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JP2000355581A - 2−ピリジルピリジン誘導体の製造方法 - Google Patents

2−ピリジルピリジン誘導体の製造方法

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JP2000355581A
JP2000355581A JP11167308A JP16730899A JP2000355581A JP 2000355581 A JP2000355581 A JP 2000355581A JP 11167308 A JP11167308 A JP 11167308A JP 16730899 A JP16730899 A JP 16730899A JP 2000355581 A JP2000355581 A JP 2000355581A
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reaction
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solvent
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文昭 池内
Taichi Shindo
太一 新藤
Hiroichi Suda
博一 須田
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    • C07D213/06Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having no bond between the ring nitrogen atom and a non-ring member or having only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom containing only hydrogen and carbon atoms in addition to the ring nitrogen atom
    • C07D213/22Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having no bond between the ring nitrogen atom and a non-ring member or having only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom containing only hydrogen and carbon atoms in addition to the ring nitrogen atom containing two or more pyridine rings directly linked together, e.g. bipyridyl

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な金属触媒を使用する必要性や、公害問
題の発生もなく、医薬、農薬品中間体としても使用が可
能で、且つ工業的規模でも適用可能な2−ピリジルピリ
ジン誘導体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 水溶媒中でシアノ複素環化合物からアミ
ドラゾン化合物を製造する工程、水溶媒中で該アミドラ
ゾン化合物から1,2,4−トリアジン化合物を製造す
る工程、及び該1,2,4−トリアジン化合物から2−
ピリジルピリジン誘導体を製造する工程を含む2−ピリ
ジルピリジン誘導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品、農薬、触
媒配位子、電子写真や有機エレクトロルミネッセンス素
子等に使用される有機感光体や染料等の製造において、
重要な中間体となる2−ピリジルピリジン誘導体を低コ
ストで、高収率かつ高純度に製造するものである。
【0002】
【従来の技術】2−ピリジルピリジン類の製造方法は種
々報告されている。例えば白金添加Pd−C存在下ピリ
ジン化合物とピリジン化合物のN−オキシドを加熱縮合
させる方法(YakugakuZasshi,99(1
2)1176、1181(1979))が報告されてい
るが、低収率である。また、Grignard反応を利
用したクロスカップリング反応(特開昭64−0031
69号)が報告されているが、ピリジン類のGrign
ard試薬を得るために必要なヨウ化ピリジン化合物の
入手及び合成が困難であること、特別な設備が必要であ
るなどの問題があった。更に、ハロゲン化ピリジン化合
物同士のウルマン縮合反応(Khim.Geol.Na
uk.,114(1970))や、Pd触媒存在下ハロ
ゲン化ピリジン化合物を種々の金属誘導体とクロスカッ
プリングさせる方法が提案されている。例えばボラン誘
導体とクロスカップリングする方法(Chem.Pha
rm.Bull.,33(11)4755(198
5)、(Heterocycles,23(9)237
5(1985))、アルキルスズ誘導体とクロスカップ
リングさせる方法(TetrahedronLet
t.,33,2199(1992))、Ni触媒存在下
ハロゲン化ピリジン化合物をクロスカップリングさせる
方法(WO9852922号)等が報告されている。
【0003】しかし、いずれも使用する触媒や試薬が高
価であったり、生じる金属廃液は特別な処理が必要であ
るなど、大量生産をするには問題点が多い。またこれら
の反応では、副生成物が多く分離が非常に困難で、医薬
品や電子材料等の中間体として使用するのに耐えうる高
純度なものが得られていなかった。
【0004】一方、グリオキサールを用いる1,2,4
−トリアジン類の合成法は、グリオキサールにエチルオ
キサルアミドラゾナートを反応させた後、脱炭酸させる
方法(J.Org.Chem.,31,1720(19
66))が報告されて以来、ホルムアミドラゾン塩酸塩
を作用させる方法(Chem.ber.,101,39
52(1968))、メチルチオアミドラゾンを作用さ
せる方法(J.HeterocyclicChem.,
,767(1970))、エチルオキサルアミドラゾ
ナートを作用させる方法の改良法(Synthesi
s,,351(1974))が報告されている。
【0005】しかし、いずれの場合も反応活性の高いグ
リオキサールでは副生成物が多く収率が低い上、低温設
備などの特殊な装置を必要としたり工程数が多い等の問
題点があり、工業的な製造法としては満足のいくもので
はなかった。
【0006】また、最近グリオキサールより反応活性の
低いケトン類を用いる1,2,4−トリアジン類の合成
法(TetrahedronLett.,39,881
7、8821、8825(1998))が報告されてい
るが、過剰のヒドラジンを用いるために除去工程が必要
なこと、また基質がケトン類を含有するものに限定され
ていて、置換基を有するピリジン類の合成にしか適用さ
れなかった。したがって、反応性の高いグリオキサール
を用い、1,2,4−トリアジンを経由して2−ピリジ
ルピリジン誘導体(例えば、2,4'−ジピリジル、
2,3'−ジピリジル、2,2'−ジピリジル等)を合成
するという方法は非常に難しくこれまでに報告例がな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高価な金属
触媒を使用する必要性や、公害問題の発生もなく、医
薬、農薬品中間体としても使用が可能で、且つ工業的規
模でも適用可能な2−ピリジルピリジン誘導体の製造方
法を提供することが目的であり、詳しくは極めて高純度
な2−ピリジルピリジン誘導体を高収率及び高選択的に
製造でき、一貫法が適用可能で、更に低コストな2−ピ
リジルピリジン誘導体の製造方法を提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記の
2−ピリジルピリジン誘導体の製造方法によって本発明
の上記目的が達成される。 (1) 水溶媒中でシアノ複素環化合物からアミドラゾ
ン化合物を製造する工程、水溶媒中で該アミドラゾン化
合物から1,2,4−トリアジン化合物を製造する工
程、及び該1,2,4−トリアジン化合物から2−ピリ
ジルピリジン誘導体を製造する工程を含むことを特徴と
する2−ピリジルピリジン誘導体の製造方法。 (2) 前記アミドラゾン化合物から1,2,4−トリ
アジン化合物を製造する工程が、水溶媒中でアミドラゾ
ン化合物とグリオキサールを反応させて1,2,4−ト
リアジン化合物を製造する工程であることを特徴とする
前記(1)記載の2−ピリジルピリジン誘導体の製造方
法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳しく説明す
る。本発明の方法をより詳しく説明するために、本発明
の1態様を1例として下記に示す。しかし、本発明の内
容が決してこれに限定されるものではない。
【0010】
【化1】
【0011】本発明は、シアノ複素環化合物からアミド
ラゾン化合物及び1,2,4−トリアジン化合物を経由
して一貫法で製造することができる2−ピリジルピリジ
ン誘導体の製造方法である。本発明のシアノ複素環化合
物からアミドラゾン化合物調製工程及びアミドラゾン化
合物からトリアジン化合物調製工程において、溶媒に使
用するのは水である。シアノ複素環化合物からアミドラ
ゾン化合物調製工程において水溶媒中で反応を行った場
合、従来提案されている溶媒を使用した場合と比較し
て、アミドラゾン化合物が更に反応して二量化したテト
ラジン類の生成が抑制され、かつ反応させるヒドラジン
類の使用量がシアノ複素環化合物に対し大過剰量用いる
必要性がない。
【0012】即ち、従来のように、水以外の溶媒を用い
て反応を行った場合にはアミドラゾン化合物で反応は停
止せず、更に反応が進行し、アミドラゾン化合物が二量
化したテトラジン類が生成される。更にヒドラジン類を
大過剰量必要とし、アミドラゾン化合物で反応を止める
ことが可能であっても、その場合、ヒドラジン類は次工
程に影響を及ぼすため大掛かりな除去工程を必要とす
る。
【0013】アミドラゾン化合物からトリアジン化合物
調製工程において、水溶媒中で反応を行った場合には、
従来提案されている溶媒を使用した場合と比較して、グ
リオキサールにアミドラゾン化合物が2つ反応し、反応
が停止してしまうオサゾン化合物等の副生成物が生成さ
れることなく、高反応率でトリアジン化合物が得られ
る。そのため最終的に2−ピリジルピリジン誘導体は高
収率で得られる。即ち、従来のように、水以外の溶媒を
用いて反応を行った場合には、グリオキサールにアミド
ラゾン化合物が2つ反応したオサゾン化合物が高選択的
に得られてしまうため目的とするトリアジン化合物はご
く微量であり、したがって最終的に2−ピリジルピリジ
ン誘導体も極微量しか得ることが出来ない。
【0014】まず、水溶媒中でシアノ複素環化合物から
アミドラゾン化合物を製造する工程について説明する。
この工程で使用されるシアノ複素環化合物は、具体的に
下記一般式(I)〜(V)で示される化合物または化合物
(V−1)〜(V−11)等が挙げられる。
【0015】
【化2】
【0016】上記式中、Xは水素原子または塩素原子を
表す。R1は水素原子もしくはメチル基を表し、R1が
水素原子の時はR2は塩素原子、メチル基、シアノ基を
表し、また、R1がメチル基の時はR2は水素原子を表
す。Yはシクロヘキサン環またはベンゼン環を表す。本
発明において、上記シアノ複素環化合物としては、2−
シアノピリジン、3−シアノピリジン、4−シアノピリ
ジン、2−シアノ−3−メチルピリジン、2−シアノ−
4−メチルピリジン、2−シアノ−5−メチルピリジ
ン、2−シアノ−6−メチルピリジンが好ましい。特に
好ましくは2−シアノピリジン、3−シアノピリジン、
4−シアノピリジンである。
【0017】上記のシアノ複素環化合物は定法に従い、
カルボン酸から酸アミドへ誘導し、次いでこの酸アミド
を脱水するか、あるいはアルデヒドからアルドキシムへ
誘導してこのアルドキシムを脱水しても得ることが可能
である。
【0018】この工程で用いる溶媒は水である。水以外
の溶媒、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノ
ール、2−プロパノール等のアルコール溶媒、ジメチル
フォルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(D
MSO)、酢酸等を用いた場合、原料を消失させるため
にヒドラジン類を大過剰量必要とする。その場合、残存
したヒドラジン類は次工程に影響を及ぼすため、大掛か
りな除去工程を必要とする。また、ヒドラジン類をやや
過剰量用いて反応を完結させようと加熱するとアミドラ
ゾン化合物は更に反応が進行してしまい、アミドラゾン
化合物が二量化したテトラジン類が生成される。テトラ
ジン類が生成された場合、本目的は達成されない。ま
た、溶媒を使用しなくてもアミドラゾン化合物は生成さ
れるが反応途中で固体状となり、攪拌が困難となるため
実用的ではない。
【0019】水溶媒の使用量はシアノ複素環化合物1に
対し、0.1〜10倍重量の範囲内で使用され、好まし
くは0.5〜5.0倍重量、より好ましくは固体析出に
よる反応時の攪拌不良を防ぐため、かつ短時間で反応を
終了させるために1.0〜2.0倍重量の範囲内であ
る。
【0020】本工程においては、シアノ複素環化合物と
ヒドラジン化合物を反応させてアミドラゾン化合物を製
造することが好ましい。ここで使用されるヒドラジン類
は特に制限はされないが、通常ヒドラジン一水和物、塩
酸ヒドラジン、無水ヒドラジン、ヒドラジン酢酸塩、ヒ
ドラジン二臭化水素酸塩三水和物、ヒドラジン一臭化水
素酸塩、硫酸ヒドラジン、塩化ヒドラジニウム、また、
各種ヒドラジン塩をフリー化したヒドラジン等が用いら
れる。好ましくは反応時間が短く、副生成物の生成が抑
えられるヒドラジン一水和物、塩酸ヒドラジン、無水ヒ
ドラジンであり、より好ましくは安価で取り扱いの容易
なヒドラジン一水和物である。
【0021】ヒドラジン類は、シアノ複素環化合物に対
し、大過剰量用いれば制限はないが、必要に応じて0.
50〜10倍モルの範囲内で使用され、好ましくは0.
80〜5.0倍モル、より好ましくは1.0から3.0
倍モルの範囲内である。シアノ複素環化合物内にシアノ
基を2つ保有する時は上記の2倍量用いる。
【0022】本工程の反応は通常0〜120℃の範囲内
で行われるが、好ましくは基質の溶解性等の問題から2
0〜95℃、より好ましくはテトラジン類の副生成物を
抑制するため30〜70℃の範囲内で行われる。反応時
間は通常2〜5時間という短時間で、原料の消失が確認
される。
【0023】次に、アミドラゾン化合物から1,2,4
−トリアジン化合物を製造する工程について説明する。
この工程においては、アミドラゾン化合物とグリオキサ
ールとを反応させて1,2,4−トリアジン化合物を製
造することが好ましい。具体的には、前工程の反応液に
更に水を添加し、前記シアノ複素環化合物と同モルのグ
リオキサールを加えて加熱還流させ、通常1〜2時間と
極めて短時間で反応を終了することができる。前行程で
ヒドラジンを過剰に用いた場合は、まず過剰のヒドラジ
ンを除去した後、同操作を行う。
【0024】用いるグリオキサールとしてはグリオキサ
ール水溶液、グリオキサル二(亜硫酸水素ナトリウ
ム)、グリオキサール等価体である1,4−ジオキサン
−2,3−ジオール、グリオキサールトリメリックジヒ
ドラート等が挙げられ、好ましくはグリオキサール水溶
液、1,4−ジオキサン−2,3−ジオールであり、よ
り好ましくは安価で入手及び取り扱いの容易なグリオキ
サール水溶液である。シアノ複素環化合物に対するグリ
オキサールの使用量が、少なすぎたり多すぎたりした場
合、オサゾン等の副生成物が大量に生じ著しく収率の低
下が起こる場合があるので、前記シアノ複素環化合物と
同モル量が好ましい。
【0025】この工程で用いる溶媒は水である。水以外
の溶媒、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノ
ール、2−プロパノール等のアルコール溶媒、DMF、
DMSO、酢酸等を用いた場合、グリオキサールにアミ
ドラゾン化合物が2つ反応したオサゾン化合物が高選択
的に得られてしまうため、目的であるトリアジン化合物
は極微量しか生成されない。オサゾン化合物が生成され
ると反応は進行せず、したがって最終的に2−ピリジニ
ルリジン誘導体は極微量しか得ることが出来ない。
【0026】用いる水の量はシアノ複素環化合物に対し
通常1〜100倍重量の範囲内で使用され、より好まし
くは溶解性の問題から5〜50倍重量、より好ましくは
10〜30倍重量である。本工程の反応は通常0〜10
0℃の範囲内で行われるが、好ましくは基質の溶解性等
の問題から40〜100℃、より好ましくは反応を短時
間で完結させるために60〜100℃の範囲内で行われ
る。反応時間は通常1〜2時間という短時間で、アミド
ラゾン化合物の消失が確認される。
【0027】次に1,2,4−トリアジン化合物から2
−ピリジルピリジン誘導体を製造する工程について説明
する。1,2,4−トリアジン化合物と2,5−ノルボ
ルナジエンとを反応させて2−ピリジルピリジン誘導体
を製造することが好ましい。具体的には、上記で得られ
た反応液に溶剤を添加して抽出し、分液後得られた有機
層に2,5−ノルボナジエンを加えて加熱還流させるこ
とができる。用いる溶剤はクロロホルムのような極性溶
媒、または、沸点80℃以上の芳香族溶媒であれば何で
もよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチ
レン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、アニソール、
ジクロロベンゼン等が挙げられる。好ましくは2,5−
ノルボナジエンより沸点の高いトルエン、キシレン、メ
シチレンのような芳香族炭化水素溶媒であり、より好ま
しくはキシレンである。反応前にまず酢酸エチルのよう
な有機溶媒で抽出し濃縮した後、これらの芳香族溶媒に
切り替えるという方法でもよい。
【0028】本工程の反応は通常60〜180℃の範囲
内で行われるが、好ましくは80〜140℃、より好ま
しくは90〜120℃の範囲内で行われる。反応時間は
通常3〜5時間という短時間で、1,2,4−トリアジ
ン化合物の消失が確認される。反応終了後、溶媒を減圧
濃縮し、さらに蒸留するか、またはアルコールやヘキサ
ン等を添加して晶析させることにより、高純度な2−ピ
リジルピリジン誘導体をシアノ複素環化合物から一貫法
で得ることができる。
【0029】本発明によって得られる2−ピリジルピリ
ジン誘導体の具体例としては、下記のものを例示するこ
とができる。
【0030】
【化3】
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、純度の評価は高速液体クロマトグラフィー(HPL
Cと略記する)によった。以下、HPLC分析と記載し
たものは、条件(カラムYMC−A−312、検出UV
254nm、流量1.0ml/min、溶離液アセト
ニトリル/水=25/75、バッファ−として酢酸及び
トリエチルアミン各0.2%)で測定し、条件を変えた
場合にのみ詳しく記載する。
【0032】実施例1 2,4'−ジピリジルの合成
(A−1) 1000mlの四つ口フラスコに、水100ml、4−
シアノピリジン100.0g(0.96mol)、ヒド
ラジン一水和物48.0g(0.96mol)を仕込
み、攪拌下50℃で4時間反応させた。原料消失をHP
LC分析で確認した後、更に水550mlを添加し、次
いで40%グリオキサール水溶液139g(0.96m
ol)を加え、外温100℃で2時間反応させた。冷却
後、キシレンで抽出、分液し、有機層に2,5−ノルボ
ナジエン882g(9.6mol)を加え、還流下4時
間反応させた。反応終了後、有機層から減圧度4.4〜
4.5Torrに減圧して134〜136℃の留分を採
取し、淡黄色結晶として目的物を109.3g(収率7
2.9%)得た。HPLC分析の結果、純度は99.2
%であった。
【0033】実施例2 2,3'−ジピリジルの合成
(A−2) 実施例1において、4−シアノピリジンの代わりに3−
シアノピリジンを用いた以外は、実施例1と同様に合成
し、反応終了後、有機層から減圧度4.9〜5.0To
rrに減圧して90〜93℃の留分を採取し、淡黄色結
晶として目的物を127.9g(収率85.3%)得
た。HPLC分析の結果、純度は98.9%であった。
【0034】実施例3 2,2'−ジピリジルの合成
(A−3) 実施例1において4−シアノピリジンの代わりに2−シ
アノピリジンを用いた以外は、実施例1と同様に合成
し、反応終了後、有機層から減圧度1.9〜2.0To
rrに減圧して110〜113℃の留分を採取し、淡黄
色結晶として目的物を132.2g(収率88.2%)
得た。HPLC分析の結果、純度は99.3%であっ
た。
【0035】実施例4 2−クロロ−5−(2−ピリ
ジル)ピリジン(A−4) 実施例1において4−シアノピリジンの代わりに2−ク
ロロ−5−シアノピリジン、40%グリオキサール溶液
の代わりに1,4−ジオキサン−2,3−ジオールを用
いた以外は、実施例1と同様に合成し、反応終了後、有
機層から減圧度3.0〜3.1Torrに減圧して15
0〜152℃の留分を採取し、淡黄色結晶として目的物
を151.0g(収率82.5%)得た。HPLC分析
の結果、純度は99.1%であった。
【0036】実施例5 3−(2−ピリジル)−イソ
キノリンの合成(A−5) 100mlの四つ口フラスコに、水10ml、3−シア
ノイソキノリン14.8g(0.096mol)、ヒド
ラジン一水和物5.3g(0.106mol)を仕込
み、60℃で3時間反応させた。原料消失をHPLC分
析(下記条件)で確認した後、更に水55mlを添加
し、次いで40%グリオキサール水溶液13.9g
(0.096mol)を加え、外温100℃で1.5時
間反応させた。冷却後、キシレンで抽出、分液し、有機
層に2,5−ノルボナジエン88.2g(0.96mo
l)を加え、還流下5時間反応させた。反応終了後、有
機溶媒を減圧留去後、ヘキサンから再結晶し淡黄色結晶
として目的物を17.9g(収率90.4%)得た。H
PLC分析(カラム YMC−A−312、検出UV
254nm、流量1.0ml/min、溶離液 アセト
ニトリル/水=50/50、バッファ−酢酸及びトリエ
チルアミン各0.2%)の結果、純度は98.7%であっ
た。
【0037】実施例6 6'−メチル−2,2'−ジピ
リジルの合成(A−6) 100mlの四つ口フラスコに、水10ml、2−シア
ノ−6−メチルピリジン11.3g(0.096mo
l)、ヒドラジン一水和物4.8g(0.096mo
l)を仕込み、50℃で3時間反応させた。原料消失を
HPLC分析で確認後、更に水55mlを添加し、次い
で40%グリオキサール溶液13.9g(0.096m
ol)を加え、外温100℃で2時間反応させた。冷却
後、酢酸エチルで抽出、分液し、減圧下溶媒を留去し、
2,5−ノルボナジエン8.82g(0.096mo
l)を加え、還流下3時間反応させた。反応終了後、反
応液を5.0mmHgに減圧して148〜156℃の留
分を採取し、淡黄色結晶として目的物を14.5g(収
率89.0%)得た。HPLC分析の結果、純度は9
9.2%であった。
【0038】比較例1〜6 実施例1におけるシアノ複素環化合物からアミドラゾン
化合物を製造する工程において溶媒を下記表1に示すも
のに変更して反応を行った。特にメタノールは文献(T
etrahedronLett.,39,8817(1
998))記載の溶媒である。また、用いる試薬の量も
実施例1と同じくしたものと上記文献記載の理論量に換
算したものとに分け反応を行った。即ち、溶媒及びヒド
ラジンの使用量を変更した以外は実施例1と同様に操作
し、反応終了後、それぞれの反応液をHPLC分析で反
応率を評価した。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】上記表1において相対生成率Aは目的とす
るアミドラゾン化合物の相対生成率(%)を表し、ま
た、相対生成率Bはアミドラゾン化合物が二量化したテ
トラジン化合物(不純物)の相対生成率(%)を表す。
【0041】表1の結果から以下のことが明らかであ
る。シアノ複素環化合物からアミドラゾン化合物を製造
する工程において、実施例1は水以外の溶媒下で反応さ
せた比較例1〜5と比較して目的とするアミドラゾン化
合物の生成率が優れている。これらの比較例は原料の4
−シアノピリジンが残存し、また、特に比較例1及び2
のアルコールを溶媒に用いた場合には、アミドラゾン化
合物が更に反応して、二量化したテトラジン類の生成が
観測された。またヒドラジン一水和物の使用量を文献記
載の理論量に換算して反応を行った比較例6の場合で
も、原料の4−シアノピリジンは完全に消失されず、か
つテトラジン類の生成が観測された。テトラジン化合物
が生成されると本目的は達成されない。実施例1におけ
るテトラジン化合物はNMR、MSによる分析の結果、
明らかになったものであり、下記の構造をしている。
【0042】
【化4】
【0043】比較例7 実施例1におけるアミドラゾン化合物から1,2,4−
トリアジン化合物を製造する工程において表2に示すよ
うに溶媒として使用した水を文献(Tetrahedr
onLett.,39,8817(1998))記載の
ようにエタノールに変更して、反応を行った。即ち、溶
媒を変更した以外は実施例1と同様に操作し、反応終了
後、それぞれの反応液をHPLC分析で反応率を評価し
た。ただし、溶媒の評価を確認する目的でシアノ複素環
化合物からアミドラゾン化合物を製造する工程の反応が
終了した後、トルエンにより水を共沸させ、減圧下乾燥
させ、一度、アミドラゾン化合物を単離させたものを用
いてアミドラゾン化合物から1,2,4−トリアジン化
合物を製造する工程の反応を行った。結果を実施例1の
結果と共に表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】上記表2において相対生成率Cは目的とす
るトリアジン化合物の相対生成率(%)を表し、また、
相対生成率Dはグリオキサールにアミドラゾン化合物が
2つ反応したオサゾン化合物(不純物)の相対生成率
(%)を表す。
【0046】表2の結果から以下のことが明らかであ
る。アミドラゾン化合物から1,2,4−トリアジン化
合物を製造する工程において、実施例1は水溶媒でアミ
ドラゾン化合物とグリオキサールを反応させた場合であ
り、文献(TetrahedronLett.,39
8817(1998))記載のようにエタノールで反応
させた比較例7の場合と比較して目的とするトリアジン
の生成率が優れている。比較例7はグリオキサールにア
ミドラゾン化合物が2つ反応したオサゾン化合物の生成
が優先し目的とするトリアジンの生成はわずかである。
オサゾン化合物が生成されると本目的は達成されない。
実施例1におけるオサゾン化合物はNMR、MSによる
分析の結果、明らかになったものであり、下記の構造を
している。
【0047】
【化5】
【0048】
【発明の効果】上記の実施例及び比較例から明らかなよ
うに、従来、反応性の高いグリオキサールを用いた場
合、1,2,4−トリアジンを経由して合成することが
困難であった2−ピリジルピリジン誘導体(例えば、
2,4'−ジピリジル、2,3'−ジピリジル、2,2'
−ジピリジル等)の製造を本発明によって達成すること
が出来る。即ち、シアノ複素環化合物からアミドラゾン
化合物調製工程において、水溶媒中で反応を行うことに
より、従来提案されている溶媒を使用した場合と比較し
て、アミドラゾン化合物が二量化したテトラジン類の生
成が抑制され、かつヒドラジンの使用量がシアノ複素環
化合物に対し大過剰量用いる必要性がなく、目的とする
アミドラゾン化合物が高選択的かつ高反応率で得られ
る。また、アミドラゾン化合物からトリアジン化合物調
製工程において、水溶媒中を用いることにより、従来提
案されている溶媒を使用した場合と比較してグリオキサ
ールにアミドラゾン化合物が2つ反応し、反応が停止し
てしまうオサゾン化合物等の副生成物が抑制され、高選
択的かつ高反応率でトリアジン化合物が得られる。その
ため最終的に2−ピリジルピリジン誘導体は極めて高収
率で得られる。さらに、本発明によって、シアノ複素環
化合物からアミドラゾン化合物及び1,2,4−トリア
ジン化合物を経由して簡単な一貫法で、2−ピリジルピ
リジン誘導体を製造できる。2−ピリジルピリジン誘導
体は極めて高純度の目的物が得られるため、医薬、農薬
品やその他の中間体として使用する場合に有用な2−ピ
リジルピリジン誘導体を高選択的に低コストで製造で
き、極めて工業的に高い実用性を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須田 博一 神奈川県平塚市東八幡5−2−3 三協化 学株式会社合成化学研究所内 Fターム(参考) 4C055 BA02 BA06 BA39 CA02 CA06 EA01 EA02 FA01 FA37 4C063 AA01 CC14 CC15 DD12 EE05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶媒中でシアノ複素環化合物からアミ
    ドラゾン化合物を製造する工程、水溶媒中で該アミドラ
    ゾン化合物から1,2,4−トリアジン化合物を製造す
    る工程、及び該1,2,4−トリアジン化合物から2−
    ピリジルピリジン誘導体を製造する工程を含むことを特
    徴とする2−ピリジルピリジン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記アミドラゾン化合物から1,2,4
    −トリアジン化合物を製造する工程が、水溶媒中でアミ
    ドラゾン化合物とグリオキサールを反応させて1,2,
    4−トリアジン化合物を製造する工程であることを特徴
    とする請求項1記載の2−ピリジルピリジン誘導体の製
    造方法。
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