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JP2001133290A - 反射型センサのコード板及びエンコーダ用目盛板 - Google Patents

反射型センサのコード板及びエンコーダ用目盛板

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Publication number
JP2001133290A
JP2001133290A JP2000202175A JP2000202175A JP2001133290A JP 2001133290 A JP2001133290 A JP 2001133290A JP 2000202175 A JP2000202175 A JP 2000202175A JP 2000202175 A JP2000202175 A JP 2000202175A JP 2001133290 A JP2001133290 A JP 2001133290A
Authority
JP
Japan
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light
reflection
plate
encoder
area
Prior art date
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Pending
Application number
JP2000202175A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Nashiki
政行 梨木
Keiji Matsui
圭司 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okuma Corp
Original Assignee
Okuma Corp
Okuma Machinery Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okuma Corp, Okuma Machinery Works Ltd filed Critical Okuma Corp
Priority to JP2000202175A priority Critical patent/JP2001133290A/ja
Publication of JP2001133290A publication Critical patent/JP2001133290A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Optical Transform (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射型センサのコード板や、エンコーダ用目
盛板の非反射領域からの反射光を、ほぼゼロにすること
により、反射型センサの検出信号やエンコーダ変位信号
のコントラストを向上させ、ひいては高精度な検出が可
能な反射型センサ用コード板やエンコーダ用目盛板を提
供する。 【解決手段】 目盛板の反射領域と、非反射領域のう
ち、非反射領域に凹凸を設ける。この凹凸の高さdは、
凹部での反射光と凸部での反射光の光路差が光の波長λ
に対して(n+1/2)・λ (ただし、nは整数)に
相当する深さとする。これにより、凹部と凸部での2つ
の反射光がどうしが相殺し反射光がほぼゼロとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物に施された
コードを光学的に検出する反射型センサのコード板や、
工作機械等で位置検出に使用される光学式エンコーダの
目盛板に関する。
【0002】
【従来の技術】対象物に取付られたコードを光の反射を
利用して読み取る反射型センサの例を図12に示す。図
12は対象物(図示せず)の表面に設けられたコード板
1を、検出ユニット2によって読み取ることによって対
象物の種類や位置等を判別する反射型センサである。コ
ード板1には、光の反射率の高い反射領域5と反射率の
低い非反射領域6とが設けられている。また、検出ユニ
ット2には、発光部3と受光部4とが含まれており、発
光部3からコード板1に向かって光が投光される。投光
された光はコード板1で反射されて検出ユニット2内の
受光部4へ入射する。入射する光量は、コード板1の反
射/非反射によって異なる。受光部4では、フォトダイ
オード等の受光素子によって、入射する光の量からコー
ド板1の反射/非反射を判別する。利用例としては、図
12に示したような反射領域と非反射領域が交互に設け
られたコード板1を対象物に取り付けておけば、対象物
がコード板長手方向に移動した際には、その位置を検出
することができる。また、あらかじめ、対象物の所定の
位置に、反射領域だけが設けられたコード板1、あるい
は、非反射領域だけが設けられたコード板1を取り付け
ておくと、反射/非反射によって対象物の種類を判別す
ることができる。
【0003】ここで、反射型センサに使われるコード板
1の構成例について図13によって説明する。図13
(a)及び(b)は、それぞれ図12のA部を拡大して
示す図である。図13(a)の構成例では、コード板1
の母材7表面に、金属板や金属膜等の高反射部材9が設
けられている。そして、その上に、エマルジョン等の反
射率の低い膜や板等からなる低反射部材8が設けられて
いる。所望の場所にだけ、低反射部材8を設けるには、
例えば、低反射部材8を所望の位置にだけ印刷したり、
一度全面に設けられた低反射部材8をエッチングによっ
て取り去る等の方法が用いられる。
【0004】一方、図13(b)の構成例では、低反射
部材8の上に高反射部材9が設けられている。所望の場
所にだけ、高反射部材9を設ける方法は、図13(a)
と同様に、高反射部材9を所望の位置にだけ印刷した
り、一度全面に設けられた高反射部材9をエッチングに
よって取り去る等の方法が用いられる。
【0005】一般的に反射型センサでの検出の信頼性
は、反射領域5と非反射領域6との反射率の差が大きい
ほど安定した検出が可能である。しかしながら、反射率
が低い部分でもある程度の反射はあるために反射率の差
を十分に大きくするのは困難であった。また、製造コス
トの面で見ても、低反射部材の上に高反射部材を形成し
てエッチングする等の方法では、部材の種類も多くま
た、工程が多いため、製造コストを低く抑えることが難
しい。
【0006】もうひとつの従来の技術として光学式エン
コーダの例を説明する。光学式エンコーダ(以下、単に
エンコーダと呼ぶ。)には、光の反射を利用して位置検
出を行う反射型エンコーダと、光の透過を利用する透過
型エンコーダとがある。反射型エンコーダに使用される
反射型目盛板では、目盛板表面に光を反射する反射領域
と反射しない非反射領域とが所定のピッチで形成されて
いる。エンコーダは、光学的に目盛板上の反射/非反射
を読み取ることで位置を検出している。
【0007】図14は、一般的な反射型エンコーダの構
成を示す斜視図である。動作を具体的に説明すると、発
光素子11から出てコリメータレンズ12で平行光束と
なった光が,反射型目盛板15で反射されインデックス
スケール14を透過した後、光電変換素子13に入射し
て光電変換される。反射型目盛板15の表面には光を反
射する反射領域16と反射しない非反射領域17とが所
定のピッチPで形成されている。また、インデックスス
ケール4には、反射型目盛板15に対応した光学格子が
設けられている。ここで反射型目盛板15が長手方向に
移動すると光電変換素子13に入射する光量が周期的に
変化し、変位信号を得ることができる。通常、この周期
的な変位信号をカウントしたり、さらに細かく内挿分割
して位置検出を行う。
【0008】図15は、従来の反射型目盛板15の構成
の一例を示す斜視図であり、図14中のB部を拡大した
ものである。反射型目盛板は、一般的にはガラス基板の
上に、アルミやクロムなどの金属膜を、蒸着やスパッタ
リング等の膜形成技術によって形成した後、エッチング
によって不要な部分を取り除く、いわゆる、リソグラフ
ィ・プロセスによって製作される。図15の場合では、
反射領域16の部分には、アルミやクロムの金属膜19
がガラス基板18の上に、エッチングされずに残ってい
る。この金属膜19の表面は鏡面になっており、光の反
射率が高い。一方、非反射領域17では、金属膜19が
エッチングにより取り除かれて、ガラス基板18のガラ
ス面が露出している。ガラス面は金属面に比較すると反
射率が低い。このように構成された目盛板をエンコーダ
に組み込むことにより、光学的に位置検出をすることが
できる。
【0009】光学式エンコーダの場合、反射領域の反射
率が高ければ高いほど、また非反射領域の反射率が低け
れば低いほど、コントラストの高い良質の変位信号を得
ることができる。しかしながら、非反射領域であるガラ
ス面の反射率は、通常1面で4%程度であり、表裏2面
で約8%が反射されることになる。また、光学部品に利
用されている非反射コーティングについても、非反射領
域にだけ選択的に施すのは困難であり、また、良質の非
反射コーティングを長い目盛板全体に施すのは困難であ
る。このように、一般的な反射型の光学式エンコーダで
は、反射率の異なる部材から成る反射型目盛板を用いて
光学的に位置検出を行うようにしているが、従来の反射
型目盛板では、コントラストの高い良質の変位信号を得
るのが困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、反射型
センサや、反射型の光学式エンコーダでは、光を反射す
る部分と反射しない部分との反射率の差を大きくしない
と、信頼性の高い良質な検出はできない。しかしなが
ら、従来の技術では、非反射部分の反射率を下げること
は困難であり、また、製造上もエッチングや非反射膜コ
ーティング等の工程が必要となる等、製造コストがかか
るといる課題があった。
【0011】本発明は上述のような課題を解決するため
に成されたものであり、本発明の目的は、反射型センサ
のコード板やエンコーダ用目盛板の非反射領域からの反
射光を、ほぼゼロにすることにより、反射型センサやエ
ンコーダ変位信号のコントラストを向上させ、ひいては
信頼性の高い反射型センサや、高精度な位置検出が可能
なエンコーダ用目盛板を低コストに提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、光を反射する
反射領域と光を反射しない非反射領域とが組み合わされ
たコード板を光学的に読み取る反射型センサに使用され
るコード板や、エンコーダ用目盛板に関するものであ
り、本発明の上記目的は、前記非反射領域が凹部からの
反射光と凸部からの反射光が互いに打ち消し合う位相関
係になるような深さを持った凹凸で構成されていること
によって達成される。また、前記凹凸の深さは、凹部で
の反射光と凸部での反射光との光路長の差が、光の波長
λに対して(n+1/2)・λ (ただし、nは整数)
となるような深さであること;前記凹凸の凹部と凸部の
面積の比が、前記非反射領域での反射光が最小となるよ
うに決定されていること;によって、それぞれ一層効果
的に達成される。あるいは、所定の回折光が受光素子に
入射するように構成されたP領域と入射しないように構
成されたN領域とが形成された反射型センサのコード板
若しくはエンコーダ用目盛板において、光学系の発光部
から入射した光の高次回折光が前記光学系の受光部に入
射するように所定の周期の凹凸が前記P領域に設けられ
ていることによって達成される。
【発明の実施の形態】
【0013】以下に本発明の具体的な実施形態を説明す
る。なお、簡単のために、凹凸の底面を単に凹部、凹凸
の高い面を単に凸部と呼ぶ。図1は本発明に係わる反射
型センサのコード板の一実施形態を示す図であり、従来
技術を説明する図12に対応するものである。本実施形
態も、対象物(図示せず)の表面に設けられたコード板
101を、検出ユニット2によって読み取ることによっ
て対象物の種類や位置等を判別する反射型センサであ
る。コード板101には、光の反射率の高い反射領域1
05と反射率の低い非反射領域106とが設けられてい
る。また、検出ユニット2には、発光部3と受光部4と
が含まれており、発光部3からコード板101に向かっ
て光が投光される。投光された光はコード板101で反
射されて検出ユニット2内の受光部4へ入射する。入射
する光量は、コード板101の反射/非反射によって異
なる。受光部4では、フォトダイオード等の受光素子に
よって、入射する光の量からコード板101の反射/非
反射を判別する。
【0014】ここで、本実施形態に使われるコード板主
要部の構成例を図2の(a)、(b)及び(c)にそれ
ぞれ示す。図2(a)、(b)及び(c)はそれぞれ図
1のC部を拡大して示す図である。図2(a)の構成例
では、コード板の母材表面に、金属板や金属膜等の高反
射部材9が設けられている。そして、その上に、反射率
の低い膜や板等からなる低反射部材8が設けられている
が、低反射部材8の表面には、凹凸が形成されている。
また、この凹凸の段差dは、凹部からの反射光と凸部か
らの反射光とが互いに打ち消し合う位相関係になるよう
に、反射型センサで使用する波長λの1/4に相当する
段差に形成されている。このように形成された凹凸部分
にλの波長の光が垂直に入射して反射すると凹凸の底面
で反射した反射光の光路長に比べて、凹凸の上面で反射
した反射光の光路長は、ちょうど波長λの1/2だけ短
くなる。従って、これら2種類の光路の差はλ/2とな
り位相的に打ち消しあう。そのため、目盛板面から垂直
に反射してくる光は、ほぼゼロになる。従って、凹凸の
段差dを、凹部での反射光と凸部での反射光の光路差が
光の波長λに対して(n+1/2)・λ (ただし、n
は整数)に相当する深さとすることにより、もともと低
反射部材で反射が少ない上に、わずかに反射する光につ
いても打ち消し合うことで等価的に反射率がほぼゼロと
なる。従って、反射領域と非反射領域からの反射光量の
比、つまり、コントラストの高い良質の検出信号を得る
ことができる。
【0015】一方、図2(b)の構成例では、母材7の
上に高反射部材9が設けられており、その表面には、凹
凸が形成されている。また、この凹凸の段差dは、凹部
からの反射光と凸部からの反射光とが互いに打ち消し合
う位相関係になるように、反射型センサで使用する波長
λの1/4に相当する段差に形成されている。このよう
に形成された凹凸部分にλの波長の光が垂直に入射して
反射すると上述のように、凹凸の底面で反射した反射光
の光路長に比べて、凹凸の上面で反射した反射光の光路
長は、ちょうど波長λの1/2だけ短くなり、位相的に
打ち消しあう。そのため、目盛板面から垂直に反射して
くる光は、ほぼゼロになる。従って、凹凸の段差dを、
凹部での反射光と凸部での反射光の光路差が光の波長λ
に対して(n+1/2)・λ (ただし、nは整数)に
相当する深さとすることにより等価的に反射率がほぼゼ
ロとなる。従って、反射領域105と非反射領域106
からの反射光量の比、つまり、コントラストの高い良質
の検出信号を得ることができる。また、このような構成
にすると、低反射部材が不要となり、低反射部材の材料
費がいらなくなるだけでなく低反射部材8を形成する工
程も不要となるので、コード板を低コストに製作するこ
とが可能となる。
【0016】他方、図2(c)の構成例では、母材7の
表面に凹凸が形成されており、さらにその表面に反射率
の高い薄膜が形成されている。この凹凸の段差dは、凹
部からの反射光と凸部からの反射光とが互いに打ち消し
合う位相関係になるように、反射型センサで使用する波
長λの1/4に相当する段差に形成されている。このよ
うに構成することにより等価的に反射率がほぼゼロとな
る。従って、反射領域105と非反射領域106からの
反射光量の比、つまり、コントラストの高い良質の検出
信号を得ることができる。また、このような構成にする
と、低反射部材8が不要となり、低反射部材の材料費が
いらなくなるだけでなく低反射部材を形成する工程も不
要となるので、コード板を低コストに製作することが可
能となる。
【0017】次に別の実施形態を、図3に示す。本実施
形態による反射型センサのコード板201は、コード板
の上に反射領域205と非反射領域206が所定の組み
合わせで形成されており、反射領域の幅と非反射領域の
幅とその組み合わせを検出することによってコードを識
別することができる。このように構成されたコード板を
対象物に取り付けることによって、その対象物の種類等
の認識が可能である。このコード板を検出する検出ユニ
ット202の一例を説明すると、発光部203からは断
面が矩形の光束が発光されてコード板に入射する。入射
した光束はコード板表面で反射して受光部204に入射
する。受光部204には、CCDイメージセンサやライ
ンセンサ、あるいは、フォトダイオードアレイ等の受光
素子が含まれていて、コード板201表面の反射領域2
05と非反射領域206からの光の明暗を検出すること
で、コードを識別する。このように構成された反射型セ
ンサのコード板の反射領域と、非反射領域を、先の実施
形態で示した図2の(a)、(b)、(c)の構成例の
ように、つまり、非反射領域に凹凸を設けて、この凹凸
の段差dを、凹部からの反射光と凸部からの反射光とが
互いに打ち消し合う位相関係になるように、検出ヘッド
の投光部で使用する波長λの1/4に相当する段差に形
成することによって、非反射領域から反射してくる光
は、ほぼゼロにすることができ、コントラストの高い良
質の検出信号を得ることができる。図3の実施形態で
は、ある面積をもった光束を投光して、イメージセンサ
等で受光する方式を説明したが、反射領域や非反射領域
に比べて小さい断面を持った光束を走査させてコード板
に投光しても検出可能である。
【0018】次に、本発明に係わるエンコーダ用目盛板
の実施形態について説明する。図4は、エンコーダ用目
盛板の一実施形態における第1の構成例を示す図であ
る。エンコーダの光学系の構成は前述の従来例と同じで
あるので説明を省略する。本実施形態による反射型目盛
板は、ガラス等の基板18の上に反射領域305と非反
射領域306が所定のピッチPで繰り返し形成されてい
る。反射領域305には金属等の平面の反射膜20が形
成されており、入射した光は高い反射率で反射される。
一方、非反射領域306には目盛板長手方向に平行な凸
凹が形成されてその表面には、高い反射率の金属薄膜が
形成されている。また、この凹凸の段差dは、凹部から
の反射光と凸部からの反射光とが互いに打ち消し合う位
相関係になるように、エンコーダで使用する波長λの1
/4に相当する段差に形成されている。このように形成
された非反射領域にλの波長の光が垂直に入射して反射
すると凹凸の底面で反射した反射光の光路長に比べて、
凹凸の上面で反射した反射光の光路長は、ちょうど波長
λの1/2だけ短くなる。従って、これら2種類の光路
の差はλ/2となり位相的に打ち消しあう。そのため、
目盛板面から垂直に反射してくる光は、ほぼゼロにな
る。従って、凹凸の段差dを、凹部での反射光と凸部で
の反射光の光路差が光の波長λに対して(n+1/2)
・λ (ただし、nは整数)に相当する深さとすること
により、等価的に非反射領域7の反射率がほぼゼロとな
り、コントラストの高い良質の変位信号を得ることがで
きる。
【0019】図5は、エンコーダ用目盛板の一実施形態
における第2の構成例を示す図である。第2の構成例に
おける目盛板も反射型目盛板であり、ガラス等の基板1
8の上に反射領域305と非反射領域306が所定のピ
ッチPで繰り返し形成されている。反射領域305には
金属等の平面の反射膜が形成されており、入射した光は
高い反射率で反射される。一方、非反射領域306には
目盛板長手方向に平行な凸凹が形成されている。凸部に
は反射領域305と同じように金属膜が残っており、凹
部では金属膜がエッチングにより除去されてガラス等の
基板が露出している。また、凸凹の段差は、使用する波
長λの1/4に相当する段差に形成されている。このよ
うに形成された非反射領域によれば、エンコーダ用目盛
板の第1の構成例で述べたように、λの波長の光が垂直
に入射して反射すると凹凸の底面で反射した反射光の光
路長に比べて、凹凸の上面で反射した反射光の光路長
は、ちょうど波長λの1/2だけ短くなる。従って、こ
れら2種類の光路の差はλ/2となり位相的に打ち消し
あう。
【0020】しかしながら、凹部の幅Wbと凸部の幅Wt
が1:1である場合、つまり、凹部と凸部の面積比が
1:1の場合は、ガラス基板等の比較的反射率の低い部
分(ここでは凹部)から反射する反射光に対して、金属
膜等の反射率の高い部分(ここでは凸部)、から反射す
る反射光の光量が大きいため、十分に打ち消し合えな
い。そこで、本第2の構成例においては、基板18が露
出している部分の線幅Wbに対して、凸部つまり反射率
の高い金属膜の部分の線幅Wtは小さくなっている。こ
の比率Wb:Wtは、それぞれの部分の反射率の比に応じ
て決定される。このように、凹部と凸部の面積の比が各
部の反射率の比に応じて、非反射領域での反射光の光量
が最小となるように構成された目盛板を使用すると、非
反射領域からの反射光がほぼゼロにすることができるの
で、コントラストが高く、ノイズ成分の少ない安定した
変位信号を得ることができる。なお、本第2の構成例は
前述の反射型センサのコード板にも適用することができ
る。
【0021】次に、エンコーダ用目盛板の一実施形態に
おける第3の構成例について説明する。上述の第1及び
第2の構成例では、目盛板面に光が垂直に入射するよう
に設計された場合を想定して説明したが、目盛板面に対
して光が垂直に入射しない場合は、凹凸の段差が波長の
λ/4では、凹部で反射した光と凸部で反射した光の光
路差がλ/2とならないため、打ち消し合わない。第3
の構成例を説明するための模式図を図6に示す。目盛板
の面に対して光が垂直に入射しない場合は、入射角、つ
まり、目盛板面からの垂線と入射光軸との角度をθと
し、凹凸の段差をd、このときの2つの反射光の光路長
差を2Lとすると、光路差2Lは、2L=2・d/co
sθとなり、ここで、光路差を2L=λ/4を満たすた
めの、凹凸の深さd=(λ/4)・cosθとなる。例
えば、波長λが830nmの光源を、入射角30度で使
用する場合、凹凸の深さdは、179.7nmとなる。
このように構成された目盛板を使用することにより、凹
凸の段差dが、(λ/4)・cosθになるように設計
することによって、凹部で反射した光と凸部で反射した
光の光路差がλ/2となり、位相的に打ち消しあう。そ
のため、目盛板面から垂直に反射してくる光は、ほぼゼ
ロになる。従って、等価的に非反射領域の反射率がほぼ
ゼロとなることにより、コントラストの高い良質の変位
信号を得ることができる。
【0022】次に、本発明に係わるエンコーダ用目盛板
の別の実施形態について図7を用いて説明する。本実施
形態は、アブソリュートエンコーダに使用されるコード
符号への適用例である。アブソリュートエンコーダで
は、スケールの測定長に渡ってその場所での絶対番地を
検出する必要があるため、反射領域と非反射領域とから
なる交番2進符号(グレイコード)、あるいは、不規則
循環符号をスケール上に形成する。図7は不規則循環符
号が形成されたスケール115の例である。この方式で
は、スケール115の長手方向に基本長の倍数の反射領
域405と非反射領域406が施されている。そして、
反射領域405と非反射領域406とかならるある所定
の長さの領域に着目すると、測定長に渡って同じ配列が
1カ所しか存在しないように配置されている。従って、
検出ヘッドである領域の反射/非反射のパターンを検出
すると測定長の中でどの場所にあるかが特定可能であ
る。検出方法としては、検出ヘッドの発光部203から
の光が不規則循環符号が形成されたスケールに照射さ
れ、その反射光が受光部204に入射する。受光部20
4にはCCDイメージセンサやフォトダイオードアレイ
のような受光素子が配置されており、その場所の明暗パ
ターンを読み取ることによって、その場所を特定するこ
とができる。また、このような絶対位置検出方法を、前
述の実施形態で示したような所定のピッチの反射領域/
非反射領域からなるスケールトラック(目盛板)と組み
合わせて使用することにより、高分解能な位置検出とア
ブソリュート検出機能を併せ持ったエンコーダを構成す
ることができる。このように形成されるコードの非反射
領域に、上記の実施例で説明した方法を採用することに
よって、所定のピッチで配置された格子トラックと不規
則循環符号により形成された格子トラックとを同じ製造
方法にて製作することができ、性能を向上させるだけで
なく、製造コストも低減することができる。以上のよう
に本発明によれば、コントラストの高い変位信号を得る
ことができる。なお、上述した各実施形態では、非反射
領域に設ける凹凸の方向を、目盛板長手方向に平行に形
成した例を示したが、凹凸の方向は目盛板長手に限定さ
れるものではなく、目盛板長手方向に垂直な方向や、斜
め方向、或いは、ランダムな方向、さらには、線状でな
く、凹凸のチェッカー状の構成でも同様な効果を得るこ
とができる。また、各実施形態では、直線的な変位を検
出するリニアエンコーダの例を説明したが、リニアエン
コーダに限定するものではなく、回転角度を検出するロ
ータリエンコーダでも同様の効果を得ることができる。
【0023】さらに別の実施形態について、図8を用い
て説明する。図8のN領域5Aは、図10にあるように
平面の反射部材からなっている。一方、P領域は凹凸か
ら形成されており、凹凸の周期はPとなっている。この
ように構成されたコード板301に、検出ユニット中の
発光部3からの光束が照射される。コード板301のN
領域に光が垂直に入射すると光は垂直に反射するため、
受光部4には入射しない。一方、コード板301のP領
域6Aに入射した光は反射する際、コード板表面の凹凸
の影響を受けて複数の回折光となる。図11にて説明す
ると、反射する回折光のうち0次回折光は、垂直に反射
するが、1次回折光は、凹凸の周期をPとすると、Si
nθ=n/P(ただし、n回折次数)で決まる角度に反
射する。したがって、1次回折光の向かう方向に受光部
を配置しておけば、発光部からの光がN領域に入射した
ときには、受光部に光は入らず、光がP領域に入射した
ときは、受光部に光が入射する。その結果、1次回折光
に関しては、P領域はあたかも反射領域として作用し、
N領域はあたかも非反射領域として作用する。
【0024】同様に、図9のようなエンコーダの目盛板
115においても、P領域6AとN領域5Aを前述のよ
うに設け、1次回折光の反射方向に受光部204を設置
しておくと、目盛板上のP領域とN領域とによって構成
された不規則循環コードパターンを受光部にて読み取る
ことができる。なお説明では、1次回折光を受光する場
合の説明を行ったが、2次回折光あるいはもっと高次の
回折光によっても実現可能である。また、ここでは、N
領域が平面の反射面である例を説明したが、N領域に
は、P領域とは周期のことなる凹凸を設けることによっ
て、所望の回折光が受光部に入射しないようにしても実
現可能である。説明では、目盛板あるいはコード板に光
が垂直に入射する場合について述べたが、方向について
は垂直に限られない。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、反射型センサのコード
板や反射型目盛板の非反射領域に、互いの光路差がλ/
2となるような凹凸を設けることにより、非反射領域か
らの反射光をほぼゼロにすることができるため、反射型
センサの検出信号やエンコーダの変位信号のコントラス
トを高くすることが可能で、結果的に精度の高い位置検
出をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反射型センサのコード板の一実施
形態を示す斜視図である。
【図2】図1のコード板主要部の構成を示す斜視図であ
る。
【図3】本発明に係る反射型センサのコード板の別の実
施形態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係るエンコーダ用目盛板の一実施形態
における主要部の第1の構成例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係るエンコーダ用目盛板の一実施形態
における主要部の第2の構成例を示す斜視図である。
【図6】本発明に係るエンコーダ用目盛板の一実施形態
における主要部の第3の構成例を示す一部側面断面図で
ある。
【図7】本発明に係るエンコーダ用目盛板の別の実施形
態を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る反射型センサのコード板の更に別
の実施形態を示す斜視図である。
【図9】本発明に係るエンコーダ用目盛板の更に別の実
施形態を示す斜視図である。
【図10】図8のコード板及び図9の目盛板の主要部の
構成例を示す斜視図である。
【図11】図8のコード板及び図9の目盛板の原理を示
す概略図である。
【図12】一般的な反射型センサの構成を示す斜視図で
ある。
【図13】一般的な反射型センサの目盛板の構成を示す
斜視図である。
【図14】一般的な反射型エンコーダの構成を示す斜視
図である。
【図15】 従来のエンコーダ用目盛板の構成を示す概
略図である。
【符号の説明】
1、101、201、301 コード板 2、202 検出ユニット 3、203 発光部 4、204 受光部 5、105,205,305,405 反射領域 5A N領域 6、106,206,306,406 非反射領域 6A P領域 7 母材 8 低反射部材 9 高反射部材 11 発光素子 12 コリメータレンズ 13 光電変換素子 14 インデックススケール 15、115 反射型目盛板 16 反射領域 17 非反射領域 18 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA02 AA07 AA09 BB02 BB13 BB15 BB17 BB29 DD09 FF16 FF18 FF19 GG01 HH06 HH07 HH12 JJ02 JJ08 JJ18 JJ25 LL28 QQ28 2F103 BA00 BA10 BA37 CA03 DA12 EA05 EA15 EA19 EB01 EB12 EB15 EB32 EC03 2H049 AA07 AA13 AA55 AA56 AA65

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射領域と非反射領域とを光学的に判別
    あるいは反射領域と非反射領域との組み合わせからなる
    コードを光学的に読み取る反射型センサのコード板にお
    いて、前記非反射領域は凹部からの反射光と凸部からの
    反射光とが互いに打ち消し合う位相関係になるような深
    さを持った凹凸で構成されていることを特徴とする反射
    型センサのコード板。
  2. 【請求項2】 前記凹凸の深さは、凹部での反射光と凸
    部での反射光との光路長の差が、光の波長λに対して
    (n+1/2)・λ (ただし、nは整数)となるよう
    な深さであることを特徴とする請求項1に記載の反射型
    センサのコード板。
  3. 【請求項3】 前記凹凸の凹部と凸部の面積の比が、前
    記非反射領域での反射光の光量が最小となるように決定
    されていることを特徴とする請求項1に記載の反射型セ
    ンサのコード板。
  4. 【請求項4】 光を反射する反射領域と光を反射しない
    非反射領域とが所定のパターンで施されているエンコー
    ダ用目盛板において、前記非反射領域は凹部からの反射
    光と凸部からの反射光とが互いに打ち消し合う位相関係
    になるような深さを持った凹凸で構成されていることを
    特徴とするエンコーダ用目盛板。
  5. 【請求項5】 前記凹凸の深さは、凹部での反射光と凸
    部での反射光との光路長の差が、光の波長λに対して
    (n+1/2)・λ (ただし、nは整数)となるよう
    な深さであることを特徴とする請求項4に記載のエンコ
    ーダ用目盛板。
  6. 【請求項6】 前記凹凸の凹部と凸部の面積の比が、前
    記非反射領域での反射光の光量が最小となるように決定
    されていることを特徴とする請求項4に記載のエンコー
    ダ用目盛板。
  7. 【請求項7】 所定の回折光が受光素子に入射するよう
    に構成されたP領域と入射しないように構成されたN領
    域とを光学的に判別あるいは前記P領域と前記N領域と
    の組み合わせからなるコードを光学的に読み取る反射型
    センサのコード板において、前記反射型センサの発光部
    から入射した光の高次回折光が前記反射型センサの受光
    部に入射するように所定の周期の凹凸が前記P領域に設
    けられていることを特徴とする反射型センサのコード
    板。
  8. 【請求項8】 所定の回折光が受光素子に入射するよう
    に構成されたP領域と入射しないように構成されたN領
    域とが所定のパターンで施されているエンコーダ用目盛
    板において、光学系の発光部から入射した光の高次回折
    光が前記光学系の受光部に入射するように所定の周期の
    凹凸が前記P領域に設けられていることを特徴とするエ
    ンコーダ用目盛板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003177014A (ja) * 2001-08-30 2003-06-27 Z & F Zzoller & Froehlich Gmbh 3−dレーザ計測装置
JP2003279383A (ja) * 2002-03-27 2003-10-02 Fuji Electric Co Ltd 光学式エンコーダ
US7071461B2 (en) 2002-02-13 2006-07-04 Omron Corporation Optical encoder having telecentric optical system
JP2013257314A (ja) * 2012-05-18 2013-12-26 Optnics Precision Co Ltd 反射型エンコーダ

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