JP2000336256A - カレンダー成形用樹脂組成物 - Google Patents
カレンダー成形用樹脂組成物Info
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Abstract
な、非晶性ポリエステル系樹脂及びポリカーボネート樹
脂からなる耐熱性の改善されたカレンダー成形用脂組成
物を提供する。 【解決手段】非晶性ポリエステル樹脂20〜90重量%
に及びポリカーボネート樹脂80〜10重量%を含む混
合樹脂とモンタン酸ワックスとを必須成分とする樹脂組
成物であって、非晶性ポリエステル樹脂がそのテレフタ
ル酸成分とエチレングリコール成分のうち、エチレング
リコール成分の一部が1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールに置換されてなる共重合体である樹脂組成物とす
る。
Description
れたポリエステル系の樹脂を含むシートを成形加工する
ためのカンレンダー用成形樹脂組成物に関する。
(PET)で代表されるポリエステル系樹脂は、古くか
ら繊維、フィルム等に広く使用されている。
記樹脂を押出成形法により溶融状態で押出し、溶融樹脂
を急冷して一旦固化させたのち二軸延伸法で延伸して結
晶化させ、さらに特定温度に加熱してセットすることに
より、通常の実用温度環境における温度依存性が少な
く、引張強さ、衝撃強さ、引裂き強さ等の機械的特性に
優れた透明なフィルムであり、また耐薬品性、耐溶剤
性、あるいは電気絶縁性に優れている。
樹脂を原料とするものであるから、高い機械的特性を有
し、かつ透明性を有する製品を得るには、二軸延伸法等
による延伸手段が必須であり、その結果得られる製品の
厚さも、通常、シートと呼称される厚さ0.3mm以上
の板状体は得られない。
としても、樹脂成分が結晶性樹脂であるために、加熱時
の粘度が低く、真空成形法や圧空成形法等による、いわ
ゆる二次的な熱成形加工ができず、また有機溶剤等によ
る接着加工が困難である。
テル系樹脂から、押出成形性を改善し、従来の機械的特
性や透明性を実用上許容される範囲に維持しながらシー
トを得るために、当該樹脂本来の性質を改良する手段が
講じられて、かかる改良樹脂が広く採用されつつある。
具体的には、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコー
ルとをエステル交換させて重縮合させる際に、エチレン
グリコールの一部をシクロヘキサンジオールで置換し
た、いわゆる非晶性のポリエチレンテレフタレートを、
押出成形法の原料としてシートを得ようとするものであ
る。
レートは、耐熱性が低く、これを改善するために当該非
晶性ポリエチレンテレフタレートと相溶性があり、かつ
当該非晶性ポリエチレンテレフタレートよりも耐熱性の
高い他の熱可塑性樹脂を添加することによって、押出成
形法を適用しシートを得る方法が採用されてきた。
械構造上の制約から単位時間当たりのシートの生産量
(吐出量)が、カレンダー成形法のそれに比べ格段に低
いことは周知の技術的事項である。
非晶性ポリエチレンテレフタレートをカレンダー成形法
に適用することが考えられるが、当該樹脂を単独で適用
することは、実際にはつぎのような理由により不可能で
ある。すなわち、当該樹脂は、熱成形加工時の粘度が低
くかつカレンダー機の金属ロール表面への粘着度合が強
く剥離しないために、板状体には成形することができな
いのである。このことは、非晶性ポリエチレンテレフタ
レートの耐熱性を向上させるために、耐熱性の高い熱可
塑性樹脂を添加する等の方法を採用する場合にも共通す
る問題である。
ての前記非晶性ポリエチレンテレフタレートと前記非晶
性ポリエチレンテレフタレートと相溶性がありかつ前記
非晶性ポリエチレンテレフタレートよりも耐熱性の高い
樹脂とを混合した混合樹脂を、カレンダー成形法により
熱成形加工をしてシートにするには、特定の滑剤を選択
し、これを前記樹脂成分に添加した樹脂組成物を原料と
して設定すればよいことを見出し、この発明を完成し
た。
よりシートの成形が可能な、非晶性ポリエステル系樹脂
及びポリカーボネート樹脂からなるカレンダー成形用脂
組成物を提供することを目的とする。
発明は、非晶性ポリエステル樹脂20〜90重量%及び
ポリカーボネート樹脂80〜10重量%を含む混合樹脂
と脂肪酸エステル系のモンタン酸ワックスとを必須成分
とする樹脂組成物であって、前記非晶性ポリエステル樹
脂のテレフタル酸成分とエチレングリコール成分のう
ち、エチレングリコール成分の一部が1,4−シクロヘ
キサンジメタノールに置換されてなる共重合体からなる
カレンダー成形用樹脂組成物を要旨とする。
に記載のとおり、前記混合樹脂中のポリカーボネート樹
脂の平均分子量が10000〜25000である請求項
1に記載のカレンダー成形用樹脂組成物である。
は、請求項3に記載のとおり、前記混合樹脂と脂肪酸エ
ステル系のモンタン酸ワックスとの配合割合が、前記混
合樹脂100重量部に対して、前記モンタン酸ワックス
が0.1〜5.0重量部である請求項1または請求項2
に記載のカレンダー成形用樹脂組成物である。
必須成分である混合樹脂のうちの非晶性ポリエステル樹
脂は、エチレングリコール90〜10モル%に対して
1,4−シクロヘキサンジメタノール10〜90モル%
の比率のものである。この場合、エチレングリコールと
1,4−シクロヘキサンジメタノールとが上記範囲外で
あると、非晶性ポリエステル樹脂の結晶性が高くなり、
カレンダー加工が困難となるので、好ましくはエチレン
グリコール成分が80〜40モル%に対して1,4−シ
クロヘキサンジメタノールが20〜60モル%の範囲の
ものとする。
成分である混合樹脂のうちのポリカーボネート樹脂は、
平均分子量が25000を超えると、当該ポリカーボネ
ート樹脂の溶融温度の上昇に起因して、ポリエステル樹
脂との相溶時の温度が高くなり、樹脂組成物全体の粘度
が低下して、カレンダー機によるシートの成形加工が困
難となり、また平均分子量が10000未満であると、
樹脂組成物自体の耐熱性が低下するのみならず、耐衝撃
性も劣るものとなるので適当でない。従って、平均分子
量は、好ましくは15000〜20000の範囲とす
る。
ポリカーボネート樹脂との混合比率は、非晶性ポリエス
テル樹脂に対しポリカーボネート樹脂が80重量%を超
えると加工温度が高くなり加工し難く、溶融時にシート
を引き取れないなどカレンダー加工性が悪くなる。また
ポリカーボネート樹脂が10重量%未満であると耐熱性
に劣る。従って、好ましくは非晶性ポリエステル樹脂4
0〜70重量%、ポリカーボネート樹脂60〜30重量
%とする。
ともに用いられる滑剤には、モンタン酸とアルコールと
のエステル化合物である、脂肪酸エステル系のモンタン
酸ワックスが適用される。この場合のアルコールは、エ
チレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−
ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、グリセロー
ル等である。また、モンタン酸ワックスは、部分鹸化さ
れたものであってもよい。
は、該モンタン酸ワックスを、前記混合樹脂100重量
部に対して、0.1〜5.0重量部とする。
量が0.1重量部未満では、カレンダー機の金属ロール
表面への当該カレンダー成形用樹脂組成物の粘着が激し
く、これをシート状にして金属ロールから引き剥がすこ
とができないので、好ましくは0.5〜5.0重量部と
する。また、5重量部を超えると、金属ロール表面への
当該カレンダー成形用樹脂組成物の粘着の度合いは弱ま
るが、逆に溶融時の粘度が低下して、一旦シート状に金
属ロール表面から剥がれるものの、それ自体の自重で過
剰に伸びを生じ、結果としてシート状に成形することが
できないので、好ましくは0.1〜4.0重量部とす
る。
成物の成分として、前記必須成分である非晶性ポリエス
テル樹脂及びポリカーボネート樹脂を含む混合樹脂とモ
ンタン酸ワックスのほか、カレンダー機の金属ロールに
対する剥離助剤として、他の滑剤を添加することも可能
であり、例えばパラフィンワックス等の炭化水素系の滑
剤、ステアリン酸等の脂肪酸系の滑剤、ステアリルアミ
ド等の脂肪酸アミド系の滑剤、及び脂肪酸エステル系、
アルコール系、金属石鹸系等の各滑剤を併用することが
できる。
系、ヒンダードアミン系、リン系等の安定剤、各種充填
剤、各種顔料等を、この発明の目的を逸脱しない範囲で
添加することができる。
用樹脂組成物の実施形態を示す実施例を、比較例ととも
に説明する。
成するテレフタル酸成分とエチレングリコール成分のう
ち、エチレングリコール成分の一部が1,4−シクロヘ
キサンジメタノールに置換されており、その比率がエチ
レングリコール35モル%に対して1,4−シクロヘキ
サンジメタノール65モル%である共重合体を用意し
た。
として、平均分子量が12000、16000及び23
000の3種類のポリカーボネート樹脂を用意した。
酸とアルコールとのエステル化合物であって、前記アル
コールが1,3−ブタンジオールであるモンタン酸ワッ
クスを用意した。
テル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びモンタン酸ワック
スの各成分を、表1に示す割合で実施例別に混合し、ま
ず前処理として2軸の押出機により予め加熱混練したの
ち、ついでロール径250mmの金属ロール4本からな
るL型カレンダー機に移して、ロール温度170〜18
0℃の条件下で圧延して厚さ0.5mmのシートを成形
加工した。
性ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂との混合比
率を「重量%」で示し、またモンタン酸ワックスの配合
割合を前記混合樹脂100重量部に対する「重量部」で
示したものである。なお、非晶性ポリエステル樹脂は
「非晶性PET」、ポリカーボネート樹脂は平均分子量
別に「PC−1〜PC−3」で示した。[]内は平均分
子量である。
工において、その成形加工性を評価し、かつ得られたシ
ートについて耐熱性を評価した結果を、成形加工性にお
いてはシートの成形加工が可能の場合を良好(○で示
す)、不可能の場合を不良(×で示す)とし、また耐熱
性においては熱変形温度の測定値が80℃を超えるもの
を良好(○で示す)、80℃以下のものを不良(×で示
す)として表し、各実施例について表1に併記した。
における各樹脂組成物の金属ロールに対する粘着度はい
ずれも強くなく、離型性が良好で、所期の厚さ0.5m
mのシートを難なく得ることができ、表1に示すとお
り、いずれもカレンダー機による成形加工性が良好であ
り、またいずれも耐熱性が良好であった。
に、ポリエステル系樹脂として、実施例で用いたと同様
の非晶性ポリエステル「非晶性PET」及びエチレング
リコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノールま
たはその他のものに置換されていない結晶性ポリエステ
ル樹脂、すなわち実施例の「非晶性PET」とは異なる
ポリエチレンテレフタレート「PET」と、ポリカーボ
ネート樹脂として平均分子量が19000「PC−
4」、27000「PC−5」のものを用い、また滑剤
には、比較例2を除く全てについて、実施例と同様のモ
ンタン酸ワックスを用いた。なお、量の単位は、比較例
5及び6では「PET」とポリカーボネート樹脂の混合
比率を「重量%」で示し、またモンタン酸ワックスは
「PET」100重量部に対する混合割合を「重量部」
で示した以外は、実施例と同様である。
配合割合で混合し、得られた混合物を用い、以後実施例
と同様の操作により、同じ厚さのシートの成形加工を試
みた。なお、実施例と同様に行った評価結果を表2に併
記した。
機から、カレンダー機へ移送したのちにゲル化させるた
めに高温を要し、しかも溶融粘度が著しく低下し、カレ
ンダー機の金属ロールに混合物が粘着して剥離すること
ができず、シートを得ることができなかった。
機のシリンダー温度180℃でゲル化し、カレンダー機
へ移送することができて、金属ロールに強く粘着せず、
スムーズに離型し、シートの成形加工は可能であった
が、得られたシートの熱変形温度が72℃と低く耐熱性
が悪いものであった。
化せず、シートの成形加工が不可能であった。
形用樹脂組成物は、非晶性ポリエステル樹脂20〜90
重量%及びポリカーボネート樹脂80〜10重量%を含
む混合樹脂と脂肪酸エステル系のモンタン酸ワックスと
を必須成分とする樹脂組成物であって、前記非晶性ポリ
エステル樹脂のテレフタル酸成分とエチレングリコール
成分のうち、エチレングリコール成分の一部が1,4−
シクロヘキサンジメタノールに置換されてなる共重合体
からなるものであるから、加熱時の粘度が適度に高ま
り、カレンダー機の金属ロール表面への粘着度合が弱く
剥離し易くなるため、カレンダー成形法によるシートの
成形加工が可能となり、単位時間当たりの生産量を著し
く向上し得るとともに、得られたシートの耐熱性を向上
することができるという効果がある。
成物は、請求項2に記載のとおり、前記混合樹脂中のポ
リカーボネート樹脂の平均分子量が10000〜250
00である請求項1に記載のカレンダー成形用樹脂組成
物としたから、従来の機械的特性や透明性を実用上許容
される範囲に維持しながら、しかも従来なし得なかった
カレンダー成形法により溶融粘度及び金属ロールへの粘
着度を適宜調整し、カンレンダー成形の条件を最適に設
定することが可能であるという利点がある。
組成物は、請求項3に記載のとおり、前記混合樹脂と脂
肪酸エステル系のモンタン酸ワックスとの配合割合が、
前記混合樹脂100重量部に対して、前記モンタン酸ワ
ックスが0.1〜5.0重量部である請求項1または請
求項2に記載のカレンダー成形用樹脂組成物としたか
ら、カレンダー成形時の成形加工温度を過剰に上げる必
要がなく、しかも耐熱性の改善されたシートを得ること
ができるという利点がある。
Claims (3)
- 【請求項1】 非晶性ポリエステル樹脂20〜90重量
%及びポリカーボネート樹脂80〜10重量%を含む混
合樹脂と脂肪酸エステル系のモンタン酸ワックスとを必
須成分とする樹脂組成物であって、前記非晶性ポリエス
テル樹脂のテレフタル酸成分とエチレングリコール成分
のうち、エチレングリコール成分の一部が1,4−シク
ロヘキサンジメタノールに置換されてなる共重合体から
なるカレンダー成形用樹脂組成物。 - 【請求項2】 前記混合樹脂中のポリカーボネート樹脂
の平均分子量が10000〜25000である請求項1
に記載のカレンダー成形用樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記混合樹脂と脂肪酸エステル系のモン
タン酸ワックスとの配合割合が、前記混合樹脂100重
量部に対し、前記モンタン酸ワックスが0.1〜5.0
重量部である請求項1または請求項2に記載のカレンダ
ー成形用樹脂組成物。
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