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JP2000304968A - フェルール及び光ファイバの端部処理方法 - Google Patents

フェルール及び光ファイバの端部処理方法

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JP2000304968A
JP2000304968A JP11111731A JP11173199A JP2000304968A JP 2000304968 A JP2000304968 A JP 2000304968A JP 11111731 A JP11111731 A JP 11111731A JP 11173199 A JP11173199 A JP 11173199A JP 2000304968 A JP2000304968 A JP 2000304968A
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optical fiber
core wire
ferrule
coating
holding portion
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Yazaki Corp
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバの端部処理を容易にし、以てはコ
スト低減と品質管理及び生産性の向上とを図ることがで
きるフェルール及び光ファイバの端部処理方法を提供す
る。 【解決手段】 フェルール22は、光ファイバ21の芯
線23を受け入れる合成樹脂製の芯線保持部27と、そ
の芯線保持部27に連成されて保護被覆24のいずれか
の層の外周に位置する被覆保持部28と、被覆保持部2
8に一体成形されるとともにむき出しとなる被覆加締め
部34を有し、光ファイバ21の挿入後に被覆加締め部
34を加締めることで前記いずれかの層が芯線23に向
けて圧縮され光ファイバ21との固定がなし得られる金
属製の筒部材29と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芯線を一層又は複
数層の保護被覆で被覆し、端部においてその保護被覆を
除去した光ファイバが挿入されるフェルール、及び、そ
のフェルールを用いて行われる光ファイバの端部に対す
る光ファイバの端部処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバ同士の接続、又は、受
光・発光素子と光ファイバとの接続の際には、光ファイ
バの端部にフェルールを接着固定するようになってい
た。
【0003】以下、図面を参照しながらもう少し詳しく
説明すると、図16は特開平9−90163号公報(出
願番号:特願平7−243452号 出願日:平成7年
9月21日 出願人:東レ株式会社)に開示された光フ
ァイバ及びフェルールの接着固定状態における断面図を
示している。
【0004】引用符号1で示されるフェルールは、小径
部2及び大径部3から成る内外ともに段付きの円筒状に
形成されている。大径部3の外周には、フランジ部4が
周設されており、光コネクタハウジング(不図示)に装
着される図示しないスプリングの付勢力を受けることが
できるようになっている。
【0005】また、引用符号5は光ファイバ(POF)
を示しており、芯線6が二層の保護被覆で被覆されてい
る。芯線6に密着している保護被覆は、一次シース7で
あり、その外側に二次シース8が配設されている。
【0006】フェルール1の小径部2の内周部分は、光
ファイバ5の芯線6の径よりも若干大きく形成されてお
り、また、大径部3の内周部分も二次シース8の外径よ
り若干大きく形成されている。
【0007】上記構成において、光ファイバ5は、図1
6に示される如く、端部における保護被覆が除去される
とともに、その端部を含んで接着剤(上記開示技術にお
いては二液混合型エポキシ樹脂接着剤)が塗布され、フ
ェルール1に挿入されるようになっている。そして、所
定の温度で所定時間、加熱硬化させると、光ファイバ5
とフェルール1とが十分な固着力を有して接着固定され
るようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術に用いられている二液混合型エポキシ樹脂接着剤は、
固着力に富むものの、その接着剤を用いることで、光フ
ァイバ5の端部処理における作業工程が、接着剤塗布→
光ファイバの挿入→過剰量の接着剤の拭き取り→接着剤
の加熱硬化→…となって多くの作業工程を必要としてお
り、その結果、コスト面に多大なる影響を来していた。
【0009】また、二液の混合比を常に一定にしないと
固着強度にバラツキを生じさせてしまうため、品質管理
が煩雑になるとともにその品質管理に非常に重大な影響
を来してしまう恐れがあった。
【0010】さらに、例えば100゜C・1時間加熱の
ような条件を満たして接着剤の加熱硬化をさせる際に
は、それなりの大きさの加熱装置を必要とすることか
ら、十分な広さの作業スペースを確保しなければならな
かった(作業スペースに制約があれば、一回当たりの加
熱硬化処理数が少なくなることから当然に生産性が低下
することになる)。
【0011】本発明は、上述した事情に鑑みてなされる
もので、光ファイバの端部処理を容易にし、以てはコス
ト低減と品質管理及び生産性の向上とを図ることができ
るフェルール及び光ファイバの端部処理方法を提供する
ことを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
なされた請求項1記載の本発明のフェルールは、芯線を
一層又は複数層の保護被覆で被覆し、端部において該保
護被覆を除去した光ファイバが挿入されるフェルールで
あって、前記光ファイバの前記芯線を受け入れる合成樹
脂製の芯線保持部と、該芯線保持部に連成されて前記保
護被覆のいずれかの層の外周に位置する被覆保持部と、
該被覆保持部に一体成形又は圧入されるとともにむき出
しとなる被覆加締め部を有し、前記光ファイバの挿入後
に前記被覆加締め部を加締めることで前記いずれかの層
が前記芯線に向けて圧縮され前記光ファイバとの固定が
なし得られる金属製略円筒状の筒部材と、を備えたこと
を特徴としている。
【0013】請求項2記載の本発明のフェルールは、請
求項1に記載のフェルールにおいて、前記被覆保持部の
延在方向に対する略中央に前記被覆加締め部が位置する
ことを特徴としている。
【0014】請求項3記載の本発明のフェルールは、請
求項1又は請求項2に記載のフェルールにおいて、前記
被覆保持部の前記外周よりも前記芯線側となる内方に前
記被覆加締め部が配置されることを特徴としている。
【0015】上記課題を解決するためなされた請求項4
記載の本発明の光ファイバの端部処理方法は、請求項1
ないし請求項3いずれか記載のフェルールを用いて行わ
れる光ファイバの端部に対する端部処理方法であって、
前記端部において前記保護被覆を除去した光ファイバを
前記フェルールに挿入するとともに、前記芯線を前記芯
線保持部の内部から外部へ突出させるフェルール挿入工
程と、前記被覆加締め部を加締めて前記フェルールと前
記光ファイバとの固定をなし得る加締め工程と、前記芯
線保持部から突出させた前記芯線を切断又は研磨するこ
とにより前記芯線を前記芯線保持部の端面に一致させる
芯線処理工程と、を順に行うことによって前記光ファイ
バの前記端部を処理することを特徴としている。
【0016】請求項1に記載された本発明によれば、接
着剤を用いなくても光ファイバとフェルールの固着がな
し得られることになる。即ち、保護被覆を除去した光フ
ァイバをその端部からフェルールに挿入して被覆加締め
部を加締めれば、被覆加締め部が保護被覆のいずれかの
層を芯線に向けて圧縮することができ、その結果、上記
固着がなし得られることになる。固着力は加締めを施し
たりする箇所や面積を増減させれば容易に変更すること
が可能である。尚、仮に光ファイバに対して外力が加わ
っても、加締められた被覆加締め部が上記いずれかの層
に引っかかるようになることから、固着力の低下や光フ
ァイバがフェルールから抜け落ちてしまうようなことは
ない。一方、被覆加締め部はむき出しとなっていること
から、加締めの際の位置出しが容易である。またこれに
より、加締め位置にバラツキが生じることはないから、
その加締めを常に安定させることができる。つまり、固
着力を常に一定に維持することができる。他方、フェル
ールは予め別工程で生産することができるから、光ファ
イバとの固定における作業性に何ら影響を来すことはな
い。また、加締めには広い作業スペースを要しないこと
から、製造現場のレイアウト変更にまで至ってしまうよ
うな事態を引き起こすことはない。さらに、芯線保持部
は合成樹脂製であることから、例えば光コネクタハウジ
ングに装着したり、レセプタクルに嵌合させたりして
も、その装着等の際に光コネクタハウジング等を損傷さ
せてしまうようなことはない。従って、以上のことか
ら、光ファイバの端部処理を容易にし、以てはコスト低
減と品質管理及び生産性の向上とを図ることができるフ
ェルールを提供することができる。
【0017】請求項2に記載された本発明によれば、加
締め位置を一定にすることができるのは勿論のこと、加
締め後の形状をより一定な形状にすることができる。
尚、加締め後の形状が一定であれば、例えば光コネクタ
ハウジングへ装着した際に、ハウジングに対するフェル
ールのガタが一定になることから、当然にそのハウジン
グを用いて構成される光コネクタの設計が容易となると
言う利点がある。
【0018】請求項3に記載された本発明によれば、加
締められた被覆加締め部が被覆保持部よりも外方へ、は
み出し難くなる。これにより、例えば加締め後の工程に
おいて、治具等にセットするような場合があってもその
セットを阻害してしまうようなことはない。また、光コ
ネクタハウジングへ装着するような場合であっても同様
である。従って、品質管理と生産性の向上を図ることが
できる。尚、上記配置により、被覆保持部と被覆加締め
部との間に段差を設けることができるようになることか
ら、その段差部分を用いて光コネクタハウジングに設け
られた係止部材と係合させることができる。これによ
り、光コネクタハウジングに装着した後の抜けを防止す
ることができる。
【0019】請求項4に記載された本発明によれば、フ
ェルールと光ファイバとを固着させるために接着剤を使
用する必要がないことから、容易に光ファイバの端部処
理を行うことができる。即ち、接着剤による固着では、
特に接着剤の加熱硬化に時間が掛かることから、上記の
端部処理方法を採用することで、その加熱硬化の工数を
削減することができ、その結果、端部処理が非常に容易
となる。また、当然に接着剤の混合比を一々管理する必
要もない。さらには、作業スペースの確保も容易であ
る。従って、以上のことから、光ファイバの端部処理を
容易にし、以てはコスト低減と品質管理及び生産性の向
上とを図ることができる光ファイバの端部処理方法を提
供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施の形態を説明する。図1は本発明のフェルールの一
実施の形態を示す斜視図である。また、図2は図1のフ
ェルールの断面図、図3はフェルールに光ファイバを挿
入した状態の斜視図、図4は図3の状態の断面図、図5
は図3の状態から被覆加締め部を加締めた状態の斜視
図、図6は図5の状態の断面図、図7は図5の状態から
芯線を芯線保持部の端面に一致させた状態の斜視図、図
8は光コネクタハウジングに装着した際の断面図を示し
ている。
【0021】図1において、引用符号21は光ファイ
バ、22はその光ファイバ21が挿入されるフェルール
を示している。先ず、光ファイバ21の構成を説明する
と、光ファイバ21は、コア及びクラッドから成る芯線
23と、その芯線23を被覆する合成樹脂製の保護被覆
24とから成り、端部においてその保護被覆24が所定
長さで除去されている。
【0022】保護被覆24は、芯線23に密着する一次
シース25とその一次シース25の外側に配設される二
次シース26とで構成されており(本形態では二層に構
成されているが一層等でもよく、限定するものではな
い)、図1に示される如く、段付きに皮剥きされてい
る。
【0023】フェルール22は、図1及び図2に示され
る如く、光ファイバ21の芯線23(図1参照)を受け
入れる合成樹脂製(例えばPPS(ポリフェニレンスル
フィド)のような成形精度の高い合成樹脂が好ましい)
の芯線保持部27と、その芯線保持部27に連成されて
一次シース25(図1参照)の外周に位置する被覆保持
部28と、その被覆保持部28に一体成形される金属製
(例えばアルミニウムのような柔らかい金属が好まし
い)の筒部材29とを備えて構成されており、筒部材2
9を加締めることでフェルール22及び光ファイバ21
(図1参照)の固着がなされるようになっている。
【0024】また、フェルール22は、芯線保持部27
及び被覆保持部28により段付きに成形されており、小
径の芯線保持部27には、芯線23の直径にほぼ等しい
径の芯線挿通孔30が形成され、大径の被覆保持部28
には、一次シース25(図1参照)の直径にほぼ等しい
径の被覆挿通孔31(図2参照)が形成されている。
【0025】芯線保持部27と被覆保持部28との間に
は、テーパ部32(図2参照)が形成されており、一次
シース25の端面25a(図1参照)が当接するように
なっている。
【0026】被覆保持部28には、その中間に筒部材2
9に対する窓33、33が形成されており、筒部材29
が外部に対して部分的にむき出しとなっている。窓33
は、例えば加締め箇所に応じて形成されるようになって
いる。尚、窓33を介してむき出しとなった部分は、筒
部材29の被覆加締め部34を示している。
【0027】次に、光ファイバ21の端部処理方法につ
いて説明すると、光ファイバ21の端部は、フェルール
挿入工程と加締め工程と芯線処理工程とを順に行うこと
によって処理されるようになっている。尚、フェルール
22は予め別工程で製造されるものとする。
【0028】フェルール挿入工程:光ファイバ21の端
部を図1の矢線方向に沿ってフェルール22に挿入す
る。芯線23が被覆挿通孔31(図2参照)を通過し、
芯線保持部27に挿入されると、一次シース25が被覆
挿通孔31(図2参照)に挿入される。光ファイバ21
は、一次シース25の端面25aがテーパ部32(図2
参照)に当接するまでフェルール22に押し込まれる。
光ファイバ21がフェルール22に完全に押し込まれ挿
入が完了すると、図3及び図4に示される如く、芯線2
3が芯線保持部27の端面27aから突出した状態にな
る。
【0029】加締め工程:上記状態から図示しない加締
め装置にセットし、窓33、33を介してむき出しとな
る被覆加締め部34、34を加締める。加締め部分34
a、34aは、図5及び図6に示される如く窪み(図5
は一方のみ図示)、一次シース25を芯線23に向けて
圧縮する。尚、仮に光ファイバ21に外力が加わった際
には、矢線B(図6参照)で示される加締め部分34a
のエッジが一次シース25に引っかかるようになること
から、固着力の低下や容易に抜け落ちてしまうことはな
い。
【0030】芯線処理工程:加締め後図示しない保持具
にセットし直し、図7に示される如く、芯線保持部27
から突出する芯線23を切断又は研磨する。芯線23は
芯線保持部27の端面27aに一致するように処理され
る。また、芯線23の端面23aの乱反射等を防ぎ、端
面23aでの光損失の低減が図られる。
【0031】続いて、光ファイバ21の端部処理後につ
いて説明すると、その端部処理のなされた光ファイバ2
1は、例えば図8に示される如く、光コネクタハウジン
グ35に装着されるようになっている。中空の光コネク
タハウジング35には、芯線保持部27に対する突き当
て部36と、フェルール22を係止するランス37とが
形成されている。ランス37は、被覆保持部28と筒部
材29とで形成された段差部分に係合するようになって
いる。光コネクタハウジング35の前端側の開口部分に
は、図示しないレセプタクルが嵌合し、後端側には、引
用符号38で示されるキャップが冠着するようになって
いる。
【0032】以上、図1ないし図8までを参照しながら
説明したように、上記構成のフェルール22を用いるこ
とで、接着剤を用いなくても光ファイバ21とフェルー
ル22の固着がなし得られることになる。
【0033】即ち、保護被覆24を除去した光ファイバ
21をその端部からフェルール22に挿入して被覆加締
め部34を加締めれば、被覆加締め部34が一次シース
25を芯線23に向けて圧縮することができ、その結
果、上記固着がなし得られることになる。固着力は加締
めを施したりする箇所や面積を増減させれば容易に変更
することが可能である。また、被覆加締め部34は、む
き出しとなっていることから、加締めの際の位置出しが
容易である。これにより、加締め位置にバラツキが生じ
ることはないから、その加締めを常に安定させることが
できる。つまり、固着力を常に一定に維持することがで
きる。フェルール22は、予め別工程で生産することが
できるから、光ファイバ21との固着における作業性に
何ら影響を来すことはない。また、加締めには広い作業
スペースを要しないことから、製造現場のレイアウト変
更にまで至ってしまうような事態を引き起こすことはな
い。さらに、芯線保持部27は合成樹脂製であることか
ら、例えば光コネクタハウジング35に装着したり、図
示しないレセプタクルに嵌合させたりしても、その装着
等の際に光コネクタハウジング35やレセプタクル(不
図示)を損傷させてしまうようなことはない。
【0034】一方、上記各図面に示される如く、被覆保
持部28の延在方向に対する略中央に被覆加締め部34
が位置することから、加締め位置を一定にすることがで
きるのは勿論のこと、加締め後の形状をより一定な形状
にすることができる。尚、加締め後の形状が一定であれ
ば、例えば光コネクタハウジング35へ装着した際に、
光コネクタハウジング35に対するフェルール22のガ
タが一定になることから、当然にその光コネクタハウジ
ング35を用いて構成される光コネクタの設計が容易と
なると言う利点がある。
【0035】他方、上記各図面に示される如く、被覆保
持部28の外周よりも芯線23側となる内方に被覆加締
め部34が配置されていることから、加締め後にその加
締められた被覆加締め部34が被覆保持部28よりも外
方へ、はみ出してしまうようなことはない。
【0036】図9の断面図は本発明によるフェルールの
他の一実施の形態を示している。尚、上述の構成と基本
的に同様の構成については同一の符号を付してその詳細
な説明を省略する。
【0037】フェルール39は、芯線保持部27に連成
された被覆保持部28の被覆挿通孔31に筒部材29を
圧入して成り、上述と同じ工程を経て光ファイバ21の
端部処理がなされるようになっている。このようなフェ
ルール39も別工程で予め製造することができ、また、
上述同様の効果を奏することができる。
【0038】次に、図10の斜視図は本発明によるフェ
ルールの更に他の一実施の形態を示している。尚、上述
の構成と基本的に同様の構成については同一の符号を付
してその詳細な説明を省略する。
【0039】フェルール40は、芯線保持部27に連成
された長さの短い被覆保持部41に鍔部42aを有する
筒部材42を一体成形して成り、少なくとも被覆を保護
する範囲の中間部分から筒部材42がむき出しになるよ
うに構成されている。尚、引用符号43で指された付近
が被覆加締め部、引用符号44(図12参照)がテーパ
部となる。
【0040】光ファイバ21の端部に対する端部処理方
法について説明すると、上述同様、フェルール挿入工程
と加締め工程と芯線処理工程とを順に行うことによって
処理されるようになっている。尚、フェルール40は予
め別工程で製造されるものとする。
【0041】フェルール挿入工程:光ファイバ21の端
部を図10の矢線方向に沿ってフェルール40に挿入す
る。芯線23が芯線保持部27に挿入されると、一次シ
ース25が筒部材42に挿入される。光ファイバ21
は、一次シース25の端面25aがテーパ部44(図1
2参照)に当接するまでフェルール40に押し込まれ
る。光ファイバ21がフェルール40に完全に押し込ま
れ挿入が完了すると、図11及び図12に示される如
く、芯線23が芯線保持部27の端面27aから突出し
た状態になる。
【0042】加締め工程:上記状態から図示しない加締
め装置にセットし、被覆加締め部43を加締める(図1
3及び図14参照)。加締め部分43a、43aは、図
13及び図14に示される如く窪み(図13は一方のみ
図示。また、図15の矢線Cに示される如く、三方向の
加締めでもよい)、一次シース25を芯線23に向けて
圧縮する。
【0043】芯線処理工程:加締め後図示しない保持具
にセットし直し、図13及び図14に示される如く、芯
線保持部27から突出する芯線23を切断又は研磨す
る。芯線23は芯線保持部27の端面27aに一致する
ように処理される。また、芯線23の端面23aの乱反
射等を防ぎ、端面23aでの光損失の低減が図られる。
【0044】以上のようなフェルール40でも上述同様
の効果を奏することができるのは勿論である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載さ
れた本発明によれば、一層又は複数層の保護被覆で被覆
されるとともに、端部においてその保護被覆を除去した
光ファイバが挿入されるフェルールであって、そのフェ
ルールは、光ファイバの芯線を受け入れる合成樹脂製の
芯線保持部と、その芯線保持部に連成されて保護被覆の
いずれかの層の外周に位置する被覆保持部と、その被覆
保持部に一体成形又は圧入されるとともにむき出しとな
る被覆加締め部を有し、光ファイバの挿入後に被覆加締
め部を加締めることで前記いずれかの層が芯線に向けて
圧縮され光ファイバとの固定がなし得られる金属製略円
筒状の筒部材と、を備えている。このような構成にする
ことにより、接着剤を用いなくても光ファイバとフェル
ールの固着がなし得られることになる。即ち、保護被覆
を除去した光ファイバをその端部からフェルールに挿入
して被覆加締め部を加締めれば、被覆加締め部が保護被
覆のいずれかの層を芯線に向けて圧縮することができ、
その結果、上記固着がなし得られることになる。固着力
は加締めを施したりする箇所や面積を増減させれば容易
に変更することが可能である。尚、仮に光ファイバに対
して外力が加わっても、加締められた被覆加締め部が上
記いずれかの層に引っかかるようになることから、固着
力の低下や光ファイバがフェルールから抜け落ちてしま
うようなことはない。一方、被覆加締め部はむき出しと
なっていることから、加締めの際の位置出しが容易であ
る。またこれにより、加締め位置にバラツキが生じるこ
とはないから、その加締めを常に安定させることができ
る。つまり、固着力を常に一定に維持することができ
る。他方、フェルールは予め別工程で生産することがで
きるから、光ファイバとの固定における作業性に何ら影
響を来すことはない。また、加締めには広い作業スペー
スを要しないことから、製造現場のレイアウト変更にま
で至ってしまうような事態を引き起こすことはない。さ
らに、芯線保持部は合成樹脂製であることから、例えば
光コネクタハウジングに装着したり、レセプタクルに嵌
合させたりしても、その装着等の際に光コネクタハウジ
ング等を損傷させてしまうようなことはない。従って、
以上のことから、光ファイバの端部処理を容易にし、以
てはコスト低減と品質管理及び生産性の向上とを図るこ
とができるフェルールを提供することができるという効
果を奏する。
【0046】請求項2に記載された本発明によれば、被
覆保持部の延在方向に対する略中央に被覆加締め部が位
置することから、加締め位置を一定にすることができる
のは勿論のこと、加締め後の形状をより一定な形状にす
ることができるという効果を奏する。尚、加締め後の形
状が一定であれば、例えば光コネクタハウジングへ装着
した際に、ハウジングに対するフェルールのガタが一定
になることから、当然にそのハウジングを用いて構成さ
れる光コネクタの設計が容易となると言う利点がある。
【0047】請求項3に記載された本発明によれば、被
覆保持部の外周よりも芯線側となる内方に被覆加締め部
が配置されることから、加締められた被覆加締め部が被
覆保持部よりも外方へ、はみ出し難くなる。これによ
り、例えば加締め後の工程において、治具等にセットす
るような場合があってもそのセットを阻害してしまうよ
うなことはない。また、光コネクタハウジングへ装着す
るような場合であっても同様である。従って、品質管理
と生産性の向上を図ることができるという効果を奏す
る。尚、上記配置により、被覆保持部と被覆加締め部と
の間に段差を設けることができるようになることから、
その段差部分を用いて光コネクタハウジングに設けられ
た係止部材と係合させることができる。これにより、光
コネクタハウジングに装着した後の抜けを防止すること
ができる。
【0048】請求項4に記載された本発明によれば、上
記のフェルールのいずれかを用いて行われる光ファイバ
の端部に対する端部処理方法であって、保護被覆を除去
した光ファイバをフェルールに挿入するとともに、芯線
を芯線保持部の内部から外部へ突出させるフェルール挿
入工程と、被覆加締め部を加締めてフェルールと光ファ
イバとの固定をなし得る加締め工程と、芯線保持部から
突出する芯線を切断又は研磨することにより芯線を芯線
保持部の端面に一致させる芯線処理工程と、を順に行う
ことによって光ファイバの端部を処理する端部処理方法
を採用している。このように、フェルールと光ファイバ
とを固着させるために接着剤を使用する必要がないこと
から、容易に光ファイバの端部処理を行うことができ
る。即ち、接着剤による固着では、特に接着剤の加熱硬
化に時間が掛かることから、上記の端部処理方法を採用
することで、その加熱硬化の工数を削減することがで
き、その結果、端部処理が非常に容易となる。また、当
然に接着剤の混合比を一々管理する必要もない。さらに
は、作業スペースの確保も容易である。従って、以上の
ことから、光ファイバの端部処理を容易にし、以てはコ
スト低減と品質管理及び生産性の向上とを図ることがで
きる光ファイバの端部処理方法を提供することができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフェルールの一実施の形態を示す
斜視図である。
【図2】図1のフェルールの断面図である。
【図3】フェルールに光ファイバを挿入した状態の斜視
図である。
【図4】図3の状態の断面図である。
【図5】図3の状態から被覆加締め部を加締めた状態の
斜視図である。
【図6】図5の状態の断面図である。
【図7】図5の状態から芯線を芯線保持部の端面に一致
させた状態の斜視図である。
【図8】光コネクタハウジングに装着した際の断面図で
ある。
【図9】本発明によるフェルールの他の一実施の形態を
示す断面図である。
【図10】本発明によるフェルールの更に他の一実施の
形態を示す斜視図である。
【図11】図10のフェルールに光ファイバを挿入した
状態の斜視図である。
【図12】図11の状態の断面図である。
【図13】図11の状態から被覆加締め部を加締めた状
態の斜視図である。
【図14】図13の状態の断面図である。
【図15】他の加締め状態を説明するための断面図であ
る。
【図16】従来例の光ファイバ及びフェルールの接着固
定状態における断面図である。
【符号の説明】
21 光ファイバ 22 フェルール 23 芯線 23a 端面 24 保護被覆 25 一次シース 25a 端面 26 二次シース 27 芯線保持部 27a 端面 28 被覆保持部 29 筒部材 30 芯線挿通孔 31 被覆挿通孔 32 テーパ部 33 窓 34 被覆加締め部 34a 加締め部分 35 光コネクタハウジング 36 突き当て部 37 ランス 38 キャップ 39、40 フェルール 41 被覆保持部 42 筒部材 42a 鍔部 43 被覆加締め部 43a 加締め部分 44 テーパ部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯線を一層又は複数層の保護被覆で被覆
    し、端部において該保護被覆を除去した光ファイバが挿
    入されるフェルールであって、 前記光ファイバの前記芯線を受け入れる合成樹脂製の芯
    線保持部と、 該芯線保持部に連成されて前記保護被覆のいずれかの層
    の外周に位置する被覆保持部と、 該被覆保持部に一体成形又は圧入されるとともにむき出
    しとなる被覆加締め部を有し、前記光ファイバの挿入後
    に前記被覆加締め部を加締めることで前記いずれかの層
    が前記芯線に向けて圧縮され前記光ファイバとの固定が
    なし得られる金属製略円筒状の筒部材と、 を備えたことを特徴とするフェルール。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフェルールにおいて、 前記被覆保持部の延在方向に対する略中央に前記被覆加
    締め部が位置することを特徴とするフェルール。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のフェルー
    ルにおいて、 前記被覆保持部の前記外周よりも前記芯線側となる内方
    に前記被覆加締め部が配置されることを特徴とするフェ
    ルール。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3いずれか記載の
    フェルールを用いて行われる光ファイバの端部に対する
    端部処理方法であって、 前記端部において前記保護被覆を除去した光ファイバを
    前記フェルールに挿入するとともに、前記芯線を前記芯
    線保持部の内部から外部へ突出させるフェルール挿入工
    程と、 前記被覆加締め部を加締めて前記フェルールと前記光フ
    ァイバとの固定をなし得る加締め工程と、 前記芯線保持部から突出させた前記芯線を切断又は研磨
    することにより前記芯線を前記芯線保持部の端面に一致
    させる芯線処理工程と、 を順に行うことによって前記光ファイバの前記端部を処
    理することを特徴とする光ファイバの端部処理方法。
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