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JP2001096172A - 耐酸性触媒シートおよびその製造方法 - Google Patents

耐酸性触媒シートおよびその製造方法

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Publication number
JP2001096172A
JP2001096172A JP2000225000A JP2000225000A JP2001096172A JP 2001096172 A JP2001096172 A JP 2001096172A JP 2000225000 A JP2000225000 A JP 2000225000A JP 2000225000 A JP2000225000 A JP 2000225000A JP 2001096172 A JP2001096172 A JP 2001096172A
Authority
JP
Japan
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resin
fiber
acid
sheet
catalyst sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000225000A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Oki
泰行 沖
Hironobu Koike
宏信 小池
Yoshiaki Takeuchi
美明 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2000225000A priority Critical patent/JP2001096172A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒素酸化物の還元、有機物の酸化、有機塩素
化合物の分解等の触媒活性を長期間にわたって維持可能
であり、かつ耐酸性および加工性に優れた耐酸性触媒シ
ートおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 触媒成分含有チタニア繊維、ガラス繊維
ならびに、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フ
ッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂およびポリエ
ーテルエーテルケトン樹脂から選ばれる合成樹脂を界面
活性剤の存在下で混合し、抄造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐酸性触媒シートお
よびその製造方法に関するものである。詳細には、窒素
酸化物の還元、有機物の酸化、有機塩素化合物の分解等
の用途において、触媒成分の保持能力が高く、長期にわ
たって高活性の維持が可能であり、かつ、SOx、HC
lのような酸性ガスに曝されるときの耐食性および加工
性に優れた耐酸性触媒シートおよびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、触媒作用を示すシートが知ら
れ、重油ボイラーの燃焼排ガスや塵焼却炉からの排ガス
の処理への適用が検討されている。重油ボイラーの燃焼
排ガスや塵焼却炉からの排ガスには、燃料である重油中
のイオウに起因するSOxや塵中の塩化ビニル系樹脂の
ような有機塩素化合物に起因するHClが含まれること
がある。
【0003】したがって、重油ボイラーの燃焼排ガスを長期
間安定して処理するときには、SOx、HClのような
酸性ガスに対する耐食性を有する触媒シートが必要とな
る。このような触媒シートとして、ガラス繊維に触媒成
分を担持し、これをシート状に成形したものが知られて
いる。なお、本明細書では、SOx、HClのような酸
性ガスに対する耐食性を示す語として耐酸性を用いる。
【0004】このようなガラス繊維を用いた触媒シートは、
十分な加工性を有するものではなく、シートに対し、触
媒活性、耐酸性および加工性を同時に付与することが要
求される燃焼排ガス処理装置への適用が制限されてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、窒素
酸化物の還元、有機物の酸化、有機塩素化合物の分解等
の触媒活性を長期間にわたって維持可能であり、かつ耐
酸性および加工性に優れた耐酸性触媒シートおよびその
製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ガラス繊
維を用いる触媒シートについて、その触媒活性を損なう
ことなく、加工性を向上させることを鋭意検討した結
果、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、触媒成分含有チタニア繊
維、ガラス繊維ならびに、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、シリ
コーン樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹
脂およびポリエーテルエーテルケトン樹脂から選ばれる
合成樹脂を含有することを特徴とする耐酸性触媒シート
を提供するものである。
【0008】また本発明は、触媒成分含有チタニア繊維、ガ
ラス繊維ならびに、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン
樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂およ
びポリエーテルエーテルケトン樹脂から選ばれる合成樹
脂を混合し、抄造することを特徴とする耐酸性触媒シー
トの製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の耐酸性触媒シートは、触媒成分含有チタニ
ア繊維、ガラス繊維に加えて特定の合成樹脂を含む。こ
の触媒シートは、触媒成分含有チタニア繊維、ガラス繊
維および特定の合成樹脂を含むことにより、窒素酸化物
の還元、有機物の酸化、有機塩素化合物の分解等の触媒
活性を長期間にわって維持可能であり、かつ耐酸性、加
工性に優れるものとなる。
【0010】本発明の耐酸性触媒シートに用いられる触媒成
分含有チタニア繊維には、例えば、特開平11−503
6号公報や特願平11−34419号記載の触媒成分を
含むチタニア繊維が使用できる。この触媒成分含有チタ
ニア繊維は、通常、酸化チタン含有量が50重量%以上
であり、繊維長が10μm以上、好ましくは50μm以
上であり、繊維径が2μm以上100μm以下であり、
BET比表面積が10m2/g以上、好ましくは20m2
/g以上、また300m2/g以下であり、全細孔容積
が0.05cm3/g以上であり、1nm以上の細孔半
径を有する細孔容積が0.02cm3/g以上であり、
細孔半径のピークが1〜30nm、好ましくは1〜10
nmの範囲にある。チタニア繊維の触媒成分としては、
触媒シートの用途により異なり一義的ではないが、通常
V、W、Al、As、Ni、Zr、Mo、Ru、Mg、
Ca、Fe、CrおよびPtの金属、その酸化物または
それらの複合酸化物の適用が好ましい。特に、窒素酸化
物の還元に使用する場合、V、WおよびMoの金属、そ
の酸化物またはそれらの複合酸化物の適用が好ましい。
チタニア繊維中の触媒成分の含有量は、通常、酸化物換
算で0.001重量%〜50重量%である。
【0011】触媒成分含有チタニア繊維の耐酸性触媒シート
中の目付けは5g/m2〜900g/m2であることが好
ましい。目付けが5g/m2〜900g/m2であると、
得られる触媒シートは高い触媒性能を有し、かつ十分な
通気性をもつことができる。
【0012】上で示した触媒成分含有チタニア繊維は、例え
ば、チタンアルコキシドをイソプロピルアルコールのよ
うなアルコールに溶解させた後、加水分解してチタニア
含有スラリーとし、得られるチタニア含有スラリーに触
媒となる金属の化合物を溶解させて紡糸液とし、この紡
糸液を紡糸して前駆体繊維とし、次いでこの前駆体繊維
を焼成する方法や、チタンアルコキシドおよび触媒とな
る金属の化合物をイソプロピルアルコールのようなアル
コールに溶解させた後、加水分解してチタニアおよび触
媒となる金属の化合物を含有するスラリーとし、得られ
るスラリーに溶媒を追加して紡糸液とし、この紡糸液を
紡糸して前駆体繊維とし、次いでこの前駆体繊維を焼成
する方法などにより、調製することができる。触媒とな
る金属の化合物は、加水分解により水酸化物または酸化
物になるものであればよい。また、紡糸液にはケイ素化
合物を含有させるのが有利である。具体的には例えば、
触媒成分がバナジウムの酸化物である場合には、チタン
アルコキシドをアルコールに溶解させた後、加水分解し
てチタニア含有スラリーとし、得られるチタニア含有ス
ラリーにバナジウム化合物を溶解させて紡糸液とし、こ
の紡糸液を紡糸して前駆体繊維とし、次いでこの前駆体
繊維を焼成するか、または、チタンアルコキシドおよび
バナジウム化合物をアルコールに溶解させた後、加水分
解してバナジウム・チタニア含有スラリーとし、得られ
るバナジウム・チタニア含有スラリーに溶媒を添加混合
し、さらにシリカ化合物を添加して紡糸液とし、この紡
糸液を紡糸して前駆体繊維とし、次いでこの前駆体繊維
を焼成することにより、製造できる。触媒成分がタング
ステンの酸化物である場合には、チタンアルコキシドを
アルコールに溶解させた後、加水分解してチタニア含有
スラリーとし、得られるチタニア含有スラリーにタング
ステン化合物を溶解させて紡糸液とし、この紡糸液を紡
糸して前駆体繊維とし、次いでこの前駆体繊維を焼成す
ることにより製造でき、また触媒成分がモリブデンの酸
化物である場合には、チタンアルコキシドおよびモリブ
デン化合物をアルコールに溶解させた後、加水分解して
モリブデン・チタニア含有スラリーとし、得られるモリ
ブデン・チタニア含有スラリーに溶媒を添加混合し、さ
らにケイ素化合物を添加して紡糸液とし、この紡糸液を
紡糸して前駆体繊維とし、次いでこの前駆体繊維を焼成
することにより製造できる。その他の金属の酸化物を触
媒成分とする場合も、これらの方法に準じて、触媒成分
含有チタニア繊維を製造することができる。
【0013】本発明の耐酸性触媒シートに用いられるガラス
繊維は、例えば、繊維径が0.5μm以上、さらには
0.6μm以上であり、5μm以下、さらには2μm以
下であることが好ましい。また、ガラス繊維は、繊維長
が7mm以上、さらには10mm以上であり、50mm
以下、さらには40mm以下であることが好ましい。ガ
ラス繊維の繊維径が5μm以下であり、かつ繊維長が5
0mm以下であると、ガラス繊維同士の絡み合いが強固
になり、高強度の触媒シートを得ることができる。一
方、ガラス繊維の繊維長が50mmを超えると、混合時
にガラス繊維を水中に分散させることが困難となること
がある。また、繊維はアルカリ珪酸塩ガラスからなるも
のであることが好ましい。アルカリ珪酸塩ガラスからな
る繊維を用いることによって、得られる触媒シートの耐
酸性を一層向上させることができる。アルカリ珪酸塩ガ
ラス繊維の市販品を商品名で挙げると、例えば、マイク
ロファイバー(日本板硝子製)がある。
【0014】ガラス繊維の耐酸性触媒シート中の目付けは5
g/m2〜900g/m2が好ましい。目付けが5g/m
2〜900g/m2の範囲であると、得られる触媒シート
は、触媒成分含有チタニア繊維を保持する能力、抄紙強
度および通気性を同時に向上させることができる。
【0015】本発明の耐酸性触媒シートにおいて、触媒成分
含有チタニア繊維とガラス繊維との割合は、用途や必要
とされる触媒活性などに応じて、例えば重量比で1/9
〜9/1程度の範囲から適宜選択すればよいが、一般に
は前者の割合が多くなるようにするのが触媒活性の観点
から好ましい。したがって、好ましくは、前者/後者の
重量比で5/5〜9/1程度の範囲から選択される。さ
らには、前者/後者の重量比が6/4〜9/1程度とな
るようにするのが一層好ましい。
【0016】本発明の耐酸性触媒シートには、これらの触媒
成分含有チタニア繊維およびガラス繊維に加えて、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、フラン樹
脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポ
リフェニレンスルフィド樹脂またはポリエーテルエーテ
ルケトン樹脂が用いられる。これらの樹脂は、1種であ
ってもよいし、また2種以上を組合せたものであっても
よい。なかでも、フッ素樹脂が好ましく、とりわけポリ
テトラフルオロエチレン(以下,PTFEという。)の
適用が推奨される。フッ素樹脂を使用することによっ
て、常用使用温度が高く、耐アルカリ性にも優れる触媒
シートを得ることができる。これらの樹脂は、触媒成分
含有チタニア繊維とガラス繊維の合計量を基準として、
通常、5〜20重量%で用いられる。
【0017】本発明の耐酸性触媒シートは、例えば、触媒成
分含有チタニア繊維、ガラス繊維および合成樹脂を混合
し、抄造する方法で得ることができる。耐酸性触媒シー
トの製造は、界面活性剤の存在下で行うことが好まし
く、界面活性剤を用いることによって、抄造時に、チタ
ニア繊維に含まれる触媒成分が溶出するのを抑制でき、
得られる触媒シートの活性をより高くすることができ
る。使用する界面活性剤としては、例えば、下式(I) 〔式(I)中、R1は炭素数8〜22のアルキルを表す。〕
で示されるアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、下式
(II) 〔式(II)中、R2は炭素数8〜22のアルキルを表
す。〕で示されるアルキルアミンアセテートまたは下式
(III) 〔式(III)中、Xは水素原子またはメチルを、Yは水素
原子またはメチルを、R3は炭素数8〜22のアルキル
を表す。〕で示されるアミンが挙げられる。使用する界
面活性剤は1種であってもよいし、または2種以上混合
したものであってもよい。中でも、ラウリルジメチルア
ミノ酢酸ベタイン、トリデシルジメチルアミノ酢酸ベタ
イン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリ
ルアミンアセテート、トリデシルアミンアセテート、ミ
リスチルアミンアセテート、ラウリルジメチルアミン、
トリデシルジメチルアミン、ミリスチルジメチルアミン
の適用が推奨される。
【0018】本発明の耐酸性触媒シートは、具体的には、パ
ルプ離解機等に水、ガラス繊維および上で示した合成樹
脂を攪拌しながら添加し、そこに界面活性剤を添加し、
さらに触媒成分含有チタニア繊維を添加して攪拌混合し
た後、抄紙機を使用してウェットシートを得、得られた
ウェットシートを脱水、乾燥する方法で製造することが
できる。攪拌は、通常、触媒成分含有チタニア繊維およ
びガラス繊維が水中に均一分散し、かつ触媒成分含有チ
タニア繊維またはガラス繊維が細かく切断されることが
なく、触媒成分含有チタニア繊維の繊維長が約10μm
以上であることおよびガラス繊維の繊維長が約7mm以
上であることが維持される条件で行うことが好ましい。
脱水、乾燥は公知の装置、条件で行えばよく、特に制限
されない。乾燥は2回以上に分けて異なる温度で行って
もよく、また耐酸性触媒シートを反応装置に取付た後、
反応装置ごと加熱する方法で行ってもよい。
【0019】この耐酸性触媒シートの製造では、水、ガラス
繊維、上で示した合成樹脂、触媒成分含有チタニア繊維
および界面活性剤の混合時に、消泡剤を添加してもよ
い。使用する消泡剤としては、例えば、ポリエーテル
系、脂肪酸エステル系、シリコーン系のものがある。ま
た、耐酸性触媒シートの製造は、水、ガラス繊維、上で
示した合成樹脂、触媒成分含有チタニア繊維、任意に用
いられる界面活性剤および任意に用いられる消泡剤から
なる混合液に、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾ
ルおよびジルコニアゾルのような無機結合剤を添加する
方法で行ってもよく、または、その混合液を抄造して得
られるウェットシートにこれらの無機結合剤を噴霧する
方法で行ってもよい。このような無機結合剤を用いるこ
とによって、最終製品である耐酸性触媒シートの機械的
強度を向上させることができる。無機結合剤は、触媒成
分含有チタニア繊維とガラス繊維の合計量を基準とし
て、通常、0.1〜5重量%で用いられる。
【0020】本発明の耐酸性触媒シートの用途は、酸性ガス
を含む排ガスの処理に限らず、窒素酸化物の還元、有機
物の酸化、有機塩素化合物の分解ならびに有機溶剤、農
薬および界面活性剤の分解除去等に適用可能である。
【0021】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はかかる実施例により制限を受けるも
のではない。尚、本発明における触媒成分含有チタニア
繊維のBET比表面積、全細孔容積および1nm以上の
細孔半径を有する細孔の容積は以下の方法により測定し
た。
【0022】BET比表面積(m2/g)、全細孔容積(c
3/g)、1nm以上の細孔半径を有する細孔の容積
(cm3/g): 繊維を乳鉢にて軽く粉砕し、ガス吸
着/脱着アナライザーオムニソープ360〔商品名、コ
ールター(Coulter)社製〕を使い、130℃、6時
間、真空度6×10-5Torr(8mPa)以下の条件
で真空脱気した後、窒素ガスを用いた連続容量法にて細
孔半径に対する細孔分布曲線を求め、その細孔分布曲線
よりBET比表面積、全細孔容積および1nm以上の細
孔半径を有する細孔の容積を算出した。
【0023】実施例1 〔触媒成分含有チタニア繊維Aの製造〕チタンアルコキ
シドとしてチタンテトライソプロポキシド(試薬1級、
和光純薬工業製)300.0g、触媒成分としてトリエ
トキシバナジル(高純度化学製)51.2gおよびアセ
ト酢酸エチル(試薬特級、和光純薬工業製)55.0g
を、溶媒としてのイソプロピルアルコール(試薬特級、
和光純薬工業製)55.4gに溶解させた後、窒素雰囲
気下で1時間還流してチタンアルコキシド溶液Aを調製
した。触媒成分の添加量は、得られる触媒成分含有チタ
ニア繊維中の酸化バナジウム(V25)含有量として1
9重量%となる量である。一方、水37.9gとイソプ
ロピルアルコール341.9gを混合して水濃度10重
量%のアルコール水Aを調製した。
【0024】チタンアルコキシド溶液Aを窒素雰囲気中で加
熱すると同時にイソプロピルアルコールを留出させなが
ら、攪拌下、アルコール水Aを108分で添加した。イ
ソプロピルアルコールの留出とアルコール水Aの添加
は、イソプロピルアルコールの留出量と添加量がほぼ等
しくなるように調節して行った。さらに1時間還流した
後、そのまま加熱し続けイソプロピルアルコールを留出
させてTi濃度が3.46×10-3mol/gになるま
で濃縮して重合体スラリーを得た。得られた重合体スラ
リーにテトラヒドロフラン(試薬特級、和光純薬工業
製)352gを添加し、1時間還流してスラリー中の重
合体を溶解させた後、ケイ素化合物としてエチルシリケ
ート(商品名:エチルシリケート40、多摩化学工業
製)37.2gを添加し1時間還流して重合体溶液を得
た。ケイ素化合物の添加量は、得られる触媒成分含有チ
タニア繊維中のシリカ(SiO2)含有量として12重
量%となる量である。
【0025】上で得られた重合体溶液を孔径3μmのフッ素
樹脂製メンブレンフィルターで濾過した後、加熱してイ
ソプロピルアルコールとテトラヒドロフランを留出させ
て濃縮し、紡糸液200gを得た。この紡糸液の40℃
での粘度は50ポイズであった。上で得られた紡糸液を
40℃に保ち、窒素ガスで圧力20kg/cm2(2M
Pa)をかけて孔径50μmのノズルから40℃、相対
湿度60%の空気雰囲気中に押し出し、70m/分の速
度で巻き取って前駆体繊維を得た。得られた前駆体繊維
を85℃、相対湿度95%(水蒸気分圧0.053MP
a)の恒温恒湿器の中に入れて15時間水蒸気処理を行
った後、昇温速度200℃/時で昇温し、500℃の空
気中で1時間焼成して繊維径15μmの触媒成分含有チ
タニア繊維Aを得た。得られた触媒成分含有チタニア繊
維Aは、BET比表面積が173m2/g、全細孔容積
が0.15cm3/g、1nm以上の細孔半径を有する
細孔容積が0.15cm3/gであった。
【0026】〔触媒シートAの製造〕水1Lに、繊維径0.
8μm、繊維長10mmのアルカリ珪酸塩ガラス繊維
(商品名:Cガラス−マイクロファイバーCMLF20
8−RW36、日本板硝子製)3.13g、フッ素樹脂
(商品名:フルオンディスパージョンAD1、PTFE
濃度60%、旭硝子製)2.08gおよびカチオン性界
面活性剤(商品名:TE−5、住友化学工業製)0.1
0gを添加し、混合機(商品名:ミキサーVA−W25
型、日立製作所製)で攪拌して混合液を得た。得られた
混合液に、界面活性剤としてラウリルジメチルアミノ酢
酸ベタイン(商品名:アンヒトール24B、有効成分2
6%、花王製)1.88g、触媒成分含有チタニア繊維
A 9.38g、消泡剤(商品名:ホームレスP−9
8、明成化学工業製)2.00gを順に添加して攪拌
し、次いで水7Lを添加し攪拌した後、角型シートマシ
ーン(No.2555、熊谷理機工業製)によりウェッ
トシートを作製した。得られたウェットシートを脱水、
乾燥して、250mm角の触媒シートAを得た。この触
媒シートAは、触媒成分含有チタニア繊維Aの目付けが
150g/cm2であり、ガラス繊維の目付けが50g
/cm2であり、フッ素樹脂の目付けが20g/cm2
あった。
【0027】実施例2 〔触媒シートBの製造〕水1Lに、繊維径0.8μm、
繊維長10mmのアルカリ珪酸塩ガラス繊維(商品名:
Cガラス−マイクロファイバーCMLF208−RW3
6、日本板硝子製)3.13g、フッ素樹脂(商品名:
フルオンディスパージョンAD1、PTFE濃度60
%、旭硝子製)2.08gおよびカチオン性界面活性剤
(商品名:TE−5、住友化学工業製)0.10gを添
加し、混合機(商品名:ミキサーVA−W25型、日立
製作所製)で攪拌して混合液を得た。得られた混合液
に、界面活性剤としてラウリルジメチルアミノ酢酸ベタ
イン(商品名:アンヒトール24B、有効成分26%、
花王製)1.88g、触媒成分含有チタニア繊維A
9.38g、消泡剤(商品名:ホームレスP−98 明
成化学工業製)2.00gを順に添加して攪拌し、次い
で水7Lを添加し攪拌した後、角型シートマシーン(N
o.2555,熊谷理機工業製)によりウェットシート
を作製した。得られたウェットシートにチタニアゾル
(商品名:TKC−301、酸化チタン濃度1.3重量
%、テイカ製)4.82gを噴霧した後、脱水し、35
0℃の空気中で1時間乾燥して、250mm角の触媒シ
ートBを得た。この触媒シートBは、触媒成分含有チタ
ニア繊維Aの目付けが150g/cm2であり、ガラス
繊維の目付けが50g/cm2であり、フッ素樹脂の目
付けが20g/cm2であり、チタニアゾルの目付けが
1g/cm2であった。
【0028】実施例3 〔触媒成分含有チタニア繊維Cの製造〕チタンアルコキ
シドとしてチタンテトライソプロポキシド(試薬1級、
和光純薬工業製)600g、触媒成分としてバナジウム
イソプロポキシド(日亜化学工業製)165gおよびア
セト酢酸エチル(試薬特級、和光純薬工業製)110g
を、溶媒としてイソプロピルアルコール(試薬特級、和
光純薬工業製)125gに溶解させた後、窒素雰囲気下
で1時間還流してチタンアルコキシド溶液Cを調製し
た。一方、水87.2gとイソプロピルアルコール78
6gを混合し、水濃度10重量%のアルコール水Cを調
製した。
【0029】チタンアルコキシド溶液Cを窒素雰囲気下で加
熱すると同時にイソプロピルアルコールを留出させなが
ら、攪拌下、アルコール水Cを添加した。イソプロピル
アルコールの留出とアルコール水Cの添加は、イソプロ
ピルアルコールの留出量と添加量がほぼ等しくなるよう
に調節して行った。さらに、この重合体スラリーを窒素
雰囲気中で1時間還流した後、そのまま加熱し続けイソ
プロピルアルコールを留出させて濃縮し、重合体スラリ
ーを得た。濃縮した重合体スラリーにテトラヒドロフラ
ン(試薬特級、和光純薬工業製)711gを添加し、1
時間還流してスラリー中の重合体を溶解させ重合体溶液
を得た。
【0030】得られた重合体溶液を孔径3μmのフッ素樹脂
製メンブレンフィルターで濾過した後、得られた濾液を
加熱してイソプロピルアルコールとテトラヒドロフラン
を留出させて濃縮し、紡糸液694gを得た。この紡糸
液の40℃における粘度は50ポイズ(5Pa・s)で
あった。
【0031】上で得られた紡糸液を40℃に保持し、窒素ガ
スで20kg/cm2(2MPa)をかけて孔径50μ
mのノズルから40℃、相対湿度60%の空気雰囲気中
に押し出し、速度70m/分で巻き取って前駆体繊維を
得た。得られた前駆体繊維を150℃、相対湿度100
%(水蒸気分圧0.5MPa)の恒温恒湿器の中に入れ
て18時間水蒸気処理を行った後、200℃/時で昇温
し350℃の空気中で1時間焼成して、繊維径15μ
m、BET比表面積197m2/g、全細孔容積0.1
8cm3/g、1nm以上の細孔半径を有する細孔の容
積0.18cm3/gである触媒成分含有チタニア繊維
Cを得た。
【0032】〔触媒シートCの製造〕実施例1の触媒シート
の製造において、触媒成分含有チタニア繊維Aに代えて
触媒成分含有チタニア繊維Cを用いた以外は同様にし
て、250mm角の触媒シートCを得た。この触媒シー
トCは、触媒成分含有チタニア繊維Cの目付けが150
g/cm2であり、ガラス繊維の目付けが50g/cm2
であり、フッ素樹脂の目付けが20g/cm2であっ
た。
【0033】〔触媒シートの評価〕上で得られた触媒シート
Cを直径70mmの円板状に切り抜いて、試験シートと
した。この試験シートについて脱硝試験を行った結果、
その脱硝率は90%以上であった。なお、脱硝試験は、
試験シートをフェルト2枚で挟み、内径53mm、外径
70mmのガラス製リングで固定した後、外径53mm
の管の一方の端に試験シートが接触するように配置して
反応管を構成し、その管の他方からNOx:100pp
m、NH3:100ppm、O2:10体積%を含む20
0℃の混合ガスを流速1.27NL/分(線速:1.0
m/分)で導入して行った。反応管に導入した混合ガス
のNOx濃度と、試験シートを通過した混合ガスのNO
x濃度をNOx自動計測器(ECL−77A型、柳本製
作所製)により測定し、下式から脱硝率を算出して、シ
ートの脱硝性能を評価した。脱硝率(%)=〔(反応管
に導入した混合ガスのNOx濃度−試験シートを通過し
た混合ガスのNOx濃度)/(反応管に導入した混合ガ
スのNOx濃度)〕×100
【0034】触媒シートCは、切り抜き加工が可能であって
加工性に優れ、かつ十分な触媒活性を有するものであっ
た。
【0035】
【発明の効果】本発明の耐酸性触媒シートは、十分な耐
酸性を有するともに、窒素酸化物の還元、有機物の酸
化、有機塩素化合物の分解等の触媒活性を長期間にわた
って維持可能であり、かつ加工性に優れる。また、本発
明の製造方法によれば、この耐酸性触媒シートを容易に
得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 D21H 13/46 D21H 13/46 27/00 27/00 C

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒成分含有チタニア繊維、ガラス繊維
    ならびに、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
    脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フ
    ッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂およびポリエ
    ーテルエーテルケトン樹脂から選ばれる合成樹脂を含有
    することを特徴とする耐酸性触媒シート。
  2. 【請求項2】 合成樹脂がフッ素樹脂である請求項1記
    載の耐酸性触媒シート。
  3. 【請求項3】 ガラス繊維が繊維径5μm以下、繊維長
    50mm以下である請求項1または2記載の耐酸性触媒
    シート。
  4. 【請求項4】 ガラス繊維がアルカリ珪酸塩ガラスから
    なる請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐酸性触媒シ
    ート。
  5. 【請求項5】 触媒成分含有チタニア繊維の目付けが5
    g/m2〜900g/m2である請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の耐酸性触媒シート。
  6. 【請求項6】 触媒成分含有チタニア繊維、ガラス繊維
    ならびに、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
    脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フ
    ッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂およびポリエ
    ーテルエーテルケトン樹脂から選ばれる合成樹脂を混合
    し、抄造することを特徴とする耐酸性触媒シートの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 界面活性剤の存在下で混合し、抄造する
    請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 界面活性剤が、下式(I) 〔式(I)中、R1は炭素数8〜22のアルキルを表
    す。〕で示されるアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイ
    ン、下式(II) 〔式(II)中、R2は炭素数8〜22のアルキルを表
    す。〕で示されるアルキルアミンアセテートおよび下式
    (III) 〔式(III)中、Xは水素原子またはメチルを、Yは水
    素原子またはメチルを、R3は炭素数8〜22のアルキ
    ルを表す。〕で示されるアミンから選ばれる請求項7記
    載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010094580A (ja) * 2008-10-14 2010-04-30 Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd エアフィルタ用濾材及びその製造方法
JP2013213294A (ja) * 2012-04-02 2013-10-17 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス繊維、ガラスペーパーの製造方法及びガラスペーパー

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