JP2001243215A - 2次元電磁界シミュレーション方法 - Google Patents
2次元電磁界シミュレーション方法Info
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Abstract
次元電磁界シミュレーションを高い精度で行う方法を提
供すること。 【解決手段】平面内に誘電率ε1の第1の媒質と、誘電
率ε2の第2の媒質とが直線を境界として接し、そこに
2次元電磁波が存在する場合に、格子点を前記境界に平
行及び垂直に2次元配置し、前記境界に平行(垂直)な
電界成分が割り当てられる格子点に割り当てる誘電率ε
p(εO)を、εp=(r1ε1+r 2ε2)/(r1+r
2)と1/εO=(s1/ε1+s2/ε2)/(s1+s2)
とで表されるものとし、このεp(εO)を用いて前記
境界に平行(垂直)な電界成分の時間変化を計算する2
次元電磁界シミュレーション方法を構成する。ここに、
r1とr2(s1とs2)は前記格子点を中心とする、
前記境界に平行あるいは垂直な辺のみを持つ4辺形の単
位格子中の第1の媒質と第2の媒質の面積である。
Description
算によって求める電磁界シミュレーション方法に関し、
特に2次元電磁波の2次元電磁界シミュレーション方法
に関する。
ている。その中で、情報のキャリアとしての電磁波の利
用は、ますます、高度化している。具体的には、光導波
路やアンテナをそれぞれの目的に合わせ、精密に設計す
ることが必要とされるようになってきている。
境の中での電磁界の時間変化を詳細にシミュレーション
することが求められている。そのような目的の為に使用
される手法の一つとして時間領域差分法(Yee, K. S.,
“Numerical solution of initial boundary value pro
blems involving Maxwell's equations in isotropicme
dia,”IEEE Transactions on Antennas and Propagatio
n, Vol. Ap-14, pp. 302-307, 1966 に記載)がある。こ
の手法は、電磁界の時間変化を記述する基本方程式であ
るマクスウェル(Maxwell)の方程式を、イー格子(Yee
格子)と呼ばれる格子を用いて空間的に差分化し、電
磁界の時間変化を追跡しようとするものである。この手
法を用いて空間の離散化に用いる格子点間隔を十分小さ
くすることにより、電磁界の時間変化の詳細なシミュレ
ーションが可能である。
ーションを行う装置主要部の機能ブロック図である。図
において、1はシミュレーション用基礎データと各種パ
ラメタを入力するための入力装置であり、3は電磁界シ
ミュレーションを行う演算装置であり、2は入力装置1
からの入力情報や演算装置3からの演算結果等を記憶す
る記憶装置であり、4は記憶装置2の記憶情報をシミュ
レーション結果として出力するための出力装置である。
図中、太い矢印はデータの流れを示している。
初期の電磁界成分や計算に必要な時間ステップ等のパラ
メタが入力装置1から入力され、記憶装置2に記憶され
る。演算装置3において、記憶装置2に記憶されている
電磁界成分のデータと誘電率分布のデータから次の時間
ステップでの電磁界成分データが求められる。求められ
た電磁界成分データは再び記憶装置2に記憶され、さら
に次の時間ステップの電磁界成分を求めるために使用さ
れる。記憶装置2に記憶された電磁界成分データは、必
要に応じて、出力装置4から出力させることができる。
2次元電磁界シミュレーション方法に従って、1つの平
面に平行な交流磁界成分を持たない2次元電磁波が該平
面に存在する場合に、該電磁波の該平面における電磁界
が、数値計算によって求められている。この場合の「2
次元電磁波」は、電磁波そのものが前記の平面内に限ら
れているものを意味するのではなく、その電磁界の振動
が該平面に垂直な方向の距離には依存していないような
3次元電磁波を意味している。
2次元電磁界シミュレーション方法において、シミュレ
ーション領域の誘電率が空間的に一様な場合は、シミュ
レーションの誤差は、空間離散化に用いるセル幅(たと
えば、イー格子の格子定数)の2乗に比例して減少す
る。このことは、時間領域差分法は“二次精度”と表現
される。
る場合、上記時間領域差分法は一般に“二次精度”とは
ならない。そこで、セル幅を順次小さくしてシミュレー
ションを行っても、結果が一定の値に収束するのに時間
がかかり、シミュレーションの精度が向上しにくい。
あり、誘電率が空間内で不連続的に変化する場合の2次
元電磁界シミュレーションを高い精度で行う方法を提供
することを目的とする。
に、本発明においては、請求項1に記載のように、1つ
の平面内に、透磁率μ、誘電率ε1を有する第1の媒質
と、透磁率μ、誘電率ε2を有する第2の媒質とが1つ
の直線を境界として接し、前記平面内に、前記平面に平
行な交流磁界成分を持たない電磁波が存在する場合に、
前記平面と等価な仮想平面を前記平面と同一視し、前記
仮想平面内に、格子点を前記境界に平行な方向及び垂直
な方向に2次元配置して2次元格子を形成し、前記格子
点に、それぞれの格子点における、前記境界に平行な電
界成分及び該電界成分の時間変化の計算に用いる誘電
率、前記境界に垂直な電界成分及び該電界成分の時間変
化の計算に用いる誘電率、前記平面に垂直な磁界成分の
うちの1つ以上を割り当て、前記電磁波の電磁界の時間
変化を数値計算によって求める2次元電磁界シミュレー
ション方法であって、前記境界に平行な電界成分が割り
当てられる格子点及び前記境界に垂直な電界成分が割り
当てられる格子点が、それぞれ、前記2次元格子の、前
記境界に平行あるいは垂直な辺のみを持つ4辺形単位格
子の中心となるようにし、前記境界に平行な電界成分が
割り当てられる格子点が中心となっている前記単位格子
中の前記第1の媒質及び前記第2の媒質の面積を、それ
ぞれ、r1及びr 2とし、前記境界に垂直な電界成分が
割り当てられる格子点が中心となっている前記単位格子
中の前記第1の媒質及び前記第2の媒質の面積を、それ
ぞれ、s1及びs2とし、前記境界に平行な電界成分が
割り当てられる格子点に割り当てられる、該電界成分の
時間変化の計算に用いる誘電率として、 εp =(r1ε1+r2ε2)/(r1+r2) で表されるεpを用い、前記境界に垂直な電界成分が割
り当てられる格子点に割り当てられる、該電界成分の時
間変化の計算に用いる誘電率として、 1/εO =(s1/ε1+s2/ε2)/(s1+s2) で表されるεOを用いることを特徴とする2次元電磁界
シミュレーション方法を構成する。
のように、1つの平面内に、透磁率μ、誘電率ε1を有
する第1の媒質と、透磁率μ、誘電率ε2を有する第2
の媒質とが1つの直線を境界として接し、前記平面内
に、前記平面に平行な交流磁界成分を持たない電磁波が
存在する場合に、前記平面と等価な仮想平面を前記平面
と同一視し、前記仮想平面内に、前記境界に平行なy軸
と前記境界に垂直なx軸とを設け、i、jを整数とし、
Δx、Δyを正の定数とし、前記仮想平面内に、x座標
がiΔxでありy座標がjΔyである第一のタイプの格
子点(i,j)、x座標がiΔxでありy座標が(j+
1/2)Δyである第二のタイプの格子点(i,j+1/
2)、及び、x座標が(i+1/2)Δxでありy座標
がjΔyである第三のタイプの格子点(i+1/2,
j)を配置し、前記第一のタイプの格子点(i,j)
に、該格子点における、x方向とy方向とに垂直な磁界
成分Hz(i,j)を割り当て、前記第二のタイプの格
子点(i,j+1/2)に、該格子点におけるx方向電
界成分Ex(i,j+1/2)及び該電界成分の時間変化
の計算に用いる誘電率ε(i,j+1/2)を割り当て、
前記第三のタイプの格子点(i+1/2,j)に、該格
子点におけるy方向電界成分Ey(i+1/2,j)及び
該電界成分の時間変化の計算に用いる誘電率ε(i+1/
2,j)を割り当て、前記2次元電磁波の電磁界の時間
変化を数値計算によって求める2次元電磁界シミュレー
ション方法において、前記第三のタイプの格子点(i+
1/2,j)のうちで前記境界までの距離が最小である
格子点を近傍平行電界格子点と呼び、その最小である距
離をdpとし、前記第二のタイプの格子点(i,j+1
/2)のうちで前記境界までの距離が最小である格子点
を近傍垂直電界格子点と呼び、その最小である距離をd
Oとし、前記近傍平行電界格子点(i+1/2,j)に
割り当てる誘電率ε(i+1/2,j)として、 εp =((2dp+dO)εi+dOεe)/(2(dp+d
O)) (ここに、εiは前記近傍平行電界格子点が配置されて
いる媒質の誘電率であり、εeはεiと異なる誘電率、
すなわち、εiがε1と等しければε2、εiがε2と
等しければε1である)で表されるεpを用い、前記近
傍垂直電界格子点(i,j+1/2)に割り当てる誘電
率ε(i,j+1/2)として、 1/εO =((2dO+dp)/εi+dp/εe)/(2(d
p+dO)) (ここに、εiは前記近傍垂直電界格子点が配置されて
いる媒質の誘電率であり、εeはεiと異なる誘電率、
すなわち、εiがε1と等しければε2、εiがε2と
等しければε1である)で表されるεOを用い、前記近
傍平行電界格子点と前記近傍垂直電界格子点とを除く第
二のタイプの格子点(i,j+1/2)及び第三のタイ
プの格子点(i+1/2,j)のそれぞれに割り当てる
誘電率ε(i,j+1/2)及びε(i+1/2,j)とし
て、該格子点のそれぞれが配置されている媒質の誘電率
を用いることを特徴とする2次元電磁界シミュレーショ
ン方法を構成する。
のように、前記Hz(i,j)、Ex(i,j+1/
2)、ε(i,j+1/2)、Ey(i+1/2,j)及び
ε(i+1/2,j)を、コンピュータハードウエア資源
であるメモリに、数値として蓄え、該数値を引き出して
計算に用いることを特徴とする請求項2に記載の2次元
電磁界シミュレーション方法を構成する。
に透磁率μ、誘電率ε1を有する第1の媒質と、透磁率
μ、誘電率ε2を有する第2の媒質とが1つの直線を境
界として接し、前記平面内に、電界の振動が前記平面内
にある2次元電磁波が存在する場合を対象とし、前記平
面と等価な(すなわち、2点間の距離を不変とする写像
の像となる)仮想平面を前記平面と同一視し、前記仮想
平面内に、格子点を、前記境界に平行な方向及び垂直な
方向に2次元配置して2次元格子を形成し、前記格子点
に、それぞれの格子点における、前記境界に平行な電界
成分及び該電界成分の時間変化の計算に用いる誘電率、
前記境界に垂直な電界成分及び該電界成分の時間変化の
計算に用いる誘電率、前記平面に垂直な磁界成分のうち
の1つ以上を割り当て、前記2次元電磁波の電磁界の時
間変化を数値計算によって求める。 (実施の形態1)つぎに、請求項1に係る発明の1つの
実施の形態を説明する。
る格子を図3に示す。この格子は、NaCl(100)
面型格子であり、図3に示したように、タイプaの格子
点とタイプbの格子点とが媒質境界に平行な方向及び垂
直な方向に沿って、交互に、2次元配置されて構成され
ている。
垂直なx軸とを設け、両軸の交点(座標の原点)をタイ
プaの格子点の1つに一致させ、i、jを整数あるいは
半整数(整数に1/2を加えた数)とし、Δx、Δyを
正の定数とすれば、タイプaの格子点は格子点(i,
j)(ただし、i+jは整数)と表され、タイプbの格
子点は格子点(i,j)(ただし、i+jは半整数)と
表され、いずれの格子点のx座標及びy座標も、それぞ
れ、iΔx及びjΔyと表される。
点(i,j)には、該格子点におけるx方向電界成分E
x(i,j)及び該電界成分の時間変化の計算に用いる
誘電率εx(i,j)と、該格子点におけるy方向電界
成分Ey(i,j)及び該電界成分の時間変化の計算に
用いる誘電率εy(i,j)とを割り当て、タイプbの
格子点(i,j)には、該格子点における磁界のx軸と
y軸とに垂直な成分H z((i,j)を割り当てる。
方向)の電界成分Ez、x方向の磁界成分Hxとy方向
の磁界成分Hy(より正確には、それぞれの交流成分)
は常に0とする。
った位置に割り当てられるが、時間的にも、前記仮想平
面に時間の次元を加えてなる仮想3次元空間中の異なっ
た位置に割り当てられる。例えば、磁界が、離散化され
た時刻t1、t2、…tn− 1、tn、tn+1、…に
割り当てられるとすると、電界はt1/2、t1+1
/2、t2+1/2、…tn−1/2、tn+1/2、
tn+3/2、…というように、磁界は、電界成分が割
り当てられた時刻の中間の時刻に割り当てられる。
格子点と離散化された時刻の組に対応するメモリ領域に
記憶される。記憶された電磁界成分から次の時刻の電磁
界は次の演算式(マクスウェルの方程式における微分演
算を差分演算に置き換えたものから導かれる)により求
められる。
肩に付けられたn−1/2、n、n+1/2、n+1は、
その電磁界成分が、それぞれ、時刻tn−1/ 2、
tn、tn+1/2、tn+1において各格子点に割り
当てられるものであることを示す。また、分母に現れる
Δx及びΔyは、その上にある分子における2つの電磁
界成分が割り当てられている2格子点間のx座標差の絶
対値及びy座標差の絶対値である。
るが、前の時刻の電界データを次の時刻の電界データで
置き換えても、或いは、前の時刻の磁界データを次の時
刻の磁界データで置き換えても、以後の時刻の電磁界の
計算には支障はない。それは、式(1)、(2)、(3)
で示されるように、電界の計算と磁界の計算が交互に行
われているからである。
行な電界成分が割り当てられる格子点と媒質境界線に垂
直な電界成分が割り当てられる格子点とは一致してタイ
プaの格子点であり、それは図3に示してあるように、
必ず、前記2次元格子の、媒質境界線に平行あるいは垂
直な辺のみを持つ4辺形単位格子の中心となっている。
平行あるいは垂直な辺のみを持つ4辺形単位格子の中心
が媒質境界線に平行な電界成分が割り当てられる格子点
あるいは媒質境界線に垂直な電界成分が割り当てられる
格子点となっているとき、媒質境界線に平行な電界成分
が割り当てられる格子点が中心となっている第1の単位
格子中で、誘電率ε1を有する第1の媒質が占める面積
をr1、誘電率ε2を有する第2の媒質が占める面積を
r2とし、媒質境界線に垂直な電界成分が割り当てられ
る格子点が中心となっている第2の単位格子中で、誘電
率ε1を有する第1の媒質が占める面積をs1、誘電率
ε2を有する第2の媒質が占める面積をs2とすると、
第1の単位格子中の媒質の、媒質境界線に平行な電界に
対する平均誘電率εpは、式 εp =(r1ε1+r2ε2)/(r1+r2) (4) を満足し、第2の単位格子中の媒質の、媒質境界線に垂
直な電界に対する平均誘電率εOは、式 1/εO =(s1/ε1+s2/ε2)/(s1+s2) (5 ) を満足する。そこで、請求項1の記載に従って、第1の
単位格子の中心、すなわち、媒質境界線に平行な電界成
分が割り当てられる格子点(本実施の形態においては、
タイプaの格子点(i,j))に、式(4)で表される
εpを(本実施の形態においては、εy(i,j)とし
て)割り当て、第2の単位格子の中心、すなわち、媒質
境界線に垂直な電界成分が割り当てられる格子点(本実
施の形態においては、タイプaの格子点(i,j))
に、式(5)で表されるεOを(本実施の形態において
は、εx(i,j)として)割り当てることは、きわめ
て妥当なことであり、これが本発明の特徴となってい
る。
及び第2の単位格子は同じものであり、r1=s1、r
2=s2である。
子の大多数において、r1あるいはr2は0に等しく、
s1あるいはs2は0に等しく、したがって、εp及び
εOの大多数はε1あるいはε2に等しい。 (実施の形態2)つぎに、請求項2に係る発明の1つの
実施の形態を説明する。
子点として3種類が存在する。それらの格子点を図8に
示す。図に示したように、上記仮想平面内に、直交座標
軸として、x軸、y軸を設定し、y軸を媒質境界に平行
なものとする。そして、y軸に平行・等間隔(間隔△
x)な直線(yライン)を設け、そのyラインに、x座
標の小さい方から1、2、3、…i、i+1、…(iは
整数)と番号を付ける。そして、番号iのyラインのx
座標がi△xとなるように、座標の原点をとるものとす
る。また、x軸に平行・等間隔(間隔△y)な直線(x
ライン)を設け、そのxラインに、y座標の小さい方か
ら1、2、3、…j、j+1、…(jは整数)と番号を
付ける。そして、番号jのxラインのy座標がj△yと
なるよう座標の原点をとるものとする。
交点であり、それがyラインiとxラインjの交点の場
合、その格子点を(i,j)と示すこととする。
子点をy方向にライン間隔△yの半分だけ移動した格子
点で、(i,j+1/2)のように記述される。
子点をx方向にライン間隔△xの半分だけ移動した格子
点で、(i+1/2,j)のように記述される。
子点における、x方向とy方向とに垂直な磁界成分Hz
(i,j)を割り当て、第二のタイプの格子点(i,j
+1/2)に、該格子点におけるx方向電界成分E
x(i,j+1/2)と、該電界成分の時間変化の計算に
使用する誘電率ε(i,j+1/2)とを割り当て、第三
のタイプの格子点(i+1/2,j)に、該格子点にお
けるy方向電界成分Ey(i+1/2,j)と、該電界成
分の時間変化の計算に使用する誘電率ε(i+1/2,
j)とを割り当てる。
方向)の電界成分Ez、x方向の磁界成分Hxとy方向
の磁界成分Hy(より正確には、それぞれの交流成分)
は常に0とする。
のデータは、記憶装置2中の、格子点と離散化された時
刻の組に対応するメモリ領域に記憶され、記憶された電
磁界成分から次の時刻の電磁界は次の演算式(マクスウ
ェルの方程式における微分演算を差分演算に置き換えた
ものから導かれる)により求められる。
肩に付けられたn−1/2、n、n+1/2、n+1は、
その電磁界成分が、それぞれ、時刻tn−1/ 2、
tn、tn+1/2、tn+1において各格子点に割り
当てられるものであることを示す。また、分母に現れる
Δx及びΔyは、その上にある分子における2つの電磁
界成分が割り当てられている2格子点間のx座標差の絶
対値及びy座標差の絶対値である。
に平行な電界成分が割り当てられる格子点(いまの場
合、第三のタイプの格子点(i+1/2,j))のうちで
媒質境界までの距離が最小である格子点を近傍平行電界
格子点と呼び、その最小である距離をdpとし、媒質境
界に垂直な電界成分が割り当てられる格子点(いまの場
合、第二のタイプの格子点(i,j+1/2))のうち
で媒質境界までの距離が最小である格子点を近傍垂直電
界格子点と呼び、その最小である距離をdOとする。
に平行な電界成分の時間変化を計算する場合に使用する
誘電率として、下記の式で表されるεpを用いる。
る媒質の誘電率(図8においてはε1)であり、εeは
εiと異なる誘電率(εiがε1と等しければε 2、ε
iがε2と等しければε1、図8においてはε2)であ
る。このようなε pの設定は、従来技術においても行わ
れている。
媒質境界に垂直な電界成分の時間変化を計算する場合に
使用する誘電率として、下記の式で表されるεOを用い
る。 1/εO =((2dO+dp)/εi+dp/εe)/(2(dp+dO)) (1 0) ここに、εiは前記近傍垂直電界格子点が配置されてい
る媒質の誘電率(図8においてはε2)であり、εeは
εiと異なる誘電率(εiがε1と等しければε 2、ε
iがε2と等しければε1、図8においてはε1)であ
る。
く、下記の2式のうちのいずれかで表されるεOを用い
ている。
配置されている媒質の誘電率(図8においてはε2)で
あり、εeはεiと異なる誘電率(εiがε1と等しけ
ればε2、εiがε2と等しければε1、図8において
はε1)である。
の相違が、本発明が従来技術よりも優れた効果を生み出
す原因となっている。
おける第1の単位格子及び第2の単位格子(図1に示
す)と同じ条件を満足するものが存在する。それらを、
図8に示した場合について、図2に示す。図2と図1と
を比較すれば、(2dp+dO):dO=r1:r2、
(2dO+dp):dp=s2:s1であることが分か
り、したがって、式(9)(いまの場合、εi=ε1、
εe=ε2)及び(10)(いまの場合、εi=ε2、
εe=ε1)が表すεp及びεOは式(4)及び(5)
が表すεp及びεOと同じであることが分かる。すでに
説明したように、式(4)及び(5)の妥当性が示され
ているので、それらと同等な式(9)及び(10)の妥
当性も示されたことになる。
格子点と前記近傍垂直電界格子点とを除く第二及び第三
のタイプの格子点のそれぞれに割り当てる誘電率とし
て、該格子点が配置されている媒質の誘電率を使用す
る。これは、式(4)においてr 1=0あるいはr2=
0、式(5)においてs1=0あるいはs2=0とおい
たことに相当する。
するために、本実施の形態と同じ仮想2次空間と格子を
用い、誘電率の設定のみを従来技術によった場合と本実
施の形態とを、誘電率の設定に関して比較して表1a及
び表1bに示す。
磁界シミュレーションを行う装置主要部を用いて行うこ
とができる。このとき、実施の形態2においては、前記
Hz(i,j)、Ex(i,j+1/2)、ε(i,j+1
/2)、Ey(i+1/2,j)及びε(i+1/2,j)
を、コンピュータハードウエア資源であるメモリに数値
として蓄え、該数値を引き出して計算に用いる。さら
に、図9に示したシステムを用いて、シミュレーション
用基礎データと各種パラメタの入力、シミュレーション
計算、シミュレーション結果のディスプレイと蓄積と出
力などを行うことができる。図9において、メインメモ
リ、周辺機器インタフェイス、ポータブルストレージメ
ディアドライブ、マスストレージデバイス、ROM、C
PU、入力デバイス、グラフィックインタフェイス、出
力ディスプレイがバスによってリンクされ、上記の機能
を発揮する。 (応用例)本発明の応用例として、誘電率ε1の媒質と
誘電率ε2の媒質とが1つ直線を境界として接している
場合に、イー格子のy軸をその境界に平行として、請求
項2に記載の2次元電磁界シミュレーション方法に従っ
てシミュレーションを行い、電磁波の反射率を計算する
場合を説明する。
時間領域差分法で計算される媒質境界での反射率R
numericalは、εpとεOを用い、φ=dp/
(2(dp+dO))として、下式によって求められる。
辺の長さ、格子定数)、kx,1は入射波の波数ベクト
ルのx成分、kx,2は透過波の波数ベクトルのx成
分、Θ1はシミュレートされた入射波の電界に垂直な方
向と媒質境界法線の間の角度、Θ2はシミュレートされ
た透過波の電界に垂直な方向と媒質境界法線の間の角
度、Wはωをシミュレートする波の角周波数また△tを
シミュレーションの時間ステップとして W=sin(ω△t/2)/(△t/2)、 (14) Kyはkyを入射波の波数ベクトルのy成分また△yを
y方向のセル幅(セルのy方向に平行な辺の長さ、格子
定数)として、 Ky =sin(ky△y/2)/(△y/2) (15) である。
analyticalと記述する。式(13)における
εp及びεOを請求項2に記述されたように設定した場
合、R numericalとRanalyticalの
差は△xの二乗に比例して減少するが、それとは異なる
設定を行った場合には、RnumericalとRan
alyticalの差は△xに比例して減少することが
示される。即ち、εp及びεOを本発明が開示した方法
に従って設定した場合、セル幅を順次小さくしてシミュ
レーションを行った場合、速やかに一定値に収束し、ま
た、誤差は最も小さくなる。すなわち、本発明は、2次
元電磁波時間領域差分法において、誘電率が不連続に変
化する場合、異なる誘電率の媒質の境界がイーセル(Ye
eセル)の辺と平行な場合に、“二次精度”となるよう
な誘電率の設定法を開示する。したがって、本発明を実
施して、セル幅を順次小さくしてシミュレーションを行
った場合、得られる計算値は速やかに一定値に収束す
る。
2層膜にその導波路の基本モードが垂直に入射する場合
の反射率の計算に、上記本発明に係るミュレーション方
法を適用する。
ある。屈折率 3.175 の半導体中に屈折率 3.403 の導波
路が形成され、導波路端面に、屈折率 2.257 厚さ 0.12
5μmのAR膜Iと屈折率 1.455 厚さ 0.175μmのAR
膜II からなる二層AR膜が形成されている。自由空間
波長 1.5 μmの平面波を二層膜の手前 1.5μmから二
層膜に向かって入射線(incident line)から、二層膜
に垂直に入射させた。計算領域境界にはPML吸収領域
を設定し、反射率を 10−12 %以下に抑えた。セルは
屈折率が異なる媒質の境界は総てセルの辺方向と平行と
なるよう配置し、さらに、屈折率が異なる媒質の境界上
にその境界に垂直な電界成分の配置点が存在するように
した。即ち、総ての媒質境界において、総ての近接垂直
電界成分はその境界上に有る。即ち、dOは0である。
また、これはφ=1/2の場合とも言える。εOを本発
明の手法(式(10))を用いて設定した場合と従来法
(式(11))を用いて、設定した場合の誤差の比較を行
った。両手法とも、セル幅を0.0125μm、0.00625μ
m、0.003125μmと減少した場合の反射率のセル幅 0μ
mの場合の外挿値は一致して 0.01545%となり、この外
挿値を真値とみなすことができる。
8754μm)当たりのセル数依存性を示した。表示したど
のセル数においても本発明の方法の誤差は従来法の方法
の誤差より小さい。また、本発明の手法の誤差はセル幅
の二乗に比例し、“二次精度”特性を示している。本発
明の手法では、セル幅を順次小さくしてシミュレーショ
ンを行った場合、速やかに一定値に収束する。この実施
例は、本手法の高精度特性を示している。
誘電率が空間内で不連続的に変化する場合の2次元電磁
界シミュレーションを高い精度で行うことが出来る。
明する図である。
請求項2に記載のdodpとの関係を説明する図であ
る。
ある。
界成分配置点と媒質境界線の関係を示す模式図である。
である。
明図である。
ロック図である。
装置。
Claims (3)
- 【請求項1】1つの平面内に、透磁率μ、誘電率ε1を
有する第1の媒質と、透磁率μ、誘電率ε2を有する第
2の媒質とが1つの直線を境界として接し、前記平面内
に、前記平面に平行な交流磁界成分を持たない電磁波が
存在する場合に、 前記平面と等価な仮想平面を前記平面と同一視し、前記
仮想平面内に、格子点を前記境界に平行な方向及び垂直
な方向に2次元配置して2次元格子を形成し、前記格子
点に、それぞれの格子点における、前記境界に平行な電
界成分及び該電界成分の時間変化の計算に用いる誘電
率、前記境界に垂直な電界成分及び該電界成分の時間変
化の計算に用いる誘電率、前記平面に垂直な磁界成分の
うちの1つ以上を割り当て、前記電磁波の電磁界の時間
変化を数値計算によって求める2次元電磁界シミュレー
ション方法であって、 前記境界に平行な電界成分が割り当てられる格子点及び
前記境界に垂直な電界成分が割り当てられる格子点が、
それぞれ、前記2次元格子の、前記境界に平行あるいは
垂直な辺のみを持つ4辺形単位格子の中心となるように
し、 前記境界に平行な電界成分が割り当てられる格子点が中
心となっている前記単位格子中の前記第1の媒質及び前
記第2の媒質の面積を、それぞれ、r1及びr 2とし、
前記境界に垂直な電界成分が割り当てられる格子点が中
心となっている前記単位格子中の前記第1の媒質及び前
記第2の媒質の面積を、それぞれ、s1及びs2とし、 前記境界に平行な電界成分が割り当てられる格子点に割
り当てられる、該電界成分の時間変化の計算に用いる誘
電率として、 εp =(r1ε1+r2ε2)/(r1+r2) で表されるεpを用い、 前記境界に垂直な電界成分が割り当てられる格子点に割
り当てられる、該電界成分の時間変化の計算に用いる誘
電率として、 1/εO =(s1/ε1+s2/ε2)/(s1+s2) で表されるεOを用いることを特徴とする2次元電磁界
シミュレーション方法。 - 【請求項2】1つの平面内に、透磁率μ、誘電率ε1を
有する第1の媒質と、透磁率μ、誘電率ε2を有する第
2の媒質とが1つの直線を境界として接し、前記平面内
に、前記平面に平行な交流磁界成分を持たない電磁波が
存在する場合に、 前記平面と等価な仮想平面を前記平面と同一視し、前記
仮想平面内に、前記境界に平行なy軸と前記境界に垂直
なx軸とを設け、i、jを整数とし、Δx、Δyを正の
定数とし、前記仮想平面内に、x座標がiΔxでありy
座標がjΔyである第一のタイプの格子点(i,j)、
x座標がiΔxでありy座標が(j+1/2)Δyである
第二のタイプの格子点(i,j+1/2)、及び、x座
標が(i+1/2)Δxでありy座標がjΔyである第
三のタイプの格子点(i+1/2,j)を配置し、 前記第一のタイプの格子点(i,j)に、該格子点にお
ける、x方向とy方向とに垂直な磁界成分Hz(i,
j)を割り当て、前記第二のタイプの格子点(i,j+
1/2)に、該格子点におけるx方向電界成分Ex(i,
j+1/2)及び該電界成分の時間変化の計算に用いる
誘電率ε(i,j+1/2)を割り当て、前記第三のタイ
プの格子点(i+1/2,j)に、該格子点におけるy
方向電界成分Ey(i+1/2,j)及び該電界成分の時
間変化の計算に用いる誘電率ε(i+1/2,j)を割り
当て、前記2次元電磁波の電磁界の時間変化を数値計算
によって求める2次元電磁界シミュレーション方法にお
いて、 前記第三のタイプの格子点(i+1/2,j)のうちで
前記境界までの距離が最小である格子点を近傍平行電界
格子点と呼び、その最小である距離をdpとし、前記第
二のタイプの格子点(i,j+1/2)のうちで前記境
界までの距離が最小である格子点を近傍垂直電界格子点
と呼び、その最小である距離をdOとし、 前記近傍平行電界格子点(i+1/2,j)に割り当て
る誘電率ε(i+1/2,j)として、 εp =((2dp+dO)εi+dOεe)/(2(dp+d
O)) (ここに、εiは前記近傍平行電界格子点が配置されて
いる媒質の誘電率であり、εeはεiと異なる誘電率、
すなわち、εiがε1と等しければε2、εiがε2と
等しければε1である)で表されるεpを用い、 前記近傍垂直電界格子点(i,j+1/2)に割り当て
る誘電率ε(i,j+1/2)として、 1/εO =((2dO+dp)/εi+dp/εe)/(2(d
p+dO)) (ここに、εiは前記近傍垂直電界格子点が配置されて
いる媒質の誘電率であり、εeはεiと異なる誘電率、
すなわち、εiがε1と等しければε2、εiがε2と
等しければε1である)で表されるεOを用い、 前記近傍平行電界格子点と前記近傍垂直電界格子点とを
除く第二のタイプの格子点(i,j+1/2)及び第三
のタイプの格子点(i+1/2,j)のそれぞれに割り
当てる誘電率ε(i,j+1/2)及びε(i+1/2,
j)として、該格子点のそれぞれが配置されている媒質
の誘電率を用いることを特徴とする2次元電磁界シミュ
レーション方法。 - 【請求項3】前記Hz(i,j)、Ex(i,j+1/
2)、ε(i,j+1/2)、Ey(i+1/2,j)及び
ε(i+1/2,j)を、コンピュータハードウエア資源
であるメモリに、数値として蓄え、該数値を引き出して
計算に用いることを特徴とする請求項2に記載の2次元
電磁界シミュレーション方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000053490A JP3683464B2 (ja) | 2000-02-29 | 2000-02-29 | 2次元電磁界シミュレーション方法 |
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JP2001243215A true JP2001243215A (ja) | 2001-09-07 |
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---|---|---|---|---|
JP2013235506A (ja) * | 2012-05-10 | 2013-11-21 | Shimizu Corp | 物理量シミュレーション方法及びそれを用いた物理量シミュレーションシステム |
-
2000
- 2000-02-29 JP JP2000053490A patent/JP3683464B2/ja not_active Expired - Fee Related
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