JP2000263491A - シート切断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 刃物を有し案内軌道に沿って往復移動する刃
物支持手段を具備するシート切断装置において、切断装
置の確実な制御を行ない、かつ、装置の組立時の煩雑な
作業を低減し、さらに大型化を抑えて小スペース化す
る。 【解決手段】 刃物支持手段の存在位置を検出するセン
サを両端部を避けて配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主としてファクシ
ミリ、プリンタ、複写機等の記録装置に搭載され、案内
軌道に沿って往復移動する刃物支持手段に刃物を取り付
け、該刃物で紙、フイルム等の長尺のシート材を切断す
るシート切断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】長尺のシート材を横方向に切断する切断
装置には、ロータリ式やギロチン式の他、種々の型式の
ものが使用されており、案内軌道に沿って往復移動する
刃物支持手段に移動刃物を取り付けたシート切断装置も
多く、この中には円板状等、円形の移動刃物を真直な刃
先を有する平刃に圧接して移動させて回転させつつ切断
する装置、移動刃物として円形刃同士を圧接して両者を
移動させて回転させつつ切断する装置、ナイフ状の移動
刃物を真直な刃先を有する平刃に圧接摺動させて切断す
る切断装置、ナイフ状の移動刃物を溝の中に陥入して移
動させて切断する切断装置等がある。

【０００３】刃物支持手段を持つ従来のシート切断装置
の一例を図４に示す。刃物支持手段２は、枠体８を案内
軌道とし、その駆動は切断装置の一方の端部に配置され
た駆動モータ１０によって行われる。刃物支持手段２
（以下キャリッジとも記す）の移動範囲の両外側にプー
リ３ａ（モータ駆動）、３ｂ（遊転）を配置し、このプ
ーリ相互間にワイヤ５を周回させ、このワイヤ５の両端
をキャリッジ２の左右に連結してモータ１０の駆動力を
伝達している。駆動モータ１０を正逆転するとプーリ３
ａ、３ｂ、ワイヤ５を介してキャリッジ２に駆動力が伝
達され、円板刃１が真直な刃先を有する平刃４ａに圧接
されつつ、回転しながら長手方向に往復移動して、図示
しないシート材を切断する。

【０００４】このような構造のシート切断装置には、刃
物の移動方向の起点と終点の両端部にキャリッジ検出用
センサとしてスイッチ６が計２個設置されており、特公
平４−５０１５７号公報や特開平４−３３１０９３号公
報に開示された切断装置にも両端に検出用のセンサが配
置されている。この構造の切断装置は、駆動モータ１０
を正転駆動して、キャリッジ２を待機位置から他端の終
点側へ移動させてシートを切断し、終点側でキャリッジ
２が終点側のスイッチ６を作動させて駆動モータ１０を
停止させ、続いて駆動モータ１０を逆転作動させると、
キャリッジ２は終点側から復帰側へ移動し、復帰側（待
機位置側）のスイッチ６を作動させることにより駆動モ
ータ１０を停止させる。一方、特開平８−９９２８８公
報には、検知スイッチを一方の端部に設け、キャリッジ
にワイヤなどの可撓性の長尺材で駆動力を伝達するシー
ト切断装置が開示されている。

【０００５】通常、シート切断装置においては、紙ジャ
ム（紙詰り）等を発生した時、切断装置を停止して装置
全体、特にモータの損傷を防止できるような機構にして
おく必要がある。このような切断装置においては、駆動
モータが起動した後、他方のセンサが一定の時間内に作
動しない場合は異常が発生したとして、モータは電流を
遮断されて停止し、装置の損傷や安全上の問題を解決で
きるような構造とされている。また実開平４−８９６８
９号公報には、上述のスイッチを省略し、駆動手段であ
るモータの駆動時間を所定時間に設定しておくことによ
り、所定時間正転方向の電流を印可してキャリッジを移
動させ、次に駆動手段を同様に所定時間逆転させて復帰
させるという、時間を制御して作動させるようにしたシ
ート切断装置が開示されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前述のシート切断装置
のように、装置の両端に設置したセンサの作動によって
キャリッジを検出するようにした装置は、駆動モータ、
センサおよび制御部相互間を接続するための作業が、非
常に煩雑で、また組立中にも電線等が邪魔になり組立工
数を引き上げ、結果的に装置の価格を引き上げていた。
さらに、キャリッジをワイヤ駆動する構造の場合、両端
にプーリを設けるため幅方向のスペースが大きくなり、
小型化または小スペース化する上で限界があった。ま
た、時間制御のみで刃物の往復移動を制御する装置で
は、駆動モータを正転駆動させ刃物を待機位置から他端
まで移動する途中で、何らかの異常、例えば紙ジャムの
発生によりキャリッジが停止または渋滞した場合、他端
に到着していなくても制御部に設定された時間が経過す
るとモータの駆動命令は解除され、その後駆動モータを
逆転駆動させ刃物を待機位置まで移動させようとする。
そして、刃物が復帰動作可能な状態であれば、待機位置
へ戻って、設定時間が経過すればモータの駆動指令は解
除される。刃物が復帰移動不可能な状態であれば、刃物
は停止したままで、設定された時間が経過するまでモー
タの駆動指令は維持される。紙ジャム等の原因が取り除
かれないままで、再度切断の指令があれば、キャリッジ
は途中までの往行動作や、停止した状態で、モータには
正転、逆転駆動の指令が繰り返しされ、切断不良、紙詰
まり等が連続し、さらにはモータが損傷する等の被害が
大きくなり兼ねない。

【０００７】このように、刃物支持手段が往復移動する
カッタにおいて、確実な制御を行なうためには、刃物支
持手段が所定の工程を異常なく完了または、ほぼ完了し
たことをセンサで確認した後、モータを停止させて次の
行程に移る等、制御を次のステップに移行させるように
することが必要である。なお、以上は、刃物支持手段の
往復駆動方法として、駆動源を正、逆転するもので述べ
たが、本発明は、例えば、同一軸体上に左および右螺旋
を一方または双方の端部で滑らかに連結させて刻設する
等、駆動源の同一方向回転によることも可能であり、こ
の場合は往または復の一方または双方の行程を完了、ま
たはほぼ完了したことをセンサで確認した後、制御を次
ぎのステップに移行させるようにするものでもよい。以
下前者を主体に説明する。刃物支持手段を往復移動させ
るシート切断装置においても小型化が要求される。特
に、この形式の装置の端部は大きなスペースを必要と
し、結果的に装置全体を大型化し易い。すなわち、該形式
の装置の端部には、該装置を本体機器に取り付けるため
のスペース、モータ、減速機、プーリ、軸受け等の部品
を、組立て、保守点検に支障なく配置するスペースが必
要である。本発明者等は、上記の上にさらに、刃物支持
手段が所定の工程を異常なく完了またはほぼ完了したこ
とを確認するためのセンサを、該端部に配置することの
不利な点に着目した。そこで本発明は、上述した従来の
切断装置の不具合を解消するべく、往復行程の両端部に
近接した刃物支持手段を検出することにより確実な制御
を行ない、かつ、センサを両端部を避けて配置すること
により、切断および復帰の行程の異常の有無を検知し
て、異常の場合速やかに停止するとともに、異常を報知
するようにすることもでき、かつ装置の組立時の煩雑な
作業を低減し、さらに大型化を抑えて小スペース化する
こと等を単独または複合して可能とするシート切断装置
を提供することを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、前述のような
従来のシート切断装置の欠点を排除するべく検討した結
果、案内軌道に沿って往復移動する刃物支持手段を具備
するシート切断装置において、刃物支持手段がいずれの
端部に到達した場合でも、センサでその存在を確認すれ
ばよいこと、およびこのセンサは必ずしも端部に設置す
る必要はなく、刃物支持手段の往復運動範囲のうち、両
端部を除く一個所に設けてもよいことを見出してなされ
た発明である。そして、一個所のセンサでそれぞれの端
部に近接した刃物支持手段の存在を確認する具体的な例
は、該端部で刃物支持手段と当接して移動または姿勢変
化を可能とされたセンサ作動部材を併用する方法があ
る。しかし、本発明はこれに限定されず、ワイヤ、ベル
ト等に突起等を設けるもの等としてもよい。そして、刃
物支持手段が端部に近接したことをセンサの作動で確認
し、これにより駆動源であるモータを停止すると共に、
正転と逆転を相互に変換する等、制御を次のステップに
移行するものである。

【０００９】すなわち、本願の第１発明は、刃物を有し
案内軌道に沿って往復移動する刃物支持手段を具備する
シート切断装置において、前記刃物支持手段はその往復
の駆動が駆動源の正逆転によるものであり、前記刃物支
持手段が、少なくともその往行程の終点に近接したこと
を検出するセンサを両端部を除く一個所に設けたことを
特徴とするシート切断装置であり、本願の第２発明は、
同様のシート切断装置において、前記刃物支持手段の往
および該往に続く復の駆動は駆動源の同一方向回転によ
るものであり、前記刃物支持手段がその往および復の行
程のいずれか一方または双方の終点に近接したことを検
出するセンサを両端部を除く一個所に設けたことを特徴
とするシート切断装置である。

【００１０】本発明において、両端部とは、前記のよう
に、その装置を本体機器に取り付けるためのスペース、
モータ、減速機、プーリ、送りねじ軸受け等本来端部に
配置されるべき部品を配置するスペースおよび刃物支持
手段が両行程端で占めるスペースを意味する。紙ジャム
は切断行程で発生することが大部分であるから、本願の
第1発明で往復行程ともセンサで確認することが望まし
いが、次善の策として復行程は時間制御として、センサ
による確認は省略することもできる。刃物支持手段を往
復移動させる機構は、本願の第１発明では、駆動源を
正、逆回転するものであり、これには、プーリ方式、通
常の送りねじ方式等公知の機構が採用でき、また、本願
の第２発明では、同一軸体上に左および右螺旋を一方ま
たは双方の端部で連結させて刻設した送りねじによるも
の等がある。上記のうち、送りねじ方式のものはプーリ
が不要のため、装置の往復方向の寸法を縮小できる利点
がある。また、同一軸体上に左および右螺旋を端部で連
結させて刻設した送りねじによるものは、特に往行から
復行に移る時点のオーバーラン（駆動源の惰力による刃
物支持手段の停止指令後の移動距離）がなく、また無駄
時間が少ない利点がある。

【００１１】本発明において、センサは両端部を避けて
設けられるが、このうち中央部は両端部に設けられる部
品との組立て、保守点検での支障が最も少なく望まし
い。また、本発明において、刃物支持手段に取付けられ
る刃物としては、前述の種々のものが適用可能である。
このうち刃物支持手段に回転可能に装着された円板刃に
よるものは、滑らかな切り口が得られ、また、シート材
に接触する部分が円板刃の全周にわたるので耐摩耗化の
点でも有利である。なお、単一の円板刃だけでも切断が
可能であるが、より確実に滑らかに切断するためには相
手材と協働させる。相手材は、平刃が形状が簡単で取り
付けも容易であるが、円板刃としてもよい。円板刃同士
を圧接する構造にするとより滑らかな切り口が得られ
る。本発明に関わるセンサはリミットスイッチ方式とし
て機械的な方法とするのが最も簡単であるが、光学式、
磁気式、静電容量式等その他によるものも可能であり、
また各感応部の形状も、センサの種類、オーバーラン等
に応じて決定するとよい。センサの信号出力形式として
は、刃物支持手段が行程端に対して所定距離に近接した
とき、出力が変化するものであればよい。このうち、Ｏ
ＮからＯＦＦに、またはＯＦＦからＯＮに変化するも
の、一方端ではＯＮからＯＦＦに他方端ではＯＦＦから
ＯＮになるもの（この逆でもよい）が望ましい。つま
り、センサが作動後キャリッジのオーバーランにもかか
わらずそのままの状態を継続して保持するものが、制御
部を簡易に纏め得る点で望ましい。しかし、本発明はこ
れに限定されず、常時ＯＦＦで近接した時、瞬間的にＯ
Ｎ（この逆でもよい）に変化するものでもよく、この方
式は制御部内にＯＮとなったことを記憶する必要がある
場合があり、装置がやや複雑化することがある。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明において、センサは中央部
一個所に設けられているので、装置の端部が部品で錯綜
することが抑制され、該部の大型化、したがって全体の
大型化が防止され、かつ装置の作動の確実性が確保さ
れ、さらに生産時の煩雑さが防止される等の効果を有す
る。近時、刃物支持手段の往復速度が高速度化され、そ
れに伴って該刃物支持手段は制動装置の採用にもかかわ
らずオーバーランを増加しつつある。従来の装置のよう
に刃物支持手段自身でセンサの作動後の状態を継続させ
ようとすると、オーバーラン分またはそれ以上の長さの
カム部（センサ用突起）を刃物支持手段に取り付けるこ
と等が必要であり、刃物支持手段等の小型化が困難であ
った。本発明においてセンサ作動部材を介在させる場
合、このセンサ作動部材に、上記オーバーラン分または
それ以上の長さのカム部をセンサ側または刃物支持手段
側にを形成することは容易である。

【００１３】本発明の典型的例では、制御部には正常な
作動時に刃物支持手段がそれぞれの行程を余裕を以って
移動する時間が設定されている。そして、モータが駆動
を開始して設定時間内にセンサが作動した場合は、異常
無しと判断し次の切断指令を待つ等、制御を次のステッ
プに移行する。一方、設定時間内にセンサが作動しない
場合は、刃物支持手段が停止または渋滞等、何らかの理
由でトラブルが発生したとして、制御部は、モータ駆動
電流を遮断し、必要に応じて異常報知信号を出力して異
常状態を知らせる。また、第２発明の１往復に要する時
間に対しても同様であるが、往行程の終端部に異常確認
用のセンサを設けると、より確実な制御が達成される。
なお、切断行程で所定時間内に検出用センサが作動しな
い時には、モータを逆転させて一旦待機位置に復帰さ
せ、センサを作動させて、待機位置にあることを検知さ
せ、再度そこからスタートさせるプログラムを設定して
も良くまた、逆に再スタートできないように設定してお
くこともできる。このようにして一方または１組のセン
サにより、紙ジャム等の異常がなかったことを検知して
モータを停止し、復帰行程または、新たな切断の指令を
待機する等、制御を次のステップに移行するのである。

【００１４】

【実施例】次に、本発明を実施例の図面に基づいて詳細
に説明する。図１は本発明をプーリ・ワイヤ式刃物支持
手段往復型シート切断装置に応用した例の斜視図であ
る。枠体８は、溝形断面でそのウェッブ部には窓状開口
８ａが設けられ、該開口の上辺部を案内軌条として、刃
物支持手段２が摺動可能に装架されている。該枠体８の
左方端部には出力軸端にプーリ３ａが連結されたモータ
１０が固定され、右方端部にはプーリ３ｂが回転可能に
支持されている。両プーリ間には、ワイヤ５が掛け渡さ
れ、該ワイヤ５の両端は刃物支持手段２に連結されてお
り、モータ１０を正逆回転することにより、刃物支持手
段２を左右に駆動することができる。刃物支持手段２に
は、上下一対の円板刃１、４ｂが円周刃先を互いに圧接
しつつ回転自在に装架されている。図示しない被切断シ
ート材は、一対の円周刃先の交点の高さで、窓状開口８
ａを通して供給され、一対の円板刃１、４ｂの右方向へ
の移動により切断される。枠体８の上フランジ面上に
は、ピン８ｂ、８ｂにより長穴の内面を案内されて左右
方向に移動可能とされるとともに、移動に対して適度の
摩擦抵抗を付与されたセンサ作動部材７が装架されてお
り、該センサ作動部材７は、その突起７ｂ、７ｃを刃物
支持手段２のそれぞれ切断行程（右行行程）、復帰行程
（左行行程）の最終段階で刃物支持手段２と当接して、
それぞれの方向に移動可能であり、この移動により、そ
のセンサ用突起７ａは枠体８の中央部に固定されたセン
サ６を作動させ、この状態はオーバーラン停止後も継続
される。

【００１５】図示しない制御部には、各行程に対しそれ
ぞれ設定時間が設定されており、該設定時間内にセンサ
６が作動しない場合は、何らかの理由でトラブルを発生
したものとして、モータ１０への電流を遮断するととも
に、異常報知信号を発してランプ等で異常を知らせる。
設定時間以内にセンサ６が作動した場合は、モータ１０
への電流の遮断および制動動作をするとともに、復帰行
程の指令を発する、次の切断指令を待つ等制御を次のス
テップに移行させる。本発明によりセンサをほぼ中央部
に１個とし、センサ作動部材を併用することにより刃物
支持手段の小型化が可能となった。本実施例は、プーリ
・ワイヤ方式として駆動機構を、センサとしてリミット
スイッチを用いて低価格化を、また、センサ作動部材７
として平面上を摺動して平行移動するものとして装架機
構の簡略化を、往復行程ともセンサを作動させてより高
い安全性の確保をそれぞれ達成したものである。しか
し、本発明では、例えばセンサ作動部材７を長手方向の
軸の回りの角度が変化するもの等、姿勢を変化するもの
としても良い。

【００１６】次に、本発明の他の実施例を説明する。図
２は本発明の第２の実施例の斜視図である。真直な刃先
を有する平刃４ａは枠体８に固定され、また、同一軸上
に左螺旋と右螺旋溝を両端部で滑らかに連結する如く刻
設された駆動軸９は両端を枠体８に回転自在に支持され
るとともに、駆動モータ１０から左端部のギヤを介して
駆動力を伝達される。刃物支持手段（キャリッジ）２は
図示しない螺旋フォロアを介して駆動軸９の螺旋溝と螺
合し、枠体８で摺同案内されて、左右方向に移動可能に
取り付けられている。このキャリッジ２には、移動刃で
ある円板刃１が回転可能に軸支され、周縁の刃先を前記
平刃４ａに圧接されている。センサとしてのスイッチ６
は切断装置のほぼ中央部で枠体８に固定されている。図
３は図２のモータを撤去した図であり、該図でセンサ作
動部材７は、センサ６のアクチュエータを作動させる突
起７ａを中央部に、キャリッジ２と当接する突起７ｂ、
７ｃを両端部にそれぞれ有し、左右方向に移動可能であ
り、この移動に対しては適度の摩擦抵抗が与えられてい
る。

【００１７】キャリッジ２が待機位置（図示位置）にあ
るときは、センサ作動部材（スイッチ作動板）７の突起
７ａがスイッチ６をＯＮにしている。モータ１０が図示
しない制御部の指令により回転開始してキャリッジ２が
他端側（図の左側）へ移動して、円板刃１がシート材を
切断しつつ他端に近接すると、キャリッジ２がスイッチ
作動板７の突起７ｂと当接して、該スイッチ作動板７を
左方へ移動させる。これにより、突起７ａは予め設定し
ておいた位置でスイッチ６から離れてこれをＯＦＦに作
動させる。これによって往行程の大部分が無事完了した
ことが確認される。モータ１０、したがって、駆動軸９
はなおも回転を継続するが、該軸上の螺旋が軸端部で左
から右（またはこの逆）に連結されており、これに螺旋
フォロアが追随することにより、キャリッジ２は、進行
方向を自動的に変更される。キャリッジ２がもとの待機
位置側に移動し、該行程の最端部に近接すると、キャリ
ッジ２がスイッチ作動板７の突起７ｃに当接し、スイッ
チ作動板７を待機位置側（右方）に移動させる。これに
より、突起７ａは予め設定しておいた位置でスイッチ６
を踏み込み、スイッチをＯＮとし、円板刃１が待機側に
移動して正常な切断が行われたことが検知されると共
に、これによってモータ１０への電流の遮断、制動が行
われてオーバーランが極力抑えられて丸刃支持部材を正
規の待機位置に停止させる。

【００１８】本実施例は駆動手段として駆動軸を用いて
プーリを排し、これにより装置の切断方向の寸法を縮小
した、駆動系を非待機端で連続回転したままとすること
で、オーバーランが無くかつ往復所要時間を短縮した、
往復行程ともセンサで確認することで安全性を確保し
た、駆動源の回転方向を一定とすることで制御系を単純
化した、等の特徴を有する。しかし、この駆動軸９に替
えて、送りねじとして一重ねじを正逆回転するもの、例
えば、非待機側の軸端のみで右螺旋から左螺旋へと連続
した螺旋とすることも可能である。上記実施例の送りね
じ９として左右の螺旋のピッチを変えることで、容易に
早戻りを実施することができる。

【００１９】以上説明したように、本発明は、刃物が往
復移動する切断装置において、刃物支持手段検出用セン
サを中央部に１個所とし、この位置検出用のセンサを作
動させる部材とを設けてセンサをＯＮ、ＯＦＦ作動させ
る構造とすることにより、組立時の配線作業の煩雑さを
低減し、かつセンサに刃物支持手段を検出させることに
より、確実な切断動作を行なうことができる。たとえ刃
物が何らかの理由でトラブルを発生したとしても、制御
部において異常の発生を速やかに検知し、作動を停止す
るとともに、異常信号を出力して、異常を知らせること
ができるので非常に有効である。さらに駆動力をスクリ
ュー軸によってキャリッジに伝達するものは、この種の
丸刃の支持部材が左右に移動して切断する構造のシート
切断装置の技術的隘路であった全長寸法を最小スペース
とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシート切断装置の一実施例を示す斜視
図である。

【図２】本発明のシート切断装置の他の実施例を示す斜
視図である。

【図３】図２の実施例のモータを取り外した状態を示す
斜視図である。

【図４】従来のシート材切断装置の一例を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 円板刃、２ キャリッジ、３ａ，３ｂ プーリ、４
相手材、４ａ 平刃、４ｂ 第二円板刃、５ 長尺材
（ワイヤ）、６ スイッチ、７ センサ作動板、７ａ，
７ｂ，７ｃ 突起、８ 枠体、８ａ 窓状開口、８ｂ，
８ｃ ピン、９駆動軸、１０ モータ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 刃物を有し案内軌道に沿って往復移動す
   る刃物支持手段を具備するシート切断装置において、前
   記刃物支持手段の往復の駆動が駆動源の正逆転によるも
   のであり、前記刃物支持手段が少なくともその往行程の
   終点に近接したことを検出するセンサを両端部を除く一
   個所に設けたことを特徴とするシート切断装置。
2. 【請求項２】 刃物を有し案内軌道に沿って往復移動す
   る刃物支持手段を具備するシート切断装置において、前
   記刃物支持手段の往および該往に続く復の駆動は駆動源
   の同一方向回転によるものであり、前記刃物支持手段が
   その往および復の行程のいずれか一方または双方の終点
   に近接したことを検出するセンサを両端部を除く一個所
   に設けたことを特徴とするシート切断装置。
3. 【請求項３】 センサを中央部に設けた請求項１または
   ２のシート切断装置。
4. 【請求項４】 センサは、センサ作動部材の移動または
   姿勢変化により作動するものであり、該移動または姿勢
   変化は、該センサ作動部材へ、刃物支持手段がその移動
   行程の終点への近接時に当接することによるものである
   請求項１、２または３のシート切断装置。
5. 【請求項５】 設定時間以内にセンサが作動した場合の
   み、制御を次の通常のステップに移行する請求項１、
   ２、３または４のシート切断装置。