく、インクタンク
内のインクを直接記録ヘッドへ供給するようになってい
る。

【０００４】そして、インクタンクを記録ヘッドやキャ
リッジに設けると、インクタンク内のインクを直接記録
ヘッドへ供給できるという利点を有するものの、キャリ
ッジの重量が大きくなるため、このキャリッジを駆動す
る駆動モータ等が大型化して記録装置全体が大型化して
しまうという問題がある。また、キャリッジ重量の増大
化を出来る限り抑えようとすると、インクタンクの容量
が小さくなってしまう。

【０００５】一方、インクタンクをキャリッジ以外の装
置本体に設けると、インクタンクをある程度大きくして
も、キャリッジを駆動する駆動モータ等を小型化するこ
とができ、記録装置を全体的に小型化することができ
る。しかし、この場合、上述の如く供給チューブが必要
となり、この供給チューブはかなり細長いものであるた
め、その内部を流れるインクの流動抵抗が大きくて、印
字や印画速度を速くすることが困難となる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、カラー印字
や印画を行うことが可能な記録装置の場合、特定色（例
えばブラック）のインクのノズルからの単位時間当たり
の吐出量を他の色のインクよりも多くして（例えば特定
色のインクを吐出するノズル数を他の色のインクよりも
多くする）、その特定色での印字や印画速度を速くした
いという要求がある。また、特定色のインクを、例え
ば、染料タイプのものから粘度の比較的大きい顔料タイ
プのものに変更して、その特定色のインクによりさらに
鮮明な印字や印画を得たいという要求がある。

【０００７】しかしながら、上記のような要求を満たそ
うとしても、従来の記録装置の供給チューブでは、全て
の色のものについて同じ大きさであるため、上記流動抵
抗の影響により特定色のインクの供給が十分になされな
くなる可能性がある。

【０００８】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、インクタンクをキャリ
ッジ以外の装置本体に設ける場合に、供給チューブの構
成に工夫を凝らすことによって、記録装置の大型化を抑
制しつつ、単位時間当たりの吐出量を多くしたり粘度を
大きくしたりする特定色のインクを記録ヘッドに確実に
供給できるようにすることにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、特定色のインク用の供給チューブ
を、単位時間当たりのインク供給量が他の色のインク用
の供給チューブよりも多くなるように構成した。

【００１０】具体的には、請求項１の発明では、キャリ
ッジに設けられ、複数色のインクをノズルから吐出する
記録ヘッドと、上記キャリッジ以外の装置本体に設けら
れ、上記各色のインクを貯溜するインクタンクと、上記
記録ヘッドとインクタンクとを接続して、該インクタン
ク内の各色のインクを記録ヘッドへそれぞれ供給する複
数の供給チューブとを備えたインクジェット記録装置を
対象とする。

【００１１】そして、上記複数色のインクのうち特定色
のインクの上記ノズルからの単位時間当たりの吐出量
が、他の色のインクよりも多く設定されており、上記特
定色のインク用の供給チューブは、単位時間当たりのイ
ンク供給量が上記他の色のインク用の供給チューブより
も多くなるように構成されているものとする。

【００１２】上記の構成により、特定色のインクの単位
時間当たりの供給量が他の色のインクよりも多くなるの
で、特定色のインクの単位時間当たりの吐出量を他の色
のインクよりも多くしたとしても、その特定色のインク
を記録ヘッドに確実に供給することができ、特定色のイ
ンクによる印字や印画速度を速くすることができる。一
方、特定色のインク用の供給チューブにおける単位時間
当たりのインク供給量を多くするには、例えばチューブ
径を大きくする等すればよいが、特定色のインク用の供
給チューブのみの径を大きくするだけであるので、全て
の供給チューブの径を大きくするのとは異なり、記録装
置の大型化を抑制することができる。

【００１３】請求項２の発明では、請求項１の発明にお
いて、特定色のインク用の供給チューブの径が、該供給
チューブの長さ方向の一部又は全体において、他の色の
インク用の供給チューブよりも大きいものとする。この
ことにより、特定色のインクの流量が他のインクよりも
増大しかつ流動抵抗が減少するので、特定色のインク用
の供給チューブにおける単位時間当たりのインク供給量
を他の色のインク用の供給チューブよりも多くする具体
的な構成が容易に得られる。

【００１４】請求項３の発明では、請求項１の発明にお
いて、特定色のインク用の供給チューブの本数が、他の
色のインク用の供給チューブよりも多いものとする。こ
のことで、特定色のインクの流量が他のインクよりも増
大するので、請求項２の発明と同様の作用効果が得られ
る。

【００１５】請求項４の発明では、請求項３の発明にお
いて、特定色のインク用の供給チューブは全て、互いに
別個のものからなるものとする。こうすることで、特定
色のインク用の供給チューブを、他の色のインク用の供
給チューブと同じものを使用することができ、全ての供
給チューブの共用化を図ることができる。

【００１６】請求項５の発明では、請求項３の発明にお
いて、少なくとも２本の特定色のインク用の供給チュー
ブ同士が、一体形成されてなるものとする。このことに
より、特定色のインク用の供給チューブの組付性や取扱
性を向上させることができる。

【００１７】請求項６の発明では、請求項１の発明にお
いて、特定色のインク用の供給チューブの長さが、他の
色のインク用の供給チューブよりも短いものとする。こ
のことで、特定色のインクが大きな流動抵抗を受ける部
分が他の色のインクよりも短くなるので、請求項２の発
明と同様の作用効果が得られる。

【００１８】請求項７の発明では、キャリッジに設けら
れ、複数色のインクをノズルから吐出する記録ヘッド
と、上記キャリッジ以外の装置本体に設けられ、上記各
色のインクを貯溜するインクタンクと、上記記録ヘッド
とインクタンクとを接続して、該インクタンク内の各色
のインクを記録ヘッドへそれぞれ供給する複数の供給チ
ューブとを備えたインクジェット記録装置を対象とす
る。

【００１９】そして、上記複数色のインクのうち特定色
のインクの粘度が、他の色のインクよりも大きく設定さ
れており、上記特定色のインク用の供給チューブは、単
位時間当たりのインク供給量が上記他の色のインク用の
供給チューブと同等以上になるように構成されているも
のとする。

【００２０】この発明により、特定色のインクの単位時
間当たりの供給量が他の色のインクと同等以上になるの
で、特定色のインクの粘度を大きくしたとしても、その
特定色のインクを記録ヘッドに確実に供給することがで
きる。よって、請求項１の発明と同様の作用効果が得ら
れる。

【００２１】請求項８の発明では、請求項７の発明にお
いて、特定色のインク用の供給チューブの径が、該供給
チューブの長さ方向の一部又は全体において、他の色の
インク用の供給チューブよりも大きいものとする。この
ことで、請求項２の発明と同様の作用効果を得ることが
できる。

【００２２】請求項９の発明では、請求項７の発明にお
いて、特定色のインク用の供給チューブの本数が、他の
色のインク用の供給チューブよりも多いものとする。こ
うすることで、請求項３の発明と同様の作用効果を得る
ことができる。

【００２３】請求項１０の発明では、請求項９の発明に
おいて、特定色のインク用の供給チューブは全て、互い
に別個のものからなるものとする。このことにより、請
求項４の発明と同様の作用効果が得られる。

【００２４】請求項１１の発明では、請求項９の発明に
おいて、少なくとも２本の特定色のインク用の供給チュ
ーブ同士が、一体形成されてなるものとする。このこと
で、請求項５の発明と同様の作用効果を得ることができ
る。

【００２５】請求項１２の発明では、請求項７の発明に
おいて、特定色のインク用の供給チューブの長さが、他
の色のインク用の供給チューブよりも短いものとする。
こうすることで、請求項６の発明と同様の作用効果が得
られる。

【００２６】

【発明の実施の形態】（実施形態１）図１は本発明の実
施形態１に係るインクジェット記録装置を示し、このイ
ンクジェット記録装置は、複数色のインクを吐出する記
録ヘッド１を備えている。この記録ヘッド１は、ブラッ
クインクを吐出するブラックインク吐出部１ａと、イエ
ローインクを吐出するイエローインク吐出部１ｂと、マ
ゼンタインクを吐出するマゼンタインク吐出部１ｃと、
シアンインクを吐出するシアンインク吐出部１ｄとを有
し、これら各吐出部１ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄは、後述の
キャリッジ４の移動方向に並ぶように配置されている。

【００２７】上記記録ヘッド１の各吐出部１ａ，１ｂ，
１ｃ，１ｄの下面には、図２に示すように（尚、図２
は、後述の供給チューブ２７〜３０の形態（径、本数、
長さ等）を分かり易く示すものであって、記録ヘッド１
と後述のインクタンク２６との位置関係や供給チューブ
２７〜３０の湾曲形状等は図１とは合っていない）、同
径の複数のノズル１ｅがそれぞれ形成されている。そし
て、上記各吐出部１ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄ内における上
記各ノズル１ｅに対応した位置には、図示は省略する
が、インクが充填される圧力室と、圧電素子を有しかつ
該圧電素子に電圧をパルス状に印加することで上記圧力
室の容積を減少させるように変形する圧電アクチュエー
タとがそれぞれ設けられ、この圧電アクチュエータが駆
動回路２により作動することで、上記圧力室内のインク
が上記ノズル１ｅから、その下側の記録紙１６に向けて
吐出されるようになっている。尚、上記記録紙１６は、
後述の搬送モータ１９により図１に示すＹ方向に搬送さ
れるようになっている。

【００２８】上記記録ヘッド１のブラックインク吐出部
１ａのノズル１ｅ数は、他の吐出部１ｂ，１ｃ，１ｄよ
りも多く設定されており、このことで、ブラックインク
（特定色のインク）の上記ノズル１ｅからの単位時間当
たりの吐出量が、他の色のインクよりも多く設定されて
いることになる。

【００２９】上記記録ヘッド１は、記録紙１６に対して
相対移動可能なキャリッジ４に支持固定されており、こ
のキャリッジ４は、上記記録紙１６の搬送方向（Ｙ方
向）と垂直であって記録紙１６面に沿った方向（図１に
示すＸ方向）の一方側に設けられかつキャリッジ駆動モ
ータ５により回転する駆動プーリ６と、他方側に設けら
れた従動プーリ７との間に巻き掛けられたキャリッジ駆
動ベルト８の下側スパンに取付固定されていると共に、
Ｘ方向に延びかつ不図示の装置本体部材に支持されたガ
イドシャフト９に嵌装されている。そして、上記キャリ
ッジ駆動モータ５の回転により駆動プーリ６が回転して
キャリッジ駆動ベルト８が駆動されることで、キャリッ
ジ４（つまり記録ヘッド１）が上記ガイドシャフト９に
案内されてＸ方向に往復移動するようになっている。
尚、上記キャリッジ駆動モータ５には回転検出盤１０が
設けられており、この回転検出盤１０と不図示の検出セ
ンサとによりキャリッジ駆動モータ５の回転量（つまり
記録ヘッド１のＸ方向位置）が検出されるようになって
いる。

【００３０】上記記録紙１６は、Ｘ方向に延びる搬送ロ
ーラ１７と、この搬送ローラ１７の上側に所定の圧力で
押し付けられる押圧ローラ１８との間に挟まれている。
上記搬送ローラ１７は、上記押圧ローラ１８に対して記
録紙１６の搬送方向後側に配設された搬送モータ１９
と、この搬送モータ１９の回転を上記搬送ローラ１７に
伝達する伝達ギヤ列２０とにより回転して、上記記録紙
１６をＹ方向に搬送するようになっている。尚、上記搬
送モータ１９には、上記キャリッジ駆動モータ５と同様
の回転検出盤２１が設けられており、この回転検出盤２
１と不図示の検出センサとにより搬送モータ１９の回転
量（つまり記録紙１６の搬送量）が検出されるようにな
っている。

【００３１】上記押圧ローラ１８と搬送モータ１９との
間には、上記各色のインクを貯溜するインクタンク２６
が上記装置本体部材に固定された状態で設けられてい
る。すなわち、このインクタンク２６は、上記キャリッ
ジ４（記録ヘッド１）には設けられておらず、キャリッ
ジ４以外の装置本体に設けられていることになる。上記
インクタンク２６は、ブラックインクを貯溜するブラッ
クインク貯溜部２６ａと、イエローインクを貯溜するイ
エローインク貯溜部２６ｂと、マゼンタインクを貯溜す
るマゼンタインク貯溜部２６ｃと、シアンインクを貯溜
するシアンインク貯溜部２６ｄとを有し、これら貯溜部
２６ａ，２６ｂ，２６ｃ，２６ｄがＸ方向に並ぶように
配置されている。

【００３２】上記記録ヘッド１とインクタンク２６と
は、該インクタンク２６の各貯溜部２６ａ，２６ｂ，２
６ｃ，２６ｄ内の各色のインクを記録ヘッド１へそれぞ
れ供給する４本の供給チューブ２７〜３０により接続さ
れている。すなわち、記録ヘッド１のブラックインク吐
出部１ａとインクタンク２６のブラックインク貯溜部２
６ａとが１本のブラックインク用供給チューブ２７によ
り、イエローインク吐出部１ｂとイエローインク貯溜部
２６ｂとが１本のイエローインク用供給チューブ２８に
より、マゼンタインク吐出部１ｃとマゼンタインク貯溜
部２６ｃとが１本のマゼンタインク用供給チューブ２９
により、シアンインク吐出部１ｄとシアンインク貯溜部
２６ｄとが１本のシアンインク用供給チューブ３０によ
りそれぞれ接続されている。これら４本の供給チューブ
２７〜３０は、インクタンク２６における記録紙１６の
搬送方向前側近傍に配設された結合部材３３により上下
方向に並ぶように纏められてＹ方向に延びた後、Ｘ方向
の従動プーリ７側に延び、さらに湾曲してＸ方向の駆動
プーリ６側に延びて記録ヘッド１に達する。そして、記
録ヘッド１がキャリッジ４と共にＸ方向に移動すると、
各供給チューブ２７〜３０の湾曲部の位置が変化してそ
の移動を妨げないようになされている。上記各供給チュ
ーブ２７〜３０における結合部材３３及び記録ヘッド１
間部分では、上下方向に隣接するもの同士が略接触した
状態にあるが、接合されてはいない（接合してもよ
い）。

【００３３】上記ブラックインク用供給チューブ２７
は、単位時間当たりのインク供給量が他の色のインク用
の供給チューブ２８〜３０よりも多くなるように構成さ
れている。具体的には、イエローインク用、マゼンタイ
ンク用及びシアンインク用の各供給チューブ２８〜３０
の径は全て同じであるが、ブラックインク用供給チュー
ブ２７の径は、該供給チューブ２７の長さ方向全体にお
いて、他の色のインク用の供給チューブ２８〜３０より
も大きくされている。

【００３４】したがって、上記実施形態１では、ブラッ
クインク用供給チューブ２７の径が、他の色のインク用
の供給チューブ２８〜３０よりも大きいので、ブラック
インクの流量が他の色のインクよりも増大しかつ流動抵
抗が減少し、ブラックインクの単位時間当たりの供給量
を他の色のインクよりも多くすることができる。この結
果、記録ヘッド１のブラックインク吐出部１ａにおける
ノズル１ｅ数が他の吐出部１ｂ，１ｃ，１ｄよりも多く
て、ブラックインクの単位時間当たりの吐出量が、他の
色のインクよりも多くても、ブラックインクをブラック
インク吐出部１ａに確実に供給することができる。一
方、径を大きくするのは、ブラックインク用供給チュー
ブ２７のみであるので、記録装置が大型化するのを抑制
することができる。よって、記録装置の大型化を抑制し
つつ、ブラックインクによる印字や印画速度を速くする
ことができる。

【００３５】尚、上記実施形態１では、ブラックインク
用供給チューブ２７の径を、該供給チューブ２７の長さ
方向全体において、他の色のインク用の供給チューブ２
８〜３０よりも大きくしたが、ブラックインク用供給チ
ューブ２７の長さ方向の一部のみを他の色のインク用の
供給チューブ２８〜３０よりも大きくしたとしても、ブ
ラックインクが大きな流動抵抗を受ける部分は短くなる
ので、ブラックインクの単位時間当たりの供給量を他の
色のインクよりも多くすることができる。

【００３６】（実施形態２）図３は本発明の実施形態２
を示し（尚、以下の各実施形態では、図２と同じ部分に
ついては同じ符号を付してその詳細な説明は省略す
る）、ブラックインク用供給チューブ２７の形態を上記
実施形態１とは異ならせたものである。

【００３７】すなわち、この実施形態２では、ブラック
インク用供給チューブ２７が２本設けられており、その
本数が他の色のインク用の供給チューブ２８〜３０より
も多くされている。この２本のブラックインク用供給チ
ューブ２７は、互いに別個のものからなり、その径は共
に、イエローインク用、マゼンタインク用及びシアンイ
ンク用の各供給チューブ２８〜３０と同じに設定されて
いる。

【００３８】したがって、上記実施形態２では、ブラッ
クインク用供給チューブ２７の本数が、他の色のインク
用の供給チューブ２８〜３０よりも多いので、ブラック
インクの流量が他の色のインクよりも増大し、ブラック
インクの単位時間当たりの供給量を他の色のインクより
も多くすることができる。よって、上記実施形態１と同
様の作用効果が得られる。

【００３９】尚、上記実施形態２では、２本のブラック
インク用供給チューブ２７を、互いに別個のもので構成
したが、図４に示すように、２本のブラックインク用供
給チューブ２７が一体形成されてなるものとしてもよ
い。また、ブラックインク用供給チューブ２７を３本以
上設けてもよく、この場合、全てのブラックインク用供
給チューブ２７を一体形成してもよく、そのうち少なく
とも２本を一体形成してもよい。

【００４０】（実施形態３）図５は本発明の実施形態３
を示し、全ての供給チューブ２７〜３０の本数や径の大
きさは同じであるが、ブラックインク用供給チューブ２
７の長さを、他の色のインク用の供給チューブ２８〜３
０よりも短くしたものである。

【００４１】すなわち、この実施形態３では、インクタ
ンク２６のブラックインク貯溜部２６ａが、他の貯溜部
２６ｂ，２６ｃ，２６ｄから離れた箇所に配設され、ブ
ラックインク用供給チューブ２７は、そのブラックイン
ク貯溜部２６ａから結合部材３３を経ないで他の供給チ
ューブ２８〜３０とは異なるルートを通って記録ヘッド
１のブラックインク吐出部１ａへ達するようになされて
いる。

【００４２】したがって、上記実施形態３では、ブラッ
クインク用供給チューブ２７の長さが、他の色のインク
用の供給チューブ２８〜３０よりも短いので、ブラック
インクが大きな流動抵抗を受ける部分が他の色のインク
よりも短くなり、ブラックインクの単位時間当たりの供
給量を他の色のインクよりも多くすることができる。よ
って、上記実施形態１，２と同様の作用効果が得られ
る。

【００４３】尚、上記各実施形態１〜３では、記録ヘッ
ド１のブラックインク吐出部１ａのノズル１ｅ数を、他
の吐出部１ｂ，１ｃ，１ｄよりも多くしたが、ブラック
インク吐出部１ａのノズル１ｅ数が他の吐出部１ｂ，１
ｃ，１ｄと同じであっても、ブラックインク吐出部１ａ
のノズル１ｅ径を他の吐出部１ｂ，１ｃ，１ｄよりも大
きくしたり、ブラックインク吐出部１ａのノズル１ｅに
対応する圧電素子に印加する電圧の波形を他の吐出部１
ｂ，１ｃ，１ｄと異ならせたりすることで、ブラックイ
ンクの単位時間当たりの吐出量を、他の色のインクより
も多く設定することができる。

【００４４】また、単位時間当たりの吐出量を多くする
特定色のインクは、ブラックインクに限らず、どの色の
インクであってもよく、１色だけでなく、２色以上であ
ってもよく、その特定色のインク用の供給チューブを、
単位時間当たりのインク供給量が他の色のインク用の供
給チューブよりも多くなるように構成すればよい。

【００４５】（実施形態４）図６は本発明の実施形態４
を示し、ブラックインクを他の色のインクよりも粘性の
大きいものにしたものである。

【００４６】すなわち、この実施形態４では、記録ヘッ
ド１の全ての吐出部１ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄにおいてノ
ズル１ｅ数が同じであって全ての色のインクの単位時間
当たりの吐出量は同じであるが、ブラック以外の色のイ
ンクが染料タイプであるのに対して、ブラックインクは
これら染料タイプのものよりも粘性の大きい顔料タイプ
のものが使用されている。

【００４７】そして、ブラックインク用供給チューブ２
７は、単位時間当たりのインク供給量が他の色のインク
用の供給チューブ２８〜３０と同等以上になるように構
成されている。つまり、ブラックインク用供給チューブ
２７の径が、上記実施形態１と同様に、該供給チューブ
２７の長さ方向全体（長さ方向の一部であってもよい）
において、他の色のインク用の供給チューブ２８〜３０
よりも大きくされている。

【００４８】したがって、上記実施形態４では、ブラッ
クインク用供給チューブ２７の径が他の色のインク用の
供給チューブ２８〜３０よりも大きいので、ブラックイ
ンクの粘度が他の色のインクよりも大きくても、ブラッ
クインクの単位時間当たりの供給量が他の色のインクと
同等以上になる。この結果、印字や印画速度を低下させ
なくても、ブラックインクを記録ヘッド１のブラックイ
ンク吐出部１ａに確実に供給することができ、ブラック
インクによる印字や印画を鮮明なものにすることができ
る。

【００４９】尚、上記実施形態４では、ブラックインク
用供給チューブ２７の径を他の色のインク用の供給チュ
ーブ２８〜３０よりも大きくしたが、上記実施形態２の
ように、ブラックインク用供給チューブ２７の本数を他
の色のインク用の供給チューブ２８〜３０よりも多くし
たり、上記実施形態３のように、ブラックインク用供給
チューブ２７の長さを他の色のインク用の供給チューブ
２８〜３０よりも短くしたりしてもよい。

【００５０】また、上記実施形態４では、ブラックイン
クを顔料タイプのものにしたが、これに限らず、ブラッ
クインクの粘度が他の色のインクよりも大きければ、本
発明を適用することができる。

【００５１】さらに、粘度を大きくする特定色のインク
は、ブラックインクに限らず、どの色のインクであって
もよく、１色だけでなく、２色以上であってもよく、そ
の特定色のインク用の供給チューブを、単位時間当たり
のインク供給量が他の色のインク用の供給チューブと同
等以上になるように構成すればよい。

【００５２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット記録装置では、複数色のインクのうち特定色のイ
ンクのノズルからの単位時間当たりの吐出量を、他の色
のインクよりも多く設定し、その特定色のインク用の供
給チューブを、単位時間当たりのインク供給量が上記他
の色のインク用の供給チューブよりも多くなるように構
成した。また、本発明の他のインクジェット記録装置で
は、複数色のインクのうち特定色のインクの粘度を、他
の色のインクよりも大きく設定し、その特定色のインク
用の供給チューブを、単位時間当たりのインク供給量が
上記他の色のインク用の供給チューブと同等以上になる
ように構成した。したがって、これらの発明によると、
記録装置の大型化を抑制しつつ、特定色のインクを記録
ヘッドに確実に供給することができ、特定色のインクに
よる印字や印画速度を速くしたり、特定色のインクによ
る鮮明な印字や印画を得るようにしたりすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態１に係るインクジェット記録
装置を概略的に示す斜視図である。

【図２】供給チューブの形態を概略的に示す斜視図であ
る。

【図３】実施形態２を示す図２相当図である。

【図４】実施形態２の変形例を示す図２相当図である。

【図５】実施形態３を示す図２相当図である。

【図６】実施形態４を示す図２相当図である。

【符号の説明】

１ 記録ヘッド １ｅ ノズル ４ キャリッジ ２６ インクタンク ２７ ブラックインク用供給チューブ（特定色のインク
用の供給チューブ） ２８ イエローインク用供給チューブ（他の色のインク
用の供給チューブ） ２９ マゼンタインク用供給チューブ（他の色のインク
用の供給チューブ） ３０ シアンインク用供給チューブ（他の色のインク用
の供給チューブ）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松葉 浩幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大坪 研成 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 2C056 EA26 KB13 KC02

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャリッジに設けられ、複数色のインク
   をノズルから吐出する記録ヘッドと、上記キャリッジ以
   外の装置本体に設けられ、上記各色のインクを貯溜する
   インクタンクと、上記記録ヘッドとインクタンクとを接
   続して、該インクタンク内の各色のインクを記録ヘッド
   へそれぞれ供給する複数の供給チューブとを備えたイン
   クジェット記録装置であって、 上記複数色のインクのうち特定色のインクの上記ノズル
   からの単位時間当たりの吐出量が、他の色のインクより
   も多く設定されており、 上記特定色のインク用の供給チューブは、単位時間当た
   りのインク供給量が上記他の色のインク用の供給チュー
   ブよりも多くなるように構成されていることを特徴とす
   るインクジェット記録装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載のインクジェット記録装置
   において、 特定色のインク用の供給チューブの径が、該供給チュー
   ブの長さ方向の一部又は全体において、他の色のインク
   用の供給チューブよりも大きいことを特徴とするインク
   ジェット記録装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載のインクジェット記録装置
   において、 特定色のインク用の供給チューブの本数が、他の色のイ
   ンク用の供給チューブよりも多いことを特徴とするイン
   クジェット記録装置。
4. 【請求項４】 請求項３記載のインクジェット記録装置
   において、 特定色のインク用の供給チューブは全て、互いに別個の
   ものからなることを特徴とするインクジェット記録装
   置。
5. 【請求項５】 請求項３記載のインクジェット記録装置
   において、 少なくとも２本の特定色のインク用の供給チューブ同士
   が、一体形成されてなることを特徴とするインクジェッ
   ト記録装置。
6. 【請求項６】 請求項１記載のインクジェット記録装置
   において、 特定色のインク用の供給チューブの長さが、他の色のイ
   ンク用の供給チューブよりも短いことを特徴とするイン
   クジェット記録装置。
7. 【請求項７】 キャリッジに設けられ、複数色のインク
   をノズルから吐出する記録ヘッドと、上記キャリッジ以
   外の装置本体に設けられ、上記各色のインクを貯溜する
   インクタンクと、上記記録ヘッドとインクタンクとを接
   続して、該インクタンク内の各色のインクを記録ヘッド
   へそれぞれ供給する複数の供給チューブとを備えたイン
   クジェット記録装置であって、 上記複数色のインクのうち特定色のインクの粘度が、他
   の色のインクよりも大きく設定されており、 上記特定色のインク用の供給チューブは、単位時間当た
   りのインク供給量が上記他の色のインク用の供給チュー
   ブと同等以上になるように構成されていることを特徴と
   するインクジェット記録装置。
8. 【請求項８】 請求項７記載のインクジェット記録装置
   において、 特定色のインク用の供給チューブの径が、該供給チュー
   ブの長さ方向の一部又は全体において、他の色のインク
   用の供給チューブよりも大きいことを特徴とするインク
   ジェット記録装置。
9. 【請求項９】 請求項７記載のインクジェット記録装置
   において、 特定色のインク用の供給チューブの本数が、他の色のイ
   ンク用の供給チューブよりも多いことを特徴とするイン
   クジェット記録装置。
10. 【請求項１０】 請求項９記載のインクジェット記録装
    置において、 特定色のインク用の供給チューブは全て、互いに別個の
    ものからなることを特徴とするインクジェット記録装
    置。
11. 【請求項１１】 請求項９記載のインクジェット記録装
    置において、 少なくとも２本の特定色のインク用の供給チューブ同士
    が、一体形成されてなることを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
12. 【請求項１２】 請求項７記載のインクジェット記録装
    置において、 特定色のインク用の供給チューブの長さが、他の色のイ
    ンク用の供給チューブよりも短いことを特徴とするイン
    クジェット記録装置。