JP2001260360A - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents
インクジェットヘッドの製造方法Info
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- JP2001260360A JP2001260360A JP2000079879A JP2000079879A JP2001260360A JP 2001260360 A JP2001260360 A JP 2001260360A JP 2000079879 A JP2000079879 A JP 2000079879A JP 2000079879 A JP2000079879 A JP 2000079879A JP 2001260360 A JP2001260360 A JP 2001260360A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 インクジェットヘッドにおいて、ノズル内部
の撥水化を防止しつつノズル板表面の撥水性を向上させ
る。 【解決手段】 ノズル板6の表面に、シリカからなる第
1コート層12と、フッ素含有ガラスからなる第2コー
ト層13とを設ける。第1コート層12を半硬化ゲル状
態にした後、ノズル板6の裏面に電着樹脂からなる接着
剤14を塗布する。ノズル板6の裏面側から、放電加工
によりノズル2を形成する。ノズル板6の裏面に、ノズ
ル2に対応する貫通孔16が形成された補助基板15を
接着し、裏面側から酸素プラズマCVD方式によるアッ
シングを行って、ノズル2及び貫通孔16の内壁を親水
化する。第2コート層13を加熱硬化し、表面側を撥水
化する。
の撥水化を防止しつつノズル板表面の撥水性を向上させ
る。 【解決手段】 ノズル板6の表面に、シリカからなる第
1コート層12と、フッ素含有ガラスからなる第2コー
ト層13とを設ける。第1コート層12を半硬化ゲル状
態にした後、ノズル板6の裏面に電着樹脂からなる接着
剤14を塗布する。ノズル板6の裏面側から、放電加工
によりノズル2を形成する。ノズル板6の裏面に、ノズ
ル2に対応する貫通孔16が形成された補助基板15を
接着し、裏面側から酸素プラズマCVD方式によるアッ
シングを行って、ノズル2及び貫通孔16の内壁を親水
化する。第2コート層13を加熱硬化し、表面側を撥水
化する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッドの製造方法に係り、特に、ノズル板の表面に撥水膜
が形成されたインクジェットヘッドの製造方法に関す
る。
ッドの製造方法に係り、特に、ノズル板の表面に撥水膜
が形成されたインクジェットヘッドの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェットヘッドにおいては、ノズ
ル板の表面にインクが付着しているとノズルから吐出さ
れるインク滴が影響を受け、その吐出方向が偏向するこ
とがある。このようにインク滴の吐出方向が偏向する
と、インク滴を記録媒体上の所定位置に着弾させること
ができなくなり、良好な記録は困難となる。そこで、従
来より、ノズル板の表面に撥水膜を設けることがよく行
われている。
ル板の表面にインクが付着しているとノズルから吐出さ
れるインク滴が影響を受け、その吐出方向が偏向するこ
とがある。このようにインク滴の吐出方向が偏向する
と、インク滴を記録媒体上の所定位置に着弾させること
ができなくなり、良好な記録は困難となる。そこで、従
来より、ノズル板の表面に撥水膜を設けることがよく行
われている。
【0003】ノズル板の表面に撥水膜を形成する方法と
して、以下の2種類の方法が知られている。第1の方法
は、特開平4−211959号公報等に開示されている
ように、はじめにノズル板の表面に撥水膜を形成し、そ
の後にノズル板にノズルを形成する方法である。第2の
方法は、はじめにノズル板にノズルを形成し、その後に
ノズル板の表面に撥水剤を塗布する方法である。
して、以下の2種類の方法が知られている。第1の方法
は、特開平4−211959号公報等に開示されている
ように、はじめにノズル板の表面に撥水膜を形成し、そ
の後にノズル板にノズルを形成する方法である。第2の
方法は、はじめにノズル板にノズルを形成し、その後に
ノズル板の表面に撥水剤を塗布する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記第1の方
法では、ノズル板にノズルを形成する際に、ノズルの開
口周辺部の撥水膜がはがれたり変質するなど、撥水膜の
一部が損傷を受けやすかった。そのため、最も撥水性が
要求されるノズルの開口周辺部において十分な撥水性を
得ることができず、インク滴の吐出性能を十分に向上さ
せることはできなかった。
法では、ノズル板にノズルを形成する際に、ノズルの開
口周辺部の撥水膜がはがれたり変質するなど、撥水膜の
一部が損傷を受けやすかった。そのため、最も撥水性が
要求されるノズルの開口周辺部において十分な撥水性を
得ることができず、インク滴の吐出性能を十分に向上さ
せることはできなかった。
【0005】一方、上記第2の方法では、撥水膜を形成
する際に、撥水剤がノズルの内部にまで入り込んでノズ
ルの内壁が撥水化されたり、撥水剤によってノズルが目
詰まりを起こすことがあった。ノズルの内壁が撥水化さ
れると、ノズル内部のインクの挙動は不安定となり、イ
ンクの吐出性能は低下する。また、ノズルが目詰まりを
起こすと、インクの吐出が不可能となり、良好な記録は
困難となる。
する際に、撥水剤がノズルの内部にまで入り込んでノズ
ルの内壁が撥水化されたり、撥水剤によってノズルが目
詰まりを起こすことがあった。ノズルの内壁が撥水化さ
れると、ノズル内部のインクの挙動は不安定となり、イ
ンクの吐出性能は低下する。また、ノズルが目詰まりを
起こすと、インクの吐出が不可能となり、良好な記録は
困難となる。
【0006】そこで、上記第2の方法におけるこのよう
な問題を解決するために、特開昭63−122560号
公報には、ノズルの内部に液体または固体を充填してか
ら撥水膜を形成する方法が提案されている。また、特開
昭62−59047号公報には、ノズルから空気を噴出
させながら撥水膜を形成する方法が提案されている。し
かし、これらの方法では、あらかじめノズルの内部に液
体等を充填したり、撥水膜を形成する際にノズルから空
気を噴出させる等の高度な製造工程が必要となる。その
ため、比較的簡易な方法により、ノズルの内部を撥水化
することなくノズル板の表面側を撥水化する技術が望ま
れていた。
な問題を解決するために、特開昭63−122560号
公報には、ノズルの内部に液体または固体を充填してか
ら撥水膜を形成する方法が提案されている。また、特開
昭62−59047号公報には、ノズルから空気を噴出
させながら撥水膜を形成する方法が提案されている。し
かし、これらの方法では、あらかじめノズルの内部に液
体等を充填したり、撥水膜を形成する際にノズルから空
気を噴出させる等の高度な製造工程が必要となる。その
ため、比較的簡易な方法により、ノズルの内部を撥水化
することなくノズル板の表面側を撥水化する技術が望ま
れていた。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、比較的簡易にノズル
内部の撥水化を防止しつつ表面側の撥水性を向上させる
インクジェットヘッドの製造方法を提供することにあ
る。
であり、その目的とするところは、比較的簡易にノズル
内部の撥水化を防止しつつ表面側の撥水性を向上させる
インクジェットヘッドの製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、加熱硬化により撥水性を示すようになる
膜が設けられたノズル板に対し、ノズルを形成し、その
後に上記膜を加熱硬化させることとした。
に、本発明は、加熱硬化により撥水性を示すようになる
膜が設けられたノズル板に対し、ノズルを形成し、その
後に上記膜を加熱硬化させることとした。
【0009】具体的には、本発明に係るインクジェット
ヘッドの製造方法は、インクを吐出するための複数のノ
ズルが形成されたノズル板を備えたインクジェットヘッ
ドの製造方法であって、ノズル板の表面側に、加熱硬化
することによって撥水性を示すようになる膜を形成する
成膜工程と、その後、上記ノズル板に複数のノズルを形
成するノズル形成工程と、その後、ノズル板の表面側を
撥水化するように上記膜を加熱硬化させる加熱硬化工程
とを含んでいることとしたものである。
ヘッドの製造方法は、インクを吐出するための複数のノ
ズルが形成されたノズル板を備えたインクジェットヘッ
ドの製造方法であって、ノズル板の表面側に、加熱硬化
することによって撥水性を示すようになる膜を形成する
成膜工程と、その後、上記ノズル板に複数のノズルを形
成するノズル形成工程と、その後、ノズル板の表面側を
撥水化するように上記膜を加熱硬化させる加熱硬化工程
とを含んでいることとしたものである。
【0010】このことにより、ノズル板の表面側の撥水
化処理はノズルを形成した後に行われるので、撥水剤に
よってノズル内部が撥水化されたり、目詰まりが生じる
ようなことはない。また、ノズルの穴開け加工に起因し
て撥水膜が損傷するようなこともない。従って、比較的
簡易な方法によって、ノズル内部の撥水化を防止しつつ
表面側の撥水性を向上させることができる。
化処理はノズルを形成した後に行われるので、撥水剤に
よってノズル内部が撥水化されたり、目詰まりが生じる
ようなことはない。また、ノズルの穴開け加工に起因し
て撥水膜が損傷するようなこともない。従って、比較的
簡易な方法によって、ノズル内部の撥水化を防止しつつ
表面側の撥水性を向上させることができる。
【0011】上記ノズル形成工程と加熱硬化工程との間
に、ノズル板の裏面側からノズルの内壁を親水化処理す
る親水化工程を含んでいることが好ましい。
に、ノズル板の裏面側からノズルの内壁を親水化処理す
る親水化工程を含んでいることが好ましい。
【0012】このことにより、ノズルの内壁の親水性が
増し、ノズル内部のインクの挙動は安定する。そのた
め、インクの吐出性能は向上する。なお、ノズル板の表
面側の撥水化は、表面側の膜を加熱硬化させることによ
り達成されるので、撥水化処理によってノズル内壁が撥
水化されることはなく、ノズル内部の親水性は維持され
る。
増し、ノズル内部のインクの挙動は安定する。そのた
め、インクの吐出性能は向上する。なお、ノズル板の表
面側の撥水化は、表面側の膜を加熱硬化させることによ
り達成されるので、撥水化処理によってノズル内壁が撥
水化されることはなく、ノズル内部の親水性は維持され
る。
【0013】上記親水化工程は、ノズル板の裏面側から
アッシングを行う工程により構成されていてもよい。
アッシングを行う工程により構成されていてもよい。
【0014】このことにより、ノズルの内壁は比較的簡
易に親水化される。
易に親水化される。
【0015】上記成膜工程とノズル形成工程との間に、
ノズル板の表面側の膜を半硬化ゲル状態になるように加
熱する半硬化工程を含んでいてもよい。
ノズル板の表面側の膜を半硬化ゲル状態になるように加
熱する半硬化工程を含んでいてもよい。
【0016】このことにより、ノズル板の表面側に設け
られた膜は、ノズルを形成する際には半硬化ゲル状態に
なっているので、ノズルの形成に伴って膜が剥がれた
り、膜中に亀裂が入るおそれはなくなる。そのため、撥
水膜は安定して形成されることになる。
られた膜は、ノズルを形成する際には半硬化ゲル状態に
なっているので、ノズルの形成に伴って膜が剥がれた
り、膜中に亀裂が入るおそれはなくなる。そのため、撥
水膜は安定して形成されることになる。
【0017】上記成膜工程とノズル形成工程との間に、
ノズル板の裏面側に接着剤を塗布する工程を含み、ノズ
ル形成工程は、ノズルを放電加工により形成する工程か
らなり、ノズル形成工程の後に、上記ノズル板の各ノズ
ルに対応する貫通孔が形成された補助基板を上記接着剤
を介して該ノズル板に接着する接着工程と、上記補助基
板の裏面側から上記ノズル板のノズル及び該補助基板の
貫通孔の内壁をアッシングする工程とを含んでいること
が好ましい。
ノズル板の裏面側に接着剤を塗布する工程を含み、ノズ
ル形成工程は、ノズルを放電加工により形成する工程か
らなり、ノズル形成工程の後に、上記ノズル板の各ノズ
ルに対応する貫通孔が形成された補助基板を上記接着剤
を介して該ノズル板に接着する接着工程と、上記補助基
板の裏面側から上記ノズル板のノズル及び該補助基板の
貫通孔の内壁をアッシングする工程とを含んでいること
が好ましい。
【0018】このことにより、上記ノズル板のノズルと
上記補助基板の貫通孔とが連続することにより、見かけ
上のノズル長さが長くなる。そのため、補助基板の貫通
孔がノズルの一部として機能するので、ノズル板自体が
薄くても、結果として十分な深さのノズルが形成される
ことになる。また、このようにノズル板は薄くてもよい
ので、放電加工による穴開けは容易になる。
上記補助基板の貫通孔とが連続することにより、見かけ
上のノズル長さが長くなる。そのため、補助基板の貫通
孔がノズルの一部として機能するので、ノズル板自体が
薄くても、結果として十分な深さのノズルが形成される
ことになる。また、このようにノズル板は薄くてもよい
ので、放電加工による穴開けは容易になる。
【0019】また、接着工程の後に、補助基板の裏面側
からノズル及び貫通孔の内壁をアッシングする工程が設
けられているので、たとえ接着工程においてノズルや貫
通孔の内部に接着剤がはみ出したとしても、当該接着剤
は容易に除去されることになる。また、ノズル及び貫通
孔の内壁が親水化され、インクの吐出性能は向上する。
からノズル及び貫通孔の内壁をアッシングする工程が設
けられているので、たとえ接着工程においてノズルや貫
通孔の内部に接着剤がはみ出したとしても、当該接着剤
は容易に除去されることになる。また、ノズル及び貫通
孔の内壁が親水化され、インクの吐出性能は向上する。
【0020】上記接着剤は、湿潤ゲル状態の接着剤であ
ってもよい。
ってもよい。
【0021】また、上記接着剤は、電着樹脂によって構
成されていてもよい。
成されていてもよい。
【0022】このことにより、上記ノズル板と上記補助
基板との接着は良好に行われる。
基板との接着は良好に行われる。
【0023】上記ノズル板の表面側に形成された膜は、
珪素酸化物にフルオロアルキル鎖が結合または分散した
分子を含む撥水膜であってもよい。
珪素酸化物にフルオロアルキル鎖が結合または分散した
分子を含む撥水膜であってもよい。
【0024】このことにより、珪素酸化物が耐摩耗性を
高めるとともに、フルオロアルキル鎖が撥水性を与え、
耐摩耗性が高く且つ長寿命の撥水膜が形成されることに
なる。
高めるとともに、フルオロアルキル鎖が撥水性を与え、
耐摩耗性が高く且つ長寿命の撥水膜が形成されることに
なる。
【0025】上記親水化工程は、酸素ガスを導入した酸
素プラズマ処理によってノズルの内壁を変質させる工程
からなっていてもよい。
素プラズマ処理によってノズルの内壁を変質させる工程
からなっていてもよい。
【0026】また、上記親水化工程は、酸素ガスを導入
したPVD方式のプラズマ処理によってノズルの内壁を
変質させる工程からなっていてもよい。
したPVD方式のプラズマ処理によってノズルの内壁を
変質させる工程からなっていてもよい。
【0027】また、上記親水化工程は、オゾン処理によ
ってノズルの内壁を変質させる工程からなっていてもよ
い。
ってノズルの内壁を変質させる工程からなっていてもよ
い。
【0028】また、上記親水化工程は、レーザーによっ
てノズルの内壁を変質させる工程からなっていてもよ
い。
てノズルの内壁を変質させる工程からなっていてもよ
い。
【0029】このことにより、ノズルの内壁は親水性に
変質し、ノズル内部のインクの挙動は安定する。その結
果、インクの吐出性能は向上する。
変質し、ノズル内部のインクの挙動は安定する。その結
果、インクの吐出性能は向上する。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
に基づいて説明する。
【0031】−インクジェットヘッドの構成−始めに、
インクジェットヘッド1の構成について説明する。図1
及び図2に示すように、インクジェットヘッド1は、イ
ンクを収容する複数の圧力室4と各圧力室4にそれぞれ
連通する複数のノズル2とが形成されたヘッド本体40
と、各圧力室4内のインクに圧力を付加して各ノズル2
からインク滴を吐出させる複数のアクチュエータ10と
を有している。アクチュエータ10は、いわゆるたわみ
振動型の圧電素子を用いたものであって、圧力室4の収
縮(加圧)及び膨張(減圧)に伴う圧力室4内の圧力変
化によって、ノズル2からインク滴を吐出し、かつイン
ク供給室3から圧力室4にインクを補給するようになっ
ている。
インクジェットヘッド1の構成について説明する。図1
及び図2に示すように、インクジェットヘッド1は、イ
ンクを収容する複数の圧力室4と各圧力室4にそれぞれ
連通する複数のノズル2とが形成されたヘッド本体40
と、各圧力室4内のインクに圧力を付加して各ノズル2
からインク滴を吐出させる複数のアクチュエータ10と
を有している。アクチュエータ10は、いわゆるたわみ
振動型の圧電素子を用いたものであって、圧力室4の収
縮(加圧)及び膨張(減圧)に伴う圧力室4内の圧力変
化によって、ノズル2からインク滴を吐出し、かつイン
ク供給室3から圧力室4にインクを補給するようになっ
ている。
【0032】各圧力室4は、インクジェットヘッド1の
内部において、主走査方向Xに延びるように長溝状に形
成されている。圧力室4同士は、副走査方向Yに互いに
所定間隔をあけて配設されている。圧力室4の一端部
(図2では右側の端部)には、ノズル2が形成されてい
る。ノズル2同士は、圧力室4と同様、副走査方向Yに
互いに所定間隔を存するように設けられている。圧力室
4の他端部(図2では左側の端部)にはインク供給路5
の一端部がそれぞれ連続しており、各インク供給路5の
他端部は、副走査方向Yに細長いインク供給室3に連続
している。インク供給室3には、各圧力室4にインクを
補給するように、インクが充填されている。
内部において、主走査方向Xに延びるように長溝状に形
成されている。圧力室4同士は、副走査方向Yに互いに
所定間隔をあけて配設されている。圧力室4の一端部
(図2では右側の端部)には、ノズル2が形成されてい
る。ノズル2同士は、圧力室4と同様、副走査方向Yに
互いに所定間隔を存するように設けられている。圧力室
4の他端部(図2では左側の端部)にはインク供給路5
の一端部がそれぞれ連続しており、各インク供給路5の
他端部は、副走査方向Yに細長いインク供給室3に連続
している。インク供給室3には、各圧力室4にインクを
補給するように、インクが充填されている。
【0033】図2に示すように、インクジェットヘッド
1は、ノズル2が形成されたノズル板6と、圧力室4及
びインク供給路5を区画形成する区画壁7と、アクチュ
エータ10とが順に積層されて構成されている。アクチ
ュエータ10は、圧力室4に臨設された振動板と、振動
板を振動させる薄膜の圧電素子と、個別電極とが順に積
層されて構成されている。なお、本実施形態では、振動
板は共通電極を兼用している。ノズル板6はステンレス
で形成されており、区画壁7は複数のステンレス板が積
層されて構成されている。従って、ヘッド本体40は、
ステンレス製のラミネート板から構成されている。な
お、図1及び図2においては、後述する撥水膜13aや
接着剤14等の図示は省略している。
1は、ノズル2が形成されたノズル板6と、圧力室4及
びインク供給路5を区画形成する区画壁7と、アクチュ
エータ10とが順に積層されて構成されている。アクチ
ュエータ10は、圧力室4に臨設された振動板と、振動
板を振動させる薄膜の圧電素子と、個別電極とが順に積
層されて構成されている。なお、本実施形態では、振動
板は共通電極を兼用している。ノズル板6はステンレス
で形成されており、区画壁7は複数のステンレス板が積
層されて構成されている。従って、ヘッド本体40は、
ステンレス製のラミネート板から構成されている。な
お、図1及び図2においては、後述する撥水膜13aや
接着剤14等の図示は省略している。
【0034】−インクジェットヘッドの製造方法−本イ
ンクジェットヘッド1は、アクチュエータ10とヘッド
本体40とを別々に形成した後、これらを接着させるこ
とによって製造される。以下、ヘッド本体40の製造方
法について説明する。
ンクジェットヘッド1は、アクチュエータ10とヘッド
本体40とを別々に形成した後、これらを接着させるこ
とによって製造される。以下、ヘッド本体40の製造方
法について説明する。
【0035】まず、図3(a)に示すように、ステンレ
ス製のノズル板6の表面に、シリカからなる第1のコー
ト層12を形成する。この第1コート層12は、後述す
る第2コート層13の密着性を向上させるための層であ
り、第2コート層13自体の密着性が高い場合には、特
に必要のないものである。
ス製のノズル板6の表面に、シリカからなる第1のコー
ト層12を形成する。この第1コート層12は、後述す
る第2コート層13の密着性を向上させるための層であ
り、第2コート層13自体の密着性が高い場合には、特
に必要のないものである。
【0036】次に、図3(b)に示すように、第1コー
ト層12の表面に、フッ素含有ガラスからなる第2コー
ト層13を形成する(成膜工程)。この第2コート層1
3は、後述の加熱硬化によって撥水性を示すようになる
薄膜である。ここで、第1コート層12や第2コート層
13の形成方法としては、浸漬法、スピンコート法、ス
プレーコーティング法等を好適に用いることができる。
なお、コート層を形成する微粒子をエアーに乗せて吹き
付ける単なるスプレーコーティング法ではなく、微粒子
自体を直接吹き付ける方法であるパルススプレイコーテ
ィング法を用いることとすれば、コート層12,13を
より薄膜化することができるため特に好適である。
ト層12の表面に、フッ素含有ガラスからなる第2コー
ト層13を形成する(成膜工程)。この第2コート層1
3は、後述の加熱硬化によって撥水性を示すようになる
薄膜である。ここで、第1コート層12や第2コート層
13の形成方法としては、浸漬法、スピンコート法、ス
プレーコーティング法等を好適に用いることができる。
なお、コート層を形成する微粒子をエアーに乗せて吹き
付ける単なるスプレーコーティング法ではなく、微粒子
自体を直接吹き付ける方法であるパルススプレイコーテ
ィング法を用いることとすれば、コート層12,13を
より薄膜化することができるため特に好適である。
【0037】次に、第2コート層13が半硬化ゲル状態
となるように、ノズル板6を加熱する(半硬化工程)。
その後、図3(c)に示すように、ノズル板6の裏面
に、湿潤ゲル状態の電着樹脂からなる接着剤14を塗布
する。
となるように、ノズル板6を加熱する(半硬化工程)。
その後、図3(c)に示すように、ノズル板6の裏面
に、湿潤ゲル状態の電着樹脂からなる接着剤14を塗布
する。
【0038】次に、図3(d)に示すように、ノズル板
6の裏面側(接着剤14が塗布された側)から放電加工
を行い、ノズル2となる貫通孔を形成する(ノズル形成
工程)。この際、ノズル2の周辺部の接着剤14aはわ
ずかながら径方向外向きに縮むため、接着剤14にはノ
ズル2の開口よりも一回り大きな開口が形成される。そ
の結果、ノズル2の周囲にはノズル板6の裏面が露出す
る(言い換えると、接着剤が存在しない)露出部11a
が形成される。また、露出部11aの周囲には、接着剤
が径方向外向きに縮んだ分だけ厚みが他の部分よりも厚
くなった接着剤の厚膜部14aが形成される。
6の裏面側(接着剤14が塗布された側)から放電加工
を行い、ノズル2となる貫通孔を形成する(ノズル形成
工程)。この際、ノズル2の周辺部の接着剤14aはわ
ずかながら径方向外向きに縮むため、接着剤14にはノ
ズル2の開口よりも一回り大きな開口が形成される。そ
の結果、ノズル2の周囲にはノズル板6の裏面が露出す
る(言い換えると、接着剤が存在しない)露出部11a
が形成される。また、露出部11aの周囲には、接着剤
が径方向外向きに縮んだ分だけ厚みが他の部分よりも厚
くなった接着剤の厚膜部14aが形成される。
【0039】次に、図4(a)に示すように、予めノズ
ル板6の各ノズル2に対応する貫通孔16が形成された
ステンレス製の補助基板15を用意し、各ノズル2と各
貫通孔16とが連続するようにして、補助基板15をノ
ズル板6の裏面に接着剤14を介して仮接着する(接着
工程)。この際、ノズル板6のノズル2の周辺は露出部
11aとなっているものの、露出部11aの周りには接
着剤の厚膜部14aが形成されているので、ノズル板6
を補助基板15に押しつけると露出部11aは厚膜部1
4aによって覆われ、接着剤はノズル2の周囲を確実に
接着することになる。
ル板6の各ノズル2に対応する貫通孔16が形成された
ステンレス製の補助基板15を用意し、各ノズル2と各
貫通孔16とが連続するようにして、補助基板15をノ
ズル板6の裏面に接着剤14を介して仮接着する(接着
工程)。この際、ノズル板6のノズル2の周辺は露出部
11aとなっているものの、露出部11aの周りには接
着剤の厚膜部14aが形成されているので、ノズル板6
を補助基板15に押しつけると露出部11aは厚膜部1
4aによって覆われ、接着剤はノズル2の周囲を確実に
接着することになる。
【0040】次に、図4(b)に示すように、補助基板
15の裏面側からアッシングを行う(親水化工程)。ア
ッシングとしては、例えば、酸素ガスを導入したPVD
方式のプラズマ処理を好適に利用することができる。こ
のようなアッシングにより、ノズル2または貫通孔16
の内側にはみ出した接着剤14b(図4(a)参照)を
除去することができるとともに、ノズル2及び貫通孔1
6の内壁を親水性に変質させることができる。
15の裏面側からアッシングを行う(親水化工程)。ア
ッシングとしては、例えば、酸素ガスを導入したPVD
方式のプラズマ処理を好適に利用することができる。こ
のようなアッシングにより、ノズル2または貫通孔16
の内側にはみ出した接着剤14b(図4(a)参照)を
除去することができるとともに、ノズル2及び貫通孔1
6の内壁を親水性に変質させることができる。
【0041】次に、ノズル板6及び補助基板15を、前
記半硬化工程の際の温度よりも高い温度で加熱し、第2
コート層13を硬化させる(加熱硬化工程)。この加熱
硬化により、第2コート層13は表面側のフッ素含有量
が多い状態となり、撥水性を示すようになる。つまり、
図4(c)に示すように、ノズル板6の表面側に撥水膜
13aが形成される。
記半硬化工程の際の温度よりも高い温度で加熱し、第2
コート層13を硬化させる(加熱硬化工程)。この加熱
硬化により、第2コート層13は表面側のフッ素含有量
が多い状態となり、撥水性を示すようになる。つまり、
図4(c)に示すように、ノズル板6の表面側に撥水膜
13aが形成される。
【0042】その後は、補助基板15の裏面側に他のス
テンレス製基板を順次接着する。これにより、圧力室4
及びインク供給室3を有するヘッド本体40が得られ
る。
テンレス製基板を順次接着する。これにより、圧力室4
及びインク供給室3を有するヘッド本体40が得られ
る。
【0043】−実施形態の効果− 従って、本実施形態によれば、ノズル板6にノズル2を
形成した後に、その表面を撥水化するので、ノズル2の
内部に撥水剤が目詰まりするようなことはない。
形成した後に、その表面を撥水化するので、ノズル2の
内部に撥水剤が目詰まりするようなことはない。
【0044】また、アッシングによってノズル2の内壁
を親水化するので、ノズル2の内部のインクの挙動が安
定し、インクの吐出性能は向上する。
を親水化するので、ノズル2の内部のインクの挙動が安
定し、インクの吐出性能は向上する。
【0045】ノズル2の内壁を親水化した後に、ノズル
板6の表面側の第2コート層13を加熱硬化により撥水
化し、撥水膜13aを形成することとしたので、ノズル
2の内部の親水性を保ちつつ、ノズル2の表面側を撥水
化することができる。従って、ノズル2の内部の親水化
と表面側の撥水化を同時に達成することができる。
板6の表面側の第2コート層13を加熱硬化により撥水
化し、撥水膜13aを形成することとしたので、ノズル
2の内部の親水性を保ちつつ、ノズル2の表面側を撥水
化することができる。従って、ノズル2の内部の親水化
と表面側の撥水化を同時に達成することができる。
【0046】ノズル板6と補助基板15とを貼り合わせ
ることによってノズル2と貫通孔16とを連続させるこ
ととしたので、ノズルの見かけ上の長さを長くすること
ができる。そのため、精密な穴開け加工が必要なノズル
板6に対しては放電加工によってノズル2を形成する一
方、補助基板15の穴開け加工は、他の簡便な方法を用
いて行うことができる。従って、全体として、ノズルの
形成が容易になる。
ることによってノズル2と貫通孔16とを連続させるこ
ととしたので、ノズルの見かけ上の長さを長くすること
ができる。そのため、精密な穴開け加工が必要なノズル
板6に対しては放電加工によってノズル2を形成する一
方、補助基板15の穴開け加工は、他の簡便な方法を用
いて行うことができる。従って、全体として、ノズルの
形成が容易になる。
【0047】ノズル板6にノズル2を形成する前に、第
2コート層13を半硬化ゲル状態にするので、ノズル2
の形成によって第2コート層13に亀裂が入ったり、そ
の一部が剥がれることを防止することができる。従っ
て、ノズル板6の表面側に均質な撥水膜13aを確実に
形成することができる。
2コート層13を半硬化ゲル状態にするので、ノズル2
の形成によって第2コート層13に亀裂が入ったり、そ
の一部が剥がれることを防止することができる。従っ
て、ノズル板6の表面側に均質な撥水膜13aを確実に
形成することができる。
【0048】−変形例−アッシングは、酸素ガスを導入
したプラズマ処理に限定されるものではなく、紫外線を
利用するものであってもよい。また、オゾン処理によっ
てノズルの内壁を親水化する処理であってもよい。ま
た、レーザー(エキシマレーザー、炭酸ガスレーザー、
YAGレーザー等)によってノズルの内壁を親水化する
処理であってもよい。
したプラズマ処理に限定されるものではなく、紫外線を
利用するものであってもよい。また、オゾン処理によっ
てノズルの内壁を親水化する処理であってもよい。ま
た、レーザー(エキシマレーザー、炭酸ガスレーザー、
YAGレーザー等)によってノズルの内壁を親水化する
処理であってもよい。
【0049】ノズルの表面側の撥水膜13aを、珪素酸
化物にフルオロアルキル鎖が結合または分散した分子を
含む撥水膜で形成してもよい。この場合、珪素酸化物の
前駆体であるメトキシシランまたはエトキシシラン化合
物とフッ化炭素鎖を含むエトキシシランまたはメトキシ
シラン化合物とが溶解したコート液をノズル板6の表面
側に塗布して第2コート層13を形成し、アッシングの
後に当該第2コート層13を乾燥させて、撥水膜13a
とする。これにより、耐摩耗性が高く且つ長寿命の撥水
膜を形成することができる。
化物にフルオロアルキル鎖が結合または分散した分子を
含む撥水膜で形成してもよい。この場合、珪素酸化物の
前駆体であるメトキシシランまたはエトキシシラン化合
物とフッ化炭素鎖を含むエトキシシランまたはメトキシ
シラン化合物とが溶解したコート液をノズル板6の表面
側に塗布して第2コート層13を形成し、アッシングの
後に当該第2コート層13を乾燥させて、撥水膜13a
とする。これにより、耐摩耗性が高く且つ長寿命の撥水
膜を形成することができる。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ノズル
板にノズルを形成した後、ノズル板の表面側の膜を加熱
硬化させることによって撥水化することとしたので、比
較的簡易な方法によって、ノズルの目詰まりやノズル内
部の撥水化を防止しつつ、ノズル表面を撥水化すること
ができる。
板にノズルを形成した後、ノズル板の表面側の膜を加熱
硬化させることによって撥水化することとしたので、比
較的簡易な方法によって、ノズルの目詰まりやノズル内
部の撥水化を防止しつつ、ノズル表面を撥水化すること
ができる。
【0051】ノズルを形成してからノズル板の表面側の
膜を加熱硬化させるまでに、ノズル板の裏面側からノズ
ルの内壁を親水化処理することにより、ノズル内部の親
水性を高めることができ、インクの吐出性能を向上させ
ることができる。
膜を加熱硬化させるまでに、ノズル板の裏面側からノズ
ルの内壁を親水化処理することにより、ノズル内部の親
水性を高めることができ、インクの吐出性能を向上させ
ることができる。
【0052】ノズル板の裏面側からアッシングを行うこ
とによりノズルの内壁を親水化することにより、簡易に
親水化処理を実現することができる。
とによりノズルの内壁を親水化することにより、簡易に
親水化処理を実現することができる。
【0053】ノズルの形成前に、ノズル板の表面側の膜
を半硬化ゲル状態にすることにより、ノズルの形成に際
して当該膜に亀裂が入ったり、当該膜の一部が剥離する
ことがなくなり、均質な撥水膜を安定して形成すること
ができる。
を半硬化ゲル状態にすることにより、ノズルの形成に際
して当該膜に亀裂が入ったり、当該膜の一部が剥離する
ことがなくなり、均質な撥水膜を安定して形成すること
ができる。
【0054】ノズル板のノズルに対応する貫通孔が形成
された補助基板を当該ノズル板に接着することにより、
ノズル板及び補助基板によって、見かけ上ノズル板のノ
ズルよりも長いノズルを形成することができる。そのた
め、一定の長さのノズルを形成する際に、補助基板の貫
通孔の長さの分だけ、ノズル板のノズルの長さを短くす
ることができる。従って、ノズル板の厚みを薄くするこ
とが可能となり、ノズル板の穴開け加工を容易化するこ
とができる。
された補助基板を当該ノズル板に接着することにより、
ノズル板及び補助基板によって、見かけ上ノズル板のノ
ズルよりも長いノズルを形成することができる。そのた
め、一定の長さのノズルを形成する際に、補助基板の貫
通孔の長さの分だけ、ノズル板のノズルの長さを短くす
ることができる。従って、ノズル板の厚みを薄くするこ
とが可能となり、ノズル板の穴開け加工を容易化するこ
とができる。
【0055】湿潤ゲル状態の接着剤または電着樹脂から
なる接着剤を利用することにより、ノズル板と補助基板
とを良好に接着することができる。
なる接着剤を利用することにより、ノズル板と補助基板
とを良好に接着することができる。
【0056】ノズル板の表面側の膜を、珪素酸化物にフ
ルオロアルキル鎖が結合または分散した分子を含む撥水
膜とすることにより、耐摩耗性が高く且つ長寿命の撥水
膜を形成することができる。
ルオロアルキル鎖が結合または分散した分子を含む撥水
膜とすることにより、耐摩耗性が高く且つ長寿命の撥水
膜を形成することができる。
【0057】ノズルの内壁を親水化する工程を、酸素ガ
スを導入した酸素プラズマ処理によってノズルの内壁を
変質させる工程、酸素ガスを導入したPVD方式のプラ
ズマ処理によってノズルの内壁を変質させる工程、オゾ
ン処理によってノズルの内壁を変質させる工程、または
レーザーによってノズルの内壁を変質させる工程とする
ことにより、比較的容易にノズルの内壁を親水化するこ
とができる。
スを導入した酸素プラズマ処理によってノズルの内壁を
変質させる工程、酸素ガスを導入したPVD方式のプラ
ズマ処理によってノズルの内壁を変質させる工程、オゾ
ン処理によってノズルの内壁を変質させる工程、または
レーザーによってノズルの内壁を変質させる工程とする
ことにより、比較的容易にノズルの内壁を親水化するこ
とができる。
【図1】インクジェットヘッドのノズル面の平面図であ
る。
る。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、インクジェットヘッドの製
造工程図である。
造工程図である。
【図4】(a)〜(c)は、インクジェットヘッドの製
造工程図である。
造工程図である。
2 ノズル 3 インク供給室 4 圧力室 6 ノズル板 10 アクチュエータ 12 第1コート層 13 第2コート層 13a 撥水膜 14 接着剤 15 補助基板 16 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島本 敬介 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF93 AG07 AG12 AG44 AN01 AP02 AP13 AP21 AP25 AP57 AP59 AP60 AP61 AQ06
Claims (12)
- 【請求項1】 インクを吐出するための複数のノズルが
形成されたノズル板を備えたインクジェットヘッドの製
造方法であって、 ノズル板の表面側に、加熱硬化することによって撥水性
を示すようになる膜を形成する成膜工程と、 その後、上記ノズル板に複数のノズルを形成するノズル
形成工程と、 その後、ノズル板の表面側を撥水化するように上記膜を
加熱硬化させる加熱硬化工程とを含んでいるインクジェ
ットヘッドの製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
の製造方法において、 ノズル形成工程と加熱硬化工程との間に、ノズル板の裏
面側からノズルの内壁を親水化処理する親水化工程を含
んでいるインクジェットヘッドの製造方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載のインクジェットヘッド
の製造方法において、 親水化工程は、ノズル板の裏面側からアッシングを行う
工程からなるインクジェットヘッドの製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一つに記載のイ
ンクジェットヘッドの製造方法において、 成膜工程とノズル形成工程との間に、ノズル板の表面側
の膜を半硬化ゲル状態になるように加熱する半硬化工程
を含んでいるインクジェットヘッドの製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つに記載のイ
ンクジェットヘッドの製造方法において、 成膜工程とノズル形成工程との間に、ノズル板の裏面側
に接着剤を塗布する工程を含み、 ノズル形成工程は、ノズルを放電加工により形成する工
程からなり、 ノズル形成工程の後に、上記ノズル板の各ノズルに対応
する貫通孔が形成された補助基板を上記接着剤を介して
該ノズル板に接着する接着工程と、上記補助基板の裏面
側から上記ノズル板のノズル及び該補助基板の貫通孔の
内壁をアッシングする工程とを含んでいるインクジェッ
トヘッドの製造方法。 - 【請求項6】 請求項5に記載のインクジェットヘッド
の製造方法において、 接着剤は、湿潤ゲル状態の接着剤であるインクジェット
ヘッドの製造方法。 - 【請求項7】 請求項5に記載のインクジェットヘッド
の製造方法において、 接着剤は、電着樹脂からなるインクジェットヘッドの製
造方法。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一つに記載のイ
ンクジェットヘッドの製造方法において、 ノズル板の表面側に形成された膜は、珪素酸化物にフル
オロアルキル鎖が結合または分散した分子を含む撥水膜
であるインクジェットヘッドの製造方法。 - 【請求項9】 請求項2に記載のインクジェットヘッド
の製造方法において、 親水化工程は、酸素ガスを導入した酸素プラズマ処理に
よってノズルの内壁を変質させる工程からなるインクジ
ェットヘッドの製造方法。 - 【請求項10】 請求項2に記載のインクジェットヘッ
ドの製造方法において、 親水化工程は、酸素ガスを導入したPVD方式のプラズ
マ処理によってノズルの内壁を変質させる工程からなる
インクジェットヘッドの製造方法。 - 【請求項11】 請求項2に記載のインクジェットヘッ
ドの製造方法において、 親水化工程は、オゾン処理によってノズルの内壁を変質
させる工程からなるインクジェットヘッドの製造方法。 - 【請求項12】 請求項2に記載のインクジェットヘッ
ドの製造方法において、 親水化工程は、レーザーによってノズルの内壁を変質さ
せる工程からなるインクジェットヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000079879A JP2001260360A (ja) | 2000-03-22 | 2000-03-22 | インクジェットヘッドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000079879A JP2001260360A (ja) | 2000-03-22 | 2000-03-22 | インクジェットヘッドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001260360A true JP2001260360A (ja) | 2001-09-25 |
Family
ID=18597067
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000079879A Withdrawn JP2001260360A (ja) | 2000-03-22 | 2000-03-22 | インクジェットヘッドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001260360A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012088074A (ja) * | 2010-10-15 | 2012-05-10 | Ritsumeikan | 撥水層を有するツール及びそのツールの製造方法 |
EP2784000A4 (en) * | 2011-11-21 | 2015-08-26 | Toyo Seikan Group Holdings Ltd | EXTRACTION MEMBER IMPLEMENTED IN VISCOUS FLUID EXTRACTION |
KR101547643B1 (ko) * | 2012-04-30 | 2015-08-27 | 피씨엘 (주) | 졸겔 칩 제작을 위한 개선된 졸 조성물 분주용 노즐 및 이를 함유하는 졸겔 칩 제조용 장치 |
-
2000
- 2000-03-22 JP JP2000079879A patent/JP2001260360A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012088074A (ja) * | 2010-10-15 | 2012-05-10 | Ritsumeikan | 撥水層を有するツール及びそのツールの製造方法 |
EP2784000A4 (en) * | 2011-11-21 | 2015-08-26 | Toyo Seikan Group Holdings Ltd | EXTRACTION MEMBER IMPLEMENTED IN VISCOUS FLUID EXTRACTION |
US9580207B2 (en) | 2011-11-21 | 2017-02-28 | Toyo Seikan Group Holdings, Ltd. | Pour-out member for discharging viscous fluid |
KR101547643B1 (ko) * | 2012-04-30 | 2015-08-27 | 피씨엘 (주) | 졸겔 칩 제작을 위한 개선된 졸 조성물 분주용 노즐 및 이를 함유하는 졸겔 칩 제조용 장치 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20070227 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20081106 |