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JP2001143198A - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置

Info

Publication number
JP2001143198A
JP2001143198A JP2000270444A JP2000270444A JP2001143198A JP 2001143198 A JP2001143198 A JP 2001143198A JP 2000270444 A JP2000270444 A JP 2000270444A JP 2000270444 A JP2000270444 A JP 2000270444A JP 2001143198 A JP2001143198 A JP 2001143198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
road
vehicle
control
branch
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000270444A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Kawai
正夫 川合
Hideki Ariga
秀喜 有賀
Toshihiro Shiimado
利博 椎窓
Hideki Nakajima
秀樹 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Equos Research Co Ltd filed Critical Equos Research Co Ltd
Priority to JP2000270444A priority Critical patent/JP2001143198A/ja
Publication of JP2001143198A publication Critical patent/JP2001143198A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ナビゲーションシステムに記憶されている道路
情報に基づき行なわれる車両制御において、分岐路の中
から進行する方向を推定して、推定された分岐路の道路
情報に基づき車両制御を行う。 【解決手段】データ記憶部から読取った道路情報から、
分岐点Pを検出し、車両2が走行している道路D1と、
分岐している道路D2、D3、D4、D5との道路属性
を比較して、共通している属性(道路種別、幅員等)が
多い分岐道路は、重み付けを重く、共通する属性が少な
い分岐道路は軽くして、分岐道路毎に重み付けを行う。
この重み付けの最も重い分岐路に車両が進入するものと
推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両制御装置にか
かり、詳しくはナビゲーションシステム装置に記憶され
た道路情報に基づいて車両制御を行う制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、運転者に車両の現在地周りの道路
情報を知らせて、車両の目的地までの走行経路を誘導す
るナビゲーションシステム装置が車両に搭載され、この
装置に備えられた車両の現在位置の周囲に関する道路情
報に応じて、車両制御を行う制御装置が提案されている
(特公平6-58141号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来制御では、現在走
行中の道路を判別して、それに対応した車両制御が行な
われている。このような車両制御は、車両よりも前方の
道路の状況を踏まえた制御を行うことが好ましいが、進
行方向に道路の分岐があった場合、車両がどちらの道路
に進むのか判別が難しいといった問題がある。
【0004】また、従来では、運転者に予め目的地を設
定してもらい、該目的地までのルートを決定することで
進行方向を判別していたが、逐次、目的地を入力しなけ
ればならず、操作が面倒であるといった欠点もある。
【0005】このような観点から、本発明は、進行方向
に道路の分岐があった場合、制御対象となる道路を選択
することのできる車両制御装置を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、以下
の本発明により達成される。
【0007】(1) 走行環境に基づき、車両を制御す
る車両制御装置であって、自車位置を検出する自車位置
検出手段と、車両の進行方向に位置する道路の分岐路を
検出する検出手段と、検出された分岐路の幅員と自車が
現在走行している道路の幅員とに応じた係数を求め、現
在走行している道路の幅員を基準とする基準値に、前記
係数を掛けることにより重み付けを行う重み設定手段
と、前記重み設定手段による重み付けが一番大きな分岐
路を制御必要道路として選択するとともに、該制御必要
道路に基づき車両制御を行う制御手段とを有することを
特徴とする車両制御装置。
【0008】(2) 走行環境に基づき、車両を制御す
る車両制御装置であって、自車位置を検出する自車位置
検出手段と、車両の進行方向に位置する道路の分岐路を
検出する検出手段と、検出された分岐路の道路種別と自
車が現在走行している道路の種別とに応じた係数を求
め、現在走行している道路の種別を基準とする基準値
に、前記係数を掛けることにより重み付けを行う重み設
定手段と、前記重み設定手段による重み付けが一番大き
な分岐路を制御必要道路として選択するとともに、該制
御必要道路に基づき車両制御を行う制御手段とを有する
ことを特徴とする車両制御装置。
【0009】(3) 走行環境に基づき、車両を制御す
る車両制御装置であって、自車位置を検出する自車位置
検出手段と、車両の進行方向に位置する道路の分岐路を
検出する検出手段と、検出された分岐路の曲率半径に応
じた係数を求め、現在走行している道路を直進した場合
を基準とする基準値に、前記係数を掛けることにより重
み付けを行う重み設定手段と、前記重み設定手段による
重み付けが一番大きな分岐路を制御必要道路として選択
するとともに、該制御必要道路に基づき車両制御を行う
制御手段とを有することを特徴とする車両制御装置。
【0010】なお、(11) 道路情報を記憶した道路
情報記憶手段と、自車位置を検出する自車位置検出手段
と、自車の車速を検出する車速検出手段と、運転者の減
速操作を検出する運転操作検出手段と、車両の進行方向
に位置する道路の分岐路を前記道路情報記憶手段から検
出する分岐路検出手段と、検出された各分岐路毎に、道
路属性に応じた重み付けをする重み設定手段と、設定さ
れた重み付けによって、車両の進入する分岐路を推定す
る推定手段と、前記推定手段により推定された分岐路上
の特定点を通過する際の推奨走行速度を算出する推奨走
行速度算出手段と、前記自車位置検出手段により検出さ
れた自車位置から前記推定手段により推定された分岐路
上の特定点までの距離を算出する距離算出手段と、前記
距離算出手段により算出された距離と前記推奨走行速度
算出手段により算出された推奨走行速度と前記車速検出
手段により検出された車速とから、現在の車速から前記
推奨走行速度まで減速するために適切な変速段を決定す
る手段と、前記運転操作検出手段により運転者の減速操
作が検出された場合、自動変速装置が選択する変速段を
前記決定された変速段の範囲内で変速段を規制する変速
比制御手段とを備えたことを特徴とする車両制御装置、
としてもよい。
【0011】(12) 前記重み設定手段は、道路の幅
員に基づいて重み付けするものである上記(11)に記
載の車両制御装置、としてもよい。 (13) 前記重み設定手段は、現在走行している道路
と各分岐路との幅員を比較して重み付けをするものであ
る上記(12)に記載の車両制御装置、としてもよい。 (14) 前記重み設定手段は、道路の種別に基づいて
重み付けするものである上記(11)から(13)のう
ちのいずれか1に記載の車両制御装置、としてもよい。 (15) 前記重み設定手段は、現在走行している道路
と各分岐路との道路種別を比較して重み付けをするもの
である上記(14)記載の車両制御装置、としてもよ
い。 (16) 前記重み設定手段は、分岐点の曲率半径に基
づいて重み付けするものである上記(11)から(1
5)のうちのいずれか1に記載の車両制御装置、として
もよい。 (17) さらに、運転者の加速若しくは減速の意図を
判断する判断手段を有し、前記推定手段は、さらに運転
者の加速若しくは減速の意図に対応して、車両の進入す
る分岐路を推定するものである上記(11)から(1
6)のうちのいずれか1に記載の車両制御装置、として
もよい。 (18) 各分岐路毎に設定された重みに応じて、推定
手段による分帰路の推定の信頼度を設定する信頼度設定
手段を有し、前記制御手段は、信頼度に応じて制御内容
を変更するものである上記(11)から(17)のうち
のいずれか1に記載の車両制御装置、としてもよい。
【0012】更に、(21)走行環境に基づき、車両を
制御する車両制御装置であって、自車の位置を検出する
自車位置検出手段と、車両の進行方向に位置する道路の
分岐路を検出する検出手段と、検出された各分岐路毎
に、道路属性に応じた重み付けをする設定手段と、設定
され重み付けに応じて車両の進入する分岐路を推定し、
その分岐路に応じた車両制御を行う制御手段とを有する
ことを特徴とする車両制御装置、としてもよい。
【0013】(22)道路情報を記憶した道路情報記憶
手段と、自車の位置を検出する自車位置検出手段と、検
出された自車位置に応じて、道路情報記憶手段の道路情
報から車両の進行方向に位置する分岐路を検出する分岐
路検出手段と、現在走行中の道路情報に基づいて、検出
された各分岐路毎に重み付けを行う重み設定手段と、設
定された重み付けによって、車両の進入する分岐路を推
定する推定手段と、推定された分岐路を走行することを
前提として車両制御を行う制御手段とを有することを特
徴とする車両制御装置、としてもよい。
【0014】(23)前記重み設定手段は、道路の幅員
に基づいて重み付けするものである上記(22)に記載
の車両制御装置、としてもよい。 (24)前記重み設定手段は、道路の種別に基づいて重
み付けするものである上記(22)または(23)に記
載の車両制御装置、としてもよい。 (25)前記重み設定手段は、分岐点の曲率半径に基づ
いて重み付けするものである上記(22)から(24)
のいずれかに記載の車両制御装置、としてもよい。 (26)さらに、運転者の加速若しくは減速の意図を判
断する判断手段を有し、前記推定手段は、さらに運転者
の加速若しくは減速の意図に対応して、車両の進入する
分岐路を推定するものである上記(22)から(25)
のいずれかに記載の車両制御装置、としてもよい。 (27)各分岐路毎に設定された重みに応じて、推定手
段による分帰路の推定の信頼度を設定する信頼度設定手
段を有し、前記制御手段は、信頼度に応じて制御内容を
変更するものである上記(22)から(26)のいずれ
かに記載の車両制御装置、としてもよい。 (28)前記制御手段は、道路形状に応じて変速比を設
定する変速比制御手段である上記(21)から(27)
のいずれかに記載の車両制御装置。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施形態の1
つについて、添付図面に基づいて詳説する。は、本発明
の車両制御装置の構成を示すブロック図である。本発明
の車両制御装置1は、ナビゲーションシステム装置10
と、自動変速装置と、ATモード選択部20と、車両状
態検出部30とを備えている。ナビゲーションシステム
装置10は、ナビゲーション処理部11と、道路情報記
憶手段であるデータ記憶部12と、現在位置検出部13
と、通信部15と、入力部16と、表示部17と、音声
出力部19とを有している。
【0016】ナビゲーション処理部11は、入力された
情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種演算処理
を行い、その結果を出力する中央制御装置(以下「CP
U」という)111を備えている。このCPU111
は、データバス等のバスラインを介してROM112と
RAM113が接続されている。ROM112は、目的
地までの経路の検索、経路中の走行案内、特定区間の決
定等を行うための各種プログラムが格納されているリー
ド・オンリー・メモリである。RAM113は、CPU
111が各種演算処理を行う場合のワーキング・メモリ
としてのランダム・アクセス・メモリである。
【0017】データ記憶部12は、地図データファイ
ル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道
路データファイル、写真データファイル、および各地域
のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内などの各種地
域毎との情報が格納された他のデータファイルを備えて
いる。これら各ファイルには、経路探索を行うととも
に、探索した経路に沿って案内図を表示したり、交差点
や経路中における特徴的な写真やコマ図を出したり、交
差点までの残り距離、次の交差点での進行方向を表示し
たり、その他の案内情報を表示部17や音声出力部19
から出力するための各種データが格納されている。
【0018】これらのファイルに記憶されている情報の
内、通常のナビゲーションにおける経路探索に使用され
るのが交差点データ、ノードデータ、道路データのそれ
ぞれが格納された各ファイルである。これらのファイル
には、道路の幅員、勾配、カント、バンク、路面の状
態、コーナの曲率半径、交差点、T字路、道路の車線
数、車線数の減少する地点、コーナの入口、踏切、高速
道路出口ランプウェイ、高速道路の料金所、道路の幅員
の狭くなる地点、降坂路、登坂路、道路種別(国道、一
般道、高速道等)などの道路属性を含む道路情報が格納
されている。ここで、走行環境とは、上記交差点デー
タ、ノードデータ、道路データ等の道路情報に基づき特
定することができ、また、天候に基づく路面の変化(雨
路、雪路等)なども含めた概念である。これらの路面の
変化は、ワイパーの使用の有無、路面センサなどによっ
て検出することができる。
【0019】各ファイルは、例えば、DVD、MO、C
D−ROM、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光
カード等の各種記憶装置が使用される。なお、各ファイ
ルは記憶容量が大きい、例えばCD−ROMの使用が好
ましいが、その他のデータファイルのような個別のデー
タ、地域毎のデータは、ICカードを使用するようにし
てもよい。
【0020】また現在位置検出部13は、GPSレシー
バ131、地磁気センサ132、距離センサ133、ス
テアリングセンサ134、ビーコンセンサ135、ジャ
イロセンサ136とを備えている。GPSレシーバ13
1は、人口衛星から発せられる電波を受信して、自車の
位置を測定する装置である。地磁気センサ132は、地
磁気を検出して自車の向いている方位を求める。距離セ
ンサ133は、例えば車輪の回転数を検出して計数する
ものや、加速度を検出して2回積分するものや、その他
計測装置等が使用される。ステアリングセンサ134
は、例えば、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回
転センサや回転抵抗ボリューム等が使用されるが、車輪
部に取り付ける角度センサを用いてもよい。ビーコンセ
ンサ135は、路上に配置したビーコンからの位置情報
を受信する。ジャイロセンサ136は、車両の回転角速
度を検出しその角速度を積分して車両の方位を求めるガ
スレートジャイロや振動ジャイロ等で構成される。
【0021】現在位置検出部13のGPSレシーバ13
1とビーコンセンサ135は、それぞれ単独で位置測定
が可能であるが、その他の場合には、距離センサ133
で検出される距離と、地磁気センサ132、ジャイロセ
ンサ136から検出される方位との組み合わせ、また
は、距離センサ133で検出される距離と、ステアリン
グセンサ134で検出される舵角との組み合わせによっ
て自車の絶対位置(自車位置)を検出するようになって
いる。
【0022】通信部15は、FM送信装置や電話回線等
との間で各種データの送受信を行うようになっており、
例えば情報センタ等から受信した渋滞などの道路情報や
交通事故情報等の各種データを受信するようになってい
る。
【0023】入力部16は、走行開始時の現在位置の修
正や、目的地を入力するように構成されている。入力部
16の構成例としては、表示部17を構成するディスプ
レイの画面上に配置され、その画面に表示されたキーや
メニューにタッチすることにより情報を入力するタッチ
パネル、その他、キーボード、マウス、バーコードリー
ダ、ライトぺン、遠隔操作用のリモートコントロール装
置などが挙げられる。
【0024】表示部17には、操作案内、操作メニュ
ー、操作キーの表示や、ユーザの要求に応じて設定され
た案内地点までの経路の表示や、走行する経路に沿った
案内図等の各種表示が行われる。表示部17としては、
CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディ
スプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホロ
グラム装置等を用いることができる。
【0025】音声入力部18はマイクロホン等によって
構成され、音声によって必要な情報が入力される。音声
出力部19は、音声合成装置と、スピーカとを備え、音
声合成装置で合成される音声の案内情報を出力する。な
お、音声合成装置で合成された音声の他に、各種案内情
報をテープに録音しておき、これをスピーカから出力す
るようにしてもよく、また音声合成装置の合成音とテー
プの音声とを組み合わせてもよい。
【0026】以上のように構成されたナビゲーションシ
ステム装置は、運転者に車両の現在地周りの道路情報を
知らせて、車両の目的地までの走行経路を誘導する。つ
まり、入力部16から目的地を入力すると、ナビゲーシ
ョン処理部11は、現在位置検出部13で検出された自
車位置に基づき、データ記憶部12から読み出した道路
情報から目的地までの走行経路を選択し、該経路を表示
部17に出力するとともに、該表示部17に表示された
走行経路と、音声出力部19から出力される音声によっ
て、運転者を目的地まで誘導する。また、目的地が入力
されていない場合には、自車位置の周辺の道路情報を表
示部17に出力する。
【0027】以上のようなナビゲーションシステム装置
10において、自車位置検出手段は、現在位置検出部1
3によって構成され、道路情報記憶手段は、データ記憶
部12によって構成される。自車位置の進行方向にある
特定点としてのノードは、現在位置検出部13で検出さ
れた自車位置と自車の走行方向および道路情報記憶手段
に記憶されている道路情報に基づき、ナビゲーション処
理部11が決定する。また、距離算出手段は、現在位置
検出部13と、データ記憶部12と、ナビゲーション処
理部11とによって構成され、及びに示されているよう
に、現在位置から各ノードまでの距離L1〜Lnを算出
する。
【0028】ノード半径算出手段は、データ記憶部12
とナビゲーション処理部11とによって構成され、に示
されているように、各ノードN1〜Nn毎のノード半径
R1〜Rnを計算する。ここで、ノードとは、デジタル
地図において、道路の位置形状を示す要素で、デジタル
化された道路情報は、道路上の位置を示す点(ノード)
とノード間を結ぶ線(リンク)により構成される。本実
施形態においては、ノードが特定点である。特定点にお
けるノード半径の算出方法は、例えば特定点で交叉する
リンクの交叉角度から算出することができる。
【0029】また、推奨走行速度算出手段は、データ記
憶部12と現在位置検出部13とナビゲーション処理部
11とによって構成され、各ノード半径R1〜Rnと、
予め設定されている旋回横Gより、に示されているよう
な、予め定められたデータテーブルに従って、各ノード
位置を通過する際に推奨される車速(ノードスピード)
V1〜Vn(推奨走行速度)を各ノード毎に計算する。
【0030】制御手段である変速比制御手段は、ナビゲ
ーション処理部11とA/T ECU40とによって構
成されている。ナビゲーション処理部11は、車両の進
行方向に位置するノード情報から、上記のように推奨走
行速度を算出し、に示されているデータテーブルに基づ
いて、各ノードを推奨走行速度で通過するためには、ど
のような変速段で減速することが適当であるかを判断
し、その判断に基づき、変更可能な変速段の範囲、つま
り変更可能な変速段の上限を設定する。ナビゲーション
処理部11は、運転者の減速の意図があることを確認し
た後、A/TECU40に上限値を出力する。A/T
ECU40は、ナビゲーション処理部11で決定された
変速段の上限値と、通常の変速マップに基づいて決定さ
れる変速段とを比較して、両者のうち低い変速段を、実
際の変速段として設定する。
【0031】以上のような変速比制御を行うためには、
車両が走行する道路が特定されていることが、つまり、
進行方向に位置するノードが特定されていることが条件
となるが、進行方向に分岐路がある場合には、いずれか
1つの分岐路を選択して、その選択された分岐路に沿っ
た変速比制御を行う必要がある。
【0032】進行方向に位置する道路の分岐路を検出す
る検出手段である分岐路検出手段は、データ記憶部12
と現在位置検出部13とナビゲーション処理部11で構
成される。ナビゲーション処理部11は、現在位置検出
部13で検出された自車位置から、進行方向に位置する
ノードデータをデータ記憶部12から取得し、ノードに
3本以上のリンクが接続されているか否かを検出して、
分岐路が存在するかを検出する。
【0033】検出された分岐路毎に、道路属性に応じた
重み付けをする設定手段である重み設定手段は、データ
記憶部12と現在位置検出部13とナビゲーション処理
部11で構成されている。ナビゲーション処理部11
は、現在位置検出部13で検出された自車位置から、現
在走行中の道路を特定し、該道路の道路情報をデータ記
憶部12から取得するとともに、分岐路検出手段によっ
て検出された分岐路の各道路情報も取得して、各分岐路
毎に、現在走行中の道路の道路情報と比較する。そし
て、比較した結果に基づいて、各分岐路毎に車両の進入
する分岐路を推定する際の基準となる重み付けを行う。
この重み付けを行う基準は、走行環境に応じて適宜変更
することができるが、例えば、現在走行中の道路の道路
情報と、分岐路の道路情報が、共通する要素が多い程、
その分岐路の重み付けを重くするように設定することが
できる。
【0034】設定された重み付けに応じて車両の進入す
る分岐路を推定する推定手段は、ナビゲーション処理部
11によって構成される。ナビゲーション処理部11
は、分岐路毎に設定された重みを比較して、最も重みの
大きい分岐路を、車両が進入する分岐路であるものと推
定する。
【0035】また、信頼度設定手段は、ナビゲーション
処理部11で構成され、設定された重みが同じ分岐路が
あり、1つの分岐路に絞り込むことができない場合に
は、推定手段か推定した内容について、その信頼度を設
定する。変速比制御手段は、この設定された信頼度に応
じて、制御内容を変更することができる。例えば、信頼
度が低い場合には、2速となっている上限を3速とする
など、変速段の規制範囲を緩やかにする。つまり、推定
されている分岐路以外の分岐路に車両が進入した場合で
も、進入した分岐路の情報に応じて制御が可能な状態を
維持するように、制御の幅を持たせるようにすることが
できる。
【0036】また、運転者の減速の意図を判断する判断
手段は、車両状態検出部30とナビゲーション処理部1
1によって構成される。ブレーキ操作や、アクセル開度
の急激な減少、ウインカーのオン操作などを検出するこ
とによって、進入する分岐路をより確実に特定すること
ができる。
【0037】ATモード選択部20は、シフトポジショ
ンと変速モードを選択する操作部である。車両状態検出
部30は、車速検出手段である車速センサ31、運転操
作検出手段としてブレーキセンサ32、アクセル開度セ
ンサ33、ウィンカーセンサ34とを備え、さらにスロ
ットル開度センサ35を有してしている。車速センサ3
1は車速Vを、ブレーキセンサ32はブレーキが踏まれ
たか否か(ON/OFF)を、アクセルセンサ33はア
クセル開度αを、ウインカーセンサ34はウインカース
イッチのON/OFFを、スロットルセンサはスロット
ル開度θをそれぞれ検出する。
【0038】そして、検出された運転操作は、ブレーキ
のON/OFF信号、アクセル開度信号、ウインカのO
N/OFF信号として、それぞれナビゲーション処理部
11に供給される。また、車速センサ31で検出された
車速Vは、ナビゲーション処理部11と後述する電気制
御回路部40にそれぞれ供給され、スロットルセンサで
検出されたスロットル開度θは、電気制御回路部40に
供給される。
【0039】運転操作は、ブレーキのON信号によっ
て、運転者の減速操作を検出することができる。また、
アクセル開度αの変化によって、運転者の減速操作を検
出することができる。つまり、アクセル開度が零に近い
場合や、アクセル開度が所定の変化率以上で減少した場
合など、運転者の減速操作として検出することができ
る。さらに、ウインカのON信号によって、運転者の減
速の意志を予測し、減速操作として検出することもでき
る。
【0040】自動変速装置は、プラネタリギアを主体と
したギアトレーン及びギアトレーンの各構成要素を係
合、解放して変速段を形成する油圧回路からなる機構部
(図中、A/Tという)41と、この機構部41を制御
する電気制御回路部(以下、A/T ECUという)4
0とを備えている。ナビゲーションシステム装置10と
A/T ECU40とは、相互に通信線で接続され適宜
通信が行われる。
【0041】A/T ECU40は、車速センサ31及
びスロットル開度センサ35が接続されており、車速セ
ンサ31からは車速信号が、スロットル開度センサ35
からはスロットル開度信号が入力される。さらに、機構
部41に取り付けられた図示しないシフトポジションセ
ンサからはATモード選択部20で選択されたシフトポ
ジションに対応したシフトポジション信号が入力され
る。
【0042】一方、A/T ECU40から機構部41
の油圧回路内のアクチュエータ(油圧ソレノイド)に対
して駆動信号が出力され、この駆動信号に基づき上記ア
クチュエータが作動して変速段の形成等を行う。A/T
ECU40は、また、EEPROM42にき記憶され
た制御プログラムにより制御されており、例えば、変速
段の選択は、スロットル開度センサ35より検出される
スロットル開度と、車速センサ31からの車速とに基づ
き、メモリテーブル(変速マップ)に基づき行われるよ
うに構成されている。この変速マップが自動変速装置固
有の変速段を決定する。
【0043】変速マップは、ノーマルモード、パワーモ
ードの各モードに応じて用意されており、ナビゲーショ
ン処理部11から供給される変速モード変更指令信号に
基づいて自動的に変更される。また、変速モードは、運
転者の意志によりATモード選択部20を介して変更す
ることもできる。ここで、ノーマルモードは、燃費と動
力性能のバランスのとれた経済走行パターンで、通常走
行に用いるものである。パワーモードとは、動力性能を
重視したパターンで、山間地等での運転に使用するもの
であり、変速段マップでは、低速側の変速段の領域が大
きく取られている。
【0044】本実施態様では、この固有の変速マップを
変化させることなく、変速段の高速側(上限)を制限す
ることにより、結果的に変速段が低速側にシフトされた
ような制御を実行している。したがって、固有の変速マ
ップとして、どのような変速マップを用いることもでき
る。
【0045】ATモード選択部20が備えるシフトレバ
ーは、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラ
ルレンジ、ドライブレンジ、セカンドレンジ、ローレン
ジ、の6つのシフトポジションが選択可能な6ポジショ
ンタイプで、機構部41に取り付けられた図示しないシ
フトポジションセンサと機械的に接続されている。ドラ
イブレンジのシフトポジションでは、1〜4速の間で変
速段が選択され、セカンドレンジでは、1〜2速の間で
変速段が選択され、ロウレンジでは、1速の変速段のみ
が設定される。
【0046】本実施態様では、シフトレバーがドライブ
レンジのシフトポジションに保持されている場合にの
み、ナビゲーションシステム装置10による変速段の規
制が実行可能な構成となっている。例えば、A/T E
CU40によって、4速が決定されていてもナビゲーシ
ョン処理部11により上限が3速とされているときは、
駆動信号は1速から3速までの範囲内でしか出力されな
い。そして、変速比を設定する機構部41の油圧回路に
対して、その範囲内で駆動信号が出力される。
【0047】エンジンコントロールユニット(図中、E
/G ECUという)50は、スロットル開度の信号
と、エンジン(図中、E/Gという)51からのエンジ
ン回転数その他(冷却水温、センサ信号等)とに基づ
き、燃料噴射指令等を変化させて、エンジン51を制御
する。本実施形態では、変更可能な変速段の範囲とし
て、上限値が制限された規制範囲とされる。
【0048】以下、ナビゲーション処理部11によるル
ート推測制御について、、、〜に示されているフローチ
ャートを参照して詳説する。ここでは、ナビゲーション
処理部11で実行される処理の一部としてのルート推測
ルーチンを示している。は、ルート推測ルーチンの一部
を構成する分岐処理ルーチンを示している。
【0049】ルート推測ルーチンについて説明する。現
在位置から前方のノード間のリンクに関するデータを取
得する(ステップS10)。リンクに関するデータか
ら、前方に分岐があるかを判断する(ステップS3
0)。リンクが二手に別れているノードは、分岐と判断
する。つまり、ノード点にリンクが3本以上接続される
場合には、分岐と判断する。従って、このリンクの数に
より、リンク数が2以下である場合と、2を越える場合
とで、分岐数を判断する。
【0050】分岐の場合は、(ステップS30:>2)
ステップS50へ進み、分岐でない場合は(ステップS
30:≦2)、ステップS70へ進む。分岐の場合に
は、後述する分岐処理を行い、分岐するいずれかの経路
の選択を行う(ステップS50)。
【0051】そして、選択された経路について、信頼度
を計算する(ステップS60)。信頼度の計算は、次の
ように行なわれる。ステップS50の分岐処理ルーチン
において選択された経路が1つの場合には、信頼度を1
00%とし、経路が2つ選択された場合には、信頼度を
50%とする。
【0052】制御用データを作成する(ステップS7
0)。本実施例では、選ばれた経路に対して制御用の道
路形状判断が行われ、この制御用データと、ステップS
60で得られた信頼度は、変速段の規制制御のための道
路データとして保持される。
【0053】また、信頼度に基づいて、制御内容(本実
施形態の場合には、変速段の規制制御における上限変速
段の値)が変更され、より確実で幅のある(適応性のあ
る)制御を実現することができる。例えば、信頼度が1
0割の場合は制御を行い、信頼性が低い場合は制御を限
定するようにできる。本実施形態の場合について説明す
ると、変速段の上限を規制する制御において、上限が2
速とされている時、信頼度が100%の場合には、その
ままの値を用いて上限を2速とし、信頼度が50%の場
合には、上限を3速に変更する。
【0054】次に、ステップS50の分岐処理ルーチン
について、に示されているフローチャートおよぴに示さ
れている道路の概念図に基づき説明する。まず、分岐デ
ータを取得する(ステップS101)。つまり、分岐す
る場所のノードデータ及びリンクデータを取得する。
【0055】では、車両が道路D1を走行している状態
であり、前方の分岐点としてPが選択され、分岐点Pにつ
いてのノードデータ及び分岐後の道路D2,D3,D4,
D5を示すリンクデータとが、入力される。そして道路
D2,D3,D4,D5の内、車両が通る可能性の高い道
路を以下に説明する判断により選択する。ここで、各道
路D1,D2,D3,D4,D5の属性は、表1に示さ
れている通りとなっている。また、道路D5は、一方通
行であり、分岐点Pが一方通行の出口となっている。
【0056】
【表1】
【0057】その分岐後の道路のリンクデータより、進
入禁止(一方通行)かどうか判断する(ステップS10
3)。一方通行の場合、車両が進入するケースは無く、
車両制御する必要無しと判断して、そのリンクのデータ
を排除する。一方通行でない場合、進入する可能性があ
りと判断し、以下の判断を行う。
【0058】の場合、道路D5が一方通行となっている
ので、道路D5のリンクのデータを排除し、道路D2,
D3,D4について判断を続ける。現在走行している道
路(リンク)と分岐後の道路(リンク)との幅員を比較
する(ステップS105)。
【0059】の場合、道路D1と道路D2,D3,D4の
幅員を比較して、幅員が同じ道路である場合(道路D
3,D4)には、道路D1の幅員を基準とする基準値
に、係数α1を掛けることによって重み付けを行う。道
路D2の場合には、幅員が小さくなるので通過する可能
性が低くなると判断され、道路D1の幅員を基準とする
基準値に対して、係数α2を掛ける。ここでは、α1>
α2としている。
【0060】係数αnは、道路の幅員に対して変化する
ようになっており、に示されるようなマップにより、例
えば分岐後の道路が、分岐前の道路の幅員と同じ場合は
1とし、幅員の差が大きくなるにつれ、1より小さくな
るようにしてもよい。このようなマップは、道路D1の
幅員に応じて複数設けられる。また、ここではマップを
用いたが、計算により係数を求めてもよい。
【0061】次に、現在走行している道路(リンク)と
分岐後(リンク)の道路との道路種別を比較する(ステ
ップS107)。の場合、道路D1よりも高位の種別を
持つ道路はなく、種別が同じ道路は、道路D3,D4で
あり、逆に道路が低位となる道路は、道路D2である。
分岐後の道路が同じ種別である道路D3,D4の場合に
は、道路D1の種別を基準とする基準値に対して係数β
1を掛けることによって重み付けを行う。また、低位の
種別となる道路D2の場合には、道路D1の種別を基準
とする基準値に対して係数β2を掛ける。ここではβ1
>β2となる。
【0062】係数βnは、現在走行している道路の幅員
に対して変化するようになっており、表2に示されてい
るような、予め設定されたマップにより選択できる。例
えば分岐後の道路が、分岐前の道路の種別と同じ場合は
1とし、種別が異なる場合は、道路種別毎に設定される
値は異なり、いずれも1よりも小さい値に設定される。
また、ここではマップを用いたが、計算により係数を求
めてもよい。
【0063】
【表2】
【0064】次に、曲率半径Rの比較処理を行う(ステ
ップS109)。分岐点Pの前後に位置するノード点か
ら分岐点Pに対応する曲率半径Rを算出する。では、分
岐点Pにおける、道路D2,D3,D4のRを算出し、道
路D3,D4の曲率半径R3、R4が同じであり、道路
D2の曲率半径R2は道路D3,D4に対する曲率半径
R3、R4よりも小さくなっている。
【0065】分岐点の道路の形状が同じ曲率半径Rであ
る道路D3,D4の場合には、道路D1から直進した場
合を基準値として、この基準値に対して係数γ1を掛け
ることによって重み付けを行う。
【0066】また曲率半径Rが小さくなる道路D2の場
合には、基準値に対して係数γ2を掛けることによって
重み付けを行う。ここではγ1>γ2となる。係数γn
は、分岐点の曲率半径Rに対して変化するようになって
おり、表3に示されているような、予め設定されたマッ
プにより選択することができる。表3に示されている係
数の値は、γ4>γ3>γ2>γ1となっている。ま
た、計算により係数を求めてもよい。
【0067】
【表3】
【0068】終了判断を行う(ステップS111)。入
力された全部の分岐(道路D2〜D5)に対して、各種
判断が終了したかどうか判断する。つまり、係数α,
β,γを算出したかを判断する。終了していない場合
は、ステップS103〜ステップS109を繰り返す。
終了した場合は、ステップS113へ進む。
【0069】そして、分岐判断を行う(ステップS11
3)。ステップS103〜ステップS109の判断か
ら、一番重み付けが大きな道路が、優先される道路とし
て選択され、その道路を制御必要道路として設定する。
一番重み付けが大きな道路とは、上記係数を掛け合わせ
た値が大きいほど重み付けが大きいものと定義する。
【0070】重み付けの同じ道路が2つある場合は、分
岐点に対応する曲率半径Rを優先して判断し、曲率半径
が大きい方の道路を選択し、もう片方の道路のデータを
保持してもよい。このような判断は、例えば本実施形態
のように、変速比制御を行う場合に有用であるが、制御
の内容に応じて、係数αやβを優先させることもでき
る。
【0071】また、分岐した後のノードについて基準車
速を算出し、基準車速の高い方を制御必要道路として選
択してもよい。ここでリターンして、ルート推測ルーチ
ンのステップS60進み、選択された道路に対して道路
の探索を続けていく。
【0072】以上のように、選択された走行経路に基づ
いて、次のようなコーナ制御ルーチンが実行される。以
下に基づいて説明する。最初に、ルート推測ルーチンに
おいて選択された道路の制御用データを取得する(ステ
ップS501)。この道路データとしては、選択された
道路道路の種別や、前方道路形状、各ノードN1〜Nn
の座標データ等が含まれる。
【0073】ステップS501で、マッチングデータ、
即ち、選択された道路上のノードN1〜Nn(参照)か
ら、現在位置から各ノードまでの距離L1〜Lnと、各
ノードN1〜Nn毎のノード半径r1〜rnを計算する
(ステップS503)。次に、車両情報を取得する(ス
テップS505)。車両情報には、車速V、スロットル
開度、アクセル開度α、ブレーキ信号などが含まれる。
次に、通常変速マップをみて、スロットル開度及び車速
から変速段を決定する(ステップS507)。
【0074】そして、各ノードN1〜Nn毎のノード半
径R1〜Rnから、ノードスピードV1〜Vnを算出
し、現在車速V0と、現在位置から各ノードN1〜Nn
までの距離L1〜Lnとから、規制用変速段マップ()
に基づき、変速段規制制御の必要性を判断する(ステッ
プS509)。現在の車速V0から前方の各ノードN1
〜NnのノードスピードV1〜Vnまで減速させるため
の減速度を各ノード毎に求め、制御の必要性を各ノード
毎に判断する。
【0075】に示されている規制用変速段マップは、変
速段の変更による減速度合、安全な減速、車両挙動等を
考慮して、推奨される減速度を設定し、各減速度に応じ
て最も適切と思われる変速段を設定したマップである。
該マップに基づき規制する変速段が決定される。つま
り、各ノードスピードV1〜Vnまで減速するために必
要な減速度を減速度曲線m1、m2として表示し、現在
位置における速度である現在車速V0と減速度曲線を比
較して、現在の車速V0が大きい場合には制御の必要が
あると判断される。この減速度曲線は、減速度のレベル
別に望ましいと考えられる変速段と対応して設定され、
各ノード点毎に2本の減速度曲線m1、m2が設けられ
ている。図の上側の減速度曲線m1より上側に車速V0
が位置する場合には、変速段の上限を2速に、減速度曲
線m1と減速度曲線m2との間に位置する場合には、変
速段の上限を3速に、ノードスピードVn(V1)以上
であって、減速度曲線m2以下である場合には、変速段
の上限を4速に設定するように制御され、ノードスピー
ドVn(V1)以下である場合には、変速段規制制御は
行なわれず、通常の変速マップに基づき変速段が決定さ
れる。この変速段は、ノードスピードまで減速するため
には、どのような変速段がより適切かという観点から設
定されたものであり、後述するように、運転者の意志を
確認したうえで適用されるような構成となっている。
【0076】この減速度曲線は、各ノードと、そのノー
ドスピードV1、V2毎に設定され変速段の上限規制の
必要性が判断される。そして、判断されたノードの中
で、最も規制の程度が高い(変速段の上限が低い)変速
段が、上限規制値として決定される。例えば、におい
て、現在車速がV0の場合は、ノードN1を推奨速度で
通過するには、変速段の上限は3速に設定することが望
ましく、ノードN2を通過するためには、上限は2速に
する必要がある。この場合には、変速段の上限は2速が
設定されることになる。
【0077】ルート推測ルーチンで設定された信頼度に
基づき、設定された上限値を補正する(ステップS51
1)。信頼度が100%の場合には、設定された上限値
をそのまま用い、50%の場合には、上限値を1つ挙げ
る。つまり、2速に設定されている場合には、3速とす
る。
【0078】次に、運転者に減速の意志があるか否かを
判断する。つまり、アクセル開度が0近傍になったか、
あるいはアクセル開度が十分小さく、かつアクセル開度
の変化率Δαが予め定められた変化率δ以上で閉じられ
たか否かを判断する(ステップS513)。
【0079】アクセル開度αが0近傍になった場合、あ
るいはアクセル開度が十分小さく、かつアクセル開度α
の変化率Δαが予め定められた変化率δ以上で閉じられ
た場合には運転者は減速する意志を有すると判断できる
ので、設定された変速段の上限値を変速動作制御指令値
としてA/T ECU40に出力する(ステップS51
5)。A/T ECU40では、入力された上限値と、
通常変速マップにより求められた変速段の値比較して、
低い変速段を選択し、アクチュエータへ駆動信号を出力
する。
【0080】即ち、通常変速マップにより、例えば4速
が決定されている場合でも、変速段の上限が3速になっ
ている場合は、3速を出力信号とする。また、通常変速
マップにより2速が決定されている場合、上限値が3速
であっても、3速の範囲内で変速段を規制するものなの
で、指令信号として出力される変速段は、2速となる。
【0081】一方、アクセル開度αが0近傍になってお
らず、あるいはアクセル開度αの変化率Δαが予め定め
られた変化率δ以上で閉じられない場合には、運転者は
減速を意図していない場合であると判断して、リターン
され、通常の制御が行われる。
【0082】以上のように、分岐処理ルーチンで、制御
必要道路を選択できた場合、その道路に基づいて、道路
データに基づく車両制御が行なわれ、また信頼度に基づ
く車両制御を制限した形の車両制御が行なわれる(例、
信頼度が低い場合には、上限を3速にはするが、2速に
はしない等)。
【0083】もし、車両が選択された道路とは異なる道
に進入した場合、分岐通過時には、道路データに基づく
車両制御は、現状車両状態を判断して、挙動変化を考慮
した制御中断処理を行い(例えば、現在の変速段を維持
する等)、分岐通過後に、新しい道路データに基づく車
両制御を再び行う。
【0084】一方、分岐処理ルーチンで、制御必要道路
を選択できなかった場合には、分岐通過時は、道路デー
タに基づく車両制御を中止し、通常の車両制御を行う。
また、制御必要道路すべてにおける所定距離の間の、車
両制御に必要なデータ(基準速度等)保持しておき、車
両がどちらに進んでも、進んだ道の道路形状に応じた車
両制御が直ちに可能な状態とすることもできる。また車
両の現在位置から、前記制御必要道路を通過しないで、
他の道路を通過した場合、道路データに基づく車両制御
を中止し、通常の車両制御を行い、車両が進む道路に対
して、道路データに基づく車両制御を再び行う。
【0085】また、上記実施形態は、ナビの道路データ
を用いた車両制御、特に変速段制御について述べたが、
他の制御(例えばエンジン、サスペンション、ヘッドラ
イト等)にも応用できる。この場合、制御する対象によ
って分岐処理ルーチンのステップS103〜ステップS
109の判断の重み付けを変化させることもできるし、
またS113の分岐判断での2つ同じ重み付けの道路が
あった場合に、制御(エンジン、サスペンション等)に
対して影響が大きい項目(道路幅員、道路種別、分岐点
の曲率半径R)を比較して、一つを選択することもでき
る。
【0086】また、重み付けを行う場合の項目として、
道路の幅員、道路種別、分岐点の曲率半径Rを用いた
が、他の項目として道路の勾配や道路のカントやバンク
角等の道路情報を用いることができる。
【0087】次に第2実施形態について説明する。第2
実施形態は、第1実施形態で判断されたルートを、車両
の走行状態から実際に走行するかどうかを推測するため
のものであり、さらにルート推測を正確にすることがで
きる。
【0088】は、第2実施形態の制御動作を示すフロー
チャートである。現在位置検出部13により現在地の判
断を行う(ステップS15)。ルート推測ルーチン(ス
テップS10〜S70)によりルートを推測する(ステ
ップS35)。車速を車速センサ31より検出し、車両
が走行中かどうかを判断する(ステップS55)。走行
中と判断された場合には、ステップS75に進み、走行
中でないと判断された場合には、ステップS35で選ば
れた道路を選択するため、リターンする。走行中の場合
には、走行中ルート推測ルーチンS75を実行する。
【0089】以下、走行中ルート推測ルーチンについ
て、に示されているフローチャートについて説明する。
入力された現在地データ及び道路データより、現在地か
ら分岐点Pまでの距離lを計算する(ステップS30
1)。計算された距離lが所定距離Lm(例えば300
m)より小さいかどうかを判断する(ステップS30
3)。大きい場合には、車両は分岐点Pまで充分な距離
があり、ルート推測をするには及ばないので、リターン
される。小さい場合には、車速V、加速度aを取得する
(ステップS305)。加速度aが0以下であるかを判
断し、車両が加速しているか、減速しているかを判断す
る(ステップS307)。加速している場合は、変速段
を制御する必要がないものとして、リターンされる。
【0090】この場合の変速段の制御は、減速するため
の制御であるため、加速時の制御は行わないが、他の制
御の場合に車両制御(変速段制御を含む)をする状態も
考えられる。減速している場合は、ステップS309へ
進む。現在車速Vと、分岐点Pまでの距離lと、加速度
aとから、分岐点Pでの予想速度Vpを算出する(ステ
ップS309)。予想速度VpがVmaxよりも大きい
か判断する。Vmaxよりも大きい場合は、ステップS
313へ進み、Vmaxよりも小さい場合は、ステップ
S315へ進む。
【0091】ここでVmaxは、交差点、分岐等を曲が
るのに推奨される最大の速度である。この速度以上で
は、車両は曲がらずに道なりに進むと判断される。ステ
ップS313では、次の処理である分岐処理ルーチンに
おいて、係数γを決定するためのマップ(表3)の内容
を変更する。具体的には、真っすぐ、若しくは道なりに
進むものと判断して、Rが小さい方の係数γ1が、さら
に小さく設定されている。ステップS315では、Vp
がVminよりも小さいか判断する。Vminよりも大
きい場合は、ステップS321へ進み、Vminよりも
小さい場合は、ステップS317へ進む。
【0092】ここでVminは、分岐後の所定距離にお
ける平均Rから、一番小さいRを持つ分岐路を選択し、
その分岐路の設計速度を算出することにより、求められ
る速度である。つまり、この速度以下となる場合には、
車両は停止したり、交差点等を右左折したり、脇道に進
む可能性が高いものと判断される。ステップS317で
は、次の処理である分岐処理ルーチンにおいて、係数γ
を決定するためのマップ(表3)の内容を変更する。真
っすぐ、若しくは道なりに進まず、停止したり、交差点
等を右左折したり、脇道に進む可能性があると判断し、
Rが大きい方の係数γが小さくなるように設定されてい
る。
【0093】そして、分岐処理ルーチンを実行する(ス
テップS319)。次に、メインフローのステップS3
5のルート推測で推測された道路(前回データ)と、ス
テップS319で推測された道路が同一かどうかを判断
する(ステップS321)。同一の場合は、前回推測さ
れたデータと同一であり、推測の信頼性が高いと判断し
て、何もせずリターンする。同一でない場合は、まず、
前回のデータを保持する(ステップS323)。ここで
前回のデータを保持するのは、車両が今回推測した道路
を走行せず、前回推測した道路を走行した場合にも、直
ちに制御を実行できる状態として、円滑な車両制御を確
保するためである。
【0094】次に、新しく選択された道路の道路情報に
基ずく制御用のデータを作成するとともに、制御装置へ
出力する(ステップS325)。ここで、制御装置と
は、車両制御を行う制御装置であり、本実施形態の場合
には、変速段の上限規制制御を行うナビゲーション処理
部11に出力される。
【0095】一方、第1実施形態の場合と同様に、各制
御装置へデータを送る場合に、ルート推測の信頼性デー
タを加えてもよい。例えば、前方にある分岐から4本の
ルートが別れている場合で、一本のルートが選ばれた場
合は、信頼性10割として、その旨を示す信号を共に送
る。同じような2本のルートが選ばれた場合は、信頼性
を5割として、その旨を示す信号を送ると共に、その信
号を受けた制御装置は、ルートが完全に選択できなかっ
たため、制御を限定させるようにしてもよい。また、そ
の信頼性の程度に基づいて、制御の限定の仕方を変化さ
せてもよい。さらに、学習機能により、一度走行した道
路の重み付けを重くするように変化させてもよい。
【0096】ステップS311〜S317の判断で車速
による判断に加え、ブレーキ、アクセル、ウインカー、
シフトポジション等の車両情報を用いて、直進、停止の
判断を行ってもよい。つまり、ブレーキの踏み込み、ア
クセル開度の急激な減少、ウインカースイッチのオン操
作、シフトポジションの低速側への切り換えにより、運
転者の減速の意図を読取り、ステップS317を実行す
るようにしてもよい。この場合には、より確実に減速の
意志を確認することができ、運転者の意図により一層沿
った制御が可能となる。
【0097】また、A/T ECU40おける変速段の
決定は、アクセル開度と車速により、または、スロット
ル開度と車速により、或いはエンジンのトルクの大きさ
と車速によって行ってもよい。本発明の変速機は、有段
変速機だけでなく、無断変速機でもよい。また、電気自
動車やハイブリッド車両にも適用することができる。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両制御
装置によれば、進行方向に位置する分岐路があった場
合、予め車両が進入する分岐路を推定することで制御対
象となる制御道路を選択できる。また、その推定された
分岐路に関する道路情報に基づいて、分岐路に差し掛か
るまえから該分岐路に応じた車両制御が可能となり、よ
り円滑な制御を行うことが可能となる。さらに、走行状
態に応じて、さらに車両が進入する分岐路を推定するこ
とにより、分岐路をより明確にすることができ、円滑な
制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両制御装置の構成を示すブロック図
である。
【図2】道路上のノードの配置を示す模式図である。
【図3】変速段の上限値を決定する規制変速段マップで
ある。
【図4】分岐する道路を示す模式図である。
【図5】ナビゲーション処理部の制御動作を示すフロー
チャートである。
【図6】ナビゲーション処理部の制御動作を示すフロー
チャートである。
【図7】係数を求めるデータテーブルを示すマップであ
る。
【図8】ナビゲーション処理部の制御動作を示すフロー
チャートである。
【図9】ナビゲーション処理部の制御動作を示すフロー
チャートである。
【図10】ナビゲーション処理部の制御動作を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 車両制御装置 2 車両 10 ナビゲーションシステム装置 11 ナビゲーション処理部 12 データ記憶部 13 現在位置検出部 20 ATモード選択部 30 車両状態検出部 40 A/T ECU
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01C 21/00 G01C 21/00 A G08G 1/0969 G08G 1/0969 (72)発明者 椎窓 利博 東京都千代田区外神田2丁目19番12号 株 式会社エクォス・リサーチ内 (72)発明者 中島 秀樹 東京都千代田区外神田2丁目19番12号 株 式会社エクォス・リサーチ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行環境に基づき、車両を制御する車両
    制御装置であって、 自車位置を検出する自車位置検出手段と、 車両の進行方向に位置する道路の分岐路を検出する検出
    手段と、 検出された分岐路の幅員と自車が現在走行している道路
    の幅員とに応じた係数を求め、現在走行している道路の
    幅員を基準とする基準値に、前記係数を掛けることによ
    り重み付けを行う重み設定手段と、 前記重み設定手段による重み付けが一番大きな分岐路を
    制御必要道路として選択するとともに、該制御必要道路
    に基づき車両制御を行う制御手段とを有することを特徴
    とする車両制御装置。
  2. 【請求項2】 走行環境に基づき、車両を制御する車両
    制御装置であって、 自車位置を検出する自車位置検出手段と、 車両の進行方向に位置する道路の分岐路を検出する検出
    手段と、 検出された分岐路の道路種別と自車が現在走行している
    道路の種別とに応じた係数を求め、現在走行している道
    路の種別を基準とする基準値に、前記係数を掛けること
    により重み付けを行う重み設定手段と、 前記重み設定手段による重み付けが一番大きな分岐路を
    制御必要道路として選択するとともに、該制御必要道路
    に基づき車両制御を行う制御手段とを有することを特徴
    とする車両制御装置。
  3. 【請求項3】 走行環境に基づき、車両を制御する車両
    制御装置であって、 自車位置を検出する自車位置検出手段と、 車両の進行方向に位置する道路の分岐路を検出する検出
    手段と、 検出された分岐路の曲率半径に応じた係数を求め、現在
    走行している道路を直進した場合を基準とする基準値
    に、前記係数を掛けることにより重み付けを行う重み設
    定手段と、 前記重み設定手段による重み付けが一番大きな分岐路を
    制御必要道路として選択するとともに、該制御必要道路
    に基づき車両制御を行う制御手段とを有することを特徴
    とする車両制御装置。
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