JP2001011984A - 壁面パネル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 天井と床面に固定したレール部材間に複数の
支柱を所定間隔毎に立設し、隣接する支柱間に前面側か
ら嵌合によってパネルを取付けてなる構造の壁面パネル
装置において、パネルの支柱への取付作業性の向上と、
パネルの周縁部と天井、床面又は壁面との間の外観性を
向上とを同時に図ることが可能な壁面パネル装置を提供
する。 【解決手段】 天井面、床面又は壁面の少なくとも一面
に固定したレール部材１の少なくとも表面側に沿って嵌
合溝５を形成するとともに、嵌合溝内の両側面部に該溝
に沿って係合突条６，７を形成し、化粧板８を有する長
尺のカバー部材４に、嵌合溝内に嵌合し且つ両係合突条
にそれぞれ抜け止め係止する二条の平行な係合爪９，１
０を突設し、レール部材にカバー部材を嵌着して化粧板
でパネル３の端縁部を隠蔽してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、室内空間の間仕切
壁又は構造壁面に沿って設けて化粧壁を形成する壁面パ
ネル装置に係わり、更に詳しくは立設した支柱に装着し
たパネルの端縁部を隠蔽して外観性を向上させた壁面パ
ネル装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、天井面と床面にそれぞれ固定した
レール部材間に複数の支柱を所定間隔毎に立設し、隣接
する支柱間に前面側から嵌合によってパネルを取付けて
なる壁面パネル装置は各種提供されている。例えば、特
開平１１−５０５６７号公報にて開示される如く、天井
面と床面にそれぞれ固定した天レールと地レール間に複
数の支柱を立設し、該支柱を介して複数のパネルを取付
けるとともに、パネルの下部を前記支柱の下端部に取付
けたパネル受具によって支持し、隣接するパネルの上端
部同士と支柱の上端部とを天連結具にて連結してなる壁
面パネル装置であって、前記支柱は支柱部の少なくとも
前面に断面略Ｔ字形の保持部を有し、前記パネルは両側
縁に前記保持部に嵌合するＵ字溝部を設けた係合縁を有
し、隣接する支柱間に前面側から嵌合によってパネルを
取付けることが可能な構造が提供されている。

【０００３】ここで、前記パネルの上下端部は、断面コ
字形の天レールと地レールの外側面に重なるように配置
されているため、上部では天井面とパネル上端面及び天
レールの外側面とで、また下部では床面とパネル下端面
及び地レールの外側面とで、前面側に開放した溝が形成
され、この溝が外観性を損なうとともに、埃や塵が溜ま
る原因となっている。更に、パネル自体は工場で品質管
理して製造するので、上下寸法は正確であるが、該パネ
ルを設置する場所の天井面と床面間の間隔は比較的精度
が低く、そのため場所によっては前述の溝の幅が大きく
異なる場合があり、その場合には外観性を大きく損なう
といった不具合が生じる。

【０００４】また、パネルの上下端部を天レールと地レ
ールの凹溝内に収容する構造の壁面パネル装置も提供さ
れているが、隣接する支柱間に前面側から嵌合によって
パネルを取付ける場合、天レールはその凹溝を下方に向
け、地レールはその凹溝を上方に向けてそれぞれ天井面
と床面に固定し、各凹溝内の中央部間に支柱を立設し、
パネルの両側の係合縁を隣接する支柱の両保持部に上部
側から嵌合しながら上方にスライドさせてパネルの上端
部を天レールの凹溝に挿入し、両側の係合縁を完全に支
柱の両保持部に嵌合した後、該パネルを下方へスライド
させるといった作業手順となり、非常に労力と手間がか
かるものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明が前述の状況に
鑑み、解決しようとするところは、天井面と床面にそれ
ぞれ固定したレール部材間に複数の支柱を所定間隔毎に
立設し、隣接する支柱間に前面側から嵌合によってパネ
ルを取付けてなる構造の壁面パネル装置において、パネ
ルの支柱への取付作業性の向上と、パネルの周縁部と天
井面、床面又は壁面との間の外観性を向上とを同時に図
ることが可能な壁面パネル装置を提供する点にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、天井面と床面にそれぞれ固定したレール部
材間に複数の支柱を所定間隔毎に立設し、隣接する支柱
間に前面側から嵌合によってパネルを取付けてなる壁面
パネル装置であって、天井面、床面又は壁面の少なくと
も一面に固定したレール部材の少なくとも表面側に沿っ
て嵌合溝を形成するとともに、該嵌合溝内の両側面部に
該溝に沿って係合突条を形成し、化粧板を有する長尺の
カバー部材に、前記嵌合溝内に嵌合し且つ両係合突条に
それぞれ抜け止め係止する二条の平行な係合爪を突設
し、前記レール部材にカバー部材を嵌着して化粧板で前
記パネルの端縁部を隠蔽してなる壁面パネル装置を構成
した。

【０００７】ここで、前記カバー部材は、弾性復元性を
有する素材で形成し、前記パネルの端縁部を隠蔽する化
粧板部分が、二条の係合爪が延びた方向に対して鋭角と
なして該パネル側に傾斜したものであることが好まし
い。

【０００８】また、前記カバー部材の二条の係合爪の
内、前記パネルから離れた方の第１係合爪をもう一方の
第２係合爪よりも肉厚を厚く且つ先端部の爪部の突出高
さを高く設定してなること、前記嵌合溝内の両係合突条
の内、前記パネルから離れた方の第１係合突条をもう一
方の第２係合突条よりも突出高さを高く設定してなるこ
とがより好ましい。

【０００９】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を添付図面
に基づき更に詳細に説明する。図１は本発明に係る壁面
パネル装置の要部断面図であり、図中符号１はレール部
材、２は支柱２はパネル、４はカバー部材をそれぞれ示
している。

【００１０】前記レール部材１は、天井面、床面又は壁
面に固定する長尺部材であり、本実施形態ではアルミニ
ウムの押出し成形した型材である。該レール部材１は天
井面に取付けた場合には天レールとなり、床面に取付け
た場合には地レールとなり、更に壁面に取付けた場合に
は端レールとなる。図1には、天井面Ｓにレール部材1を
取付けて天レールとし、該レール部材1の下方に支柱２
の上部を付き合い状態で立設し、該支柱２の表裏両面に
パネル３，３を取付け、レール部材1に取付けたカバー
部材４でパネル３の上端部を隠蔽した状態を示してい
る。

【００１１】本発明に係る壁面パネル装置は、天井面と
床面にそれぞれ固定したレール部材１，１間に複数の支
柱２，…を所定間隔毎に立設し、隣接する支柱２，２間
に前面側から嵌合によってパネル３を取付けてなる壁面
パネル装置であって、天井面Ｓ、床面Ｆ又は壁面Ｗの少
なくとも一面に固定したレール部材１の少なくとも表面
側に沿って嵌合溝５を形成するとともに、該嵌合溝５内
の両側面部に該溝に沿って係合突条６，７を形成し、化
粧板８を有する長尺のカバー部材４に、前記嵌合溝５内
に嵌合し且つ両係合突条６，７にそれぞれ抜け止め係止
する二条の平行な係合爪９，１０を突設し、前記レール
部材１にカバー部材４を嵌着して化粧板８で前記パネル
３の端縁部を隠蔽してなるものである。つまり、本発明
はパネル３の上端部と天井面Ｓ、パネル３の下端部と床
面Ｆ及びパネル３の側端部と壁面Ｗとの各間において全
て共通して適用できるものである。

【００１２】更に詳しくは、前記レール部材１は、中央
部に凹溝１１を有し、その両側に前記嵌合溝５，５を側
方へ開放した状態で形成し、各嵌合溝５内の両側面部に
該溝に沿って係合突条６，７を形成したものであり、両
係合突条６，７の内、前記凹溝１１の底壁部１２の略延
長線上に設けたもの、つまりパネル３の端縁部から離れ
た方を第１係合突条６とし、もう一方を第２係合突条７
としている。

【００１３】また、前記カバー部材４は、弾性復元性を
有する素材、例えば合成樹脂製で形成し、前記パネル３
の端縁部を隠蔽する化粧板８部分が、二条の係合爪９，
１０が延びた方向に対して鋭角（図中「α」で示す）と
なして該パネル３側に傾斜したものである。更に、前記
カバー部材４の二条の係合爪９，１０の内、前記パネル
３から離れた方を第１係合爪９とし、もう一方を第２係
合爪１０とし、それぞれ板部９Ａ、１０Ａと先端部の爪
部９Ｂ、１０Ｂとから構成されている。

【００１４】そして、前記第１係合爪９の板部９Ａの肉
厚を第２係合爪１０の板部１０Ａの肉厚より厚く且つ第
１係合爪９の爪部９Ｂの突出高さを第２係合爪１０の爪
部１０Ｂの突出高さより高く設定している。それに応じ
て、前記レール部材１の前記パネル３から離れた方の第
１係合突条６をもう一方の第２係合突条７よりも突出高
さを高く設定している。更に、第１係合爪９の長さより
第２係合爪１０の長さを短く設定し、多少の寸法誤差が
あってもガタツキ無く前記嵌合溝５内に嵌合できるよう
にしている。

【００１５】前記カバー部材４は、前述のように構成し
たので、第１係合爪９より第２係合爪１０は弾力性に富
み且つ第１係合爪９の第１係合突条６に対する係止力よ
り第２係合爪１０の第２係合突条７に対する係止力は弱
くなっている。それにより、前記カバー部材４を前面側
から前記レール部材１の所定位置に取付ける際に、両係
合爪９，１０をレール部材１の嵌合溝５内に挿入する
と、第１係合爪９が第１係合突条６を乗り越えて係止す
ると略同時に第２係合爪１０が変形しながら第２係合突
条７に係止するとともに、化粧板８が外側に湾曲してそ
の先端部がパネル３の表面を押圧する。また、前記カバ
ー部材４を外す必要が生じた際には、化粧板８の先端部
を強制的に捲ると、先ず第２係合爪１０が第２係合突条
７から外れた後、第１係合爪９が第１係合突条６から外
れるのである。この際、第２係合爪１０が第２係合突条
７から外れ難い場合には、化粧板８とパネル３との隙間
から挿入したドライバー等の治具で第２係合爪１０を強
制的に変形させて、第２係合突条７から離すことで容易
に外すことが可能である。

【００１６】次に、本発明に係る壁面パネル装置の全体
構造を図２〜図１６に基づいて説明する。ここで、図中
符号１３は天レール、１４は地レール、１５は横桟、１
６はアジャスター部材、１７はパネル受具、１８は天固
定部材、１９は天連結具をそれぞれ示している。

【００１７】本発明に係る壁面パネル装置は、天井面と
床面にそれぞれ天レール１３と地レール１４とを固定
し、該天レール１３と地レール１４間に、複数の支柱
２，…を立設するとともに、隣接する支柱２，２間に横
桟１５を取付けて両支柱２，２の間隔を一定に設定し、
そして両支柱２，２の表裏両面側又は表面側にパネル３
を取付けて、室内空間に間仕切壁を構成したり、構造壁
面に沿って形成して化粧壁を構成したりするものであ
る。

【００１８】前記支柱２には、その下端にアジャスター
部材１６を嵌着するとともに、パネル３の下部を支持す
るパネル受具１７を固定し、その上端に天固定部材１８
を嵌着するとともに、パネル３の上部を支持し、支柱２
を介して隣接するパネル３，３同士を連結するための天
連結具１９を取付けている。また、隣接した支柱２，２
間には、金属製のブラケット２０と合成樹脂製の保持部
材２１とで前記横桟１５を架設している。

【００１９】更に詳しく本発明に係る壁面パネル装置の
各部材を以下に説明する。先ず、前記天レール１３は、
前記レール部材１を凹溝１１を下方に向けて天井面にネ
ジ止め等の適宜な固定手段で固定したものであり、その
下方へ向いた凹溝１１内に前記天固定部材１８を受け入
れて支柱２を立起状態に保持する。また、前記地レール
１４は、前記レール部材１を凹溝１１を上方に向けて床
面にネジ止め等の適宜な固定手段で固定したものであ
り、その上方へ向いた凹溝１１内に前記アジャスター部
材１６を受け入れて支柱２を立起状態に保持する。

【００２０】また、前記支柱２は、図２、図３、図５、
図６及び図７２３示すように、断面略正方形の中空の支
柱部２２を有し、該支柱部２２の表裏両面の中央部に沿
って断面略Ｔ字形の保持部２３を一体形成したものであ
る。ここで、前記保持部２３は、支柱部２２から突出し
た首部２３Ａと、該首部２３Ａの両側に突出した係合部
２３Ｂ，２３Ｂとを有している。

【００２１】また、前記パネル３は、図２、図３、図５
及び図９に示すように、スチール板の周囲を内向きに折
曲形成して作製し、表面板２４の周囲に背面側へ縁板２
５を直角に折曲形成するとともに、両側部の縁板２５，
２５の端縁を内方へ折曲し、その内縁を断面Ｕ字状に折
返して弾性を有する係合縁２６を形成し、更に前記表面
板２４の背面側にその周囲を余して石膏ボード２７を接
着した構造である。そして、前記係合縁２６は、前記支
柱２の係合部２３Ｂに係合するＵ字溝部２６Ａと、該Ｕ
字溝部２６Ａに連続して内方へ断面Ｖ字状に折り返した
案内部２６Ｂとを有している。また、前記係合縁２６の
上下部と、それに連続する上下縁板２５，２５の両端部
及び両側の縁板２５，２５の一部を切り欠いて切欠部２
７を形成している。

【００２２】前記アジャスター部材１６は、図２〜図４
に示すように、前記支柱２の支柱部２２の下端部に嵌挿
するアジャスター受具２８と、該アジャスター受具２８
に螺合したアジャスターボルト２９とからなり、前記ア
ジャスター受具２８の両側面の上部には、支柱部２２の
内面に密嵌状態で当接する一対の垂直な圧接片３０，３
０を切起し形成するとともに、その下方に前記支柱部２
２の下端を当止する三角ダボ３１を切起し形成してい
る。

【００２３】前記天固定部材１８は、図２、図５、図１
２及び図１３に示すように、前記支柱２の支柱部２２の
上端部に弾性状態で嵌挿する断面コ字形の部材であり、
対向する前後両面に支柱部２２の内面に圧接し、また天
レール１３の凹溝１１の内面に圧接する凸部３２を複数
形成するとともに、上端には天レール１３及び天井面に
ネジ止めするための固定片３３を折曲形成している。
尚、この天固定部材１８は、支柱２の上端部に嵌着して
おき、該支柱２を立起状態となした後に、突き上げて上
方へスライドさせて天レール１３の凹溝１１内に当接さ
せるものであるが、壁面パネル装置の端部に位置する支
柱２に設けたものにあっては、前記固定片３３，３３を
利用して天レール１３及び天井面にネジ止め固定する。

【００２４】そして、前記支柱２を上下の天レール１３
と地レール１４間に立設するには、以下のようにして行
う。アジャスター部材１６を支柱２の支柱部２２の下端
部に嵌入し、該支柱部２２の下端が三角ダボ３１に当た
るまで挿入し（図４及び図１０参照）、また各支柱２の
支柱部２２の上端部には前述の天固定部材１８を嵌着す
る。次に、支柱２を傾斜させた状態で、アジャスター部
材１６を地レール１４の凹溝１１内に配し、それから支
柱２を立起させて天固定部材１８を天レール１３の凹溝
１１内に配する。そして、前記天固定部材１８を天レー
ル１３に当接するまで上方へ突き上げて、支柱２を立起
状態に保持する（図１２及び図１３参照）。また、前記
支柱２の上端部における各首部２３Ａにスリット３４を
形成している。

【００２５】このように略一定間隔に複数の支柱２，…
を立設した後、隣接する支柱２，２間に前記横桟１５を
架設して、該支柱２，２の間隔を正確に一定に設定す
る。前記横桟１５は、図２、図６〜図８に示すように、
上面板３５とその前後両縁から垂下した側面板３６，３
６とからなる下方開放した断面コ字形の長尺部材であ
り、前記上面板３５の両端部には嵌合孔３７を形成して
いる。

【００２６】また、前記ブラケット２０は、水平な載置
板３８と垂直な支持板３９とで正面視倒Ｌ字形に形成し
た部材であり、前記載置板３８の基端部両側に上向き突
片４０，４０を切起し形成するとともに、前記支持板３
９の下端部両側に横向き突片４１，４１を折曲形成し、
更に前記載置板３８の遊端側であって、略中央部に上向
きに係合片４２を切起し形成したものである。一方、前
記上向き突片４０，４０及び横向き突片４１，４１を係
合する前記支柱２の両側面に、４つの係止孔４３，…を
形成している。

【００２７】また、前記保持部材２１は、合成樹脂製で
一体成形したものであり、前記ブラケット２０の載置板
３８に上方から外嵌する凹部４４を下面側に形成すると
ともに、前記係合片４２を嵌入する孔を中心部に有し且
つ前記横桟１５の嵌合孔３７に抜け止め嵌合する嵌合突
部４５を突設し、更に支柱２の側面側に対面する前後端
縁に沿って、該支柱２の側面に当接し且つ横桟１５の側
面板３６，３６の端縁に当接するスペーサー４６をそれ
ぞれ突設している。

【００２８】そして、隣接する支柱２，２間に横桟１５
を架設するには、先ずブラケット２０を傾斜させた状態
で上向き突片４０，４０を支柱２の上側の係止孔４３，
４３に挿入した後、該ブラケット２０の載置板３８が水
平になるように上向き突片４０を中心として回転させて
横向き突片４１，４１を下方の係止孔４３，４３に挿入
し、支持板３９を支柱２の側面に当接する。この状態
で、ブラケット２０から手を離しても該ブラケット２０
は落下することはない。それから、前記保持部材２１の
凹部４４を上方からブラケット２０の載置板３８に外嵌
するとともに、嵌合突部４５の内部に係合片４２を挿入
する。この状態で、保持部材２１はブラケット２０に対
して前後左右に移動することはない。そして、前記横桟
１５を保持部材２１に上方から載置して、前記嵌合孔３
７内に前記嵌合突部４５を抜け止め嵌合するとともに、
上面板３５を保持部材２１の上面に載置し且つ側面板３
６，３６の端縁を保持部材２１の両スペーサー４６，４
６に当接して取付ける。

【００２９】本発明に係る壁面パネル装置は、室内空間
を間仕切る場合には、前述の如く立設した支柱２，…の
表裏両面にパネル３，…を装着して間仕切壁を形成する
が、構造壁面に沿って設ける場合には、表面側にのみパ
ネル３，…を装着すれば良く、その場合に端から支柱２
とパネル３とを順次組み立てていけば、支柱２，…の間
隔はパネル３によって規定されるので、支柱２，２間に
横桟１５を架設しなくても良い。

【００３０】次に、前記支柱２，…にパネル３を装着す
る構造を説明する。前記パネル３は、両側に形成した係
合縁２６，２６のＵ字溝部２６Ａ，２６Ａを、両側に位
置する支柱２，２の各保持部２３，２３の係合部２３
Ｂ，２３Ｂに弾性的に嵌合するとともに、該パネル３の
下部を前記支柱２の下端部とアジャスター部材１６に取
付けた前記パネル受具１７によって支持し、そして上パ
ネル３Ｂの両側下端部を前記中間連結具１２，１２に落
とし込み係合した後、該パネル３の上部を支柱２の上端
部に装着した天連結具１９によって抜け止めするととも
に、左右に隣合った上パネル３，３同士を連結して装着
するのである。

【００３１】具体的には、前記パネル受具１７は、図
３、図４、図９〜図１１に示すように、前記支柱２の支
柱部２２の側面、即ち前記保持部２３を突設していない
面に接合する基板４７の両側に、前記支柱２の支柱部２
２をの前後面、即ち前記保持部２３を突設した面に接合
する折曲板４８，４８を直角に形成し、各折曲板４８の
上端に前記パネル３の切欠部２７の上端、即ち前記係合
縁２６の下端２６Ｃを載置する水平な支持片４９を折曲
形成し且つ該支持片４９の外側縁に逆Ｊ字形の弾片５０
を立ち上げ形成し、更に前記折曲板４８の上部に前記支
持片４９を補強するための折曲片５１を折曲形成したも
のである。

【００３２】そして、前記支柱２の支柱部２２の下端部
にアジャスター部材１６のアジャスター受具２８を嵌挿
し、支柱部２２の下端を三角ダボ３１を当止した状態
で、前記パネル受具１７の基板４７を支柱部２２の側面
に接合し且つ両折曲板４８，４８を支柱部２２の前後面
に接合した状態で、基板４７の上部に設けた通孔５２，
５２に挿通したネジ５３，５３を支柱部２２に形成した
螺孔５４，５４又は孔に螺合して固定する。

【００３３】それから、前記パネル３を所定の装着位置
よりも若干上方位置に、前記パネル３の一側のＵ字溝部
２６Ａを対応する支柱２の係合部２３Ｂに斜め側方から
係合した後、パネル３の他側を対応する他の支柱２に押
圧し、前記係合部２３Ｂに案内部２６Ｂを摺接して係合
縁２６を弾性変形させながら乗り越えさせて、Ｕ字溝部
２６Ａを係合部２３Ｂに係合する。そして、前記パネル
３を下方へスライド移動させて、前記係合縁２６の下端
２６Ｃをパネル受具１７の支持片４９の上面で載支する
とともに、前記弾片５０をパネル３の表面板２４とＵ字
溝部２６Ａとの間に嵌入して、ガタツキなくパネル３の
下部を支持するのである。そして、前記天連結具１９に
てパネル３の上部を更に確実に保持するのである。

【００３４】ここで、前記天連結具１９は、図５、図１
２〜図１４に示すように、前記支柱部２２の保持部２３
を突設した前面又は後面に接合する基板５５の中央部か
ら下端へかけて前記首部２３Ａを受け入れる開口部５６
を形成するとともに、該基板５５の上端に外向き、即ち
支柱２の表面側に装着するものにあっては手前側へ直角
に押え板５７を折曲形成し且つ該押え板５７の両端前縁
に下向き係合爪５８，５８を折曲形成するとともに、両
下向き係合爪５８，５８間の内方寄り位置に保持片５
９，５９を折曲形成し、更に前記基板５５の下端部両縁
に後向きに前記支柱部２２の両側面に接合する規制板６
０，６０を直角に折曲形成するとともに、各規制板６０
の一部を内方側へ切起して上方内方へ傾斜した戻止爪６
１を形成したものである。

【００３５】一方、前記パネル３の上方縁板２５の端部
には、前記下向き係合爪５８を係入する長方形の係合孔
６２を形成し、また前記支柱２の支柱部２２の両側面で
あって上端部には、上方に縦長孔６３とその接近した下
方に装着孔６４の一対を並設している。そして、前記支
柱２の保持部２３の首部２３Ａを天連結具１９の開口部
５６に受け入れて、基板５５と両規制板６０，６０とで
支柱部２２を包み込むように接合するとともに、前記戻
止爪６１，６１を支柱部２２の両側面の縦長孔６３，６
３内に遊嵌して装着する。この状態で、前述のように支
柱２を天レール１３と地レール１４間に立設し、それか
ら前述のようにパネル３を装着した後、パネル３の両係
合縁２６，２６を支柱２，２の保持部２３，２３に係合
する。そして、最後に前記戻止爪６１が縦長孔６３仮保
持された状態の天連結具１９を下方へ押し下げて両下向
き係合爪５８，５８を隣接するパネル３，３の係合孔６
２，６２に係入し且つパネル３の上方縁板２５を押え板
５７で押さえると同時に、各戻止爪６１，６１が対応す
る装着孔６４，６４に戻り止め状態で係合するのであ
る。この際、前記保持片５９，５９は、それぞれ対応す
るパネル３の切欠部２７内に位置し、上方の前記縁板２
５の切欠部２７を形成した端縁を当止している。

【００３６】前記天連結具１９を所定位置に装着する
と、前記基板５５の上部は、前記支柱２の首部２３Ａに
形成したスリット３４に係入するとともに、開口部５６
内に該スリット３４より下方の首部２３Ａを受け入れて
保持し、更に両規制板６０，６０が支柱部２２の両側面
に接合しているので、天連結具１９から支柱２に対して
前後左右に移動することがなく、その上、戻止爪６１が
装着孔６４に戻り止め状態で係合しているので上方へ移
動することもなく、そのため該天連結具１９の下向き係
合爪５８が係合孔６２に係入したパネル３は前後左右の
移動が規制されるとともに、上方への移動も規制されて
いる。更に、支柱２を介して隣接した両パネル３，３同
士が、この天連結具１９によって互いに連結されるので
ある。

【００３７】最後に、前記天レール１３と地レール１４
の嵌合溝５内にそれぞれカバー部材４の両係合爪９，１
０を挿入し、該嵌合溝5内の係合突条６，７に抜け止め
係止して取付け、該カバー部材４の化粧板８でパネル３
の上下端部を隠蔽するのである。また、図示しないが、
前述のように次々に支柱２，…にパネル３，…を装着し
ていくと、壁面に突き当たる状況が生じる。この場合、
対応する壁面に前記同様のレール部材１からなる端レー
ルを上下方向に固定し、該端レールとパネル３の側端部
間に前記同様にカバー部材４を嵌着して壁面とパネル３
の側端部間に生じる隙間を無くするとともに、パネル３
の側端部を化粧板８で隠蔽して外観性の向上を図ること
が可能である。尚、本実施形態では、前記レール部材１
を前記天レール１３と地レール１４の両方に適用した例
で示したが、本発明は、前記レール部材１を前記天レー
ル１３のみに適用し、地レール１４は従来通りの断面コ
字形のレールを用いても良いことは勿論である。

【００３８】また、図１５及び図１６に示した実施形態
は、壁面パネル装置の上部をガラスパネル６５としたも
のである。このガラスパネル６５は、前記天レール１３
に取付けた上部枠体６６と隣接する両支柱２，２に取付
けた側部枠体６７，６７及び図示しない中間枠体とで囲
まれた空間内にそれぞれパッキン６８，６９，６９によ
って弾性的に保持されている。ここで、前記上部枠体６
６は、その上部に前記レール部材１の凹溝１１内に嵌合
する突部７０を有するとともに、支柱２に装着状態の前
記パネル３の表面と同一レベルの厚さの枠部７１とを有
している。また、前記レール部材１の凹溝１１の開口部
近傍には内向きに開口した係合溝７２，７２を有し、該
係合溝７２，７２に前記突部７０の前後面に突設したダ
ボ７３，７３を係合して、当該上部枠体６６はレール部
材１に取付けてある。また、上部枠体６６の下面には前
記パッキン６８を嵌着する溝７４を形成してあり、また
側部枠体６７の内側面にも前記パッキン６９を嵌着する
溝７５を形成してある。尚、前記側部枠体６７は、支柱
２の略半分を囲むように外嵌している。

【００３９】

【発明の効果】以上にしてなる請求項１に係る発明の壁
面パネル装置は、天井面と床面にそれぞれ固定したレー
ル部材間に複数の支柱を所定間隔毎に立設し、隣接する
支柱間に前面側から嵌合によってパネルを取付けてなる
壁面パネル装置であって、天井面、床面又は壁面に固定
したレール部材の少なくとも表面側に沿って嵌合溝を形
成するとともに、該嵌合溝内の両側面部に該溝に沿って
係合突条を形成し、化粧板を有する長尺のカバー部材
に、前記嵌合溝内に嵌合し且つ両係合突条にそれぞれ抜
け止め係止する二条の平行な係合爪を突設し、前記レー
ル部材にカバー部材を嵌着して化粧板で前記パネルの端
縁部を隠蔽してなるので、パネルの支柱への取付作業は
単に前面側から嵌合作業のみで行うことができ、しかも
パネルの装着状態では該パネルの周縁部をカバー部材の
化粧板で隠蔽するので、パネルの周縁部と天井面、床面
又は壁面との間の外観性を向上を図ることができる。ま
た、請求項２によれば、カバー部材の化粧板をパネルの
表面に弾性的に圧接するので、ガタツキの無い装着がで
きる。また、請求項３によれば、レール部材とカバー部
材とに多少の寸法誤差があっても、嵌合溝内にガタツキ
無く嵌合できるとともに、カバー部材を外す必要が生じ
た場合でも容易にカバー部材をレール部材から取り外す
ことができる。また、請求項４によれば、レール部材の
嵌合溝内に形成した両係合突条へのカバー部材の両係合
爪を簡単に嵌合係止するこができ、またカバー部材を外
す必要が生じた場合でも容易にカバー部材をレール部材
から取り外すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の壁面パネル装置の要部拡大断面図であ
る。

【図２】本発明に係る壁面パネル装置の簡略分解斜視図
である。

【図３】壁面パネル装置の下部構造を示す部分分解斜視
図である。

【図４】同じく組立状態の部分縦断面図である。

【図５】壁面パネル装置の上部構造を示す部分分解斜視
図である。

【図６】支柱に横桟を連結する構造を示す部分分解斜視
図である。

【図７】同じく支柱と横桟の連結状態を示す部分横断面
図である。

【図８】同じく支柱と横桟の連結状態を示す部分縦断面
図である。

【図９】パネル受具を用いてパネルの下部を支持する構
造を示す分解斜視図である。

【図１０】同じく組立状態の壁面パネル装置の下部構造
を示す部分縦断面図である。

【図１１】同じく組立状態の壁面パネル装置の下部構造
を示す部分横断面図である。

【図１２】天連結具を用いてパネルの上部を支持した組
立状態の壁面パネル装置の上部構造を示す部分縦断面図
である。

【図１３】同じく組立状態の壁面パネル装置の上部構造
を示す部分正面図である。

【図１４】同じく組立状態の壁面パネル装置の上部構造
を示す部分横断面図である。

【図１５】上部にガラスパネルを設けた実施形態を示す
縦断面図である。

【図１６】同じく横断面図である。

【符号の説明】

1 レール部材 ２ 支柱 ３ パネル ４ カバー部材 ５ 嵌合溝 ６ 第１係合突条 ７ 第２係合突条 ８ 化粧板 ９ 第１係合爪 ９Ａ 板部 ９Ｂ 爪部 １０ 第２係合爪 １０Ａ 板部 １０Ｂ 爪部 １１ 凹溝 １２ 底壁部 １３ 天レール（レール部材） １４ 地レール（レール部材） １５ 横桟 １６ アジャスター部材 １７ パネル受具 １８ 天固定部材 １９ 天連結具 ２０ ブラケット ２１ 保持部材 ２２ 支柱部 ２３ 保持部 ２４ 表面板 ２５ 縁板 ２６ 係合縁 Ｓ 天井面 Ｆ 床面 Ｗ 壁面

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井面と床面にそれぞれ固定したレール
   部材間に複数の支柱を所定間隔毎に立設し、隣接する支
   柱間に前面側から嵌合によってパネルを取付けてなる壁
   面パネル装置であって、天井面、床面又は壁面の少なく
   とも一面に固定したレール部材の少なくとも表面側に沿
   って嵌合溝を形成するとともに、該嵌合溝内の両側面部
   に該溝に沿って係合突条を形成し、化粧板を有する長尺
   のカバー部材に、前記嵌合溝内に嵌合し且つ両係合突条
   にそれぞれ抜け止め係止する二条の平行な係合爪を突設
   し、前記レール部材にカバー部材を嵌着して化粧板で前
   記パネルの端縁部を隠蔽してなることを特徴とする壁面
   パネル装置。
2. 【請求項２】 前記カバー部材は、弾性復元性を有する
   素材で形成し、前記パネルの端縁部を隠蔽する化粧板部
   分が、二条の係合爪が延びた方向に対して鋭角となして
   該パネル側に傾斜したものである請求項１記載の壁面パ
   ネル装置。
3. 【請求項３】 前記カバー部材の二条の係合爪の内、前
   記パネルから離れた方の第１係合爪をもう一方の第２係
   合爪よりも肉厚を厚く且つ先端部の爪部の突出高さを高
   く設定してなる請求項１又は２記載の壁面パネル装置。
4. 【請求項４】 前記嵌合溝内の両係合突条の内、前記パ
   ネルから離れた方の第１係合突条をもう一方の第２係合
   突条よりも突出高さを高く設定してなる請求項１又は２
   又は３記載の壁面パネル装置。