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JP2001149002A - 生鮮果物の除菌洗浄および鮮度保持方法 - Google Patents

生鮮果物の除菌洗浄および鮮度保持方法

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Publication number
JP2001149002A
JP2001149002A JP33456299A JP33456299A JP2001149002A JP 2001149002 A JP2001149002 A JP 2001149002A JP 33456299 A JP33456299 A JP 33456299A JP 33456299 A JP33456299 A JP 33456299A JP 2001149002 A JP2001149002 A JP 2001149002A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fruit
freshness
fresh
cooling
treatment
Prior art date
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Pending
Application number
JP33456299A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Miyatani
茂 宮谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
LONG LIFE KENKYUSHO KK
Original Assignee
LONG LIFE KENKYUSHO KK
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Publication date
Application filed by LONG LIFE KENKYUSHO KK filed Critical LONG LIFE KENKYUSHO KK
Priority to JP33456299A priority Critical patent/JP2001149002A/ja
Publication of JP2001149002A publication Critical patent/JP2001149002A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 生鮮果物の表面に付着する微生物を、薬品ま
たは多量の洗剤などを使用することなく安全かつ十分に
洗浄・除去する。また、鮮度を保持し、果物本来の味、
食感、外観の劣化を長期間防ぐことが可能な、生鮮果物
の洗浄及び鮮度保持方法を開発する。 【解決手段】 生鮮果物を所定の温度の温水または高温
水蒸気に所定の時間接触させて加温しながらブラッシン
グするか、またはブラッシングせずに同様な方法で加温
した後さらに加温しながらブラッシングすることにより
加温処理を行い、次いで所定の温度の冷却液に所定の時
間接触させて冷却処理することにより、表面に付着する
微生物数を減らし、そしてその鮮度を保持することがで
きる方法を提供する。必要に応じて、洗浄を完全に行う
ために、加温処理前に常温水シャワーを行うことがで
き、冷却処理後に冷水シャワーを行うこともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、生鮮果物の表面に付着
した細菌やカビなどの微生物を除去することができる、
生鮮果物の洗浄方法に関する。より具体的には、本発明
は、生鮮果物の表面に付着する微生物を、薬品や多量の
洗剤等を使用することなく、安全かつ十分に除去するこ
とができる生鮮果物の洗浄・除菌方法に関する。本発明
はまた、生鮮果物の表面に付着する微生物を除去すると
同時に、生鮮果物本来の味、食感、外観(色、形状等)
の劣化を防ぐこともできる、生鮮果物の洗浄方法に関す
る。本発明の方法は、レストラン、学校調理室、社員食
堂などで用いられ、もしくはスーパーやコンビニエンス
ストアーまたはデパート等の生鮮食料品売場で販売され
る、生鮮果物の洗浄及び鮮度保持に利用される。本発明
の方法は、カット果物の製造に使用する生鮮果物を洗浄
する方法として好ましい。
【0002】
【従来の技術】最近の社会生活及び食生活の変化によ
り、単一種又は複数種の果物を刻んで袋詰めにしたカッ
ト果物、及びそれらをデザートとしてプラスチック容器
に詰めた商品が、スーパーマーケット、コンビニエンス
ストアー等で販売されるようになった。また、レストラ
ン等では、調理の手間を省くためにカット果物を購入
し、それらをデザートとして提供するなど、カット果物
の需要が増加してきた。特にレストラン等では、果物の
傷んでいるところを除去したり、皮をむいたり、芯を除
去したり、きざんだりする等の、調理の手間が省けると
共に、必要な時に必要な量だけ簡易に入手することがで
き、果物屑等の生ゴミの量を減少させ、すばやく客に提
供することができるという長所を有しているためであ
る。
【0003】収穫後未洗浄の果物等の表面に付着する一
般生菌数は、106/g程度であり、家庭で行われる普通の
洗浄ではこれを104/g程度までしか除去することができ
ない。果物表面にこのような微生物が付着していると、
生鮮果物をカットしてカット果物へ加工処理する際に、
微生物により果物のカット面および果物内部が汚染され
るため、カット果物の品質を劣化させるという問題点が
あった。
【0004】従来の技術において、次亜塩素酸ナトリウ
ム溶液のような食用殺菌剤を用いて果物を殺菌処理する
方法も提案されているが(特公平7-67366号等)、次亜
塩素酸ナトリウム溶液を用いた場合の殺菌効果は比較的
低く、果物の種類によっても異なるが、処理後でも103/
g程度までしか除菌できない。そして、より高い殺菌効
果を得るために次亜塩素酸ナトリウム濃度を上昇させる
と、生鮮果物の品質低下を引き起こすという欠点があっ
た。また、次亜塩素酸ナトリウムは強い生体毒性を有
し、かつ独特の次亜塩素臭を有するため、必ず水洗処理
工程を行って次亜塩素酸ナトリウムを完全に除去しなけ
ればならないが、水洗処理工程を行った場合であって
も、果物にはなお次亜塩素臭が残り、味、臭い等に悪影
響を与えるという問題があった。
【0005】剥皮前やカット処理前に行う別の果物洗浄
方法として、酢酸を使用する洗浄方法(特許第2919862
号)、および酸性水またはアルカリ水の使用と超音波洗
浄とを併用する洗浄方法(特開平10-174552号)などが
開示されている。
【0006】このように従来の洗浄・除菌方法では生鮮
果物表面に相当数の微生物が残留し、この残留微生物が
カット処理を行う際にカット果物に混入するという欠点
を排除できなかった。このような微生物の混入を防止
し、需要者に清浄な製品を提供するために、加工前に果
物の表面から微生物を十分に除去することが望まれてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、レストラ
ン、学校調理室、社員食堂などで用いられ、もしくはス
ーパーやコンビニエンスストアーまたはデパート等の生
鮮食料品売場で販売される生鮮果物の表面に付着する微
生物を、薬品または多量の洗剤などを使用することな
く、安全かつ十分に生鮮果物から除去する生鮮果物の洗
浄を目的とする。本発明はまた、生鮮果物の表面に付着
する微生物を除去すると同時に、生鮮果物の鮮度を保持
し、果物本来の味、食感、外観の劣化を長期間防ぐこと
が可能な、生鮮果物の洗浄および鮮度保持方法を開発す
ることも課題とする。さらに本発明は、カット前の生鮮
果物の表面から細菌を十分に洗浄・除去して高品質のカ
ット果物を提供する方法を開発することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は殺菌
剤、抗酸化剤、保存剤等の各種薬剤の使用を主な解決手
段とする従来の方法に代えて、生鮮果物を加温しながら
ブラッシングするか、またはブラッシングせずに加温し
た後さらに加温しながらブラッシングすることにより加
温処理を行い、次いで冷却処理を行う洗浄方法により、
生鮮果物の洗浄を行い、表面に付着する微生物数を減ら
し、そしてその鮮度を保持することができることを見出
し、本発明を完成した。
【0009】より具体的には、本発明の方法は、生鮮果
物を所定の温度の加温液または高温水蒸気のいずれかに
所定の時間接触させることにより加温しながらブラッシ
ングする加温処理を行うか、またはブラッシングせずに
加温液または高温水蒸気のいずれかに所定の時間接触さ
せた後さらに同様な方法により加温しながらブラッシン
グすることにより加温処理を行い、次いで所定の温度の
冷却液と所定の時間接触させることにより冷却処理を行
うことを特徴とする。
【0010】本発明の加温処理は、シャワーまたは浸漬
により、35℃〜100℃の加温液と10秒〜5分間接触させる
か、または100℃〜400℃の高温水蒸気と0.5秒〜5秒間接
触させるか、もしくはこれらの2以上を組み合わせるこ
とにより行う。
【0011】本発明の冷却処理は、シャワーまたは浸漬
若しくはこれらの組合せにより、0℃〜30℃の冷却液と5
秒〜20分間接触させることにより行う。
【0012】
【発明の実施の態様】本発明の方法は、主として生食す
る生鮮果物の全てに適用できる。これらの果物を例示す
れば、リンゴ、ナシ、カキ、パイナップル、オレンジ、
グレープフルーツ、ミカン、ネーブル、ブドウ、ライ
チ、キウイ、スイカ、メロン、バナナなどが含まれる
が、これらには限定されない。また、本発明は、主とし
て生食する生鮮果物をカットして製造されるカット果物
のための前処理に有効である。
【0013】本発明の方法によれば、レストラン、学校
調理室、社員食堂などで用いられ、もしくはスーパーや
コンビニエンスストアーまたはデパート等の生鮮食料品
売場で販売される生鮮果物の表面に付着する微生物を、
薬剤等又は多量の洗剤を使用することなく、安全かつ十
分に除去することができる。本発明はまた、生鮮果物の
表面に付着する微生物を除去すると同時に、生鮮果物、
カット果物の鮮度を保持し、果物本来の味、食感、外観
(色、形状)の劣化を長期間防ぐこともできる。本発明
は、さらに、生鮮果物の表面に付着した土やごみなどの
汚れ、肥料や農薬、ワックス、環境ホルモンなどの化学
物質も同時に生鮮果物から除去することができる。
【0014】本発明の上記目的を達成するため、本発明
の生鮮果物の除菌・洗浄および鮮度保持方法は、生鮮果
物を所定の温度の加温液または高温水蒸気のいずれかに
所定の時間接触させることにより加温しながらブラッシ
ングして加温処理を行うか、またはブラッシングせずに
加温液または高温水蒸気のいずれかに所定の時間接触さ
せた後さらに同様な方法により加温しながらブラッシン
グすることにより加温処理を行い、次いで所定の温度の
冷却液と所定の時間接触させることにより冷却処理を行
うことを特徴とする。
【0015】本発明の方法において、“加温液”とは、
加温処理におけるシャワー液または浸漬液に使用する溶
液であって、水またはアルカリ水から選択される。本発
明の方法において、“冷却液”とは、冷却処理における
シャワー液または浸漬液に使用する溶液であって、水、
アルカリ水または酸性水から選択される。
【0016】ここで“アルカリ水”とは、pH8〜13の溶
液のことをいい、例えば水を電解することにより得るこ
とができる。また、“酸性水”とは、pH2〜6の溶液のこ
とをいい、例えば水を電解することにより得ることがで
きる。
【0017】本発明の方法においては、まず生鮮果物を
加温処理することにより、主として生鮮果物の表面に付
着した微生物を洗い流し、同時にその他の汚れなども洗
い流す。
【0018】本発明の加温処理は、加温しながらブラッ
シングするか、またはブラッシングせずに加温した後さ
らに加温しながらブラッシングすることにより行う。ど
ちらの場合も、加温液の種類、温度、接触時間を変える
ことにより、種々の洗浄形態を利用できる。
【0019】具体的には、生鮮果物を洗浄・除菌する効
果および鮮度保持効果をさらに促進するため、高温水蒸
気の吹き付け、若しくは水またはアルカリ水から選択さ
れる加温液を使用する温水シャワー液または温水浸漬液
のいずれかにより、またはこれらを組み合わせることに
より、加温処理を行う。
【0020】本発明の加温処理の処理温度、処理時間、
シャワーまたは高温水蒸気の噴射速度および噴射量は、
生鮮果物の表面に付着した汚れを十分に落とすことがで
き、かつ生鮮果物に熱的損傷を与えないことなどを達成
できるなどの条件であることが必要とされる。
【0021】具体的には、加温しながらブラッシングし
て加温処理を行う場合には、温水シャワー液および温水
浸漬液は、好ましくは、35℃〜100℃の加温液に10秒〜5
分間、より好ましくは、45℃〜80℃の加温液に10秒〜4
分間、最も好ましくは、50℃〜70℃の加温液に10秒〜3
分間接触させることにより行う。また高温水蒸気を、好
ましくは、100℃〜400℃の温度で0.1秒〜5秒間、より好
ましくは、120℃〜400℃の温度で0.1秒〜3秒間、最も好
ましくは、130℃〜250℃の温度で0.1秒〜3秒間、生鮮果
物に吹き付けることにより行う。
【0022】ブラッシングせずに加温した後さらに加温
しながらブラッシングすることにより加温処理を行う場
合、最初の加温と続いて行う加温における加温液または
高温水蒸気の温度および加温時間の条件は、同一であっ
ても、異なっていてもよい。この場合の温水シャワーお
よび温水浸漬浴は、好ましくは35℃〜100℃の加温液に5
秒〜5分間、より好ましくは、45℃〜80℃の加温液に5秒
〜4分間、最も好ましくは、50℃〜70℃の加温液に5秒〜
3分間接触することにより行う。また高温水蒸気洗浄
は、100℃〜400℃の温度で0.1秒〜5秒間、より好ましく
は、120℃〜400℃の温度で0.1秒〜3秒間、最も好ましく
は、130℃〜250℃の温度で0.1秒〜3秒間、高温水蒸気を
生鮮果物に吹き付けることにより行う。
【0023】次いで、加温処理後の生鮮果物をシャワー
または浸漬により冷却液と接触させるか、またはこの両
方の処理を行うことにより冷却処理する。この冷却処理
では、主として、加温処理で上昇した生鮮果物表層の温
度を冷却して鮮度および食感を維持する効果を達成する
こともできる。同時に、冷却処理では、生鮮果物の表面
に付着した微生物をさらに洗い流し、その他の汚れなど
も洗い流すことができる。
【0024】本発明の冷却処理は、冷却液のシャワー、
冷却液への浸漬のいずれかによって行うか、またはシャ
ワーまたは浸漬のいずれかを2回続けて行うか又はこれ
らを組み合わせて行うことができる。いずれの場合も、
冷却液の種類、温度、接触時間を変え、またブラシ洗浄
を適宜併用することにより種々の洗浄形態を利用でき
る。
【0025】本発明の冷却処理では、水、アルカリ水お
よび酸性水から選択される、1種または2種類の冷却液を
使用できる。本発明の冷却処理において生鮮果物を洗浄
・除菌効果および鮮度保持効果をさらに促進するため、
加温処理で水またはアルカリ水を使用し、次いで冷却処
理で水または酸性水を使用することが好ましい。
【0026】冷却処理に使用する冷却液の温度および冷
却時間は、加温処理で表層を加温された生鮮果物を冷却
することができる程度の温度および時間であることが必
要とされ、さらに生鮮果物の表面に付着した微生物、汚
れなどを十分に落とすことができる程度の温度および時
間であることが必要とされる。
【0027】本発明の冷却処理は好ましくは、0℃〜30
℃の冷却液に10秒〜20分間、より好ましくは、0℃〜20
℃の冷却液に30秒〜16分間、最も好ましくは、0℃〜10
℃の冷却液に1分〜10分間接触することにより行う。
【0028】加温処理および冷却処理、特にそれぞれの
場合の浸漬洗浄において使用する浸漬液には、生鮮果物
の表面に付着する微生物、汚れ、生鮮果物のへたなどが
流れでる。このような状態で処理を継続すると生鮮果物
の洗浄・除菌効果が著しく低下し、作業効率が著しく低
下する。したがって、新鮮な浸漬液を常時補充するか、
又はフィルターを通して浸漬液を循環することにより、
絶えず清浄な条件を保つことが必要である。
【0029】以上説明したように、加温処理、および冷
却処理における洗浄方法、浸漬液、処理温度、および処
理時間は、洗浄する生鮮果物の種類、鮮度、表面硬度、
汚れの程度、汚れの種類、処理の目的などの条件を考慮
して、実施に即して個別に決定することができる。
【0030】本発明においては、必要に応じて、洗浄を
完全に行うため、加温処理の前に、生鮮果物を常温水シ
ャワー中または常温水浸漬液中で洗浄する予備洗浄をさ
らに行うこともできる。
【0031】本発明はさらに、必要に応じて、洗浄を完
全に行い、かつ生鮮果物表面に付着したアルカリ水や酸
性水を除去するため、冷却処理の後に、生鮮果物を冷水
のシャワー中で洗浄する冷水シャワー洗浄をさらに行う
こともできる。この冷水シャワー洗浄に使用する冷水の
温度は、好ましくは0℃〜30℃、より好ましくは0℃〜20
℃、最も好ましくは0℃〜10℃である。
【0032】本発明の方法で処理された生鮮果物は、従
来の方法では考えられないほど、生鮮果物の表面に付着
する一般生菌数を減少させることができるため、カット
処理の際に微生物がカット果物中に混入しない。さら
に、本発明による洗浄を行った生鮮果物は、長期間にわ
たり鮮度が保持される。したがって、本発明の洗浄処理
を施した生鮮果物から得られるカット果物は、微生物が
極端に少なく、かつ長期間鮮度が保持されるため、市場
に流通させるのに好都合である。
【0033】
【実施例】本発明を以下の実施例において説明するが、
これらは本発明をさらに詳しく説明するためのものであ
って、本発明の範囲を限定するためのものではない。
【0034】実施例1. リンゴの細菌検査による評価
および鮮度保持作用 本実施例は、本発明の洗浄方法により、リンゴの表面の
微生物を十分に除去することができ、かつリンゴの鮮度
を保持する作用を有することを明らかにするために行わ
れた。
【0035】実験群は、60℃の温水にて30秒間の温水シ
ャワー洗浄を行い、次いで5℃の冷却アルカリ水中に1分
間浸漬し、5℃の冷却酸性水中に1分間浸漬し、更に、5
℃の冷水にて30秒間の冷水シャワー洗浄を連続的に行っ
た。温水シャワー洗浄および冷却浸漬洗浄処理は、ブラ
ッシングしながら行った。
【0036】対照群としては、常温水にて30秒間の常温
シャワー洗浄を行い、常温水中に2分間浸漬し、さらに3
0秒間の常温水シャワー洗浄を連続的に行った。全ての
洗浄処理はブラッシングをせずに行った。
【0037】本発明の方法にて処理した実験群のリンゴ
と対照群のリンゴは、各リンゴの芯を抜いた後、経度方
向に8等分、赤道部分を2等分することにより16等分にカ
ットし、5℃に設定された冷蔵庫中に保存した。実験群
および対照群は、それぞれ、処理後0日目、3日目、5日
目および7日目にサンプリングをして、サンプル単位重
量当たりの一般生菌数について検査を行った。本実施例
では同時に、リンゴの鮮度を色、食感、みずみずしさに
ついて官能試験を行って評価した。
【0038】この結果、一般生菌数に関しては、7日後
対照群では5×104/g検出されたのに対して、本発明の方
法にて処理を行った実験群では7日後一般生菌が300未満
/gであった。大腸菌についても陰性であった。
【0039】
【表1】
【0040】また、処理7日後の時点で対照群のリンゴ
では表面に褐変が生じたのに対して、本発明の方法にて
処理を行った実験群では色の変化は生じなかった。ま
た、食感、及びリンゴのみずみずしさについても、処理
7日後の時点で対照群では食感およびみずみずしさの両
方ともに劣化がみられたのに対して、本発明の実験群で
は対照群に比較して食感およびみずみずしさのいずれに
ついても変化がみられず鮮度を保っていた。
【0041】実施例2. グレープフルーツの細菌検査
による評価および鮮度保持作用 本実施例は、本発明の洗浄方法により、グレープフルー
ツの表面の微生物を十分に除去することができ、かつグ
レープフルーツの鮮度を保持する作用を有することを明
らかにするために行われた。
【0042】実験群は、60℃の温水にて30秒間の温水シ
ャワー洗浄を行い、次いで5℃の冷却アルカリ水中に1分
間浸漬し、5℃の冷却酸性水中に1分間浸漬し、更に、5
℃の冷水にて30秒間の冷水シャワー洗浄を連続的に行っ
た。温水シャワー洗浄および冷却浸漬洗浄処理は、ブラ
ッシングしながら行った。
【0043】対照群としては、常温水にて30秒間の常温
シャワー洗浄を行い、常温水中に2分間浸漬し、さらに3
0秒間の常温水シャワー洗浄を連続的に行った。全ての
洗浄処理は、ブラッシングをせずに行った。
【0044】本発明の方法にて処理した実験群のグレー
プフルーツと対照群の各グレープフルーツは、皮および
綿部分を除去した後、経度方向に10等分し、5℃に設定
された冷蔵庫中に保存した。実験群および対照群は、そ
れぞれ、処理後0日目、3日目、5日目および7日目にサン
プリングをして、サンプル単位重量当たりの一般生菌数
について検査を行った。本実施例では同時に、グレープ
フルーツの鮮度を色、食感、みずみずしさについて官能
試験を行って評価した。
【0045】この結果、一般生菌数に関しては、7日後
対照群では8×104/g検出されたのに対して、本発明の方
法にて処理を行ったグレープフルーツ群では一般生菌は
300未満/gであった。大腸菌についても陰性であった。
【0046】
【表2】
【0047】また、処理7日後の時点で対照群のグレー
プフルーツでは残存する砂嚢部分にに変色が生じたのに
対して、本発明の方法にて処理を行った実験群では色の
変化は生じなかった。また、食感、及びグレープフルー
ツのみずみずしさについても、処理7日後の時点で対照
群では食感およびみずみずしさの両方ともに劣化がみら
れたのに対して、実験群では対照群に比較して食感およ
びみずみずしさのいずれについても変化がみられず鮮度
を保っていた。
【0048】したがって、本発明の方法によれば、生鮮
果物表面に付着した微生物を効果的に洗浄・除去するこ
とができ、同時に生鮮果物の鮮度を保持することもでき
ることを確認された。
【0049】
【効果】本発明の生鮮果物の洗浄方法により、生鮮果物
の表面に付着した微生物およびほこりやごみなどの汚
れ、肥料や農薬、ワックス、環境ホルモンなどの化学物
質を、薬品や多量の洗剤などを使用することなく安全か
つ十分に生鮮果物から除去し、同時に生鮮果物が本来有
する、味、食感、外観の劣化を長期間防ぐこともでき
た。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生鮮果物を加温しながらブラッシングす
    るか、またはブラッシングせずに加温した後さらに加温
    しながらブラッシングし、次に冷却する生鮮果物の除菌
    洗浄および鮮度保持方法。
  2. 【請求項2】 加温処理は加温液または高温水蒸気と接
    触させるか、またはこれらの処理を組み合わせることに
    より行い、冷却処理は冷却液と接触させることにより行
    うことを特徴とする、請求項1に記載の生鮮果物の除菌
    洗浄および鮮度保持方法。
  3. 【請求項3】 加温処理は、シャワーまたは浸漬によ
    り、35℃〜100℃の加温液と10秒〜5分間接触させるか、
    あるいは100℃〜400℃の高温水蒸気と0.5秒〜5秒間接触
    させるか、またはこれらの2以上を組み合わせることに
    より行う、請求項1または2に記載の生鮮果物の除菌洗
    浄および鮮度保持方法。
  4. 【請求項4】 冷却処理は、シャワーまたは浸漬若しく
    はこれらの組合せにより、0℃〜30℃の冷却液と5秒〜20
    分間接触させることにより行う、請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の生鮮果物の除菌洗浄および鮮度保持方
    法。
JP33456299A 1999-11-25 1999-11-25 生鮮果物の除菌洗浄および鮮度保持方法 Pending JP2001149002A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6640818B1 (en) * 2002-03-20 2003-11-04 Rueben Talisman Refrigerated automatic fruit and vegetable washer
JP2010509910A (ja) * 2006-11-20 2010-04-02 サントリーホールディングス株式会社 コーヒー果実の処理方法、コーヒー生豆、コーヒー焙煎豆、及びコーヒー飲料

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