JP2000337117A

JP2000337117A - オイルポンプ装置

Info

Publication number: JP2000337117A
Application number: JP11144213A
Authority: JP
Inventors: Junji Yamano; 順司山野; Sadao Kojima; 禎夫小島; Masayuki Asano; 雅之浅野
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 1999-05-25
Filing date: 1999-05-25
Publication date: 2000-12-05

Abstract

(57)【要約】【課題】内燃機関における潤滑用オイルポンプ装置に
おいて、その吐出圧を調整するためのリリーフ弁のシー
リングボルトを廃止して、部品点数の削減と、組付作業
工数の低減とを可能にした。【解決手段】オイルポンプＰＯの吐出圧を調整するリ
リーフ弁ＶＲを設けたオイルポンプ装置において、その
吸込側に接続されるストレーナパイプ４０に取付フラン
ジ５３を設け、この取付フランジ５３により、前記リリ
ーフ弁ＶＲの取付と、ストレーナパイプ４０の接続とを
同時に行なうことができるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、オイルポンプ装
置、特に内燃機関の被潤滑部を潤滑するためのオイルポ
ンプ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、内燃機関の潤滑用のオイルポンプ
装置では、シリンダブロックに設けた潤滑用オイルポン
プの吸込側と吐出側とを短絡するバイパス通路にリリー
フ弁を設け、このリリーフ弁がオイルポンプの吐出圧が
所定圧以上になると開弁するようにして、その吐出圧を
調整するようにしている。（たとえば、実公平３−４５
４９０号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
リリーフ弁は、シリンダブロックに形成した弁室内に、
その開口から弁体およびこの弁体を閉じ方向に付勢する
リリーフばねを組み込んだのち、その弁室の開口を、シ
ーリングボルト等の封緘部材により閉じることにより、
リリーフ弁の取り付けをするのが一般的であるが、かか
るリリーフ弁の取付手段では、前記封緘部材が必要であ
るばかりでなくその封緘部材の、弁室の開口への取付作
業が必要となり、その分部品点数が多くなり、また作業
工数が増して、コスト高の原因になるという問題があ
る。

【０００４】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、前記封緘部材を廃止することにより、前記問題を解
決した、新規なポンプ装置を提供することを主な目的と
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本請求項１記載の発明は、シリンダブロックに設け
たオイルポンプの、吐出側と吸込側とを短絡するバイパ
ス通路に、リリーフ弁を設け、オイルポンプの吐出圧が
所定値を超えると、前記リリーフ弁を開弁してその吐出
圧を調整するようにした、オイルポンプ装置において、
前記オイルポンプの吸込側に連通されるストレーナパイ
プの端部に、取付フランジを一体に設け、この取付フラ
ンジは、オイルポンプのオイル吸込通路に前記ストレー
ナパイプを接続するための接続部材および前記リリーフ
弁を組付状態にセットするための取付部材とに併用でき
るようにしたことを特徴としており、かかる特徴によれ
ば、リリーフ弁を取り付けるのに、従来必要であった、
シーリングボルト等の封緘部材を廃止できるばかりでな
く、オイルポンプへのストレーナパイプの取付作業と併
行してリリーフ弁の取付作業を行なうことができ、これ
により部品点数の削減と、組立作業工数の低減を図るこ
とができて、その結果大幅なコストダウンに寄与するこ
とができる。

【０００６】また、本請求項２記載の発明によれば、前
記請求項１記載のものにおいて、前記オイル吸込通路の
開口端および前記リリーフ弁の取付孔は、シリンダブロ
ックに形成した取付面に並列して開口され、前記取付面
に、ストレーナパイプの端部に設けた前記取付フランジ
を、取付ボルトにより接合し、前記開口端および取付孔
を油密に閉塞したことを特徴としており、かかる特徴に
よれば、リリーフ弁を取り付けるのに、従来必要であっ
た、シーリングボルト等の封緘部材を廃止できるばかり
でなく、オイルポンプへのストレーナパイプの取付作業
と併行してリリーフ弁の取付作業を行なうことができ、
これにより部品点数の削減と、組立作業工数の低減を図
ることができて、その結果大幅なコストダウンに寄与す
ることができ、その上、ストレーナパイプおよびリリー
フ弁をシリンダブロックに纏めて取り付けることができ
て、それらの取付部のコンパクト化ができ、延いては機
関本体のコンパクト化にも寄与し得る。

【０００７】さらに、本請求項３記載の発明によれば、
前記請求項１記載のものにおいて、前記取付フランジ
は、その平面形状が略三角形であり、その各頂部に、前
記ストレーナパイプの取付部、前記リリーフ弁の取付孔
のカバー部および前記取付ボルトのボルト孔がそれぞれ
設けられることを特徴としており、かかる特徴によれ
ば、リリーフ弁を取り付けるのに、従来必要であった、
シーリングボルト等の封緘部材を廃止できるばかりでな
く、オイルポンプへのストレーナパイプの取付作業と併
行してリリーフ弁の取付作業を一本の取付ボルトの締結
作業により行なうことができ、これにより部品点数の一
層の削減と、組立作業工数の一層の低減を図ることがで
きて、その結果大幅なコストダウンに寄与することがで
き、その上、ストレーナパイプおよびリリーフ弁をシリ
ンダブロックに纏めて一本の取付ボルトで取り付けるこ
とができることから、それらの取付部の一層のコンパク
ト化ができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。

【０００９】本実施例は、本発明を、車両用直列型四サ
イクル多気筒内燃機関に、本発明オイルポンプ装置を実
施した場合である。

【００１０】図１は、オイルポンプの駆動系を示す、内
燃機関のクランク軸と直交する方向の断面図、図２は、
内燃機関のシリンダ軸線に沿う、クランク軸と直交する
方向の一部省略断面図、図３は、図１の３−３線に沿
う、拡大縦断面図、図４は、図３の４−４線に沿う縦断
面図、図５は、図３の５−５線に沿う縦断面図、図６
は、図３の６−６線に沿う横断面図、図７は、図３の７
−７線に沿う横断面図、図８はストレーナパイプの斜視
図である。

【００１１】図１，２において、内燃機関の機関本体Ｅ
は、シリンダブロック１と、そのデッキ面上に一体に結
合されるにシリンダヘッド２と、シリンダブロック１の
クランクケース部１ｃ下面に一体に結合されオイルパン
３とを備える。シリンダブロック１のクランクケース部
１ｃに設けたジャーナル壁４と、そこに固着される軸受
キヤップ５とによりクランク軸６が回転自在に支承さ
れ、このクランク軸６のクランクピン６₁には、通常の
ようにコンロッド７の大端部が連結され、該コンロッド
７の小端部に、シリンダボア８に往復摺動可能に嵌合さ
れるピンスト９のピストンピン９₁が連結される。シリ
ンダヘッド２には、動弁カム軸１０が回転自在に支承さ
れると共にこの動弁カム軸１０の動弁カムに連動される
動弁機構ＶＭが設けられ、この動弁機構ＶＭの吸、排気
側ロッカーアーム１２，１３に、吸、排気弁１４，１５
がそれぞれ連接されている。

【００１２】通常のように、前記クランク軸６と動弁カ
ム軸１０との間には、クランク軸６により回転駆動する
ための、調時伝動機構ＴＭが設けられる。この調時伝動
機構ＴＭは、クランク軸６の軸端部に固着される駆動ス
プロケット１６と、動弁カム軸１０の軸端部に固着され
る従動スプロケット１７と、前記駆動スプロケット１６
と従動スプロケット１７とに巻き掛けられる無端状伝動
チエン１８とより構成される。そしてクランク軸６の回
転によれば、駆動スプロケット１６、無端状伝動チエン
１８および従動スプロケット１７を介してクランク軸６
の回転が、１／２の変速比をもって動弁カム軸１０に伝
達されるようになっている。

【００１３】無端状伝動チエン１８の緩み側には、シリ
ンダブロック１に揺動可能に軸支２０₁される弓形のチ
エンテンショナ２０が当接され、また、このチエンテン
ショナ２０の自由端側の背部には、シリンダブロック１
に取り付けたアジャスタ２１が連接されており、このア
ジャスタ２１からの調整押圧力により、チエンテンショ
ナ２０を伝動チエン１８の緩み側に圧接して、該チエン
テンショナ２０に所定の張力が付与されるようになって
いる。また、前記無端状伝動チエン１８の張り側には、
動弁カム軸１０と、後述するオイルポンプＰＯとの間に
おいて、シリンダブロック１に取り付けられる略直状の
チエンガイド２２が当接され、さらにクランク軸６とオ
イルポンプＰＯとの間において、シリンダブロック１に
取り付けられる補助チエンガイド２３が当接されてお
り、チエンガイド２２、補助チエンガイド２３により、
伝動チエン１８の張り側が所定の軌跡に沿って移動する
ようにガイドされる。また、前記チエンガイド２２は、
その上部がボルト２４によりシリンダブロック１に取り
付けられ、またその下部が、後に述べるように、オイル
ポンプＰＯのポンプカバー３０と共に共通の第１締結ボ
ルト３５₁により、シリンダブロック１に共締め固定さ
れる（図３参照）。

【００１４】シリンダブロック１の下部、すなわちその
クランクケース部１ｃの、クランク軸６方向の一端部
（トランスミッション取付側と反対側の端部）には、こ
の機関本体Ｅの複数の被潤滑部に潤滑オイルを供給する
ための、オイルポンプＰＯが設けられる。

【００１５】次に、図１，２に、図３〜６を併せ参照し
て、この発明の特徴の一つである、前記オイルポンプＰ
Ｏ自体の構造およびその取付部分の構造について詳細に
説明する。

【００１６】この実施例では、前記オイルポンプＰＯ
は、トロコイド型であって、前記調時伝動機構ＴＭの無
端状伝動チエン１８により回転駆動されるようになって
おり、クランク軸６の近くに配設される。

【００１７】図３，４に示すように、シリンダブロック
１の調時伝動機構ＴＭの取付側（トランスミッション取
付側と反対側）の一端壁には、その端面を開放した短円
筒状のロータ室２５が形成され、このロータ室２５内に
は、ポンプロータ２６が収容される。このポンプロータ
２６は、ポンプ軸２７に固着されるインナロータ２６ｉ
と、このインナロータ２６ｉと噛み合うアウタロータ２
６ｏとより構成されている。前記ロータ室２５の開口端
は、この実施例の特徴の一つである、ポンプカバー３０
（後に詳述）により閉塞されており、このポンプカバー
３０の内壁面と、前記ロータ室２５とにより、密閉状の
ポンプ室が形成されている。前記ポンプ軸２７は、前記
ポンプカバー３０を貫通してその外部に突出しており、
シリンダブロック１の一端面に固着したチエンケース３
１により取り囲まれたチエン伝動室３２内に臨んでお
り、その突出端にポンプスプロケット３３が固定されて
いる。このポンプスプロケット３３は、図１に示すよう
に、前記調時伝動機構ＴＭの無端状伝動チエン１８に巻
き掛けられている。したがってクランク軸６の回転によ
り、調時伝動機構ＴＭが作動されると、前記オイルポン
プＰＯが回転駆動されるようになっている。

【００１８】而して、前記ロータ室２５およびポンプロ
ータ２６の端面は、クランクケース部１ｃに設けた、ク
ランク軸６を支承するための端部ジヤーナル壁（一番ジ
ヤーナル壁）の端面３４と同じ平面上にあり、かかる構
造を採ることにより、シリンダブロック１のコンパクト
化が可能になる。

【００１９】図４に示すように、前記ポンプカバー３０
は、ロータ室２５の開口端面を塞ぐ円形状のポンプ室覆
い部分３０₁と、このポンプ室覆い部分３０₁からシリ
ンダブロック１の一端面に沿って上方に一体に延長され
る延長部分３０₂とよりなり、この延長部分３０₂によ
り、後に述べるように、メインギャラリー４４のシリン
ダブロック端面開口部４４₁が閉塞される。

【００２０】前記ポンプカバー３０は、その外周部分に
間隔をあけて設けられる複数本の締結ボルトすなわち第
１〜第５締結ボルト３５₁〜３５₅をもってシリンダブ
ロック１の一端面に固着される。前記５本の締結ボルト
のうち、３本の第１、第２および第３締結ボルト３
５₁，３５₂および３５₃は、前記ポンプカバー３０の
延長部分３０₂を集中的にシリンダブロック１の一端面
に固着するのに用いられており、図４に示すように、第
１締結ボルト３５₁はメインギャラリー４４の上方に、
第２締結ボルト３５₂はメインギャラリー４４の内方
に、さらに第３締結ボルト３５₃はメインギャラリー４
４の外方にそれぞれ設けられる。そしてこれらの締結ボ
ルト３５₁，３５₂および３５₃で取り囲まれる三角形
状部分の中央部に、後に述べるメインギャラリー４４の
シリンダブロック端面開口部４４₁が開口されており、
これにより、ポンプカバー３０の延長部分３０₂は、シ
リンダブロック１の端面に堅固に固着されてメインギャ
ラリー４４のシリンダブロック端面開口部４４₁を閉塞
して、そのシール性が高められる。

【００２１】前記オイルポンプＰＯの吸込室には、前記
シリンダブロック１に穿設したオイル吸込通路３８が連
通され、このオイル吸込通路３８は、オイルパン３内に
設けたストレーナパイプ４０の上端部に接続（その接続
構造は後に詳述）されている。オイルストレーナパイプ
４０の下端は、オイルパン３内の底部に配設されて、潤
滑オイル内に浸漬されるオイルストレーナ４１（図１参
照）に接続されている。したがってオイルパン３内に貯
留される潤滑オイルは、ストレーナ４１およびストレー
ナパイプ４０を通してオイルポンプＰＯへと吸い上げら
れる。また、オイルポンプＰＯの吐出室には、シリンダ
ブロック１に穿設したオイル吐出通路３９が連通されて
いる。このオイル吐出通路３０は、シリンダブロック１
のクランクケース部１ｃの一側壁内をクランク軸６方向
に延びていて、その下流端が、シリンダブロック１の側
壁に固着されるオイルフイルター４２の入口４２ｉに連
通接続されている。また、シリンダブロック１の一側壁
には、前記オイル吐出通路３９と略平行に前記メインギ
ャラリー４４が穿設されており、このメインギャラリー
４４の途中に、前記オイルフイルター４２の出口４２ｏ
が連通接続されている。メインギャラリー４４には、通
常のように、内燃機関の複数の被潤滑部に潤滑オイルを
供給するオイル供給通路が連通され、そのうち、図４，
５に示すように、メインギャラリー４４からクランクジ
ヤーナル部へのジヤーナル給油路４６は、ポンプカバー
３０の第２締結ボルト３５₂と、オイルポンプＰＯのロ
ータ室２５の間を通って直線状にシリンダブロック１に
形成されており、かかるジヤーナル給油路４６の構造を
採用することにより、オイルポンプＰＯのまわりを特に
大型化させなくても、前記ジヤーナル給油路４６の形成
ができ、しかもその給油路構造が複雑にならず、その形
成も容易である。

【００２２】オイルポンプＰＯより吐出される潤滑オイ
ルは、オイル吐出通路３９より、オイルフイルター４２
内に入り、ここで二次的に濾過されたのち、メインギャ
ラリー４４に圧送され、そこから前記ジヤーナル給油路
４６を通ってクランクジヤーナル部、さらに、その他の
図示しない給油路を通って各被潤滑部へと分配供給され
る。

【００２３】前記オイルポンプＰＯの、吸込側と吐出側
とを連通するバイパス通路４７には、通常のように、リ
リーフ弁ＶＲが介在されている。このリリーフ弁ＶＲ
は、前記バイパス通路４７の途中に設けられる円筒状の
弁室４８内に収容される、帽状の弁体４９と、この弁体
４９を閉じ方向に付勢する、コイルばねよりなるリリー
フばね５０とより構成されており、オイル吐出通路３９
を流れる潤滑オイルの圧力が所定値を超えると、弁体４
９はリリーフばね５０の弾発力に抗して後退してオイル
吐出通路３９とオイル吸込通路３８とが連通されて、オ
イルポンプＰＯの吐出圧が調整されるようになってい
る。

【００２４】リリーフ弁ＶＲの弁室４８の下面には、下
向きすなわちオイルパン３内に向けて取付孔５１が開口
され、この取付孔５１を通して前記弁室４８内に、前記
弁体４９およびリリーフばね５０が組み込まれ、このリ
リーフばね５０の端部は、後述する取付フランジ５３の
カバー部５３ｃにより受けられる。

【００２５】ところで、この実施例の特徴の一つであ
る、前記リリーフ弁ＶＲは、前記ストレーナパイプ４０
の、シリンダブロック１への取付用の取付フランジ５３
を利用して前記リリーフ弁ＶＲの取付孔５１が閉じられ
て、該弁ＶＲの組付状態でのセットができる構造となっ
ており、以下に、図３〜５に、図７，８を併せ参照して
その具体的構造について説明するに、シリンダブロック
１のクランクケース部１ｃの下面には、ストレーナパイ
プ４０およびリリーフ弁ＶＲを取り付けるための、平坦
な取付面５４が形成され、この取付面５４は、図７に示
すように、その横断面形状が略三角形をしており、この
取付面５４の対向する二つの頂部には、オイルポンプＰ
Ｏのオイル吸込通路３８の開口端およびリリーフ弁ＶＲ
の取付孔５１が、互いに近接して下向きに並列して開口
されている。さらにこの取付面５４のもう一つの頂部に
は、ボルトねじ孔５５が設けられる。一方、図８に示す
ように、ストレーナパイプ４０の上端部に固着される前
記取付フランジ５３は、前記取付面５４に接合されるべ
く、その横断面形状が前記取付面５４と同形の略三角形
に形成されていて、この取付フランジ５３の対向する２
つの頂部の一方に、ストレーナパイプ４０の上端部が貫
通固定されると共にその他方に、リリーフ弁ＶＲの取付
孔５１を覆うカバー部５３ｃが形成され、さらにもう１
つの頂部に、前記ボルトねじ孔５５と一致するボルト孔
５６が開口される。そしてこのボルト孔５６は、取付フ
ランジ５３のストレーナパイプ４０の取付部と、リリー
フ弁ＶＲの取付孔５１のカバー部５３ｃとの間のカバー
部５３ｃとの間の側方部に位置していることにより、こ
のボルト孔５１を、８字状のＯリング５７のくびれ部に
可及的に近づけることができ、ストレーナパイプ４０の
取付構造の小型化が可能である。さらにストレーナパイ
プ４０の取付部とリリーフ弁ＶＲの取付孔５１とを近接
配置させていることにより、リリーフ潤滑オイルをスト
レーナパイプ４０からオイルポンプＰＯの吸込側までの
間に戻す際のリリーフ通路も短縮され機関本体の小型化
に寄与する。

【００２６】前記取付面５４には、前記取付孔５１とオ
イル吸込通路３８とに跨がって設けられる８字状のＯリ
ング５７を挟んでストレーナパイプ４０を固着した取付
フランジ５３を重ね合わせたのち、一本の取付ボルト５
８を、ボルト孔５６を通して取付面５４のボルトねじ孔
５５に螺締すれば、前記取付面５４に、取付フランジ５
３が一体に接合される。これにより、リリーフ弁ＶＲの
取付孔５１は、取付フランジ５３のカバー部５３ｃによ
り油密に閉じられて、リリーフ弁ＶＲを組付状態にセッ
トすることができる。

【００２７】而して、ストレーナパイプ４０の取付フラ
ンジ５３を利用してリリーフ弁ＶＲの取り付けを行なう
ことができることにより、リリーフ弁ＶＲの取付作業能
率が向上するばかりでなく、シーリングボルト、シール
部材等の部品の削減が可能になる。またストレーナパイ
プ４０とリリーフ弁ＶＲとは、近接して並列配置される
ことで、取付フランジの小型化が可能になる。

【００２８】なお、前記オイルポンプＰＯとクランク軸
６を挟んで反対側の部分には、オイルパン３に支持した
クランク角センサー６０が配設されており、これにより
クランク角センサー６０の取付部が大型化することがな
いと共にクランク角センサー６０をアルミ合金製のオイ
ルパン６に取り付けているので、その取付剛性が高めら
れる。

【００２９】次に、この実施例の作用について説明す
る。

【００３０】いま、内燃機関が運転され、クランク軸６
が回転されると、前記調時伝動機構ＴＭが作動され、こ
の機構ＴＭの伝動チエン１８の作動により、これに噛み
合うポンプスプロケット３３の回転により、オイルポン
プＰＯが回転駆動される。そしてオイルポンプＰＯの駆
動によれば、オイルパン３内の貯留潤滑オイルは、オイ
ルストレーナ４１により一次濾過されたのち、、ストレ
ーナパイプ４０およびオイル吸込通路３８通してオイル
ポンプＰＯに吸い上げられ、このオイルポンプＰＯによ
り加圧された潤滑オイルは、オイル吐出通路３９を通っ
てオイルフイルター４２に送給され、ここで二次濾過さ
れた潤滑オイルは、メインギャラリー４４へと供給され
て、ここから機関の各被潤滑部へと給油され、その一部
は、前記ジヤーナル給油路４６を通って、クランク軸６
のクランクジヤーナル部を潤滑する。

【００３１】ところで、オイルポンプＰＯのロータ室２
５を閉じるポンプカバー３０は、それ自体で前記メイン
ギャラリー４４のシリンダブロック端面開口部４４₁を
閉塞するので、その端面開口部４４₁を閉塞するため
の、シーリングボルト、シーリングキヤップ、スチール
ボール等の封緘部材を別途に容易する必要がなく、部品
点数と、その組立作業工数の削減が可能になる。

【００３２】また、メインギャラリー４４のシリンダブ
ロック端面開口部４４₁は、ポンプカバー３０をシリン
ダブロック１の端面に固定するための３本の第１〜第３
締結ボルト３５₁，３５₂，３５₃により囲まれた部分
の中央部に位置していることで、そのシール性を向上さ
せることができる。

【００３３】また、クランク軸６に対してオイルポンプ
ＰＯとメインギャラリー４４とは同じ側にあり、しかも
そそれらは相互に近接配置（クランク軸６よりもオイル
ポンプ軸２７がメインギャラリー４４に近い）されてい
るので、オイルポンプＰＯを大型化することなく、メイ
ンギャラリー４４のシリンダブロック開口端面開口部４
４₁を閉塞することができる。さらにオイルポンプＰＯ
をチエンテンショナー１８と反対側のチエンガイド２２
側に配設したことにより、シリンダブロック１の小型化
に寄与することができる。

【００３４】さらに、ポンプカバー３０をシリンダブロ
ック１に固定するための複数の第１〜第５締結ボルト３
５₁〜３５₅の、少なくとも一本は、チエンガイド２２
を共締めしているので、部品点数を削減すると共にその
組付工数を減少させ、さらに機関自体のコンパクト化に
も寄与する。

【００３５】また、ストレーナパイプ４０の上端部に設
けた取付フランジ５４は、オイルポンプＰＯのオイル吸
込通路３８にストレーナパイプ４０を接続するための接
続部材および前記リリーフ弁ＶＲを組付状態にセットす
るための取付部材とに併用できるようにしたことによ
り、そのリリーフ弁ＶＲを取り付けるのに、従来必要で
あった、シーリングボルト等の封緘部材を廃止できるば
かりでなく、オイルポンプＰＯへのストレーナパイプ４
０の取付作業と同時にリリーフ弁ＶＲの取付作業を行な
うことができる。さらに前記オイル吸込通路３８の開口
端および前記リリーフ弁ＶＲの取付孔５１は、シリンダ
ブロック１に形成した取付面５４に並列して開口され、
その取付面５４に、ストレーナパイプ４０の取付フラン
ジ５３を取付ボルト５８により接合したことにより、シ
ーリングボルト等の封緘部材を廃止できるばかりでな
く、オイルポンプへのストレーナパイプの取付作業と併
行してリリーフ弁ＶＲの取付作業を行なうことができ、
さらにまた、前記取付フランジ５４は、その平面形状が
略三角形であり、その各頂部に、前記ストレーナパイプ
４０の取付部、前記リリーフ弁ＶＲの取付孔５１のカバ
ー部５３ｃおよび前記取付ボルト５８のボルト孔５６が
それぞれ設けられることにより、オイルポンプＰＯへの
ストレーナパイプ４０の取付作業と併行してリリーフ弁
ＶＲの取付作業を一本の取付ボルト５８の締結作業によ
り行なうことができる。

【００３６】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明
の範囲内で種々の実施例が可能である。たとえば、前記
実施例では、本発明を直列型４サイクル多気筒内燃機関
に実施した場合を説明したが、これを他の型式の内燃機
関にも実施することができる、またオイルポンプは、ト
ロコイド型の外、他の型式のポンプであってもよい。

【００３７】

【発明の効果】本請求項１項記載の発明によれば、オイ
ルポンプ装置において、リリーフ弁を取り付けるのに、
従来必要であった、シーリングボルト等の封緘部材を廃
止できるばかりでなく、オイルポンプへのストレーナパ
イプの取付作業と併行してリリーフ弁の取付作業を行な
うことができるので、部品点数の削減と、組立作業工数
の低減を図ることができて、その結果大幅なコストダウ
ンに寄与することができる。

【００３８】また、本請求項２記載の発明によれば、オ
イルポンプ装置において、リリーフ弁を取り付けるの
に、従来必要であった、シーリングボルト等の封緘部材
を廃止できるばかりでなく、オイルポンプへのストレー
ナパイプの取付作業と併行してリリーフ弁の取付作業を
行なうことができるので、部品点数の削減と、組立作業
工数の低減を図ることができて、その結果大幅なコスト
ダウンに寄与することができ、その上、ストレーナパイ
プおよびリリーフ弁をシリンダブロックに纏めて取り付
けることができて、それらの取付部のコンパクト化がで
き、延いては機関本体のコンパクト化にも寄与し得る。

【００３９】さらに、本請求項３記載の発明によれば、
オイルポンプ装置において、リリーフ弁を取り付けるの
に、従来必要であった、シーリングボルト等の封緘部材
を廃止できるばかりでなく、オイルポンプへのストレー
ナパイプの取付作業と併行してリリーフ弁の取付作業を
一本の取付ボルトの締結作業により行なうことができ、
これにより部品点数の一層の削減と、組立作業工数の一
層の低減を図ることができて、その結果大幅なコストダ
ウンに寄与することができ、その上、ストレーナパイプ
およびリリーフ弁をシリンダブロックに纏めて一本の取
付ボルトで取り付けることができて、それらの取付部の
一層のコンパクト化ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】オイルポンプの駆動系を示す、内燃機関のクラ
ンク軸と直交する方向の断面図

【図２】内燃機関のシリンダ軸線に沿う、クランク軸と
直交する方向の一部省略断面図

【図３】図１の３−３線に沿う、拡大縦断面図

【図４】図３の４−４線に沿う縦断面図

【図５】図３の５−５線に沿う縦断面図

【図６】図３の６−６線に沿う横断面図

【図７】図３の７−７線に沿う横断面図

【図８】ストレーナパイプの斜視図

【符号の説明】

１・・・・・・・・・・・シリンダブロック３８・・・・・・・・・・オイル吸込通路４０・・・・・・・・・・ストレーナパイプ４７・・・・・・・・・・バイパス通路５１・・・・・・・・・・取付孔（リリーフ弁の）５３・・・・・・・・・・取付フランジ５３ｃ・・・・・・・・・カバー部５４・・・・・・・・・・取付面５６・・・・・・・・・・ボルト孔５８・・・・・・・・・・取付ボルトＰＯ・・・・・・・・・・オイルポンプＶＲ・・・・・・・・・・リリーフ弁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者浅野雅之埼玉県和光市中央１丁目４番１号株式会社本田技術研究所内Ｆターム(参考） 3G013 AA05 AA07 BA02 BB04 BB19 BB25 BB30 BD25 CA15 3H041 AA02 BB04 CC05 CC15 DD12 DD13 DD15 DD34 3H044 AA02 BB03 CC05 CC14 DD12 DD13

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シリンダブロック（１）に設けたオイル
ポンプ（ＰＯ）の、吐出側と吸込側とを短絡するバイパ
ス通路（４７）に、リリーフ弁（ＶＲ）を設け、オイル
ポンプ（ＰＯ）の吐出圧が所定値を超えると、前記リリ
ーフ弁（ＶＲ）を開弁してその吐出圧を調整するように
した、オイルポンプ装置において、前記オイルポンプ（ＰＯ）の吸込側に連通されるストレ
ーナパイプ（４０）の端部に、取付フランジ（５３）を
一体に設け、この取付フランジ（５３）は、オイルポン
プ（ＰＯ）のオイル吸込通路（３８）に前記ストレーナ
パイプ（４０）を接続するための接続部材および前記リ
リーフ弁（ＶＲ）を組付状態にセットするための取付部
材とに併用できるようにしたことを特徴とする、オイル
ポンプ装置。
【請求項２】前記オイル吸込通路（３８）の開口端お
よび前記リリーフ弁（ＶＲ）の取付孔（５１）は、シリ
ンダブロック（１）に形成した取付面（５４）に並列し
て開口され、前記取付面（５４）に、ストレーナパイプ
（４０）の端部に設けた前記取付フランジ（５３）を、
取付ボルト（５８）により接合し、前記開口端および取
付孔（５１）を油密に閉塞したことを特徴とする、前記
請求項１記載の、オイルポンプ装置。
【請求項３】前記取付フランジ（５３）は、その平面
形状が略三角形であり、その各頂部に、前記ストレーナ
パイプ（４０）の取付部、前記リリーフ弁（ＶＲ）の取
付孔（５１）のカバー部（５３Ｃ）および前記取付ボル
ト（５８）のボルト孔（５６）がそれぞれ設けられるこ
とを特徴とする、前記請求項１記載の、オイルポンプ装
置。