JP2000319508A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
ポリアミド樹脂組成物Info
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- JP2000319508A JP2000319508A JP11132824A JP13282499A JP2000319508A JP 2000319508 A JP2000319508 A JP 2000319508A JP 11132824 A JP11132824 A JP 11132824A JP 13282499 A JP13282499 A JP 13282499A JP 2000319508 A JP2000319508 A JP 2000319508A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】芳香族ポリアミド樹脂の優れた特性と成形性に
優れた性能を兼ね備え、かつ、従来の芳香族ポリアミド
樹脂組成物に較べ、耐熱老化性、耐湿性に優れたポリア
ミド樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】[A]ジカルボン酸成分単位が、芳香族ジ
カルボン酸および脂肪族ジカルボン酸からなり、ジアミ
ン成分単位が芳香族ジアミンと脂肪族ジアミンからなる
ポリアミド樹脂であって、濃硫酸中20℃で測定した相
対粘度が1.5〜5.0であるポリアミド樹脂95.5
〜50重量部および[B]変成ポリオレフィン0.5〜
50重量部の合計100重量部に対し、[C]銅化合物
0.01〜1重量部、[D]ハロゲン化アルカリ金属化
合物0.01〜5重量部および[E]有機系安定剤0.
05〜5重量部を含有することを特徴とするポリアミド
樹脂組成物。
優れた性能を兼ね備え、かつ、従来の芳香族ポリアミド
樹脂組成物に較べ、耐熱老化性、耐湿性に優れたポリア
ミド樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】[A]ジカルボン酸成分単位が、芳香族ジ
カルボン酸および脂肪族ジカルボン酸からなり、ジアミ
ン成分単位が芳香族ジアミンと脂肪族ジアミンからなる
ポリアミド樹脂であって、濃硫酸中20℃で測定した相
対粘度が1.5〜5.0であるポリアミド樹脂95.5
〜50重量部および[B]変成ポリオレフィン0.5〜
50重量部の合計100重量部に対し、[C]銅化合物
0.01〜1重量部、[D]ハロゲン化アルカリ金属化
合物0.01〜5重量部および[E]有機系安定剤0.
05〜5重量部を含有することを特徴とするポリアミド
樹脂組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド樹脂組
成物に関する。詳しくは、耐熱老化性に優れると共に、
機械的特性、耐衝撃性、耐薬品性等に優れ、さらに低吸
水性を有し特に耐湿時の機械的特性に優れるポリアミド
樹脂組成物に関するものである。
成物に関する。詳しくは、耐熱老化性に優れると共に、
機械的特性、耐衝撃性、耐薬品性等に優れ、さらに低吸
水性を有し特に耐湿時の機械的特性に優れるポリアミド
樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ナイロン6,ナイロン66に
代表される汎用ポリアミド樹脂は、優れた機械的特性、
耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性等の性質を有しているた
め、エンジニアリングプラスチックとして多くの用途に
使用されているが、近年、自動車用途、電気・電子部品
用途においては、年々耐熱性や低吸水性に対する要求が
高まっている。特に、自動車部品など長期にわたり高温
に晒されるような場合には、樹脂の熱劣化や酸化劣化が
大きな問題となる。上記のポリアミド樹脂は融点が高い
が、空気中で100℃以上の高温に晒されると短い時間
で著しく脆くなる。そこで、このような長期耐熱性が要
求されるような用途・分野で使用される場合には、種々
の方法により高温での酸化劣化を防ぐ処方がなされてい
る。
代表される汎用ポリアミド樹脂は、優れた機械的特性、
耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性等の性質を有しているた
め、エンジニアリングプラスチックとして多くの用途に
使用されているが、近年、自動車用途、電気・電子部品
用途においては、年々耐熱性や低吸水性に対する要求が
高まっている。特に、自動車部品など長期にわたり高温
に晒されるような場合には、樹脂の熱劣化や酸化劣化が
大きな問題となる。上記のポリアミド樹脂は融点が高い
が、空気中で100℃以上の高温に晒されると短い時間
で著しく脆くなる。そこで、このような長期耐熱性が要
求されるような用途・分野で使用される場合には、種々
の方法により高温での酸化劣化を防ぐ処方がなされてい
る。
【0003】このような要求に対し、最近では従来のポ
リアミド樹脂よりも高融点のテレフタル酸と1,6―ヘ
キサンジアミンからなるポリアミドを主成分とする芳香
族ポリアミド樹脂が種々提案され一部は実用化されてい
る。しかし、この芳香族ポリアミド樹脂についても従来
のポリアミド樹脂と同様、長期熱安定性を確保する必要
がある。また特開昭61−285252号公報、特開昭
63−105057号公報等には、芳香族ポリアミド樹
脂の熱劣化を防止する方法が提案されている。しかしな
がら、テレフタル酸と1,6−ヘキサンジアミンからな
るポリアミド樹脂は、ポリマーの分解温度を超える37
0℃付近に融点があるため、溶融重合や溶融成形が困難
であり実用に耐えるものではない。
リアミド樹脂よりも高融点のテレフタル酸と1,6―ヘ
キサンジアミンからなるポリアミドを主成分とする芳香
族ポリアミド樹脂が種々提案され一部は実用化されてい
る。しかし、この芳香族ポリアミド樹脂についても従来
のポリアミド樹脂と同様、長期熱安定性を確保する必要
がある。また特開昭61−285252号公報、特開昭
63−105057号公報等には、芳香族ポリアミド樹
脂の熱劣化を防止する方法が提案されている。しかしな
がら、テレフタル酸と1,6−ヘキサンジアミンからな
るポリアミド樹脂は、ポリマーの分解温度を超える37
0℃付近に融点があるため、溶融重合や溶融成形が困難
であり実用に耐えるものではない。
【0004】このため、アジピン酸やイソフタル酸など
のジカルボン酸成分、或いはナイロン6などの脂肪族ポ
リアミドを30〜40モル%共重合することにより、実
使用可能温度領域が280〜320℃程度まで低融点化
した組成で使用されているのが現状である。例えば、特
開昭59−155426号公報には芳香族ジカルボン酸
成分単位、アジピン酸成分単位とヘキサメチレンジアミ
ンとから生成する結晶性コポリアミドが提案されてい
る。この成形用ポリアミド組成物は従来のポリアミドに
比べ、耐熱特性、機械的特性、化学的物理的特性および
成形特性に優れているが、吸湿時における機械的特性の
低下があり、耐湿性が充分であるとは言い難い。
のジカルボン酸成分、或いはナイロン6などの脂肪族ポ
リアミドを30〜40モル%共重合することにより、実
使用可能温度領域が280〜320℃程度まで低融点化
した組成で使用されているのが現状である。例えば、特
開昭59−155426号公報には芳香族ジカルボン酸
成分単位、アジピン酸成分単位とヘキサメチレンジアミ
ンとから生成する結晶性コポリアミドが提案されてい
る。この成形用ポリアミド組成物は従来のポリアミドに
比べ、耐熱特性、機械的特性、化学的物理的特性および
成形特性に優れているが、吸湿時における機械的特性の
低下があり、耐湿性が充分であるとは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、芳香族ポリ
アミド樹脂の優れた特性と成形性に優れた性能を兼ね備
え、かつ、従来の芳香族ポリアミド樹脂組成物に較べ、
耐熱老化性、耐湿性に優れたポリアミド樹脂組成物を提
供することを課題とするものである。
アミド樹脂の優れた特性と成形性に優れた性能を兼ね備
え、かつ、従来の芳香族ポリアミド樹脂組成物に較べ、
耐熱老化性、耐湿性に優れたポリアミド樹脂組成物を提
供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、ジカルボン酸成
分単位が、芳香族ジカルボン酸成分単位および脂肪族ジ
カルボン酸成分単位からなり、ジアミン成分単位が、芳
香族ジアミン成分単位および脂肪族ジアミン成分単位か
らなる特定の組成をもったポリアミド樹脂と変成ポリオ
レフィンおよび特定の種類と量の安定剤を組み合わせて
使用した組成物において、芳香族ポリアミド樹脂の優れ
た特性を保持させたまま、耐熱老化性に優れ、低吸水性
で特に耐湿性が改善されたポリアミド樹脂を提供するこ
とを見出し、遂に本発明を完成するに到った。
題を解決するために鋭意研究した結果、ジカルボン酸成
分単位が、芳香族ジカルボン酸成分単位および脂肪族ジ
カルボン酸成分単位からなり、ジアミン成分単位が、芳
香族ジアミン成分単位および脂肪族ジアミン成分単位か
らなる特定の組成をもったポリアミド樹脂と変成ポリオ
レフィンおよび特定の種類と量の安定剤を組み合わせて
使用した組成物において、芳香族ポリアミド樹脂の優れ
た特性を保持させたまま、耐熱老化性に優れ、低吸水性
で特に耐湿性が改善されたポリアミド樹脂を提供するこ
とを見出し、遂に本発明を完成するに到った。
【0007】即ち本発明は、[A]ジカルボン酸成分単
位が、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸か
らなり、ジアミン成分単位が芳香族ジアミンと脂肪族ジ
アミンからなるポリアミド樹脂であって、濃硫酸中20
℃で測定した相対粘度が1.5〜5.0であるポリアミ
ド樹脂95.5〜50重量部および[B]変成ポリオレ
フィン0.5〜50重量部の合計100重量部に対し、
[C]銅化合物0.01〜1重量部、[D]ハロゲン化
アルカリ金属化合物0.01〜5重量部および[E]有
機系安定剤0.05〜5重量部を含有することを特徴と
するポリアミド樹脂組成物である。
位が、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸か
らなり、ジアミン成分単位が芳香族ジアミンと脂肪族ジ
アミンからなるポリアミド樹脂であって、濃硫酸中20
℃で測定した相対粘度が1.5〜5.0であるポリアミ
ド樹脂95.5〜50重量部および[B]変成ポリオレ
フィン0.5〜50重量部の合計100重量部に対し、
[C]銅化合物0.01〜1重量部、[D]ハロゲン化
アルカリ金属化合物0.01〜5重量部および[E]有
機系安定剤0.05〜5重量部を含有することを特徴と
するポリアミド樹脂組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における[A]ポリアミド
樹脂はジカルボン酸成分単位(a)が芳香族ジカルボン
酸および脂肪族ジカルボン酸からなり、ジアミン成分単
位(b)が芳香族ジアミンおよび脂肪族ジアミンからな
っている。
樹脂はジカルボン酸成分単位(a)が芳香族ジカルボン
酸および脂肪族ジカルボン酸からなり、ジアミン成分単
位(b)が芳香族ジアミンおよび脂肪族ジアミンからな
っている。
【0009】ジカルボン酸成分単位(a)中の芳香族ジ
カルボン酸成分単位は、好ましくはテレフタル酸、イソ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群
より選ばれた1種以上の化合物の残基であり、更に好ま
しくはテレフタル酸残基である。ジカルボン酸成分単位
(a)中の脂肪族ジカルボン酸成分単位は、好ましくは
炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成分単位である。
脂肪族ジカルボン酸成分単位を導入するために用いられ
る脂肪族ジカルボン酸の例としては、たとえば、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジ
カルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、および、ドデカ
ンジカルボン酸およびダイマー酸等が挙げられ、これら
の中でもアジピン酸が特に好ましい。
カルボン酸成分単位は、好ましくはテレフタル酸、イソ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群
より選ばれた1種以上の化合物の残基であり、更に好ま
しくはテレフタル酸残基である。ジカルボン酸成分単位
(a)中の脂肪族ジカルボン酸成分単位は、好ましくは
炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸成分単位である。
脂肪族ジカルボン酸成分単位を導入するために用いられ
る脂肪族ジカルボン酸の例としては、たとえば、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジ
カルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、および、ドデカ
ンジカルボン酸およびダイマー酸等が挙げられ、これら
の中でもアジピン酸が特に好ましい。
【0010】前記[A]ポリアミド樹脂においては、ジ
カルボン酸成分単位100モル%中に、芳香族ジカルボ
ン酸成分単位が好ましくは30〜80モル%であり、さ
らに好ましくは40〜75モル%であり、脂肪族ジカル
ボン酸成分単位は好ましくは、20〜70モル%であ
り、好ましくは25〜60モル%である。ジカルボン酸
成分単位として、芳香族ジカルボン酸成分単位、好まし
くはテレフタル酸成分単位の含有量が80モル%より多
くなると可とう性が低下し、耐衝撃性、耐熱老化性が大
巾に低下するようになる。また、芳香族ジカルボン酸成
分単位、好ましくはテレフタル酸成分単位の含有量が3
0モル%より少なくなると結晶性が大巾に低下し、耐熱
性や耐水性などが大巾に低下するようになるので好まし
くない。
カルボン酸成分単位100モル%中に、芳香族ジカルボ
ン酸成分単位が好ましくは30〜80モル%であり、さ
らに好ましくは40〜75モル%であり、脂肪族ジカル
ボン酸成分単位は好ましくは、20〜70モル%であ
り、好ましくは25〜60モル%である。ジカルボン酸
成分単位として、芳香族ジカルボン酸成分単位、好まし
くはテレフタル酸成分単位の含有量が80モル%より多
くなると可とう性が低下し、耐衝撃性、耐熱老化性が大
巾に低下するようになる。また、芳香族ジカルボン酸成
分単位、好ましくはテレフタル酸成分単位の含有量が3
0モル%より少なくなると結晶性が大巾に低下し、耐熱
性や耐水性などが大巾に低下するようになるので好まし
くない。
【0011】またジアミン成分単位(b)中、芳香族ジ
アミン成分単位としては、パラキシリレンジアミン、メ
タキシリレンジアミン、オルトキシリレンジアミンが挙
げられるが、好ましくはメタキシリレンジアミンであ
る。ジアミン成分単位(b)中、脂肪族ジアミン成分単
位は、好ましくは炭素数が6〜18の脂肪族ジアミン成分
単位からなる。このような脂肪族ジアミン成分単位は直
鎖状のアルキレンジアミン成分単位であってもよいし、
分岐を有する鎖状のアルキレンジアミン成分単位であっ
てもよい。このような脂肪族系ジアミン成分単位として
は、具体的には、たとえば、1,6−ジアミノヘキサ
ン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオク
タン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデ
カン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジア
ミノドデカン等の直鎖状アルキレンジアミンから誘導さ
れる成分単位、および、1,4−ジアミノ−1,1−ジ
メチルブタン、1,4−ジアミノ−1−エチルブタン、
1,4−ジアミノ−1,2−ジメチルブタン、1,4−
ジアミノ−1,3−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ
−1,4−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−2,3
−ジメチルブタン、1,2−ジアミノ−1−ブチルエタ
ン、1,6−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサン、
1,6−ジアミノ−2,4−ジメチルヘキサン、1,6
−ジアミノ−3,3−ジメチルヘキサン、1,6−ジア
ミノ−2,2−ジメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−
2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−
2,4,4−トリメチルヘキサン、1,7−ジアミノ−
2,3−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−2,4
−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−2,5−ジメ
チルヘプタン、1,7−ジアミノ−2,2−ジメチルヘ
プタン、1,8−ジアミノ−1,3−ジメチルオクタ
ン、1,8−ジアミノ−1,4−ジメチルオクタン、
1,8−ジアミノ−2,4−ジメチルオクタン、1,8
−ジアミノ−3,4−ジメチルオクタン、1,8−ジア
ミノ−4,5−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−
2,2−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−3,3
−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−4,4−ジメ
チルオクタン、1,6−ジアミノ−2,4−ジエチルヘ
キサン、1,9−ジアミノ−5−メチルノナン等の分岐
を有する鎖状のアルキレンジアミンから誘導される成分
単位を挙げることができる。このような直鎖状あるいは
分岐を有する鎖状のアルキレンジアミン成分単位の内で
は、直鎖状のアルキレンジアミン成分単位が好ましく、
特に、1,6−ジアミノヘキサン成分単位が好ましい。
アミン成分単位としては、パラキシリレンジアミン、メ
タキシリレンジアミン、オルトキシリレンジアミンが挙
げられるが、好ましくはメタキシリレンジアミンであ
る。ジアミン成分単位(b)中、脂肪族ジアミン成分単
位は、好ましくは炭素数が6〜18の脂肪族ジアミン成分
単位からなる。このような脂肪族ジアミン成分単位は直
鎖状のアルキレンジアミン成分単位であってもよいし、
分岐を有する鎖状のアルキレンジアミン成分単位であっ
てもよい。このような脂肪族系ジアミン成分単位として
は、具体的には、たとえば、1,6−ジアミノヘキサ
ン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオク
タン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデ
カン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジア
ミノドデカン等の直鎖状アルキレンジアミンから誘導さ
れる成分単位、および、1,4−ジアミノ−1,1−ジ
メチルブタン、1,4−ジアミノ−1−エチルブタン、
1,4−ジアミノ−1,2−ジメチルブタン、1,4−
ジアミノ−1,3−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ
−1,4−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−2,3
−ジメチルブタン、1,2−ジアミノ−1−ブチルエタ
ン、1,6−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサン、
1,6−ジアミノ−2,4−ジメチルヘキサン、1,6
−ジアミノ−3,3−ジメチルヘキサン、1,6−ジア
ミノ−2,2−ジメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−
2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−
2,4,4−トリメチルヘキサン、1,7−ジアミノ−
2,3−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−2,4
−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−2,5−ジメ
チルヘプタン、1,7−ジアミノ−2,2−ジメチルヘ
プタン、1,8−ジアミノ−1,3−ジメチルオクタ
ン、1,8−ジアミノ−1,4−ジメチルオクタン、
1,8−ジアミノ−2,4−ジメチルオクタン、1,8
−ジアミノ−3,4−ジメチルオクタン、1,8−ジア
ミノ−4,5−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−
2,2−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−3,3
−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−4,4−ジメ
チルオクタン、1,6−ジアミノ−2,4−ジエチルヘ
キサン、1,9−ジアミノ−5−メチルノナン等の分岐
を有する鎖状のアルキレンジアミンから誘導される成分
単位を挙げることができる。このような直鎖状あるいは
分岐を有する鎖状のアルキレンジアミン成分単位の内で
は、直鎖状のアルキレンジアミン成分単位が好ましく、
特に、1,6−ジアミノヘキサン成分単位が好ましい。
【0012】本発明においてはジアミン成分単位100
モル%中に、芳香族ジアミン成分単位、好ましくはメタ
キシリレンジアミン成分単位が、好ましくは1〜60モ
ル%、さらに好ましくは5〜40モル%の量で含有され
る。脂肪族ジアミン成分単位、好ましくは炭素数が6〜
18の脂肪族ジアミン成分単位が、好ましくは40〜9
9モル%であり、好ましくは60〜95モル%の量で含
有されている。ジアミン成分単位として、芳香族ジアミ
ン成分単位、好ましくはメタキシリレンジアミン成分単
位の含有量が60モル%より多くなると、結晶性が低下
し、耐熱性が大巾に低下するようになる。また、芳香族
ジアミン成分単位、好ましくはメタキシリレンジアミン
成分単位の含有量が1モル%より少なくなると、ガラス
転移点温度が低下し、耐水性が低下するようになるので
好ましくない。
モル%中に、芳香族ジアミン成分単位、好ましくはメタ
キシリレンジアミン成分単位が、好ましくは1〜60モ
ル%、さらに好ましくは5〜40モル%の量で含有され
る。脂肪族ジアミン成分単位、好ましくは炭素数が6〜
18の脂肪族ジアミン成分単位が、好ましくは40〜9
9モル%であり、好ましくは60〜95モル%の量で含
有されている。ジアミン成分単位として、芳香族ジアミ
ン成分単位、好ましくはメタキシリレンジアミン成分単
位の含有量が60モル%より多くなると、結晶性が低下
し、耐熱性が大巾に低下するようになる。また、芳香族
ジアミン成分単位、好ましくはメタキシリレンジアミン
成分単位の含有量が1モル%より少なくなると、ガラス
転移点温度が低下し、耐水性が低下するようになるので
好ましくない。
【0013】本発明のポリアミド樹脂の重合度について
は、温度20℃の濃硫酸中で測定した相対粘度が1.5
〜5.0、好ましくは2.0〜4.0の範囲内にあるも
のが機械的性質の上で好ましい。相対粘度が1.5未満
の場合には前記ポリアミド樹脂の引張強度や曲げ強度な
どの機械的強度、耐衝撃性などの機械物性が低下するよ
うになる。また、相対粘度が5.0を越える場合には、
前記ポリアミド樹脂を射出成形、押出成形、ブロー成形
などによって最終製品にする際、成形加工が困難になる
ので好ましくない。
は、温度20℃の濃硫酸中で測定した相対粘度が1.5
〜5.0、好ましくは2.0〜4.0の範囲内にあるも
のが機械的性質の上で好ましい。相対粘度が1.5未満
の場合には前記ポリアミド樹脂の引張強度や曲げ強度な
どの機械的強度、耐衝撃性などの機械物性が低下するよ
うになる。また、相対粘度が5.0を越える場合には、
前記ポリアミド樹脂を射出成形、押出成形、ブロー成形
などによって最終製品にする際、成形加工が困難になる
ので好ましくない。
【0014】このようなポリアミド樹脂は、従来から公
知の方法を利用して製造することができる。具体的に
は、前記ポリアミド構成成分単位であるジカルボン酸と
ジアミンまたはその塩を水等の溶媒の存在下、または不
存在下に溶融重縮合させることでポリアミド樹脂を得る
ことができる。また、上記の溶融重縮合法を利用するこ
とによりオリゴマーを生成させた後、固相重合法を利用
して、さらに重縮合させることによってもポリアミド樹
脂を得ることができる。
知の方法を利用して製造することができる。具体的に
は、前記ポリアミド構成成分単位であるジカルボン酸と
ジアミンまたはその塩を水等の溶媒の存在下、または不
存在下に溶融重縮合させることでポリアミド樹脂を得る
ことができる。また、上記の溶融重縮合法を利用するこ
とによりオリゴマーを生成させた後、固相重合法を利用
して、さらに重縮合させることによってもポリアミド樹
脂を得ることができる。
【0015】本発明で用いられる[A]ポリアミド樹脂
は、必要に応じて、重合途中または重合後に末端封鎖剤
を添加しても良い。末端封鎖剤としてはポリアミドで一
般的に使用されるものを添加することができる。具体的
には、例えば、モノカルボン酸、酸無水物等があり、モ
ノカルボン酸としては酢酸、カプロン酸、ヘプタン酸、
オクタン酸、ペラルゴン酸、ステアリン酸、ラウリン
酸、安息香酸などがあり、酸無水物としては無水マレイ
ン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸などを挙げることができる
が、ポリアミドの着色がなく、末端封鎖剤の反応性が高
いことから、ヘキサヒドロ無水フタル酸が最も好まし
い。なお末端封鎖剤を添加することで、成形時のポリア
ミド樹脂の粘度増加を抑制することができ、また、ポリ
アミド樹脂のアミノ末端基を封鎖することで、成型時の
ポリアミド樹脂のゲル化を抑制することができる。
は、必要に応じて、重合途中または重合後に末端封鎖剤
を添加しても良い。末端封鎖剤としてはポリアミドで一
般的に使用されるものを添加することができる。具体的
には、例えば、モノカルボン酸、酸無水物等があり、モ
ノカルボン酸としては酢酸、カプロン酸、ヘプタン酸、
オクタン酸、ペラルゴン酸、ステアリン酸、ラウリン
酸、安息香酸などがあり、酸無水物としては無水マレイ
ン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸などを挙げることができる
が、ポリアミドの着色がなく、末端封鎖剤の反応性が高
いことから、ヘキサヒドロ無水フタル酸が最も好まし
い。なお末端封鎖剤を添加することで、成形時のポリア
ミド樹脂の粘度増加を抑制することができ、また、ポリ
アミド樹脂のアミノ末端基を封鎖することで、成型時の
ポリアミド樹脂のゲル化を抑制することができる。
【0016】本発明で用いられる[B]変成ポリオレフ
ィンとしては、ポリオレフィンをα,β−不飽和カルボ
ン酸あるいはそのエステル、金属塩誘導体で共重合によ
り改質したもの、カルボン酸または酸無水物などをポリ
オレフィンにグラフト共重合またはランダム共重合して
改質したものが使用できる。これらのポリオレフィンの
具体的な例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・エチルアク
リレート共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エ
チレン・4−メチルー1−ペンテン共重合体、エチレン
・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重
合体、エチレン・1−デセン共重合体、プロピレン・1
−ブテン共重合体、プロピレン・4−メチルー1−ペン
テン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合体、プ
ロピレン・1−オクテン共重合体、プロピレン・1−デ
セン共重合体、プロピレン・1−ドデセン共重合体、エ
チレン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体、
エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合
体、エチレン・1−ブテン・1,4−ヘキサジエン共重
合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン共重合体などを挙げることができる。
ィンとしては、ポリオレフィンをα,β−不飽和カルボ
ン酸あるいはそのエステル、金属塩誘導体で共重合によ
り改質したもの、カルボン酸または酸無水物などをポリ
オレフィンにグラフト共重合またはランダム共重合して
改質したものが使用できる。これらのポリオレフィンの
具体的な例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・エチルアク
リレート共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エ
チレン・4−メチルー1−ペンテン共重合体、エチレン
・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重
合体、エチレン・1−デセン共重合体、プロピレン・1
−ブテン共重合体、プロピレン・4−メチルー1−ペン
テン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合体、プ
ロピレン・1−オクテン共重合体、プロピレン・1−デ
セン共重合体、プロピレン・1−ドデセン共重合体、エ
チレン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体、
エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合
体、エチレン・1−ブテン・1,4−ヘキサジエン共重
合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン共重合体などを挙げることができる。
【0017】次に本発明ポリアミド樹脂組成物において
配合される[C]銅化合物の具体的な例としては、塩化
第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、塩化第二銅、臭化
第二銅、ヨウ化第二銅、リン酸第二銅、ピロリン酸第二
銅、硫化銅、硝酸銅、酢酸銅などの有機カルボン酸の銅
塩などを用いることができる。これらの銅化合物は1種
単独で、或いは2種以上混合して使用してもよい。ま
た、これらの銅化合物は、前記ポリアミド樹脂および変
成ポリオレフィンの合計量100重量部に対して0.0
1〜1重量部、好ましくは0.02〜0.5重量部であ
る。
配合される[C]銅化合物の具体的な例としては、塩化
第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、塩化第二銅、臭化
第二銅、ヨウ化第二銅、リン酸第二銅、ピロリン酸第二
銅、硫化銅、硝酸銅、酢酸銅などの有機カルボン酸の銅
塩などを用いることができる。これらの銅化合物は1種
単独で、或いは2種以上混合して使用してもよい。ま
た、これらの銅化合物は、前記ポリアミド樹脂および変
成ポリオレフィンの合計量100重量部に対して0.0
1〜1重量部、好ましくは0.02〜0.5重量部であ
る。
【0018】本発明ポリアミド樹脂組成物において配合
される[D]ハロゲン化アルカリ金属化合物の具体的な
例としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチ
ウム、フッ化リチウム、塩化ナトリウム、ヨウ化ナトリ
ウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、
フッ化カリウムなどが挙げられる。これらのうち、特に
ヨウ化カリウムが好ましい。これらのハロゲン化アルカ
リ金属化合物は1種単独で、或いは2種以上混合して使
用してもよい。また、これらのハロゲン化アルカリ金属
化合物は、前記ポリアミド樹脂および変成ポリオレフィ
ンの合計量100重量部に対して0.01〜5重量部、
好ましくは0.02〜2重量部であり、かつ前記銅化合
物100重量部に対して100〜1000重量部の範囲
で使用するのが好ましい。
される[D]ハロゲン化アルカリ金属化合物の具体的な
例としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチ
ウム、フッ化リチウム、塩化ナトリウム、ヨウ化ナトリ
ウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、
フッ化カリウムなどが挙げられる。これらのうち、特に
ヨウ化カリウムが好ましい。これらのハロゲン化アルカ
リ金属化合物は1種単独で、或いは2種以上混合して使
用してもよい。また、これらのハロゲン化アルカリ金属
化合物は、前記ポリアミド樹脂および変成ポリオレフィ
ンの合計量100重量部に対して0.01〜5重量部、
好ましくは0.02〜2重量部であり、かつ前記銅化合
物100重量部に対して100〜1000重量部の範囲
で使用するのが好ましい。
【0019】さらに、本発明ポリアミド樹脂組成物にお
いて配合される[E]有機系安定剤の具体的な例として
は、従来公知のフェノール系安定剤、アミン系安定剤、
チオエーテル系安定剤、リン系安定剤などを挙げること
ができる。これらの有機系安定剤は1種単独で、或いは
2種以上混合して使用することが可能であるが、特にフ
ェノール系安定剤とチオエーテル系安定剤、リン系安定
剤の組み合わせ、或いはアミン系安定剤とチオエーテル
系安定剤、リン系安定剤の組み合わせで使用したときに
効果が大きい。これらの有機系安定剤は、前記ポリアミ
ド樹脂および変成ポリオレフィンの合計量100重量部
に対して0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重
量部の範囲で使用するのが好ましい。
いて配合される[E]有機系安定剤の具体的な例として
は、従来公知のフェノール系安定剤、アミン系安定剤、
チオエーテル系安定剤、リン系安定剤などを挙げること
ができる。これらの有機系安定剤は1種単独で、或いは
2種以上混合して使用することが可能であるが、特にフ
ェノール系安定剤とチオエーテル系安定剤、リン系安定
剤の組み合わせ、或いはアミン系安定剤とチオエーテル
系安定剤、リン系安定剤の組み合わせで使用したときに
効果が大きい。これらの有機系安定剤は、前記ポリアミ
ド樹脂および変成ポリオレフィンの合計量100重量部
に対して0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重
量部の範囲で使用するのが好ましい。
【0020】本発明ポリアミド樹脂組成物には、機械的
強度、物性などを向上させるため、前記以外に必要に応
じて種々の充填剤を配合することができる。充填剤とし
ては粉末、繊維状などの化合物であり、具体的には、シ
リカ、アルミナ、タルク、カオリン、石英、ガラス、マ
イカ、グラファイトなどの粉末状の無機系化合物、ガラ
ス繊維、カーボン繊維、セラミック繊維、石綿繊維など
の繊維状無機化合物などがあり、これらの2種以上を混
合して使用することもできる。また、これら充填剤は通
常の方法により、混練機、押出機などを用いて、配合、
溶融混練りすることができ、ポリアミド樹脂100重量
部に対して5〜150重量部の充填剤を含有させること
ができる。充填剤の量が5重量部未満であると、ポリア
ミド樹脂組成物の熱変形温度、高温剛性等の機械特性が
低くなり、強化効果が発揮できないし、150重量部よ
り多くしても機械的特性の向上はほとんどなく、成形加
工性が悪くなるので好ましくない。
強度、物性などを向上させるため、前記以外に必要に応
じて種々の充填剤を配合することができる。充填剤とし
ては粉末、繊維状などの化合物であり、具体的には、シ
リカ、アルミナ、タルク、カオリン、石英、ガラス、マ
イカ、グラファイトなどの粉末状の無機系化合物、ガラ
ス繊維、カーボン繊維、セラミック繊維、石綿繊維など
の繊維状無機化合物などがあり、これらの2種以上を混
合して使用することもできる。また、これら充填剤は通
常の方法により、混練機、押出機などを用いて、配合、
溶融混練りすることができ、ポリアミド樹脂100重量
部に対して5〜150重量部の充填剤を含有させること
ができる。充填剤の量が5重量部未満であると、ポリア
ミド樹脂組成物の熱変形温度、高温剛性等の機械特性が
低くなり、強化効果が発揮できないし、150重量部よ
り多くしても機械的特性の向上はほとんどなく、成形加
工性が悪くなるので好ましくない。
【0021】また、本発明ポリアミド樹脂組成物には、
必要に応じて耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
光安定剤、可塑剤、滑剤、結晶核剤、帯電防止剤、難燃
剤、顔料、染料あるいは他種ポリマーなども添加するこ
とができる。
必要に応じて耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
光安定剤、可塑剤、滑剤、結晶核剤、帯電防止剤、難燃
剤、顔料、染料あるいは他種ポリマーなども添加するこ
とができる。
【0022】本発明ポリアミド樹脂組成物における上記
成分の配合方法としては、重縮合反応時に添加するか、
あるいはドライブレンドする方法、押出機を用いた溶融
混練時に配合する方法が挙げられる。
成分の配合方法としては、重縮合反応時に添加するか、
あるいはドライブレンドする方法、押出機を用いた溶融
混練時に配合する方法が挙げられる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限され
るものではない。また、以下の実施例、比較例において
示した各特性、物性値は、下記の試験方法で測定した。 (1)吸水率:長さ126mm、巾12.6mm、厚さ
1.6mmの試験片を35℃95%RHの恒温恒湿器中
で135時間処理し、下記式により吸水率を求めた。 吸水率(%)=(135時間処理後の重量−初期重量)
/初期重量×100 (2)耐熱老化性:射出成形した絶乾状態のJIS2号
ダンベル片を150℃のギヤオーブン中で7日間処理し
た後、ASTM D−638に準じて引張強伸度を測定
した。耐熱老化性の指標として、処理前の引張強伸度に
対する保持率(%)を求めた。 (3)曲げ強度:ASTM D−790に準じて測定し
た。 (4)曲げ弾性率:ASTM D−790に準じて測定
した。 (5)耐衝撃強度:ASTM D−256に準じて測定
した。
説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限され
るものではない。また、以下の実施例、比較例において
示した各特性、物性値は、下記の試験方法で測定した。 (1)吸水率:長さ126mm、巾12.6mm、厚さ
1.6mmの試験片を35℃95%RHの恒温恒湿器中
で135時間処理し、下記式により吸水率を求めた。 吸水率(%)=(135時間処理後の重量−初期重量)
/初期重量×100 (2)耐熱老化性:射出成形した絶乾状態のJIS2号
ダンベル片を150℃のギヤオーブン中で7日間処理し
た後、ASTM D−638に準じて引張強伸度を測定
した。耐熱老化性の指標として、処理前の引張強伸度に
対する保持率(%)を求めた。 (3)曲げ強度:ASTM D−790に準じて測定し
た。 (4)曲げ弾性率:ASTM D−790に準じて測定
した。 (5)耐衝撃強度:ASTM D−256に準じて測定
した。
【0024】参考例1 1,6−ジアミノヘキサン10.091kg、メタキシ
リレンジアミン1.460kg、テレフタル酸9.88
0kg、アジピン酸5.561g、および触媒として次
亜燐酸ナトリウム24g、さらにイオン交換水12.4
99kgを50Lの回分式のタンクに仕込み、缶内を窒
素置換後、135℃、2.5kg/cm 2で均一に攪
拌、溶解させた。溶解液を送液ポンプで加熱配管(長さ
4m、管径20mmのパイプ)に8L/hrの供給量で
送液し、内液温度を240℃、次工程の蒸発缶の水蒸気
圧力と同一の圧力35kg/cm2となるよう窒素ボン
ベにより加圧した。その後、蒸発缶(加圧反応缶)に反
応混合物が供給され、ここで285℃まで加熱され、3
5kg/cm2を維持するように調圧しながら水抜きを
した。この加圧反応缶の滞留時間は1hr程度である。
この加圧反応缶で相対粘度1.1〜1.3のオリゴマー
が得られた。その後、溶融状態でこのオリゴマーを供給
量4.7kg/hrでL/D60、スクリュー径37m
mの二軸押出機(バレル設定温度は300〜330℃、
スクリュー回転数100rpm)に供給し、さらに重合
を進める。また、二軸押出機の途中に末端封鎖剤として
ヘキサヒドロ無水フタル酸を添加し、粘度調整をし、相
対粘度2.33のポリアミド樹脂を得た。これらの重合
プロセスは連続式で行った。得られたポリアミド樹脂の
融点は298℃、ガラス転移点温度は100℃、結晶化
温度は127℃であった。
リレンジアミン1.460kg、テレフタル酸9.88
0kg、アジピン酸5.561g、および触媒として次
亜燐酸ナトリウム24g、さらにイオン交換水12.4
99kgを50Lの回分式のタンクに仕込み、缶内を窒
素置換後、135℃、2.5kg/cm 2で均一に攪
拌、溶解させた。溶解液を送液ポンプで加熱配管(長さ
4m、管径20mmのパイプ)に8L/hrの供給量で
送液し、内液温度を240℃、次工程の蒸発缶の水蒸気
圧力と同一の圧力35kg/cm2となるよう窒素ボン
ベにより加圧した。その後、蒸発缶(加圧反応缶)に反
応混合物が供給され、ここで285℃まで加熱され、3
5kg/cm2を維持するように調圧しながら水抜きを
した。この加圧反応缶の滞留時間は1hr程度である。
この加圧反応缶で相対粘度1.1〜1.3のオリゴマー
が得られた。その後、溶融状態でこのオリゴマーを供給
量4.7kg/hrでL/D60、スクリュー径37m
mの二軸押出機(バレル設定温度は300〜330℃、
スクリュー回転数100rpm)に供給し、さらに重合
を進める。また、二軸押出機の途中に末端封鎖剤として
ヘキサヒドロ無水フタル酸を添加し、粘度調整をし、相
対粘度2.33のポリアミド樹脂を得た。これらの重合
プロセスは連続式で行った。得られたポリアミド樹脂の
融点は298℃、ガラス転移点温度は100℃、結晶化
温度は127℃であった。
【0025】実施例1 参考例1で得られたポリアミド樹脂のペレットを100
℃の熱風乾燥機にて5時間乾燥した後、表2に記載の変
成ポリオレフィン、銅化合物、ハロゲン化アルカリ金属
化合物および有機系安定剤を所定量ドライブレンドし、
二軸押出機(スクリュー径=40mm、L/D=22、
シリンダー温度=300〜320℃、スクリュー回転数
=70rpm)を用いて溶融混練し、ペレット化した。
得られたペレットを100℃の熱風乾燥機にて5時間乾
燥した後、射出成型機(東芝機械(株) IS100)に
てシリンダー温度320℃でテストピースを成形し、評
価に供した。その結果を表2に示す。
℃の熱風乾燥機にて5時間乾燥した後、表2に記載の変
成ポリオレフィン、銅化合物、ハロゲン化アルカリ金属
化合物および有機系安定剤を所定量ドライブレンドし、
二軸押出機(スクリュー径=40mm、L/D=22、
シリンダー温度=300〜320℃、スクリュー回転数
=70rpm)を用いて溶融混練し、ペレット化した。
得られたペレットを100℃の熱風乾燥機にて5時間乾
燥した後、射出成型機(東芝機械(株) IS100)に
てシリンダー温度320℃でテストピースを成形し、評
価に供した。その結果を表2に示す。
【0026】参考例2〜4 参考例1において、ジカルボン酸成分単位のモル比、ジ
アミン成分単位のモル比を表1記載のように代えた以外
は全て参考例1と同様にポリアミド樹脂を重合した。そ
の重合結果を表1に示す。
アミン成分単位のモル比を表1記載のように代えた以外
は全て参考例1と同様にポリアミド樹脂を重合した。そ
の重合結果を表1に示す。
【0027】実施例2〜4、比較例1〜2 参考例2〜4で得られたポリアミド樹脂は、実施例1と
同様、表2に記載の変成ポリオレフィン、銅化合物、ハ
ロゲン化アルカリ金属化合物および有機系安定剤と溶融
混練実施後、射出成型機にてテストピースを成形し、評
価に供した。その結果を表2に併せて示す。
同様、表2に記載の変成ポリオレフィン、銅化合物、ハ
ロゲン化アルカリ金属化合物および有機系安定剤と溶融
混練実施後、射出成型機にてテストピースを成形し、評
価に供した。その結果を表2に併せて示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】以上、表2より明らかなように、本発明
のポリアミド樹脂組成物は、ジカルボン酸成分単位が芳
香族ジカルボン酸成分単位および脂肪族ジカルボン酸成
分単位からなり、ジアミン成分単位が芳香族ジアミン成
分単位および脂肪族ジアミン成分単位からなる、特定の
組成をもったポリアミド樹脂と変成ポリオレフィンおよ
び特定の種類と量の安定剤を組み合わせて使用した組成
物であって、従来の芳香族ポリアミド樹脂の優れた特性
を保持させたまま、耐熱老化性に優れ、低吸水性で特に
耐湿性を改善したポリアミド樹脂組成物を提供すること
ができる。このような優れた性能を有する本発明のポリ
アミド樹脂組成物は、自動車用途、電気・電子部品用途
等エンジニアリングプラスチック用途に好適に使用する
ことができるので産業界に寄与すること大である。
のポリアミド樹脂組成物は、ジカルボン酸成分単位が芳
香族ジカルボン酸成分単位および脂肪族ジカルボン酸成
分単位からなり、ジアミン成分単位が芳香族ジアミン成
分単位および脂肪族ジアミン成分単位からなる、特定の
組成をもったポリアミド樹脂と変成ポリオレフィンおよ
び特定の種類と量の安定剤を組み合わせて使用した組成
物であって、従来の芳香族ポリアミド樹脂の優れた特性
を保持させたまま、耐熱老化性に優れ、低吸水性で特に
耐湿性を改善したポリアミド樹脂組成物を提供すること
ができる。このような優れた性能を有する本発明のポリ
アミド樹脂組成物は、自動車用途、電気・電子部品用途
等エンジニアリングプラスチック用途に好適に使用する
ことができるので産業界に寄与すること大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB042 BB142 BB202 BB232 BN032 BN052 CL031 DD037 DD057 DD076 DD086 DD087 DF036 DG026 DH046 DH056 EG046 FD010 FD036 FD037 FD038 GN00 GQ00
Claims (4)
- 【請求項1】[A]ジカルボン酸成分単位が、芳香族ジ
カルボン酸および脂肪族ジカルボン酸からなり、ジアミ
ン成分単位が芳香族ジアミンと脂肪族ジアミンからなる
ポリアミド樹脂であって、濃硫酸中20℃で測定した相
対粘度が1.5〜5.0であるポリアミド樹脂95.5
〜50重量部および[B]変成ポリオレフィン0.5〜
50重量部の合計100重量部に対し、[C]銅化合物
0.01〜1重量部、[D]ハロゲン化アルカリ金属化
合物0.01〜5重量部および[E]有機系安定剤0.
05〜5重量部を含有することを特徴とするポリアミド
樹脂組成物。 - 【請求項2】ポリアミド樹脂を構成する芳香族ジアミン
成分が、キシリレンジアミンである請求項1記載のポリ
アミド樹脂組成物。 - 【請求項3】ポリアミド樹脂を構成する芳香族ジカルボ
ン酸成分が、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸よりなる群から選ばれた1種以上
の化合物である請求項1、2記載のポリアミド樹脂組成
物。 - 【請求項4】 ポリアミド樹脂を構成する脂肪族ジカル
ボン酸成分が炭素数4〜12であり、脂肪族ジアミン成
分が炭素数6〜18である請求項1、2、3記載のポリ
アミド樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11132824A JP2000319508A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | ポリアミド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11132824A JP2000319508A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | ポリアミド樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000319508A true JP2000319508A (ja) | 2000-11-21 |
Family
ID=15090420
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11132824A Pending JP2000319508A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | ポリアミド樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000319508A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010147097A1 (ja) * | 2009-06-15 | 2010-12-23 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 酸素吸収樹脂組成物 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH037761A (ja) * | 1989-03-17 | 1991-01-14 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | プラスチック組成物 |
JPH03281532A (ja) * | 1990-03-29 | 1991-12-12 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | ポリアミド樹脂組成物 |
JPH03290431A (ja) * | 1989-12-21 | 1991-12-20 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | ポリアミド系樹脂組成物の製造方法 |
JPH07252357A (ja) * | 1994-02-10 | 1995-10-03 | Basf Ag | 部分芳香性で部分結晶性熱可塑性ポリアミド成形材料 |
JPH0848867A (ja) * | 1994-08-05 | 1996-02-20 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 耐熱樹脂組成物 |
JPH08503274A (ja) * | 1993-09-16 | 1996-04-09 | アモコ・コーポレーション | 安定化されたポリアミド繊維 |
JPH08245876A (ja) * | 1995-03-10 | 1996-09-24 | Nippon G Ii Plast Kk | ポリアミド系樹脂組成物 |
JPH09104750A (ja) * | 1995-10-11 | 1997-04-22 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 共重合ポリアミド |
-
1999
- 1999-05-13 JP JP11132824A patent/JP2000319508A/ja active Pending
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH037761A (ja) * | 1989-03-17 | 1991-01-14 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | プラスチック組成物 |
JPH03290431A (ja) * | 1989-12-21 | 1991-12-20 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | ポリアミド系樹脂組成物の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010147097A1 (ja) * | 2009-06-15 | 2010-12-23 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 酸素吸収樹脂組成物 |
US9260596B2 (en) | 2009-06-15 | 2016-02-16 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Oxygen-absorbing resin composition |
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