JP2000296579A - 被覆成形品およびその製造方法 - Google Patents
被覆成形品およびその製造方法Info
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- JP2000296579A JP2000296579A JP2000033784A JP2000033784A JP2000296579A JP 2000296579 A JP2000296579 A JP 2000296579A JP 2000033784 A JP2000033784 A JP 2000033784A JP 2000033784 A JP2000033784 A JP 2000033784A JP 2000296579 A JP2000296579 A JP 2000296579A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】基材表面に、とりわけ無着色性、透明性および
耐擦傷性に優れた被覆層を形成した被覆成形品を提供す
る。 【解決手段】基材表面に、分子内にトリアジン骨格を有
する紫外線吸収剤(b)を含有する被覆層(Q)からな
る内層と、ポリシラザンを含む被覆組成物(B)の硬化
物であるシリカからなる最外層とが形成された被覆成形
品。
耐擦傷性に優れた被覆層を形成した被覆成形品を提供す
る。 【解決手段】基材表面に、分子内にトリアジン骨格を有
する紫外線吸収剤(b)を含有する被覆層(Q)からな
る内層と、ポリシラザンを含む被覆組成物(B)の硬化
物であるシリカからなる最外層とが形成された被覆成形
品。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材表面に、ポリ
シラザンに由来するシリカの最外層と、該最外層に接す
る特定の紫外線吸収剤を含有する内層、とが形成され
た、とりわけ無着色性、透明性および耐擦傷性に優れた
2層以上の被覆層を有する被覆成形品およびその製造方
法に関する。
シラザンに由来するシリカの最外層と、該最外層に接す
る特定の紫外線吸収剤を含有する内層、とが形成され
た、とりわけ無着色性、透明性および耐擦傷性に優れた
2層以上の被覆層を有する被覆成形品およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラスの代わりの透明材料として
透明合成樹脂材料が用いられている。とりわけ芳香族ポ
リカーボネート系樹脂は耐破砕性、透明性、軽量性、易
加工性などに優れ、その特徴を生かして、外壁、アーケ
ード等の大面積の透明部材として各方面で使用されてい
る。また、自動車等の車両用にも一部にガラス(無機ガ
ラスをいう。以下同様。)の代わりに透明合成樹脂材料
が使われる例がみられる。しかし、ガラスの代わりに使
用するには表面の硬度が充分ではなく、傷つきやすく磨
耗しやすいことから透明性が損なわれやすい欠点があ
る。
透明合成樹脂材料が用いられている。とりわけ芳香族ポ
リカーボネート系樹脂は耐破砕性、透明性、軽量性、易
加工性などに優れ、その特徴を生かして、外壁、アーケ
ード等の大面積の透明部材として各方面で使用されてい
る。また、自動車等の車両用にも一部にガラス(無機ガ
ラスをいう。以下同様。)の代わりに透明合成樹脂材料
が使われる例がみられる。しかし、ガラスの代わりに使
用するには表面の硬度が充分ではなく、傷つきやすく磨
耗しやすいことから透明性が損なわれやすい欠点があ
る。
【0003】耐擦傷性や耐磨耗性が改良された芳香族ポ
リカーボネート系樹脂部材としては、活性エネルギ線硬
化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物を
含む被覆組成物の硬化物の内層と、シリカを含む最外層
との2層の被覆層を有するものがある。
リカーボネート系樹脂部材としては、活性エネルギ線硬
化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物を
含む被覆組成物の硬化物の内層と、シリカを含む最外層
との2層の被覆層を有するものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の透明被覆成形品
は、その製造方法によっては硬化物である被覆層に軽度
の黄色を呈する問題(着色現象)があった。着色現象の
原因を検討した結果、内層と最外層の界面において、上
記多官能性化合物を含む被覆組成物の硬化物とシリカと
が混じり合って形成される中間層に由来することがわか
った。そこで中間層において黄色を呈さない組成物につ
いて検討した結果、特定の構造を有する紫外線吸収剤を
用いることで、着色現象を回避できることがわかった。
本発明は、とりわけ無着色性、透明性および耐擦傷性に
優れた2層以上の被覆層が形成された被覆成形品、およ
びその製造方法の提供を目的とする。
は、その製造方法によっては硬化物である被覆層に軽度
の黄色を呈する問題(着色現象)があった。着色現象の
原因を検討した結果、内層と最外層の界面において、上
記多官能性化合物を含む被覆組成物の硬化物とシリカと
が混じり合って形成される中間層に由来することがわか
った。そこで中間層において黄色を呈さない組成物につ
いて検討した結果、特定の構造を有する紫外線吸収剤を
用いることで、着色現象を回避できることがわかった。
本発明は、とりわけ無着色性、透明性および耐擦傷性に
優れた2層以上の被覆層が形成された被覆成形品、およ
びその製造方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の被覆成
形品およびその製造方法を提供する。基材の表面の少な
くとも一部に形成された2層以上の被覆層を有する被覆
成形品において、2層以上の被覆層のうち最外層に接す
る内層が、分子内にトリアジン骨格を有する紫外線吸収
剤(b)を含有する被覆層(Q)であり、最外層がポリ
シラザン(c)を含有する被覆組成物(B)の硬化物の
層であることを特徴とする被覆成形品。
形品およびその製造方法を提供する。基材の表面の少な
くとも一部に形成された2層以上の被覆層を有する被覆
成形品において、2層以上の被覆層のうち最外層に接す
る内層が、分子内にトリアジン骨格を有する紫外線吸収
剤(b)を含有する被覆層(Q)であり、最外層がポリ
シラザン(c)を含有する被覆組成物(B)の硬化物の
層であることを特徴とする被覆成形品。
【0006】基材の表面の少なくとも一部に形成された
2層以上の被覆層を有する被覆成形品の製造方法におい
て、分子内にトリアジン骨格を有する紫外線吸収剤
(b)を含有する被覆層(Q)を形成しうる組成物の被
膜(W)を、前記2層以上の被覆層のうち最外層に接す
る内層として形成し、この被膜(W)の表面に、ポリシ
ラザン(c)を含有する被覆組成物(B)の被膜(Z)
を、最外層として形成して、前記被覆層(Q)の形成と
前記被覆組成物(B)の硬化を順次または同時に行う被
覆成形品の製造方法。
2層以上の被覆層を有する被覆成形品の製造方法におい
て、分子内にトリアジン骨格を有する紫外線吸収剤
(b)を含有する被覆層(Q)を形成しうる組成物の被
膜(W)を、前記2層以上の被覆層のうち最外層に接す
る内層として形成し、この被膜(W)の表面に、ポリシ
ラザン(c)を含有する被覆組成物(B)の被膜(Z)
を、最外層として形成して、前記被覆層(Q)の形成と
前記被覆組成物(B)の硬化を順次または同時に行う被
覆成形品の製造方法。
【0007】基材の表面の少なくとも一部に形成された
2層以上の被覆層を有する被覆成形品の製造方法におい
て、分子内にトリアジン骨格を有する紫外線吸収剤
(b)を含有する被覆層(Q)を形成しうる組成物の被
膜(W)を、前記2層以上の被覆層のうち最外層に接す
る内層として形成し、この被膜(W)の表面に、ポリシ
ラザン(c)を含有する被覆組成物(B)の被膜(Z)
を、最外層として形成して、その後これらの被膜
(W)、(Z)を有する基材を、基材の表面の変形を伴
う後加工に付し、次いで被覆層(Q)の形成と被覆組成
物(B)の硬化を順次または同時に行う被覆成形品の製
造方法。
2層以上の被覆層を有する被覆成形品の製造方法におい
て、分子内にトリアジン骨格を有する紫外線吸収剤
(b)を含有する被覆層(Q)を形成しうる組成物の被
膜(W)を、前記2層以上の被覆層のうち最外層に接す
る内層として形成し、この被膜(W)の表面に、ポリシ
ラザン(c)を含有する被覆組成物(B)の被膜(Z)
を、最外層として形成して、その後これらの被膜
(W)、(Z)を有する基材を、基材の表面の変形を伴
う後加工に付し、次いで被覆層(Q)の形成と被覆組成
物(B)の硬化を順次または同時に行う被覆成形品の製
造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の被覆成形品は、基材の表
面に最外層に接する被覆層(Q)からなる内層と、ポリ
シラザン(c)を含有する被覆組成物(B)の硬化物か
らなる最外層とを少なくとも含む2層以上の被覆層を有
する。基材と内層との間には、他の合成樹脂、たとえ
ば、熱可塑性アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂層や接着
剤層からなる第3の層が存在していてもよい。しかし、
耐熱衝撃性能等を考慮した場合には、最外層に接する内
層と最外層の2層の被覆層が好ましい。
面に最外層に接する被覆層(Q)からなる内層と、ポリ
シラザン(c)を含有する被覆組成物(B)の硬化物か
らなる最外層とを少なくとも含む2層以上の被覆層を有
する。基材と内層との間には、他の合成樹脂、たとえ
ば、熱可塑性アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂層や接着
剤層からなる第3の層が存在していてもよい。しかし、
耐熱衝撃性能等を考慮した場合には、最外層に接する内
層と最外層の2層の被覆層が好ましい。
【0009】被覆層(Q)は、分子内にトリアジン骨格
を有する紫外線吸収剤(b)を必須成分として含有す
る。本発明者は、前記着色現象の原因は紫外線吸収剤と
して汎用されているベンゾフェノン系紫外線吸収剤やベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤にあることを見い出し
た。この着色現象は、最外層中のポリシラザンが硬化す
る際に発生するアンモニアなどの塩基性物質が、内層中
のベンゾフェノン系紫外線吸収剤やベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤と相互作用することによるものと考えら
れる。本発明における特定の紫外線吸収剤(b)はこの
ような着色現象を生じるおそれが少ない。
を有する紫外線吸収剤(b)を必須成分として含有す
る。本発明者は、前記着色現象の原因は紫外線吸収剤と
して汎用されているベンゾフェノン系紫外線吸収剤やベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤にあることを見い出し
た。この着色現象は、最外層中のポリシラザンが硬化す
る際に発生するアンモニアなどの塩基性物質が、内層中
のベンゾフェノン系紫外線吸収剤やベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤と相互作用することによるものと考えら
れる。本発明における特定の紫外線吸収剤(b)はこの
ような着色現象を生じるおそれが少ない。
【0010】本発明における紫外線吸収剤(b)は、分
子内にトリアジン骨格を有しかつ紫外線吸収能を有する
化合物である。この化合物としては、2,4,6位にア
リール基やアルアルキル基などの芳香核含有置換基を有
する1,3,5−トリアジン系化合物が好ましい。特
に、その芳香核含有置換基の少なくとも1つがヒドロキ
シフェニル基(水酸基以外の置換基を有していてもよ
い)である化合物が好ましい。他の芳香核含有置換基と
しては、アルキル基等の水酸基以外の置換基を有してい
てもよいフェニル基が挙げられる。最も好ましい化合物
は、2,4,6位に1個のヒドロキシフェニル基(水酸
基以外の置換基を有していてもよい)と2個のフェニル
基(アルキル基で置換されていてもよい)を有する1,
3,5−トリアジン化合物である。
子内にトリアジン骨格を有しかつ紫外線吸収能を有する
化合物である。この化合物としては、2,4,6位にア
リール基やアルアルキル基などの芳香核含有置換基を有
する1,3,5−トリアジン系化合物が好ましい。特
に、その芳香核含有置換基の少なくとも1つがヒドロキ
シフェニル基(水酸基以外の置換基を有していてもよ
い)である化合物が好ましい。他の芳香核含有置換基と
しては、アルキル基等の水酸基以外の置換基を有してい
てもよいフェニル基が挙げられる。最も好ましい化合物
は、2,4,6位に1個のヒドロキシフェニル基(水酸
基以外の置換基を有していてもよい)と2個のフェニル
基(アルキル基で置換されていてもよい)を有する1,
3,5−トリアジン化合物である。
【0011】好ましい具体的な紫外線吸収剤(b)とし
ては以下の化合物がある。2−[4−(2−ヒドロキシ
−3−ドデシルオキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキ
シフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニ
ル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(2−ヒド
ロキシ−3−トリデシルオキシプロピルオキシ)−2−
ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチ
ルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ヘ
キシルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジ
フェニル−1,3,5−トリアジン。
ては以下の化合物がある。2−[4−(2−ヒドロキシ
−3−ドデシルオキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキ
シフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニ
ル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(2−ヒド
ロキシ−3−トリデシルオキシプロピルオキシ)−2−
ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチ
ルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ヘ
キシルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジ
フェニル−1,3,5−トリアジン。
【0012】入手しやすい紫外線吸収剤(b)として
は、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名「チヌ
ビン400」(2−[4−(2−ヒドロキシ−3−ドデ
シルオキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシフェニ
ル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−
1,3,5−トリアジンと2−[4−(2−ヒドロキシ
−3−トリデシルオキシプロピルオキシ)−2−ヒドロ
キシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェ
ニル)−1,3,5−トリアジンの混合物)が好まし
い。
は、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名「チヌ
ビン400」(2−[4−(2−ヒドロキシ−3−ドデ
シルオキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシフェニ
ル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−
1,3,5−トリアジンと2−[4−(2−ヒドロキシ
−3−トリデシルオキシプロピルオキシ)−2−ヒドロ
キシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェ
ニル)−1,3,5−トリアジンの混合物)が好まし
い。
【0013】被覆層(Q)における分子内にトリアジン
骨格を有する紫外線吸収剤(b)の量は、合成樹脂材料
(たとえば硬化性成分(多官能性化合物(a)と単官能
性化合物の合計))100質量部に対して、0.01〜
50質量部が好ましく、特に0.1〜20質量部が好ま
しい。
骨格を有する紫外線吸収剤(b)の量は、合成樹脂材料
(たとえば硬化性成分(多官能性化合物(a)と単官能
性化合物の合計))100質量部に対して、0.01〜
50質量部が好ましく、特に0.1〜20質量部が好ま
しい。
【0014】被覆層(Q)を形成する樹脂材料として
は、熱可塑性樹脂材料または硬化性樹脂材料等が挙げら
れ、硬化性樹脂材料が好ましい。該硬化性樹脂材料とし
ては、熱硬化性樹脂材料、または活性エネルギ線硬化性
の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(a)
を含有する硬化性樹脂材料等が挙げられ、生産性および
発現する耐擦傷性の観点から、多官能性化合物(a)を
含有する硬化性樹脂材料が特に好ましい。
は、熱可塑性樹脂材料または硬化性樹脂材料等が挙げら
れ、硬化性樹脂材料が好ましい。該硬化性樹脂材料とし
ては、熱硬化性樹脂材料、または活性エネルギ線硬化性
の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(a)
を含有する硬化性樹脂材料等が挙げられ、生産性および
発現する耐擦傷性の観点から、多官能性化合物(a)を
含有する硬化性樹脂材料が特に好ましい。
【0015】上記熱可塑性樹脂材料としては、ポリエチ
レン、塩素化ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重
合体、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、、アクリル
樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニ
ルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリア
ミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテル
イミド、ポリアミドイミド等が挙げられる。
レン、塩素化ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重
合体、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、、アクリル
樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニ
ルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリア
ミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテル
イミド、ポリアミドイミド等が挙げられる。
【0016】上記熱硬化性樹脂材料としては、エポキシ
樹脂、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
樹脂、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0017】本発明において、特に好ましい被覆層
(Q)は、紫外線吸収剤(b)と活性エネルギ線硬化性
の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(a)
とを含有する被覆組成物(A)の硬化物の層である。以
下、これについて説明する。本明細書では、アクリロイ
ル基およびメタクリロイル基を総称して(メタ)アクリ
ロイル基という。(メタ)アクリロイルオキシ基、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリレート等の表現も同様
とする。なお、これらの基や化合物のうちでより好まし
いものはアクリロイル基を有するもの、たとえばアクリ
ロイルオキシ基、アクリル酸、アクリレート等である。
(Q)は、紫外線吸収剤(b)と活性エネルギ線硬化性
の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(a)
とを含有する被覆組成物(A)の硬化物の層である。以
下、これについて説明する。本明細書では、アクリロイ
ル基およびメタクリロイル基を総称して(メタ)アクリ
ロイル基という。(メタ)アクリロイルオキシ基、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリレート等の表現も同様
とする。なお、これらの基や化合物のうちでより好まし
いものはアクリロイル基を有するもの、たとえばアクリ
ロイルオキシ基、アクリル酸、アクリレート等である。
【0018】被覆組成物(A)における多官能性化合物
(a)は、1種の化合物を用いてもよく、また複数種の
化合物を用いてもよい。複数種の場合、同一範疇の異な
る化合物であってもよく、範疇の異なる化合物であって
もよい。たとえば、それぞれがアクリルウレタンである
異なる化合物の組み合わせであってもよく、一方がアク
リルウレタン、他方がウレタン結合を有しないアクリル
酸エステル化合物である組み合わせであってもよい。
(a)は、1種の化合物を用いてもよく、また複数種の
化合物を用いてもよい。複数種の場合、同一範疇の異な
る化合物であってもよく、範疇の異なる化合物であって
もよい。たとえば、それぞれがアクリルウレタンである
異なる化合物の組み合わせであってもよく、一方がアク
リルウレタン、他方がウレタン結合を有しないアクリル
酸エステル化合物である組み合わせであってもよい。
【0019】活性エネルギ線硬化性の重合性官能基とし
ては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基な
どの不飽和基やそれを有する基が挙げられ、(メタ)ア
クリロイル基が好ましい。すなわち、多官能性化合物
(a)としては、(メタ)アクリロイル基から選ばれる
1種以上の重合性官能基を2個以上有する化合物が好ま
しい。さらに好ましくは、(メタ)アクリロイルオキシ
基を2個以上有する化合物、すなわち多価アルコールな
どの2個以上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリ
ル酸とのポリエステル、が好ましい。
ては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基な
どの不飽和基やそれを有する基が挙げられ、(メタ)ア
クリロイル基が好ましい。すなわち、多官能性化合物
(a)としては、(メタ)アクリロイル基から選ばれる
1種以上の重合性官能基を2個以上有する化合物が好ま
しい。さらに好ましくは、(メタ)アクリロイルオキシ
基を2個以上有する化合物、すなわち多価アルコールな
どの2個以上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリ
ル酸とのポリエステル、が好ましい。
【0020】なお、多官能性化合物(a)は1分子中に
2種以上の重合性官能基を有する化合物であってもよ
い。多官能性化合物(a)の1分子中における重合性官
能基の数は2個以上であり、その上限は特に限定されな
い。通常は2〜50個が適当であり、特に3〜30個が
好ましい。また、多官能性化合物(a)における「多官
能性」とは重合性官能基を2個以上有することを意味
し、後述の単官能性化合物とは重合性官能基を1個有す
る化合物を意味する。
2種以上の重合性官能基を有する化合物であってもよ
い。多官能性化合物(a)の1分子中における重合性官
能基の数は2個以上であり、その上限は特に限定されな
い。通常は2〜50個が適当であり、特に3〜30個が
好ましい。また、多官能性化合物(a)における「多官
能性」とは重合性官能基を2個以上有することを意味
し、後述の単官能性化合物とは重合性官能基を1個有す
る化合物を意味する。
【0021】被覆組成物(A)において、多官能性化合
物(a)として2種以上の多官能性化合物が含まれてい
てもよい。また、多官能性化合物(a)とともに、活性
エネルギ線によって重合しうる重合性官能基を1個有す
る単官能性化合物が含まれていてもよい。この単官能性
化合物としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合
物が好ましく、特にアクリロイル基を有する化合物が好
ましい。
物(a)として2種以上の多官能性化合物が含まれてい
てもよい。また、多官能性化合物(a)とともに、活性
エネルギ線によって重合しうる重合性官能基を1個有す
る単官能性化合物が含まれていてもよい。この単官能性
化合物としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合
物が好ましく、特にアクリロイル基を有する化合物が好
ましい。
【0022】なお、被覆組成物(A)においてこの単官
能性化合物を併用する場合、多官能性化合物(a)とこ
の単官能性化合物との合計に対するこの単官能性化合物
の割合は、特に限定されないが60質量%以下が好まし
く、特に30質量%以下が好ましい。単官能性化合物の
割合が60質量%超では、硬化物の層の硬さが低下し耐
磨耗性が不充分となるおそれがある。
能性化合物を併用する場合、多官能性化合物(a)とこ
の単官能性化合物との合計に対するこの単官能性化合物
の割合は、特に限定されないが60質量%以下が好まし
く、特に30質量%以下が好ましい。単官能性化合物の
割合が60質量%超では、硬化物の層の硬さが低下し耐
磨耗性が不充分となるおそれがある。
【0023】多官能性化合物(a)としては、重合性官
能基以外に種々の官能基や結合を有する化合物であって
もよい。たとえば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン
原子、ウレタン結合、エーテル結合、エステル結合、チ
オエーテル結合、アミド結合、ジオルガノシロキサン結
合などを有していてもよい。特に、ウレタン結合を有す
る(メタ)アクリロイル基含有化合物(いわゆるアクリ
ルウレタン)と、ウレタン結合を有しない(メタ)アク
リル酸エステル化合物が好ましい。以下、上記した2種
の多官能性化合物(a)について説明する。
能基以外に種々の官能基や結合を有する化合物であって
もよい。たとえば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン
原子、ウレタン結合、エーテル結合、エステル結合、チ
オエーテル結合、アミド結合、ジオルガノシロキサン結
合などを有していてもよい。特に、ウレタン結合を有す
る(メタ)アクリロイル基含有化合物(いわゆるアクリ
ルウレタン)と、ウレタン結合を有しない(メタ)アク
リル酸エステル化合物が好ましい。以下、上記した2種
の多官能性化合物(a)について説明する。
【0024】(1)ウレタン結合を有する(メタ)アク
リロイル基含有化合物(以下アクリルウレタンという)
としては、たとえば以下に示す〜のような化合物が
挙げられる。 (メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(X
1)と、2個以上のイソシアネート基を有する化合物
(以下ポリイソシアネートという)との反応生成物。 化合物(X1)と2個以上の水酸基を有する化合物
(X2)と、ポリイソシアネートとの反応生成物。 (メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する
化合物(X3)と化合物(X2)との反応生成物。
リロイル基含有化合物(以下アクリルウレタンという)
としては、たとえば以下に示す〜のような化合物が
挙げられる。 (メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(X
1)と、2個以上のイソシアネート基を有する化合物
(以下ポリイソシアネートという)との反応生成物。 化合物(X1)と2個以上の水酸基を有する化合物
(X2)と、ポリイソシアネートとの反応生成物。 (メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する
化合物(X3)と化合物(X2)との反応生成物。
【0025】これらの反応生成物においては、イソシア
ネート基が存在しないことが好ましいが、水酸基は存在
してもよい。したがって、これらの反応生成物の製造に
おいては、全反応原料の水酸基の合計モル数はイソシア
ネート基の合計モル数と等しいかそれより多いことが好
ましい。
ネート基が存在しないことが好ましいが、水酸基は存在
してもよい。したがって、これらの反応生成物の製造に
おいては、全反応原料の水酸基の合計モル数はイソシア
ネート基の合計モル数と等しいかそれより多いことが好
ましい。
【0026】化合物(X1)としては、(メタ)アクリ
ロイル基と水酸基をそれぞれ1個ずつ有する化合物であ
ってもよく、(メタ)アクリロイル基2個以上と水酸基
1個を有する化合物、(メタ)アクリロイル基1個と水
酸基2個以上を有する化合物、(メタ)アクリロイル基
と水酸基をそれぞれ2個以上有する化合物であってもよ
い。
ロイル基と水酸基をそれぞれ1個ずつ有する化合物であ
ってもよく、(メタ)アクリロイル基2個以上と水酸基
1個を有する化合物、(メタ)アクリロイル基1個と水
酸基2個以上を有する化合物、(メタ)アクリロイル基
と水酸基をそれぞれ2個以上有する化合物であってもよ
い。
【0027】具体例として、上記順に、たとえば、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルジ(メタ)アクリレートなどがある。これらは2個以
上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とのモ
ノエステルまたは1個以上の水酸基を残したポリエステ
ルである。
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルジ(メタ)アクリレートなどがある。これらは2個以
上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とのモ
ノエステルまたは1個以上の水酸基を残したポリエステ
ルである。
【0028】さらに化合物(X1)としては、エポキシ
基を1個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸との開
環反応生成物であってもよい。エポキシ基と(メタ)ア
クリル酸との反応によりエポキシ基が開環してエステル
結合が生じるとともに水酸基が生じ、(メタ)アクリロ
イル基と水酸基を有する化合物となる。またエポキシ基
を1個以上有する化合物のエポキシ基を開環させて水酸
基含有化合物とし、それを(メタ)アクリル酸エステル
に変換することもできる。
基を1個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸との開
環反応生成物であってもよい。エポキシ基と(メタ)ア
クリル酸との反応によりエポキシ基が開環してエステル
結合が生じるとともに水酸基が生じ、(メタ)アクリロ
イル基と水酸基を有する化合物となる。またエポキシ基
を1個以上有する化合物のエポキシ基を開環させて水酸
基含有化合物とし、それを(メタ)アクリル酸エステル
に変換することもできる。
【0029】エポキシ基を1個以上有する化合物として
は、いわゆるエポキシ樹脂と呼ばれているポリエポキシ
ドが好ましい。ポリエポキシドとしては、たとえば多価
フェノール類−ポリグリシジルエーテル(たとえばビス
フェノールA−ジグリシジルエーテル)などのグリシジ
ル基を2個以上有する化合物や脂環族エポキシ化合物が
好ましい。さらに、エポキシ基を有する(メタ)アクリ
レートと水酸基やカルボキシル基を有する化合物との反
応生成物も化合物(X1)として使用できる。エポキシ
基を有する(メタ)アクリレートとしては、たとえばグ
リシジル(メタ)アクリレートがある。
は、いわゆるエポキシ樹脂と呼ばれているポリエポキシ
ドが好ましい。ポリエポキシドとしては、たとえば多価
フェノール類−ポリグリシジルエーテル(たとえばビス
フェノールA−ジグリシジルエーテル)などのグリシジ
ル基を2個以上有する化合物や脂環族エポキシ化合物が
好ましい。さらに、エポキシ基を有する(メタ)アクリ
レートと水酸基やカルボキシル基を有する化合物との反
応生成物も化合物(X1)として使用できる。エポキシ
基を有する(メタ)アクリレートとしては、たとえばグ
リシジル(メタ)アクリレートがある。
【0030】上記およびにおけるポリイソシアネー
トとしては、通常の単量体状のポリイソシアネートでも
よく、ポリイソシアネートの多量体や変性体またはイソ
シアネート基含有ウレタンプレポリマなどのプレポリマ
状の化合物でもよい。
トとしては、通常の単量体状のポリイソシアネートでも
よく、ポリイソシアネートの多量体や変性体またはイソ
シアネート基含有ウレタンプレポリマなどのプレポリマ
状の化合物でもよい。
【0031】具体的な単量体状のポリイソシアネートと
しては、たとえば、以下のポリイソシアネートがある
([ ]内は略称)。2,6−トリレンジイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネート、メチレンビス
(4−フェニルイソシアネート)[MDI]、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、トランス−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート[XDI]、水添X
DI、水添MDI。
しては、たとえば、以下のポリイソシアネートがある
([ ]内は略称)。2,6−トリレンジイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネート、メチレンビス
(4−フェニルイソシアネート)[MDI]、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、トランス−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート[XDI]、水添X
DI、水添MDI。
【0032】また、多量体としては、3量体(イソシア
ヌレート変性体)、2量体、カルボジイミド変性体など
があり、変性体としてはトリメチロールプロパン等の多
価アルコールで変性して得られるウレタン変性体、ビュ
レット変性体、アロハネート変性体、ウレア変性体など
がある。プレポリマ状のものの例としては、後述ポリエ
ーテルポリオールやポリエステルポリオールなどのポリ
オールとポリイソシアネートとを反応させて得られるイ
ソシアネート基含有ウレタンプレポリマなどがある。こ
れらポリイソシアネートは2種以上を併用できる。
ヌレート変性体)、2量体、カルボジイミド変性体など
があり、変性体としてはトリメチロールプロパン等の多
価アルコールで変性して得られるウレタン変性体、ビュ
レット変性体、アロハネート変性体、ウレア変性体など
がある。プレポリマ状のものの例としては、後述ポリエ
ーテルポリオールやポリエステルポリオールなどのポリ
オールとポリイソシアネートとを反応させて得られるイ
ソシアネート基含有ウレタンプレポリマなどがある。こ
れらポリイソシアネートは2種以上を併用できる。
【0033】ポリイソシアネートとしては特に無黄変性
ポリイソシアネート(芳香核に直接結合したイソシアネ
ート基を有しないポリイソシアネート)が好ましい。具
体的にはヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族
ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど
の脂環族ポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ートなどの芳香族ポリイソシアネートがある。上記のよ
うにこれらポリイソシアネートの多量体や変性体等も好
ましい。
ポリイソシアネート(芳香核に直接結合したイソシアネ
ート基を有しないポリイソシアネート)が好ましい。具
体的にはヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族
ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど
の脂環族ポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ートなどの芳香族ポリイソシアネートがある。上記のよ
うにこれらポリイソシアネートの多量体や変性体等も好
ましい。
【0034】化合物(X2)としては、多価アルコール
や多価アルコールに比較して高分子量のポリオールなど
がある。多価アルコールとしては、2〜20個の水酸基
を有する多価アルコールが好ましく、特に2〜15個の
水酸基を有する多価アルコールが好ましい。多価アルコ
ールは脂肪族多価アルコールであってもよく、脂環族多
価アルコールや芳香核を有する多価アルコールであって
もよい。芳香核を有する多価アルコールとしては、たと
えば多価フェノール類のアルキレンオキシド付加物や多
価フェノール類−ポリグリシジルエーテルなどの芳香核
を有するポリエポキシドの開環物などがある。
や多価アルコールに比較して高分子量のポリオールなど
がある。多価アルコールとしては、2〜20個の水酸基
を有する多価アルコールが好ましく、特に2〜15個の
水酸基を有する多価アルコールが好ましい。多価アルコ
ールは脂肪族多価アルコールであってもよく、脂環族多
価アルコールや芳香核を有する多価アルコールであって
もよい。芳香核を有する多価アルコールとしては、たと
えば多価フェノール類のアルキレンオキシド付加物や多
価フェノール類−ポリグリシジルエーテルなどの芳香核
を有するポリエポキシドの開環物などがある。
【0035】上記の多価アルコールの具体例を以下に挙
げる。エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、ジメチ
ロールシクロヘキサン、トリメチロールプロパン、グリ
セリン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロ
パン、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキ
シエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシ
プロピル)イソシアヌレート、ビスフェノールA−ジグ
リシジルエーテルの開環物、ビニルシクロヘキセンジオ
キシドの開環物。
げる。エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、ジメチ
ロールシクロヘキサン、トリメチロールプロパン、グリ
セリン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロ
パン、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキ
シエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシ
プロピル)イソシアヌレート、ビスフェノールA−ジグ
リシジルエーテルの開環物、ビニルシクロヘキセンジオ
キシドの開環物。
【0036】また、高分子量のポリオールとしては、ポ
リエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリ
エーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオ
ールなどがある。また、ポリオールとして水酸基含有ビ
ニルポリマも使用できる。これら多価アルコールやポリ
オールは2種以上を併用できる。
リエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリ
エーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオ
ールなどがある。また、ポリオールとして水酸基含有ビ
ニルポリマも使用できる。これら多価アルコールやポリ
オールは2種以上を併用できる。
【0037】上記ポリオールの具体例としては、たとえ
ば以下のポリオールがある。ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA−アルキ
レンオキシド付加物、ポリテトラメチレングリコール等
のポリエーテルポリオール。ポリε−カプロラクトンポ
リオール等の環状エステルを開環重合して得られるポリ
エステルポリオール。アジピン酸、セバシン酸、フタル
酸、マレイン酸、フマル酸、アゼライン酸、グルタル酸
等の多塩基酸と上記多価アルコールとの反応で得られる
ポリエステルポリオール。1,6−ヘキサンジオールと
ホスゲンの反応で得られるポリカーボネートジオール。
ば以下のポリオールがある。ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA−アルキ
レンオキシド付加物、ポリテトラメチレングリコール等
のポリエーテルポリオール。ポリε−カプロラクトンポ
リオール等の環状エステルを開環重合して得られるポリ
エステルポリオール。アジピン酸、セバシン酸、フタル
酸、マレイン酸、フマル酸、アゼライン酸、グルタル酸
等の多塩基酸と上記多価アルコールとの反応で得られる
ポリエステルポリオール。1,6−ヘキサンジオールと
ホスゲンの反応で得られるポリカーボネートジオール。
【0038】水酸基含有ビニルポリマとしては、たとえ
ばアリルアルコール、ビニルアルコール、ヒドロキシア
ルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートなどの水酸基含有単量体とオレフィンなどの
水酸基不含単量体との共重合体がある。化合物(X3)
としては、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレ
ート、メタクリロイルイソシアネートが挙げられる。
ばアリルアルコール、ビニルアルコール、ヒドロキシア
ルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートなどの水酸基含有単量体とオレフィンなどの
水酸基不含単量体との共重合体がある。化合物(X3)
としては、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレ
ート、メタクリロイルイソシアネートが挙げられる。
【0039】(2)多官能性化合物として好ましい化合
物である、ウレタン結合を有しない(メタ)アクリル酸
エステル化合物としては、化合物(X2)と同様の2個
以上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸との
ポリエステルが好ましい。2個以上の水酸基を有する化
合物としては、前記多価アルコールやポリオールが好ま
しい。さらに、2個以上のエポキシ基を有する化合物と
(メタ)アクリル酸との反応生成物である(メタ)アク
リル酸エステル化合物も好ましい。ウレタン結合を含ま
ない多官能性化合物の具体例としては、たとえば以下に
示す〜のような化合物が挙げられる。
物である、ウレタン結合を有しない(メタ)アクリル酸
エステル化合物としては、化合物(X2)と同様の2個
以上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸との
ポリエステルが好ましい。2個以上の水酸基を有する化
合物としては、前記多価アルコールやポリオールが好ま
しい。さらに、2個以上のエポキシ基を有する化合物と
(メタ)アクリル酸との反応生成物である(メタ)アク
リル酸エステル化合物も好ましい。ウレタン結合を含ま
ない多官能性化合物の具体例としては、たとえば以下に
示す〜のような化合物が挙げられる。
【0040】脂肪族多価アルコールの(メタ)アクリ
レート。 1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ
(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト。
レート。 1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ
(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト。
【0041】芳香核またはトリアジン環を有する多価
アルコールや多価フェノールの(メタ)アクリレート。 トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソ
シアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ト
リス(2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)イソ
シアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル)ビスフェノールA、ビス(2−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチル)ビスフェノールS、ビス(2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル)ビスフェノール
F、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、
ビスフェノールAジメタクリレート。
アルコールや多価フェノールの(メタ)アクリレート。 トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソ
シアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ト
リス(2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)イソ
シアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル)ビスフェノールA、ビス(2−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチル)ビスフェノールS、ビス(2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル)ビスフェノール
F、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、
ビスフェノールAジメタクリレート。
【0042】水酸基含有化合物−アルキレンオキシド
付加物の(メタ)アクリレート、水酸基含有化合物−カ
プロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、ポリオキ
シアルキレンポリオールの(メタ)アクリレート。以下
の説明中、EOはエチレンオキシド、POはプロピレン
オキシドを表す。
付加物の(メタ)アクリレート、水酸基含有化合物−カ
プロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、ポリオキ
シアルキレンポリオールの(メタ)アクリレート。以下
の説明中、EOはエチレンオキシド、POはプロピレン
オキシドを表す。
【0043】トリメチロールプロパン−EO付加物のト
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン−P
O付加物のトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトール−カプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アク
リレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レート−カプロラクトン付加物のトリ(メタ)アクリレ
ート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
ト−カプロラクトン付加物のトリ(メタ)アクリレー
ト。
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン−P
O付加物のトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトール−カプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アク
リレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レート−カプロラクトン付加物のトリ(メタ)アクリレ
ート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
ト−カプロラクトン付加物のトリ(メタ)アクリレー
ト。
【0044】多官能性化合物(a)においては、被覆組
成物(A)の硬化物が充分な耐摩耗性を発揮しうるため
に、活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を3個以上有
する多官能性化合物の割合は、多官能性化合物(a)の
全体量に対して、30質量%以上が好ましく、特に50
質量%以上が好ましい。具体的な好ましい多官能性化合
物(a)は下記のアクリルウレタンとウレタン結合を有
しない多官能性化合物である。
成物(A)の硬化物が充分な耐摩耗性を発揮しうるため
に、活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を3個以上有
する多官能性化合物の割合は、多官能性化合物(a)の
全体量に対して、30質量%以上が好ましく、特に50
質量%以上が好ましい。具体的な好ましい多官能性化合
物(a)は下記のアクリルウレタンとウレタン結合を有
しない多官能性化合物である。
【0045】アクリルウレタンの場合、ペンタエリスリ
トールやその多量体であるポリペンタエリスリトールと
ポリイソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートの反応生成物であるアクリルウレタン、または
ペンタエリスリトールやポリペンタエリスリトールの水
酸基含有ポリ(メタ)アクリレートとポリイソシアネー
トとの反応生成物であるアクリルウレタンであって活性
エネルギ線硬化性の重合性官能基を3個以上(好ましく
は4〜20個)有する化合物が好ましい。
トールやその多量体であるポリペンタエリスリトールと
ポリイソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートの反応生成物であるアクリルウレタン、または
ペンタエリスリトールやポリペンタエリスリトールの水
酸基含有ポリ(メタ)アクリレートとポリイソシアネー
トとの反応生成物であるアクリルウレタンであって活性
エネルギ線硬化性の重合性官能基を3個以上(好ましく
は4〜20個)有する化合物が好ましい。
【0046】ウレタン結合を有しない多官能性化合物と
しては、ペンタエリスリトール系ポリ(メタ)アクリレ
ートとイソシアヌレート系ポリ(メタ)アクリレートが
好ましい。ペンタエリスリトール系ポリ(メタ)アクリ
レートとは、ペンタエリスリトールやポリペンタエリス
リトールと(メタ)アクリル酸とのポリエステル(好ま
しくは活性エネルギ線硬化性の重合性官能基が4〜20
個のもの)をいう。イソシアヌレート系ポリ(メタ)ア
クリレートとは、トリス(ヒドロキシアルキル)イソシ
アヌレートまたはその1モルに1〜6モルのカプロラク
トンやアルキレンオキシドを付加して得られる付加物と
(メタ)アクリル酸とのポリエステル(活性エネルギ線
硬化性の重合性官能基が2〜3個のもの)をいう。これ
ら好ましい多官能性化合物と他の活性エネルギ線硬化性
の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(特に
多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート)とを併用
することも好ましい。これら好ましい多官能性化合物の
割合は、全多官能性化合物(a)に対して30質量%以
上が好ましく、特に50質量%以上が好ましい。
しては、ペンタエリスリトール系ポリ(メタ)アクリレ
ートとイソシアヌレート系ポリ(メタ)アクリレートが
好ましい。ペンタエリスリトール系ポリ(メタ)アクリ
レートとは、ペンタエリスリトールやポリペンタエリス
リトールと(メタ)アクリル酸とのポリエステル(好ま
しくは活性エネルギ線硬化性の重合性官能基が4〜20
個のもの)をいう。イソシアヌレート系ポリ(メタ)ア
クリレートとは、トリス(ヒドロキシアルキル)イソシ
アヌレートまたはその1モルに1〜6モルのカプロラク
トンやアルキレンオキシドを付加して得られる付加物と
(メタ)アクリル酸とのポリエステル(活性エネルギ線
硬化性の重合性官能基が2〜3個のもの)をいう。これ
ら好ましい多官能性化合物と他の活性エネルギ線硬化性
の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(特に
多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート)とを併用
することも好ましい。これら好ましい多官能性化合物の
割合は、全多官能性化合物(a)に対して30質量%以
上が好ましく、特に50質量%以上が好ましい。
【0047】多官能性化合物(a)とともに使用できる
単官能性化合物としては、たとえば分子中に1個の(メ
タ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。そのよ
うな単官能性化合物は、水酸基、エポキシ基などの官能
基を有していてもよい。好ましい単官能性化合物は(メ
タ)アクリル酸エステル、すなわち(メタ)アクリレー
トである。
単官能性化合物としては、たとえば分子中に1個の(メ
タ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。そのよ
うな単官能性化合物は、水酸基、エポキシ基などの官能
基を有していてもよい。好ましい単官能性化合物は(メ
タ)アクリル酸エステル、すなわち(メタ)アクリレー
トである。
【0048】具体的な単官能性化合物としては、たとえ
ば以下の化合物がある。メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレ
ート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト。
ば以下の化合物がある。メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレ
ート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト。
【0049】被覆層(Q)からなる内層の耐摩耗性や硬
度を高める意味で、被覆組成物(A)は平均粒径200
nm以下のコロイド状シリカをさらに含むことが好まし
い。上記コロイド状シリカの平均粒径は1〜100nm
がより好ましく、特に1〜50nmが好ましい。コロイ
ド状シリカの平均粒径が200nm超では、曇り(ヘー
ズ)を生じやすくなる。
度を高める意味で、被覆組成物(A)は平均粒径200
nm以下のコロイド状シリカをさらに含むことが好まし
い。上記コロイド状シリカの平均粒径は1〜100nm
がより好ましく、特に1〜50nmが好ましい。コロイ
ド状シリカの平均粒径が200nm超では、曇り(ヘー
ズ)を生じやすくなる。
【0050】また、コロイド状シリカを使用する場合、
その効果を充分発揮するためにはコロイド状シリカの量
は、硬化性成分(多官能性化合物(a)と単多官能性化
合物の合計)100質量部に対して5〜300質量部が
適当であり、10〜250質量部がより好ましく、50
〜250質量部がさらに好ましい。コロイド状シリカの
量が5質量%未満では充分な耐摩耗性が得られ難い。ま
た、コロイド状シリカの量が300質量部超では被膜に
ヘーズが発生しやすくなり、また得られた被覆成形品を
熱曲げ加工などの2次加工を行う際に、クラックが生じ
やすくなる。
その効果を充分発揮するためにはコロイド状シリカの量
は、硬化性成分(多官能性化合物(a)と単多官能性化
合物の合計)100質量部に対して5〜300質量部が
適当であり、10〜250質量部がより好ましく、50
〜250質量部がさらに好ましい。コロイド状シリカの
量が5質量%未満では充分な耐摩耗性が得られ難い。ま
た、コロイド状シリカの量が300質量部超では被膜に
ヘーズが発生しやすくなり、また得られた被覆成形品を
熱曲げ加工などの2次加工を行う際に、クラックが生じ
やすくなる。
【0051】コロイド状シリカとしては、表面未修飾の
コロイド状シリカを使用できるが、好ましくは表面修飾
されたコロイド状シリカを使用する。表面修飾されたコ
ロイド状シリカは、組成物中のコロイド状シリカの分散
安定性を向上させる。修飾によってコロイド状シリカ微
粒子の平均粒径は実質的に変化しないか多少大きくなる
と考えられるが、得られる修飾コロイド状シリカの平均
粒径は上記範囲のものであると考えられる。以下表面修
飾されたコロイド状シリカ(以下、単に修飾コロイド状
シリカという)について説明する。
コロイド状シリカを使用できるが、好ましくは表面修飾
されたコロイド状シリカを使用する。表面修飾されたコ
ロイド状シリカは、組成物中のコロイド状シリカの分散
安定性を向上させる。修飾によってコロイド状シリカ微
粒子の平均粒径は実質的に変化しないか多少大きくなる
と考えられるが、得られる修飾コロイド状シリカの平均
粒径は上記範囲のものであると考えられる。以下表面修
飾されたコロイド状シリカ(以下、単に修飾コロイド状
シリカという)について説明する。
【0052】コロイド状シリカの分散媒としては種々の
分散媒が知られており、原料コロイド状シリカの分散媒
は特に限定されない。必要により分散媒を変えて修飾を
行うことができ、また修飾後に分散媒を変えることもで
きる。修飾コロイド状シリカの分散媒はそのまま被覆組
成物(A)中の硬化性成分の媒体(溶媒)とすることが
好ましい。被覆組成物(A)の媒体としては、乾燥性な
どの面から比較的低沸点の溶媒、すなわち通常の塗料用
溶媒、であることが好ましい。製造の容易さなどの理由
により、原料コロイド状シリカの分散媒、修飾コロイド
状シリカの分散媒および硬化物層の硬化性成分の媒体は
すべて同一の媒体(溶媒)であることが好ましい。この
ような媒体としては、塗料用溶媒として広く使用されて
いるような有機媒体が好ましい。
分散媒が知られており、原料コロイド状シリカの分散媒
は特に限定されない。必要により分散媒を変えて修飾を
行うことができ、また修飾後に分散媒を変えることもで
きる。修飾コロイド状シリカの分散媒はそのまま被覆組
成物(A)中の硬化性成分の媒体(溶媒)とすることが
好ましい。被覆組成物(A)の媒体としては、乾燥性な
どの面から比較的低沸点の溶媒、すなわち通常の塗料用
溶媒、であることが好ましい。製造の容易さなどの理由
により、原料コロイド状シリカの分散媒、修飾コロイド
状シリカの分散媒および硬化物層の硬化性成分の媒体は
すべて同一の媒体(溶媒)であることが好ましい。この
ような媒体としては、塗料用溶媒として広く使用されて
いるような有機媒体が好ましい。
【0053】分散媒としては、たとえば以下のような分
散媒を使用できる。水。メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノー
ル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エ
チレングリコールのような低級アルコール類。メチルセ
ロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブ
アセテート等のセロソルブ類。N,N−ジメチルアセト
アミド、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、アセトンなど。
散媒を使用できる。水。メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノー
ル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エ
チレングリコールのような低級アルコール類。メチルセ
ロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブ
アセテート等のセロソルブ類。N,N−ジメチルアセト
アミド、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、アセトンなど。
【0054】前記のように特に分散媒としては有機媒体
が好ましく、上記有機媒体のうちで、特にアルコール類
またはセロソルブ類が好ましい。なお、コロイド状シリ
カと、それを分散させている分散媒との一体物をコロイ
ド状シリカ分散液という。
が好ましく、上記有機媒体のうちで、特にアルコール類
またはセロソルブ類が好ましい。なお、コロイド状シリ
カと、それを分散させている分散媒との一体物をコロイ
ド状シリカ分散液という。
【0055】コロイド状シリカの修飾は加水分解性ケイ
素基または水酸基が結合したケイ素基を有する化合物
(以下これらを修飾剤という)を用いて行うことが好ま
しい。加水分解性ケイ素基の加水分解によってシラノー
ル基が生じ、これらシラノール基がコロイド状シリカ表
面に存在すると考えられるシラノール基と反応して結合
し、修飾剤がコロイド状シリカ表面に結合すると考えら
れる。修飾剤は2種以上を併用してもよい。また後述の
ように互いに反応性の反応性官能基を有する修飾剤2種
をあらかじめ反応させて得られる反応生成物を修飾剤と
して用いることもできる。
素基または水酸基が結合したケイ素基を有する化合物
(以下これらを修飾剤という)を用いて行うことが好ま
しい。加水分解性ケイ素基の加水分解によってシラノー
ル基が生じ、これらシラノール基がコロイド状シリカ表
面に存在すると考えられるシラノール基と反応して結合
し、修飾剤がコロイド状シリカ表面に結合すると考えら
れる。修飾剤は2種以上を併用してもよい。また後述の
ように互いに反応性の反応性官能基を有する修飾剤2種
をあらかじめ反応させて得られる反応生成物を修飾剤と
して用いることもできる。
【0056】修飾剤は2個以上の加水分解性ケイ素基や
シラノール基を有していてもよく、また加水分解性ケイ
素基を有する化合物の部分加水分解縮合物やシラノール
基を有する化合物の部分縮合物であってもよい。好まし
くは1個の加水分解性ケイ素基を有する化合物を修飾剤
として使用する(修飾処理過程で部分加水分解縮合物が
生じてもよい)。また、修飾剤は、ケイ素原子に結合し
た有機基を有しかつその有機基の1個以上は反応性官能
基を有する有機基である、ことが好ましい。
シラノール基を有していてもよく、また加水分解性ケイ
素基を有する化合物の部分加水分解縮合物やシラノール
基を有する化合物の部分縮合物であってもよい。好まし
くは1個の加水分解性ケイ素基を有する化合物を修飾剤
として使用する(修飾処理過程で部分加水分解縮合物が
生じてもよい)。また、修飾剤は、ケイ素原子に結合し
た有機基を有しかつその有機基の1個以上は反応性官能
基を有する有機基である、ことが好ましい。
【0057】好ましい反応性官能基はアミノ基、メルカ
プト基、エポキシ基および(メタ)アクリロイルオキシ
基である。反応性官能基が結合する有機基としては、反
応性官能基を除いて炭素数8以下のアルキレン基やフェ
ニレン基が好ましく、特に炭素数2〜4のアルキレン基
(とりわけポリメチレン基)が好ましい。
プト基、エポキシ基および(メタ)アクリロイルオキシ
基である。反応性官能基が結合する有機基としては、反
応性官能基を除いて炭素数8以下のアルキレン基やフェ
ニレン基が好ましく、特に炭素数2〜4のアルキレン基
(とりわけポリメチレン基)が好ましい。
【0058】具体的な修飾剤としては反応性官能基の種
類によって分けると、たとえば以下に示す〜のよう
な化合物が挙げられる。 (メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類 3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ
エトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルメチルジメトキシシランなど。
類によって分けると、たとえば以下に示す〜のよう
な化合物が挙げられる。 (メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類 3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ
エトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルメチルジメトキシシランなど。
【0059】アミノ基含有シラン類 3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエ
チル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラ
ン、N−(N−ビニルベンジル−2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル
−3−アミノプロピルトリメトキシシランなど。
ロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエ
チル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラ
ン、N−(N−ビニルベンジル−2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル
−3−アミノプロピルトリメトキシシランなど。
【0060】メルカプト基含有シラン類 3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メル
カプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシランなど。 エポキシ基含有シラン類 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルトリエトキシシランなど。 イソシアネート基含有シラン類 3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−
イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソ
シアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソ
シアネートプロピルメチルジエトキシシランなど。
カプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシランなど。 エポキシ基含有シラン類 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルトリエトキシシランなど。 イソシアネート基含有シラン類 3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−
イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソ
シアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソ
シアネートプロピルメチルジエトキシシランなど。
【0061】互いに反応性の反応性官能基を有する修飾
剤2種を、あらかじめ反応させて得られる反応生成物と
しては、たとえば、アミノ基含有シラン類とエポキシ基
含有シラン類との反応生成物、アミノ基含有シラン類と
(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類との反応生
成物、エポキシ基含有シラン類とメルカプト基含有シラ
ン類との反応生成物、メルカプト基含有シラン類同士2
分子の反応生成物などがある。
剤2種を、あらかじめ反応させて得られる反応生成物と
しては、たとえば、アミノ基含有シラン類とエポキシ基
含有シラン類との反応生成物、アミノ基含有シラン類と
(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類との反応生
成物、エポキシ基含有シラン類とメルカプト基含有シラ
ン類との反応生成物、メルカプト基含有シラン類同士2
分子の反応生成物などがある。
【0062】コロイド状シリカの修飾は通常、加水分解
性基を有する修飾剤を触媒存在下にコロイド状シリカに
接触させて加水分解することにより行う。たとえば、コ
ロイド状シリカ分散液に修飾剤と触媒を添加し、コロイ
ド状シリカ分散液中で修飾剤を加水分解することによっ
て修飾できる。触媒としては、酸やアルカリがある。好
ましくは無機酸および有機酸から選ばれる酸を使用す
る。無機酸としては、たとえば塩酸、フッ化水素酸、臭
化水素酸等のハロゲン化水素酸や硫酸、硝酸、リン酸等
を使用できる。また、有機酸としては、ギ酸、酢酸、シ
ュウ酸、(メタ)アクリル酸等を使用できる。反応温度
としては室温から用いる溶媒の沸点までの間が好まし
く、反応時間は温度にもよるが0.5〜24時間の範囲
が好ましい。
性基を有する修飾剤を触媒存在下にコロイド状シリカに
接触させて加水分解することにより行う。たとえば、コ
ロイド状シリカ分散液に修飾剤と触媒を添加し、コロイ
ド状シリカ分散液中で修飾剤を加水分解することによっ
て修飾できる。触媒としては、酸やアルカリがある。好
ましくは無機酸および有機酸から選ばれる酸を使用す
る。無機酸としては、たとえば塩酸、フッ化水素酸、臭
化水素酸等のハロゲン化水素酸や硫酸、硝酸、リン酸等
を使用できる。また、有機酸としては、ギ酸、酢酸、シ
ュウ酸、(メタ)アクリル酸等を使用できる。反応温度
としては室温から用いる溶媒の沸点までの間が好まし
く、反応時間は温度にもよるが0.5〜24時間の範囲
が好ましい。
【0063】コロイド状シリカの修飾において、修飾剤
の使用量は特に限定されないが、コロイド状シリカ(分
散液中の固形分)100質量部に対し、修飾剤1〜10
0質量部が適当である。修飾剤の量が1質量部未満では
表面修飾の効果が得られにくい。また、100質量部超
では未反応の修飾剤やコロイド状シリカ表面に担持され
ていない修飾剤の加水分解物〜縮合物が多量に生じ、被
覆層の硬化性成分の硬化の際、それらが連鎖移動剤とし
て働いたり、硬化後の被膜の可塑剤として働き、硬化被
膜の硬度を低下させるおそれがある。
の使用量は特に限定されないが、コロイド状シリカ(分
散液中の固形分)100質量部に対し、修飾剤1〜10
0質量部が適当である。修飾剤の量が1質量部未満では
表面修飾の効果が得られにくい。また、100質量部超
では未反応の修飾剤やコロイド状シリカ表面に担持され
ていない修飾剤の加水分解物〜縮合物が多量に生じ、被
覆層の硬化性成分の硬化の際、それらが連鎖移動剤とし
て働いたり、硬化後の被膜の可塑剤として働き、硬化被
膜の硬度を低下させるおそれがある。
【0064】多官能性化合物(a)を硬化させるため
に、被覆組成物(A)は光重合開始剤を含むのが好まし
い。光重合開始剤としては、公知のものを使用できる。
特に入手容易な市販のものが好ましい。硬化物層におい
て複数の光重合開始剤を使用してもよい。
に、被覆組成物(A)は光重合開始剤を含むのが好まし
い。光重合開始剤としては、公知のものを使用できる。
特に入手容易な市販のものが好ましい。硬化物層におい
て複数の光重合開始剤を使用してもよい。
【0065】光重合開始剤としては、アリールケトン系
光重合開始剤(たとえば、アセトフェノン類、ベンゾフ
ェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル
類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジ
メチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−ア
シロキシムエステル類など)、含イオウ系光重合開始剤
(たとえば、スルフィド類、チオキサントン類など)、
アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、ジアシルホ
スフィンオキシド系光重合開始剤、その他の光重合開始
剤がある。特に、アシルホスフィンオキシド系光重合開
始剤およびジアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤
の使用が好ましい。また、光重合開始剤はアミン類など
の光増感剤と組み合わせて使用することもできる。
光重合開始剤(たとえば、アセトフェノン類、ベンゾフ
ェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル
類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジ
メチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−ア
シロキシムエステル類など)、含イオウ系光重合開始剤
(たとえば、スルフィド類、チオキサントン類など)、
アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、ジアシルホ
スフィンオキシド系光重合開始剤、その他の光重合開始
剤がある。特に、アシルホスフィンオキシド系光重合開
始剤およびジアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤
の使用が好ましい。また、光重合開始剤はアミン類など
の光増感剤と組み合わせて使用することもできる。
【0066】具体的な光重合開始剤として、たとえば以
下のような化合物がある。2,2−ジクロロ−4’−フ
ェノキシアセトフェノン、4’−t−ブチル−2,2−
ジクロロアセトフェノン、4’−t−ブチル−2,2,
2−トリクロロアセトフェノン、2,2−ジエトキシア
セトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェ
ニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−メチルプロパ
ン−1−オン、1−{4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1
−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}
−2−モルホリノプロパン−1−オン。
下のような化合物がある。2,2−ジクロロ−4’−フ
ェノキシアセトフェノン、4’−t−ブチル−2,2−
ジクロロアセトフェノン、4’−t−ブチル−2,2,
2−トリクロロアセトフェノン、2,2−ジエトキシア
セトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェ
ニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−メチルプロパ
ン−1−オン、1−{4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1
−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}
−2−モルホリノプロパン−1−オン。
【0067】ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベ
ンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル
安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベ
ンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、アクリ
ル化ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキ
シベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス
(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、
9,10−フェナントレンキノン、カンファーキノン、
ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、1,3
−フェニレンビス(4−エチルベンゾイル)、α−アシ
ロキシムエステル類(たとえば、2−プロピオニルオキ
シイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン)、フェニ
ルグリオキシル酸メチル。
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベ
ンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル
安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベ
ンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、アクリ
ル化ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキ
シベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス
(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、
9,10−フェナントレンキノン、カンファーキノン、
ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、1,3
−フェニレンビス(4−エチルベンゾイル)、α−アシ
ロキシムエステル類(たとえば、2−プロピオニルオキ
シイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン)、フェニ
ルグリオキシル酸メチル。
【0068】4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニル
スルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサント
ン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジ
クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン。
スルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサント
ン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジ
クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン。
【0069】2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジフェニルホスフ
ィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニル
ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾ
イル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオ
キシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フ
ェニルホスフィンオキシド。
ニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジフェニルホスフ
ィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニル
ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾ
イル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオ
キシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フ
ェニルホスフィンオキシド。
【0070】被覆組成物(A)における光重合開始剤の
量は、硬化性成分(多官能性化合物(a)と単官能性化
合物の合計)100質量部に対して0.01〜20質量
部が好ましく、特に0.1〜10質量部が好ましい。
量は、硬化性成分(多官能性化合物(a)と単官能性化
合物の合計)100質量部に対して0.01〜20質量
部が好ましく、特に0.1〜10質量部が好ましい。
【0071】被覆組成物(A)は上記基本的成分以外に
溶媒や種々の機能性配合剤を含むことができる。溶剤は
通常必須の成分であり、被覆組成物(A)は溶剤に溶解
してコーティングに用いるのが好ましい。溶剤は被覆組
成物(A)を硬化させる前に被覆組成物(A)から除去
される。溶剤としては、多官能性化合物(a)を硬化成
分とする被覆用組成物に通常使用される溶剤を使用でき
る。また原料コロイド状シリカの分散媒をそのまま溶剤
として使用してもよい。さらに基材の種類により適切な
溶剤を選択して用いることが好ましい。
溶媒や種々の機能性配合剤を含むことができる。溶剤は
通常必須の成分であり、被覆組成物(A)は溶剤に溶解
してコーティングに用いるのが好ましい。溶剤は被覆組
成物(A)を硬化させる前に被覆組成物(A)から除去
される。溶剤としては、多官能性化合物(a)を硬化成
分とする被覆用組成物に通常使用される溶剤を使用でき
る。また原料コロイド状シリカの分散媒をそのまま溶剤
として使用してもよい。さらに基材の種類により適切な
溶剤を選択して用いることが好ましい。
【0072】溶剤の量は必要とする組成物の粘度、目的
とする硬化物層の厚さ、乾燥温度条件などにより適宜変
更できる。通常は組成物中の硬化性成分に対して質量で
100倍以下、好ましくは0.1〜50倍用いる。溶剤
としてはたとえば前記コロイド状シリカを修飾するため
の加水分解に用いる溶媒として挙げた、低級アルコール
類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類などの溶剤が
ある。そのほか、酢酸n−ブチル、ジエチレングリコー
ルモノアセテートなどのエステル類、ハロゲン化炭化水
素類、炭化水素類などがある。耐溶剤性の低い芳香族ポ
リカーボネート樹脂の被覆には低級アルコール類、セロ
ソルブ類、エステル類、それらの混合物などが適当であ
る。
とする硬化物層の厚さ、乾燥温度条件などにより適宜変
更できる。通常は組成物中の硬化性成分に対して質量で
100倍以下、好ましくは0.1〜50倍用いる。溶剤
としてはたとえば前記コロイド状シリカを修飾するため
の加水分解に用いる溶媒として挙げた、低級アルコール
類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類などの溶剤が
ある。そのほか、酢酸n−ブチル、ジエチレングリコー
ルモノアセテートなどのエステル類、ハロゲン化炭化水
素類、炭化水素類などがある。耐溶剤性の低い芳香族ポ
リカーボネート樹脂の被覆には低級アルコール類、セロ
ソルブ類、エステル類、それらの混合物などが適当であ
る。
【0073】機能性配合剤としては、たとえば、上記
(b)以外の紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、熱
重合防止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止
剤、顔料(有機着色顔料、無機顔料)、着色染料、赤外
線吸収剤、蛍光増白剤、分散剤、防汚性付与剤、防錆
剤、導電性微粒子、帯電防止剤、防曇剤、カップリング
剤、および硬化触媒からなる群から選ばれる1種以上の
機能性配合剤が挙げられる。
(b)以外の紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、熱
重合防止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止
剤、顔料(有機着色顔料、無機顔料)、着色染料、赤外
線吸収剤、蛍光増白剤、分散剤、防汚性付与剤、防錆
剤、導電性微粒子、帯電防止剤、防曇剤、カップリング
剤、および硬化触媒からなる群から選ばれる1種以上の
機能性配合剤が挙げられる。
【0074】被覆組成物(A)を硬化させる活性エネル
ギ線としては特に紫外線が好ましい。しかし、紫外線に
限定されず、電子線やその他の活性エネルギ線を使用で
きる。紫外線源としてはキセノンランプ、パルスキセノ
ンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メ
タルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステン
ランプ等が使用できる。
ギ線としては特に紫外線が好ましい。しかし、紫外線に
限定されず、電子線やその他の活性エネルギ線を使用で
きる。紫外線源としてはキセノンランプ、パルスキセノ
ンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メ
タルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステン
ランプ等が使用できる。
【0075】被覆組成物(A)の硬化物の層の厚さは1
〜50μmが好ましく、特に2〜30μmが好ましい。
厚さが1μm未満では、この層の耐摩耗性が不充分とな
るおそれがあり、また最外層の耐摩耗性や耐擦傷性が充
分発現できないおそれがある。厚さが50μm超では、
活性エネルギ線による硬化が不充分になり基材との密着
性が損なわれやすく好ましくない。
〜50μmが好ましく、特に2〜30μmが好ましい。
厚さが1μm未満では、この層の耐摩耗性が不充分とな
るおそれがあり、また最外層の耐摩耗性や耐擦傷性が充
分発現できないおそれがある。厚さが50μm超では、
活性エネルギ線による硬化が不充分になり基材との密着
性が損なわれやすく好ましくない。
【0076】最外層を形成する被覆組成物(B)は、ポ
リシラザン(c)を含有する。ポリシラザン(c)は、
(−Si−N−)のくり返し単位を2以上有する重合体
であり、ケイ素原子(4価)の残りの2つの結合手また
は窒素原子(3価)の残りの1つの結合手には、それぞ
れ水素原子や有機基(アルキル基など)が結合してい
る。ポリシラザン(c)は、上記くり返し単位のみから
なる線状構造であってもよく、ケイ素原子の残りの2つ
の結合手の一方または両方と窒素原子の結合手とが結合
した環状構造を含んでもよい。
リシラザン(c)を含有する。ポリシラザン(c)は、
(−Si−N−)のくり返し単位を2以上有する重合体
であり、ケイ素原子(4価)の残りの2つの結合手また
は窒素原子(3価)の残りの1つの結合手には、それぞ
れ水素原子や有機基(アルキル基など)が結合してい
る。ポリシラザン(c)は、上記くり返し単位のみから
なる線状構造であってもよく、ケイ素原子の残りの2つ
の結合手の一方または両方と窒素原子の結合手とが結合
した環状構造を含んでもよい。
【0077】ポリシラザン(c)は、酸素存在下で分解
し窒素原子が酸素原子に置換してシリカとなる。ポリシ
ラザンから形成されるシリカは加水分解性シラン化合物
から形成されるシリカに比較してより緻密なシリカが形
成される。たとえば、ペルヒドロポリシラザンから形成
されたシリカは、テトラアルコキシシランから形成され
たシリカに比較してより緻密であり耐摩耗性等の表面特
性が優れる。
し窒素原子が酸素原子に置換してシリカとなる。ポリシ
ラザンから形成されるシリカは加水分解性シラン化合物
から形成されるシリカに比較してより緻密なシリカが形
成される。たとえば、ペルヒドロポリシラザンから形成
されたシリカは、テトラアルコキシシランから形成され
たシリカに比較してより緻密であり耐摩耗性等の表面特
性が優れる。
【0078】ポリシラザン(c)は、実質的に有機基を
含まないポリシラザンであるペルヒドロポリシラザン、
アルコキシ基などの加水分解性基がケイ素原子に結合し
たポリシラザン、ケイ素原子にアルキル基などの有機基
が結合しているポリシラザンなどがある。特にペルヒド
ロポリシラザンは、その硬化温度の低さおよび硬化後の
硬化被膜の緻密さの点で好ましい。なお、ポリシラザン
が充分に硬化した硬化物は窒素原子をほとんど含まない
シリカとなる。
含まないポリシラザンであるペルヒドロポリシラザン、
アルコキシ基などの加水分解性基がケイ素原子に結合し
たポリシラザン、ケイ素原子にアルキル基などの有機基
が結合しているポリシラザンなどがある。特にペルヒド
ロポリシラザンは、その硬化温度の低さおよび硬化後の
硬化被膜の緻密さの点で好ましい。なお、ポリシラザン
が充分に硬化した硬化物は窒素原子をほとんど含まない
シリカとなる。
【0079】また、ケイ素原子にアルキル基、トリメチ
ルシリル基などの有機基が結合しているポリシラザンの
場合は、形成される有機基を含むシリカが、ペルヒドロ
ポリシラザンから形成されるシリカに比較して耐摩耗性
等の表面特性が劣ることはあっても、より強靭な硬化被
膜が得られ、また被膜を厚くできるので、目的によって
はペルヒドロポリシラザンよりも好ましいことがある。
ルシリル基などの有機基が結合しているポリシラザンの
場合は、形成される有機基を含むシリカが、ペルヒドロ
ポリシラザンから形成されるシリカに比較して耐摩耗性
等の表面特性が劣ることはあっても、より強靭な硬化被
膜が得られ、また被膜を厚くできるので、目的によって
はペルヒドロポリシラザンよりも好ましいことがある。
【0080】また、ポリシラザン(c)には、鎖状、環
状もしくは架橋構造を有するもの、または分子内にこれ
らの複数の構造を同時に有するものがあり、これらのう
ち1種を単独で用いてもよく2種以上を混合して用いて
もよい。さらに、ポリシラザンの分子量としては、数平
均分子量で200〜5万のものが好ましい。数平均分子
量が200未満では均一な硬化被膜が得られにくく、数
平均分子量が5万超では溶剤に溶解しにくくなり好まし
くない。
状もしくは架橋構造を有するもの、または分子内にこれ
らの複数の構造を同時に有するものがあり、これらのう
ち1種を単独で用いてもよく2種以上を混合して用いて
もよい。さらに、ポリシラザンの分子量としては、数平
均分子量で200〜5万のものが好ましい。数平均分子
量が200未満では均一な硬化被膜が得られにくく、数
平均分子量が5万超では溶剤に溶解しにくくなり好まし
くない。
【0081】ケイ素原子に結合した有機基を有するポリ
シラザンの場合、その有機基としては炭化水素基やハロ
ゲン化炭化水素基が好ましく、特にアルキル基などの炭
化水素基が好ましい。これら有機基の炭素数は特に限定
されず、たとえば20以下のものであればよいが、少な
いことが好ましく、特に4以下が好ましい。
シラザンの場合、その有機基としては炭化水素基やハロ
ゲン化炭化水素基が好ましく、特にアルキル基などの炭
化水素基が好ましい。これら有機基の炭素数は特に限定
されず、たとえば20以下のものであればよいが、少な
いことが好ましく、特に4以下が好ましい。
【0082】被覆組成物(B)は、分子内にトリアジン
骨格を有する紫外線吸収剤(b)をさらに含んでいても
よい。前記のように分子内にトリアジン骨格を有する紫
外線吸収剤(b)は、ポリシラザンが硬化する際に発生
するアンモニアなどの塩基性物質と相互作用しにくい。
この紫外線吸収剤(b)を被覆組成物(B)に配合する
ことで、その硬化物層に紫外線吸収能を持たせることに
より、透明被覆成形品としての紫外線遮蔽能が向上し耐
久性が向上する。被覆組成物(B)に紫外線吸収剤
(b)を配合する場合、その量は硬化性成分100質量
部に対して0.01〜50質量部、特に0.1〜20質
量部が好ましい。
骨格を有する紫外線吸収剤(b)をさらに含んでいても
よい。前記のように分子内にトリアジン骨格を有する紫
外線吸収剤(b)は、ポリシラザンが硬化する際に発生
するアンモニアなどの塩基性物質と相互作用しにくい。
この紫外線吸収剤(b)を被覆組成物(B)に配合する
ことで、その硬化物層に紫外線吸収能を持たせることに
より、透明被覆成形品としての紫外線遮蔽能が向上し耐
久性が向上する。被覆組成物(B)に紫外線吸収剤
(b)を配合する場合、その量は硬化性成分100質量
部に対して0.01〜50質量部、特に0.1〜20質
量部が好ましい。
【0083】さらにまた、ポリシラザンを溶解する溶剤
としては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン
類、エーテル類、エステル類が使用でき、具体的には以
下のものが例示できる。
としては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン
類、エーテル類、エステル類が使用でき、具体的には以
下のものが例示できる。
【0084】ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプ
タン、イソヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロ
ペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、ブロモホルム、1,2−ジクロロ
エタン、1,1−ジクロロエタン、トリクロロエタン、
テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、エチル
エーテル、イソプロピルエーテル、エチルブチルエーテ
ル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメチルジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエー
テル類、酢酸n−ブチル、ジエチレングリコールモノア
セテート等のエステル類。
タン、イソヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロ
ペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、ブロモホルム、1,2−ジクロロ
エタン、1,1−ジクロロエタン、トリクロロエタン、
テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、エチル
エーテル、イソプロピルエーテル、エチルブチルエーテ
ル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメチルジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエー
テル類、酢酸n−ブチル、ジエチレングリコールモノア
セテート等のエステル類。
【0085】これらの溶剤を使用する場合、ポリシラザ
ンの溶解度や溶剤の蒸発速度を調節するために複数の種
類の溶剤を混合してもよい。溶剤の使用量は採用される
塗工方法およびポリシラザンの構造や平均分子量などに
よって異なるが、固形分濃度で0.5〜80質量%の範
囲で調製することが好ましい。
ンの溶解度や溶剤の蒸発速度を調節するために複数の種
類の溶剤を混合してもよい。溶剤の使用量は採用される
塗工方法およびポリシラザンの構造や平均分子量などに
よって異なるが、固形分濃度で0.5〜80質量%の範
囲で調製することが好ましい。
【0086】ポリシラザンを硬化させてシリカとするた
めには、通常焼成と呼ばれる加熱を行う。しかし、基材
が合成樹脂である場合はその焼成温度は制限される。す
なわち、基材の耐熱温度以上に加熱して硬化させること
は困難である。一般的に被覆組成物(A)の硬化物の耐
熱性は基材のそれよりも高い。しかし、場合によっては
この硬化物の耐熱性が基材の耐熱性よりも低い場合があ
り、その場合はこの硬化物の耐熱温度よりも低い温度で
ポリシラザンを硬化させる必要が生じることもある。し
たがって、本発明においてポリシラザンの焼成温度は芳
香族ポリカーボネート樹脂などの通常の合成樹脂を基材
とする場合は180℃以下とすることが好ましい。
めには、通常焼成と呼ばれる加熱を行う。しかし、基材
が合成樹脂である場合はその焼成温度は制限される。す
なわち、基材の耐熱温度以上に加熱して硬化させること
は困難である。一般的に被覆組成物(A)の硬化物の耐
熱性は基材のそれよりも高い。しかし、場合によっては
この硬化物の耐熱性が基材の耐熱性よりも低い場合があ
り、その場合はこの硬化物の耐熱温度よりも低い温度で
ポリシラザンを硬化させる必要が生じることもある。し
たがって、本発明においてポリシラザンの焼成温度は芳
香族ポリカーボネート樹脂などの通常の合成樹脂を基材
とする場合は180℃以下とすることが好ましい。
【0087】ポリシラザンの焼成温度を低下させるため
に通常は触媒が使用される。触媒の種類や量により低温
で焼成でき、場合によっては室温でも硬化ができる。ま
た、焼成を行う雰囲気としては空気中などの酸素の存在
する雰囲気であることが好ましい。ポリシラザンの焼成
によりその窒素原子が酸素原子に置換しシリカが生成す
る。充分な酸素の存在する雰囲気中で焼成することによ
り緻密なシリカの層が形成される。また、水や水蒸気に
よる処理も低温での硬化に有用である(特開平7−22
3867)。
に通常は触媒が使用される。触媒の種類や量により低温
で焼成でき、場合によっては室温でも硬化ができる。ま
た、焼成を行う雰囲気としては空気中などの酸素の存在
する雰囲気であることが好ましい。ポリシラザンの焼成
によりその窒素原子が酸素原子に置換しシリカが生成す
る。充分な酸素の存在する雰囲気中で焼成することによ
り緻密なシリカの層が形成される。また、水や水蒸気に
よる処理も低温での硬化に有用である(特開平7−22
3867)。
【0088】触媒としては、より低温でポリシラザンを
硬化させうる触媒が好ましく、たとえば、金、銀、パラ
ジウム、白金、ニッケルなどの金属の微粒子からなる金
属触媒(特開平7−196986)、およびそれらのカ
ルボン酸錯体(特開平5−93275)が挙げられる。
硬化させうる触媒が好ましく、たとえば、金、銀、パラ
ジウム、白金、ニッケルなどの金属の微粒子からなる金
属触媒(特開平7−196986)、およびそれらのカ
ルボン酸錯体(特開平5−93275)が挙げられる。
【0089】また、触媒をポリシラザン溶液に添加して
おくのではなく、特開平9−31333に提案されてい
るように、触媒溶液、具体的にはアミン水溶液等に直接
被覆成形物を接触させる、またはその蒸気に一定時間曝
す、などの方法を採用することも好ましい。
おくのではなく、特開平9−31333に提案されてい
るように、触媒溶液、具体的にはアミン水溶液等に直接
被覆成形物を接触させる、またはその蒸気に一定時間曝
す、などの方法を採用することも好ましい。
【0090】ポリシラザンに触媒を配合する場合、触媒
の配合量はポリシラザン100質量部に対して0.01
〜10質量部が好ましく、特に0.05〜5質量部が好
ましい。配合量が0.01質量部未満では充分な触媒効
果が期待できず、10質量部超では触媒どうしの凝集が
起こりやすくなり、透明性を損なうおそれがある。ま
た、この被覆組成物(B)は、必要に応じて、上記の機
能性配合剤を含みうる。
の配合量はポリシラザン100質量部に対して0.01
〜10質量部が好ましく、特に0.05〜5質量部が好
ましい。配合量が0.01質量部未満では充分な触媒効
果が期待できず、10質量部超では触媒どうしの凝集が
起こりやすくなり、透明性を損なうおそれがある。ま
た、この被覆組成物(B)は、必要に応じて、上記の機
能性配合剤を含みうる。
【0091】被覆組成物(B)を用いて形成される硬化
物の層の厚さは、0.05〜10μmが好ましく、特に
0.1〜3μmが好ましい。この最外層の層の厚さが1
0μm超では、耐擦傷性などの表面特性の向上が期待で
きないうえ、層が脆くなり被覆成形品のわずかな変形に
よってもこの層にクラックなどが生じやすくなる。ま
た、0.05μm未満では、この最外層の耐摩耗性や耐
擦傷性が充分発現できないおそれがある。
物の層の厚さは、0.05〜10μmが好ましく、特に
0.1〜3μmが好ましい。この最外層の層の厚さが1
0μm超では、耐擦傷性などの表面特性の向上が期待で
きないうえ、層が脆くなり被覆成形品のわずかな変形に
よってもこの層にクラックなどが生じやすくなる。ま
た、0.05μm未満では、この最外層の耐摩耗性や耐
擦傷性が充分発現できないおそれがある。
【0092】上記のような2種類の被覆組成物(A)お
よび(B)を用いて形成される2層の層を形成する方法
としては通常の被覆手法を採用できる。たとえば、基材
の表面にまず被覆組成物(A)を塗工して硬化させ、次
にその硬化物の表面に被覆組成物(B)を塗工して硬化
させることにより目的とする被覆成形品が得られる。
よび(B)を用いて形成される2層の層を形成する方法
としては通常の被覆手法を採用できる。たとえば、基材
の表面にまず被覆組成物(A)を塗工して硬化させ、次
にその硬化物の表面に被覆組成物(B)を塗工して硬化
させることにより目的とする被覆成形品が得られる。
【0093】被覆層(Q)を形成する樹脂材料が熱可塑
性樹脂材料の場合は、溶媒に溶解して基材の表面に被膜
を形成するか、または熱溶融状態で基材の表面に流延し
て被膜を形成するのが好ましい。樹脂材料が熱硬化性樹
脂材料の場合は、硬化前の前駆体を、直接または溶媒に
溶解して基材の表面に被膜を形成するのが好ましい。
性樹脂材料の場合は、溶媒に溶解して基材の表面に被膜
を形成するか、または熱溶融状態で基材の表面に流延し
て被膜を形成するのが好ましい。樹脂材料が熱硬化性樹
脂材料の場合は、硬化前の前駆体を、直接または溶媒に
溶解して基材の表面に被膜を形成するのが好ましい。
【0094】これら被覆組成物(A)または(B)を塗
工する手段としては特に制限されず、公知の方法を採用
できる。たとえば、ディップ法、フローコート法、スプ
レー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコー
ト法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、スピ
ンコート法、スリットコート法、マイクログラビアコー
ト法、ダイコート法等の方法を採用できる。なお、塗工
後、被覆組成物が溶剤を含んでいる場合は乾燥して溶剤
を除き、次いで、被覆組成物(A)を用いた層の場合は
たとえば、冷却、加熱または紫外線等の照射により層を
形成させ、被覆組成物(B)を用いた層の場合も紫外線
等の照射、加熱または室温に放置して硬化させる。アミ
ン類や酸類の水溶液や蒸気に接触させて硬化を促進する
こともできる。
工する手段としては特に制限されず、公知の方法を採用
できる。たとえば、ディップ法、フローコート法、スプ
レー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコー
ト法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、スピ
ンコート法、スリットコート法、マイクログラビアコー
ト法、ダイコート法等の方法を採用できる。なお、塗工
後、被覆組成物が溶剤を含んでいる場合は乾燥して溶剤
を除き、次いで、被覆組成物(A)を用いた層の場合は
たとえば、冷却、加熱または紫外線等の照射により層を
形成させ、被覆組成物(B)を用いた層の場合も紫外線
等の照射、加熱または室温に放置して硬化させる。アミ
ン類や酸類の水溶液や蒸気に接触させて硬化を促進する
こともできる。
【0095】被覆組成物(A)の硬化と被覆組成物
(B)の塗工〜硬化の組み合わせ(タイミング)として
は以下の4つ方法が挙げられる。以下には被覆組成物
(A)と被覆組成物(B)を用いる場合の例を挙げる。
これ以外の場合も、以下の方法に準じて行える。 1)被覆組成物(A)を塗工した後に充分な量の活性エ
ネルギ線を照射して充分に硬化を終了させた後、被覆組
成物(B)をその表面に塗工する方法(前記した方
法)。
(B)の塗工〜硬化の組み合わせ(タイミング)として
は以下の4つ方法が挙げられる。以下には被覆組成物
(A)と被覆組成物(B)を用いる場合の例を挙げる。
これ以外の場合も、以下の方法に準じて行える。 1)被覆組成物(A)を塗工した後に充分な量の活性エ
ネルギ線を照射して充分に硬化を終了させた後、被覆組
成物(B)をその表面に塗工する方法(前記した方
法)。
【0096】2)被覆組成物(A)を塗工して被覆組成
物(A)の未硬化物の層を形成した後、その未硬化物層
の表面に被覆組成物(B)を塗工して被覆組成物(B)
の未硬化物の層を形成し、その後に充分な量の活性エネ
ルギ線を照射して被覆組成物(A)の未硬化物の硬化を
終了させる方法。この場合被覆組成物(B)の未硬化物
は被覆組成物(A)の未硬化物とほぼ同時に硬化する
か、被覆組成物(A)の未硬化物の硬化後、加熱等によ
り硬化される。
物(A)の未硬化物の層を形成した後、その未硬化物層
の表面に被覆組成物(B)を塗工して被覆組成物(B)
の未硬化物の層を形成し、その後に充分な量の活性エネ
ルギ線を照射して被覆組成物(A)の未硬化物の硬化を
終了させる方法。この場合被覆組成物(B)の未硬化物
は被覆組成物(A)の未硬化物とほぼ同時に硬化する
か、被覆組成物(A)の未硬化物の硬化後、加熱等によ
り硬化される。
【0097】3)被覆組成物(A)を塗工した後に指触
乾燥状態になる最低限の活性エネルギ線(通常約300
mJ/cm2までの照射量)を一旦照射して被覆組成物
(A)の部分硬化物の層を形成した後、その部分硬化物
の層の表面に被覆組成物(B)を塗工して被覆組成物
(B)の未硬化物の層を形成し、その後に充分な量の活
性エネルギ線を照射して被覆組成物(A)の未硬化物の
硬化を終了させる方法。被覆組成物(B)の未硬化物の
硬化は上記2)の場合と同様である。
乾燥状態になる最低限の活性エネルギ線(通常約300
mJ/cm2までの照射量)を一旦照射して被覆組成物
(A)の部分硬化物の層を形成した後、その部分硬化物
の層の表面に被覆組成物(B)を塗工して被覆組成物
(B)の未硬化物の層を形成し、その後に充分な量の活
性エネルギ線を照射して被覆組成物(A)の未硬化物の
硬化を終了させる方法。被覆組成物(B)の未硬化物の
硬化は上記2)の場合と同様である。
【0098】4)上記2)または3)のように被覆組成
物(A)の未硬化物または部分硬化物の層と被覆組成物
(B)の未硬化物の層とを形成した後、被覆組成物
(B)の未硬化物を先に部分硬化または完全硬化させて
その後に被覆組成物(A)の未硬化物または部分硬化物
を完全硬化させる。この場合、被覆組成物(B)の未硬
化物を硬化させる時点では被覆組成物(A)は未硬化物
よりも部分硬化物であることが好ましい。
物(A)の未硬化物または部分硬化物の層と被覆組成物
(B)の未硬化物の層とを形成した後、被覆組成物
(B)の未硬化物を先に部分硬化または完全硬化させて
その後に被覆組成物(A)の未硬化物または部分硬化物
を完全硬化させる。この場合、被覆組成物(B)の未硬
化物を硬化させる時点では被覆組成物(A)は未硬化物
よりも部分硬化物であることが好ましい。
【0099】2つの硬化物層の層間密着力を上げるため
には、上記2)または3)の方法がより好ましい。ま
た、4)の方法は、被覆組成物(A)を完全に硬化させ
る際に硬化阻害要因となりやすい酸素の浸透に対して被
覆組成物(B)の部分硬化物または完全硬化物の層がバ
リア層として作用し、被覆組成物(A)の硬化物が硬化
不充分となるのを防ぐ。
には、上記2)または3)の方法がより好ましい。ま
た、4)の方法は、被覆組成物(A)を完全に硬化させ
る際に硬化阻害要因となりやすい酸素の浸透に対して被
覆組成物(B)の部分硬化物または完全硬化物の層がバ
リア層として作用し、被覆組成物(A)の硬化物が硬化
不充分となるのを防ぐ。
【0100】以上のようにして得られる被覆成形品は、
その耐摩耗性や耐擦傷性などの表面特性がガラスとほぼ
同等のレベルを有することから、従来ガラスが用いられ
ていた各種用途に使用できる。しかし、各種用途のうち
車両用窓材としての用途の場合、曲げ加工した成形品が
必要となる場合が多く、このような場合、通常は曲げ加
工された基材を用いて製造される。しかし、曲げ加工さ
れた基材を用いる場合は塗工〜硬化による各層の形成が
困難となることが少なくない。
その耐摩耗性や耐擦傷性などの表面特性がガラスとほぼ
同等のレベルを有することから、従来ガラスが用いられ
ていた各種用途に使用できる。しかし、各種用途のうち
車両用窓材としての用途の場合、曲げ加工した成形品が
必要となる場合が多く、このような場合、通常は曲げ加
工された基材を用いて製造される。しかし、曲げ加工さ
れた基材を用いる場合は塗工〜硬化による各層の形成が
困難となることが少なくない。
【0101】そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、
被覆組成物(A)の硬化物の層が形成された基材は熱曲
げ加工等により曲げ加工できるが、被覆組成物(B)の
硬化物の層が形成された場合は、その硬化物が硬いため
曲げ加工は困難であるのに対し、被覆組成物(B)の未
硬化物や部分硬化物の状態であれば、曲げ加工できるこ
とを見いだした。この理由は、曲げ加工は通常加熱状態
で行われ、この加熱によって被覆組成物(B)の未硬化
物や部分硬化物が硬化するが、曲げ加工に要する時間に
比較して被覆組成物(B)の未硬化物や部分硬化物の硬
化に要する時間が長いことによると思われる。
被覆組成物(A)の硬化物の層が形成された基材は熱曲
げ加工等により曲げ加工できるが、被覆組成物(B)の
硬化物の層が形成された場合は、その硬化物が硬いため
曲げ加工は困難であるのに対し、被覆組成物(B)の未
硬化物や部分硬化物の状態であれば、曲げ加工できるこ
とを見いだした。この理由は、曲げ加工は通常加熱状態
で行われ、この加熱によって被覆組成物(B)の未硬化
物や部分硬化物が硬化するが、曲げ加工に要する時間に
比較して被覆組成物(B)の未硬化物や部分硬化物の硬
化に要する時間が長いことによると思われる。
【0102】本発明は、基材の表面の少なくとも一部に
形成された2層以上の被覆層を有する被覆成形品の製造
方法において、分子内にトリアジン骨格を有する紫外線
吸収剤(b)を含有する被覆層(Q)を形成しうる組成
物の被膜(W)を、前記2層以上の被覆層のうち最外層
に接する内層として形成し、この被膜(W)の表面に、
ポリシラザン(c)を含有する被覆組成物(B)の被膜
(Z)を、最外層として形成して、その後これらの被膜
(W)、(Z)を有する基材を、基材の表面の変形を伴
う後加工に付し、次いで被覆層(Q)の形成と被覆組成
物(B)の硬化を順次または同時に行う被覆成形品の製
造方法、をも提供する。
形成された2層以上の被覆層を有する被覆成形品の製造
方法において、分子内にトリアジン骨格を有する紫外線
吸収剤(b)を含有する被覆層(Q)を形成しうる組成
物の被膜(W)を、前記2層以上の被覆層のうち最外層
に接する内層として形成し、この被膜(W)の表面に、
ポリシラザン(c)を含有する被覆組成物(B)の被膜
(Z)を、最外層として形成して、その後これらの被膜
(W)、(Z)を有する基材を、基材の表面の変形を伴
う後加工に付し、次いで被覆層(Q)の形成と被覆組成
物(B)の硬化を順次または同時に行う被覆成形品の製
造方法、をも提供する。
【0103】基材の表面の変形を伴う後加工としては、
前記の曲げ加工の他に、インフレーション成形、ブロー
成形などがあるが、本発明においては曲げ加工が好まし
い。以下、好ましい後加工である曲げ加工について説明
する。
前記の曲げ加工の他に、インフレーション成形、ブロー
成形などがあるが、本発明においては曲げ加工が好まし
い。以下、好ましい後加工である曲げ加工について説明
する。
【0104】なお、前記2)または3)の方法のように
被覆組成物(A)の未硬化物や部分硬化物の層の表面に
被覆組成物(B)の未硬化物や部分硬化物の層を形成し
た状態で曲げ加工することが好ましく、曲げ加工後また
は曲げ加工とほぼ同時に被覆組成物(B)の未硬化物や
部分硬化物を硬化させることにより、目的とする曲げ加
工された被覆成形品が得られる。
被覆組成物(A)の未硬化物や部分硬化物の層の表面に
被覆組成物(B)の未硬化物や部分硬化物の層を形成し
た状態で曲げ加工することが好ましく、曲げ加工後また
は曲げ加工とほぼ同時に被覆組成物(B)の未硬化物や
部分硬化物を硬化させることにより、目的とする曲げ加
工された被覆成形品が得られる。
【0105】したがって、本発明の曲げ加工された被覆
成形品は、基材表面に、被覆組成物(A)を塗工し、前
記被覆組成物(A)の未硬化物の層または部分硬化物の
層を形成して、次いでその未硬化物の層または部分硬化
物の層の表面に、被覆組成物(B)を塗工した後、これ
らの層を有する基材を曲げ加工して、前記被覆組成物
(A)のおよび被覆組成物(B)を硬化させることによ
り製造できる。
成形品は、基材表面に、被覆組成物(A)を塗工し、前
記被覆組成物(A)の未硬化物の層または部分硬化物の
層を形成して、次いでその未硬化物の層または部分硬化
物の層の表面に、被覆組成物(B)を塗工した後、これ
らの層を有する基材を曲げ加工して、前記被覆組成物
(A)のおよび被覆組成物(B)を硬化させることによ
り製造できる。
【0106】具体的には、たとえば、被覆組成物(B)
の未硬化物や部分硬化物の層を形成した後、基材の熱軟
化温度に5分間程度加熱し、続いて曲げ加工を施す。そ
の後基材の熱軟化温度よりも低くかつ被覆組成物(B)
の未硬化物や部分硬化物が硬化しうる温度に保持して硬
化を行うことにより、本発明の曲げ加工された被覆成形
品が得られる。被覆組成物(A)の硬化は、被覆組成物
(B)の充分な硬化の前に行ってもよく、後に行っても
よい。このような方法により、被覆組成物(B)が充分
に硬化する前に基材が変形し、その後硬いシリカの層が
形成されるためにこのシリカ層にクラック等の不具合が
生じることがない。
の未硬化物や部分硬化物の層を形成した後、基材の熱軟
化温度に5分間程度加熱し、続いて曲げ加工を施す。そ
の後基材の熱軟化温度よりも低くかつ被覆組成物(B)
の未硬化物や部分硬化物が硬化しうる温度に保持して硬
化を行うことにより、本発明の曲げ加工された被覆成形
品が得られる。被覆組成物(A)の硬化は、被覆組成物
(B)の充分な硬化の前に行ってもよく、後に行っても
よい。このような方法により、被覆組成物(B)が充分
に硬化する前に基材が変形し、その後硬いシリカの層が
形成されるためにこのシリカ層にクラック等の不具合が
生じることがない。
【0107】本発明における基材の材料としては、各種
合成樹脂、各種金属、無機ガラス等を使用できる。これ
らのうち透明合成樹脂が好ましい。透明合成樹脂として
は、たとえば、芳香族ポリカーボネート系樹脂、ポリメ
チルメタクリレート系樹脂(アクリル樹脂)、ポリスチ
レン系樹脂などの透明合成樹脂を基材の材料として使用
でき、特に芳香族ポリカーボネート系樹脂からなる基材
が好ましい。この基材は成形されたものであり、たとえ
ば平板や波板などのシート状基材、フィルム状基材、各
種形状に成形された基材、少なくとも表面層が各種透明
合成樹脂からなる積層体等がある。特に(曲げ加工され
ていない)平板状の基材が好ましい。また、基材の厚さ
は、特に限定されないが、窓材などの用途には0.1〜
100mmが好ましい。
合成樹脂、各種金属、無機ガラス等を使用できる。これ
らのうち透明合成樹脂が好ましい。透明合成樹脂として
は、たとえば、芳香族ポリカーボネート系樹脂、ポリメ
チルメタクリレート系樹脂(アクリル樹脂)、ポリスチ
レン系樹脂などの透明合成樹脂を基材の材料として使用
でき、特に芳香族ポリカーボネート系樹脂からなる基材
が好ましい。この基材は成形されたものであり、たとえ
ば平板や波板などのシート状基材、フィルム状基材、各
種形状に成形された基材、少なくとも表面層が各種透明
合成樹脂からなる積層体等がある。特に(曲げ加工され
ていない)平板状の基材が好ましい。また、基材の厚さ
は、特に限定されないが、窓材などの用途には0.1〜
100mmが好ましい。
【0108】
【実施例】以下、本発明を合成例(例1)、実施例(例
2〜10、12、13)、比較例(例11)に基づき説
明するが、本発明はこれらに限定されない。例2〜9、
例11〜13についての各種物性の測定および評価は以
下に示す方法で行い、その結果を表1に示した。なお、
基材としては厚さ3mmの透明な芳香族ポリカーボネー
ト樹脂板(150mm×300mm)を用いた。また、
参考として通常の建築用ガラスシートについての物性の
測定および評価の結果も表1に示した。
2〜10、12、13)、比較例(例11)に基づき説
明するが、本発明はこれらに限定されない。例2〜9、
例11〜13についての各種物性の測定および評価は以
下に示す方法で行い、その結果を表1に示した。なお、
基材としては厚さ3mmの透明な芳香族ポリカーボネー
ト樹脂板(150mm×300mm)を用いた。また、
参考として通常の建築用ガラスシートについての物性の
測定および評価の結果も表1に示した。
【0109】[初期曇価、耐磨耗性]JIS−R321
2における耐磨耗試験法により、2つのCS−10F磨
耗輪にそれぞれ500gの重りを組み合わせ500回転
させたときの曇価(ヘーズ)をヘーズメータにて測定し
た。曇価の測定は磨耗サイクル軌道の4カ所で行い、平
均値を算出した。初期曇価は耐磨耗試験前の曇価の値
(%)を、耐磨耗性は(磨耗試験後曇価)−(磨耗試験
前曇価)の値(%)を示す。
2における耐磨耗試験法により、2つのCS−10F磨
耗輪にそれぞれ500gの重りを組み合わせ500回転
させたときの曇価(ヘーズ)をヘーズメータにて測定し
た。曇価の測定は磨耗サイクル軌道の4カ所で行い、平
均値を算出した。初期曇価は耐磨耗試験前の曇価の値
(%)を、耐磨耗性は(磨耗試験後曇価)−(磨耗試験
前曇価)の値(%)を示す。
【0110】[初期黄色度]スガ試験機社製カラーメー
タにより、サンプルの2点の黄色度(YI)の値を測定
し、平均値を示す。
タにより、サンプルの2点の黄色度(YI)の値を測定
し、平均値を示す。
【0111】[密着性]サンプルを剃刀の刃で1mm間
隔で縦横それぞれ11本の切れ目を付け、100個の碁
盤目を作る。そして、市販のセロハンテープをよく密着
させた後、90度手前方向に急激にはがした際の、被膜
が剥離せずに残存した碁盤目の数(m)をm/100で
表す。
隔で縦横それぞれ11本の切れ目を付け、100個の碁
盤目を作る。そして、市販のセロハンテープをよく密着
させた後、90度手前方向に急激にはがした際の、被膜
が剥離せずに残存した碁盤目の数(m)をm/100で
表す。
【0112】[耐候性]サンシャインウエザーメータを
用いて、ブラックパネル温度63℃で、降雨12分、乾
燥48分のサイクルで3000時間暴露後、外観の評価
を行った。
用いて、ブラックパネル温度63℃で、降雨12分、乾
燥48分のサイクルで3000時間暴露後、外観の評価
を行った。
【0113】[例1]エチルセロソルブ分散型コロイド
状シリカ(シリカ含量30質量%、平均粒径11nm)
100質量部に3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン5質量部と0.1mol/Lの塩酸3.0質量部を
加え、100℃にて6時間加熱撹拌した後12時間室温
下で熟成することにより、メルカプトシラン修飾コロイ
ド状シリカ分散液を得た。
状シリカ(シリカ含量30質量%、平均粒径11nm)
100質量部に3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン5質量部と0.1mol/Lの塩酸3.0質量部を
加え、100℃にて6時間加熱撹拌した後12時間室温
下で熟成することにより、メルカプトシラン修飾コロイ
ド状シリカ分散液を得た。
【0114】[例2]撹拌機および冷却管を装着した1
00mLの4つ口フラスコに、イソプロピルアルコール
15g、酢酸ブチル15g、エチルセロソルブ7.5
g、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホス
フィンオキシド150mg、2−[4−(2−ヒドロキ
シ−3−ドデシルオキシプロピルオキシ)−2−ヒドロ
キシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェ
ニル)−1,3,5−トリアジン1000mg、および
N−メチル−4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン200mgを加え溶解さ
せ、続いて水酸基を有するジペンタエリスリトールポリ
アクリレートと部分ヌレート化ヘキサメチレンジイソシ
アネートの反応生成物であるウレタンアクリレート(1
分子あたり平均15個のアクリロイル基を含有)10.
0gを加え常温で1時間撹拌して被覆用組成物(以下、
塗工液1という)を得た。
00mLの4つ口フラスコに、イソプロピルアルコール
15g、酢酸ブチル15g、エチルセロソルブ7.5
g、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホス
フィンオキシド150mg、2−[4−(2−ヒドロキ
シ−3−ドデシルオキシプロピルオキシ)−2−ヒドロ
キシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェ
ニル)−1,3,5−トリアジン1000mg、および
N−メチル−4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン200mgを加え溶解さ
せ、続いて水酸基を有するジペンタエリスリトールポリ
アクリレートと部分ヌレート化ヘキサメチレンジイソシ
アネートの反応生成物であるウレタンアクリレート(1
分子あたり平均15個のアクリロイル基を含有)10.
0gを加え常温で1時間撹拌して被覆用組成物(以下、
塗工液1という)を得た。
【0115】基材にバーコータを用いてこの塗工液1を
塗工(ウェット厚さ30μm)して、80℃の熱風循環
オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、高
圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2(波長300〜
390nm領域の紫外線積算エネルギ量、以下同様)の
紫外線を照射し、膜厚7μmの透明硬化物層を形成し
た。
塗工(ウェット厚さ30μm)して、80℃の熱風循環
オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、高
圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2(波長300〜
390nm領域の紫外線積算エネルギ量、以下同様)の
紫外線を照射し、膜厚7μmの透明硬化物層を形成し
た。
【0116】次に、この表面にさらに低温硬化性のペル
ヒドロポリシラザンのキシレン溶液(固形分20質量
%、東燃株式会社製 商品名「L110」)(以下、塗
工液2という)をもう一度バーコータを用いて塗工(ウ
ェット厚さ6μm)して、80℃の熱風循環オーブン中
で10分間保持し溶剤を除去した後、続いて100℃の
熱風循環オーブン中で120分間保持することで最外層
を充分に硬化させた。そして、IR分析により最外層が
完全なシリカ被膜になっていることを確認した。こうし
て基材表面に総膜厚8.2μmの透明硬化物層を形成し
た。このサンプルを用いて前記測定を行った。
ヒドロポリシラザンのキシレン溶液(固形分20質量
%、東燃株式会社製 商品名「L110」)(以下、塗
工液2という)をもう一度バーコータを用いて塗工(ウ
ェット厚さ6μm)して、80℃の熱風循環オーブン中
で10分間保持し溶剤を除去した後、続いて100℃の
熱風循環オーブン中で120分間保持することで最外層
を充分に硬化させた。そして、IR分析により最外層が
完全なシリカ被膜になっていることを確認した。こうし
て基材表面に総膜厚8.2μmの透明硬化物層を形成し
た。このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0117】[例3]例2におけるサンプル調製方法を
以下のように変更した。塗工液1を塗工後、80℃の熱
風循環オーブン中で5分間保持し、これを空気雰囲気
中、高圧水銀灯を用いて150mJ/cm2の紫外線を
照射し、膜厚7μmの部分硬化物層を形成した。そし
て、この表面に塗工液2の代わりに無触媒のペルヒドロ
ポリシラザンのキシレン溶液(固形分20質量%、東燃
株式会社製商品名「V110」)(以下、塗工液3とい
う)をもう一度バーコータを用いて塗工(ウェット厚さ
6μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で10分間
保持し溶媒を除去した後、これを空気雰囲気中、高圧水
銀灯を用いて3000mJ/cm2の紫外線を照射し
た。さらに100℃の熱風循環オーブン中で120分間
保持した。このサンプルを用いて前記測定を行った。
以下のように変更した。塗工液1を塗工後、80℃の熱
風循環オーブン中で5分間保持し、これを空気雰囲気
中、高圧水銀灯を用いて150mJ/cm2の紫外線を
照射し、膜厚7μmの部分硬化物層を形成した。そし
て、この表面に塗工液2の代わりに無触媒のペルヒドロ
ポリシラザンのキシレン溶液(固形分20質量%、東燃
株式会社製商品名「V110」)(以下、塗工液3とい
う)をもう一度バーコータを用いて塗工(ウェット厚さ
6μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で10分間
保持し溶媒を除去した後、これを空気雰囲気中、高圧水
銀灯を用いて3000mJ/cm2の紫外線を照射し
た。さらに100℃の熱風循環オーブン中で120分間
保持した。このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0118】[例4]例3におけるサンプル調製方法を
以下のように変更した。最後に100℃の熱風循環オー
ブン中で120分間保持する代わりに、23℃、相対湿
度55%の環境下で1日養生した。このサンプルを用い
て前記測定を行った。
以下のように変更した。最後に100℃の熱風循環オー
ブン中で120分間保持する代わりに、23℃、相対湿
度55%の環境下で1日養生した。このサンプルを用い
て前記測定を行った。
【0119】[例5]例3におけるサンプル調製方法を
以下のように変更した。塗工液1を塗工後、80℃の熱
風循環オーブン中で5分間保持し、続いて、この表面に
塗工液3をもう一度バーコータを用いて塗工(ウェット
厚さ6μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で10
分間保持し溶媒を除去した後、これを空気雰囲気中、高
圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2の紫外線を照射
した。さらに100℃の熱風循環オーブン中で120分
間保持した。このサンプルを用いて前記測定を行った。
以下のように変更した。塗工液1を塗工後、80℃の熱
風循環オーブン中で5分間保持し、続いて、この表面に
塗工液3をもう一度バーコータを用いて塗工(ウェット
厚さ6μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で10
分間保持し溶媒を除去した後、これを空気雰囲気中、高
圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2の紫外線を照射
した。さらに100℃の熱風循環オーブン中で120分
間保持した。このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0120】[例6]例4におけるサンプル調製方法を
以下のように変更した。最後に23℃、相対湿度55%
の環境下で1日放置する代わりに、25℃に保たれた3
%トリエチルアミン水溶液の浴の上に3分保持した。こ
のサンプルを用いて前記測定を行った。
以下のように変更した。最後に23℃、相対湿度55%
の環境下で1日放置する代わりに、25℃に保たれた3
%トリエチルアミン水溶液の浴の上に3分保持した。こ
のサンプルを用いて前記測定を行った。
【0121】[例7]撹拌機および冷却管を装着した1
00mLの4つ口フラスコに、イソプロピルアルコール
15g、酢酸ブチル15g、2,4,6−トリメチルベ
ンゾイルジフェニルホスフィンオキシド150mg、2
−[4−(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロ
ピルオキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビ
ス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリア
ジン1000mg、およびN−メチル−4−メタクリロ
イルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
200mgを加えて溶解させ、続いてトリス(2−アク
リロイルオキシエチル)イソシアヌレート10.0gを
加え常温で1時間撹拌した。続いて、例1で合成したメ
ルカプトシラン修飾コロイド状シリカ分散液を30.3
g加え、さらに室温で15分撹拌して被覆用組成物(以
下、塗工液4という)を得た。
00mLの4つ口フラスコに、イソプロピルアルコール
15g、酢酸ブチル15g、2,4,6−トリメチルベ
ンゾイルジフェニルホスフィンオキシド150mg、2
−[4−(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロ
ピルオキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビ
ス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリア
ジン1000mg、およびN−メチル−4−メタクリロ
イルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
200mgを加えて溶解させ、続いてトリス(2−アク
リロイルオキシエチル)イソシアヌレート10.0gを
加え常温で1時間撹拌した。続いて、例1で合成したメ
ルカプトシラン修飾コロイド状シリカ分散液を30.3
g加え、さらに室温で15分撹拌して被覆用組成物(以
下、塗工液4という)を得た。
【0122】基材にバーコータを用いてこの塗工液4を
塗工(ウェット厚さ30μm)して、80℃の熱風循環
オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、高
圧水銀灯を用いて150mJ/cm2の紫外線を照射
し、膜厚7μmの部分硬化物層を形成した。そして、こ
の表面に塗工液3をもう一度バーコータを用いて塗工
(ウェット厚さ6μm)して、80℃の熱風循環オーブ
ン中で10分間保持し溶媒を除去した後、これを空気雰
囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2の紫
外線を照射した。さらに100℃の熱風循環オーブン中
で120分間保持した。このサンプルを用いて前記測定
を行った。
塗工(ウェット厚さ30μm)して、80℃の熱風循環
オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、高
圧水銀灯を用いて150mJ/cm2の紫外線を照射
し、膜厚7μmの部分硬化物層を形成した。そして、こ
の表面に塗工液3をもう一度バーコータを用いて塗工
(ウェット厚さ6μm)して、80℃の熱風循環オーブ
ン中で10分間保持し溶媒を除去した後、これを空気雰
囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2の紫
外線を照射した。さらに100℃の熱風循環オーブン中
で120分間保持した。このサンプルを用いて前記測定
を行った。
【0123】[例8]例7におけるサンプル調製方法を
以下のように変更した。100℃の熱風循環オーブン中
で120分間保持する代わりに、23℃、相対湿度55
%の環境下で1日放置した。このサンプルを用いて前記
測定を行った。
以下のように変更した。100℃の熱風循環オーブン中
で120分間保持する代わりに、23℃、相対湿度55
%の環境下で1日放置した。このサンプルを用いて前記
測定を行った。
【0124】[例9]例3におけるサンプル調製方法を
以下のように変更した。塗工液3の代わりに、ケイ素原
子に結合した水素原子の一部がメチル基で置換されたポ
リシラザンのキシレン溶液(固形分20質量%、東燃株
式会社製 商品名「NL710」)(以下、塗工液5と
いう)を用いた。このサンプルを用いて前記測定を行っ
た。
以下のように変更した。塗工液3の代わりに、ケイ素原
子に結合した水素原子の一部がメチル基で置換されたポ
リシラザンのキシレン溶液(固形分20質量%、東燃株
式会社製 商品名「NL710」)(以下、塗工液5と
いう)を用いた。このサンプルを用いて前記測定を行っ
た。
【0125】[例10]例8におけるサンプル調製方法
を以下のように変更した。高圧水銀灯を用いて3000
mJ/cm2の紫外線を照射した後、続いて170℃の
熱風循環オーブン中で5分間保持し、取り出し直後に透
明硬化物層塗工面が凸側になるように、64mmRの曲
率を持つ型に押しつけ、曲げ加工を施した。そして、室
温下で1日養生した。このサンプルの外観を観察した結
果、クラックやしわがない良好な硬化物層を有してい
た。
を以下のように変更した。高圧水銀灯を用いて3000
mJ/cm2の紫外線を照射した後、続いて170℃の
熱風循環オーブン中で5分間保持し、取り出し直後に透
明硬化物層塗工面が凸側になるように、64mmRの曲
率を持つ型に押しつけ、曲げ加工を施した。そして、室
温下で1日養生した。このサンプルの外観を観察した結
果、クラックやしわがない良好な硬化物層を有してい
た。
【0126】一方、例8で最終的に得られた充分硬化し
た2層の硬化物層を有するサンプルを170℃の熱風循
環オーブン中で5分間保持し、取り出し直後に透明硬化
物層の塗工面が凸側になるように、64mmRの曲率を
持つ型に押しつけ、曲げ加工を施した。得られたサンプ
ルの外観を観察した結果、硬化物層にクラックとしわが
発生していた。
た2層の硬化物層を有するサンプルを170℃の熱風循
環オーブン中で5分間保持し、取り出し直後に透明硬化
物層の塗工面が凸側になるように、64mmRの曲率を
持つ型に押しつけ、曲げ加工を施した。得られたサンプ
ルの外観を観察した結果、硬化物層にクラックとしわが
発生していた。
【0127】[例11]例3におけるサンプル調製方法
を以下のように変更した。2−[4−(2−ヒドロキシ
−3−ドデシルオキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキ
シフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニ
ル)−1,3,5−トリアジンの代わりに、ベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤である2−(5−メチル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを用いた以外
は例3と同様にした。このサンプルを用いて前記測定を
行った。
を以下のように変更した。2−[4−(2−ヒドロキシ
−3−ドデシルオキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキ
シフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニ
ル)−1,3,5−トリアジンの代わりに、ベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤である2−(5−メチル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールを用いた以外
は例3と同様にした。このサンプルを用いて前記測定を
行った。
【0128】[例12]熱可塑性アクリル樹脂溶液(固
形分30質量%、三菱レイヨン社製 商品名「ダイヤナ
ールLR269」)100gにチヌビン400を5g加
えて塗工液6を得た。基材にバーコータを用いて、塗工
液6を塗工(ウェット厚さ20μm)して、80℃の熱
風循環オーブン中で5分間保持し、膜厚6μmの透明硬
化物層を形成した。
形分30質量%、三菱レイヨン社製 商品名「ダイヤナ
ールLR269」)100gにチヌビン400を5g加
えて塗工液6を得た。基材にバーコータを用いて、塗工
液6を塗工(ウェット厚さ20μm)して、80℃の熱
風循環オーブン中で5分間保持し、膜厚6μmの透明硬
化物層を形成した。
【0129】次に、この表面にさらに塗工液2をもう一
度バーコータを用いて塗工(ウェット厚さ6μm)し
て、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持し溶剤
を除去した後、100℃の熱風循環オーブン中で120
分間保持することで最外層を充分に硬化させた。そし
て、IR分析により最外層が完全なシリカ被膜になって
いることを確認した。こうして基材表面に総膜厚7.2
μmの透明硬化物層を形成した。このサンプルを用いて
前記測定を行った。
度バーコータを用いて塗工(ウェット厚さ6μm)し
て、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持し溶剤
を除去した後、100℃の熱風循環オーブン中で120
分間保持することで最外層を充分に硬化させた。そし
て、IR分析により最外層が完全なシリカ被膜になって
いることを確認した。こうして基材表面に総膜厚7.2
μmの透明硬化物層を形成した。このサンプルを用いて
前記測定を行った。
【0130】[例13]撹拌機および還流管を装着した
1000mLの4つ口フラスコに、水100g、尿素8
9g(1.48モル)を加えて90℃に加熱し、尿素を
溶解させ、続いてアンモニアを用いてpH8に調整した
後60℃に保ち、パラホルムアルデヒド133g(4.
44モル)を加え、透明になるまで撹拌した。その後、
ブタノールを500g加え、シュウ酸を用いてpHを5
に調整した後、還流下で水分を分留した。水分がほとん
どなくなるまで分留を続け、最後にキシレンを加えて不
揮発分が30%に調節されたブタノール変成尿素樹脂前
駆体を得た。
1000mLの4つ口フラスコに、水100g、尿素8
9g(1.48モル)を加えて90℃に加熱し、尿素を
溶解させ、続いてアンモニアを用いてpH8に調整した
後60℃に保ち、パラホルムアルデヒド133g(4.
44モル)を加え、透明になるまで撹拌した。その後、
ブタノールを500g加え、シュウ酸を用いてpHを5
に調整した後、還流下で水分を分留した。水分がほとん
どなくなるまで分留を続け、最後にキシレンを加えて不
揮発分が30%に調節されたブタノール変成尿素樹脂前
駆体を得た。
【0131】このブタノール変成尿素樹脂前駆体30g
に2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェ
ニル)ベンゾトリアゾール(以下AHBと記す。)27
0mgとチヌビン400を1.5g加えて塗工液7を得
た。基材にバーコータを用いてこの塗工液7を塗工(ウ
ェット厚さ10μm)して、80℃の熱風循環オーブン
中で5分間保持した。続いて100℃の熱風循環オーブ
ン中で30分間保持し、透明被覆層を形成した。
に2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェ
ニル)ベンゾトリアゾール(以下AHBと記す。)27
0mgとチヌビン400を1.5g加えて塗工液7を得
た。基材にバーコータを用いてこの塗工液7を塗工(ウ
ェット厚さ10μm)して、80℃の熱風循環オーブン
中で5分間保持した。続いて100℃の熱風循環オーブ
ン中で30分間保持し、透明被覆層を形成した。
【0132】次に、この表面にさらに塗工液2をもう一
度バーコータを用いて塗工(ウェット厚さ6μm)し
て、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持し、続
いて100℃の熱風循環オーブン中で120分間保持す
ることで最外層を充分に硬化させた。そして、IR分析
により最外層が完全なシリカ被膜になっていることを確
認した。こうして基材表面に総膜厚4.2μmの透明被
覆層を形成した。このサンプルを用いて前記測定を行っ
た。
度バーコータを用いて塗工(ウェット厚さ6μm)し
て、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持し、続
いて100℃の熱風循環オーブン中で120分間保持す
ることで最外層を充分に硬化させた。そして、IR分析
により最外層が完全なシリカ被膜になっていることを確
認した。こうして基材表面に総膜厚4.2μmの透明被
覆層を形成した。このサンプルを用いて前記測定を行っ
た。
【0133】
【表1】
【0134】
【発明の効果】本発明の被覆成形品は、紫外線吸収剤
(b)以外の紫外線吸収剤を用いたものに比較して黄色
度に優れている。
(b)以外の紫外線吸収剤を用いたものに比較して黄色
度に優れている。
Claims (11)
- 【請求項1】基材の表面の少なくとも一部に形成された
2層以上の被覆層を有する被覆成形品において、2層以
上の被覆層のうち最外層に接する内層が、分子内にトリ
アジン骨格を有する紫外線吸収剤(b)を含有する被覆
層(Q)であり、最外層がポリシラザン(c)を含有す
る被覆組成物(B)の硬化物の層であることを特徴とす
る被覆成形品。 - 【請求項2】被覆層(Q)が、前記紫外線吸収剤(b)
と硬化性樹脂材料とを含有する組成物の硬化物の層であ
る、請求項1に記載の被覆成形品。 - 【請求項3】被覆層(Q)が、前記紫外線吸収剤(b)
と活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を2個以上有す
る多官能性化合物(a)とを含有する被覆組成物(A)
の硬化物の層である、請求項1または2に記載の被覆成
形品。 - 【請求項4】被覆組成物(A)が、平均粒径200nm
以下のコロイド状シリカをさらに含有する、請求項3に
記載の被覆成形品。 - 【請求項5】基材が透明合成樹脂基材である、請求項
1、2、3または4に記載の被覆成形品。 - 【請求項6】被覆組成物(B)が、分子内にトリアジン
骨格を有する紫外線吸収剤(b)をさらに含有する、請
求項1、2、3、4または5に記載の被覆成形品。 - 【請求項7】ポリシラザン(c)がペルヒドロポリシラ
ザンである、請求項1、2、3、4、5または6に記載
の被覆成形品。 - 【請求項8】基材の表面の少なくとも一部に形成された
2層以上の被覆層を有する被覆成形品の製造方法におい
て、分子内にトリアジン骨格を有する紫外線吸収剤
(b)を含有する被覆層(Q)を形成しうる組成物の被
膜(W)を、前記2層以上の被覆層のうち最外層に接す
る内層として形成し、この被膜(W)の表面に、ポリシ
ラザン(c)を含有する被覆組成物(B)の被膜(Z)
を、最外層として形成して、前記被覆層(Q)の形成と
前記被覆組成物(B)の硬化を順次または同時に行う被
覆成形品の製造方法。 - 【請求項9】基材の表面の少なくとも一部に形成された
2層以上の被覆層を有する被覆成形品の製造方法におい
て、分子内にトリアジン骨格を有する紫外線吸収剤
(b)を含有する被覆層(Q)を形成しうる組成物の被
膜(W)を、前記2層以上の被覆層のうち最外層に接す
る内層として形成し、この被膜(W)の表面に、ポリシ
ラザン(c)を含有する被覆組成物(B)の被膜(Z)
を、最外層として形成して、その後これらの被膜
(W)、(Z)を有する基材を、基材の表面の変形を伴
う後加工に付し、次いで被覆層(Q)の形成と被覆組成
物(B)の硬化を順次または同時に行う被覆成形品の製
造方法。 - 【請求項10】基材が透明合成樹脂基材である、請求項
8または9に記載の製造方法。 - 【請求項11】後加工が、曲げ加工である請求項9に記
載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000033784A JP2000296579A (ja) | 1999-02-10 | 2000-02-10 | 被覆成形品およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3310899 | 1999-02-10 | ||
JP11-33108 | 1999-11-30 | ||
JP2000033784A JP2000296579A (ja) | 1999-02-10 | 2000-02-10 | 被覆成形品およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000296579A true JP2000296579A (ja) | 2000-10-24 |
Family
ID=26371749
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000033784A Pending JP2000296579A (ja) | 1999-02-10 | 2000-02-10 | 被覆成形品およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000296579A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6662426B2 (en) | 2000-06-30 | 2003-12-16 | Enshu Co. Ltd. | Method for manufacturing loop hanger for seat belt |
JP2008504986A (ja) * | 2004-06-30 | 2008-02-21 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 被覆シート、その形成方法及びその物品 |
JP2010201789A (ja) * | 2009-03-03 | 2010-09-16 | Asahi Glass Co Ltd | 被膜付き樹脂基板 |
CN111033377A (zh) * | 2017-08-18 | 2020-04-17 | 株式会社Lg化学 | 基板 |
-
2000
- 2000-02-10 JP JP2000033784A patent/JP2000296579A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6662426B2 (en) | 2000-06-30 | 2003-12-16 | Enshu Co. Ltd. | Method for manufacturing loop hanger for seat belt |
JP2008504986A (ja) * | 2004-06-30 | 2008-02-21 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 被覆シート、その形成方法及びその物品 |
US7960031B2 (en) | 2004-06-30 | 2011-06-14 | Sabic Innovative Plastics Ip B.V. | Coated sheet, method of formation thereof, and articles derived therefrom |
JP4892476B2 (ja) * | 2004-06-30 | 2012-03-07 | サビック イノベーティブ プラスチックス イーペー ベスローテン フェンノートシャップ | 被覆シート、その形成方法及びその物品 |
US8329300B2 (en) | 2004-06-30 | 2012-12-11 | Sabic Innovative Plastics Ip B.V. | Coated sheet, method of formation thereof, and articles derived therefrom |
JP2010201789A (ja) * | 2009-03-03 | 2010-09-16 | Asahi Glass Co Ltd | 被膜付き樹脂基板 |
US8354163B2 (en) | 2009-03-03 | 2013-01-15 | Asahi Glass Company, Limited | Resin substrate provided with coating layer |
CN111033377A (zh) * | 2017-08-18 | 2020-04-17 | 株式会社Lg化学 | 基板 |
US11633903B2 (en) | 2017-08-18 | 2023-04-25 | Lg Chem, Ltd. | Substrate |
CN111033377B (zh) * | 2017-08-18 | 2023-10-13 | 株式会社Lg化学 | 基板 |
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