JP2000225211A - ゴルフボール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 コアと、該コアを被覆する内外２層以上
のカバーを備えると共に、該最外層カバー表面に多数の
ディンプルが形成されてなるゴルフボールにおいて、上
記最外層カバーの硬度がショアＤ硬度で３０以上５１未
満であり、この最外層カバーのショアＤ硬度Ｂと該最外
層カバーのすぐ内側のカバーのショアＤ硬度Ａとの積
（Ａ×Ｂ）が１０００〜３５００の範囲であると共に、
上記ディンプルとして互いに直径の異なる少なくとも３
種類のディンプルを有し、これらディンプルの平均直径
（ＡＤ）と平均深さ（ＡＰ）との比ＡＤ／ＡＰが１７〜
２６で、各ディンプル縁部によって囲まれる平面下のデ
ィンプル空間体積の全ディンプルの総和であるディンプ
ル総容積が２８０〜３９０ｍｍ³であることを特徴とす
るゴルフボール。 【効果】 良好な打球感、耐久性、反発性能、アプロー
チコントロール性を有すると共に、優れた飛翔特性を有
し、総合的に見て進歩した高性能のゴルフボールを得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コアと、このコア
を被覆する内外２層以上のカバーを有するゴルフボール
に関し、更に詳述すると、打球感、耐久性、反発性能、
アプローチコントロール性を有し、かつ優れた飛翔特性
を有し、総合的に見て進歩した性能を有するゴルフボー
ルに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、様々な多層化された構造を有する
ゴルフボールが提案されている（例えば、特開平７−２
４０８４号公報、同７−２４０８５号公報、同９−２３
９０６７号公報、同９−２３９０６８号公報等参照）。

【０００３】これら提案によれば、ボール構造の改良に
より、打球感、耐久性、反発性能などの性能が向上する
ものである。

【０００４】最近、特開平１０−２４８９５５号公報に
は、ソリッドコアと、このコアを覆って表面に多数のデ
ィンプルが形成されたカバーとを備えたゴルフボールに
おいて、ディンプルが互いに直径の異なる３種以上で、
各ディンプルは直径（ｍｍ）を深さ（ｍｍ）で除した値
が１８〜２７であり、そのディンプル容積を当該ディン
プルの直径及び深さをそれぞれ直径及び深さとする円柱
の容積で除した値が０．３９０〜０．５５０であるツー
ピースソリッドゴルフボールが提案されている。

【０００５】また、特開平１０−１５１２２５号公報記
載のスリーピースソリッドゴルフボールは、慣性モーメ
ントとボール構造、及びディンプルとの相関関係に着目
し、クラブの種類に応じて優れたスピン性能、良好な打
感、コントロール性を備えたものであるが、慣性モーメ
ントが高い故に、ディンプルの直径／深さ比が約１７と
低い値を示すものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の提案は、主としてボール構造を改良することにより打
球感、耐久性、反発性能の向上を目指したものであり、
打撃後の飛翔特性に大きく影響するスピン性能、ディン
プル特性を十分に引き出せたものではなく、未だ改良の
余地を残している

【０００７】このように従来のゴルフボールは、ボール
構造に求められる打球感、反発特性、耐久性、アプロー
チコントロール性を満足すると共に、打撃後の優れた飛
翔特性を有し、総合的に進歩した性能を備えるという点
において需要者の要望に十分応えたものとはいえなかっ
た。

【０００８】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、ボール構造に求められる打球感、耐久性、反発性
能、アプローチコントロール性を有しながら、更に優れ
た飛翔特性を有し、総合的に見て進歩した性能を有する
ゴルフボールを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、コアと、該コアを被覆する内外２層以上のカバーを
備えると共に、該最外層カバー（内外２層カバーの場合
は外層カバー）表面に多数のディンプルが形成されてな
るゴルフボールにおいて、例えば、内外２層カバーを有
するゴルフボールの場合、カバーの内層及び外層の相
互の硬度がスピンに作用し、外層カバー又は内層カバー
が軟らかいとスピンが発生し易く、いずれもが硬いとス
ピンが発生しにくい傾向があること、内層カバーのシ
ョアＤ硬度と外層カバーのショアＤ硬度との積と、ディ
ンプル総容積とを適正に組み合わせることがスピン生成
に大きく寄与することを知見した。

【００１０】そして、これらの知見に基づき更に鋭意検
討を進めた結果、コアと、該コアを被覆する内外２層以
上のカバーを備えると共に、該最外層カバー表面に多数
のディンプルが形成されてなるゴルフボールにおいて、
上記最外層カバーの硬度がショアＤ硬度で３０以上５１
未満であり、この最外層カバーのショアＤ硬度Ｂと該最
外層カバーのすぐ内側のカバー（カバーが内外２層の場
合は内層カバー、カバーが最内層カバー、内層カバー、
外層カバーからなる３層の場合は内層カバー）のショア
Ｄ硬度Ａとの積（Ａ×Ｂ）が１０００〜３５００の範囲
であること、上記ディンプルとして互いに直径の異なる
少なくとも３種類のディンプルを有し、これらディンプ
ルの平均直径（ＡＤ）と平均深さ（ＡＰ）との比ＡＤ／
ＡＰが１７〜２６で、各ディンプル縁部によって囲まれ
る平面下のディンプル空間体積の全ディンプルの総和で
あるディンプル総容積が２８０〜３９０ｍｍ³であるこ
と、好ましくは最外層カバーのショアＤ硬度Ｂと該最外
層カバーのすぐ内側のカバーのショアＤ硬度Ａとの積
（Ａ×Ｂ）とディンプル総容積（Ｖｓ）とが、Ａ×Ｂが
大きいときＶｓが小さくなると共に、Ａ×Ｂが小さいと
きＶｓが大きくなる関係を有すること、より具体的には
Ａ×Ｂが１０００〜２５００の範囲である時、Ｖｓが３
１０〜３９０ｍｍ³、Ａ×Ｂが２０００〜３５００の範
囲である時、Ｖｓが２８０〜３４０ｍｍ³の範囲を満た
すことにより、スピン生成に大きく寄与する内外層カバ
ーの硬度の持ち合いと最適なディンプル総容積とを組み
合わせることができ、これらが相俟って、ドライバーで
のフルショット時に、せり上がりの伸びのある弾道を有
し、優れた飛翔特性が得られ、飛距離が増大すると共
に、ボール構造に求められる優れたアプローチコントロ
ール性、打球感、耐久性、反発性能を維持しつつ、総合
的に従来技術から進歩した性能を有するゴルフボールが
得られることを見出し、本発明をなすに至った。

【００１１】従って、本発明は、（１）コアと、該コア
を被覆する内外２層以上のカバーを備えると共に、該最
外層カバー表面に多数のディンプルが形成されてなるゴ
ルフボールにおいて、上記最外層カバーの硬度がショア
Ｄ硬度で３０以上５１未満であり、この最外層カバーの
ショアＤ硬度Ｂと該最外層カバーのすぐ内側のカバーの
ショアＤ硬度Ａとの積（Ａ×Ｂ）が１０００〜３５００
の範囲であると共に、上記ディンプルとして互いに直径
の異なる少なくとも３種類のディンプルを有し、これら
ディンプルの平均直径（ＡＤ）と平均深さ（ＡＰ）との
比ＡＤ／ＡＰが１７〜２６で、各ディンプル縁部によっ
て囲まれる平面下のディンプル空間体積の全ディンプル
の総和であるディンプル総容積が２８０〜３９０ｍｍ³
であることを特徴とするゴルフボール、（２）最外層カ
バーのショアＤ硬度Ｂと該最外層カバーのすぐ内側のカ
バーのショアＤ硬度Ａとの積（Ａ×Ｂ）とディンプル総
容積（Ｖｓ）とが、Ａ×Ｂが大きいときＶｓが小さくな
ると共に、Ａ×Ｂが小さいときＶｓが大きくなる関係を
有す（１）記載のゴルフボール、（３）Ａ×Ｂが１００
０〜２５００の範囲である時、Ｖｓが３１０〜３９０ｍ
ｍ ³、Ａ×Ｂが２０００〜３５００の範囲である時、Ｖ
ｓが２８０〜３４０ｍｍ³である（１）又は（２）記載
のゴルフボール、（４）上記コアがシス−１，４−ポリ
ブタジエンを主成分とするゴム組成物である（１），
（２）又は（３）記載のゴルフボール、及び（５）上記
ディンプルの総数が３７０〜４５０個である（１）乃至
（４）のいずれか１項記載のゴルフボールを提供する。

【００１２】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明のゴルフボールは、図１に示したように、コ
ア１と、該コア１を被覆する内層カバー２と外層カバー
３とを備えると共に、外層カバー３表面には多数のディ
ンプル（図示せず）が形成されてなるものである。な
お、カバーは、最内層カバー、内層カバー、外層カバー
からなる３層構造に形成することもできる。

【００１３】上記コア１は、ポリブタジエンゴムを主成
分とするゴム組成物から形成することができ、特に、シ
ス構造を少なくとも４０％以上有するシス−１，４−ポ
リブタジエンが好適である。また、所望により上記ポリ
ブタジエンに天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン
ブタジエンゴムなどを適宜配合することができるが、ポ
リブタジエンゴム成分を多くすることによりゴルフボー
ルの反発性を向上させることができるので、これらポリ
ブタジエン以外のゴム成分はポリブタジエン１００重量
部に対して１０重量部以下とすることが好ましい。

【００１４】上記ゴム組成物には、ゴム成分以外に架橋
剤としてメタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等の不飽和
脂肪酸の亜鉛塩，マグネシウム塩やトリメチルプロパン
メタクリレート等のエステル化合物などを配合し得る
が、特に反発性の高さからアクリル酸亜鉛を好適に使用
し得る。これら架橋剤の配合量は、基材ゴム１００重量
部に対し１５〜４０重量部であることが好ましい。

【００１５】また、ゴム組成物中には、通常、ジクミル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイドと１,１−ビ
ス（ｔ−ブチルパーオキシ）−３，３，５−トリメチル
シクロヘキサンの混合物等の加硫剤が配合されており、
この加硫剤の配合量は基材ゴム１００重量部に対し０．
１〜５重量部とすることができる。

【００１６】上記ゴム組成物には、更に必要に応じて、
老化防止剤や比重調整用の充填剤として酸化亜鉛や硫酸
バリウム等を配合することができ、これら充填剤の配合
量は、基材ゴム１００重量部に対し０〜１３０重量部で
ある。

【００１７】そして、上記コア用ゴム組成物は、通常の
混練機（例えばバンバリーミキサー、ニーダー及びロー
ル等）を用いて混練し、得られたコンパウンドをコア用
金型を用いてインジェクション成形又はコンプレッショ
ン成形により形成することができる。

【００１８】このようにして得られたコアは、その直径
が好ましくは２５〜４０ｍｍ、より好ましくは２７〜３
９ｍｍであり、重量が好ましくは１０〜４０ｇ、より好
ましくは１５〜３５ｇである。

【００１９】また、コアの硬度が１００ｋｇ荷重負荷時
の変形量で好ましくは３．０〜６．０ｍｍ、より好まし
くは３．０〜５．５ｍｍである。３．０ｍｍより小さい
（硬い）と打球感が悪くなる場合がある。一方、６．０
ｍｍより大きい（軟らかい）とボールの反発性が低下す
る場合がある。

【００２０】なお、コアは一種類の材料からなる単層構
造としても、異種の材料からなる層を積層した二層以上
からなる多層構造としても構わない。

【００２１】本発明のゴルフボールは、上記コアの周囲
に内外２層以上を形成してなるものであるが、コアの周
囲に中間層を形成し、この中間層の周囲に内外２層以上
のカバーを形成しても差し支えない。

【００２２】この中間層は、公知の中間層材にて形成す
ることができ、例えばポリブタジエンゴムを主成分とす
るゴム組成物、アイオノマー樹脂、熱可塑性ポリエステ
ル系エラストマー、熱可塑性ポリウレタン系エラストマ
ーなどを１種又は２種以上組み合わせて使用することが
できる。

【００２３】この場合、中間層の厚みは０．８〜５．０
ｍｍ、特に１．０〜４．５ｍｍであり、そのショアＤ硬
度は５〜６５、特に１０〜６０である。

【００２４】本発明のゴルフボールは、上記コア又は中
間層の周囲に内外２層以上、好ましくは２〜３層のカバ
ーを被覆したものであり、例えば、内外２層カバーの場
合は、図１に示したように、コア１の周囲に内層カバー
２と外層カバー３を順次被覆形成してなるものである。
これら内外層カバーは、通常の熱可塑性樹脂を主材とし
たカバー材にて形成することができ、例えばアイオノマ
ー樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エ
ラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリウレタ
ン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー及び
これらの混合物などを使用することができ、特にアイオ
ノマー樹脂が好ましい。具体的には「ハイミラン」（三
井・デュポンポリケミカル社製）、「サーリン」（デュ
ポン社製）等の市販品を用いることができる。また、カ
バー材には、必要に応じてＵＶ吸収剤、酸化防止剤、金
属石鹸等の分散剤などを添加することもできる。なお、
カバーが３層構造の場合にも同様のカバー材を用いるこ
とができる。

【００２５】本発明においては、最外層（外層）カバー
のショアＤ硬度は３０以上５１未満であり、好ましくは
３３〜５０、より好ましくは３５〜５０である。外層カ
バーのショアＤ硬度が低すぎるとスピンが多くなりす
ぎ、一方、高すぎるとスピンが出なくなり、いずれも本
発明の最適化範囲からはずれ、本発明の目的を達成でき
ない。また、内層カバーのショアＤ硬度は好ましくは１
０〜７０、より好ましくは１５〜６５である。

【００２６】この場合、内層カバーと外層カバーのショ
アＤ硬度が同一であっても硬度差を有していてもよく、
また内層カバーと外層カバーとはいずれが軟らかくても
硬くてもよく、これら内外層カバーの硬度差は適宜選定
されるが、本発明においては、最外層（外層）カバーの
ショアＤ硬度Ｂと該最外層カバーのすぐ内側のカバー
（カバーが内外２層構造の場合は内層カバー、カバーが
最内層カバー、内層カバー、外層カバーからなる３層構
造の場合は内層カバー）のショアＤ硬度Ａとの積（Ａ×
Ｂ）が１０００〜３５００の範囲となることが必要であ
り、好ましくは１５００〜３０００、より好ましくは２
０００〜３０００である。積（Ａ×Ｂ）が小さすぎると
スピンが多くなりすぎ、一方、積（Ａ×Ｂ）が大きすぎ
るとスピンが少なくなりすぎ、いずれもスピンとディン
プルとの適合性がなくなり、本発明の目的を達成できな
い。なお、カバーが３層構造（最内層カバー、内層カバ
ー、外層カバー）の場合、内層カバー、外層カバーは上
記と同様のショアＤ硬度であり、最内層カバーは内層カ
バーと同様のショアＤ硬度に形成することが好ましい。

【００２７】上記内外２層以上のカバーをコア又は中間
層の周囲に被覆する方法としては、特に制限されるもの
ではなく、通常のインジェクション成形又はコンプレッ
ション成形を採用することができる。

【００２８】このようにして形成された内層及び外層カ
バーの厚みは、特に制限されず、通常内層カバーは０．
８〜５．０ｍｍ、特に１．０〜３．０ｍｍであり、外層
カバーは０．８〜５．０ｍｍ、特に１．０〜４．０ｍｍ
であることが好ましい。

【００２９】次に、本発明のゴルフボールは、最外層カ
バー（カバーが内外２層構造の場合は外層カバー、カバ
ーが最内層カバー、内層カバー、外層カバーからなる３
層構造の場合は外層カバー）表面に多数のディンプルが
形成されてなるものであるが、これらディンプルは、例
えば、図２に示したようなディンプル両縁部付近がくび
れた断面形状を有するものが好ましい。

【００３０】ここで、本発明におけるディンプル直径
は、図２に示したように、ディンプル部分が陸部４（デ
ィンプル非形成部分）と接合する位置、即ち、ディンプ
ル部分の最高点間５，５の距離（差渡し）Ｄである。ま
た、ディンプル深さは、上記ディンプルの陸部接合位置
を結んで仮想平面を描いた時、その中心位置とディンプ
ルの底（最も深い位置）までの垂直距離Ｐである。多く
の場合、ゴルフボールは表面塗装が施されているが、こ
のような塗装済ボールにおいては塗料被覆状態でのディ
ンプル直径及び深さである。

【００３１】上記ディンプルとしては互いに直径が異な
る少なくとも３種類、好ましくは３〜５種類を有し、デ
ィンプル直径は好ましくは２．０〜５．０ｍｍ、より好
ましくは２．５〜４．５ｍｍであり、ディンプル深さは
好ましくは０．０９〜０．３ｍｍ、より好ましくは０．
１〜０．２８ｍｍである。これらディンプルの平均直径
（ＡＤ）と平均深さ（ＡＰ）との比ＡＤ／ＡＰが１７〜
２６であり、好ましくは１７．２〜２５．８、より好ま
しくは１７．３〜２５．７である。ＡＤ／ＡＰが１７未
満では落下付近で弾道がドロップ気味となり、一方、２
６を超えるとフケ上がり気味の弾道となる。

【００３２】なお、本発明において、ディンプルの平均
直径（ＡＤ）とは、例えば互いに異なるｎ種の直径
Ｄ₁，Ｄ₂，…Ｄ_nを持つディンプルを有する場合、（Ｄ₁
＋Ｄ₂＋…＋Ｄ_n）／ｎ（ｍｍ）で表わされ、ディンプル
の平均深さ（ＡＰ）とは、例えば互いに異なるｎ種の深
さＰ₁，Ｐ₂…Ｐ_nを持つディンプルを有する場合、（Ｐ₁
＋Ｐ₂＋…＋Ｐ_n）／ｎ（ｍｍ）で表わされる。従って、
互いに同じ直径、深さを持つディンプルの数は上記平均
直径（ＡＤ）、平均深さ（ＡＰ）には関与しない。

【００３３】また、本発明においては、上記ディンプル
は、各ディンプル縁部によって囲まれる平面下のディン
プル空間体積の全ディンプルの総和であるディンプル総
容積Ｖｓが２８０〜３９０ｍｍ³であり、好ましくは３
００〜３８０ｍｍ³、より好ましくは３００〜３７０ｍ
ｍ³である。ディンプル総容積が少なすぎるとフケ上が
り気味の弾道となり、一方、多すぎるとノーズダウン気
味の弾道となり、ドロップが生じる。

【００３４】この場合、最外層カバー（外層カバー）の
ショアＤ硬度Ｂと該最外層カバーのすぐ内側のカバー
（内層カバー）のショアＤ硬度Ａとの積（Ａ×Ｂ）とデ
ィンプル総容積（Ｖｓ）とが、Ａ×Ｂが大きいときＶｓ
が小さくなると共に、Ａ×Ｂが小さいときＶｓが大きく
なる関係を有することが好ましい。

【００３５】具体的には、 Ａ×Ｂが１０００〜２５００の範囲である時、Ｖｓが
３１０〜３９０ｍｍ³、特に３１５〜３８５ｍｍ³である
ことが好ましい。 Ａ×Ｂが２０００〜３５００の範囲である時、Ｖｓが
２８０〜３４０ｍｍ³、特に２８５〜３３５ｍｍ³である
ことが好ましい。

【００３６】このようにＶｓとＡ×Ｂとが上記範囲を満
たすことにより、スピン生成に大きく寄与する内外層カ
バーの硬度の持ち合いと最適なディンプル容積とを組み
合わせることができ、優れた飛び性能を発揮し得るもの
である。

【００３７】なお、上記ディンプルパラメーター以外に
も、個々のディンプルの縁部によって囲まれる平面下の
ディンプル空間体積の全ディンプルの総和（上記ディン
プル総容積Ｖｓと同じ）とゴルフボール表面にディンプ
ルが無いと仮定した仮想球の全体積との割合Ｖ_R（％）
が好ましくは０．６〜１．１％、より好ましくは０．６
５〜１．０５％である。

【００３８】また、個々のディンプルの縁部によって囲
まれる平面下のディンプル空間体積を前記平面を底面と
しこの底面からのディンプルの最大深さを高さとする円
柱体積で除した値Ｖ₀が好ましくは０．３０〜０．７
０、より好ましくは０．３５〜０．６５である。

【００３９】本発明において、上記ディンプルの総数は
特に制限されないが、通常３７０〜４５０個、好ましく
は３７０〜４４０個であり、ディンプルのボール表面へ
の配置（ディンプル配列態様）も特に制限されず、公知
の正８面体配列、正２０面体配列などを採用することが
できる。

【００４０】本発明のゴルフボールは、そのボール全体
の硬度が１００ｋｇの荷重を負荷した時の変形量で好ま
しくは２．４〜４．５ｍｍ、より好ましくは２．４５〜
４．２ｍｍであり、ボール直径及び重量はＲ＆Ａのゴル
フ規則に従い、直径４２．６７ｍｍ以上、重量４５．９
３ｇ以下に形成することができる。

【００４１】

【発明の効果】本発明によれば、良好な打球感、耐久
性、反発性能、アプローチコントロール性を有すると共
に、優れた飛翔特性を有し、総合的に見て進歩した高性
能のゴルフボールを得ることができる。

【００４２】

【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。なお、表１，２の配合量は総て重量部であ
る。

【００４３】〔実施例、比較例〕表１に示した配合処方
のコア用ゴム組成物をニーダーで混練し、コア用金型内
で１５５℃の温度で約１５分間加硫することによりａ〜
ｅのコアを作成した。

【００４４】得られたコアの周囲に表２に示したカバー
材を表４，５の組み合わせでそれぞれ射出成形により被
覆してカバーを形成し、実施例１〜４及び比較例１〜４
のスリーピースソリッドゴルフボールを作成した。な
お、実施例５はコアとカバーの間に中間層を有する４層
構造のソリッドゴルフボールである。

【００４５】そして、得られたゴルフボール表面には表
３のディンプルが表４，５の組み合わせで形成されてい
る。

【００４６】次いで、得られたゴルフボールについて、
下記に示した方法により諸特性を評価した。結果を表
４，５に併記する。

【００４７】コア硬度、ボール硬度 １００ｋｇの荷重負荷時の変形量（ｍｍ）で表した。飛び性能 ヘッドスピード４０ｍ／ｓｅｃ（ＨＳ４０）にて、ミヤ
マエ社製スイングロボットにより、クラブはドライバー
（＃Ｗ１）（「ＰＲＯ２３０Ｔｉｔａｎ」 ロフト１０
度（ブリヂストンスポーツ株式会社製））を用いて実打
した時のスピン、キャリー，トータル飛距離、弾道形
態、飛び性能評価を測定した。なお、弾道形態は各例１
２個のゴルフボールを実打し、その弾道形態を黙視観察
で評価した。飛び性能評価はスピン、キャリー，トータ
ル飛距離、弾道形態などの飛び性能データに基づき総合
的に、○：良好、△：普通、×：悪いの基準で評価し
た。アプローチコントロール性 ボールをショートアイアンでショットした時のグリーン
上での止まり易さを下記基準で評価した。 ○：良好 ×：悪い打球感 ヘッドスピード約４０ｍ／ｓｅｃのアマチュアゴルファ
ー５名により、クラブとしてドライバー（＃Ｗ１）及び
パター（＃ＰＴ）を用いて実打した時の感触を下記基準
で評価した。 ○：非常に軟らかい △：普通 ×：硬い耐久性 得られたボールをミヤマエ社製スイングロボットによ
り、クラブはドライバー（「ＰＲＯ２３０Ｔｉｔａｎ
ロフト１０度」（ブリヂストンスポーツ株式会社製））
を用いてヘッドスピード４５ｍ／ｓｅｃ（ＨＳ４５）に
て、繰り返し打撃した後、ボール表面の状態を打撃回数
に応じて相対的に下記基準により評価した。 ○：全く問題なし △：比較的早期に破壊 ×：早期破壊総合評価 上記全ての評価結果を総合的に判断して、下記基準によ
り評価した。 ○：良好 △：普通 ×：不良

【００４８】

【表１】 ＊１：日本合成ゴム社製 ＢＲ０１

【００４９】

【表２】 ＊２：「ハイトレル」東レ・デュポン社製ポリエステル
系エラストマー ＊３：「サーリン」デュポン社製アイオノマー樹脂 ＊４：「ハイミラン」三井・デュポンポリケミカル社製
アイオノマー樹脂 なお、チタン白、硫酸バリウムを適宜配合

【００５０】

【表３】

【００５１】

【表４】

【００５２】

【表５】 表４，５の結果から明らかなように、実施例１〜５の本
発明のゴルフボールは、飛び性能、アプローチコントロ
ール性、打球感、耐久性の全てについて優れたものであ
った。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るゴルフボールの断面図
である。

【図２】同ディンプルの拡大断面図である。

【符号の説明】

１ コア ２ 内層カバー ３ 外層カバー

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コアと、該コアを被覆する内外２層以上
   のカバーを備えると共に、該最外層カバー表面に多数の
   ディンプルが形成されてなるゴルフボールにおいて、上
   記最外層カバーの硬度がショアＤ硬度で３０以上５１未
   満であり、この最外層カバーのショアＤ硬度Ｂと該最外
   層カバーのすぐ内側のカバーのショアＤ硬度Ａとの積
   （Ａ×Ｂ）が１０００〜３５００の範囲であると共に、
   上記ディンプルとして互いに直径の異なる少なくとも３
   種類のディンプルを有し、これらディンプルの平均直径
   （ＡＤ）と平均深さ（ＡＰ）との比ＡＤ／ＡＰが１７〜
   ２６で、各ディンプル縁部によって囲まれる平面下のデ
   ィンプル空間体積の全ディンプルの総和であるディンプ
   ル総容積が２８０〜３９０ｍｍ³であることを特徴とす
   るゴルフボール。
2. 【請求項２】 最外層カバーのショアＤ硬度Ｂと該最外
   層カバーのすぐ内側のカバーのショアＤ硬度Ａとの積
   （Ａ×Ｂ）とディンプル総容積（Ｖｓ）とが、Ａ×Ｂが
   大きいときＶｓが小さくなると共に、Ａ×Ｂが小さいと
   きＶｓが大きくなる関係を有する請求項１記載のゴルフ
   ボール。
3. 【請求項３】 Ａ×Ｂが１０００〜２５００の範囲であ
   る時、Ｖｓが３１０〜３９０ｍｍ³、Ａ×Ｂが２０００
   〜３５００の範囲である時、Ｖｓが２８０〜３４０ｍｍ
   ³である請求項１又は２記載のゴルフボール。
4. 【請求項４】 上記コアがシス−１，４−ポリブタジエ
   ンを主成分とするゴム組成物である請求項１，２又は３
   記載のゴルフボール。
5. 【請求項５】 上記ディンプルの総数が３７０〜４５０
   個である請求項１乃至４のいずれか１項記載のゴルフボ
   ール。