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JP2001246209A - ガス透過体、その製造方法、及び除塵装置 - Google Patents

ガス透過体、その製造方法、及び除塵装置

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Publication number
JP2001246209A
JP2001246209A JP2000097118A JP2000097118A JP2001246209A JP 2001246209 A JP2001246209 A JP 2001246209A JP 2000097118 A JP2000097118 A JP 2000097118A JP 2000097118 A JP2000097118 A JP 2000097118A JP 2001246209 A JP2001246209 A JP 2001246209A
Authority
JP
Japan
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gas
dust
catalyst particles
gas permeable
permeable body
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2000097118A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Toriyama
彰 鳥山
Masaji Kurosawa
正司 黒澤
Masahiko Yamazaki
征彦 山崎
Yoshihiko Goto
嘉彦 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichias Corp
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Nichias Corp
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Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd, Nichias Corp filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2000097118A priority Critical patent/JP2001246209A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有害ガスを無害化するガス清浄機能を有するガ
ス透過体、該ガス透過体を製造する方法、該ガス透過体
を含んで構成されたガス浄化用フィルタを備えた除塵装
置を提供する。 【解決手段】セラミックス繊維で構成され、かつセラミ
ックス繊維間に金属酸化物触媒粒子が保持されているガ
ス透過体からなるガス浄化用フィルタを備えた除塵装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒を担持したセ
ラミックス繊維製ガス透過体、該ガス透過体を製造する
方法、該ガス透過体を含んで構成されたガス浄化用フィ
ルタを備える除塵装置に関し、特に窒素酸化物及び有機
塩素化合物等の有害ガスを含む燃焼排ガスを透過させ、
担持した触媒の作用により分解し無害化するガス浄化機
能を有するガス透過体、該ガス透過体を製造する方法、
該ガス透過体を含んで構成されたガス浄化用フィルタを
備えた除塵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】窒素酸化物及び有機塩素化合物等の有害
ガスを分解し浄化する機能を有するガス浄化エレメント
を装着した除塵装置は、特に廃棄物焼却炉、石炭等の化
石燃料を使用する燃焼設備、製鉄及び冶金用各種工業
炉、セメント焼成炉、耐火物焼成炉、石油精製設備、化
学プラント等から排出される燃焼排ガス中の窒素酸化物
及び有機塩素化合物を分解し無害化するのに有用であ
る。
【0003】燃焼排ガス中に含まれる窒素酸化物及びPC
DD(ポリ塩化ジベンゾダイオキシン)、PCDF(ポリ塩化ジ
ベンゾフラン)等の有機塩素化合物を分解する触媒の担
持体の形状として良く知られているものにハニカムがあ
る。例えば窒素酸化物に関しては、触媒成分を担持した
ハニカムを容器内に収納し、ハニカムのセル内に、予め
注入されたアンモニアを含む燃焼排ガスを通過させて、
窒素酸化物を、窒素ガスと水とに分解し無害化する除塵
装置を備えたプラントが既に多数設置されている。
【0004】また、焼却プラントから排出される燃焼排
ガス中のダイオキシン等の環式有機塩素化合物を分解す
るための触媒素子については、例えば特開平6−386
号公報でその形状に関する出願がある。これらのハニカ
ムは、例えば、金属酸化物粉末からなる泥漿状素材を金
型等で押出し成形し、乾燥及び焼成工程を経て製造され
ていた。
【0005】ハニカム要素の典型例を図5に示す。通常
使用されるハニカム要素は、例えば、セルピッチ5mmで
縦、横、高さがそれぞれ、200mm、200mm、500mm程度の
寸法を有するものが一般的であるが、図5ではハニカム
の機能を説明する都合上、模式的に4セル×4セルとして
いる。
【0006】ハニカム要素112は、その一方の開口部113
から図中矢印で示すガス流入方向114に、アンモニアガ
スを含む燃焼排ガスを導き、セル内のガス通路壁面に露
出もしくは壁面から略20μmまでの深さにある触媒と接
触した燃焼排ガス中の窒素酸化物は触媒の働きにより、
水と窒素ガスに還元されて、ハニカム要素112のガス流
入経路の他方の開口部115から、図中矢印で示すガス流
出方向116に排出される。
【0007】ただし、ハニカム要素112内のガス通路を
通過する燃焼排ガス中の窒素酸化物のうち、触媒を接触
することなく開口部115から排出される窒素酸化物も多
く、通常はハニカム群1段当りの窒素酸化物を還元する
割合(脱硝率)は、15〜30%程度に留まる。したがって、
ハニカム群を多段にして脱硝率を高めるように構成され
るのが一般的である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、触媒成分を担
持した従来のハニカムでは、窒素酸化物及び有機塩素化
合物を分解する役割を担う触媒が、これらハニカム中に
分散担持されているため、ハニカム内のガスの流路壁面
に露出しているか、もしくは流路壁面から略20μmまで
の深さにある触媒を除き、ほとんどの触媒はハニカム構
造体中に埋没し、触媒としての機能を果たしていなかっ
た。
【0009】さらに、このような触媒を担持した従来の
ハニカムでは、予めバグフィルタ等で除塵された粉塵を
含まない清浄ガスを通過させる場合であっても、ハニカ
ムのガス流路壁面に、長期間にわたって徐々に粉塵が堆
積することによって起こる流路断面積の減少を考慮し
て、少なくとも3mm×3mm程度のガス流路断面積を確保す
る必要があった。加えて、ハニカムのガス流路壁面に粉
塵が堆積することによって、化学的に活性な触媒表面が
粉塵で覆われ、ガスと触媒との接触が阻害されて、結果
的に触媒性能の低下を引き起こし、触媒を担持したハニ
カムの定期的な再生処理もしくは触媒を担持した新品の
ハニカムとの交換作業を必要とした。
【0010】さらにバグフィルタ等の除塵手段をガスの
上流側に持たないプラントでは、粉塵の付着によるガス
流路断面積の減少を考慮して、通常は10mm×10mm程度の
ガス流路面積を持つハニカムが使用されているが、清浄
ガスを通過させるハニカムに比べ比表面積が小さく、装
置が大型化していた。
【0011】さらに、粉塵を多量に含むガスを流路に流
すため、流路表面に付着した粉塵を払い落とすための装
置が必要であることに加え、前記装置では払い落とせな
い粉塵がハニカムのガス流路壁面に徐々に堆積し、清浄
ガスを通すハニカムの場合と同様、定期的なハニカムの
再生処理もしくは新品のハニカムへの交換作業を必要と
していた。
【0012】そこで本発明は、担持された触媒の内、有
効に機能する割合が高く、また触媒の寿命も長い、粉塵
を除去するフィルタ機能を兼ね備えたガス浄化用フィル
タの提供、該ガス浄化用フィルタの製造方法の提供、及
び該ガス浄化用フィルタを備えた除塵装置の提供を目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明によるガス透過体4は、図1に
示すように、セラミックス繊維1で構成され、かつセラ
ミックス繊維1間に金属酸化物触媒粒子3が保持されて
いることを特徴とする。
【0014】金属酸化物触媒粒子を保持するセラミック
ス繊維を備えるので、例えば窒素酸化物及び有機塩素化
合物を含む燃焼排ガス等のガスが、セラミックス繊維を
通過して流れ、偏流を起こさず全域のセラミックス繊維
を通過させることができ、またガスに含まれる粉塵はガ
ス透過体のガス入口側の壁面で捕捉されガス透過体4内
部には侵入せず、略均一に分散担持された金属酸化物触
媒粒子をほぼ全て有効に機能させることができ、多量の
ガス中の例えば窒素酸化物及び有機塩素化合物を長期間
分解することができる。
【0015】請求項2に係る発明によるガス透過体は、
請求項1に記載のガス透過体において、前記金属酸化物
触媒粒子が酸化チタン担体に三酸化タングステン及び五
酸化バナジウムのうち少なくとも一方を主成分とする金
属酸化物を担持させたものである。
【0016】このように金属酸化物を担持させたので、
特に、ガス透過体を通過するガス中の窒素酸化物及び有
機塩素化合物を効率良く分解することができる。五酸化
バナジウムまたは三酸化タングステンは、これらとの親
和性に優れた酸化チタンを担体として粉末状状態から所
望の形状に成形されることができ、ガス透過体に強固に
担持されることができる。また、金属酸化物は、三酸化
タングステン及び五酸化バナジウムを主成分とするもの
であってもよい。
【0017】請求項3に係る発明によるガス透過体は、
請求項1または請求項2に記載のガス透過体において、
前記金属酸化物触媒粒子の平均粒子直径が0.1μm以上2
0μm以下である。
【0018】金属酸化物触媒粒子の平均粒子直径をこの
ようにしたので、ガスの接触する粒子の比表面積を十分
大きくすることができる。
【0019】なお、請求項4に係る発明によるガス透過
体は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガ
ス透過体において、前記セラミックス繊維が、アルミ
ナ、シリカ、マグネシア、ジルコニア、炭化ケイ素、及
び窒化ケイ素よりなる群から選ばれる1種以上を主成分
とする。
【0020】セラミックス繊維をこのように構成したの
で、ガス透過体は、耐熱性、耐食性が優れ、また製作コ
ストを低減することができる。
【0021】請求項5に係る発明によるガス透過体は、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガス透過
体において、気孔率が75%以上95%以下である。
【0022】気孔率が75%以上95%以下であるので、強
度を十分に保ちつつ大量のガスを圧力低下を最小にして
通過させることができる。また、金属酸化物触媒粒子の
担持量が多くなっても、ガス透過体を通過するガスの圧
力損失の上昇を小さく抑えることができる。
【0023】上記目的を達成するために、請求項6に係
る発明によるガス透過体の製造方法は、請求項1から請
求項5のいずれか1項に記載のガス透過体の製造方法に
おいて、アルミナゾル、シリカゾル、またはチタンゾル
のうち少なくとも1つを成分とする金属ゾル溶液中に、
前記セラミックス繊維及び前記金属酸化物触媒粒子を分
散させ、次に前記溶液を鋳型内に鋳込み、乾燥後前記鋳
型から脱型させ、さらに焼成することを特徴とする。
【0024】このような製造方法によれば、セラミック
ス繊維同士及びセラミックス繊維と触媒粒子とを強固に
結合させることができ、ガス透過体の強度(特に引張り
と剪断)が増し、ガス透過体の寿命を長くすることがで
きる。ここで、セラミックス繊維同士及びセラミックス
繊維と触媒粒子とを結合せしめるとは、当該繊維同士、
当該繊維と当該触媒とを、例えば接着または粘着せしめ
ることをいう。金属ゾルは粘性を有するので接着、粘着
の作用を有する。
【0025】上記目標を達成するために、請求項7に記
載の除塵装置は、請求項1から請求項5のいずれか1項
に記載のガス透過体からなるガス浄化用フィルタを備
え;前記ガス浄化用フィルタが通気性を有し;前記ガス
浄化用フィルタの一方の面より含塵ガスを導入し、前記
ガス浄化用フィルタの壁を通過させ他方の面より清浄ガ
スを取り出すよう構成されている。
【0026】含塵ガスがガス浄化用フィルタの一方の面
から導入され他方の面より排出されるので含塵ガス中の
粉塵を除去できる。さらに、ガス浄化用フィルタが請求
項1から請求項5のいずれか1項に記載のガス透過体か
らなるので、高温で、腐食性を有する多量の含塵ガス中
の例えば窒素酸化物及び有機塩素化合物を長期間効率良
く分解することができるとともに、含塵ガスの圧力低下
を最小にすることができる。
【0027】請求項8に記載の除塵装置は、請求項7に
記載の除塵装置において、前記ガス浄化用フィルタが中
空円筒形状に形成され;前記一方の面が前記中空円筒の
内壁面であり、前記他方の面が前記中空円筒の外壁面で
ある。
【0028】ガス浄化用フィルタが中空円筒形状に形成
されているので、粉塵ガスの送入圧力を高めることがで
きる。また、粉塵ガスを中空部に送入すればさらに粉塵
ガスの送入圧力を高めることができ、ガス浄化用フィル
タの中空内壁面上に捕集され堆積した粉塵を除去するこ
とが容易になる。
【0029】請求項9に記載の除塵装置は、請求項7ま
たは請求項8に記載の除塵装置において、前記内壁面に
付着した粉塵を逆洗により除去する逆洗浄手段を備え
る。
【0030】逆洗浄手段を備えるので、ガス浄化用フィ
ルタ上のガスを導入する面上に捕集され堆積した粉塵を
除去し、ガス浄化用フィルタの除塵能力、浄化能力を維
持するとともに、ガスのガス浄化用フィルタを通過する
ときの圧力損失の増大を防ぐことができる。逆洗浄と
は、含塵ガスとは逆の方向にガス浄化用フィルタを通過
する洗浄ガスによって、ガス洗浄用フィルタ上に堆積し
た粉塵を除去し、ガス浄化用フィルタを洗浄することを
いう。
【0031】請求項10に記載の除塵装置は、請求項7
から請求項9のいずれか1項に記載の除塵装置におい
て、前記ガス浄化用フィルタの鉛直方向下方に配置さ
れ、前記含塵ガスより除去した粉塵を集積する集積手段
を備える。
【0032】請求項11に記載の除塵装置は、請求項7
から請求項10のいずれか1項に記載の除塵装置におい
て、前記ガス浄化用フィルタの全質量に対し、前記金属
酸化物触媒粒子の質量が20質量%から60質量%の間であ
る。
【0033】ガス浄化用フィルタの全質量に対し、金属
酸化物触媒粒子の質量が20質量%から60質量%の間であ
るので、ガス浄化用フィルタの強度を維持しつつ含塵ガ
ス中の有害ガス成分が金属酸化触媒粒子に十分接触し有
害ガスを浄化することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。なお、各図において互い
に同一あるいは相当する部材には同一または類似符号を
付し、重複した説明は省略する。
【0035】図1に、本発明の第1の実施の形態であ
る、本発明の金属酸化物触媒粒子としての触媒粒子3を
担持したセラミックス繊維1製のガス透過体4を示す。
なお、図に示すセラミックス繊維1及び触媒粒子3はいず
れも繊維直径及び平均粒子直径とも少なくとも100μm
以下の微少物質を多量に混合及び積層した集合体であ
り、各々の単一要素は図示できない微少な物質である
が、本発明を説明する上での利便性を考慮し、イラスト
的に大きな形状に表現している。
【0036】図に示すように、触媒粒子3を担持したセ
ラミックス繊維1製のガス透過体4は、好ましくは繊維直
径が1μm以上10μm以下の範囲でかつ繊維長さが少な
くとも10mm以上あるセラミックス繊維がセラミックス繊
維全体の50%以上を占めるセラミックス繊維1が互いに
結合した繊維質成形体2から構成される。繊維質成形体2
は前述のセラミックス繊維が分厚い不織布状に形成され
たものである。
【0037】ガス透過体4は、その空隙率が75%以上95
%以下の範囲になるよう成形し、少なくとも10mm以上の
厚さ、すなわち10mm以上の最小厚さTminを有する繊維
質成形体2の中に、五酸化バナジウムまたは三酸化タン
グステン、もしくは両者の化合物からなる、平均粒子直
径0.1μm以上20μm以下の触媒粒子3を、略均一に分散
担持させて形成されている。
【0038】ガス透過体4の一方の壁面すなわちガス入
口面5から、窒素酸化物またはPCDD(ポリ塩化ジベンゾダ
イオキシン)、PCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)等の有機
塩素化合物もしくはこれら両方の有害ガスを含む燃焼排
ガスを、図中矢印で示す方向すなわちガス流入方向6か
ら透過せしめる。そして、燃焼排ガス中に含まれるこれ
ら有害物質を触媒粒子3により分解し無害化(無害化と
は実用上無害化されることをいう。)した燃焼排ガス
を、もう一方の壁面すなわちガス出口面7から図中矢印
で示す方向すなわちガス流失方向8に流出せしめる。
【0039】触媒を担持したセラミックス繊維製のガス
透過体4の中に含まれる触媒粒子3は、ガス透過体4の全
質量に対し、20質量%以上60質量%以下含まれているこ
とが望ましく、30〜50質量%であるとさらに望ましい。
その理由は、ガス透過体4に占める触媒粒子3の割合が20
質量%未満になると、ガス透過体4を貫通して流れる燃
焼排ガス中の窒素酸化物及び有機塩素化合物が、触媒粒
子3に十分に接触せずしたがって十分に分解されずに排
出されてしまうからである。また、ガス透過体4に占め
る触媒粒子3の割合が60質量%を超えると、セラミック
ス繊維1からなる繊維質成形体2中に占める粉末状物質
の割合が多くなって、ガス透過体4の強度が低下するた
め好ましくない。
【0040】このように形成されたガス透過体4は、窒
素酸化物及び有機塩素化合物を含む燃焼排ガスが、一方
の壁面から他方の壁面に、すなわちガス入口面5からガ
ス出口面7へ繊維質成形体2内部を貫通して流れるた
め、繊維質成形体2内部に略均一に分散担持された触媒
粒子3のほぼ全てが有効に機能する。
【0041】従来技術のハニカムのように、壁面に露出
した触媒及び壁面から20μmの深さまでの触媒しか機能
せず、ハニカムの流路内を通過した燃焼排ガス中の窒素
酸化物及び有機塩素化合物の多くが、触媒と接触するこ
となく排出されるのに比べ、本発明の実施の形態のガス
透過体4では、排ガス中に含まれる窒素酸化物及び有機
塩素化合物が触媒粒子3と接触して分解される機会が大
幅に増加する。換言すればハニカムの場合に必要な触媒
量に比べ、ガス透過体4では略3分の1から10分の1の触媒
量でハニカムと同等の窒素酸化物及び有機塩素化合物の
分解が可能となる。
【0042】このようにして形成されたガス透過体4を
使用すれば、燃焼排ガス中に含まれる粉塵は、ガス透過
体4のガス入口面5で捕捉され、ガス透過体4内部には侵
入しないため、ハニカムの場合のように、壁面に堆積し
た粉塵により触媒が粉塵に覆われてガスから遮断され、
触媒の機能が低下する現象も起こらない。ガス入口面5
の上流側に粉塵を捕捉することを目的としてフィルタエ
レメントを配置し、このフィルタエレメントのみ交換期
間を短くしてもよい。
【0043】ガス透過体4を構成する繊維は、少なくと
も500℃以上の耐熱性があり、燃焼排ガスに対する耐食
性があって、分厚い不織布状の繊維質成形体を形成でき
るものであれば如何なるセラミックス繊維も使用するこ
とができる。セラミックス繊維は、アルミナ、シリカ、
マグネシア、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素より
なる群から選ばれる1種以上を主成分とする。これらの
セラミックス繊維は耐熱性、耐食性及び市場性の点で優
れている。
【0044】また、ガス透過体4に分散担持される触媒
粒子3は、予め、五酸化バナジウムまたは三酸化タング
ステンとの親和性に優れた酸化チタンを担体とした触媒
粒子に成形したものを使用するとよい。
【0045】なお、触媒粒子3を分散担持させたセラミ
ックス繊維製ガス透過体4を製造する方法としては、例
えば、アルミナゾル、シリカゾル、チタンゾル等の金属
ゾルのいずれかの単一成分もしくはこれらの複合成分
と、澱粉等の界面活性剤からなる水溶液中に触媒粒子3
を加えて攪拌しつつ、セラミックス繊維を順次投入して
触媒粒子3とセラミックス繊維とのスラリー状混合液を
作り、セラミックス繊維同士及びセラミックス繊維と触
媒粒子3とを粘着せしめ、その後、固形分のみを捕捉し
液体成分を透過することのできる鋳型に流し込んで成形
し、乾燥処理の後、鋳型から取外し、焼成処理をして成
形体を得ることができる。
【0046】または、前記金属ゾル、界面活性剤、触媒
粒子からなる混合溶液中により多くのセラミックス繊維
を投入し、触媒粒子とセラミックス繊維からなる可塑性
のゲル状素材とし、その後、押出し成形もしくはプレス
成形し、乾燥処理及び焼成処理をして成形体を得てもよ
い。
【0047】以上説明したように、本発明の第1の実施
の形態である、触媒を担持したセラミックス繊維製のガ
ス透過体4は従来技術である触媒を担持したハニカムに
比べ、多くの利点を有する。
【0048】図2は、図1に示す角型板形状の、本発明
による触媒を担持したセラミックス繊維製ガス透過体4
から成形した、本発明の第2の実施の形態であるガス浄
化用フィルタ15を用いた除塵装置11を示す。除塵装置11
は粉塵を除去するだけでなく窒素酸化物及び有機塩素化
合物等の有害ガスを分解し浄化する。
【0049】窒素酸化物及び有機塩素化合物を含む燃焼
排ガスは、ガスダクト12を通り、アンモニア注入バルブ
19から注入されたアンモニアと混合し、ガス入口13から
装置内に導かれ、本発明によるガス透過体4(図1参
照)が板状に成形されて製作された複数のガス浄化用フ
ィルタ15を図中矢印で示すガス流入方向14に向かって通
過する。このときガス浄化用フィルタ15内部に分散担持
された触媒粒子3(図1参照)により、窒素酸化物及び
有機塩素化合物が分解されて無害化され、ガス浄化用フ
ィルタ15から流出する。ガス浄化用フィルタ15から流出
した無害化されたガスは、ガス集合部16を経て、ガス出
口17から図中矢印で示すガス流出方向18に排出される。
【0050】なお、有機塩素化合物を分解する目的のみ
に本除塵装置11を使用する場合は、アンモニアを注入す
る必要はない。なお、除塵装置11はガス浄化用フィルタ
15を収納する容器構造をしている。
【0051】また、本発明によるガス透過体から形成さ
れた、ガス浄化用フィルタ15のガス流れ方向の厚みは、
燃焼排ガス中に含まれる窒素酸化物及び有機塩素化合物
が、ガス浄化用フィルタ15中に分散担持された触媒と十
分に接触できる滞留時間を確保するため、少なくとも10
mm以上とすることが望ましい。
【0052】除塵装置11のガス入口13におけるガス温度
は、触媒が最も効率良く機能する温度範囲である300℃
±150℃の範囲で温度制御することが望ましく、さらに
は、燃焼排ガス中の亜硫酸ガスが酸化されて硫酸とな
り、この硫酸と注入したアンモニアとが反応して生成す
る硫酸アンモニウム塩が触媒を被毒する可能性を排除で
きる温度範囲として250℃以上とすることがより好まし
い。
【0053】また、本発明によるガス浄化用フィルタ15
は、従来技術である触媒を担持したハニカムに比べ、窒
素酸化物及び有機塩素化合物の分解能力が高く、従来複
数段設けていた触媒ゾーンは1段で十分その機能が発揮
できる。
【0054】図3は、触媒を担持したセラミックス繊維
製ガス透過体からなる本発明の第3の実施の形態である
ガス浄化用フィルタ21であるが、図1に示す板形状とは
異なり、両端が開放した円筒形状に成形したものであ
る。
【0055】窒素酸化物及び有機塩素化合物を含む燃焼
排ガスは、ガス入口部22から図中矢印で示すガス流入方
向23に流れ、円筒の円筒壁の内壁面24から円筒壁の外壁
面25に向かって図中矢印で示すガス流出方向26に向かっ
て流れ、円筒を構成するセラミックス繊維中に分散担持
された触媒により、燃焼排ガス中の窒素酸化物及び有機
塩素化合物は分解され無害化されて、外壁面25から流出
する。なお、この場合もガス透過体中に分散担持された
触媒と十分に接触できる滞留時間を確保するため、少な
くとも10mm以上の厚みを有する円筒形状とすることが望
ましい。
【0056】また、ガス透過体から成形されるガス浄化
用フィルタを、円筒形状とし一端が開放し、他端が閉止
した所謂キャンドル型とし、開放した端部を管板で支持
し、開放した端部を上部に、閉止した端部が下部になる
ようガス浄化用フィルタを垂下する構造としてもよい。
【0057】また、本発明によるガス透過体は、例えば
図1に示す板状に成形した場合、従来技術のハニカム構
成単位である図5のハニカム要素112と同一の縦、横、
高さ寸法にすることにより、既設の脱硝装置のハニカム
を撤去して、本発明によるセラミックス繊維製ガス透過
体に置き換えることもできる。このようにして置き換え
られたガス透過体は、ハニカムの場合に比べ、窒素酸化
物及び有機塩素化合物の分解機能が高いため、段構成の
ハニカム群を例えば1段構成としても、3段構成のハニ
カム群の場合と同一もしくはそれ以上の窒素酸化物及び
有機塩素化合物の分解能が得られる。
【0058】図4を参照して、中空円筒形状に形成され
たガス浄化用フィルタ35を備えた本発明の第4の実施の
形態である除塵装置31を説明する。除塵装置31内部に
は、通気性を有するセラミックス繊維製ガス透過体4
(図1参照)から成形した中空円筒形状のガス浄化用フ
ィルタ35が、互いに平行に、かつ鉛直に30本配列されて
いる。各ガス浄化用フィルタ35は、その両端部を、同じ
く除塵装置31内に設けられた上部管板47、下部管板48に
よって支持されている。上部管板47、下部管板48のガス
浄化用フィルタ35を支持する支持部は適宜な方法によっ
てシールされている。
【0059】本発明のガス浄化用フィルタ35に用いられ
るセラミックス繊維1(図1参照)としては、不織布に
できるものであれば特に制限はないが、500℃程度の耐
熱性と排ガスに対する耐食性を有するものとすると、ガ
ス浄化用フィルタ35が耐久性を有するので好ましい。
【0060】セラミックス繊維1の材質がアルミナ、シ
リカ、マグネシア、ジルコニア、炭化ケイ素及び窒化ケ
イ素からなる群から選ばれる1種以上を成分とするもの
であれば、耐食性、入手性などの点から好ましい。ま
た、セラミックス繊維1は、全質量の50〜100%が、繊維
径が 1〜10μmの範囲にあり、かつ繊維長が10mm以上で
あるものとすると、ガス浄化用フィルタ35を形成したと
きに、ガス浄化用フィルタ35の強度が高くなるため好適
である。
【0061】なお、ガス浄化用フィルタ35を構成するセ
ラミックス繊維1間には、酸化チタンを担体とした三酸
化タングステンをガス浄化用フィルタ35全質量に対して
50質量%になるように担持した、本発明の金属酸化物触
媒粒子としての触媒粒子3(図1参照)が保持されてい
る。触媒粒子3は、ガス浄化用フィルタ35全質量に対し
て20〜60質量%であることが好ましい。20質量%未満で
あると、含塵ガスDG中の有害ガス成分(窒素酸化物、有
機塩素化合物、炭化水素、一酸化炭素等)が触媒粒子3
と十分に接触せずに通過してしまい、有害ガス成分のま
ま放出されてしまうため好ましくない。一方、60質量%
を超えると、ガス浄化用フィルタ35中のセラミックス繊
維の割合が低下するため、ガス浄化用フィルタ35の強度
が低下し好ましくない。
【0062】本実施の形態のガス浄化用フィルタ35に用
いられる触媒粒子3は、セラミックス繊維間に保持され
ていることが必要である。触媒粒子3は、含塵ガスDGに
含まれるガス成分に応じて適宜選択される。例えば、含
塵ガスDG中の炭化水素、一酸化炭素などの可燃性成分を
酸化して無害化するためには、白金やパラジウムを含む
金属酸化物粒子触媒が用いられる。特に廃棄物焼却設備
等から排出される含塵ガスDGを処理する除塵装置では、
酸化チタンを担体とし、三酸化タングステン及び/また
は五酸化バナジウムを主成分とする酸化物を担持させた
ものを金属酸化物触媒粒子とすると、ダイオキシン類を
分解することができダイオキシン類対策の点から好適で
ある。
【0063】触媒粒子3の平均粒子径としては、0.1〜20
μmが好ましい。触媒粒子3の平均粒子径が0.1μm未満
であると、セラミックス繊維1間に担持される触媒粒子3
が少なくなるため好ましくない。一方、触媒粒子3の平
均粒子径が20μmを超えると、スラリーを経由してガス
浄化用フィルタ35を製造する際に触媒粒子3が沈降しや
すくなり、セラミックス繊維1間に担持される触媒粒子3
の量が少なくなるため好ましくない。
【0064】本実施の形態の場合、図に示すように上部
管板47、下部管板48によって支持されたガス浄化用フィ
ルタ35の群が1段階配置されているが、上部管板47及び
下部管板48を複数枚とすることによりガス浄化用フィル
タ35を鉛直上下方向に複数段配置してもよい。または、
ガス浄化用フィルタ35の長さ、本数などを適宜変更する
ことでも対応できる。装置外壁49には、含塵ガスDGが入
り込むガス入口33と清浄ガスCGが出ていくガス出口37が
設けられている。また、下部管板48には、ダスト51を集
積する集積手段としてのダストホッパ50が取付けられて
いる。ダストホッパの最下部にはダスト取出口57が取り
付けられている。
【0065】本実施の形態の場合、ガス浄化用フィルタ
35は、成分がAlO45%、SiO55%で、平均繊維径が
2μm、長さ10mmのセラミックス繊維1を不織布にしたも
のである。ガス浄化用フィルタ35は、外径17cm、内径14
cm、長さ200cmの中空円筒であり、気孔率が90%のもの
である。前述のようにこのガス浄化用フィルタ35が除塵
装置31内に30本配列してある。
【0066】ガス浄化用フィルタ35の気孔率が75〜95%
であると触媒粒子3の担持量が多くなっても、圧力損失
の上昇が小さいため好ましい。ガス浄化用フィルタ35の
気孔率が75%未満であると単位容積あたりのセラミック
ス繊維1の充填密度が大きくなるため、ガス浄化用フィ
ルタ35の壁を通過するガスの圧力損失が増大し、排ガス
系統(図示せず)に能力の大きな送風機(図示せず)を
必要とし、設備費用、運転費用の上昇を招く。一方、ガ
ス浄化用フィルタ35の気孔率が95%を超えると単位容積
あたりのセラミックス繊維の充填密度が小さくなり、ガ
ス浄化用フィルタ35の機械的強度が不足するため、除塵
装置としての耐久性の点で問題がある。
【0067】本除塵装置31では、含塵ガスDGがガス入口
33から各ガス浄化用フィルタ35の内壁面35Aに導入され
る。そして、ガス浄化用フィルタ35の壁を内壁面35Aか
ら入り外壁面35Bから出て通過する際に、ガス浄化用フ
ィルタ35の内壁面35Aにおいて粉塵としてのダスト51
(未燃焼カーボン等)が捕集される。この場合、大きな
ダスト51は慣性と重力により下方に落下し、ダストホッ
パ50に集められる。また、小さなダスト51も多くは凝集
して下方に落下するが、小さなダスト51の一部はガス浄
化用フィルタ35の内壁面35Aに堆積し(堆積したダスト
は図示せず)、ガスの通過圧力損失を増大させる。
【0068】除塵装置31は、逆洗浄装置52を備える。逆
洗浄装置52は、空気や窒素ガス等の洗浄ガスを圧送する
送風機53と、洗浄ガスを蓄えるタンク54と、ガス出口37
に設けられたノズル55と、ノズル55とタンク54をつなぐ
洗浄ガス供給ライン56を含んで構成される。
【0069】ガス浄化用フィルタ35の内壁面35Aに堆積
したダスト51は、定期的に逆洗をすることにより、取除
くことができる。逆洗は、ガス出口37のノズル55から洗
浄ガスを逆流圧送し、ガス浄化用フィルタ35の内壁面35
Aに堆積したダストを払い落とすことによりなされる。
本実施の形態では、ガス入口33とガス出口37の圧力差が
300mmAqを超えたときに、瞬間的に洗浄ガスを逆流圧送
し逆洗を行う。
【0070】さらに含塵ガスDGに含まれている有害ガス
成分は、ガス浄化用フィルタ35の壁を内側から外側に通
過する際に、ガス浄化用フィルタ35のセラミックス繊維
1間に担持された触媒粒子3と接触することにより無害化
される。本除塵装置31では、触媒粒子3の担持量が多い
ので、触媒作用が長期間持続する。こうして得られた清
浄ガスCGは、ガス出口37から流出する。
【0071】なお、本実施の形態では、ガス処理量が約
700Nm/hであり、ガス浄化用フィルタ35の壁の平均濾
過ガス流速が約1.75cm/sである。本除塵装置31に、含
塵ガスとしての、ダイオキシンを含む燃焼排ガスを導入
しダイオキシン濃度を測定した。その結果、ガス入口33
の平均ダイオキシン濃度が2ng-TEQ(TEQは、Toxic Equi
valentsの略である)に対し、ガス出口37での平均ダイ
オキシン濃度は、0.02ng-TEQと百分の1に低減している
のが確認された。また、燃焼排ガスに含まれているダス
トが、ガス浄化用フィルタ35で捕捉除去されてダストホ
ッパ50に堆積しているのが確認された。
【0072】本実施の形態の除塵装置31のガス浄化用フ
ィルタを気孔率40%のコージェライト質焼結体のものに
変更し、その外面に本実施の形態の除塵装置31と異なる
種類(担体である酸化チタンは同じ)、異なる量(酸化
チタン分の量は同じ)の触媒を担持させ、他は本実施の
形態の除塵装置31と同一の仕様とし、同一の含塵ガスに
て試験を行った。その結果、ガス処理量が本実施の形態
の除塵装置31の約1/3に低下した。また清浄ガスCGのガ
ス出口37での平均ダイオキシン濃度も1.6ng-TEQと有害
ガスの処理程度が本実施の形態の除塵装置31に比べて悪
化していることが確認された。
【0073】なお、本実施の形態の除塵装置31が取り扱
う含塵ガスDG中の有害ガス成分が複数ある場合には、主
要なガス成分をガス浄化用フィルタ35の金属酸化物触媒
粒子で処理し、残りのガス成分を他のガス処理装置で処
理するようにしてもよい。例えば、廃棄物焼却設備等か
ら排出される含塵ガスDG中にダイオキシン類の他にNOX
が含まれている場合には、主としてダイオキシン類を金
属酸化物触媒粒子で処理し、NOXの残留量をさらに減ら
す追加対策としてアンモニア注入装置をガス入口33上流
やガス出口37下流に設けるようにしてもよい。
【0074】また、触媒粒子3を担持させたセラミック
ス繊維1製のガス浄化用フィルタ35を製造する方法とし
ては、無機系接着剤、有機バインダー、表面処理材など
を含む溶液の中に、金属酸化物の触媒粒子3とセラミッ
クス繊維1を分散させながら投入してガス浄化用フィル
タ作成用スラリーを調製し、該スラリーを多孔質製の型
に流し込み、乾燥後、型から脱型し焼成する方法などが
ある。触媒粒子3とセラミックス繊維1間、セラミックス
繊維1同士を結合するために使用される無機系接着剤と
しては、特に制限がないが、金属酸化物ゲルを使用する
と触媒機能を損なわずガス浄化用フィルタ35を成形でき
る点で好ましい。
【0075】本除塵装置31によれば、含塵ガスDGがガス
浄化用フィルタ35の内側に導入される。含塵ガスDGをガ
ス浄化用フィルタ35の内側に導入することにより含塵ガ
スDGの導入圧力を高めることができるともに、ガス浄化
用フィルタ35の内壁面35Aに捕集されたダストを除去す
ることが容易となる。
【0076】本除塵装置31は、1つの装置で除塵と有害
ガス処理の両方ができるため、除塵装置と有害ガス処理
装置を別々に設置・運転する場合に比べ、装置の設置ス
ペースを節約でき、装置間をつなぐ配管類も不要であ
り、経済的な負担も小さい。また2つの装置を運転する
場合に比べ、装置全体の操作性、メンテナンス性も向上
する。
【0077】さらに本除塵装置31では、ガス浄化用フィ
ルタ35をセラミックス焼結体ではなく、セラミックス繊
維1で構成しているため、ガス浄化用フィルタ35の気孔
率を大きくし、75%以上95%以下とすることができる。
したがって、圧力損失の上昇を抑えながら触媒量を多く
することができるため、大量のガスを除塵する能力と、
含塵ガスDG中に含まれる有害ガスを無害化する能力とを
両立させた除塵装置を提供できる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガス透過
体によれば、金属酸化物触媒粒子を保持したセラミック
ス繊維製ガス透過体の内部を、例えば窒素酸化物及び有
機塩素化合物を含む燃焼排ガス等のガスが貫通すること
になるので、ガス透過体の内部に分散担持せしめた触媒
のほぼ全てが、ガスと遮断されることなく接触し有効に
機能することとなり、少ない触媒量であっても、燃焼排
ガス中の窒素酸化物及び有機塩素化合物等を実用上十分
なレベルまで低減することが可能である。
【0079】さらに、触媒を担持した従来方式のハニカ
ムに比べ、相対的に少ない容積の中に燃焼排ガスを通過
せしめ、かつ従来以上に効率良く、例えば窒素酸化物及
び有機塩素化合物等のガスを分解することができるた
め、装置を小型化することができ、触媒の使用量低減と
相俟って、装置の製作コスト低減に大きく貢献する。
【0080】また、燃焼排ガス等のガス中に含まれる粉
塵は、本発明によるガス透過体の壁面で捕捉され、ガス
透過体内部には粉塵が浸透することがないので、触媒を
担持した従来方式のハニカムのように、触媒が燃焼排ガ
ス中の粉塵に覆われて触媒機能が損なわれるような現象
が起こらず、長期間にわたり、高い触媒機能を維持し続
けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る板状に成形し
たセラミックス繊維製のガス透過体の斜視図である。
【図2】図1の板状セラミックス繊維製ガス透過体から
なるガス浄化用フィルタを組込んだ本発明の第2の実施
の形態に係る除塵装置の組立段面図兼系統図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る両端が開放し
た円筒形状のセラミックス繊維製ガス透過体の斜視図で
ある。
【図4】中空円筒形状のセラミックス繊維製ガス透過体
からなるガス浄化用フィルタを組込んだ第4の実施の形
態に係る除塵装置の組立段面図兼系統図である。
【図5】触媒を担持した従来のハニカムの斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 セラミックス繊維 2 繊維質成形体 3 触媒粒子 4 ガス透過体 5 ガス入口面 6 ガス流入方向 7 ガス出口面 8 ガス流出方向 11、31 除塵装置 12 ガスダクト 13、33 ガス入口 14 ガス流入方向 15、35 ガス浄化用フィルタ 16 ガス集合部 17、37 ガス出口 18 ガス流出方向 19 アンモニア注入バルブ 21 ガス浄化用フィルタ 22 ガス入口部 23 ガス流入方向 24 内壁面 25 外壁面 26 ガス流出方向 47 上部管板 48 下部管板 49 装置外壁 50 ダストホッパ 51 ダスト 52 逆洗浄装置 57 ダスト取出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 35/02 B01J 37/00 A 35/06 ZAB B01D 53/36 ZABC 37/00 104A 104B (72)発明者 山崎 征彦 東京都目黒区自由が丘1−3−5 (72)発明者 後藤 嘉彦 静岡県浜松市新都田1−8−1 Fターム(参考) 4D019 AA01 BA05 BB06 BB10 BC07 CA03 CB02 CB06 4D048 AA06 AA14 AB03 BA01X BA01Y BA03X BA03Y BA06X BA07X BA07Y BA08X BA08Y BA10X BA10Y BA23X BA23Y BA27X BA27Y BA41X BA41Y BA46X BA46Y BB08 BB17 CC40 CD03 CD05 4D058 JA02 JA12 JB06 JB22 JB24 MA15 TA06 4G069 AA03 AA08 AA12 AA15 BA01A BA01B BA02A BA02B BA04A BA04B BA05A BA05B BA06A BA06B BA13A BA13B BA37 BB11A BB11B BB15A BB15B BC54A BC54B BC60A BC60B BD04A BD04B BD05A BD05B BD06A BD06B CA02 CA04 CA10 CA13 CA18 EA03X EA03Y EA09 EB18X EB18Y FA03 FA06 FB66

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス繊維で構成され、かつ前記セ
    ラミックス繊維間に金属酸化物触媒粒子が保持されてい
    ることを特徴とする;ガス透過体。
  2. 【請求項2】前記金属酸化物触媒粒子が酸化チタン担体
    に三酸化タングステン及び五酸化バナジウムのうち少な
    くとも一方を主成分とする金属酸化物を担持させたもの
    である;請求項1に記載のガス透過体。
  3. 【請求項3】前記金属酸化物触媒粒子の平均粒子直径が
    0.1μm以上20μm以下である;請求項1または請求項
    2に記載のガス透過体。
  4. 【請求項4】前記セラミックス繊維が、アルミナ、シリ
    カ、マグネシア、ジルコニア、炭化ケイ素、及び窒化ケ
    イ素よりなる群から選ばれる1種以上を主成分とする;
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガス透過
    体。
  5. 【請求項5】気孔率が75%以上95%以下である請求項1
    から請求項4のいずれか1項に記載のガス透過体。
  6. 【請求項6】アルミナゾル、シリカゾル、またはチタン
    ゾルのうち少なくとも1つを成分とする金属ゾル溶液中
    に、前記セラミックス繊維及び前記金属酸化物触媒粒子
    を分散させ、次に前記溶液を鋳型内に鋳込み、乾燥後前
    記鋳型から脱型させ、さらに焼成することを特徴とす
    る;請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガス
    透過体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1から請求項5のいずれか1項に記
    載のガス透過体からなるガス浄化用フィルタを備え;前
    記ガス浄化用フィルタが通気性を有し;前記ガス浄化用
    フィルタの一方の面より含塵ガスを導入し、前記ガス浄
    化用フィルタの壁を通過させ他方の面より清浄ガスを取
    り出すよう構成された;除塵装置。
  8. 【請求項8】前記ガス浄化用フィルタが中空円筒形状に
    形成され;前記一方の面が前記中空円筒の内壁面であ
    り、前記他方の面が前記中空円筒の外壁面である;請求
    項7に記載の除塵装置。
  9. 【請求項9】前記内壁面に付着した粉塵を逆洗により除
    去する逆洗浄手段を備えた;請求項7または請求項8に
    記載の除塵装置。
  10. 【請求項10】前記ガス浄化用フィルタの鉛直方向下方
    に配置され、前記含塵ガスより除去した粉塵を集積する
    集積手段を備えた;請求項7から請求項9のいずれか1
    項に記載の除塵装置。
  11. 【請求項11】前記ガス浄化用フィルタの全質量に対
    し、前記金属酸化物触媒粒子の質量が20質量%から60質
    量%の間である;請求項7から請求項10のいずれか1
    項に記載の除塵装置。
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