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JP2000512852A - 多成分核酸構築物を調製するための方法及びキット - Google Patents

多成分核酸構築物を調製するための方法及びキット

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JP2000512852A
JP2000512852A JP10503272A JP50327298A JP2000512852A JP 2000512852 A JP2000512852 A JP 2000512852A JP 10503272 A JP10503272 A JP 10503272A JP 50327298 A JP50327298 A JP 50327298A JP 2000512852 A JP2000512852 A JP 2000512852A
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ピーター デー. ハーニー
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バイオダイナミックス アソシエイツ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、核酸成分を所定の順序で連結して核酸多成分構築物を生成するための、効率が高く、迅速かつ安価な方法を提供するものである。このような方法及び多成分構築物を図に示す。本発明はさらに核酸成分を提供するが、各核酸成分は、少なくとも一個の一本鎖の5‘又は3’末端配列を有する二本鎖の核酸分子を含み、前記末端配列は、相補配列の特異的アニーリング及び前記成分の連結が所定の順序で起きるよう、別の核酸成分の末端配列か、又は連結核酸分子中の一配列に対して充分な相補性を有するものである。さらに本発明の方法を実施するのに必要な試薬を収容したキットも提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 多成分核酸構築物を調製するための方法及びキット 発明の背景 組換えDNA技術の核心は、2つ以上の別々のDNAセグメントをつなぎ合わ せることで、任意の宿主内で自律的増殖が可能な一個のDNA分子を生成するこ とにある。雑種DNA分子のもっとも簡単な構成法は、目的のDNA塩基配列( DNAインサート)を、あらかじめ作成したクローニングベクタ中にクローン形 成することからなる。このクローニングベクタは、プロモータ配列、複製開始点 となる配列、終了配列、及び選択可能マーカ配列など、適合性のある宿主細胞内 でDNAインサートを複製するのに必要な成分を全て含むものである。DNAイ ンサート配列は、実質的にあらゆる生体から得ることができ、またこれらは、ゲ ノムや、mRNAや、前もってクローン形成されたDNA配列などから直接分離 してもよい。 又は、こうしたDNAインサート配列は合成することもできる。 目的のDNA塩基配列の挿入するには幾つかの方法があるが、最も一般的な方 法は制限酵素を用いるものである。DNAインサート及び目的のベクタ中の両方 に存在する制限酵素認識部位を制限酵素を用いて切断して適した末端を持たせ、 DNAインサートまたはベクタのいずれかの末端をアルカリホスファターゼで処 理することで末端のリン酸を除去して不用な結合を防ぐ。さらに、目的のDNA 塩基配列は結紮反応中にベクタの適合部位に挿入される。あらかじめ作成された ベクタ中に存在する制限酵素部位は、目的のDNA塩基配列中に存在する制限酵 素部位に適合するものでなければならない。 別の方法としては、必要に応じて粘着末端を付着させたり、後で当該の制限酵 素により切断することのできる適切なオリゴヌクレオチドリンカーを結紮する方 法を通じて、対象となるDNAを修飾して適合した制限部位を得ることもできる 。 従来のクローン形成方法は長時間を要し、複数の副次的なクローン形成ステッ プを必要とすることが多い。よって、特定の用途に合った最適な構築物を合成し 、それを同定する簡単で手間のかからない方法を開発する必要性がここに存在す る。 発明の概要 本発明は多成分核酸構築物を調製する方法に関するものである。本発明は核酸 成分を所定の順序で連結して核酸多成分構築物を生成する方法であって、 (a)前記構築物に組み込もうとする核酸成分と、選択に応じて連結核酸分子 とを提供するステップであって、各核酸成分は少なくとも一個の一本鎖の5‘又 は3’末端配列を有する二本鎖の核酸分子を含み、前記末端配列は、相補配列の 特異的アニーリング及び成分の連結が所定の順序で起きるよう、別の核酸成分中 の末端配列か、又は連結核酸分子中の一配列に対して充分な相補性を有するもの である、ステップと、 (b)核酸成分の特異的アニーリング及び連結が起き、それにより核酸多成 分構築物が生成されるような条件下で核酸成分をインキュベートするステップと を含む方法を提供する。 本方法のある好適な実施例では、核酸成分は一本鎖の末端配列をフランキング 配列に持つが、これらの末端配列は非回帰性であることが好ましい。核酸成分は 5‘端又は3’端の相補性末端配列のアニーリングを通じて直接連結するか、又 は連結用の核酸分子(例えばオリゴヌクレオチド又はアダプタ分子)を介して間 接的に連結することができる。 核酸成分を同時又は順番に連結して核酸構築物を形成することができる。順に 行う組立ては自動化に適切である。本方法を用いることで、組立てたときに機能 的である核酸構築物か、又は機能的構築物の組立ての副成分として用いられる構 築物を生成することができる。 本発明の方法を用いれば、各構築物中の一つ又はそれ以上の成分を、同じ機能 性又は特徴的実用性を有する別の核酸成分に置き換えることのできる一群の核酸 構築物を合成することができる。これにより、別々の成分の比較や、ある特定の 用途に最適な構築物の生成が可能となる。この目的のため、核酸成分の設計及び 合成は、同じカテゴリ(即ち同じ機能性又は特徴的実用性、例えば異なるプロモ ータをコードしている一組の核酸成分)に属する一群の核酸成分は同じ末端配列 を持ち、従って同じカテゴリの核酸成分をある核酸多成分構築物を組立てるのに 互換可能に用いられるよう、行われる。 核酸成分は、核酸多成分構築物の組立て前又は組立て後に、共有結合的又は非 共有結合的に修飾されてもよい。このことにより、現在の組換え法を用いては容 易に得ることのできない生物学的特性を持った構築物の合成が可能である。 本発明の方法は核酸ベクタの構築に特に適している。これらにはプラスミドベ クタ、ウィルスベクタ、又はファージベクタ、あるいは酵母人工染色体が含まれ る。ベクタはクローニングベクタ又は発現ベクタでよく、cDNA又はゲノムラ イブラリ、遺伝子又は遺伝子断片、突然変異した遺伝子、組換え融合遺伝子、及 び人工遺伝子の発現のために用いることができる。構築物は原核性、真核性(ほ 乳類又は非ほ乳類)の発現、非反復性のcDNAライブラリ、たんぱく質、抗体 及びぺぷちどファージ表示ライブラリの構築に利用することができる。構築物は さらに遺伝子導入、遺伝子治療、及びトランスジェニック生物の創出にも利用が 可能である。 本方法に基づき、ベクタは単一の機能性又は複数の機能性をコードしている 核酸成分から組立てられる。最小限の場合、複製開始点、選択可能マーカ、及び 目的のインサートをコードした核酸成分が用いられる。所望のベクタの種類に応 じて、その他のベクタ機能をコードしている核酸成分を組み込んでもよい(例え ばプロモータ、転写又は翻訳調節要素、等々)。目的の構造遺伝子又は遺伝子断 片をコードしている核酸成分と、さらにその遺伝子の発現に必要な調節要素をコ ードしている核酸成分とを用いれば発現ベクタを作成することが可能である。例 えば、poly(A)+mRNAを由来とするcDNA分子の集団をコードしている核酸成 分を用いれば、cDNAライブラリ発現ベクタが生じる。重要なことは、上述し たような核酸成分を最適に互換する手続きを用いることで、ある特定の用途に最 適なベクタが作成できるという点である。 本発明の方法を実施するのに必要な試薬はキットの形で提供されてもよい。キ ットには、別々の容器中に、構築物に組み込もうとする核酸成分、選択に応じて 連結用の核酸分子、及び緩衝液、酵素、及びこのキットの使用方法を説明した注 意書きのパンフレットが含まれよう。好適な実施例としては、このキットは、結 紮に向けて適宜リン酸化された形の核酸成分を提供するものであろう。 本発明はさらにベクタ作成用のキットを提供するものでもある。ベクタ作成用 のキットは、複製開始点、選択可能マーカ及び目的のインサートをコードした核 酸成分を最小限含むものであろう。キットにはさらにその他のベクタ機能(例え ばプロモータ、転写又は翻訳調節要素、等々)をコードしている核酸成分を含め てもよいであろう。 本発明の方法は、使用者が何らかの構築物を組立てる際に幅広い様々な核酸成 分又は修飾核酸成分から選択することが可能であるという点で、現在の組換えク ローニング法に代わる、効率が高く、迅速かつ安価な方法である。本発明の方法 は、制限酵素を使う必要なく、希望通りの構築物を迅速に構築を可能とするもの である。 本発明のその他の特徴及び利点は以下の詳細な説明及び請求の範囲から明白と なろう。 図面の簡単な説明 図1は、本発明の方法を用いた環状プラスミドの組立ての概略図である。プラ スミドベクタは、機能的プラスミド構築物を生成するのに必要な全ての必要とな る遺伝子的要素を含むと共に相補的末端配列を持つ一組の核酸成分を結合して組 み立てられる。互換性のある異なった核酸成分と、それぞれのカテゴリを示すリ ストを一部提示するが、これは本発明の方法の柔軟性及び有用性を表すものであ る。 図2は、特定の末端配列を介して核酸成分を結合して、本発明の方法に基づく 核酸構築物を作成する代表的な方法を示す。図2(A)は、非回帰性の相補性末端 配列のアニーリングを示し、図2(B)は、5’端の適合性末端配列のアニーリン グを示し、図2(C)は、3’端の適合性末端配列のアニーリングを示し、図2( D)は、オリゴヌクレオチドの架橋(太線)を介した非適合性の末端配列の連結 を示し、図2(E)は、アダプタ(太線)を介した非適合性の末端配列の連結を示 す。 詳細な説明 本発明がより容易に理解されるよう、幾つかの術語をまず定義しておく。 ここで用いられる「核酸成分」という術語は、本発明で用いられる組立ての基 本単位を指す。核酸成分は、この核酸成分を特定の核酸多成分構築物に組み立て るのに必要な特定の末端配列を末端に含む二本鎖の核酸分子からなる。各核酸成 分内に含まれる核酸配列は、使用者が重要だと見なした特定の生物学的機能又は 特定の有用性に必要な情報を提供するものである。核酸成分の例としては、遺伝 子、複製開始点、または選択マーカをコードしている核酸配列がある。 「核酸」という術語は、デオキシリボ核酸(DNA)のようなポリヌクレオチ ドおよび、場合によってはリボ核酸(RNA)を指す。この術語はさらに等価物 としてRNA又はDNAの類似体を含むものとして理解されねばならない。 ここで用いられる「末端配列」という術語は、核酸成分の末端にある一本鎖の ヌクレオチド配列を示すのに用いられている。別の核酸成分または連結分子に対 して相補性の末端配列を有する核酸成分があれば、それらが構築物に組み立てら れた際の核酸成分の正確な構造及び方向を特定することが可能である。 「相補的」および「適合(性)」という術語は、ここでは、一対の一本鎖の末 端配列が塩基対合(例えばA-TまたはG-C)を介して互いにアニールできる能 力を示す際に互換可能に用いられる。これらの末端配列は、効率的なアニーリン グが起こるような十分な長さ及び配列相補性のあるヌクレオチド配列を含んでい る必要がある。 ここで用いられる「回帰性配列」という術語は、逆くり返し配列からなるDN A配列を示す。 ここで用いられる「連結」という術語は、酵素が触媒する、2つ以上の核酸成 分間の物理的連結を示す。 ここで用いられる「ゲノムライブラリ」という術語は、ある生体のゲノム全体 を表す一組のクローン形成された断片を示す。 ここで用いられる「カテゴリ」という術語は、類似の生物学的活性を生じる又 は調節する能力を含め、使用者が定義した数多くの基準に基づいて順に並べるこ とのできる遺伝子、遺伝子断片、制限部位、又は遺伝子要素の分類を言う。例え ば、ヌクレオチド配列の様々に異なる複製開始点もまた、ある一つのカテゴリに 分類してもよい。 ここで用いられる「ハプテン」という術語は、たんぱく質に結合したときに抗 原として働く小型の分子を示す。 ここで用いられる「遺伝子要素」という術語は、生物活性又は反応の変調又は 発生に関与する調節領域をコードした、あるいは分子メカニズム又は生物活性に 関与する特定のシグナルを提供するものも含めた、ヌクレオチドの配列を言う。 例えば、原核生物の遺伝子は、プロモータ、たんぱく質コード化領域、シャイン −ダルガルノ配列、及び翻訳及び転写終了暗号を含めた複数の遺伝子要素からな るであろう。 ここで用いられる「機能性」という術語は、構築物、遺伝子、遺伝子断片、又 は遺伝子要素の正常な、かつ特徴的実用性を示す。 ここで用いられる「ハンドル」という術語は、オリゴヌクレオチド又は核酸成 分中のヌクレオチド残基に対する化学的又は生化学的修飾を言うために用いられ ている。ハンドルにより、生物学的又は化学的分子が核酸成分に対して共有又は 非共有結合するときの部位が提供される。 ここで用いられるときの「オリゴヌクレオチド」という術語は、二つ又はそ れ以上のヌクレオチドから構成された一本鎖の核酸配列を言う。オリゴヌクレオ チドは天然源を由来とするものでもよいが、多くの場合は公知の方法により化学 合成された後に精製されるものである。これはいかなる長さのものでもよく、ま た結紮反応のプライマやプローブ、又は一成分として用いてもよい。 ここで用いられる「オリゴヌクレオチドの架橋」という術語は、二つの別々 の核酸成分中の非相補性の5‘末端配列及び3’末端配列を架橋する結紮反応に 用いられるオリゴヌクレオチドである。 本発明は多成分核酸構築物を作成するための効率がよく高速、かつ経済的な 方法に関するものである。本方法は、 (a)構築物に組み込もうとする核酸成分と、選択に応じて連結核酸分子と を提供するステップであって、各核酸成分は少なくとも一個の一本鎖の5‘又は 3’末端配列を有する二本鎖の核酸分子を含み、前記末端配列は、所定の順序で 相補配列の特異的アニーリング及び成分の連結がおきるよう、別の核酸成分中の 末端配列か、又は連結核酸分子中の一配列に対して充分な相補性を有するもので ある、ステップと、 (b)核酸成分の特異的アニーリング及び連結が起き、それにより核酸多成 分構築物が生成されるような条件下で核酸成分をインキュベートするステップと を含む。 本発明のある好適な実施例では、核酸成分は結紮に適したリン酸化形で用いら れる。典型的には、核酸成分の末端配列が効率的にアニールされるよう、変性を 促進するのに適した温度で核酸をインキュベートし、適した温度まで冷却し、リ ガーゼ酵素で処理して核酸成分を結紮することで核酸構築物を生成させる。形成 された核酸構築物は増殖及び後の精製に向けてバクテリアの宿主内に形質転換さ せることができる。 本発明の方法には、核酸構築物を組み立てるために特に設計された核酸成分の 使用が含まれる。この核酸成分は、構築物中での隣接成分として意図された核酸 成分の末端配列に対し相補となるよう設計された、一つ又はそれ以上、好ましく は二つの末端配列を有する二本鎖の核酸分子である。例えば、1−5の順番(表 1を参照されたい)で五つの成分を含んだ構築物においては、核酸成分1の末端 配列Eは核酸成分2の末端配列E‘とのみ適合可能であるであろうし、核酸成分 2の末端配列Dは核酸成分3の末端配列D’と、核酸成分3の末端配列Cは核酸 成分4の末端配列C‘と適合可能である、等々となるであろう。本方法のある好 適な実施例では、核酸成分は一本鎖の末端配列をフランキング配列としており、 これらの末端配列は非回帰性である。核酸成分は5’又は3‘相補末端配列のア ニーリングにより直接連結されても、あるいは、連結核酸分子を介して間接的に 連結されてもよく、このときの連結核酸分子とは、例えばa)二つの別々の核酸 成分中の5’及び3‘末端配列に対して相補性の配列を有するオリゴヌクレオチ ドの架橋、又はb)別々の核酸成分中の5’又は3‘末端配列に対して相補性で ある末端配列を有するアダプタ分子とすることができる。あるいは選択に応じ、 適した変性条件及びアニーリング条件下で集合して少なくとも一個の一本鎖の5 ’又は3‘末端配列を有する二本さの核酸分子を形成するような一本鎖の核酸分 子の形で核酸成分を提供してもよい。 本方法の一実施例では、核酸成分を同時に連結して核酸構築物を形成するこ とができる。同時の組み立てには、目的の構築物の組み立てに必要な核酸成分を 同じ反応混合液中でインキュベートするステップが含まれる。本方法のもう一つ の実施例では、核酸成分を順次連結させていくことで核酸構築物を形成させるこ とができる。順次の組み立ては一連の異なる反応混合液中で行われる。このユニ ークな特徴は構築物組立ての自動化に資するものである。本発明の方法は好まし くは、多成分核酸構築物を形成する際に、組み立ての開始点として一連の核酸成 分を規定された順序で固体の担体に付着させる方法を用いるとよい。本方法を用 いることで、組立てられた時点で機能的な構築物か、又は機能的構築物の組み立 ての際に副次的成分(例えばその遺伝子又は遺伝子断片の発現に必要な調節要素 に結合した遺伝子又は遺伝子断片)として用いられる構築物を作成することがで きる。 さらに別の実施例では、本発明の方法を用いることで一群の核酸構築物を合成 することができ、この各構築物中の成分のうちの一つ又はそれ以上は、同じ機能 性又は特徴的実用性を有する別の成分に置換することができるものとなる。この ようにして、この異なる成分の機能を評価し、ある特定の用途にとって最適な構 築物を明らかにすることができる。例えば、表1に示すように、五つの異なるカ テゴリの核酸成分(例えば複製開始点、耐性遺伝子、プロモータ、等々)から構 成されたクローニングベクタを、使用者が各カテゴリのうちの五つの異なる核酸 成分の中から選択できるように設計してもよいであろう。これら25の成分から 得られる順列の数、すなわちベクタの組み合わせで可能な数は3.125である 。従って、幅広く、かなり具体的な使用者の要求に応えるものと考えられる膨大 な種類の核酸構築物を、ごく少数の核酸成分を用いることで合成することができ ることが容易に分かる。 表1.構築物の順列 カテゴリ中の成分の数 また別の実施例では、核酸多成分構築物の組み立ての前又はその後に、核酸成 分を共有結合又は非共有結合により修飾してもよい。例えば、たんぱく質又は炭 水化物を含め、小型の生物分子又は高分子の生物分子の付着のための部位を加え て、使用者が生物学的特性の変更された構築物を合成できるようにしてもよい。 本発明の方法は核酸ベクタの構築に特に適している。これらにはプラスミドベ クタ、ウィルスベクタ又はファージベクタ、あるいは酵母人工染色体が含まれる 。ベクタはクローニングベクタ又は発現ベクタでもよく、また、cDNA又はゲ ノムのライブラリ、遺伝子又は遺伝子断片、突然変異した遺伝子、組換え融合遺 伝子、及び人工遺伝子の発現に用いることができる。構築物は原核性、真核性( ほ乳類又は非ほ乳類)の発現、非反復性のcDNAライブラリ、たんぱく質、抗 体及びペプチドファージ表示ライブラリの構築に利用することができる。構築物 はさらに、遺伝子導入、遺伝子治療、及びトランスジェニック生物の創出にも用 いることができる。 本発明によれば、ベクタは単一の機能性又は複数の機能性をコードしている核 酸成分から組み立てられる。最小限の場合、複製開始点、選択可能マーカ及び目 的のインサートをコードしている核酸成分が用いられる。所望のベクタの種類に 応じては、その他のベクタ機能をコードしている核酸成分も組み込んでもよい( 例えばプロモータ、転写又は翻訳調節要素、等々)。目的の構造遺伝子又は遺伝 子断片をコードしている核酸成分と、さらにその遺伝子の発現に必要な調節要素 をコードしている核酸成分とを用いれば発現ベクタを作成することが可能である 。例えば、poly(A)+mRNAを由来とするcDNA分子の集団をコードしてい る核酸成分を用いれば、cDNAライブラリ発現ベクタが作成される。重要なこ とは、上述したような核酸成分を最適に互換する手続きを用いることで、ある特 定の用途に最適なベクタが作成できるという点である。本発明の実施に用いられた一般的方法 本発明の実施には、特にそうでないと明示した場合を除き、当業において通常 の技術である従来の組換えDNA技術、分子生物学、細胞生物学、細胞培養、ト ランスジェニック生物学、微生物学、及び免疫学を利用することとなろう。この ような技術は文献に説かれている。例えば、Sambrook,Fritsch及びManiatisら によるMolecular Cloning A Laboratory Manual,2ndEd.,(Cold Spring Harbor L aboratory Press:1989)を参照されたい。 核酸の精製 核酸の分離手続きは基本的にはManiatisらが述べた通りに行われる。共通の核 酸分離手続きには、界面活性剤による細胞の溶解、プロテアーゼ処理、及びCsCl 勾配精製がある。後者のステップは選択に応じて、市販のカラム形状の結合マト リックス(例えばキアゲン・キット)を用いて行ってもよい。 オリゴヌクレオチドの合成 DNA及びRNAのもととなるヌクレオシドのホスホールアミジト版からのオ リゴヌクレオチドの合成は、市販の固相オリゴヌクレオチド合成機(Needham-Va nDevanter,D.R.,etal.,NuclelcAcldsRes.,12:6159.6168,1984)で行うか、 又はBeaucageらの説いた固相ホスホールアミジトトリエステル法(Beaucage et a l.,Tetrahedron Letts.22,No.20:1859-1862,1981)を用いて化学的に合成し てもよい。 オリゴヌクレオチドは使用前に精製する。オリゴヌクレオチドの精製は逆相 又は陰イオン交換HPLCを用いて行うことができるが、変性により行っても、 あるいは未変性のポリアクリルアミドゲルの電気泳動法によって行ってもよい。 精製後、オリゴヌクレオチドはT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いてリン酸化 することができる。ここで用いられる場合の「T4ポリヌクレオチドキナーゼ」 という術語はATPの末端にある(γ)リン酸の核酸分子の、5‘OH−末端へ の移動を触媒する酵素を言う。 制限酵素分解 制限酵素の利用に関する手続き、それらのヌクレオチド特異性、及び適した反 応条件は当業者には公知であり容易に入手可能である。酵素及びDNAの量、緩 衝液濃度及びイオン濃度、及び反応の温度及び長さはManiatisらが説いたように その特定の用途に依存することとなろう。 結紮 一本鎖の末端配列の結紮はリガーゼにより触媒される。ここで用いられる場合 の「リガーゼ」という術語はある一つの核酸分子の3‘ヒドロキシル末端を第二 の核酸分子の5’リン酸末端に接合して単一の分子を形成させることのできる酵 素を言う。最も好ましくは、T4DNAリガーゼを用いるとよい。 結紮は末端配列のアニーリングと酵素活性との間のバランスを維持するため に12℃から16℃の間で行われる。リガーゼが必要とするATP補助因子を含 んだ適した緩衝液が用いられる。結紮などの酵素反応が行われる場合は、このよ うな反応に必要な要素を過分に提供しておき、所望の結紮を達成できるはずの能 力がこの要素の濃度の制限を受けないようにすることが好ましい。 PCR増幅 PCRの利用は当業において公知であり、米国特許第4,683,202号で 説かれているが、同特許の内容を参考文献としてここに編入することを明示して おく。この技術はいくつかの公の文献で説かれており、これらが当業者には充分 な指針となるが、その中にはManiatisらによる文献及び"PCR Protocols,A Gulde to Methods and Applications"(Innis et al.Eds.),Academic Press,San Diego ,CA,1990がある。核酸成分の末端配列の合成 本発明の方法にとって重要な要素は、複数の核酸成分の効率的な組み立てに必 要な末端配列である。末端配列の好適な種類は非回帰性のものであるが、回帰性 の末端配列又は回帰性及び非回帰性の末端配列が混合したものも利用可能かも知 れない。非回帰性の末端配列を利用することの利点は、自己結紮の可能性がない ことと、また一般的に言って、末端配列のうちの一個の対のみを相補性とし、お 互いにのみアニールするようにこの末端配列を設計してもよいことである。末端 配列の大きさは様々なものとしてよいが、一般的には、末端配列が大きくなれば なるほど、その多の末端配列を数多く含んだ混合液中におけるアニーリング特異 的及び相補性末端配列の信頼性が高くなる。しかしながら、いくつかの好適な実 施例では、末端配列は約6から約20個のヌクレオチド長、約6から約15個の ヌクレオチド長、又は約6から10個のヌクレオチド長である。 末端配列は5‘側又は3’側又は両方でもよい(図2を参照されたい)。主要 な制約は、5‘側の末端配列は一般的には、相補的な5’側の末端配列か、又は 相補的な5‘末端配列を提供するオリゴヌクレオチド(又はオリゴヌクレオチド のセリン)にアニールしなければならないことである。同様に、3’側の末端配 列は、一般的には、相補性の3‘側の末端配列か、又は相補性の3’側の末端配 列を提供するオリゴヌクレオチド(又はオリゴヌクレオチドのセリン)にアニー ルしなければならない。 末端配列は数多くの様々な方法を用いて合成することができ、その方法には、 以下の方法が含まれるがこれらに限られるものではない。即ち、 (1)アダプタを、制限酵素で分解後の核酸成分に結紮してもよい。これらのア ダプタ分子は、制限酵素で分解した核酸分子に対して一端で相補性になり、他端 には好ましくは非回帰性である一本鎖の末端配列を含むよう設計された合成オリ ゴヌクレオチドから構成されるものである。 (2)一個又はそれ以上の合成ウラシル残基を含むオリゴヌクレオチドのプライ マを用いて一断片をPCR増幅し、ウラシルDNAグリコシラーゼ処理し、3‘ 側の末端配列にするといった、ここにその内容を参考文献として編入することと して明示しておく米国特許第5,137,814号に記載された方法を採っても よい。当業における術語である「ウラシルDNAグリコシラーゼ」(UDG)と は、単量体のヌクレオチドdUTPがDNA分子に組み込まれる場合にのみ起き る、塩基のウラシルと糖のデオキシリボースとの間にあるグリコシド結合を切断 させる活性を言い、その結果デオキシウリジン成分の組み込みが起きる(Duncan, B.in The Enzymes 14:565(1981,ed.:Boyer P.)。この活性を持つ酵素は遊離した dUTP、遊離したデオキシウリジン、又はRNAには作用しない(上述のDunc anによる文献)。このUDGの作用の結果、「アベーシック(原語:abasic)」 な部位が生じる。しかしながらこの酵素は核酸成分のホスホジエステルの主鎖は 切断し ない。最も好ましくは、アベーシックな部位のホスホジエステルの主鎖がこのよ うな基質に特異的なエンドヌクレアーゼの利用を通じて切断できるとよい。この 目的のために好適な酵素はE.coliの酵素であるエンドヌクレアーゼIVである。 最も好ましくは、エンドヌクレアーゼIVをUDGと併用して核酸成分からdU残 基を取り除くとよい。 (3)5‘側の末端配列は、その内容をここに参考文献として編入することを明 示しておく米国特許第5,426,039号に説かれた方法である、アルカンジ オール誘導体を含んだPCRオリゴヌクレオチドプライマを用いてPCR生成物 中に生じさせてもよい。修飾されたこれら同じ種類のプライマは、PCR増幅法 以外の増幅を用いる場合に用いてもよく、その結果これらのプライマにより決定 される、同じ種類の非反復性の末端配列が生じることとなる。 ある一つの実施例では、結果的に得られる末端配列を含んだ核酸成分を、アガ ロース又はアクリルアミドによるゲル電気泳動を行った後にこの核酸成分をアガ ロース又はアクリルアミドのマトリックスから溶出させる方法により分離するこ とができる。最も普通に行われる溶出の二つの方法は、両者ともManiatisらによ り説かれた適した緩衝液中でのソーキングか、又は電気的溶出法である。両者の 方法とも効果的ではあるが、安価かつ容易であり、また監視の必要もないことか らソーキングが多くの場合に選択される方法である。ゲルマトリックスから核酸 を精製するキットもまた用いてもよい(例えばアメリカン・バイオアナリティカ ル社製の「コンパス・キット」)。別の実施例では、結果的に得られた、末端配 列を含んだ核酸成分を、逆相又は陰イオン交換HPLCを用いて精製することも 可能である。核酸成分の組立て 本発明の方法では、多様な核酸成分は、各成分が特異的かつ非反復製の末端配 列を両側に持つよう、設計される。各末端配列は、別の核酸成分に存在する非反 復製の相補末端配列の塩基対にアニールするよう設計される。一連の特異的アニ ーリング反応は相補性の末端配列同士の間で起きる。この結果、すべての成分に ついて所定の相対的順序及び方向を有する、より大型の核酸多成分構築物が組立 てられることとなる。 本発明の方法によれば、様々な核酸成分は、限定されるものではないが以下の ようなアニーリングを通じて連結が可能である。即ち、 (1)二つの別々の核酸成分の5‘端の相補性の末端配列のアニーリング(図2 B)。 (2)二つの別々の核酸成分の3‘端の相補性の末端配列のアニーリング(図2 C)。 (3)二つの別々の核酸成分の相補性の5‘端及び3’端の末端配列とのオリゴ ヌクレオチドの架橋のアニーリング(図2D)。 (4)二つの別々の核酸成分の相補性の5‘端及び3’端の末端配列とのアダプ タ分子のアニーリング(図2E)。 核酸多成分構築物の組立ての信頼性は、限定される訳ではないが以下のもの、 即ち、1)異なる核酸成分の数、2)末端配列の大きさ、3)アニーリングの起 き方、4)アニーリングの条件、5)末端配列中のヌクレオチドの配列、を含む 数多くの因子に依存する。 本発明のある好適な実施例では、核酸構築物の作成のために三個又はそれ以 上の核酸成分が用いられる。好ましくは、三、四、五、又は六個の核酸成分を用 いるとよいが、より好ましくは三個から八個の核酸成分を用いるとよい。本発明 の方法を利用すれば、多様な核酸成分を同時、又は段階的にインキュベートする ことで、組立てられた時点で機能的な核酸多成分構築物か、又は機能的な構築物 を組み立てるための副次的成分として用いることの可能な核酸多成分構築物を形 成することができる。三個又はそれ以上の核酸成分を連結して核酸多成分構築物 を形成してもよい。機能的構築物をこのような核酸多成分構築物から組み立て、 このとき各多成分構築物が、基本的には、機能的構築物の組立てに当たって単一 の核酸成分として作用するようにしてもよい。核酸多成分構築物は、組立てを必 要とする異なる核酸成分が多数ある場台、異なる核酸成分の一グループ中に反復 性の末端配列がある場合、又は最終的に組立てられた機能的構築物の大きさが大 変大きい場合に利用することが好ましいであろう。さらに核酸多成分構築物は、 反復クローニング実験や、反復的あるいは簡略化した反応の組立ての設計にも用 いてもよい。 典型的には、核酸成分には、別の核酸成分に結紮するのに適した適宜リン酸 化した末端配列が含まれよう。核酸成分は、相補性の末端配列が効率的にアニー リングできるような適した条件下でインキュベートされる。適したアニーリング 条件はManiatisらによる文献に述べられている。本発明の特に好適な実施例では 、核酸成分を等モル濃度でインキュベートし、65℃まで加熱した後、ゆっくり と25℃まで冷却する。60から75℃までの温度を末端配列の大きさに応じて 採用してよい。 本発明のいくつかの好適な実施例では、核酸成分をリガーゼ酵素で処理するこ とで核酸成分を結紮し、核酸構築物を作成する。好ましくはT4DNAリガーゼ を用いるとよいが、E.coliリガーゼもいくつかの用途に用いてよい。本発明の方 法のもう一つの実施例では、異なる核酸成分の結紮は必ずしも組立済みの核酸構 築物を適した生物系又は実験系に導入する前でなくともよい。合成又は共有結合により修飾された核酸成分の調製 本発明の方法のユニークな特徴は、核酸成分を合成により作成してもよいため にいかなる核酸成分を変更又は修飾して一つ又はそれ以上の修飾点を含むように してもよいことである(即ちハンドル)。ハンドルは、小型の生物学的分子又は 、たんぱく質又は炭水化物を含む高分子の生物学的分子の付着部位として機能し てもよい。これらはまた、化学的に合成された非生物学的分子の付着部位として 働くものでもよい。従って本発明により、使用者は、生物学的特性の変更された 構築物を合成することができることとなる。 核酸成分に対して行うことができるであろう修飾には以下のものが含まれる が、これらに限定されるものではない。即ち、核酸残基の修飾、ビオチニル化、 蛍光性の標識付け、ポリペプチド核酸(PNA)の組み込み、酵素を含めた、核 酸の修飾に関与するたんぱく質の共有結合又は非共有結合、ハプテンを含め、特 定の目的分子の認識及び結合を可能とするたんぱく質又はその他の成分あるいは イオンの共有結合又は非共有的結合、である。 核酸残基の修飾は様々な公知の枝術により行うことができる。オリゴヌクレオ チド定向突然変異を行わせるための最も簡単な方法は酵素によるプライマの伸長 である(PCR)。この方法では、10から15の野生型の配列のヌクレオチド をフランキング配列に持つ目的の突然変異を乗せたオリゴヌクレオチドのプライ マが設計される。次にこの「突然変異型」オリゴヌクレオチドを、一つ又はそれ 以上の合成ウラシル残基又はアルカンジオール誘導体を含んだオリゴヌクレオチ ドプライマに沿ったPCR反応で用いることで、目的の核酸成分を作成すること ができる。この方法で起こすことのできる突然変異の種類は単一のヌクレオチド の置換から、削除又は挿入まで幅広く、制限を受けるのは必要なオリゴヌクレオ チド・プライマの大きさだけである。 ビオチニル化ヌクレオチドの合成は当業において公知であり、Langerらにより 初めて説かれた(PNAS 78:6633-37,1981)。水溶性のビタミンであるビオ チンは、アリルアミンの結合用の腕を介してピリミジン環のC5位置に共有結合 される。DNAのビオチニル化は、ビオチニル化ヌクレオチド(ビオチン−11 及びビオチン−16−dUTP、ビオチン−14−dATP)を組み入れるよう 成功裡に適合されたニック翻訳か、又はビオチニル化オクタマーを用いたランダ ム・プライミングのいずれかにより達成することができる。ビオチニル化核酸分 子は、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシ−スクシイミド)から、当業において 公知の技術(例えばイリノイ州ロックフォードのピアース・ケミカルズ社製のビ オチニレーション・キット)を用いて調製可能である。 核酸分子の蛍光標識付けは当業において公知の技術を用いて行うことができる (例えばファーマシア社製のフルオレ−dUTPラベリング・ミックスを用いる などして)。適した蛍光材料の例には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フ ルオレセインイソシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオ レセイン、ダンシルクロリド又はフィコエリトリンが含まれる。 本発明のある実施例では、ポリペプチド核酸又は第一級アミン、スルフヒド リル、ジスルフィドのような官能基、及び、ハプテン、たんぱく質、酵素又は抗 体の結合によく用いられるその他の基を含んだ合成オリゴヌクレオチドが用いら れる。ベクタ構築物の組立て 本発明のもう一つの態様は、ベクタ、好ましくは発現ベクタを、一連の互換可 能な核酸成分を用いて組立てることに関するものである。ここで用いられる術語 の「ベクタ」とは、連結した相手である別の核酸に移動することのできる核酸分 子を言う。いくつかのベクタは、それらが導入された宿主細胞内で自律的複製が 可能である(例えばバクテリアの複製開始点を持つバクテリアベクタや、エピソ ームのほ乳類ベクタ)。その他のベクタ(例えばエピソーム以外のほ乳類ベクタ )は宿主細胞に導入されるとすぐに宿主細胞のゲノムに組み込まれ、宿主のゲノ ムに沿って複製される。 本発明の方法により作成されるベクタの種類の一つは、最小のベクタ(普通、 プラスミドベクタと呼ばれる)である、基本的には環状の二本鎖のDNAループ であり、このループ内にさらにDNA断片を結紮できるものである。本発明の方 法で作成できるもう一つの種類のベクタは、操作により連結された遺伝子に対し 、その発現を指示することのできるベクタである。このようなベクタはここでは 「発現ベクタ」と呼ばれている。本発明は、あらゆるDNA及びRNAファージ (例えばコスミド)を含むバクテリオファージを由来とするベクタや、(a)バ キュロウィルス及びレトロウィルスなどの全ての真核性ウィルス、(b)アデノ ウィルス及びアデノ関連ウィルス、ヘルペスウィルス、ワクシニアウィルス及び 全ての一本鎖、二本鎖、及び部分二本鎖のDNAウィルス、(c)すべてのポジ 鎖及びネガ鎖のRNAウィルス、及び(d)複製欠陥レトロウィルス、を由来と するウィルスベクタなど、様々な形の発現ベクタの生成を含むものとして意図さ れている。 本発明の方法により生成されるベクタのもう一つの種類は、酵母人工染色体( YAC)であるが、これはセントロメア及び二つのテロメアの両方を含むため小 型の線形の染色体として複製が可能なものである。YACには数十万のDNAの 塩基対を乗せることができるため、ゲノムのマッピングの手法には適切である。 あるベクタ構築物の組立てに関係のある各核酸成分はある特定の生物機能性又 は複数の機能性をコードしているものとして意図されている。例えばプラスミド ベクタは一般に、例えば以下:(a)複製開始点、(b)選択可能マーカ要素、 (c)目的のたんぱく質の暗号となるある特定の遺伝子など、遺伝子要素の挿入 に向けた目的のインサート、など、いくつかの遺伝子要素を含む。 本発明の方法により、核酸成分を合成することで、異なる成分間で相補性の末 端配列をアニールした結果、規定可能、かつ特定の方向性を持つ構築物が生じる よう、特定の、かつ非反復性の末端配列を持たせることが可能となる。機能的な ベクタを作成するのに必要な遺伝子要素をすべて提供する一組の核酸成分を組み 合わせることでベクタを構築することができる一方、各成分上の非反復性の末端 配列は、その核酸成分のすべてが相対的に組立てられている順序を決定すること となろう。 本発明の方法によれば、個々の核酸成分を、同じ非反復性の末端配列を含んだ その他の成分と置換してもよい(図1を参照されたい)。例えば、プラスミドの 複製開始点(ori)は、その機能がバクテリア中のプラスミド複製を開始させ、 かつ調節することである、ある特定のカテゴリの遺伝子要素であり、宿主域特異 性をもたらし、またはプラスミドのコピー数及びプラスミド和合性を調節するも のである。この一般的な機能性を、ori部分、ori遺伝子又はori遺伝子要素を含 め、oriカテゴリ中の様々な異なる核酸成分により提供してもよい。本発明は、 それぞれが同じ非反復性の末端配列を有する、一連の異なるori核酸成分の合成 及び利用を可能とするものであり、その結果、使用者はプラスミド構築物を設計 及び具体化するときに互換可能なori核酸成分のカタログから迅速かつ容易に選 択することができることとなろう。複製開始点の例には、pMBI、p15A、 2μ、ColE1、psc101、F、R6K、R1、RK2、及びλdv複製 開始点がある。 ここで用いられる「選択可能マーカ」とは、そのマーカと前記マーカをコード している核酸とを言う。本発明の考えるところの選択可能マーカには、アンピシ リン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、カナマイシン、ネオマイシン 、リファンピシン、カルネバイシリン(原語;carnebicillin)、ストレプトマ イシン、等々の抗生物質に対する耐性がある。選択可能マーカにはさらに、ヒグ ロマイシン(原語:hygromycin)及びメトトレキセートなどの薬品、カドミウム などの重金属、ファージ感染に対する耐性や、熱量変化に影響する、β−ガラク トシダーゼなどの酵素に対する感受性も包含される。 ベクタは複数の個別の核酸成分から組立てられてよく、このときの核酸成分に は以下のうちの一つ又はそれ以上が、これらに限定される訳ではないが含まれて いる。即ち、(a)複製開始点(バクテリア、ウィルス、ファージ、酵母、ほ乳 類、真核性のもの)、(b)選択可能マーカ(抗生物質への耐性、薬品への耐性 、突然変異への耐性)、(c)プロモータ(ファージ、バクテリア、酵母、真核 動物、ほ乳類)、(d)調節要素又は遺伝子(リプレッサ、エンハンサ)、(e )構造遺伝子、(f)構造遺伝子の断片、(g)翻訳要素(シャイン−ダルガル ノ要素、コザック(原語:Kozak)配列)、(h)転写終了暗号、(i)mRN Aの安定性の調節暗号(分解シグナル、翻訳調節暗号)、(j)細胞内位置を示 すたんぱく質コード化要素(リーダ配列、KDEL、CAAX配列、核内標的決 め要素)、(k)組換え要素(Lox−CRE、M13ori)、(I)突然変異した 遺伝子、(m)たんばく質ドメインコード化領域、(n)合成多重クローニング 部位、(o)非反復性の制限酵素又はDNA切断部位、(p)生物学的又は化学 的分子の共有結合又は非共有結合による接着部位(「ハンドル」を参照されたい )。 本発明のある好適な実施例では、発現ベクタが生成される。本発明の方法によ り生成される発現ベクタは、発現に用いようとする宿主細胞に基づいて選択され た、一つ又はそれ以上の調節配列をコードしている核酸成分と、発現させようと する核酸配列とを含む。「調節配列」という術語はプロモータ、エンハンサ及び その他の発現制御要素(例えばポリアデニレーション・シグナル)を含むものと して意図されている。このような調節配列は、例えばGoeddelによるGene Expres sion Technology:Methods in Enzymology 185,Academic Press,San Diego,CA(19 90)に記載されている。調節配列には、数多くの種類の宿主細胞においてヌクレ オチド配列の構成性の発現を指示するものや、特定の宿主細胞においてのみヌク レオチド配列の発現を指示するもの(例えば組織特異的調節配列)が含まれる。 当業者であれば、発現ベクタの設計は、形質転換しようとする宿主細胞の選択や 、所望のたんぱく質の発現レベル、等々といった因子に依存させてもよいことは 理解されよう。本発明の方法により生成した発現ベクタを宿主細胞に導入するこ とで、融合たんぱく質又はペプチドを含むたんぱく質又はペプチドを生成させる ことができる。 本発明の方法により生成された発現ベクタは、例えば、原核又は真核細胞中で ある目的の遺伝子が発現するよう、設計することができる。例えば、E.coliなど の バクテリア細胞、昆虫の細胞(バキュロウィルス発現ベクタを用いて)、酵母細 胞又はほ乳類の細胞中における発現を起こさせるために、この発現ベクタを用い ることができる。適した宿主細胞はさらに、GoeddelによるGene Expression Tec hnology:Methods in Enzymology 185,Academic Press,San Diego,CA(1990)に 記載されている。あるいは選択に応じ、本発明の方法で作成した発現ベクタを、 例えばT7プロモータ調節配列及びT7ポリメラーゼを用いることで試験管内で 転写及び翻訳することができる。本発明の方法により作成した発現ベクタはさら に、ヒト以外のトランスジェニック動物を作るのに用いてもよい。さらに、本発 明の方法により作成した核酸ベクタは遺伝子治療用ベクタとして用いることがで きる。遺伝子治療用ベクタは被験者に対し、例えば静脈注射、局所的投与(米国 特許第5,328,470号を参照されたい)や定位注射(例えばChenらによる (1994)PNAS91:3054-3057を参照されたい)により送り込むことができる。本発 明の方法を用いて組立てられたベクタ構築物を、さらに鋳型として用いて標準的 な方法を用いてRNAを合成することができる。作成できるであろうRNA分子 の例には、以下のものが含まれようが、これらに限定されるものではない。即ち 、mRNA、tRNA、rRNA、snRNA、hnRNA、ウィルス又はファ ージRNA、又は修飾RNA遺伝子又は遺伝子要素である。ゲノムのライブラリ及びcDNAのライブラリの組立て A.ゲノムライブラリ 本発明の一態様は、個々の核酸成分からゲノムのライブラリを組立てることに 関するものである。本発明の方法を用い、真核生物(例えばウィルス)又は原核 生物(例えばファージ)のゲノムを独自の方法で組立てることができよう。上述 したように、ある生物のゲノムは、適した制限酵素を用いてエンドヌクレアーゼ 的又はエキソヌクレアーゼ的に切断した後、特定のアダプタ分子を結紮してもよ い。 例えば、ある実施例では、複数の遺伝子調節要素と約30−40の構造遺伝子 とをコードしている約50kbの二本鎖DNA分子であるラムダファージゲノム を、核酸成分の形で提供することができる。この目的のために、このラムダファ ージ遺伝子のそれぞれ、又は遺伝子群を、これらの遺伝子又は遺伝子群が迅速か つ効率的にある特定の順序及び方向で相互に組立てられるよう、非反復性の末端 配列を含むように合成することが可能である。 本発明の方法のさらに別の実施例では、部分的又は全体的な真核性ゲノム又は 原核性ゲノムは両方とも、同時に組立て及び修飾してもよい。本発明の方法によ れば、使用者は、一つ又はそれ以上の遺伝子又は遺伝子断片を変更又は突然変異 させて、変異遺伝子、遺伝子欠失、遺伝子機能の向上、融合遺伝子、遺伝子機能 性の調節変更、制限酵素部位の付加又は削除あるいは生物学的分子又は化学的分 子の共有又は非共有結合のための接着部位の付加(「ハンドル」)など、遺伝子 的変化を創出することができる。 ウィルスのゲノムライブラリは、例えば以下のウィルスについて作成すること ができる。即ち、(a)全DNA及びRNAファージを含めたすべてのバクテリ オファージ、(b)バキュロウィルス及びレトロウィルスなどの全ての真核性ウ ィルス、(c)アデノウィルス及びアデノ関連ウィルス、ヘルペスウィルス、ワ クシニアウィルス及び全ての一本鎖、二本鎖及び部分的二本鎖のDNAウィルス 、(c)すべてのポジ鎖及びネガ鎖のRNAウィルス、及び(d)複製欠陥レト ロウィルス、である。 B.cDNAライブラリの組立て 本発明のもう一つの態様は、個々の核酸成分からcDNAのライブラリを組立 てることである。mRNAを由来とする遺伝子又は遺伝子断片は、結果として得 られたcDNA分子を、これらが非反復性の、かつ一般的には非回帰性の末端配 列を含むよう合成することにより、上述と同様な方法で組立ててもよい。次にこ のようなcDNA分子を真核性又は原核性発現ベクタに組み込んでもよい。こう することで、使用者は、cDNAを由来とする多種の核酸成分から選択して迅速 かつ柔軟にcDNAライブラリを組立てることができるであろう。こうして従来 の分子法を用いてこれらのライブラリを目的のクローンについて選択又はスクリ ーニングすることが可能であろう。 本発明の方法では、Maniatisらが説いた当業において公知の技術に、僅かな改 良を用いたものに基づいて、cDNAはmRNAから作成されよう。本発明の方 法は、上述したようにウラシル又はアルカンジオール誘導体を含んだ修飾オリゴ ヌクレオチドプライマを用いてcDNAの最初の鎖を合成するが、その結果、そ の遺伝子の3‘端に非反復性の末端配列が形成される。次に、上述したように操 作されたアダプタを二本鎖DNa分子の5’端に結紮して、この分子のもう一方 の端部にも非反復性の末端配列を形成してもよい。その結果得られる、多様なc DNA分子をコードしている核酸成分を、適した遺伝子要素をコードしているそ の他の核酸成分に沿って用いれば、cDNAライブラリの発現ベクタが組立てら れるであろう。固相合成 本発明の一実施例では、核酸成分を順番に連結して核酸構築物を形成すること ができる。このユニークな特徴は、構築物組立ての自動化に資するものである。 本発明の方法は、好ましくは、組立ての開始点として一連の核酸成分を所定の順 番で固体の担体へ付着させることを採用して多成分核酸構築物を形成するとよい 。 例えば、当業において公知の方法により最初の核酸成分を固体の担体に付着さ せる。非反復性の末端配列をいずれかの端部に含むよう設計された更なる核酸成 分を、単一の成分又は非機能性の多成分構築物として段階的に加えると、成分の 組立てが前述したように相補性の末端配列の対の特異的アニーリングに基づいて 行われる。より大型の構築物の組立てでは、各核酸成分添加ステップ後にリガー ゼ酵素を用いて核酸酵素を相互に結紮してもよい。未結紮のDNA断片はこの固 体の担体を洗浄することで除去してもよい。合成後、組立てられた多成分構築物 又は機能的構築物は、その次に固体の担体から切り離してもよい。 最初の核酸成分を付着させるのに利用できる固体の担体の例には、セルロース 、変性ポリスチレン又はポリジメチルアクリルアミドなどの合成ポリマー材料や 、調整ポアガラスがある。組立てられた核酸構築物の固体の担体からの切り離し は、例えば水酸化アンモニア処理で行ってもよい。あるいは選択に応じ、固体の 担体に付着させる最初の核酸成分に非反復性の制限部位を含め、適した酵素で処 理したときにこの部位が切り離されて組立てられた核酸構築物が溶液中に解離す るよ うに設計してもよい。キット 本発明の方法を実施するのに必要な試薬はキットの形で提供されてもよい。キ ットには、別々の容器中に、構築物に組み込もうとする核酸成分と、選択に応じ て連結用の核酸分子、さらに緩衝液、酵素、及びこのキットの使用方法を説明し た注意書きのパンフレットが含まれよう。好適な実施例としては、このキットは 、結紮に向けて適宜リン酸化した形の核酸成分を提供するものであろう。 本発明はさらにベクタ作成用のキットを提供するものでもある。ベクタ作成用 のキットは、複製開始点、選択可能マーカ及び目的のインサートをコードした核 酸成分を最小限含むものとなろう。キットにはさらにその他のベクタ機能(例え ばプロモータ、転写又は翻訳調節要素、等々)をコードしている核酸成分を含め てもよいであろう。本発明の構築物を利用する用途 本発明の方法により作成される核酸構築物は原核性、真核性(ほ乳類又は非 ほ乳類)の発現のいずれかから選択される用途に利用できる。例えば、E.coliな どのバクテリア細胞、昆虫の細胞(バキュロウィルスの発現ベクタを用いて)酵 母細胞又はほ乳類の細胞中における発現を起こさせるためにこの発現ベクタを用 いたり、あるいはそれらを、例えばT7プロモータ調節配列及びT7ポリメラー ゼを用いることで試験管内で転写及び翻訳することができる。あるいは選択に応 じ、核酸構築物を、非反復性のcDNAライブラリ、たんぱく質、抗体及びペプ チドファージ表示ライブラリを構築する際に利用することができる。ファージ表 示ライブラリをスクリーニングするためのキットは市販されている(例えばStra tagene SurfZAPTMPhage Display Kitカタログ番号240612号など)。構築 物はさらに、上述したように、遺伝子導入、遺伝子治療、及びトランスジェニッ ク生物の創出に利用することができる。最後に、本発明の方法を用いて組立てら れたベクタ構築物を、さらに鋳型として用いて標準的な方法によりRNAを合成 してもよい。作成できるであろうRNA分子の例には、以下のものが含まれるが 、これら に限定されるものではない。即ち、mRNA、tRNA、rRNA、snRNA 、hnRNA、ウィルス又はファージRNA、又は修飾RNA遺伝子又は遺伝子 要素である。 例 以下の例は説明を目的として提供されるものであり、請求の範囲を限定するも のとして意図されてはいない。当業者であれば、本例のプロトコルは根幹に関わ らない態様で数多くの改良が可能であることは容易に理解されよう。例1 生プラスミドベクタの同時組立て 生プラスミドベクタを作成するための、非反復性、非回帰性の末端配列を有す る複数の核酸成分の同時組立てを実証するために、三つの核酸成分を用いる。一 番目の核酸成分は緑色の蛍光たんぱく質をコードしている0.7Kbの長さの遺 伝子であり、二番目は終了暗号配列とヒスチジンの標識をコードしている0.6 Kbの分子であり、三番目のものはlacプロモータ、アンピシリン耐性遺伝子、 及び複製開始点をコードしている2.5Kbの分子である。 1.核酸成分の合成 本実施例で用いられる核酸成分をPCR増幅法により合成する。PCR反応は 、50mMのKCl、10mMのTris−HCl(pHは8.4)、1.5mMの MgCl2緩衝液及び、0.2mMの各dNTP、1.25単位のtaqDNAポリ メラーゼ、10-5Mの鋳型分子、及び20pmolの各プライマを含んだ様々な量( 一般的には10−100マイクロリットル)で行う。使用するプライマは、米国 特許第5,137,814号で説明されているように、3‘末端配列を生じさせ るために特定の位置にウラシル残基を含むものである。PCR反応は、最初に9 5℃の変性段階が5分間あり、続いて94℃での変性段階が複数サイクル(20 −40サイクル)あり、37−65℃でのアニーリング段階があり、72℃での 伸長段階がある熱循環装置を用いて行われる。結果得られるPCR産物をゲル電 気泳動法で 分析して大きさ及び純度を判定する。 2.末端配列の生成 PCR増幅及び大きさの正しい断片の精製後、PCR産物(約100−200 ng)を10マイクロリットルのUDG反応緩衝液(25mMのTris−HCl( pHは7.8)、10mMのMg2Cl、4mMのベータメルカプトエタノール 、0.4mMのATP)中に溶解させる。このPCR産物を1−2単位のウラシ ルDNAグリコシダーゼ(UDG)で10分間、37℃で処理して一本鎖の3‘ 末端配列を作成する。試料を65℃で10分間加熱して酵素を不活化し反応を終 了させる。 3.核酸成分の組立て及び結紮 ベクタを組立てるために、個々の精製済み核酸成分を等モル量(20マイクロ リットル中、合計約20−200ng)にしてUDG処理緩衝液中で混合し、6 5℃まで加熱した後、徐々に冷却して室温(25℃)にして核酸成分の相補性端 部のアニーリングを効率的に起こさせる。選択に応じ、この反応混合液をT4D NAリガーゼで14℃で一晩処理して核酸成分を結紮しても、あるいはコンピテ ントバクテリア宿主を形質転換させるのに直接用いてもよい。 4.形質転換 10μlアリクオートの組立て済みベクタを100μlのコンピテントE.coli 細胞(DH5α)に加え、メーカの推奨に従って形質転換させ、アンピシリン及 びIPTGを含んだLBプレートに塗る。 5.ベクタ構築物の分析 分離された蛍光コロニを選択し、ミニプレップを用いて純粋なDNAプラスミ ドを調製する。制限酵素による分解及びアガロースゲルによる電気泳動法など、 標準的な分子生物学的方法を用いてベクタ構築物の正確な集合体を判定する。 等価物 当業者であれば、ここに説明された本発明の具体的実施例に対する数多くの等 価物を、ごく通常の実験を行うことで認識され、かつ理解できよう。このような 等価物は以下の請求の範囲が包含するところとして意図されている。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年8月19日(1998.8.19) 【補正内容】 請求の範囲 1. 所定の順序で複数の核酸成分を連結して核酸多成分構築物を生成する方法 であって、 (a) (i)共通の生物学的実用性又は機能性を有する第一核酸成分のカテゴリか ら選択される第一核酸成分と、共通の生物学的実用性又は機能性を有する第二核 酸成分のカテゴリから選択される第二核酸成分と、共通の生物学的実用性又は機 能性を有する第三核酸成分のカテゴリから選択される第三核酸成分とを含む少な くとも三つの核酸成分であって、前記第一、第二、及び第三カテゴリの各々の生 物学的実用性又は機能性はその他のカテゴリとは異なるものである、核酸成分と 、 (ii)選択に応じ、少なくとも一つのオリゴヌクレオチドの架橋と を提供するステップであって、前記第一、第二、及び第三核酸成分の各々が、前 記第一、第二、及び第三核酸成分、並びに選択に応じて前記少なくとも一つのオ リゴヌクレオチドの架橋の特異的アニーリング及び連結が所定の順序で起きるこ とを可能とする、少なくとも一つの非反復性で非回帰性の一本鎖の5‘又は3’ 末端配列を有する二本鎖の核酸分子を含む、ステップと、 (b)前記第一核酸成分の3‘端末端配列が前記第二核酸成分の5’端末端配 列又はオリゴヌクレオチドの架橋に連結され、前記第二核酸成分の3‘端末端配 列が前記第三核酸成分の5’端末端配列又はオリゴヌクレオチドの架橋に連結さ れ、かつ選択に応じて前記第三核酸成分の3‘端末端配列が前記第一核酸成分の 5’端末端配列又はオリゴヌクレオチドの架橋に連結されるよう、適した条件下 で前記第一、第二、及び第三核酸成分、並びに選択に応じて前記少なくとも一つ のオリゴヌクレオチドの架橋をインキュベートするステップと を含み、それにより核酸多成分構築物が生成され、前記多成分構築物が前記第一 、第二、及び第三核酸成分の各々のコピーを一つのみ含んでいる、方法。 2. 少なくとも四つの核酸成分が提供される、請求項1に記載の方法。 3. 少なくとも五つの核酸成分が提供される、請求項1に記載の方法。 4. 少なくとも六つの核酸成分が提供される、請求項1に記載の方法。 5. 少なくとも七つの核酸成分が提供される、請求項1に記載の方法。 6. 少なくとも八つの核酸成分が提供される、請求項1に記載の方法。 7. 前記第一、第二、及び第三核酸成分の各々が5‘及び3’の非回帰性の一 本鎖の末端配列を有する、請求項1に記載の方法。 8. 前記第一、第二、及び第三核酸成分、並びに選択に応じて前記少なくとも 一つのヌクレオチドの架橋が同時にインキュベートされる、請求項1に記載の方 法。 9. 前記第一、第二、及び第三核酸成分、並びに選択に応じて前記少なくとも 一つのヌクレオチドの架橋が段階的にインキュベートされる、請求項1に記載の 方法。 10. 前記非回帰性の一本鎖の5‘及び3’末端配列が10塩基の長さである 、請求項1に記載の方法。 11. 前記非回帰性の一本鎖の5‘及び3’末端配列が20塩基の長さである 、請求項1に記載の方法。 12. 前記第一、第二、及び第三核酸成分のカテゴリが、複製開始点、選択可 能マーカ、調節要素、構造遺伝子、構造遺伝子の断片、転写の終了暗号、翻訳調 節暗号、細胞内位置を表すたんぱく質コード化要素、組換え要素、非反復性の制 限酵素又はDNA切断部位、及び分子の共有又は非共有結合のための部位のいず れかから選択される、請求項1に記載の方法。 13. 前記DNA切断部位が多重クローニング部位の一部である、請求項12 に記載の方法。 14. 前記第一、第二、及び第三核酸成分の各々が共有結合的に修飾される、 請求項1に記載の方法。 15. 前記修飾がビオチニル化である、請求項14に記載の方法。 16. 前記修飾が蛍光標識付けである、請求項14に記載の方法。 17. 前記修飾がポリペプチド核酸(PNA)の組み込みである、請求項14 に記載の方法。 18. 前記修飾が、核酸の修飾に関与するたんぱく質の共有的抱合である、請 求項14に記載の方法。 19. 核酸の修飾に関与する前記たんぱく質が酵素である、請求項18に記載 の方法。 20. 前記修飾が、ある特定の標的分子の認識及び結合を可能とするたんぱく 質か、別の分子か、あるいはイオンの共有的抱合である、請求項14に記載の方 法。 21. 前記特定の標的分子がハプテンである、請求項20に記載の方法。 22. 前記適した条件下でインキュベートするステップが、加熱し、その後適 温まで冷却するステップを含む、請求項1に記載の方法。 23. T4DNAリガーゼで処理するステップをさらに含む、請求項22に記 載の方法。 24. 前記多成分核酸構築物が、ベクタ、cDNAライブラリ、ファージゲノ ム、ウィルスゲノム、遺伝子、及び遺伝子断片のいずれかから選択される、請求 項1に記載の方法。 25. 前記遺伝子が突然変異した遺伝子である、請求項24に記載の方法。 26. 前記遺伝子が組み合わされた融合遺伝子である、請求項24に記載の方 法。 27. 前記遺伝子が人工遺伝子である、請求項24に記載の方法。 28. ベクタを生成する方法であって、 (a) (i)複製開始点、選択可能マーカ、及び目的のインサートを含む、少な くとも三つの核酸成分と、 (ii)選択に応じて少なくとも一つのオリゴヌクレオチドの架橋と を提供するステップであって、前記複製開始点、選択可能マーカ、及び目的のイ ンサートの各々が、前記複製開始点、選択可能マーカ、及び目的のインサート、 並びに選択に応じて前記少なくとも一つのオリゴヌクレオテドの架橋の特異的ア ニーリング及び連結が所定の順序で起きることを可能とする、少なくとも一個の 非反復性で非回帰性の一本鎖の5‘又は3’末端配列を有する二本鎖の核酸分子 を含むものである、ステップと、 (b)前記複製開始点の3‘端末端配列が前記選択可能マーカの5’端末端配 列又はオリゴヌクレオチドの架橋に連結され、前記選択可能マーカの3‘端末端 配列が前記目的のインサートの5’端末端配列又はオリゴヌクレオチドの架橋に 連結され、かつ選択に応じて前記目的のインサートの3‘端末端配列が前記複製 開始点の5’端末端配列又はオリゴヌクレオチドの架橋に連結されるよう、適し た条件下で前記複製開始点、選択可能マーカ、及び目的のインサート、並びに選 択に応じて前記少なくとも一つのオリゴヌクレオチドの架橋をインキュベートす るステップと を含み、それによりベクタが生成され、前記ベクタが前記複製開始点、選択可能 マーカ、及び目的のインサートの各々のコピーを一つのみ含んでいる、方法。 29. コスミドベクタを生成するために、ラムダファージの粘着末端(cos部 位)をコードした第四の核酸成分を提供するステップをさらに含む、請求項28 に記載の方法。 30. ラムダファージベクタを生成するために、ラムダファージゲノムの左腕 をコードした第四の核酸成分と、ラムダファージゲノムの右腕をコードした第五 の核酸成分とを提供するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。 31. レトロウィルスベクタを生成するために、末端繰り返し配列(LTR) を含むレトロウィルスゲノムをコードした第四の核酸成分を提供するステップを さらに含む、請求項28に記載の方法。 32. 酵母人工染色体を生成するために、酵母セントロメアをコードした第四 の核酸成分と、酵母テロメアをコードした第五の核酸成分とを提供するステップ をさらに含む、請求項28に記載の方法。 33. 目的のたんぱく質を発現するベクタを生成するために、目的の構造遺伝 子をコードした第四の核酸成分を提供するステップをさらに含む、請求項28に 記載の方法。 34. cDNAライブラリを発現するベクタを生成するために、poly(A)+ mRNAを由来とするcDNA分子をコードした第四の核酸成分を提供するステ ップをさらに含む、請求項28に記載の方法。 35. ゲノムライブラリを発現するベクタを生成するために、ある生体のゲノ ムを由来とする遺伝子をコードした第四の核酸成分を提供するステップをさらに 含む、請求項28に記載の方法。 36. 核酸多成分構築物の生成のためのキットであって、共通の生物学的実用 性又は機能性を有する第一核酸成分のカテゴリから選択される第一核酸成分と、 共通の生物学的実用性又は機能性を有する第二核酸成分のカテゴリから選択され る第二核酸成分と、共通の生物学的実用性又は機能性を有する第三核酸成分のカ テゴリから選択される第三核酸成分とを含む少なくとも三つの核酸成分を収容し たパッケージを含み、前記第一、第二、及び第三カテゴリの各々の生物学的実用 性又は機能性はその他のカテゴリ、並びに選択に応じて少なくとも一つのオリゴ ヌクレオチドの架橋とは異なるものであり、前記第一、第二、及び第三核酸成分 の各々は少なくとも一個の非反復性かつ非回帰性の一本鎖の5‘又は3’末端配 列を有する二本鎖の核酸分子を含み、前記末端配列は、前記第一、第二、及び第 三核酸成分、並びに選択に応じて前記少なくとも一つのオリゴヌクレオチドの架 橋の特異的アニーリング及び連結が所定の順序で起きることを可能とするもので ある、キット。 37. 前記第一、第二、及び第三核酸成分の各々が結紮のために適宜リン酸化 されている、請求項36に記載のキット。 38. ベクタの生成のためのキットであって、複製開始点、選択可能マーカ、 及び目的のインサートを含む少なくとも三つの核酸成分と、選択に応じて少なく とも一つのオリゴヌクレオチドの架橋とを収容したパッケージを含み、前記複製 開始点、選択可能マーカ、及び目的のインサートの各々は少なくとも一個の非反 復性かつ非回帰性の一本鎖の5‘又は3’末端配列を有する二本鎖の核酸分子を 含み、前記末端配列は、前記複製開始点、選択可能マーカ、及び目的のインサー ト、並びに選択に応じて前記少なくとも一つのオリゴヌクレオチドの架橋の特異 的アニーリング及び連結が所定の順序で起きることを可能とするものである、キ ット。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 所定の順序で核酸成分を連結して核酸多成分構築物を生成する方法であっ て、 (a)前記構築物に組み込もうとする核酸成分と、選択に応じて連結核酸分 子とを提供するステップであって、各成分は少なくとも一個の一本鎖の5‘又は 3’末端配列を有する二本鎖の核酸分子を含み、前記末端配列は、前記成分の特 異的アニーリング及び連結が所定の順序で起きるよう、別の核酸成分中の末端配 列か、又は連結核酸分子中の一配列に対して充分な相補性を有するものである、 ステップと、 (b)前記成分の特異的アニーリング及び連結が起き、それにより核酸多成 分構築物が生成されるような条件下で核酸成分をインキュベートするステップと を含む方法。 2. 前記核酸成分が単一の機能性をコードしている、請求項1に記載の方法。 3. 前記核酸成分が複数の機能性をコードしている、請求項1に記載の方法。 4. 前記核酸成分のすべてが、一本鎖の末端配列をフランキング配列に持つ、 請求項1に記載の方法。 5. 前記一本鎖の末端配列が非回帰性である、請求項1に記載の方法。 6. 前記核酸成分が同時にインキュベートされる、請求項1に記載の方法。 7. 前記核酸成分が段階的にインキュベートされる、請求項1に記載の方法。 8. 前記核酸成分が、5‘端の相補性末端配列のアニーリングを通じて直接連 結される、請求項1に記載の方法。 9. 前記核酸成分が、3‘端の相補性末端配列のアニーリングを通じて直接連 結される、請求項1に記載の方法。 10. 前記核酸成分が連結核酸分子を介して間接的に連結され、前記連結核酸 分子がオリゴヌクレオチドを含むものである、請求項1に記載の方法。 11. 前記核酸成分が連結核酸分子を介して間接的に連結され、前記連結核酸 分子がアダプタ分子を含み、前記アダプタ分子が、別の核酸成分中の5‘端又は 3’端末端配列に対して相補性の末端配列を有する、請求項1に記載の方法。 12. 前記非反復性の、一本鎖で非回帰性の末端配列の長さが10塩基である 、請求項1に記載の方法。 13. 前記非反復性の、一本鎖で非回帰性の末端配列の長さが20塩基である 、請求項1に記載の方法。 14. 前記(a)及び(b)のステップが、同じ機能性又は特徴的実用性を有 するが、連結及び核酸構築物の生成が可能であるような同じ末端配列を持った異 なる核酸成分に置換された、一つ又はそれ以上の核酸成分について繰り返される 、請求項1に記載の方法。 15. 前記核酸成分が、複製開始点、選択可能マーカ、調節要素、構造遺伝子 、構造遺伝子の断片、転写の終了暗号、翻訳調節暗号、細胞位置を表すたんぱく 質コード化要素、組換え要素、非反復性の制限酵素又はDNA切断部位、及び分 子の共有又は非共有結合による接着部位のいずれかから選択される生物学的機能 性をコードしている、請求項1に記載の方法。 16. 前記DNA切断部位が多重クローニング部位の一部である、請求項13 に記載の方法。 17. 前記核酸成分が共有結合又は非共有結合的に修飾される、請求項1に記 載の方法。 18. 前記修飾がビオチニル化である、請求項17に記載の方法。 19. 前記修飾が蛍光標識付けである、請求項17に記載の方法。 20. 前記修飾がポリペプチド核酸(PNA)の組み込みである、請求項17 に記載の方法。 21. 前記修飾が、核酸の修飾に関与するたんぱく質の共有又は非共有結合で ある、請求項17に記載の方法。 22. 核酸の修飾に関与する前記たんぱく質が酵素である、請求項21に記載 の方法。 23. 前記修飾が、ある特定の標的分子の認識及び結合を可能とするたんぱく 質か、別の分子か、あるいはイオンの共有又は非共有的結合である、請求項17 に記載の方法。 24. 前記特定の標的分子がハプテンである、請求項23に記載の方法。 25. ステップ(b)のアニーリング及び連結が、核酸成分の末端配列の効率 的なアニーリングが起きるよう、加熱後に徐々に適温まで冷却することにより達 成される、請求項1に記載の方法。 26. T4DNAリガーゼで処理して核酸成分を結紮するステップをさらに含 む、請求項25に記載の方法。 27. 前記核酸構築物が、ベクタ、cDNAライブラリ、ファージ又はウィル スのゲノム、及び遺伝子又は遺伝子断片のいずれかから選択される、請求項1に 記載の方法。 28. 前記遺伝子が突然変異した遺伝子である、請求項27に記載の方法。 29. 前記遺伝子が組み合わされた融合遺伝子である、請求項27に記載の方 法。 30. 前記遺伝子が人工遺伝子である、請求項27に記載の方法。 31. ベクタを生成する方法であって、 a)前記構築物に組み込もうとする核酸成分と、選択に応じて連結核酸分子と を提供するステップであって、各成分は少なくとも一個の一本鎖の5‘又は3’ 末端配列を有する二本鎖の核酸分子を含み、前記末端配列は、前記成分の特異的 アニーリング及び連結が所定の順序でおきるよう、別の核酸成分中の末端配列か 、又は連結核酸分子中の一配列に対して充分な相補性を有するものであり、前記 核酸成分が、 i)複製開始点、 ii)選択可能マーカ、 iii)目的のインサート をコードしたものである、ステップと、 (b)前記核酸成分の特異的アニーリング及び連結が起きて機能的ベクタが生 成し得るような条件下で前記核酸成分をインキュベートするステップと を含む方法。 32. コスミドベクタを生成するために、ラムダファージの粘着末端(cos部 位)をコードした核酸成分を提供するステップをさらに含む、請求項31に記載 の方法。 33. ラムダファージベクタを生成するために、ラムダファージゲノムの左腕 及び右腕をコードした核酸成分を提供するステップをさらに含む、請求項31に 記載の方法。 34. レトロウィルスベクタを生成するために、末端繰り返し配列(LTR) を含むレトロウィルスゲノムをコードした核酸成分を提供するステップをさらに 含む、請求項31に記載の方法。 35. 酵母人工染色体を生成するために、酵母セントロメア及び二本の酵母テ ロメアをコードした核酸成分を提供するステップをさらに含む、請求項31に記 載の方法。 36. 目的のたんぱく質を発現するベクタを生成するために、目的の構造遺伝 子をコードした核酸成分を提供するステップをさらに含む、請求項31に記載の 方法。 37. cDNAライブラリを発現するベクタを生成するために、poly(A)+ mRNAを由来とするcDNA分子の集団をコードした核酸成分を提供するステ ップをさらに含む、請求項31に記載の方法。 38. ゲノムライブラリを発現するベクタを生成するために、ある生体のゲノ ムを由来とする遺伝子又は遺伝子断片の集団をコードした核酸成分を提供するス テップをさらに含む、請求項31に記載の方法。 39. 核酸多成分構築物の生成のためのキットであって、核酸成分を収容した パッケージを含み、各成分は少なくとも一個の一本鎖の5‘又は3’末端配列を 有する二本鎖の核酸分子を含み、前記末端配列は、前記成分の特異的アニーリン グ及び連結が所定の順序でおきるよう、別の核酸成分中の末端配列か、又は連結 核酸分子中の一配列に対して充分な相補性を有するものである、キット。 40. 核酸多成分構築物の生成のためのキットであって、結紮のために適宜リ ン酸化した少なくとも三つの異なる核酸成分を含み、さらにリガーゼ酵素を含む キット。 41. ベクタの生成のためのキットであって、核酸成分を含み、各成分は少な くとも一個の一本鎖の5‘又は3’末端配列を有する二本鎖の核酸分子を含み、 前記末端配列は、前記成分の特異的アニーリング及び連結が所定の順序でおきる よう、別の核酸成分中の末端配列か、又は連結核酸分子中の一配列に対して充分 な相補性を有するものであり、前記核酸成分は i)複製開始点 ii)選択可能マーカ iii)目的のインサート をコードしているものである、キット。
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