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JP2000351733A - 神経栄養因子様低分子化合物 - Google Patents

神経栄養因子様低分子化合物

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Publication number
JP2000351733A
JP2000351733A JP28411099A JP28411099A JP2000351733A JP 2000351733 A JP2000351733 A JP 2000351733A JP 28411099 A JP28411099 A JP 28411099A JP 28411099 A JP28411099 A JP 28411099A JP 2000351733 A JP2000351733 A JP 2000351733A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
formula
optionally substituted
pharmaceutically acceptable
Prior art date
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Pending
Application number
JP28411099A
Other languages
English (en)
Inventor
Takumi Sato
託実 佐藤
Yukifumi Furuta
享史 古田
Yasuyoshi Watanabe
恭良 渡辺
Masaaki Suzuki
正昭 鈴木
Naotake Namura
尚武 名村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Bioscience Institute
Original Assignee
Osaka Bioscience Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Bioscience Institute filed Critical Osaka Bioscience Institute
Priority to JP28411099A priority Critical patent/JP2000351733A/ja
Publication of JP2000351733A publication Critical patent/JP2000351733A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 神経栄養因子様の活性を有する低分子有機化
合物を有効成分として含む医薬組成物を提供する。 【解決手段】 該課題はジエノン構造を有する低分子有
機化合物により解決される。本発明の医薬組成物は、神
経栄養因子様の活性、すなわち神経突起の再生/伸長促
進作用及び/又は神経細胞生存維持作用を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、神経栄養因子様低
分子化合物を含む医薬組成物に関する。更に詳しくは、
神経突起の再生/伸展作用及び/又は神経細胞の生存維
持作用を有する低分子化合物を有効成分として含む医薬
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】神経栄養因子は、中枢神経系(CNS)
の神経膠細胞及び神経細胞で恒常的に発現され、神経系
の発達(分化)と生存維持に重要な役割を果たす。神経
栄養因子には神経成長因子(NGF)、脳由来神経成長
因子(BDNF)、Neurotrophin 3(NT3)などが含
まれ、TrkA,TrkB,TrkCと呼ばれる特異的
な受容体型チロシンキナーゼに結合して、これを活性化
させる。遺伝子欠損を用いた最近の研究によれば神経細
胞のサブセットの生存維持にはそれぞれ異なる神経栄養
因子を必要とすることが分かった。神経栄養因子は、神
経細胞の生存維持又は分化、及び成熟神経細胞のシナプ
ス可塑性の調節を含む様々な生物作用を有する。成体の
脳においても、神経栄養因子及び塩基性線維芽細胞増殖
因子(bFGF)等の神経栄養因子様因子は脳虚血等の
非常事態に神経細胞死を抑制すると考えられている。例
えば、bFGFは閉塞の前に注入された場合、局所脳虚
血損傷から中枢の神経細胞を保護するが、閉塞の24時
間後に注入すると保護しない。しかしながら、bFGF
は24時間後に注入した場合、虚血反対側の大脳皮質に
おける神経細胞の神経突起の伸展/再生の促進を介して
行動レベルの回復を高める。このことはbFGFは神経
細胞死を抑制するのみならず、神経突起の伸展/再生の
促進を介して脳の高次機能を保護ないしは機能回復する
作用があることを示唆する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、神経細
胞の分化と生存維持作用を有するいくつかの神経栄養因
子は見出されている。しかしながらそれらは分子量の大
きなタンパク質であるため、それらを投与した場合、血
液脳関門を透過し難く、中枢神経組織への到達性に難点
がある。この意味で神経栄養因子と同様の作用を有する
低分子化合物は中枢神経系の神経変性疾患の治療剤とし
て理想的な低分子化合物である。本発明は、神経栄養因
子様の活性、即ち神経突起の再生/伸展促進作用、及び
/又は神経細胞生存維持作用を有する、神経変性疾患の
治療薬として利用可能であり、低毒性の低分子化合物を
有効成分として含む医薬組成物を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々のP
G類を試験し、神経突起再生/伸展促進活性及び/又は
神経細胞生存維持作用を示す一群のPG類を見出し、
式:
【化14】 で示されるジエノン構造がその活性にとって必須である
ことを発見した。
【0005】そこで、本発明は先ず、ジエノン構造を有
する有機化合物を有効成分として含有する、神経突起再
生/伸展促進作用、及び/又は神経細胞生存維持作用を
有する医薬組成物に関する。
【0006】好ましくは、該有機化合物が式I:
【化15】 [式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素、アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル
基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール
基、アラルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または
アミノ基であり、これらの基は各々置換されていてもよ
く、波線はそれぞれ、本化合物がその部分においていず
れかの立体異性体またはその混合物であることを意味す
る]で示される化合物またはそれらの製薬的に許容され
る塩である本発明の医薬組成物であり、より好ましくは
該有機化合物がプロスタグランジンA誘導体またはJ誘
導体の化合物、さらに好ましくは該有機化合物がΔ7
ロスタグランジンA1誘導体である本発明の医薬組成物
である。
【0007】また、該有機化合物が、式II−1:
【化16】 又は、式II−2:
【化17】 [R3は前記のR1と同意義であり、R4は水素、アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル
基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール
基、またはアラルキル基であり、これらの基は各々置換
されていてもよく、波線はそれぞれ、本化合物がその部
分においていずれかの立体異性体またはその混合物であ
ることを意味する]で示される化合物またはその製薬的
に許容される塩である医薬組成物も好ましい。
【0008】また、式II−1又は式II−2におい
て、R4が式:
【化18】 [式中、Z1およびZ2はそれぞれ独立して水素、アルキ
ル基、アリール基、ハロゲン、置換されていてもよいヒ
ドロキシ基、置換されていてもよいカルボキシル基、置
換されていてもよいアミノ基、シアノ基、またはトリア
ルキルスズであり、nは0−10である]で示される基
である医薬組成物も好ましい。
【0009】また、該有機化合物が式III−1:
【化19】 または、式III−2:
【化20】 [式中、Xは置換されていてもよいヒドロキシ基または
置換されていてもよいアミノ基であり、R4は上記に定
義した通りであり、波線はそれぞれ、本化合物がその部
分においていずれかの立体異性体またはその混合物であ
ることを意味する]で示される化合物またはその製薬的
に許容される塩である医薬組成物も好ましい。
【0010】より好ましくは、式III−1またはII
I−2において、Xがヒドロキシ基またはアルコキシ
基、好ましくはC1−C5アルコキシ基であり、R4がア
ルキル基、好ましくはC1−C10アルキル、さらに好ま
しくはC1−C5アルキルである医薬組成物である。
【0011】該有機化合物が、式Iで示され、R1が先
に定義した通りであり、R2がアルキル基である化合物
またはその製薬的に許容される塩である医薬組成物も好
ましい。この場合、R1が、(CH25COX(式中、
Xは置換されていてもよいヒドロキシ基または置換され
ていてもよいアミノ基である)であることが更に好まし
い。
【0012】該有機化合物が、式Iで示され、R1が先
に定義した通りであり、R2が式:
【化21】 [式中、Y1およびY2はそれぞれ独立して水素、アルキ
ル基、アリール基、ハロゲン、置換されていてもよいヒ
ドロキシ基、置換されていてもよいカルボキシル基、置
換されていてもよいアミノ基、シアノ基、またはトリア
ルキルスズであり、mは0−10である]で示される基
である有機化合物またはその製薬的に許容される塩であ
る医薬組成物も好ましい。
【0013】この場合、Y1が水素であり、Y2がメチル
基であることが好ましく、メチル基がパラ位にあること
が更に好ましい。また、R1は、(CH25COX(式
中、Xは置換されていてもよいヒドロキシ基または置換
されていてもよいアミノ基である)であることが好まし
【0014】本発明は、新規なプロスタグランジン誘導
体にも関する。一態様として、本発明は式II’−1:
【化22】 [R3'は水素、低級アルキル基、低級アルケニル基、低
級アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル
基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、低
級アルキルオキシカルボニル基、アルカノイル基、また
はアロイル基であり、これらの基は各々置換されていて
もよく、R4'は水素、低級アルキル基、低級アルケニル
基、低級アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアル
ケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル
基、低級アルキルオキシカルボニル基、アルカノイル
基、またはアロイル基であり、これらの基は各々置換さ
れていてもよく、波線は本化合物がその部分においてい
ずれかの立体異性体(幾何異性体)またはその混合物で
あることを意味する]で示される化合物またはその製薬
的に許容される塩に関する。
【0015】好ましくは、式III’−1:
【化23】 [式中、Xはヒドロキシ基、低級アルコキシ基または置
換されていてもよいアミノ基であり、R4'は上に定義し
た通りであり、波線は本化合物がその部分においていず
れかの立体異性体(幾何異性体)またはその混合物であ
ることを意味する]で示される化合物またはその製薬的
に許容される塩である。より好ましくは、式III’
中、Xはヒドロキシ基または低級アルコキシ基であり、
4が低級アルキル基である化合物である。
【0016】本発明は別の態様として、式II''−1:
【化24】 [R3'は水素、低級アルキル基、低級アルケニル基、低
級アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル
基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、低
級アルキルオキシカルボニル基、アルカノイル基、また
はアロイル基であり、これらの基は各々置換されていて
もよく、R4'は水素、低級アルキル基、低級アルケニル
基、低級アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアル
ケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはアラ
ルキル基であり、これらの基は各々置換されていてもよ
く、波線はそれぞれ、本化合物がその部分においていず
れかの立体異性体またはその混合物であることを意味す
る]で示される化合物またはその製薬的に許容される塩
に関する。
【0017】好ましくは、式III’’−1:
【化25】 [式中、Xはヒドロキシ基、低級アルコキシ基または置
換されていてもよいアミノ基であり、R4'は上に定義し
た通りであり、波線はそれぞれ、本化合物がその部分に
おいていずれかの立体異性体またはその混合物であるこ
とを意味する]で示される化合物またはその製薬的に許
容される塩である。さらに好ましくは、式III''−1
中、Xがヒドロキシ基または低級アルコキシ基であり、
4が低級アルキル基である化合物またはその製薬的に
許容される塩である。
【0018】さらなる態様として、本発明は、式IV:
【化26】 [式中、R3'は水素、低級アルキル基、低級アルケニル
基、低級アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアル
ケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル
基、低級アルキルオキシカルボニル基、アルカノイル基
またはアロイル基であり、これらの基は各々置換されて
いてもよく、Y1およびY2はそれぞれ独立して水素、ア
ルキル基、アルケン基、アリール基、ハロゲン、置換さ
れていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいカ
ルボキシル基、置換されていてもよいアミノ基、シアノ
基、またはトリアルキルスズであり、mは0−10であ
る]で示される化合物またはその製薬的に許容される塩
に関する。
【0019】R3'は、(CH25COX(式中、Xは置
換されていてもよいヒドロキシ基または置換されていて
もよいアミノ基である)であることが好ましい。Y1
水素であり、Y2はメチル基であることが好ましく、メ
チル基がパラ位にあることがさらに好ましい。
【0020】さらなる態様として、本発明は、式V:
【化27】 [式中、R3'は水素、低級アルキル基、低級アルケニル
基、低級アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアル
ケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル
基、低級アルキルオキシカルボニル基、アルカノイル
基、またはアロイル基であり、これらの基は各々置換さ
れていてもよく、mは0−10である]で示される化合
物またはその製薬的に許容される塩に関する。
【0021】R3'は、(CH25COX(式中、Xは置
換されていてもよいヒドロキシ基または置換されていて
もよいアミノ基である)であることが好ましい。Y1
水素であり、Y2はメチル基であることが好ましく、メ
チル基がパラ位にあることがさらに好ましい。
【0022】本明細書中、以下の用語は次の意味を有す
る。「神経突起の再生/伸展促進作用」とはニューロン
(神経細胞)に作用し、軸索、樹状突起の別を問わず、
神経突起の再生または伸展あるいはその両者を促進させ
る作用を意味する。本明細書中、かかる作用を神経突起
再生/伸展促進作用と表記する場合がある。「神経細胞
の生存維持作用」とはニューロンに作用し、ニューロン
を細胞死から保護する作用を意味する。
【0023】本発明の化合物は神経突起の再生/伸展促
進作用については単独では作用を示さず、神経成長因子
(NGF)などの神経栄養因子における神経突起の再生
/伸展作用を促進させる。本発明の化合物は神経細胞の
生存維持作用については単独で作用を示す。神経突起再
生/伸展促進作用により、切断されたまたは変性した神
経繊維を再構築することができ、それにより、脊髄など
の末梢神経系のネットワークを保護することが可能とな
る。しかしながら、中枢ニューロンでは、神経繊維が切
断した場合、影響はその神経繊維にとどまらず細胞体全
体に及び、細胞死に到ることが多い。ここで、中枢ニュ
ーロンにおいて、神経突起再生/伸展促進作用が充分に
発揮されるためには、細胞死の抑制も同時に行われる必
要がある。従って本発明の医薬組成物は中枢神経系の神
経変性疾患の処置に使用することができる。具体的な適
応症としては、神経軸索変性または神経細胞死を伴う神
経疾患、例えば脳虚血、アルツハイマー病、パーキンソ
ン病、ハンチントン舞踏病、虚血性脳梗塞、筋萎縮性側
索硬化症等が挙げられる。
【0024】「プロスタグランジンA誘導体」とは、炭
素10−11位に二重結合を持つ通常のエノン型プロス
タグランジンの他に、そのエステル体、アミド体もしく
は塩;あるいはそれらの個々の立体異性体、即ち光学異
性体、幾何異性体のいずれか、またはそれらの混合物;
あるいは上記プロスタグランジン骨格にアルキル基、好
ましくはメチル基、またはアルコキシ基が置換している
化合物、好ましくは16位にメチル基が置換している化
合物を包含する意味である。「プロスタグランジンJ誘
導体」とは、炭素9−10位に二重結合を持つ通常のエ
ノン型プロスタグランジンの他に、そのエステル体、ア
ミド体もしくは塩;あるいはそれらの個々の立体異性
体、即ち光学異性体、幾何異性体のいずれか、またはそ
れらの混合物;あるいは上記プロスタグランジン骨格に
アルキル基、好ましくはメチル基、またはアルコキシ基
が置換している化合物、好ましくは16位にメチル基が
置換している化合物を包含する意味である。
【0025】本明細書中、「アルキル基」とは炭素原子
1−15個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキル基で
あり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロ
ピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチ
ル、n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、s−
ペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、ネオヘキシ
ル、i−ヘキシル、s−ヘキシル、およびt−ヘキシル
が挙げられる。「低級アルキル基」とは、アルキル基の
中で炭素原子1−10個、好ましくは1−6個を有する
直鎖状または分枝鎖状アルキル基、例えばメチル、エチ
ル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブ
チル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペ
ンチルである。
【0026】本明細書中、「アルケニル基」とは炭素原
子2−15個を有する直鎖状または分枝鎖状アルケニル
基であり、例えばビニル、アリル、2−プロペニル、1
−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテ
ニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニ
ル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニ
ル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニ
ル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、4−ヘプテニ
ル、5−ヘプテニル、6−ヘプテニル、1−オクテニ
ル、2−オクテニル、3−オクテニル、4−オクテニ
ル、5−オクテニル、6−オクテニル、または7−オク
テニルが挙げられる。「低級アルケニル基」とは、アル
ケニル基の中で炭素原子2−10個、好ましくは2−6
個を有する直鎖状または分枝鎖状アルケニル基、例えば
ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1
−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−i−ブ
テニル、2−i−ブテニル、ペンテニル、およびヘキセ
ニルである。
【0027】本明細書中、「アルキニル基」とは炭素原
子2−15個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキニル
基であり、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロ
ピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、
1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4
−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−
ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘ
プチニル、2−ヘプチニル、3−ヘプチニル、1−オク
チニル、2−オクチニル、または7−オクチニルが挙げ
られる。「低級アルキニル基」とは上記アルキニル基
中、炭素原子2−10個、好ましくは2−6個を有する
直鎖状または分枝鎖状アルキニル基である。
【0028】本明細書中、「シクロアルキル基」とは炭
素原子3−10個を有するシクロアルキル基であり、例
えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチ
ルが挙げられる。
【0029】本明細書中、「シクロアルケニル基」と
は、炭素原子3−10個を有するシクロアルケニル基で
あり、例えば1−シクロブテニル、1−シクロペンテニ
ル、3−シクロペンテニル、1−シクロヘキセニル、2
−シクロヘキセニル、1−ヘプテニル、2−ヘプテニ
ル、3−ヘプテニル、4−ヘプテニル、または1−オク
テニルが挙げられる。
【0030】本明細書中、「アリール基」とは、炭素原
子6−14個を有する単環状または縮合環状芳香族炭化
水素であり、例えばフェニル、α−ナフチル、β−ナフ
チル、アントラセニル、インデニルが挙げられる。
【0031】本明細書中、「ヘテロアリール基」とは、
N、OまたはS原子を環内に1個以上含む5〜7員環で
あり炭素環もしくは他の複素環と縮合していてもよいヘ
テロ芳香族であり、例えば2−ピリジル、3−ピリジ
ル、2−チエニル、2−フリル、イミダゾリル、トリア
ゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピロリル、2−チ
アゾリル、3−イソチアゾリル、2−オキサゾリル、3
−イソオキサゾリル、2−ベンゾフリル、2−キノリ
ル、2−インドリニル、3−(1H)−インダゾリル、
2−キナゾリニルなどが挙げられる。
【0032】本明細書中、「アラルキル基」とは前記ア
ルキルに前記アリールが置換したものであり、例えばベ
ンジル、フェネチル、フェニルプロピル、およびナフチ
ルメチル、2−(2−ナフチル)−プロピルなどが挙げ
られる。
【0033】本明細書中、「置換されていてもよい」等
により置換基の存在を示唆する場合、その置換基には同
一または異なって、それぞれハロゲン原子、ヒドロキシ
基、カルボキシ基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シ
アノ基、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アル
キニル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル
基、シクロアルケニル基、シクロアルケニルアルキル
基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリールアルキ
ル基の中から選ばれる1つまたはそれ以上の基を意味す
る。例えば、置換されているアルキル基にはハロゲン化
アルキル、ヒドロキシアルキル等があるまた、置換され
ているヒドロキシ基には低級アルキルオキシ(アルコキ
シ)、低級アルケニルオキシ基、アリールオキシ基およ
びアラルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ等が含ま
れる。置換されているカルボキシ基には、アルキルオキ
シカルボニル、アリールオキシカルボニル等のエステ
ル、あるいはアミドが含まれる。置換されているアミノ
基とは式:NR1011で示される基(ここに、R10およ
びR11は独立して水素、アルキル基またはアラルキル基
であるが、同時に水素となることはない)、例えばジメ
チルアルキル等を意味する。
【0034】本明細書中、「低級アルキルオキシ基」と
は、酸素原子に前記低級アルキルが置換しているもので
あり、例えばメチルオキシ、エチルオキシ、n−プロピ
ルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、t
−ブチルオキシ、n−ペンチルオキシ、i−ペンチルオ
キシ、ネオペンチルオキシ、s−ペンチルオキシ、t−
ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、s−ヘキシルオ
キシ、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシな
どが挙げられる。
【0035】本明細書中、「低級アルケニルオキシ
基」、「アリールオキシ基」、および「アラルキルオキ
シ基」とは、酸素原子にそれぞれ前記低級アルケニル、
アリールおよびアラルキルが置換しているものである。
【0036】本明細書中、「低級アルキルオキシカルボ
ニル基」とは、例えばメトキシカルボニル、エトキシカ
ルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシ
カルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカ
ルボニルなどである。
【0037】本明細書中、「アルカノイル基」とはカル
ボニル基に前記アルキル基またはシクロアルキル基が結
合したものであり、例えばアセチル、n−プロパノイ
ル、イソプロパノイル、n一ブチロイル、t−ブチロイ
ルが挙げられる。
【0038】本明細書中、「アルカノイルオキシ基」と
は酸素原子に直接前記アルカノイル基が結合したもので
ある。本明細書中、「アロイル基」とはカルボニル基に
前記のアリール基が結合したものである。本明細書中、
「アロイルオキシ基」とは酸素原子に前記アロイル基が
結合したものである。
【0039】本明細書中、立体異性体とは、化合物の構
造に二重結合が存在する場合にはいずれかの幾何異性
体、あるいは不斉炭素が存在する場合にはいずれかの光
学異性体を包含する意味であり、当業者ならば、その意
味するところは明らかである。
【0040】
【発明の実施の形態】Δ7プロスタグランジンA1誘導体
が以下の系において顕著な神経突起再生(または伸展)
促進活性及び/又は神経細胞生存維持作用を有すること
を確認した: 1)PC12細胞におけるNGFによる神経突起伸展の
促進作用 2)ニワトリ胎仔脊髄神経節の器官培養におけるNGF
による神経突起伸展または再生の促進作用 3)HT22細胞におけるグルタミン酸により誘発され
るアポトーシスに対する神経細胞生存維持作用 4)大脳皮質ニューロンにおけるグルタミン酸により誘
発されるアポトーシスに対する神経細胞生存維持作用 5)大脳皮質ニューロンにおけるNOにより誘発される
アポトーシスに対する神経細胞生存維持作用 6)ラットにおける局所脳虚血により誘発される脳の神
経細胞死抑制作用(個体レベルでの神経細胞死の抑制)
【0041】PC12細胞とは副腎褐色細胞腫由来の細
胞株であり、ニューロン前駆体細胞からニューロン様の
細胞への分化の実験モデルとして周知の細胞である。こ
れはATCC CRL1721にて入手可能である。H
T22細胞とは、マウス海馬の神経芽細胞腫由来の細胞
株であり、高濃度のグルタミン酸による細胞死は、神経
細胞死のモデルシステムとして周知の細胞である(Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 89, 8264-8267(1992))。
【0042】ここに新たに見出された本発明化合物は神
経突起再生/伸展促進プロスタグランジン(Neurite out
growth-/regeneration-Promoting Prostaglandin)よ
り、NEPPと命名し、その後ろに化合物番号を付与し
て各化合物を区別する。本発明の新規な化合物は、当業
者に周知である一般のプロスタグランジンを製造する手
法、例えば下記スキーム1および2に示すように三成分
連結プロスタグランジン合成法によって容易に合成でき
る[M.Suzuki et al., Bull.Chem.Soc.Jpn., 61 1299
(1988); M.Suzuki et al., Tetrahedron, 46 4809 (199
0);Suzukiet al., J. Med. Chem. 41 3084(1998); 特開
昭59-65068号公報]。
【化28】 (式中、R3'およびR4'は上に定義した通りである)で
示される化合物は、例えば以下のスキーム1によって合
成することができる。
【0043】スキーム1:
【化29】
【0044】スキーム1において、TBDMSはtert-
ブチルジメチルシロキシ(*これでよいですか)を表
し、R3'およびR4'は上に定義した通りである。(a)
および/または(b)の化合物の光学異性体を適宜組み
合わせることにより、本発明の式II'−1または式II”
−1で表される立体異性体を得ることができる。
【0045】本発明の式IV:
【化30】 または式V:
【化31】 (式中、R3'、Y1、Y2およびmは上に定義した通りで
ある)で表される化合物は例えば次のスキーム2によっ
て製造することができる。
【0046】スキーム2:
【化32】
【0047】スキーム2において、TBDMSおよびR
3 は上に定義した通りであり、R5は、
【化33】 または
【化34】 (式中、Y1、Y2およびmは上に定義した通りである)
である。R5が式VIで表される基である場合には場合に
は式IVで表される化合物を得ることができ、R5が式VII
で表される基である場合には式Vで表される化合物を得
ることができる。
【0048】PG誘導体で1位がカルボン酸の化合物は、
対応するエステル体を豚肝臓エステラーゼなどで加水分
解することで、また1位が一級アミンのアミド体である
化合物はカルボン酸体を相当するアミンと縮合させるこ
とで(例えばジクロロメタン中、EDCなどを縮合剤とし
て用いて)合成することができる。
【0049】本発明の化合物は製薬的に許容される塩を
形成できる。例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カル
シウム塩、アンモニウム塩などである。
【0050】本発明の医薬製剤および化合物は、経口的
にあるいは直腸内、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内等へ
非経口的にあるいは疾患部位へ局所的に投与することが
できる。
【0051】経口投与のためには、固形製剤あるいは液
体製剤にすることができる。固形製剤としては、例えば
錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤などがある。このような固形
剤では本発明の化合物は、例えば重炭酸ナトリウム、炭
酸カルシウム、バレイショデンプン、ショ糖、マンニト
ール、カルボキシメチルセルロースなどと混合する。製
剤操作は常法に従って行われる。また固形製剤には、例
えばステアリン酸カルシウム、ステリン酸マグネシウ
ム、グリセリンなどの潤滑剤、甘味剤、安定剤、防腐剤
などを含有させてもよい。経口投与のための液体製剤と
しては、例えば乳濁剤、懸濁剤、シロップ剤などが挙げ
られる。また、湿潤剤、懸濁補助剤、甘味剤、風味剤、
芳香剤、安定剤などを含有させることができる。液体製
剤は、ゼラチンのような吸収される物質でつくられたカ
プセルに入れて用いることもできる。
【0052】直腸内投与のためには、ゼラチンソフトカ
プセルなどの通常の坐剤が用いられる。直腸内投与以外
の非経口投与の製剤としては、例えば、無菌の水性ある
いは非水性溶液剤、懸濁剤、乳濁剤などにした皮下、筋
肉内、静脈内注射用製剤が挙げられる。非水性溶液、懸
濁剤には、例えばプロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール、オリーブ油、あるいはオレイン酸エチルの
ような注射しうる有機エステルなどが用いられる。ま
た、このような製剤には、防腐剤、乳化剤、分散剤、安
定剤などを含有させることができる。これらの注射用製
剤は、バクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の
配合、あるいは照射等の処理を適宜行うことによって無
菌化できる。さらに、本発明の化合物は、いわゆるリピ
ッドマイクロスフィアー(LM剤)とよばれる脂肪乳剤
として用いることもできる。
【0053】本発明の医薬組成物は通常は、注射により
投与する。脳疾患の処置には、血液脳関門を通って脳内
に移行できるようリポ化など、製剤上の工夫を施す。あ
るいは、化合物をエチルエステルまたはプロピルエステ
ルまたはアミド体にする等、誘導体を製造してもよい。
投与量は患者の年齢、体重、性別、症状の重篤度等によ
り左右されるが、一般には1mg〜100mg/kg体
重/日の量で投与することができる。かかる投与量は、
1日に1回あるいは数回、例えば2〜6回に分けて投与
することもできる。本発明化合物は、神経細胞の生存維
持のために使用する場合、単独で効力を発揮する。しか
し神経突起再生/伸展促進活性を示すにはNGFなどの
神経栄養因子が存在しなければならない。本発明組成物
または化合物を脳内に投与する場合、NGFはグリア細
胞などから産生され脳内に存在しているため、必ずしも
同時にNGFを投与する必要はない。しかし、本発明組
成物または化合物とともにNGFなどの神経栄養因子を
同時に投与するのは任意である。同時に投与できる神経
栄養因子にはNGFのほか、脳由来神経成長因子(BD
NF)およびNeurotrophin 3(NT3)、NT4/5、
毛様体神経栄養因子(CNTF)、塩基性線維芽細胞増
殖因子(bFGF)などがある。
【0054】
【実施例】以下に実施例および試験例を挙げて本発明を
さらに詳細に説明するが、これらは本発明の範囲の限定
を意図するものでない。
【0055】実施例1 13,14-ジヒドロ-15-epi-Δ7 -PGA1 メチルエステル
(NEPP10)の合成 工程1:
【化35】 (R,E)-3-(tert-ブチルジメチルシリル)-1-ヨード-1-オ
クテン (3.89 g, 10.6mmol)のTHF (50 mL) 溶液を-98℃
に冷却し、tert-ブチルリチウム (1.82 M ペンタン溶
液, 11.6 mL, 21.1 mmol) を加え15分間撹拌した。この
溶液にZn(CH3)2(1.0 M ヘキサン溶液, 10.6 mL, 10.6
mmol)を加え、0℃に昇温して15分間撹拌した後、反応
混合物を再び-98℃に冷却した。次に、(R)-4-(tert-ブ
チルジメチルシロキシル)-2-シクロペンテン-1-オン
(2.26 g, 10.6 mmol) のTHF (50 mL)溶液を反応液に2時
間かけてゆっくり滴下し、さらに20分間撹拌した。これ
に6-ホルミルヘキサン酸メチル (1.69 g, 10.6 mmol)
のTHF (50 mL) 溶液を15分かけて滴下し、さらに30分間
撹拌を続けた。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液に注ぎ、
生成物をヘキサンで抽出した。抽出液を無水Na2SO4で乾
燥後、ろ過、濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エ
チル= 6:1)で精製し、付加体として化合物1 (5.30
g, 82%) を得た。
【0056】化合物1:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -
0.03 (s, 3H), -0.01 (s, 6H), 0.02 (s, 3H), 0.80-0.
86 (21H), 1.18-1.65 (16H), 2.04 (dd, J = 5.4, 8.6
Hz, 1H), 2.21 (dd, J = 6.6, 18.2 Hz, 1H), 2.25 (t,
J = 7.4 Hz, 2H), 2.52-2.65 (m, 2H), 3.15 (d, J =
4.0 Hz, 1H), 3.61 (s, 3H), 3.69 (m, 1H), 3.99 (q,
J= 6.7 Hz, 1H), 4.06 (q, J = 5.7 Hz, 1H), 5.44 (d
d, J = 7.9, 15.5 Hz, 1H), 5.55 (dd, J = 5.5, 15.5
Hz, 1H).
【0057】工程2:
【化36】 工程1にて得た化合物1 (146 mg, 0.238 mmol) のエタ
ノール (3 mL) 溶液にPtO2 (17.6 mg) を加え、水素雰
囲気下室温で20時間撹拌した。続いて反応混合物をセラ
イトろ過し、濃縮後残査をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル= 6:
1)で精製することによりジヒドロ体2 (114mg, 78%) を
得た。 化合物2:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.04 (s, 3H),
-0.03 (s, 3H), 0.00 (s, 3H), 0.02 (s, 3H), 0.75-
0.85 (21H), 1.14-1.62 (20H), 1.83-1.98 (2H),2.16
(d, J = 18.0 Hz, 1H), 2.23 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.
47 (dd, J = 5.4,18.2 Hz, 1H), 3.50-3.60 (m, 1H),
3.59 (s, 3H), 3.69 (m, 1H), 3.81 (s, 1H), 4.20-4.4
0 (m, 1H).
【0058】工程3:
【化37】 化合物2 (413 mg, 0.672 mmol) のジクロロメタン (10
mL) 溶液に室温でメタンスルホニルクロライド (210 μ
L, 1.18 mmol) と4-(ジメチルアミノ)ピリジン(650 mg,
5.33 mmol) を加え撹拌した。反応の終了を薄層クロマ
トグラフィーで確認した後、反応混合物に5% HCl水溶液
を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水
Na2SO4で乾燥後、ろ過、濃縮し、粗生成物をシリカゲル
クロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチ
ル= 9:1)で精製してエノン体3 (267 mg, 67%) を得
た。 化合物3:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.04 (s, 3H),
-0.02 (s, 3H), 0.00 (s, 3H), 0.01 (s, 3H), 0.77-
0.86 (21H), 1.14-1.65 (18H), 2.11 (q, J = 7.6Hz, 2
H), 2.19 (d, J = 18.0 Hz, 1H), 2.25 (t, J = 7.0 H
z, 2H), 2.55 (dd,J = 5.2, 18.2 Hz, 1H), 2.64-2.72
(br, 1H), 3.52-3.61 (m, 1H), 3.62 (s,3H), 4.17 (d,
J = 4.4 Hz, 1H), 6.54 (dt, J = 1.6, 7.7 Hz, 1H).
【0059】工程4:
【化38】 エノン体3 (80.0 mg, 0.134 mmol) のアセトニトリル
(6 mL) 溶液に0℃でHF水溶液(47%)とアセトニトリル
の混合溶液(1:9, 8 mL)を加え撹拌した。反応の終了
を薄層クロマトグラフィーで確認した後、反応混合物に
飽和NaHCO3水溶液を加え、生成物を酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を無水Na2SO4で乾燥後、ろ過、濃縮し、粗生
成物をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘ
キサン:酢酸エチル= 1:2)で精製し、脱保護体4 (4
1.4 mg, 84%) を得た。 化合物4:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.90 (t, J =
6.8 Hz, 3H), 1.20-1.72(18H), 1.90 (d, J = 2.8 Hz,
1H), 2.22 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 2.25-2.38 (3H), 2.6
5 (dd, J = 5.2, 18.4 Hz, 1H), 2.87-2.95 (br, 1H),
3.56-3.65 (br, 1H), 3.66 (s, 3H), 4.33-4.37 (m, 1
H), 6.65 (dt, J = 1.5, 7.7 Hz, 1H).
【0060】工程5:
【化39】 化合物4 (38.0 mg, 0.103 mmol) と4-(ジメチルアミノ)
ピリジン (160 mg, 1.31 mmol) のCH2Cl2 (4 mL) 溶液
に0℃で無水トリフルオロ酢酸 (73.0 μL, 0.517 mmol)
を加え、20分間撹拌した。この反応混合物に飽和NaHCO
3水溶液を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出
液を無水Na2SO4で乾燥後、ろ過、濃縮し、得られた粗生
成物をTHF (5 mL) に溶解し、飽和NaHCO3水溶液 (5 mL)
を加えて室温で1時間撹拌した。続いて反応液を飽和食
塩水で希釈し、生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液
を無水Na2SO4で乾燥後、ろ過、濃縮し、残査をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:
酢酸エチル= 2:1)で精製して目的とする13,14-ジヒ
ドロ-15-epi-Δ7-PGA1 メチルエステル (5) (24.1mg, 6
7%) を得た。 13,14-ジヒドロ-15-epi-Δ7-PGA1 メチルエステル
(5):1H NMR (400 MHz, CDCl 3) δ 0.89 (t, J = 7.0 H
z, 3H), 1.20-1.70 (17H), 2.00-2.12 (m, 1H), 2.18-
2.35 (m, 2H), 2.31 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 3.50-3.58
(m, 2H), 3.67 (s, 3H), 6.35 (dd, J = 2.0, 6.0 Hz,
1H), 6.55 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.53 (ddd, J= 0.9,
2.7, 6.0 Hz, 1H).
【0061】実施例2 13,14-ジヒドロ-12-iso-Δ7 -PGA1 メチルエステル(N
EPP9)の合成 (S,E)-3-(tert-ブチルジメチルシリル)-1-ヨード-1-オ
クテンと(S)-4-(tert-ブチルジメチルシロキシ)-2-シク
ロペンテン-1-オンとを出発物質として用いる以外は実
施例1と同様に処理し、標題化合物を合成する。1 H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.89 (t, J = 6.8 Hz, 3
H), 1.22-1.70 (17H), 2.02-2.13 (m, 1H), 2.19-2.36
(m, 2H), 2.31 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 3.50-3.59(m, 2
H), 3.67 (s, 3H), 6.35 (dd, J = 1.6, 6.0 Hz, 1H),
6.55 (t, J = 7.8Hz, 1H), 7.53 (ddd, J = 0.9, 2.7,
6.0 Hz, 1H).
【0062】実施例3 13,14-ジヒドロ-ent-Δ7 -PGA1 メチルエステル(NEP
P8)の合成 (R,E)-3-(tert-ブチルジメチルシリル)-1-ヨード-1-オ
クテンと(S)-4-(tert-ブチルジメチルシロキシ)-2-シク
ロペンテン-1-オンとを出発物質として用いる以外は実
施例1と同様に処理し、標題化合物を合成する。1 H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.89 (t, J = 6.8 Hz, 3
H), 1.22-1.69 (16H), 1.70-1.82 (m, 1H), 1.83-1.95
(m, 1H), 2.20-2.37 (m, 2H), 2.31 (t, J = 7.6Hz, 2
H), 3.51-3.63 (2H), 3.67 (s, 3H), 6.35 (dd, J = 2.
0, 6.0 Hz, 1H),6.55 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.52 (dd
d, J = 0.9, 2.5, 6.2 Hz, 1H).
【0063】参考例1 13,14-ジヒドロ-Δ7 -PGA1 メチルエステル(NEPP
7)の合成 (S,E)-3-(tert-ブチルジメチルシリル)-1-ヨード-1-オ
クテンと(R)-4-(tert-ブチルジメチルシロキシ)-2-シク
ロペンテン-1-オンとを出発物質として用いる以外は実
施例1と同様に処理し、標題化合物を合成する。 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J = 6.8 Hz, 3
H), 1.2-1.7 (16H), 1.7-1.8 (m, 1H), 1.8-1.9 (m, 1
H), 2.1-2.4 (m, 2H), 2.30 (t, J = 7.3 Hz, 2H),3.53
(dd, J = 2.4, 4.4 Hz, 1H), 3.56 (tt, J = 5.4, 7.3
Hz, 1H), 3.66 (s, 3H), 6.34 (dd, J = 2.0 Hz, 1H),
6.54 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.52 (dd, J= 2.4, 5.9 H
z, 1H).
【0064】実施例にて合成したNEPP類を含め、以
下の試験例で使用するNEPP1−10の構造式を以下
に示す:
【化40】
【0065】NEPP11(GIF0173):
【化41】 NEPP12(GIF0188):
【化42】 NEPP13(GIF0187):
【化43】 NEPP14(GIF0191):
【化44】 NEPP15(GIF0186):
【化45】 NEPP16(GIF0172):
【化46】 NEPP17(GIF0174):
【化47】 NEPP18(GIF0180):
【化48】 NEPP19(GIF0190):
【化49】 GIF0175:(4R,5E)-5-(6-カルボメトキシヘキシ
リデン)-4-(7-ヒドロキシオクチル)-2-シクロペンテノ
【化50】
【0066】実施例4 13,14-ジヒドロ-15-epi-Δ7 -PGA1 ベンジルアミドの合
実施例1にて製造した13,14-ジヒドロ-15-epi-Δ7-PGA1
メチルエステルを豚肝臓エステラーゼで加水分解して得
られた13,14-ジヒドロ-15-epi-Δ7-PGA1(11.4m
g、33.9μmol)とベンジルアミン(3.6m
g、34μmol)のジクロロメタン(0.5mL)溶
液を氷浴で冷却した。この反応液に1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
(12.4mg、64.6μmol)を加え、室温に昇
温し、13時間撹拌した。続いて反応液に飽和食塩水を
加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水N
2SO4で乾燥後、ろ過、濃縮し、得られた粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキ
サン:酢酸エチル=1:2)で精製し、13,14-ジヒドロ
-15-epi-Δ7-PGA1ベンジルアミド(6.2mg、43
%)を得た。1 H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J = 6.8 Hz, 3
H), 1.20-2.00 (19H), 2.15-2.40 (m, 2H), 2.21 (t, J
= 7.4 Hz, 2H), 3.51-3.63 (m, 2H), 4.43 (d, J= 5.6
Hz, 2H), 5.80-5.93 (br, 1H), 6.34 (dd, J = 2.0,
6.0 Hz, 1H), 6.55(t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.24-7.37 (5
H), 7.52 (ddd, J = 0.9, 2.7, 6.0 Hz, 1H).
【0067】参考例2 15-epi-Δ7 -PGA1 ベンジルアミド Suzuki et al., J.Med.Chem., 41, 3084-3090 (1989)に
記載のようにして15-epi-Δ7-PGA1メチルエステル(N
EPP4)を製造し、次いでこのメチルエステル体を用
い、実施例4と同様に処理して標題化合物を合成する。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.89 (t, J = 6.8 Hz, 3
H), 1.20-1.75 (14H), 2.13-2.26 (m, 1H), 2.19 (t, J
= 7.4 Hz, 2H), 2.28-2.41 (m, 1H), 2.54-2.65(br, 1
H), 3.98-4.10 (m, 2H), 4.43 (d, J = 6.0 Hz, 2H),
5.37 (dd, J = 8.6, 15.4 Hz, 1H), 5.73 (dd, J = 6.
6, 15.4 Hz, 1H), 5.76-5.90 (br, 1H), 6.34 (dd, J =
2.0, 5.6 Hz, 1H), 6.61 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.22-
7.37 (6H).
【0068】実施例5 15−デオキシ−13,14−ジヒドロ−12−iso−
Δ7 −PAG1 メチルエステル(NEPP6)の合成 工程1:
【化51】 1-ブロモオクタン(345 μl, 2.0 mmol)のTHF (10 mL)
溶液を―98℃に冷却し、tert-ブチルリチウム(1.82 Mペ
ンタン溶液, 2.2 mL, 4.0 mmol) を加え15分間撹拌し
た。この溶液にZn(CH3)2(1.0 Mヘキサン溶液, 2.0 mL,
2.0 mmol)を加え、0℃に昇温して20分間撹拌した後、
反応混合物を再び―98℃に冷却した。次に、(S)-4-(ter
t-ブチルジメチルシロキシ)-2-シクロペンテン-1-オン
(424 mg,2.0 mmol) のTHF (10 mL) 溶液を反応液に1時
間かけてゆっくり滴下し、さらに40分間撹拌した。これ
にメチル 6-ホルミルヘキサノエート (314 mg, 1.99 mm
ol)のTHF (10 mL) 溶液を15分かけて滴下し、さらに20
分間撹拌を続けた。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液に注
ぎ、生成物をヘキサンで抽出した。抽出液を無水Na2SO4
で乾燥後、ろ過、濃縮し、得られた粗生成物をカラムク
ロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=
8:1)で精製し、付加体1 (229 mg, 24%)を得た。 化合物1:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ―0.02 (s, 3
H), 0.00 (s, 3H), 0.75―0.85 (12H), 1.13―1.60 (22
H), 1.85 (br, 1H), 1.95 (br, 1H), 2.14 (br d,J = 1
8.3 Hz, 1H), 2.21 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.45 (dd, J
= 5.4, 18.3 Hz,1H), 3.57 (s, 3H), 3.67 (m, 1H),
3.81 (d, J = 2 Hz, 1H), 4.06 (m, 1H)
【0069】工程2:
【化52】 化合物1(225 mg, 0.464 mmol) のジクロロメタン (5 m
L) 溶液に室温でメタンスルホニルクロライド(95 μL,
1.20 mmol) と4-(ジメチルアミノ)ピリジン(230 mg, 1.
89 mmol) を加え室温で20時間撹拌した。反応混合物に
0.1 M HCl水溶液を加え、生成物をエーテルで抽出し
た。抽出液を無水Na2SO4で乾燥後、ろ過、濃縮し、粗生
成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサ
ン:酢酸エチル= 8:1)で精製してエノン体2 (98.4 m
g, 45%) を得た。 化合物2:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.00 (s, 3H),
0.01 (s, 3H), 0.01 (s,3H), 0.79 (s, 9H), 0.84 (t,
J = 6.8 Hz, 3H), 1.15―1.65 (20H), 2.11 (dt, J =
6.8, 7.6 Hz, 2H), 2.18 (dd, J = 1.2, 18 Hz, 1H),
2.25 (t, J = 7.6Hz, 2H), 2.51 (dd, J = 4.8, 18 Hz,
1H), 2.72 (br, 1H), 3.62 (s, 3H), 4.19 (br d, J =
4.8 Hz, 1H), 6.53 (dt, J = 1.6, 7.6 Hz, 1H).
【0070】工程3:
【化53】 エノン体2 (96 mg, 0.2 mmol) のTHF―水―酢酸 (1:1:
2、12 mL) 溶液を70℃で12時間撹拌した。反応液を室温
まで放冷した後、飽和NaHCO3水溶液を加えて中和し、生
成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水Na2SO4で乾
燥後、ろ過、濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル= 4:1)で
精製し、目的の3 (58 mg, 87%) を得た。 NEPP6 (3):1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J =
6.8 Hz, 3H), 1.20―1.32 (12H), 1.37 (m, 2H), 1.48
―1.6 (3H), 1.65 (m, 2H), 1.76―1.86 (br, 1H), 2.2
6 (m, 2H), 2.32 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 3.47 (m, 1H),
3.67 (s, 3H), 6.33 (dd, J = 1.8, 6.1 Hz, 1H), 6.5
3 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.54 (ddd, J =1.0, 2.6, 6.1
Hz, 1H).
【0071】実施例6 (4R,5E)-5-(6-カルボメトキシヘキシリデン)-4-[6-(4-
メチルフェニル)ヘキシル]-2-シクロペンテノン(NE
PP11)の合成 工程1:
【化54】 1-ブロモ-6-(4-メチルフェニル)ヘキサン(465 mg, 1.8
2 mmol)のTHF (10 mL)溶液を―98℃に冷却し、tert-ブ
チルリチウム (1.82 M ペンタン溶液, 2.0 mL,3.64 mmo
l) を加え15分間撹拌した。この溶液にZn(CH3)2(1.0 M
ヘキサン溶液, 1.82 mL, 1.82 mmol)を加え、0℃に昇
温して20分間撹拌した後、反応混合物を再び―98℃に冷
却した。次に、(S)-4-(tert-ブチルジメチルシロキシ)-
2-シクロペンテン-1-オン(385 mg, 1.82 mmol) のTHF
(10 mL) 溶液を反応液に1時間かけてゆっくり滴下し、
さらに30分間撹拌した。これにメチル 6-ホルミルヘキ
サノエート(280 mg, 1.77 mmol) のTHF (10 mL) 溶液を
15分かけて滴下し、さらに20分間撹拌を続けた。反応混
合物を飽和NH4Cl水溶液に注ぎ、生成物をヘキサンで抽
出した。抽出液を無水Na2SO4で乾燥後、ろ過、濃縮し、
得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲ
ル、ヘキサン:酢酸エチル= 6:1)で精製し、付加体4
(533 mg, 55%) を得た。 化合物4:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ―0.02 (s, 3
H), 0.00 (s, 3H), 0.79 (9H), 1.15―1.60 (16H), 1.8
5 (br, 1H), 1.94 (br, 1H), 2.14 (br d, J = 18Hz, 1
H), 2.22 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.23 (s, 3H), 2.38―
2.45 (1H), 2.47 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 3.57 (s, 3H),
3.67 (m, 1H), 3.81 (br d, J = 2 Hz, 1H), 4.06 (m,
1H), 6.97 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.00 (d, J = 8.2 H
z, 2H).
【0072】工程2および3:
【化55】 化合物4 (533 mg, 0.974 mmol) のジクロロメタン (10
mL) 溶液に室温でメタンスルホニルクロライド (225 μ
L, 2.85 mmol) と4-(ジメチルアミノ)ピリジン (700 m
g, 5.74 mmol) を加え室温で20時間撹拌した。反応混合
物に0.1 M HCl水溶液を加え、生成物をエーテルで抽出
した。抽出液を無水Na2SO4で乾燥後、ろ過、濃縮し、粗
生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキ
サン:酢酸エチル= 10:1)にかけ、少量の不純物を含
むエノン体5を得た。続いて、このエノン体5 (223 mg)
のTHF―水―酢酸 (1:1:2、16 mL) 溶液を70℃で17時間
撹拌した。反応液を室温まで放冷した後、飽和NaHCO3
溶液を加えて中和し、生成物を酢酸エチルで抽出した。
抽出液を無水Na2SO4で乾燥後、ろ過、濃縮し、粗生成物
をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:
酢酸エチル= 6:1)で精製し、目的の6 (58 mg, 25%)
を得た。 NEPP11 (6):1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.18―1.70
(15H), 1.80 (m, 1H), 2.24 (m, 2H), 2.31 (t, J = 7.
4 Hz, 2H), 2.31 (s, 3H), 2.55 (t, J = 7.8 Hz, 2H),
3.46 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 6.32 (dd, J = 2.0, 6.
2 Hz, 1H), 6.52(t, J = 6.8 Hz, 1H), 7.05 (d, J =
8.2 Hz, 2H), 7.08 (d, J = 8.2 Hz, 2H),7.52 (ddd, J
= 0.8, 2.5, 6.2 Hz, 1H).
【0073】実施例7 (4R,5E)-5-(6-カルボメトキシヘキシリデン)-4-[4-(4-
メチルフェニル)ブチル]-2-シクロペンテノン(NEP
P12)の合成 実施例6において出発物質として1ブロモ−6−(4−
メチルフェニル)ヘキサンの代わりに、1-ブロモ-4-(4-
メチルフェニル)ブタンを用いた外は実施例6と同様に
して、標記化号物を得た。 NEPP12:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.25―1.42 (4
H), 1.46―1.69 (7H), 1.84 (m, 1H), 2.24 (m, 2H),
2.31 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.31 (s, 3H), 2.55 (dt,
J = 3.2, 7.8 Hz, 2H), 3.46 (m, 1H), 3.66 (s, 3H),
6.32 (dd, J = 1.8,6.2 Hz, 1H), 6.52 (t, J = 7.8 H
z, 1H), 7.03 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.08 (d, J = 8.0
Hz, 2H), 7.51 (ddd, J = 0.9, 2.5, 6.2 Hz, 1H).
【0074】実施例8 (4R,5E)-5-(6-カルボメトキシヘキシリデン)-4-[2-(4-
メチルフェニル)エチル]-2-シクロペンテノン(NEP
P13)の合成 実施例6において出発物質として1ブロモ−6−(4−
メチルフェニル)ヘキサンの代わりに、4-(2-ブロモエ
チル)トルエンを用いた外は実施例6と同様にして、標
記化号物を得た。 NEPP13:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.30―1.44 (m,
2H), 1.50 (q, J = 7.6Hz, 2H), 1.63 (q, J = 7.6 Hz,
2H), 1.83 (m, 1H), 2.08―2.35 (3H), 2.30 (t, J =
7.6 Hz, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.45―2.65 (m, 2H), 3.5
2 (m, 1H), 3.67(s, 3H), 6.36 (dd, J = 1.6, 6.0 Hz,
1H), 6.55 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.04(d, J = 7.8 H
z, 2H), 7.10 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.57 (dd, J = 2.
4, 6.0 Hz, 1H).
【0075】実施例9 (4R,5E)-5-(6-カルボメトキシヘキシリデン)-4-[8-(4-
メチルフェニル)オクチル]-2-シクロペンテノン(NE
P14)の合成 実施例6において出発物質として1ブロモ−6−(4−
メチルフェニル)ヘキサンの代わりに、1-ヨード-8-(4-
メチルフェニル)-1-オクテンを用い、工程2の前に実施
例1の工程2の処理を行った外は実施例6と同様にし
て、標記化号物を得た。 NEPP14:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.18―1.43 (12
H), 1.45―1.70 (7H), 1.80 (m, 1H), 2.25 (m, 2H),
2.31 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.31 (s, 3H), 2.55 (t, J
= 7.8 Hz, 2H), 3.46 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 6.32
(dd, J = 1.6, 6.0 Hz, 1H), 6.52 (t, J = 7.8 Hz, 1
H), 7.05 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.08 (d, J =8.0 Hz,
2H), 7.52 (ddd, J = 0.8, 2.4, 6.0 Hz, 1H).
【0076】実施例10 (4R,5E)-5-(6-カルボメトキシヘキシリデン)-4-[6-(3-
メチルフェニル)ヘキシル]-2-シクロペンテノン(NE
PP15)の合成 実施例6において出発物質として1ブロモ−6−(4−
メチルフェニル)ヘキサンの代わりに、1-ブロモ-4-(3-
メチルフェニル)ブタンを用いた外は実施例6と同様に
して、標記化号物を得た。 NEPP15:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.18―1.42 (8
H), 1.44―1.70 (7H), 1.80 (m, 1H), 2.24 (m, 2H),
2.31 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.33 (s, 3H), 2.55 (t, J
= 7.6 Hz, 2H), 3.46 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 6.32
(dd, J = 1.8, 6.2 Hz, 1H), 6.52 (t, J = 7.6 Hz, 1
H), 6.95―7.02 (3H), 7.16 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.5
2 (ddd, J = 1.0, 2.4, 6.2 Hz, 1H).
【0077】実施例11 (4R,5E)-5-(6-カルボメトキシヘキシリデン)-4-[4-(3-
メチルフェニル)ブチル]-2-シクロペンテノン(NEP
P16)の合成 実施例6において出発物質として1ブロモ−6−(4−
メチルフェニル)ヘキサンの代わりに、1-ブロモ-4-(3-
メチルフェニル)ブタンを用いた外は実施例6と同様に
して、標記化号物を得た。 NEPP16:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.25―1.42 (4
H), 1.45―1.70 (7H), 1.85 (m, 1H), 2.24 (m, 2H),
2.31 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.55 (m, 2
H), 3.46 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 6.32 (dd, J = 1.8,
5.8 Hz, 1H), 6.52(t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.92―7.04
(3H), 7.16 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.52 (ddd, J = 1.
1, 2.4, 5.8 Hz, 1H).
【0078】実施例12 (4R,5E)-5-(6-カルボメトキシヘキシリデン)-4-[2-(3-
メチルフェニル)エチル]-2-シクロペンテノン(NEP
P17)の合成 実施例6において出発物質として1ブロモ−6−(4−
メチルフェニル)ヘキサンの代わりに、3-(2-ブロモエ
チル)トルエンを用いた外は実施例6と同様にして、標
記化号物を得た。 NEPP17:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.31―1.42 (m,
2H), 1.51 (q, J = 7.6Hz, 2H), 1.63 (q, J = 7.6 Hz,
2H), 1.84 (m, 1H), 2.10―2.30 (3H), 2.30 (t, J =
7.4 Hz, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.45―2.65 (m, 2H), 3.5
2 (m, 1H), 3.66(s, 3H), 6.36 (dd, J = 1.8, 6.2 Hz,
1H), 6.55 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.95(d, J = 7.6 H
z, 1H), 6.96 (s, 1H), 7.01 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.
18 (t, J= 7.6 Hz, 1H), 7.57 (ddd, J = 1.1, 2.7, 6.
2 Hz, 1H).
【0079】実施例13 (4R,5E)-5-(6-カルボメトキシヘキシリデン)-4-(5-フェ
ニルペンチル)-2-シクロペンテノン(NEPP18)の
合成 実施例6において出発物質として1ブロモ−6−(4−
メチルフェニル)ヘキサンの代わりに、1-ブロモ-5-フ
ェニルペンタンを用いた外は実施例6と同様にして、標
記化号物を得た。 NEPP18:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.20―1.42 (6
H), 1.45―1.70 (7H), 1.80 (m, 1H), 2.24 (m, 2H),
2.30 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.59 (t, J = 7.8 Hz,2H),
3.46 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 6.32 (dd, J = 2.0, 6.
0 Hz, 1H), 6.52 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.13―7.20 (3
H), 7.24―7.30 (2H), 7.52 (ddd, J = 0.9,2.5, 6.0 H
z, 1H).
【0080】実施例14 (4R,5E)-5-(6-カルボメトキシヘキシリデン)-4-(7-フェ
ニルヘプチル)-2-シクロペンテノン(NEPP19)の
合成 実施例6において出発物質として1ブロモ−6−(4−
メチルフェニル)ヘキサンの代わりに、1-ブロモ-7-フ
ェニルヘプタンを用いた外は実施例6と同様にして、標
記化号物を得た。 NEPP19:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.17―1.42 (10
H), 1.45―1.70 (7H), 1.80 (m, 1H), 2.25 (m, 2H),
2.31 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.59 (t, J = 7.6 Hz,2H),
3.46 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 6.33 (dd, J = 2.0, 6.
0 Hz, 1H), 6.52 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.13―7.20 (3
H), 7.23―7.30 (2H), 7.52 (ddd, J = 0.9, 2.5, 6.0
Hz, 1H).
【0081】試験例1 PC12細胞に対するPGJ誘導体の神経突起伸展促進
活性 ここで使用する被検化合物の構造式をそれらの代謝経路
とともに以下に示す:
【化56】 ダルベッコ改変イーグル培地および、5%(v/v)非
働化(56℃、30分)したウマ血清(GIBCO)お
よび5%(v/v)牛胎仔血清(三菱化学)を含有する
F12培地1:1(以下、5/5DFと称する)を含む
75cm2フラスコ(FALCON)中にて、PC12細胞
(ATCC CRL1721)の亜株であるPC12h
細胞(Dev.Brain Res., 6, 143-250(1983))を維持させ
た。
【0082】神経突起伸展の評価のため、細胞をコラー
ゲン被覆24ウエル平板(住友ベークライト)に密度1
x104細胞/cm2で移し、5/5DF中にて3時間イ
ンキュベートした。培地を、5/5DFから血清を除い
た培地(以下、DFと称する)に換え、1時間インキュ
ベートした後、PGA1、PGA2、PGD2、PGJ2
Δ12−PGJ2または15−デオキシ−Δ12,14−PGJ
2(Cayman Chemical)のエタノール0.1%溶液を加え
た。その30分後にNGF(2.5S)(Chemicon Int
ernational)(50ng/ml)を加えた。次いで、細
胞を24時間インキュベートし、全細胞(約70−10
0)当たり神経突起(>10μm)を担持する細胞を同
領域内にてカウントした。同時にペルオキシソーム増殖
剤応答性レセプターγ(PPARγ)の活性化因子であ
るトログリタゾン(Sankyo Co.)を用いて同様に処理
し、神経突起伸展に対するPPARγ活性化の関与を評
価した。
【0083】得られた結果を図1に示す。PPARγ活
性化因子であるトログリタゾン、PGA1、PGA2およ
びPGD2は濃度0.1−5.0μMでは神経突起の伸
展を促進させないが、PGJ2、Δ12−PGJ2および1
5−デオキシ−Δ12,14−PGJ2は同濃度にて神経突起
伸展を促進した。促進効果の強度は15−デオキシ−Δ
12,14−PGJ2>Δ12−PGJ2>PGJ2であった。P
GJ2はΔ12−PGJ2へと容易に変換されるので、PG
2における促進活性はこのΔ12−PGJ2に由来すると
考えられる。これを前提にすれば、本試験において促進
活性を示した化合物の共通項はジエノン構造であり、こ
のことは神経突起伸展促進活性にこのジエノン構造が重
要な役割を果たしていることを示唆している。
【0084】図2は、本試験において最も良好な成績を
示した15−デオキシ−Δ12,14−PGJ2の促進活性を
示す写真である。血清不含のDF培地にて24時間イン
キュベートしてもPC12h細胞は神経突起を伸展せず
(図2a)、15−デオキシ−Δ12,14−PGJ2は単独
では伸展の促進効果を示していない(図2b)。他方、
PC12h細胞をNGF(50ng/ml)とともに2
4時間インキュベートすると、若干の神経突起の伸展が
認められる(図2c)。15−デオキシ−Δ 12,14−P
GJ2をNGFとともに存在させると、神経突起の伸展
が顕著に促進されている(図2d)。
【0085】試験例2 NEPP類の神経突起伸展促進活性 実施例および参考例にて製造したNEPP6−19およ
びSuzuki et al., J.Med.Chem., 41, 3084-3090 (1989)
に記載した方法に従い製造したNEPP1−5、GIF
0175を被検化合物として使用する以外は、試験例1
と同様に処理し、神経突起の伸展促進活性を調べた。
【0086】得られた結果を図3−7に示す。図3は、
NEPP4およびNEPP10によって誘導されるPC
12h細胞における神経突起伸展活性を証明する写真で
ある。PC12h細胞は血清不含のDF培地では24時
間で全く神経突起を伸展していない(図3A)が、NG
F(50ng/ml)とともに24時間インキュベート
すると若干神経突起が伸展された(図3B)。他方、N
EPP4またはNEPP10は単独では効果がないが、
それをNGFと存在させると神経突起伸展が顕著に促進
された(NEPP4、66.0±3.2%;NEPP1
0、66.7±8.4%)(図3Cおよび図3D)。
【0087】図4は、NEPP1−6によって誘導され
るPC12h細胞における神経突起伸展の濃度依存性の
促進活性を示している。図4より、NEPP1−6は
0.1−0.5μMにおいてNEPP4と同様の活性を有
することが分かる。
【0088】図5は、NEPP7−10によって誘導さ
れるPC12h細胞における神経突起伸展の濃度依存性
の促進活性を示している。NEPP7−9もこの活性を
保持していたが、その効力はNEPP1−6と比較して
低かった。NEPP10はNEPP1−6と同等のレベ
ルの神経突起伸展の促進活性を有していた。
【0089】図6は、NEPP11−19による、PC
12h細胞における神経突起伸展の促進活性を示してい
る。NGFの濃度は(50ng/ml)であり、NEPP1
1−19の濃度は0.5μMである。図7は、NEPP1
1の場合の神経突起伸展促進活性の濃度依存性を示す。
【0090】試験例3 毒性試験(I) NEPP類は元来、抗ガン剤として開発されたものであ
るため、PC12細胞に対する細胞毒性活性を有してい
る可能性がある。細胞毒性を評価するため、MTT活性
の測定を元の方法(Masmann, J. Immunol. Methods, 6
5, 55-63 (1983)))の改変法(Kuboなど、Dev, Brain R
es 85 249-258(1994))に従って行なった。1x105
胞/cm2でポリエチレンイミン被覆24ウエル平板(F
ALCON)にPC12細胞を移し、試験例1に記載の5/
5DF中で24時間インキュベートした。培地を血清不
含DFと交換し、1時間インキュベートし、種々の濃度
のPG類を加えた。細胞を48時間インキュベートし、
MTTテトラゾリウム塩(3−(4,5−デメチル−2
−チアゾリル 9−2,5ジフェニル−2H−テトラゾ
リウムブロミド)を最終濃度1mg/mlで培養培地に
加えた。37℃で2時間インキュベートした後,20%
(w/v)SDSおよび50%(v/v)N,N−ジメ
チルホルムアミドpH4.7を含有する細胞溶解緩衝液
を等容積加えて検定を終了した。37℃で一晩インキュ
ベートした後、540nmにおける吸光度を測定した。
コントロールのMTT活性に対する比を細胞の生存率と
した。
【0091】
【表1】 表1はPC12細胞についてのNEPP1−10の毒性
試験の結果を示す。NEPP1−6は比較的毒性が強
く、これに対してNEPP7−10は比較的低毒性であ
った。
【0092】試験例4 背根神経節ニューロンに対する神経突起再生/伸展促進
活性 PC12h細胞のような細胞株ではなく、初代培養ニュ
ーロンを用いてNEPP類における神経突起再生/伸展
の促進活性を確かめた。ここでは、ニワトリ胎仔(受精
後7日齢)背根神経節(DRG)ニューロンにNEPP
10を適用した。得られた結果を図8に示す。DRGニ
ューロンをNGF(50ng/ml)の不存在下(図8
Aおよび図8B)または存在下(図8Cおよび図8D)
に24時間培養した。BおよびDでは、NEPP10
(1.0μM)をNGFを加える30分前に加えた。対
照DRGニューロンおよびNEPP10のみで処理した
ニューロンは低レベルでしか神経突起を再生/伸展させ
ないが(図8Aおよび図8B)、NGFを存在させると
再生/伸展活性が促進された(図8C)。NGFの他さ
らにNEPP10を存在させると再生/伸展活性は顕著
に促進された(図8D)。これらの結果はNEPP類に
よる神経突起の伸展の促進はPC12h細胞に限られた
ものではなく、神経細胞一般に及ぶ現象であることを示
している。
【0093】試験例5 1位カルボン酸の化学修飾による神経突起伸展促進活性
への影響 1位のカルボン酸のエステルの影響を調べるため、実施
例1記載の手法に従い、NEPP4並びにそのベンジル
アミド体およびフリーのカルボン酸のPC12h細胞に
対する各種化合物の神経突起伸展促進活性を調べた。N
EPP4、そのベンジルアミド体およびカルボン体は参
考例2記載のようにして製造した。得られた結果を図9
に示す。これにより、1位のカルボン酸がエステル化さ
れていることは神経突起伸展促進活性に影響を与えない
ことが明らかとなった。
【0094】試験例6 HT22細胞におけるグルタミン酸誘発アポトーシスに
対するNEPP類の神経細胞生存維持作用(1) マウスの海馬の神経芽細胞腫由来であるHT22細胞
は、高濃度(5mM)のL−グルタミン酸を添加すると
グルタチオン枯渇によりアポトーシスを受けることが知
られている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89,8264-826
7(1992))。NEPP類の神経細胞の生存維持効果を調
べるため、HT22細胞を用い、これにグルタミン酸を
添加してアポトーシスを起させ、さらにNEPP類を添
加してNEPP類が細胞死を抑制するか否かを調べた。
HT22細胞(David Schubert lab. in Salk Instより
入手)を、5%(v/v)の非働化した(56℃、30
分)ウマ血清(GIBCO)及び5%(v/v)の牛胎
仔血清(Mithubishi Kasei)を補った Dulbecco Modifi
ed Eagle (DME)培地(5/5 DME)を用いて
75cm2フラスコ(FALCON)中に保持した。
【0095】細胞生存率を評価するため、MTT活性の
測定を元の方法(Masmann, J. Immunol. Methods, 65,
55-63 (1983)))の改変法(Kuboなど、Dev, Brain Res
85 249-258(1994))に従って行なった。細胞を、6×1
4細胞/cm2の密度で24ウエルのプレート(FAL
CON)上に移し、5/5DME中12時間インキュベ
ートした後、NEEPを加えた。グルタミン酸はこの3
0分後に添加した。グルタミン酸(5mM)は以下のよ
うにして添加した。滅菌水で200mMの液をつくり、
1/40(v/v)の200mMグルタミン酸溶液を添
加した。細胞を24時間インキュベートし、テトラゾリ
ウム塩MTTを培養物に最終濃度1mg/mlで加え
た。37℃で2時間インキュベートした後、20%(w
/v)SDS及び50%(v/v)N,N−ジメチルホ
ルムアミドを含む溶解緩衝液、pH4.7を等容積加え
ることによりそのアッセイを中止させた。37℃で一晩
インキュベートした後、540nmでの吸光度を測定し
た。
【0096】結果を図10〜12に示す。図10は、グ
ルタミン酸塩で誘発されるHT22細胞のアポトーシス
に及ぼすNEEP6又はシクロヘキシミドの添加の効果
を示す顕微鏡写真である。図10Aは、もとのHT22
細胞の位相差写真であり、図10Bは、該細胞にL−グ
ルタミン酸(濃度5mM)を添加した場合である。この
グルタミン酸による細胞死はNMDA受容体を介した興
奮毒性ではなく、グルタチオン凅渇により誘導される細
胞死である。グルタミン酸を添加すると8時間後には、
細胞質が断片化し、核が凝集した像が認められる。これ
はアポトーシスの形態的な特徴である。その過程は24
時間までに完全にプラトー(大部分の細胞がL−グルタ
ミン酸に反応して死ぬ)に達した。グルタミン酸の添加
によりHT22細胞がアポトーシスを起しているのが観
察される(特に矢印部分)。
【0097】図10Cは、グルタミン酸に加えてNEP
P6(1μM)をさらに添加した場合である。図10C
を図10A及びBと比較すると、グルタミン酸添加によ
り誘発されるアポトーシスがNEPP6の添加により抑
制されることがわかる。図11Dは、NEPP6に代え
てシクロヘキシミド(1μM)を添加した場合である。
翻訳阻害剤であるシクロヘキシミドを存在させるとアポ
トーシスは完全に抑制され、蛋白質への翻訳が必要であ
ることがわかる。これはアポトーシスの典型的な特徴で
ある。
【0098】図10E−Hは、図10A−Dにそれぞれ
対応する、HT22細胞の核をヘキスト染色したものの
蛍光写真である。グルタミン酸の添加により核が凝集を
起し(図10F)、NEPP6を添加するとこれが抑制
されることがわかる(図10G)。NEPP6はグルタ
ミン酸で誘発されるHT22細胞のアポトーシスを抑制
する効果、即ち細胞保護効果を有することが示される。
【0099】図11は、グルタミン酸で誘発されるHT
22細胞のアポトーシスに対するNEPP1−10の神
経細胞死抑制効果を定量的に示したものである。NEP
P1−2及びNEPP7−10はNEPP3−4及び5
−6より保護効果が小さい。NEPP1−6に匹敵する
レベルで神経突起伸展促進作用を有するNEPP10
(図5を参照)が神経細胞死抑制効果が小さいことは指
摘する価値があり、神経細胞死抑制作用が神経突起伸展
促進作用とは細胞内メカニズムが異なっていることを示
唆する。NEPP3−4及び5−6は死を75%以上抑
制するが、NEPP1−10の中ではNEPP6が最も
広い濃度(0.2−2.0μM)で細胞死を抑制する。
【0100】図12はグルタミン酸で誘発されるHT2
2細胞に対するGIF0175の神経細胞抑制効果を定
量的に示す。図12から明らかなようにGIF0175
は細胞死を部分的に抑制する作用があるが、一方神経突
起伸展促進作用はほとんどない。
【0101】試験例7 毒性試験(II) 実施例6においてアポトーシス誘発剤であるグルタミン
酸を加えなかった外は、実施例6と同様にしてNEPP
3−6のHT22細胞に対する細胞毒性を調べた。図13
に結果を示す。NEPP3および4は比較的毒性が強く
NEPP5および6は比較的毒性が弱い。図11に示す
ように、細胞死抑制作用はNEPP6>NEPP5であ
るので、NEPP1−10の中ではNEPP6が最良の
候補と考えられる。
【0102】比較試験例1 HT22細胞におけるグルタミン酸誘発アポトーシスに
対するNEPPの神経細胞生存維持作用に及ぼすジエノ
ン構造の影響 ジエノン構造を有するNEPP6の神経細胞死抑制効果
を、類似の化学構造を有するがエノン構造を有する以下
の化合物と比較した。
【化57】
【0103】これらの化合物を用いる以外は試験例6と
同様の方法により、HT22細胞におけるグルタミン酸
誘発アポトーシスに対するこれら化合物の神経細胞生存
維持作用を調べた。結果を図14に示す。ジエノン構造
を有するNEPP6が優れた神経細胞死抑制効果を有す
るのに対し、モノエノン構造を有するこれらの化合物は
神経細胞死抑制効果を示さない。このことは細胞の抑制
にジエノン構造が必須であることを示す。
【0104】試験例8 HT22細胞におけるグルタミン酸誘発アポトーシスに
対するNEPP類の神経細胞生存維持作用(2) NEPP6のいくつかの誘導体(NEPP11−19)
について更に神経細胞死抑制効果を調べた。これらの化
合物を用いる以外は試験例6と同様の方法により、HT
22細胞におけるグルタミン酸誘発アポトーシスに対す
る神経細胞生存維持作用を調べた。結果をNEPP6と
比較して図15に示す。これらの化合物の中でNEPP
11は、最も優れた神経細胞保護効果を示し、しかもそ
の効果はNEPP6より特に低濃度で強力であった。図
6及び図7に示すように、NEPP11はPC12細胞
において優れた神経突起伸展促進作用を示す。NEPP
11は、神経突起伸展促進作用及び神経細胞生存維持作
用を有する神経栄養因子様低分子化合物の最良の候補で
あることを示す。
【0105】試験例9 皮質ニューロン(妊娠20日齢)におけるグルタミン酸
誘発アポトーシスに対するNEPP11の神経細胞生存
維持作用 NEPPの神経細胞死抑制効果が初代培養ニューロンに
対してもあることを示すために、HT22細胞に代え
て、大脳皮質ニューロンを使用して、グルタミン酸誘発
アポトーシス(Raten RR, Murphy TH. and Baraban JM,
J. Neurochem 62376-379(1994))に対するNEPP11
の保護効果を確認した。大脳皮質ニューロンは以下のよ
うにして得た。ラット(Wistar,♀または♂;N
ippon SLC)の妊娠20日齢(E20)の胎仔
から大脳皮質を取り出した。その分散培養系を以下のよ
うにして得た。組織を、パパイン(90単位)、DNa
se(2000単位)、DL−システイン(2mg)、
再結晶化ウシ血清アルブミン(2mg)及びグルコース
(50mg)を含むCa2+,Mg 2+を含まない燐酸緩衝
液(PBS(−))10mlに加え、次に37℃のイン
キュベーターで200rpmの一定の回転速度で30分
間インキュベートした。パパイン消化の後、その組織を
培地(ウシ胎仔血清:5%;非働化したウマ血清:5
%;Dulbecco Modified Eagle 培地及び15mMのHE
PES緩衝液、pH7.4、30nMのセレニウム、
1.9mg/mlの重炭酸ナトリウムを含むHamのF
−12培地の1:1混合物(DF培地):90%)に再
懸濁した。その解離した細胞をポリエチレンイミンでコ
ートした48ウエルのプレート(住友ベークライト)上
に3x105細胞/cm2の密度で直接プレートした。そ
の細胞を37℃で48時間、CO2インキュベーター中
5%CO2及び9%O2で培養した。24時間5/5DF
で培養した後、5/5DMEに培地を交換した。1時間
5/5DMEで培養した後、各濃度のNEPP11を添
加し、さらに30分後、5mMのグルタミン酸を加え
た。24時間培養した後、MAP2で染色し(Enokido
Y. and Hatanaka H., Neurosci., 57, 965-972(199
3))、MAP2陽性細胞をカウントし、コントロールと
のMAP2陽性細胞の比を神経細胞の生存率とした。
【0106】結果を図16に示す。大脳皮質ニューロン
におけるグルタミン酸により誘発されるグルタチオン凅
渇によるアポトーシスに対してもNEPP11は神経細
胞生存維持作用を有することがわかる。顕微鏡による観
察によってもこのことが確認された。これらの結果は、
NEPPによる神経細胞保護作用はHT22細胞に特異
的なものではなく、神経細胞一般の現象であることを示
している。
【0107】試験例10 大脳皮質ニューロン(妊娠20日齢)における血清除去
誘発アポトーシスに対するNEPP11の神経細胞生存
維持作用 試験例6、8および9では、グルタミン酸塩によって誘
発されるアポトーシスに対するNEPPの保護作用を調
べた。本試験例では血清除去(Satoh T, SakaiN, Enokid
o Y, Uchiyama Y, and Hatanaka H, Brain Res 733, 9
-14(1996))により誘発されるアポトーシスに対するNE
PPの神経細胞保護作用をさらに調べた。試験に使用し
た神経細胞は試験例9と同様に妊娠20日齢の胎仔から
調整した大脳皮質ニューロンである。アポトーシスを誘
発するために培地中に血清を含ませなかった外は実験例
9と同様の方法により神経細胞の生存率を測定した。
【0108】結果を図16に示す。皮質ニューロン(妊
娠20日齢)における血清除去誘発アポトーシスに対し
てもNEPPはニューロン生存維持作用を有することが
わかる。このことはNEPPの神経細胞死抑制作用が、
グルタミン酸により誘発されるアポトーシスに特異的な
ものではなく、他の刺激による神経細胞死にも及ぶこと
を示唆する。
【0109】試験例11 マウスにおける永久閉塞により誘発される虚血性神経細
胞死に及ぼすNEPPの作用 試験例6−10では細胞レベルでのNEPPの神経細胞
死抑制効果を示したが、本試験例ではマウスの局所脳虚
血による神経細胞死に対する、NEPPの神経細胞死抑
制効果、すなわち個体レベルでの効果を確認した。成体
のICRマウス(雄性、25〜30g、SLC、浜松)
を、ベーパライザー(Halowick,Muraco
Medical,東京)を用いて、誘導のため、70
%のN2O及び30%のO2中の1.5%のハロタンで麻
酔し、1.0%のハロタンで麻酔を維持した。各マウス
において、局所的な大脳の血流(rCBF)をフレキシ
ブルなプローブを用いてLaser―Dopplerフ
ローメトリー(FLO−Cl、Omegawave,東
京)によりモニターした。そのプローブの先端をシアノ
アクリレート接着剤(アロンアルファ、TOA,東京)
で頭蓋(プレグマの2mm後方及び6mm外側)に貼り
つけた。熱伝対で調節する加熱パッド(NS−TC,ニ
ューロサイエンス、東京、及びBAT−12、Phys
itemp,NJ,米国)を用いて、直腸及び側頭筋の
温度を手術の間、約37℃に維持し、再潅流の後3時間
モニターした。10%エタノール10mMに溶解した6
6ng又は660ngのNEEP11を、Hamilt
onのマイクロシリンジを用いて虚血30分前に左側の
脳室(ブレグマの−0.9mm外側、−0.1mm後
方、−3.0mm深)中に注入した。シリコン樹脂及び
硬化剤混合物(キサントプレン及びオプトシルアクチベ
ーター、Heraeus、Dormagen,ドイツ)
でコートした8−0ナイロンモノフィラメントで中大脳
動脈(MCA)閉塞を誘発した。そのフィラメントを左
の内頚動脈中へ、前大脳動脈まで押し入れた。虚血の誘
発の24時間後に、過量のペントバルビタールナトリウ
ムでマウスを深く麻酔し、脳をすばやく取り除き、マウ
スの脳マトリックス(ニュウロサイエンス、東京)を用
いて2mm厚の5つの冠状切片に切断した。その脳スラ
イスを2%の2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム
クロライド(TTC)(Sigma)で処理した後、1
0%ホルマリンで一晩処理した。白色の輪郭を画く梗塞
した面積を、イメージ分析システム(オリンパス、東
京)により各スライスの後表面で測定し、梗塞体積を各
スライスの梗塞面積を合計することにより計算した。動
物実験プロトコールは動物実験の国立循環器センターの
ガイドラインに従った。
【0110】結果を図18に示す。NEPP11を投与
することにより、梗塞容積が減少したので、NEPPが
局所脳虚血により誘発される神経細胞死を抑制したこと
がわかる。即ち。NEPPは個体レベルにおいても神経
細胞死抑制効果を有することがわかる。
【0111】
【発明の効果】以上の試験例で示したように、本発明の
化合物は、神経突起の再生/伸展促進作用、及び/また
は神経細胞の生存維持作用を有する。即ち本発明により
神経栄養因子様活性を有する低分子化合物を有効成分と
する医薬組成物が提供される。なお、本発明の化合物は
神経疾患などの治療剤としての有用性にとどまらず、本
化合物の示す生理機能解析や生体内動態解析、病態診断
のための分子プローブとしての応用など、多方面での有
用性が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 PGJ誘導体によって誘導されるPC12h
細胞における神経突起伸展の濃度依存性の促進活性を示
すグラフである。値は平均±S.D.(n=4)で表して
いる。
【図2】 15−デオキシ−Δ12,14−PGJ2およびN
GFによって誘導されるPC12h細胞における神経突
起伸展活性を証明する、生物の形態を表す図面に代わる
写真である。棒は10μmである。 a: 対照, b: 15-デオキシ-△12,14-PGJ2(0.5μM),c: N
GF(50ng/ml), d: 15-デオキシ-△12,14-pGJ2(0.5μM)
+NGF(50ng/ml)
【図3】 NEPP4およびNEPP10によって誘導
されるPC12h細胞における神経突起伸展活性を証明
する、生物の形態を表す図面に代わる写真である。棒は
10μmである。 A: 対照, B: NGF(50ng/ml), C: NGF(50ng/ml)+NEPP4 (0.5μM), D: NGF(50ng/ml)+NEPP10 (0.5μM)
【図4】 NEPP1−6によって誘導されるPC12
h細胞における神経突起伸展の濃度依存性の促進活性を
示すグラフである。値は平均±S.D.(n=4)で表し
ている。
【図5】 NEPP7−10によって誘導されるPC1
2h細胞における神経突起伸展の濃度依存性の促進活性
を示すグラフである。値は平均±S.D.(n=4)で表
している。
【図6】 NEPP11−19によって誘導されるPC
12h細胞における神経突起伸展促進活性を示すグラフ
である。値は平均±S.D.(n=4)で表している。
【図7】 NEPP11によって誘導されるPC12h
細胞における神経突起伸展の濃度依存性の促進活性を示
すグラフである。値は平均±S.D.(n=4)で表して
いる。
【図8】 DRGニューロンに対するNEPP10の神
経突起再生/伸展の促進活性を証明する、生物の形態を
表す図面に代わる写真である。棒は10μmである。 A: 対照, B: NEPP10(1μM), C: NGF(50ng/ml),D: NEP
P10(1μM)+NGF(50ng/ml)
【図9】 NEPP4およびそのニコチンアミド体、カ
ルボン酸体によって誘導されるPC12h細胞における
神経突起伸展活性を示すグラフである。値は平均±S.
D.(n=4)で表している。
【図10】 グルタミン酸で誘発されるHT22細胞の
アポトーシスに対するNEPP6の生存維持作用を示す
図面に代わる写真である。 A,E: 対照, B,F: +L-グルタミン酸(5mM),C,G: +L-グ
ルタミン酸(5mM)+NEPP6(1.0μM),D,H: +L-グルタミン
酸(5mM)+シクロヘキシイミド(1.0μM)
【図11】 グルタミン酸で誘発されるHT22細胞の
アポトーシスに対するNEPP1−10の生存維持作用
の濃度依存性を示すグラフである。値は平均±S.D.
(n=4)で表している。
【図12】 グルタミン酸で誘発されるHT22細胞の
アポトーシスに対するNEPP20の生存維持作用の濃
度依存性を示すグラフである。値は平均±S.D.(n=
4)で表している。
【図13】 HT22細胞に対するNEPP3−6の細
胞毒性を示すグラフである。値は平均±S.D.(n=
4)である。
【図14】 グルタミン酸で誘発されるHT22細胞の
アポトーシスに対するNEPPの生存維持作用に及ぼす
ジエノン構造の影響を示すグラフである。値は平均±
S.D.(n=4)で表している。
【図15】 グルタミン酸で誘発されるHT22細胞の
アポトーシスに対するNEPP11−19の生存維持作
用の濃度依存性を示すグラフである。値は平均±S.D.
(n=4)で表している。
【図16】 グルタミン酸または血清除去により誘発さ
れる大脳皮質ニューロンのアポトーシスに対するNEP
P11の生存維持作用の濃度依存性を示すグラフであ
る。値は平均±S.D.(n=4)で表している。
【図17】 マウスにおいて恒久的な閉塞により誘発さ
れる脳の梗塞に対するNEPP11の作用を示す棒グラ
フである。値は平均±S.D.(n=4)で表している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 正昭 愛知県名古屋市東区徳川町1010−1202 (72)発明者 名村 尚武 大阪府吹田市青山台3−50 D−11 205 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 DA03 MA01 MA04 NA14 ZA02 4H006 AA03 AB20 AB21 UE14 UE38 UE52 UE54 UE55

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエノン構造を有する有機化合物を有効
    成分として含有する、(i)神経突起の再生/伸展作
    用、及び/又は(ii)神経細胞の生存維持作用を有す
    る医薬組成物。
  2. 【請求項2】 該有機化合物が式I: 【化1】 [式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素、アルキ
    ル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル
    基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロアリール
    基、アラルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または
    アミノ基であり、これらの基は各々置換されていてもよ
    く、 波線はそれぞれ、本化合物がその部分においていずれか
    の立体異性体またはその混合物であることを意味する]
    で示される化合物またはそれらの製薬的に許容される塩
    である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 該有機化合物がプロスタグランジンA誘
    導体またはJ誘導体の化合物である請求項2に記載の医
    薬組成物。
  4. 【請求項4】 該有機化合物がΔ7プロスタグランジン
    1誘導体である請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 該有機化合物が、 式II−1: 【化2】 又は、式II−2: 【化3】 [R3は前記のR1と同意義であり、 R4は水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル
    基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール
    基、ヘテロアリール基、またはアラルキル基であり、こ
    れらの基は各々置換されていてもよく、 波線はそれぞれ、本化合物がその部分においていずれか
    の立体異性体またはその混合物であることを意味する]
    で示される化合物またはその製薬的に許容される塩であ
    る請求項2又は3に記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 R4が式: 【化4】 [式中、Z1およびZ2はそれぞれ独立して水素、アルキ
    ル基、アリール基、ハロゲン、置換されていてもよいヒ
    ドロキシ基、置換されていてもよいカルボキシル基、置
    換されていてもよいアミノ基、シアノ基、またはトリア
    ルキルスズであり、 nは0−10である]で示される基である請求項5に記
    載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 該有機化合物が式III−1: 【化5】 または、式III−2: 【化6】 [式中、Xは置換されていてもよいヒドロキシ基または
    置換されていてもよいアミノ基であり、 R4は上に定義した通りであり、 波線はそれぞれ、本化合物がその部分においていずれか
    の立体異性体またはその混合物であることを意味する]
    で示される化合物またはその製薬的に許容される塩であ
    る請求項3に記載の医薬組成物。
  8. 【請求項8】 Xがヒドロキシ基またはアルコキシ基で
    あり、R4がアルキル基である請求項7に記載の医薬組
    成物。
  9. 【請求項9】 式Iで示される有機化合物において、R
    2がアルキル基である請求項2に記載の医薬組成物。
  10. 【請求項10】 R1が、(CH25COX(式中、X
    は置換されていてもよいヒドロキシ基または置換されて
    いてもよいアミノ基である)である請求項9に記載の医
    薬組成物。
  11. 【請求項11】 式Iで示される有機化合物において、
    2が式: 【化7】 [式中、Y1およびY2はそれぞれ独立して水素、アルキ
    ル基、アルケン基、アリール基、ハロゲン、置換されて
    いてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいカルボ
    キシル基、置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、
    またはトリアルキルスズであり、 mは0−10である]で示される基である請求項2に記
    載の医薬組成物。
  12. 【請求項12】 Y1が水素であり、Y2がメチル基であ
    る請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 【請求項13】 メチル基がパラ位にある請求項12に
    記載の医薬組成物。
  14. 【請求項14】 R1が、(CH25COX(式中、X
    は置換されていてもよいヒドロキシ基または置換されて
    いてもよいアミノ基である)である請求項11−13の
    いずれかに記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】 式II’−1: 【化8】 [R3'は水素、低級アルキル基、低級アルケニル基、低
    級アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル
    基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、低
    級アルキルオキシカルボニル基、アルカノイル基、また
    はアロイル基であり、これらの基は各々置換されていて
    もよく、 R4'水素、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級ア
    ルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、
    アリール基、ヘテロアリール基、またはアラルキル基で
    あり、これらの基は各々置換されていてもよく、 波線は本化合物がその部分においていずれかの立体異性
    体またはその混合物であることを意味する]で示される
    化合物またはその製薬的に許容される塩。
  16. 【請求項16】 式III’−1: 【化9】 [式中、Xはヒドロキシ基、低級アルコキシ基または置
    換されていてもよいアミノ基であり、 R4'上に定義した通りであり、 波線は本化合物がその部分においていずれかの立体異性
    体またはその混合物であることを意味する]で示される
    請求項15に記載の化合物またはその製薬的に許容され
    る塩。
  17. 【請求項17】 Xがヒドロキシ基または低級アルコキ
    シ基であり、R4が低級アルキル基である請求項16に
    記載の化合物またはその製薬的に許容される塩。
  18. 【請求項18】 式II''−1: 【化10】 [R3'は水素、低級アルキル基、低級アルケニル基、低
    級アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル
    基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、低
    級アルキルオキシカルボニル基、アルカノイル基、また
    はアロイル基であり、これらの基は各々置換されていて
    もよく、 R4 は水素、低級アルキル基、低級アルケニル基、低
    級アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル
    基、アリール基、ヘテロアリール基、またはアラルキル
    基であり、これらの基は各々置換されていてもよく、 波線はそれぞれ、本化合物がその部分においていずれか
    の立体異性体またはその混合物であることを意味する]
    で示される化合物またはその製薬的に許容される塩。
  19. 【請求項19】 式III’’−1: 【化11】 [式中、Xはヒドロキシ基、低級アルコキシ基または置
    換されていてもよいアミノ基であり、 R4'は上に定義した通りであり、 波線はそれぞれ、本化合物がその部分においていずれか
    の立体異性体またはその混合物であることを意味する]
    で示される請求項18に記載の化合物またはその製薬的
    に許容される塩。
  20. 【請求項20】 Xがヒドロキシ基または低級アルコキ
    シ基であり、R5が低級アルキル基である請求項19に
    記載の化合物またはその製薬的に許容される塩。
  21. 【請求項21】 式IV: 【化12】 [式中、R3'は水素、低級アルキル基、低級アルケニル
    基、低級アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアル
    ケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル
    基、低級アルキルオキシカルボニル基、アルカノイル
    基、またはアロイル基であり、これらの基は各々置換さ
    れていてもよく、 Y1およびY2はそれぞれ独立して水素、アルキル基、ア
    ルケン基、アリール基、ハロゲン、置換されていてもよ
    いヒドロキシ基、置換されていてもよいカルボキシル
    基、置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、または
    トリアルキルスズであり、 mは0−10である]で示される化合物またはその製薬
    的に許容される塩。
  22. 【請求項22】 R3'が(CH25COX(式中、Xは
    置換されていてもよいヒドロキシ基または置換されてい
    てもよいアミノ基である)である請求項21に記載の化
    合物またはその製薬的に許容される塩。
  23. 【請求項23】 Y1が水素であり、Y2がメチル基であ
    る請求項21または22に記載の化合物またはその製薬
    的に許容される塩。
  24. 【請求項24】 メチル基がパラ位にある請求項23に
    記載の化合物またはその製薬的に許容される塩。
  25. 【請求項25】 式V: 【化13】 [式中、R3'は水素、低級アルキル基、低級アルケニル
    基、低級アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアル
    ケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル
    基、低級アルキルオキシカルボニル基、アルカノイル
    基、またはアロイル基であり、これらの基は各々置換さ
    れていてもよく、 mは0−10である]で示される化合物またはその製薬
    的に許容される塩。
  26. 【請求項26】 R3'が、(CH25COX(式中、X
    は置換されていてもよいヒドロキシ基または置換されて
    いてもよいアミノ基である)である請求項25に記載の
    化合物またはその製薬的に許容される塩。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013530185A (ja) * 2010-06-14 2013-07-25 ケイマン ケミカル カンパニー, インコーポレーテッド テトラノール−プロスタグランジンd、j、e、a及びf代謝物の製造方法
JP2014502974A (ja) * 2011-01-24 2014-02-06 インセプタム リサーチ アンド セラピューティクス,インク. 精神神経性の疾病を処置するためのプロスタグランジンを含む組成物

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