JP2001090634A - 内燃機関用噴射弁 - Google Patents
内燃機関用噴射弁Info
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- 238000009825 accumulation Methods 0.000 abstract description 7
- 239000000243 solution Substances 0.000 abstract 1
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- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 初期噴射率が低く、噴射終了が急峻な噴射特
性を有し、システム全体の効率を向上できる蓄圧式燃料
噴射装置の噴射弁を提供する。 【解決手段】 ケーシング41先端の噴孔46を開閉す
るノズルニードル4外周のノズル室42と、コモンレー
ルに連通する燃料供給通路15、23の間に弁室3を設
ける。弁室3は、燃料供給通路15、23が接続される
高圧室32と、ノズル室42に連通する制御室31と、
燃料戻し通路16、17が接続される低圧室33とに区
画され、制御弁2の第1および第2の弁部を有する先端
部21が制御室31内に位置している。噴射開始時に、
第1の弁部が開弁して制御室31と高圧室32が連通こ
とによりノズル室42に高圧燃料が供給されるので、初
期噴射率が低く、また、第2の弁部が閉弁して低圧室3
3の間が閉鎖されるのでリーク量が少ない。噴射終了時
は、第1の弁部が閉弁し第2の弁部が開弁して高圧燃料
が速やかに低圧室33に流出するので、噴射終了が急峻
となる。
性を有し、システム全体の効率を向上できる蓄圧式燃料
噴射装置の噴射弁を提供する。 【解決手段】 ケーシング41先端の噴孔46を開閉す
るノズルニードル4外周のノズル室42と、コモンレー
ルに連通する燃料供給通路15、23の間に弁室3を設
ける。弁室3は、燃料供給通路15、23が接続される
高圧室32と、ノズル室42に連通する制御室31と、
燃料戻し通路16、17が接続される低圧室33とに区
画され、制御弁2の第1および第2の弁部を有する先端
部21が制御室31内に位置している。噴射開始時に、
第1の弁部が開弁して制御室31と高圧室32が連通こ
とによりノズル室42に高圧燃料が供給されるので、初
期噴射率が低く、また、第2の弁部が閉弁して低圧室3
3の間が閉鎖されるのでリーク量が少ない。噴射終了時
は、第1の弁部が閉弁し第2の弁部が開弁して高圧燃料
が速やかに低圧室33に流出するので、噴射終了が急峻
となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧燃料をコモン
レール(蓄圧室)に蓄圧し、この蓄圧した高圧燃料を内
燃機関に噴射する蓄圧式燃料噴射装置に用いられる噴射
弁に関する。
レール(蓄圧室)に蓄圧し、この蓄圧した高圧燃料を内
燃機関に噴射する蓄圧式燃料噴射装置に用いられる噴射
弁に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル機関に燃料を噴射するシステ
ムの1つに、蓄圧式燃料噴射装置があり、噴射時期・噴
射量を自在に制御できるため、排ガス値の改善に有効で
あることが知られている。蓄圧式燃料噴射装置は、特開
平10−153155号公報等に記載されているよう
に、各気筒に共通の高圧燃料のコモンレールと、コモン
レールに高圧燃料を圧送する高圧ポンプを備え、コモン
レール内の高圧燃料を所定のタイミングで各気筒に噴射
供給するものである。特開平10−153155号公報
には、噴孔を開閉するノズルニードルと、圧力制御室内
の燃料圧力を受けてノズルニードルを閉弁方向に付勢す
る制御ピストンと、圧力制御室と低圧燃料室との連通を
遮断する電磁弁とを備える噴射弁が記載され、電磁弁を
開弁して圧力制御室を降下させることにより、制御ピス
トンおよびノズルニードルをリフトさせて、燃料を噴射
するようになしてある。
ムの1つに、蓄圧式燃料噴射装置があり、噴射時期・噴
射量を自在に制御できるため、排ガス値の改善に有効で
あることが知られている。蓄圧式燃料噴射装置は、特開
平10−153155号公報等に記載されているよう
に、各気筒に共通の高圧燃料のコモンレールと、コモン
レールに高圧燃料を圧送する高圧ポンプを備え、コモン
レール内の高圧燃料を所定のタイミングで各気筒に噴射
供給するものである。特開平10−153155号公報
には、噴孔を開閉するノズルニードルと、圧力制御室内
の燃料圧力を受けてノズルニードルを閉弁方向に付勢す
る制御ピストンと、圧力制御室と低圧燃料室との連通を
遮断する電磁弁とを備える噴射弁が記載され、電磁弁を
開弁して圧力制御室を降下させることにより、制御ピス
トンおよびノズルニードルをリフトさせて、燃料を噴射
するようになしてある。
【0003】しかしながら、上記構成では、制御ピスト
ンおよびノズルニードルの摺動部クリアランスから高圧
燃料がリークするため、高圧ポンプの圧送量を多くして
リークによる減少分を補う必要があり、システム全体の
効率を悪化させている問題があった。これに対し、例え
ば、特開平9−9086号公報に記載される噴射弁のよ
うに、制御ピストンを廃した構造とすると、リーク量を
少なくすることができる。ところが、この噴射弁では、
ノズル室の入口に絞りを設けて、ノズルニードルの上下
で圧力差を発生させることで得られる油圧力とノズルニ
ードルのスプリング力を噴射終了時の閉弁力としてお
り、このノズル室入口の絞りによって圧損を生じるため
に、噴射時の実噴射圧力が低下してしまう不具合があ
る。
ンおよびノズルニードルの摺動部クリアランスから高圧
燃料がリークするため、高圧ポンプの圧送量を多くして
リークによる減少分を補う必要があり、システム全体の
効率を悪化させている問題があった。これに対し、例え
ば、特開平9−9086号公報に記載される噴射弁のよ
うに、制御ピストンを廃した構造とすると、リーク量を
少なくすることができる。ところが、この噴射弁では、
ノズル室の入口に絞りを設けて、ノズルニードルの上下
で圧力差を発生させることで得られる油圧力とノズルニ
ードルのスプリング力を噴射終了時の閉弁力としてお
り、このノズル室入口の絞りによって圧損を生じるため
に、噴射時の実噴射圧力が低下してしまう不具合があ
る。
【0004】一方、特表平9−510525号公報に
は、ダブル座付弁によって圧力制御室の圧力を調整する
ことにより、噴射を制御する噴射弁が記載されている。
この構成を図7に示すと、噴射弁は、ノズルニードル2
01の外周に設けたノズル室202と、ダブル座付弁2
03を収容する圧力制御室204を有し、これらノズル
室202および圧力制御室204にそれぞれ通路20
5、206を介して燃料供給部207から高圧燃料が供
給されるようになしてある。また、圧力制御室204
は、通路208を介して燃料戻し部209に連通すると
ともに、通路210を介してスプリング室211に連通
している。圧力制御室204の上下面には、通路20
6、208の開口端部にテーパ状の弁座212、213
が形成してあり、ダブル座付弁203の外周部に設けた
2つのテーパ状の弁部が、その切換え位置に応じてこれ
ら弁座210、211を閉鎖する。
は、ダブル座付弁によって圧力制御室の圧力を調整する
ことにより、噴射を制御する噴射弁が記載されている。
この構成を図7に示すと、噴射弁は、ノズルニードル2
01の外周に設けたノズル室202と、ダブル座付弁2
03を収容する圧力制御室204を有し、これらノズル
室202および圧力制御室204にそれぞれ通路20
5、206を介して燃料供給部207から高圧燃料が供
給されるようになしてある。また、圧力制御室204
は、通路208を介して燃料戻し部209に連通すると
ともに、通路210を介してスプリング室211に連通
している。圧力制御室204の上下面には、通路20
6、208の開口端部にテーパ状の弁座212、213
が形成してあり、ダブル座付弁203の外周部に設けた
2つのテーパ状の弁部が、その切換え位置に応じてこれ
ら弁座210、211を閉鎖する。
【0005】上記構成において、ダブル座付弁203が
ソレノイド214によって駆動され、下側の弁座213
から離れて上方へ移動すると、スプリング室211内の
燃料が燃料戻し部209に流出する。これにより、ノズ
ルニードル201が上昇して噴孔215から高圧燃料を
噴射される。ところが、この構成を実現するには、圧力
制御室204を構成するケーシング216を2つの弁座
212、213の間で2つのケーシング216a、21
6bに分割する必要がある。この場合、これらケーシン
グ216a、216bの衝合面のシール性を確保するに
は、ダブル座付弁203の摺動部と下側の弁座213の
μm単位での同軸度確保が必要とされるが、通常の嵌合
やノックピンによる位置決めではμm単位での同軸度確
保は不可能で、シール性を確保できない。そのため、噴
射終了時に圧力制御室204の圧力が十分に上昇しない
ために、噴射切れが悪くなる。
ソレノイド214によって駆動され、下側の弁座213
から離れて上方へ移動すると、スプリング室211内の
燃料が燃料戻し部209に流出する。これにより、ノズ
ルニードル201が上昇して噴孔215から高圧燃料を
噴射される。ところが、この構成を実現するには、圧力
制御室204を構成するケーシング216を2つの弁座
212、213の間で2つのケーシング216a、21
6bに分割する必要がある。この場合、これらケーシン
グ216a、216bの衝合面のシール性を確保するに
は、ダブル座付弁203の摺動部と下側の弁座213の
μm単位での同軸度確保が必要とされるが、通常の嵌合
やノックピンによる位置決めではμm単位での同軸度確
保は不可能で、シール性を確保できない。そのため、噴
射終了時に圧力制御室204の圧力が十分に上昇しない
ために、噴射切れが悪くなる。
【0006】また、これら従来の噴射弁は、いずれも圧
力制御室(ノズルニードルの背圧室)の圧力を降下させ
ることにより、ノズルニードルを開弁させて燃料噴射を
行う構成となっている。この構成では、ノズル室が常時
高圧であるために、初期噴射率が高く、噴射初期のNO
x発生量が多いという問題があった。
力制御室(ノズルニードルの背圧室)の圧力を降下させ
ることにより、ノズルニードルを開弁させて燃料噴射を
行う構成となっている。この構成では、ノズル室が常時
高圧であるために、初期噴射率が高く、噴射初期のNO
x発生量が多いという問題があった。
【0007】なお、ドイツ特許第2322414A号の
ように、ノズルニードルの背圧室を設けず、ノズル室の
圧力を昇圧させることで、ノズルニードルを開弁させる
構成のものがある。この構成では、電磁弁により油圧駆
動されるサーボ弁にて、噴射時のみ高圧通路からノズル
室へ高圧燃料が供給されるようにしてあり、初期噴射率
は低くなる。しかしながら、噴射中に高圧燃料の供給路
が大気圧のリリーフ通路に連通するため、高圧ポンプの
圧送量が多くなり、システム全体の効率を悪化させる問
題がある。
ように、ノズルニードルの背圧室を設けず、ノズル室の
圧力を昇圧させることで、ノズルニードルを開弁させる
構成のものがある。この構成では、電磁弁により油圧駆
動されるサーボ弁にて、噴射時のみ高圧通路からノズル
室へ高圧燃料が供給されるようにしてあり、初期噴射率
は低くなる。しかしながら、噴射中に高圧燃料の供給路
が大気圧のリリーフ通路に連通するため、高圧ポンプの
圧送量が多くなり、システム全体の効率を悪化させる問
題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
初期噴射率が低い、噴射終了が急峻(噴射切れがよ
い)という特性を同時に実現することで、高圧噴射の利
点を効果的に発揮することができ、システム全体の効率
を高めることができる蓄圧式燃料噴射装置の噴射弁を提
供することを目的とする。
初期噴射率が低い、噴射終了が急峻(噴射切れがよ
い)という特性を同時に実現することで、高圧噴射の利
点を効果的に発揮することができ、システム全体の効率
を高めることができる蓄圧式燃料噴射装置の噴射弁を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、コモ
ンレールに蓄圧された高圧燃料を内燃機関に噴射するた
めの噴射弁であって、筒状ケーシング内を軸線方向に摺
動して、該ケーシング先端の噴孔を開閉するノズルニー
ドルと、該ノズルニードルの外周に上記噴孔に連通させ
て設けられ、コモンレールから供給される高圧燃料の圧
力で上記ノズルニードルを開弁させるノズル室と、コモ
ンレールに連通する燃料供給通路と上記ノズル室との間
に設けられる弁室と、上記弁室内に配設されて上記ノズ
ル室への高圧燃料の流入・流出を制御する制御弁と、該
制御弁を駆動する駆動部を備えている。上記弁室に、非
噴射時に上記ノズル室内の高圧燃料を抜くための燃料戻
し通路を接続し、上記制御弁を、燃料噴射時には上記燃
料供給通路を開放して高圧燃料を上記ノズル室に導くと
ともに、上記燃料戻し通路への燃料の流入を阻止し、非
噴射時には上記燃料戻し通路を開放して上記ノズル室内
の高圧燃料を上記燃料戻し通路に導くとともに、上記燃
料供給通路からの燃料の流入を阻止するように形成す
る。
ンレールに蓄圧された高圧燃料を内燃機関に噴射するた
めの噴射弁であって、筒状ケーシング内を軸線方向に摺
動して、該ケーシング先端の噴孔を開閉するノズルニー
ドルと、該ノズルニードルの外周に上記噴孔に連通させ
て設けられ、コモンレールから供給される高圧燃料の圧
力で上記ノズルニードルを開弁させるノズル室と、コモ
ンレールに連通する燃料供給通路と上記ノズル室との間
に設けられる弁室と、上記弁室内に配設されて上記ノズ
ル室への高圧燃料の流入・流出を制御する制御弁と、該
制御弁を駆動する駆動部を備えている。上記弁室に、非
噴射時に上記ノズル室内の高圧燃料を抜くための燃料戻
し通路を接続し、上記制御弁を、燃料噴射時には上記燃
料供給通路を開放して高圧燃料を上記ノズル室に導くと
ともに、上記燃料戻し通路への燃料の流入を阻止し、非
噴射時には上記燃料戻し通路を開放して上記ノズル室内
の高圧燃料を上記燃料戻し通路に導くとともに、上記燃
料供給通路からの燃料の流入を阻止するように形成す
る。
【0010】上記構成によれば、非噴射時の上記燃料供
給通路からの燃料の流入を阻止して、噴射時のみ上記ノ
ズル室に高圧燃料が供給されるようにしたので、初期噴
射率を低くできる。また、燃料噴射時には上記燃料戻し
通路への燃料の流入を阻止されるので、噴射中の燃料の
リークがなく、システム全体の効率も良好である。ま
た、噴射終了時には、上記燃料戻し通路を開放して、瞬
時に上記燃料戻し通路へ燃料を抜き、ノズル室の圧力を
低下させることができるので、噴射切れがよい。
給通路からの燃料の流入を阻止して、噴射時のみ上記ノ
ズル室に高圧燃料が供給されるようにしたので、初期噴
射率を低くできる。また、燃料噴射時には上記燃料戻し
通路への燃料の流入を阻止されるので、噴射中の燃料の
リークがなく、システム全体の効率も良好である。ま
た、噴射終了時には、上記燃料戻し通路を開放して、瞬
時に上記燃料戻し通路へ燃料を抜き、ノズル室の圧力を
低下させることができるので、噴射切れがよい。
【0011】請求項2の構成では、上記弁室を、上記燃
料供給通路が接続される高圧室と、上記ノズル室に連通
する制御室と、燃料戻し通路が接続される低圧室とに区
画し、上記制御弁を、上記制御室と上記高圧室および上
記低圧室の間をそれぞれ開閉する第1の弁部および第2
の弁部を有し、かつこれら第1および第2の弁部の一方
の開弁時には他方が閉弁するように形成する。そして、
噴射開始時には、上記第1の弁部を開弁し上記第2の弁
部を閉弁して、上記燃料供給通路から上記高圧室および
上記弁室を経て上記ノズル室に高圧燃料を供給し、噴射
終了時には、上記第2の弁部を開弁し上記第1の弁部を
閉弁して上記ノズル室内の高圧燃料を上記弁室および上
記低圧室を経て上記燃料戻し通路へ排出する。
料供給通路が接続される高圧室と、上記ノズル室に連通
する制御室と、燃料戻し通路が接続される低圧室とに区
画し、上記制御弁を、上記制御室と上記高圧室および上
記低圧室の間をそれぞれ開閉する第1の弁部および第2
の弁部を有し、かつこれら第1および第2の弁部の一方
の開弁時には他方が閉弁するように形成する。そして、
噴射開始時には、上記第1の弁部を開弁し上記第2の弁
部を閉弁して、上記燃料供給通路から上記高圧室および
上記弁室を経て上記ノズル室に高圧燃料を供給し、噴射
終了時には、上記第2の弁部を開弁し上記第1の弁部を
閉弁して上記ノズル室内の高圧燃料を上記弁室および上
記低圧室を経て上記燃料戻し通路へ排出する。
【0012】上記構成によれば、噴射開始まで上記第1
の弁部が開弁されないので、上記ノズル室の圧力上昇が
緩やかで、初期噴射率を低くできる。また、噴射中は、
上記第2の弁部が閉弁しているので、上記燃料戻し通路
側へ燃料が流出することがなく、システム全体の効率も
良好である。そして、噴射終了時には、上記第2の弁部
を開弁し、速やかに上記燃料戻し通路へ燃料を排出し
て、上記ノズルニードルを閉弁できるので、噴射終了が
急峻となる。
の弁部が開弁されないので、上記ノズル室の圧力上昇が
緩やかで、初期噴射率を低くできる。また、噴射中は、
上記第2の弁部が閉弁しているので、上記燃料戻し通路
側へ燃料が流出することがなく、システム全体の効率も
良好である。そして、噴射終了時には、上記第2の弁部
を開弁し、速やかに上記燃料戻し通路へ燃料を排出し
て、上記ノズルニードルを閉弁できるので、噴射終了が
急峻となる。
【0013】請求項3の構成では、上記制御弁の摺動部
の径d1 を、上記第1の弁部の着座時のシート径d2 お
よび上記第2の弁部の着座時のシート径d3 とほぼ同径
とする。これにより、上記制御弁に作用する燃料の圧力
がバランスされ、駆動部となるソレノイドの必要吸引力
を低く抑えることができるので、ソレノイドの小型化が
可能である。
の径d1 を、上記第1の弁部の着座時のシート径d2 お
よび上記第2の弁部の着座時のシート径d3 とほぼ同径
とする。これにより、上記制御弁に作用する燃料の圧力
がバランスされ、駆動部となるソレノイドの必要吸引力
を低く抑えることができるので、ソレノイドの小型化が
可能である。
【0014】請求項4の構成では、上記制御弁が摺動可
能に配置される摺動孔の延長線上に、上記制御室を挟ん
で上記高圧室と上記低圧室を同軸的に配置する。そし
て、上記制御室内に上記制御弁の先端部を配置して、該
先端部の上記高圧室側に上記第1の弁部を、上記低圧室
側に上記第2の弁部を形成する。具体的には、上記制御
室を挟んで上記高圧室と低圧室を配置し、上記制御弁の
先端部に上記第1および第2の弁部を形成すると、構成
がコンパクトにできる。
能に配置される摺動孔の延長線上に、上記制御室を挟ん
で上記高圧室と上記低圧室を同軸的に配置する。そし
て、上記制御室内に上記制御弁の先端部を配置して、該
先端部の上記高圧室側に上記第1の弁部を、上記低圧室
側に上記第2の弁部を形成する。具体的には、上記制御
室を挟んで上記高圧室と低圧室を配置し、上記制御弁の
先端部に上記第1および第2の弁部を形成すると、構成
がコンパクトにできる。
【0015】請求項5の構成では、上記先端部の上記低
圧室側端面を筒状に延出して上記第2の弁部を形成し、
これより小径とした上記低圧室の開口縁部に筒状の第2
の弁部が当接してこれを閉鎖するようにした。上記第2
の弁部を筒状のパイプシート弁とすることで、摺動部と
上記第2の弁部を精密な同軸度を要さずにシール可能と
なり、簡易な構成でシール性を確保できる。
圧室側端面を筒状に延出して上記第2の弁部を形成し、
これより小径とした上記低圧室の開口縁部に筒状の第2
の弁部が当接してこれを閉鎖するようにした。上記第2
の弁部を筒状のパイプシート弁とすることで、摺動部と
上記第2の弁部を精密な同軸度を要さずにシール可能と
なり、簡易な構成でシール性を確保できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づいて説明する。図2は本発明の燃料噴射弁1を
備える蓄圧式燃料噴射装置の全体構成図で、エンジン1
01の各気筒に共通に設けた蓄圧室としてのコモンレー
ル102を備えている。コモンレール102には、各気
筒毎に設けられる複数の燃料噴射弁1が接続され、コモ
ンレール102内に蓄圧される高圧燃料を、各燃料噴射
弁1から対応する気筒に噴射するようになしてある。燃
料噴射弁1の駆動は、制御部である電子制御ユニット
(ECU)103からの信号によって制御される。
面に基づいて説明する。図2は本発明の燃料噴射弁1を
備える蓄圧式燃料噴射装置の全体構成図で、エンジン1
01の各気筒に共通に設けた蓄圧室としてのコモンレー
ル102を備えている。コモンレール102には、各気
筒毎に設けられる複数の燃料噴射弁1が接続され、コモ
ンレール102内に蓄圧される高圧燃料を、各燃料噴射
弁1から対応する気筒に噴射するようになしてある。燃
料噴射弁1の駆動は、制御部である電子制御ユニット
(ECU)103からの信号によって制御される。
【0017】コモンレール102には、燃料タンク10
7からフィードポンプ106を経て吸入される低圧燃料
を高圧に加圧する高圧サプライポンプ104が接続され
ている。ECU103は、コモンレール102に設けた
圧力センサ108等からの信号に基づき、燃料噴射弁1
の噴射圧力が予め負荷や回転数に応じて定めた所定値と
なるように、高圧サプライポンプ104の圧力制御弁1
05を駆動して、高圧サプライポンプ104からの圧送
量を調整する。これにより、コモンレール102内に高
圧サプライポンプ104から圧送される高圧燃料が、燃
料の噴射圧に相当する所定圧で蓄圧される。余剰の燃料
は、低圧流路109を介して燃料タンク107に戻され
る。
7からフィードポンプ106を経て吸入される低圧燃料
を高圧に加圧する高圧サプライポンプ104が接続され
ている。ECU103は、コモンレール102に設けた
圧力センサ108等からの信号に基づき、燃料噴射弁1
の噴射圧力が予め負荷や回転数に応じて定めた所定値と
なるように、高圧サプライポンプ104の圧力制御弁1
05を駆動して、高圧サプライポンプ104からの圧送
量を調整する。これにより、コモンレール102内に高
圧サプライポンプ104から圧送される高圧燃料が、燃
料の噴射圧に相当する所定圧で蓄圧される。余剰の燃料
は、低圧流路109を介して燃料タンク107に戻され
る。
【0018】図1に、本発明の燃料噴射弁1の全体構成
を示す。図中、燃料噴射弁1は、制御弁2を収容し、弁
室3が形成される上下ケーシング11、12と、その下
方に配設されノズルニードル4を収容するノズルケーシ
ング41を有している。下部ケーシング12とノズルケ
ーシング41は、外周を保持する筒状部材13を上部ケ
ーシング11の下端部に螺結することによって固定され
る。上部ケーシング11の上端部には、制御弁2を駆動
する駆動部となるソレノイド5を収容する筒状のソレノ
イドケーシング51が螺結してある。また、上部ケーシ
ング11の側方に突出する筒状部14内には、上記図2
のコモンレール102に連通する燃料供給通路15が設
けられている。
を示す。図中、燃料噴射弁1は、制御弁2を収容し、弁
室3が形成される上下ケーシング11、12と、その下
方に配設されノズルニードル4を収容するノズルケーシ
ング41を有している。下部ケーシング12とノズルケ
ーシング41は、外周を保持する筒状部材13を上部ケ
ーシング11の下端部に螺結することによって固定され
る。上部ケーシング11の上端部には、制御弁2を駆動
する駆動部となるソレノイド5を収容する筒状のソレノ
イドケーシング51が螺結してある。また、上部ケーシ
ング11の側方に突出する筒状部14内には、上記図2
のコモンレール102に連通する燃料供給通路15が設
けられている。
【0019】上部ケーシング11内には、軸線方向(上
下方向)に形成した摺動孔22内に上記制御弁2が摺動
可能に配設されている。制御弁2の先端部21(下端
部)は、上部ケーシング11の下端部に形成される摺動
孔22より大径の制御室31内に位置しており、制御室
31はの下方の下部ケーシング12上端部には、これよ
り小径の低圧室33が同軸的に形成してある。また、制
御室31の上方には、上記先端部21に連続する制御弁
2の径を摺動部径よりやや小径として、摺動孔22内壁
との間に高圧室32が形成してある。この高圧室32に
は、上記燃料供給通路15に連続する燃料供給通路23
が接続され、上記低圧室33は上下ケーシング11、1
2内に設けた燃料戻し通路16、17に連通している。
下方向)に形成した摺動孔22内に上記制御弁2が摺動
可能に配設されている。制御弁2の先端部21(下端
部)は、上部ケーシング11の下端部に形成される摺動
孔22より大径の制御室31内に位置しており、制御室
31はの下方の下部ケーシング12上端部には、これよ
り小径の低圧室33が同軸的に形成してある。また、制
御室31の上方には、上記先端部21に連続する制御弁
2の径を摺動部径よりやや小径として、摺動孔22内壁
との間に高圧室32が形成してある。この高圧室32に
は、上記燃料供給通路15に連続する燃料供給通路23
が接続され、上記低圧室33は上下ケーシング11、1
2内に設けた燃料戻し通路16、17に連通している。
【0020】これら制御室31と高圧室32および低圧
室33とで、互いに連通する弁室3を構成している。制
御弁2は、制御室31と高圧室32および低圧室33と
の間の連通、遮断を制御するもので、その詳細について
は後述する。なお、上記燃料戻し通路16、17は、制
御弁2を上方に付勢するスプリング6が配設されるスプ
リング室61内、制御弁2上端に固定されるプッシュロ
ッド52内空間、ソレノイドケーシング51上端部の通
路55を介して大気圧となる外部と連通している。
室33とで、互いに連通する弁室3を構成している。制
御弁2は、制御室31と高圧室32および低圧室33と
の間の連通、遮断を制御するもので、その詳細について
は後述する。なお、上記燃料戻し通路16、17は、制
御弁2を上方に付勢するスプリング6が配設されるスプ
リング室61内、制御弁2上端に固定されるプッシュロ
ッド52内空間、ソレノイドケーシング51上端部の通
路55を介して大気圧となる外部と連通している。
【0021】ノズルニードル4は、下部ケーシング12
の下方に環状の封止部材62を介して配設した筒状のノ
ズルケーシング41内に上下方向に摺動可能に配設され
ている。ノズルニードル4の中間部周りには、ノズル室
42が形成してあり、ノズルケーシング41および下部
ケーシング12内を上下方向に延びる通路43を介し
て、常時、制御室31に連通している。ノズルニードル
4は、その上方に設けたスプリング室44内のスプリン
グ45によって閉弁方向(下方)に付勢されて、ノズル
ケーシング41下端の噴孔46を閉鎖している。また、
ノズルニードル4は下半部をやや小径として、ノズルケ
ーシング41内壁との間に空隙47を形成する一方、そ
の肩部48がノズル室42内に位置するようにしてあ
る。これにより、ノズル室42に導入される高圧燃料の
圧力がスプリング45の付勢力を上回ると、ノズルニー
ドル4が上昇を開始し、ノズル室42内の高圧燃料が空
隙47を経て噴孔46より噴射される。なお、スプリン
グ室44は連通孔49によって上方の低圧室33と連通
している。
の下方に環状の封止部材62を介して配設した筒状のノ
ズルケーシング41内に上下方向に摺動可能に配設され
ている。ノズルニードル4の中間部周りには、ノズル室
42が形成してあり、ノズルケーシング41および下部
ケーシング12内を上下方向に延びる通路43を介し
て、常時、制御室31に連通している。ノズルニードル
4は、その上方に設けたスプリング室44内のスプリン
グ45によって閉弁方向(下方)に付勢されて、ノズル
ケーシング41下端の噴孔46を閉鎖している。また、
ノズルニードル4は下半部をやや小径として、ノズルケ
ーシング41内壁との間に空隙47を形成する一方、そ
の肩部48がノズル室42内に位置するようにしてあ
る。これにより、ノズル室42に導入される高圧燃料の
圧力がスプリング45の付勢力を上回ると、ノズルニー
ドル4が上昇を開始し、ノズル室42内の高圧燃料が空
隙47を経て噴孔46より噴射される。なお、スプリン
グ室44は連通孔49によって上方の低圧室33と連通
している。
【0022】ソレノイドケーシング51には、制御弁2
の上端に固定されるプッシュロッド52が、筒状のソレ
ノイド5の中空部を貫通して延び、その上端部外周に固
定されるアーマチャ53が固定されてソレノイド5に対
向している。ソレノイド5のコイル54に通電しない図
示の状態では、制御弁2は、ソレノイド5下方のスプリ
ング室61内のスプリング6によって、上方に付勢され
ており、ソレノイド5のコイル54に通電すると、アー
マチャ53が吸引されてこれと一体のプッシュロッド5
2および制御弁2が下方に移動する(図3参照)。
の上端に固定されるプッシュロッド52が、筒状のソレ
ノイド5の中空部を貫通して延び、その上端部外周に固
定されるアーマチャ53が固定されてソレノイド5に対
向している。ソレノイド5のコイル54に通電しない図
示の状態では、制御弁2は、ソレノイド5下方のスプリ
ング室61内のスプリング6によって、上方に付勢され
ており、ソレノイド5のコイル54に通電すると、アー
マチャ53が吸引されてこれと一体のプッシュロッド5
2および制御弁2が下方に移動する(図3参照)。
【0023】図4に示すように、制御室31内に位置す
る制御弁2の先端部21は、その上端側(高圧室32
側)がテーパ状の第1の弁部2aをなすとともに、下端
側は、外周部を筒状に延出してパイプシート状の第2の
弁部2bをなしている。第1の弁部2aに対向する高圧
室32の下端開口縁には、第1の弁部2aよりやや緩や
かに傾斜するテーパ状の第1のシート面34が形成して
あり、一方、第2の弁部2bに対向する低圧室33の上
端開口縁は、平面状の第2のシート面35となしてあ
る。このように、第2の弁部2bをパイプシート状と
し、これより小径の低圧室33上端開口縁に当接してこ
れを閉鎖するようにすると、第2の弁部2bと第2のシ
ート面35の同軸度が厳密に要求されず、分割形成した
上下ケーシング11、12をシール性を確保することが
可能である。この時、シール性をより確実にするには、
図のように、第2の弁部2bの内周径が低圧室33の径
よりも大径となるように形成するとよい。
る制御弁2の先端部21は、その上端側(高圧室32
側)がテーパ状の第1の弁部2aをなすとともに、下端
側は、外周部を筒状に延出してパイプシート状の第2の
弁部2bをなしている。第1の弁部2aに対向する高圧
室32の下端開口縁には、第1の弁部2aよりやや緩や
かに傾斜するテーパ状の第1のシート面34が形成して
あり、一方、第2の弁部2bに対向する低圧室33の上
端開口縁は、平面状の第2のシート面35となしてあ
る。このように、第2の弁部2bをパイプシート状と
し、これより小径の低圧室33上端開口縁に当接してこ
れを閉鎖するようにすると、第2の弁部2bと第2のシ
ート面35の同軸度が厳密に要求されず、分割形成した
上下ケーシング11、12をシール性を確保することが
可能である。この時、シール性をより確実にするには、
図のように、第2の弁部2bの内周径が低圧室33の径
よりも大径となるように形成するとよい。
【0024】また、制御弁2の摺動部の径d1 に対し、
第1の弁部2aの着座時のシート径d2 、および第2の
弁部2bの着座時のシート径d3 をほぼ同径とするのが
よい。これにより、制御弁2に作用する燃料の圧力がバ
ランスされ、ソレノイド5の必要吸引力を低く抑えるこ
とができるので、ソレノイド5の小型化、さらに噴射弁
全体の小型化に有効である。
第1の弁部2aの着座時のシート径d2 、および第2の
弁部2bの着座時のシート径d3 をほぼ同径とするのが
よい。これにより、制御弁2に作用する燃料の圧力がバ
ランスされ、ソレノイド5の必要吸引力を低く抑えるこ
とができるので、ソレノイド5の小型化、さらに噴射弁
全体の小型化に有効である。
【0025】次に上記構成の噴射弁の作動を説明する。
ソレノイド5のコイル54に通電しない通常状態(図1
に示す状態)では、スプリング室61内のスプリング6
によって制御弁2が上方に付勢され、第1の弁部2aが
第1のシート面34に着座して、高圧室32と制御室3
1との間を遮断し、第2の弁部2bが開弁して制御室3
1と低圧室33が連通している。この時、ノズル室42
は、制御室31および低圧室33を介して大気圧の燃料
戻し通路に連通しており、ノズルニードル4が噴孔46
を閉鎖している。
ソレノイド5のコイル54に通電しない通常状態(図1
に示す状態)では、スプリング室61内のスプリング6
によって制御弁2が上方に付勢され、第1の弁部2aが
第1のシート面34に着座して、高圧室32と制御室3
1との間を遮断し、第2の弁部2bが開弁して制御室3
1と低圧室33が連通している。この時、ノズル室42
は、制御室31および低圧室33を介して大気圧の燃料
戻し通路に連通しており、ノズルニードル4が噴孔46
を閉鎖している。
【0026】次に、コイル54に通電すると、アーマチ
ャ53がスプリング6の付勢力に打ち勝って吸引され、
これと一体のプッシュロッド52および制御弁2が下方
へ移動する。これにより、第2の弁部2bが第2のシー
ト面35に着座して閉弁し、制御室31と低圧室33の
間を遮断する。同時に、第1の弁部2aが開弁して、高
圧室32と制御室31とが連通し、燃料供給通路15、
23より供給される高圧燃料が、高圧室32、制御室3
1、通路43を経てノズル室42に供給される。そし
て、ノズル室42内の圧力が上昇して、ノズルニードル
4が開弁し、噴孔46から燃料が噴射される。
ャ53がスプリング6の付勢力に打ち勝って吸引され、
これと一体のプッシュロッド52および制御弁2が下方
へ移動する。これにより、第2の弁部2bが第2のシー
ト面35に着座して閉弁し、制御室31と低圧室33の
間を遮断する。同時に、第1の弁部2aが開弁して、高
圧室32と制御室31とが連通し、燃料供給通路15、
23より供給される高圧燃料が、高圧室32、制御室3
1、通路43を経てノズル室42に供給される。そし
て、ノズル室42内の圧力が上昇して、ノズルニードル
4が開弁し、噴孔46から燃料が噴射される。
【0027】コイル54への通電を解除すると、スプリ
ング6の付勢力により制御弁2が上昇し、第1の弁部2
aが第1のシート面34に着座して、制御室31と高圧
室32の間を遮断する。同時に、第2の弁部2bが開弁
して、制御室31が低圧室33に連通し、ノズル室42
内の燃料が、通路43、制御室31、低圧室33を経て
大気圧の燃料戻し通路16、17より排出される。これ
により、ノズル室42内の圧力が低下して、ノズルニー
ドル4が閉弁し、燃料噴射が終了する。
ング6の付勢力により制御弁2が上昇し、第1の弁部2
aが第1のシート面34に着座して、制御室31と高圧
室32の間を遮断する。同時に、第2の弁部2bが開弁
して、制御室31が低圧室33に連通し、ノズル室42
内の燃料が、通路43、制御室31、低圧室33を経て
大気圧の燃料戻し通路16、17より排出される。これ
により、ノズル室42内の圧力が低下して、ノズルニー
ドル4が閉弁し、燃料噴射が終了する。
【0028】図5に本発明の噴射弁の作動時のタイムチ
ャートを示す(図中、実線)。図の最上段はコイル54
への駆動信号を示し、コイル54に通電すると(駆動信
号ON)、制御弁2の第2の弁部2bが閉弁し、第1の
弁部2aが開弁して、上述したように高圧燃料がノズル
室42に流入してその圧力が上昇する。ノズル室42の
圧力が開弁圧に達すると、ノズルニードル4がリフトを
開始し、噴射がなされる。噴射開始時、本発明の構成で
は、高圧室32と制御室31の間が遮断されているた
め、制御室31、通路43、ノズル室42を昇圧するた
めに流入する高圧燃料が費やされ、初期の噴射率の立ち
上がりは、図に点線で示すノズル室が常時高圧となる従
来の噴射弁(上記図7の構成、図に作動を点線で示す)
に比べて緩やかになり、噴射初期のNOx発生を抑制で
きる。
ャートを示す(図中、実線)。図の最上段はコイル54
への駆動信号を示し、コイル54に通電すると(駆動信
号ON)、制御弁2の第2の弁部2bが閉弁し、第1の
弁部2aが開弁して、上述したように高圧燃料がノズル
室42に流入してその圧力が上昇する。ノズル室42の
圧力が開弁圧に達すると、ノズルニードル4がリフトを
開始し、噴射がなされる。噴射開始時、本発明の構成で
は、高圧室32と制御室31の間が遮断されているた
め、制御室31、通路43、ノズル室42を昇圧するた
めに流入する高圧燃料が費やされ、初期の噴射率の立ち
上がりは、図に点線で示すノズル室が常時高圧となる従
来の噴射弁(上記図7の構成、図に作動を点線で示す)
に比べて緩やかになり、噴射初期のNOx発生を抑制で
きる。
【0029】コイル54への通電を解除すると(駆動信
号OFF)、制御弁2の第1の弁部2aが閉弁し、第2
の弁部2bが開弁して、上述したように高圧燃料がノズ
ル室42から大気圧に流出する。これに伴い、ノズル室
42の圧力が急激に低下し、ノズル室42の圧力が閉弁
圧に達すると、ノズルニードル4は全閉し、噴射が終了
する。噴射終了時、本発明の構成では、ノズル室42の
高圧燃料が大気圧に開放されることで、速やかにノズル
室42の圧力が低下し、従来の噴射弁に比べて噴射終了
が急峻となる。
号OFF)、制御弁2の第1の弁部2aが閉弁し、第2
の弁部2bが開弁して、上述したように高圧燃料がノズ
ル室42から大気圧に流出する。これに伴い、ノズル室
42の圧力が急激に低下し、ノズル室42の圧力が閉弁
圧に達すると、ノズルニードル4は全閉し、噴射が終了
する。噴射終了時、本発明の構成では、ノズル室42の
高圧燃料が大気圧に開放されることで、速やかにノズル
室42の圧力が低下し、従来の噴射弁に比べて噴射終了
が急峻となる。
【0030】以上のように、本発明によれば、初期の噴
射率が低く、噴射終了が急峻な、噴射性能に優れた噴射
弁を実現できる。また、制御弁2の第2の弁部2bを精
密な同軸度が要求されないパイプシート状としたので、
制御室31とその下方の低圧室33の間でケーシングを
分割しても、第2の弁部2bとこれが着座する第2のシ
ート面35の間のシール性を確保することができる。さ
らに、本実施の形態において、ノズル室42に向かう高
圧燃料が流れる通路43を形成する部材、すなわち、上
下ケーシング11、12、ノズルケーシング41と封止
部材42のシール面71、72、73(図3に矢印で示
す)が高圧にさらされるのは噴射期間中だけである。つ
まり、ノズル室42および通路43が常時高圧となる従
来構成のような耐圧性が要求されないので、シール面7
1、72、73の加工を簡略化できる。
射率が低く、噴射終了が急峻な、噴射性能に優れた噴射
弁を実現できる。また、制御弁2の第2の弁部2bを精
密な同軸度が要求されないパイプシート状としたので、
制御室31とその下方の低圧室33の間でケーシングを
分割しても、第2の弁部2bとこれが着座する第2のシ
ート面35の間のシール性を確保することができる。さ
らに、本実施の形態において、ノズル室42に向かう高
圧燃料が流れる通路43を形成する部材、すなわち、上
下ケーシング11、12、ノズルケーシング41と封止
部材42のシール面71、72、73(図3に矢印で示
す)が高圧にさらされるのは噴射期間中だけである。つ
まり、ノズル室42および通路43が常時高圧となる従
来構成のような耐圧性が要求されないので、シール面7
1、72、73の加工を簡略化できる。
【0031】なお、噴射弁からのリーク量は、制御
弁、制御ピストン、ノズルニードル等の摺動部クリアラ
ンスからのリークと、噴射制御のための制御弁作動に
起因するリークの2つがある。について、本発明でリ
ークが発生する通路は制御弁2の摺動部のみで、ノズル
ニードル4摺動部からのリークは噴射期間中のごく短時
間(最大1.5ms程度)であり、上記特開平10−1
53155号公報の構成に比べてリーク量が大幅に低減
する。また、について、本発明では噴射期間中、第2
の弁部2bが燃料戻し通路16、17に至る低圧室33
を閉鎖しているため、噴射期間中も高圧部が大気圧室に
連通する上記公報等の従来構成に比べてリーク量が少な
くなる。よって、全体としてリーク量は十分小さく、高
圧サプライポンプの圧送量を少なくすることができるの
で、システム全体の効率を向上させることができる。
弁、制御ピストン、ノズルニードル等の摺動部クリアラ
ンスからのリークと、噴射制御のための制御弁作動に
起因するリークの2つがある。について、本発明でリ
ークが発生する通路は制御弁2の摺動部のみで、ノズル
ニードル4摺動部からのリークは噴射期間中のごく短時
間(最大1.5ms程度)であり、上記特開平10−1
53155号公報の構成に比べてリーク量が大幅に低減
する。また、について、本発明では噴射期間中、第2
の弁部2bが燃料戻し通路16、17に至る低圧室33
を閉鎖しているため、噴射期間中も高圧部が大気圧室に
連通する上記公報等の従来構成に比べてリーク量が少な
くなる。よって、全体としてリーク量は十分小さく、高
圧サプライポンプの圧送量を少なくすることができるの
で、システム全体の効率を向上させることができる。
【0032】図6に本発明の第2の実施の形態として示
すように、本発明を公知の2段開弁圧のノズルと組み合
わせることも可能である。上記第1の実施の形態では、
ノズル室42の圧力がスプリング45の付勢力を越えた
時にノズルニードル4が開弁する構成としたが、本実施
例では、スプリング45に加えて、低圧室33の下部を
大径のスプリング室36となして第2のスプリング37
を配置し、ノズルニードル4上端に設けたプッシュロッ
ド38を下方に付勢する構成としてある。プッシュロッ
ド38はスプリング室44を貫通して上端の大径部がス
プリング室36内に位置している。燃料戻し通路16は
スプリング室36に接続され、また、燃料戻し通路17
を下方に延長した分岐路18がスプリング室44に接続
されている。他の構成は上記第1の実施の形態と同様で
ある。
すように、本発明を公知の2段開弁圧のノズルと組み合
わせることも可能である。上記第1の実施の形態では、
ノズル室42の圧力がスプリング45の付勢力を越えた
時にノズルニードル4が開弁する構成としたが、本実施
例では、スプリング45に加えて、低圧室33の下部を
大径のスプリング室36となして第2のスプリング37
を配置し、ノズルニードル4上端に設けたプッシュロッ
ド38を下方に付勢する構成としてある。プッシュロッ
ド38はスプリング室44を貫通して上端の大径部がス
プリング室36内に位置している。燃料戻し通路16は
スプリング室36に接続され、また、燃料戻し通路17
を下方に延長した分岐路18がスプリング室44に接続
されている。他の構成は上記第1の実施の形態と同様で
ある。
【0033】この構成では、噴射開始時の開弁圧が、プ
ッシュロッド38を下方に付勢する第2のスプリング3
7の付勢力とノズルニードル4を下方に付勢するスプリ
ング45の付勢力の和となるので、初期噴射率をさらに
低くすることができる。
ッシュロッド38を下方に付勢する第2のスプリング3
7の付勢力とノズルニードル4を下方に付勢するスプリ
ング45の付勢力の和となるので、初期噴射率をさらに
低くすることができる。
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す内燃機関用噴
射弁の全体断面図(非通電時)である。
射弁の全体断面図(非通電時)である。
【図2】第1の実施の形態の内燃機関用噴射弁を含む蓄
圧式燃料噴射装置の全体構成図である。
圧式燃料噴射装置の全体構成図である。
【図3】第1の実施の形態の内燃機関用噴射弁の全体断
面図(通電時)である。
面図(通電時)である。
【図4】第1の実施の形態の内燃機関用噴射弁の部分拡
大図である。
大図である。
【図5】本発明の作動を説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示す内燃機関用噴
射弁の全体断面図(非通電時)である。
射弁の全体断面図(非通電時)である。
【図7】従来の内燃機関用噴射弁の全体断面図である。
1 噴射弁 11、12 上下ケーシング 15 燃料供給通路 16、17 燃料戻し通路 2 制御弁 2a 第1の弁部 2b 第2の弁部 21 先端部 23 高圧通路 31 制御室(弁室) 32 高圧室(弁室) 33 低圧室(弁室) 34 第1のシート面 35 第2のシート面 4 ノズルニードル 41 ノズルケーシング 43 通路 5 ソレノイド(駆動部) 51 ソレノイドケーシング 6 スプリング 61 スプリング室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 47/00 F02M 47/00 N F 47/02 47/02 51/00 51/00 F 61/16 61/16 D S (72)発明者 榎本 滋郁 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 外薗 祐一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC09 AD12 BA12 BA17 BA25 BA35 BA67 CB16 CC06T CC08T CC14 CC26 CC52 CC61 CC66 CC67 CC68U CD28 CD30 CE13 DA11 DA12 DA13 DA14 DC01 DC09 DC18
Claims (5)
- 【請求項1】 コモンレールに蓄圧された高圧燃料を内
燃機関に噴射するための噴射弁であって、筒状ケーシン
グ内を軸線方向に摺動して、該ケーシング先端の噴孔を
開閉するノズルニードルと、該ノズルニードルの外周に
上記噴孔に連通させて設けられ、コモンレールから供給
される高圧燃料の圧力で上記ノズルニードルを開弁させ
るノズル室と、コモンレールに連通する燃料供給通路と
上記ノズル室との間に設けられる弁室と、上記弁室内に
配設されて上記ノズル室への高圧燃料の流入・流出を制
御する制御弁と、該制御弁を駆動する駆動部を備え、上
記弁室に、非噴射時に上記ノズル室内の高圧燃料を抜く
ための燃料戻し通路を接続し、上記制御弁を、燃料噴射
時には上記燃料供給通路を開放して高圧燃料を上記ノズ
ル室に導くとともに、上記燃料戻し通路への燃料の流入
を阻止し、非噴射時には上記燃料戻し通路を開放して上
記ノズル室内の高圧燃料を上記燃料戻し通路に導くとと
もに、上記燃料供給通路からの燃料の流入を阻止するよ
うに形成したことを特徴とする内燃機関用噴射弁。 - 【請求項2】 上記弁室を、上記燃料供給通路が接続さ
れる高圧室と、上記ノズル室に連通する制御室と、燃料
戻し通路が接続される低圧室とに区画し、上記制御弁
を、上記制御室と上記高圧室および上記低圧室の間をそ
れぞれ開閉する第1の弁部および第2の弁部を有し、か
つこれら第1および第2の弁部の一方の開弁時には他方
が閉弁するように形成して、噴射開始時には、上記第1
の弁部を開弁し上記第2の弁部を閉弁して、上記燃料供
給通路から上記高圧室および上記弁室を経て上記ノズル
室に高圧燃料を供給し、噴射終了時には、上記第2の弁
部を開弁し上記第1の弁部を閉弁して上記ノズル室内の
高圧燃料を上記弁室および上記低圧室を経て上記燃料戻
し通路へ排出するようになしたことを特徴とする請求項
1記載の内燃機関用噴射弁。 - 【請求項3】 上記制御弁の摺動部の径d1 が、上記第
1の弁部の着座時のシート径d2 および上記第2の弁部
の着座時のシート径d3 とほぼ同径である請求項2記載
の内燃機関用噴射弁。 - 【請求項4】 上記制御弁が摺動する摺動孔の延長線上
に、上記高圧室、上記制御室および上記低圧室を同軸的
に順に配置し、上記制御室内に上記制御弁の先端部を配
置して、該先端部の上記高圧室側に上記第1の弁部を、
上記低圧室側に上記第2の弁部を形成した請求項3記載
の内燃機関用噴射弁。 - 【請求項5】 上記先端部の上記低圧室側端面を筒状に
延出して上記第2の弁部を形成し、これより小径とした
上記低圧室の開口縁部に筒状の上記第2の弁部が当接し
てこれを閉鎖するようにした請求項4記載の内燃機関用
噴射弁。
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1999
- 1999-09-22 JP JP26806199A patent/JP3452850B2/ja not_active Expired - Fee Related
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