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JP2000241041A - 吸着式冷凍機 - Google Patents

吸着式冷凍機

Info

Publication number
JP2000241041A
JP2000241041A JP11041555A JP4155599A JP2000241041A JP 2000241041 A JP2000241041 A JP 2000241041A JP 11041555 A JP11041555 A JP 11041555A JP 4155599 A JP4155599 A JP 4155599A JP 2000241041 A JP2000241041 A JP 2000241041A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorption
adsorbent
heat
refrigerator
module
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11041555A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Watabe
裕司 渡部
Kazuo Yonemoto
和生 米本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP11041555A priority Critical patent/JP2000241041A/ja
Publication of JP2000241041A publication Critical patent/JP2000241041A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/27Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/62Absorption based systems

Landscapes

  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸着式冷凍機において、吸着熱を吸着剤の再
生熱源に利用することで高いCOPを実現する。 【解決手段】 冷却により冷媒蒸気の吸着を行い、加熱
により吸着した冷媒蒸気の脱着を行う吸着剤21を備え
た複数の吸着モジュール1,2を、直接に又は間接に接
触させ、一方の吸着モジュール1又は2で発生した吸着
熱又は保有熱を他方の吸着モジュール2又は1に導きこ
れを該他方の吸着モジュール2又は1の加熱又は再生に
利用し得るようにして吸着式冷凍機を構成する。かかる
吸着式冷凍機によれば、吸着熱を吸着モジュールにおけ
る上記吸着剤21の再生に利用できる分だけ、該吸着剤
21に対する加熱熱量を少なくすることができ、吸着式
冷凍機全体としてより高いCOPが確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、吸着剤による冷
媒蒸気の吸着及び脱着作用を利用して構成される吸着式
冷凍機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図19及び図20には、従来一般的な吸
着式冷凍機を示している。この吸着式冷凍機は、吸着剤
を備えた吸着モジュールとして、第1吸着モジュール5
1と第2吸着モジュール52とを備えるとともに、これ
ら一対の第1吸着モジュール51,52に凝縮器53と
蒸発器54及び膨張弁55を冷媒循環路60により接続
して構成される。
【0003】この吸着式冷凍機は、所謂バッチ方式によ
るものであって、上記冷媒循環路60に設けた各制御弁
56〜59の切り換えによって連続運転が可能となる。
即ち、図19に示すように、制御弁56,59を開弁
し、制御弁57,58を閉弁し、この状態で上記第1吸
着モジュール51を加熱し、上記第2吸着モジュール5
2を冷却すると、該第1吸着モジュール51においては
吸着剤に吸着されていた冷媒(例えば、水)が蒸発して
該吸着剤21の再生が行われる一方、上記第2吸着モジ
ュール52においては蒸発器54において発生した冷媒
蒸気(水蒸気)の吸着剤への吸着が行われる。そして、
上記第1吸着モジュール51において発生する冷媒蒸気
は順次上記凝縮器53において凝縮されて液冷媒とされ
るとともに、この液冷媒は上記膨張弁55において減圧
された後、上記蒸発器54において蒸発されて冷媒蒸気
となり、順次上記第2吸着モジュール52側に吸着され
る。この際、上記凝縮器53において発生する凝縮熱
(温熱)あるいは上記蒸発器54において発生する蒸発
熱(冷熱)が暖房あるいは冷房の熱源として利用され
る。
【0004】上記運転の継続により、上記第1吸着モジ
ュール51側は保有冷媒の蒸発によって再生状態となる
一方、上記第2吸着モジュール52側は飽和状態とな
り、吸着式冷凍機としての能力が極端に低下してくる。
従って、この場合には、上記各制御弁56〜59をそれ
ぞれ切り換えて図20に示す状態とするとともに、上記
第1吸着モジュール51はこれを冷却し、上記第2吸着
モジュール52はこれを加熱すると、該第1吸着モジュ
ール51においては冷媒蒸気の吸着が行われ、上記第2
吸着モジュール52においては保有冷媒の脱着によりそ
の再生が図られる。
【0005】このように上記制御弁56〜59を所定間
隔で切り換えて上記各第1吸着モジュール51,52に
交互に吸着作用と脱着作用とを行わせることで吸着式冷
凍機の連続運転が可能となるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、吸着剤によ
り冷媒蒸気の吸着作用が行われる場合、この冷媒蒸気の
吸着に伴って該吸着剤21には吸着熱が発生し、しかも
この吸着熱は比較的温度の高いものであり、従ってこの
吸着熱を回収して吸着式冷凍機全体の熱効率の向上図る
ことが考えられる。
【0007】ところが、従来一般の吸着式冷凍機におい
ては、上述のように、一対の吸着モジュール51,52
のそれぞれが択一的に吸着作用と脱着作用と行うバッチ
方式であって、上記吸着剤において発生する吸着熱を回
収する手段が何ら設けられておらず、従って、この吸着
熱はこれを何ら利用することなく放出せざるを得ず、吸
着式冷凍機全体としての成績係数(以下、「COP」と
略記する)の向上には自ずと限界があった。
【0008】そこで本願発明は、吸着剤における冷媒蒸
気の吸着によって発生する吸着熱を吸着剤の再生熱源の
一つとし利用することで高いCOPを実現し得るように
した吸着式冷凍機を提供することを目的としてなされた
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0010】本願の第1の発明にかかる吸着式冷凍機で
は、冷却により冷媒蒸気の吸着を行い、加熱により吸着
した冷媒蒸気の脱着を行う吸着剤21を備えた複数の吸
着モジュール1,2を、直接に又は間接に接触させ、一
方の吸着モジュール1又は2で発生した吸着熱又は保有
熱を他方の吸着モジュール2又は1に導きこれを該他方
の吸着モジュール2又は1の加熱又は再生に利用し得る
ように構成したことを特徴としている。
【0011】本願の第2の発明では、上記請求項1に記
載の吸着式冷凍機において、上記吸着剤21を無機酸化
物で構成し、上記一方の吸着モジュール1又は2におい
て発生した吸着熱を上記他方の吸着モジュール2又は1
の再生に利用することを特徴としている。
【0012】本願の第3の発明では、上記請求項1に記
載の吸着式冷凍機において、上記冷媒を水で、上記吸着
剤21をゼオライトでそれぞれ構成し、上記一方の吸着
モジュール1又は2において発生した吸着熱を上記他方
の吸着モジュール2又は1の再生に利用することを特徴
としている。
【0013】本願の第4の発明では、上記請求項1に記
載の吸着式冷凍機において、上記冷媒をアンモニアで、
上記吸着剤21を塩類でそれぞれ構成し、上記一方の吸
着モジュール1又は2において発生した吸着熱を上記他
方の吸着モジュール2又は1の再生に利用することを特
徴としている。
【0014】本願の第5の発明では、上記請求項1に記
載の吸着式冷凍機において、上記冷媒を水で、上記吸着
剤21をシリカゲルでそれぞれ構成し、上記一方の吸着
モジュール1又は2において発生した吸着熱を上記他方
の吸着モジュール2又は1の再生に利用することを特徴
としている。
【0015】本願の第6の発明では、上記請求項1に記
載の吸着式冷凍機において、上記冷媒を水で、上記吸着
剤21をキセロゲルでそれぞれ構成し、上記一方の吸着
モジュール1又は2において発生した吸着熱を上記他方
の吸着モジュール2又は1の再生に利用することを特徴
としている。
【0016】本願の第7の発明では、上記請求項2,
3,4,5又は6に記載の吸着式冷凍機において、上記
吸着剤21を、該吸着剤21を支持部材11に固着せし
めるとともに伝熱性を高め又は冷媒蒸気の透過性を高め
る性状をもつ補助材22との複合構造としたことを特徴
としている。
【0017】本願の第8の発明では、上記請求項2,
3,4,5又は6に記載の吸着式冷凍機において、上記
吸着剤21を所定形態をもつ吸着剤構造体12として支
持部材11に支持せしめるとともに、上記吸着剤構造体
12又は上記支持部材11又はこれら両者に、冷媒蒸気
の通路として機能する穴14,14,・・、又は溝1
5,15,・・を設けたことを特徴としている。
【0018】本願の第9の発明では、上記請求項2,
3,4,5,6,7又は8に記載の吸着式冷凍機におい
て、上記吸着剤構造体12を薄板状形態とするととも
に、その厚さを、該吸着剤構造体12の熱抵抗が上記支
持部材11の熱抵抗と同等又はそれ以下となるように設
定したことを特徴としている。
【0019】本願の第10の発明では、上記請求項9に
記載の吸着式冷凍機において、上記支持部材11の吸着
剤担持面11aを微細な凹凸構造又は多孔構造とし、該
吸着剤担持面11aに上記吸着剤構造体12が担持させ
たことを特徴としている。
【0020】本願の第11の発明では、上記請求項2,
3,4,5,6,7,8,9又は10に記載の吸着式冷
凍機において、上記複数の吸着モジュール1,2を、板
状形態をもつ上記支持部材11に上記吸着剤構造体12
を担持させて構成し、且つその厚さ方向に対向配置され
た状態で相互に逆方向に回転させることを特徴としてい
る。
【0021】本願の第12の発明では、上記請求項11
に記載の吸着式冷凍機において、上記複数の吸着モジュ
ール1,2の間に、該各吸着モジュール1,2を加熱す
る加熱手段8と冷却する冷却手段7及び該各吸着モジュ
ール1,2間での熱移動を行う熱移動手段9を設けたこ
とを特徴としている。
【0022】本願の第13の発明では、上記請求項11
に記載の吸着式冷凍機において、上記複数の吸着モジュ
ール1,2を、上記吸着剤構造体12の両面にそれぞれ
支持部材11,11を備えた構成とし、該複数の吸着モ
ジュール1,2の相対向する一方の支持部材11,11
同士を直接接触させてこれら両者間において熱回収を行
わせるとともに、該複数の吸着モジュール1,2の他方
の支持部材11,11側に上記冷却手段7と加熱手段8
とを設けたことを特徴としている。
【0023】本願の第14の発明では、上記請求項1
1,12又は13に記載の吸着式冷凍機において、上記
複数の吸着モジュール1,2同士の接触面、又は該各吸
着モジュール1,2と上記冷却手段7、加熱手段8及び
熱移動手段9との接触面にフッ素樹脂コーティング層を
設けたことを特徴としている。
【0024】本願の第15の発明では、上記請求項1
1,12,13又は14に記載の吸着式冷凍機におい
て、上記各吸着モジュール1,2の上記支持部材11
に、該吸着モジュール1,2の温度変化による熱歪を吸
収し得る熱歪吸収構造を備えたことを特徴としている。
【0025】本願の第16の発明では、上記請求項1
1,12,13,14又は15に記載の吸着式冷凍機に
おいて、上記加熱手段8を、触媒燃焼を行う燃焼機構で
構成したことを特徴としている。
【0026】本願の第17の発明では、上記請求項1
1,12,13,14,15又は16に記載の吸着式冷
凍機において、上記複数の吸着モジュール1,2の回転
駆動手段を超音波モータで構成したことを特徴としてい
る。
【0027】本願の第18の発明では、上記請求項1
1,12,13,14,15,16又は17に記載の吸
着式冷凍機において、上記複数の吸着モジュール1,2
と蒸発器3と凝縮器4とを一体化して冷凍ユニットXを
構成し、該冷凍ユニットXを複数個設置して所要の冷凍
能力を得ることを特徴としている。
【0028】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0029】(イ) 本願の第1の発明にかかる吸着式
冷凍機によれば、冷却により冷媒蒸気の吸着を行い、加
熱により吸着した冷媒蒸気の脱着を行う吸着剤21を備
えた複数の吸着モジュール1,2を、直接に又は間接に
接触させ、一方の吸着モジュール1又は2で発生した吸
着熱又は保有熱を他方の吸着モジュール2又は1に導き
これを該他方の吸着モジュール2又は1の加熱又は再生
に利用し得るように構成しているので、例えば従来のバ
ッチ式吸着式冷凍機の如く吸着モジュールにおいて発生
する吸着熱を利用する構成を持たないものに比して、該
吸着熱を吸着モジュールにおける上記吸着剤21の再生
に利用する分だけ、該吸着剤21の加熱熱量を少なくす
ることができ、その結果、吸着式冷凍機全体としてより
高いCOPを確保することができることになる。
【0030】(ロ) 本願の第2の発明にかかる吸着式
冷凍機によれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、
上記吸着剤21を良好な吸着特性をもつ無機酸化物で構
成し、上記一方の吸着モジュール1又は2において発生
した吸着熱を上記他方の吸着モジュール2又は1の再生
に利用するようにしているので、上記吸着剤21の吸着
特性が良好である分だけ、上記吸着式冷凍機のCOPが
さらに高められることになる。
【0031】(ハ) 本願の第3の発明にかかる吸着式
冷凍機によれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、
上記冷媒を水で構成する一方、水との相性が良く高い吸
着特性をもつゼオライトで上記吸着剤21を構成し、上
記一方の吸着モジュール1又は2において発生した吸着
熱を上記他方の吸着モジュール2又は1の再生に利用す
るようにしているので、上記吸着剤21の吸着特性が良
好であり、それだけ上記吸着式冷凍機のCOPがより一
層向上することになる。
【0032】(ニ) 本願の第4の発明にかかる吸着式
冷凍機によれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、
上記冷媒をアンモニアで構成する一方、アンモニアとの
相性が良く高い吸着特性をもつ塩類で上記吸着剤21を
構成し、上記一方の吸着モジュール1又は2において発
生した吸着熱を上記他方の吸着モジュール2又は1の再
生に利用するようにしているので、上記吸着剤21の吸
着特性が良好であり、それだけ上記吸着式冷凍機のCO
Pがより一層向上することになる。
【0033】(ホ) 本願の第5の発明にかかる吸着式
冷凍機によれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、
上記冷媒を水で構成する一方、水との相性が良く高い吸
着特性をもつシリカゲルで上記吸着剤21を構成し、上
記一方の吸着モジュール1又は2において発生した吸着
熱を上記他方の吸着モジュール2又は1の再生に利用す
るようにしているので、上記吸着剤21の吸着特性が良
好であり、それだけ上記吸着式冷凍機のCOPがより一
層向上することになる。
【0034】(ヘ) 本願の第6の発明にかかる吸着式
冷凍機によれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、
上記冷媒を水で構成する一方、水との相性が良く高い吸
着特性をもつキセロゲルで上記吸着剤21を構成し、上
記一方の吸着モジュール1又は2において発生した吸着
熱を上記他方の吸着モジュール2又は1の再生に利用す
るようにしているので、上記吸着剤21の吸着特性が良
好であり、それだけ上記吸着式冷凍機のCOPがより一
層向上することになる。
【0035】(ト) 本願の第7の発明にかかる吸着式
冷凍機によれば、上記(ロ),(ハ),(ニ),(ホ)
又は(ヘ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果
が奏せられる。即ち、この発明では、上記吸着剤21
を、該吸着剤21を支持部材11に固着せしめるととも
に伝熱性を高め又は冷媒蒸気の透過性を高める性状をも
つ補助材22との複合構造としているので、上記補助材
22のもつ高い伝熱性と冷媒蒸気の透過性とに起因し
て、上記吸着剤21における熱伝導と冷媒蒸気の移動作
用とが促進され、それだけ上記各吸着モジュール1,2
における吸着あるいは脱着効率が向上し、延いては該各
吸着モジュール1,2の小型化が図れることになる。
【0036】(チ) 本願の第8の発明にかかる吸着式
冷凍機によれば、上記(ロ),(ハ),(ニ),(ホ)
又は(ヘ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果
が奏せられる。即ち、この発明では、上記吸着剤21を
所定形態をもつ吸着剤構造体12として支持部材11に
支持せしめるとともに、上記吸着剤構造体12又は上記
支持部材11又はこれら両者に、冷媒蒸気の通路として
機能する穴14,14,・・、又は溝15,15,・・
を設けているので、上記冷媒蒸気の通路の確保によって
上記吸着剤構造体12における冷媒蒸気の吸着及び脱着
作用が効率良く行われ、それだけ吸着式冷凍機のCOP
の更なる向上が期待できることになる。
【0037】(リ) 本願の第9の発明にかかる吸着式
冷凍機によれば、上記(ロ),(ハ),(ニ),
(ホ),(ヘ),(ト)又は(チ)に記載の効果に加え
て次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明
では、上記吸着剤構造体12を薄板状形態とするととも
に、その厚さを、該吸着剤構造体12の熱抵抗が上記支
持部材11の熱抵抗と同等又はそれ以下となるように設
定しているので、設定している。従って、上記吸着剤構
造体12の熱抵抗が該吸着剤構造体12の熱伝導率と厚
さの積として得られることからして、該吸着剤構造体1
2が薄板状形態でその厚さが薄い分だけ該吸着剤構造体
12の熱抵抗が小さくされる。しかも、この場合におい
て、上記吸着剤構造体12の熱抵抗を、例えば金属材で
構成される上記支持部材11の熱抵抗と同等又はそれ以
下となるようにすることで、上記支持部材11を介して
行われる他の吸着モジュール側からの伝熱作用が促進さ
れる。これらの相乗作用として、上記吸着剤構造体12
においては冷媒蒸気の吸着あるいは脱着操作が速やかに
行われてその効率が向上することから、その分だけ上記
吸着剤21の必要量を少なくして上記吸着モジュールの
小型化、延いては吸着式冷凍機の小型化を図ることが可
能となるものである。
【0038】(ヌ) 本願の第10の発明にかかる吸着
式冷凍機によれば、上記(リ)に記載の効果に加えて次
のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明で
は、上記支持部材11の吸着剤担持面11aを微細な凹
凸構造又は多孔構造とし、該吸着剤担持面11aに上記
吸着剤構造体12が担持させているので、該吸着剤構造
体12の厚みを薄く維持しつつ吸着モジュール体積当た
りの吸着剤21の使用量を増加させることができ、その
結果、吸着あるいは脱着能力を同じに設定する場合に
は、吸着剤21の使用量の増加分だけ吸着モジュールの
小型化、延いては吸着式冷凍機の小型化が図れるもので
ある。
【0039】(ル) 本願の第11の発明にかかる吸着
式冷凍機によれば、上記(ロ),(ハ),(ニ),
(ホ),(ヘ),(ト),(チ),(リ)又は(ヌ)に
記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられ
る。即ち、この発明では、上記複数の吸着モジュール
1,2を、板状形態をもつ上記支持部材11に上記吸着
剤構造体12を担持させて構成し、且つその厚さ方向に
対向配置された状態で相互に逆方向に回転させるように
しているので、上記複数の吸着モジュール1,2の相対
回転に伴い、該各吸着モジュール1,2においてそれぞ
れ連続的な吸着及び脱着操作が行われるとともに、該各
吸着モジュール1,2の相対向する部位間での熱移動が
行われることで吸着熱の内部回収が可能となる。この結
果、回収熱の分だけ上記各吸着モジュール1,2への外
部加熱熱量が減少し、それだけ吸着式冷凍機全体として
のCOPをより一層高めることができる。
【0040】(ヲ) 本願の第12の発明にかかる吸着
式冷凍機によれば、上記(ル)に記載の効果に加えて次
のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明で
は、上記複数の吸着モジュール1,2の間に、該各吸着
モジュール1,2を加熱する加熱手段8と冷却する冷却
手段7及び該各吸着モジュール1,2間での熱移動を行
う熱移動手段9を設けているので、該各吸着モジュール
1,2のそれぞれにおける伝熱効率が向上し、該各吸着
モジュール1,2相互間における熱移動が促進され、そ
の結果、該各吸着モジュール1,2のより一層の小型
化、延いては吸着式冷凍機のより一層の小型化が図れる
ものである。
【0041】(ワ) 本願の第13の発明にかかる吸着
式冷凍機によれば、上記(ル)に記載の効果に加えて次
のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明で
は、上記複数の吸着モジュール1,2を、上記吸着剤構
造体12の両面にそれぞれ支持部材11,11を備えた
構成とし、該複数の吸着モジュール1,2の相対向する
一方の支持部材11,11同士を直接接触させてこれら
両者間において熱回収を行わせるとともに、該複数の吸
着モジュール1,2の他方の支持部材11,11側に上
記冷却手段7と加熱手段8とを設けているので、上記各
吸着モジュール1,2間で直接的に熱交換が行われ、そ
れだけ該各吸着モジュール1,2において発生する吸着
熱の回収効率が向上し、結果的に吸着式冷凍機のCOP
がより一層向上することになる。
【0042】(カ) 本願の第14の発明にかかる吸着
式冷凍機によれば、上記(ル),(ヲ)又は(ワ)に記
載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。
即ち、この発明では、上記複数の吸着モジュール1,2
同士の接触面、又は該各吸着モジュール1,2と上記冷
却手段7、加熱手段8及び熱移動手段9との接触面にフ
ッ素樹脂コーティング層を設けているので、これら接触
部分における摺動抵抗及び伝熱抵抗が共に低下し、それ
だけ上記各吸着モジュール1,2における吸着及び脱着
効率が向上し、延いては吸着式冷凍機のCOPが向上す
ることになる。
【0043】(ヨ) 本願の第15の発明にかかる吸着
式冷凍機によれば、上記(ル),(ヲ),(ワ)又は
(カ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏
せられる。即ち、この発明では、上記各吸着モジュール
1,2の上記支持部材11に、該吸着モジュール1,2
の温度変化による熱歪を吸収し得る熱歪吸収構造を備え
ているので、上記各吸着モジュール1,2においてはそ
の加熱部位と冷却部位との間の温度差に基づく上記支持
部材11の熱歪が防止され、吸着式冷凍機の作動上の信
頼性が高められることになる。
【0044】(タ) 本願の第16の発明にかかる吸着
式冷凍機によれば、上記(ル),(ヲ),(ワ),
(カ)又は(ヨ)に記載の効果に加えて次のような特有
の効果が奏せられる。即ち、この発明では、上記加熱手
段8を、触媒燃焼を行う燃焼機構で構成しているので、
該触媒燃焼においてはその燃焼温度が低いという特性か
らして、高い燃焼温度おいて発生するNOx等の有害ガ
スは、その発生が抑制されることとなり、その結果、上
記加熱手段8を燃焼機構で構成したにも拘わらず、周辺
環境を汚染することの少ない吸着式冷凍機を提供するこ
とができることになる。
【0045】(レ) 本願の第17の発明にかかる吸着
式冷凍機によれば、上記(ル),(ヲ),(ワ),
(カ),(ヨ)又は(タ)に記載の効果に加えて次のよ
うな特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、上
記複数の吸着モジュール1,2の回転駆動手段を超音波
モータで構成しているので、該超音波モータは薄く且つ
小型という特質をもつことから、該超音波モータを使用
することで吸着式冷凍機の小型化が図れることになる。
【0046】(ソ) 本願の第18の発明にかかる吸着
式冷凍機によれば、上記(ル),(ヲ),(ワ),
(カ),(ヨ),(タ)又は(レ)に記載の効果に加え
て次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明
では、上記複数の吸着モジュール1,2と蒸発器3と凝
縮器4とを一体化して冷凍ユニットXを構成し、該冷凍
ユニットXを複数個設置して所要の冷凍能力を得るよう
にしているので、上記冷凍ユニットXの設置数の増減に
よって吸着式冷凍機全体としての冷凍能力の調整が可能
であり、その結果、上記冷凍ユニットXの量産効果によ
って吸着式冷凍機の製造コストの低下を図ることが可能
となる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本願発明にかかる吸着式冷
凍機をいくつかの好適な実施形態に基づいて具体的に説
明する。
【0048】第1の実施形態 図1には、本願の請求項1〜6に記載の発明が適用され
た第1の実施形態にかかる吸着式冷凍機Z1を示してい
る。この吸着式冷凍機Z1は、後述する如く吸着剤21
でなる吸着剤構造体12と該吸着剤構造体12を固着支
持する支持部材11とからなる一対の吸着モジュール
1,2を直接的に、又は間接的に接触させるとともに、
これら一対の吸着モジュール1,2と蒸発器3と凝縮器
4と膨張弁5とを冷媒循環路29により接続して冷媒循
環系を構成している。また、上記蒸発器3と凝縮器4
は、それぞれ一対の制御弁25,26、同27,28に
より上記一対の吸着モジュール1,2のそれぞれに択一
的に接続される。
【0049】この吸着式冷凍機Z1の動作を、一方の吸
着モジュール1が吸着側、他方の吸着モジュール2が脱
着側である場合を例にとって説明する。この動作状態で
は、制御弁25,27が閉弁し、制御弁26,28が開
弁している。また、一方の吸着モジュール1は冷却手段
(図示省略)により冷却され、他方の吸着モジュール2
は加熱手段(図示省略)により加熱されている。
【0050】そして、上記蒸発器3からの冷媒蒸気(例
えば、水蒸気)は、上記一方の吸着モジュール1に吸着
され且つここに保持される。これに対して、他方の吸着
モジュール2においては、これが加熱されることでここ
に吸着保持されていた冷媒蒸気の脱着が行われ、脱着さ
れた冷媒蒸気は上記凝縮器4において凝縮され液冷媒と
される。この液冷媒は、上記膨張弁5において減圧され
た後、上記蒸発器3において蒸発して冷媒蒸気とされ、
再度、上記一方の吸着モジュール1側に吸着される。
尚、上記動作の継続により、上記一方の吸着モジュール
1が飽和状態に達し、また上記他方の吸着モジュール2
が乾き状態となってその再生が完了すると、上記各制御
弁25〜28をそれぞれ切り換えるとともに、上記一方
の吸着モジュール1を加熱し、他方の吸着モジュール2
を冷却し、該一方の吸着モジュール1を脱着側に、他方
の吸着モジュール2を吸着側にそれぞれ設定した状態で
運転が行われ、該一方の吸着モジュール1の再生が図ら
れる。
【0051】ところで、上述のように上記一方吸着モジ
ュール1が吸着側となって作動すると、該一方の吸着モ
ジュール1の吸着剤には比較的高温の吸着熱が発生す
る。この場合、上記各吸着モジュール1,2同士が直接
的に、あるいは間接的に接触していることから、図1に
示すように、吸着側の上記一方の吸着モジュール1側に
おいて発生した吸着熱が、脱着側(即ち、再生側)であ
る他方の吸着モジュール2側に熱伝導により移動する熱
移動状態が発生する。そして、この他方の吸着モジュー
ル2側に移動した吸着熱は、該他方の吸着モジュール2
に対する上記加熱手段による加熱量に付加され、該他方
の吸着モジュール2の再生熱源の一部として利用され
る。
【0052】即ち、この吸着式冷凍機Z1においては、
一方の吸着モジュール1において発生した吸着熱を系内
で回収し、これを他方の吸着モジュール2の再生熱源と
して利用するものであり、かかる吸着熱の熱回収が行わ
れることで、例えば従来のバッチ式吸着式冷凍機の如く
かかる熱回収の手段をもたないものに比して、回収熱量
分だけ上記加熱手段による加熱熱量を少なくすることが
でき、その結果、吸着式冷凍機Z1全体としてより高い
COPを確保することができるものである。
【0053】ここで、この吸着式冷凍機Z1における上
記各吸着モジュール1,2の具体的な構造例と、上記吸
着剤21の好適な材料及び該吸着剤21と冷媒との好適
な組み合わせ等について説明する。
【0054】A:吸着モジュールの具体的構造 A−1:第1の構造例 第1の構造例は、本願の請求項7に記載の発明に対応す
るものであって、図2に示すように、例えば金属製薄板
状の支持部材11の一方の面に、薄板形態に成形された
吸着剤構造体12を固着担持させて構成されたものであ
る。この吸着剤構造体12は、図3に拡大図示するよう
に、適宜の素材でなる粒状あるいは粉状の吸着剤21,
21,・・と、該吸着剤21,21,・・を固結成形し
てこれを上記支持部材11の表面に固着させる補助材2
2とからなる複合構造とされている。また、この補助材
22は、上記吸着剤21,21,・・を上記支持部材1
1に固着させるとともに、伝熱性を高め、あるいは冷媒
蒸気の透過性を高める性状を有する材質が適用され、例
えば吸水樹脂が好適例である。
【0055】かかる構造の吸着モジュール1において
は、上記補助材22のもつ高い伝熱性と冷媒蒸気の透過
性とに起因して、上記吸着剤21における熱伝導と冷媒
蒸気の移動作用とが促進され、それだけ上記各吸着モジ
ュール1,2における吸着あるいは脱着効率が向上しそ
の小型化が図れ、延いては上記吸着式冷凍機Z1の小型
化が図れることになる。
【0056】A−2:第2の構造例 第2の構造例は、本願の請求項8に記載の発明に対応す
るものであって、図4に示すように、例えば金属製の薄
板材でなる支持部材11と、該支持部材11の一方の面
に固着担持され且つ薄板形態をもつ吸着剤構造体12と
で構成されている。この吸着剤構造体12には、該吸着
剤構造体12の内部において冷媒蒸気の通路として機能
し得るようにして、多数の穴14,14,・・が設けら
れている。尚、この場合、上記吸着剤構造体12は、上
記第1の構造例の如き吸着剤21と補助材22との複合
構造とすれば好適である。また、この構造例において
は、上記吸着モジュール1を上記支持部材11と吸着剤
構造体12の二部材で構成した関係上、該吸着剤構造体
12のみに上記穴14,14,・・を設けているが、後
述の図16に示すように吸着モジュール1を、吸着剤構
造体12とその両側にそれぞれ位置する一対の支持部材
11,11とで構成する場合には、一方の吸着モジュー
ル1と他方の吸着モジュール2との間での冷媒蒸気の漏
れを防止し得る範囲で、上記吸着剤構造体12のみなら
ず上記支持部材11にも上記穴14,14,・・を設け
ることも可能である。
【0057】かかる構造の吸着モジュール1において
は、上記吸着剤構造体12等に上記穴14,14,・・
を設けることで、上記冷媒蒸気の通路の確保によって上
記吸着剤構造体12における冷媒蒸気の吸着及び脱着作
用が効率良く行われ、それだけ吸着式冷凍機Z1のCO
Pの更なる向上が期待できることになる。
【0058】A−3:第3の構造例 第3の構造例は、本願の請求項8に記載の発明に対応す
るものであって、図5に示すように、例えば金属製の薄
板材でなる支持部材11と、該支持部材11の一方の面
に固着担持され且つ薄板形態をもつ吸着剤構造体12と
で構成されている。そして、この吸着剤構造体12に
は、該吸着剤構造体12の表面側において冷媒蒸気の通
路として機能し得るようにして、多数の溝15,15,
・・が設けられている。尚、この場合、上記吸着剤構造
体12は、上記第1の構造例の如き吸着剤21と補助材
22との複合構造とすれば好適である。また、この構造
例においては、上記吸着モジュール1を上記支持部材1
1と吸着剤構造体12の二部材で構成した関係上、該吸
着剤構造体12のみに上記溝15,15,・・を設けて
いるが、後述の図16に示すように吸着モジュール1
を、吸着剤構造体12とその両側にそれぞれ位置する一
対の支持部材11,11とで構成する場合には、一方の
吸着モジュール1と他方の吸着モジュール2との間での
冷媒蒸気の漏れを防止し得る範囲で、上記吸着剤構造体
12のみならず上記支持部材11にも上記溝15,1
5,・・を設けることも可能である。
【0059】かかる構造の吸着モジュール1において
は、上記吸着剤構造体12等に上記溝15,15,・・
を設けることで、上記冷媒蒸気の通路の確保によって上
記吸着剤構造体12における冷媒蒸気の吸着及び脱着作
用が効率良く行われ、それだけ吸着式冷凍機Z1のCO
Pの更なる向上が期待できることになる。
【0060】A−4:第4の構造例 第4の構造例は、本願の請求項8に記載の発明に対応す
るものであって、図6に示すように、例えば金属製の薄
板材でなる支持部材11と、該支持部材11の一方の面
に固着担持され且つ薄板形態をもつ吸着剤構造体12と
で構成されている。そして、この吸着剤構造体12に
は、該吸着剤構造体12の内部において冷媒蒸気の通路
として機能し得るようにして、多数の通孔16,16,
・・が設けられている。尚、この場合、上記吸着剤構造
体12は、上記第1の構造例の如き吸着剤21と補助材
22との複合構造とすれば好適である。
【0061】また、この構造例においては、上記吸着モ
ジュール1を上記支持部材11と吸着剤構造体12の二
部材で構成した関係上、該吸着剤構造体12のみに上記
通孔16,16,・・を設けているが、後述の図16に
示すように吸着モジュール1を、吸着剤構造体12とそ
の両側にそれぞれ位置する一対の支持部材11,11と
で構成する場合には、一方の吸着モジュール1と他方の
吸着モジュール2との間での冷媒蒸気の漏れを防止し得
る範囲で、上記吸着剤構造体12のみならず上記支持部
材11にも上記通孔16,16,・・を設けることも可
能である。
【0062】かかる構造の吸着モジュール1において
は、上記吸着剤構造体12等に上記通孔16,16,・
・を設けることで、上記冷媒蒸気の通路の確保によって
上記吸着剤構造体12における冷媒蒸気の吸着及び脱着
作用が効率良く行われ、それだけ吸着式冷凍機Z1のC
OPの更なる向上が期待できることになる。
【0063】A−5:第5の構造例 第5の構造例は、本願の請求項10に記載の発明に対応
するものであって、図7に示すように、例えば金属製の
薄板材でなる支持部材11と、該支持部材11の一方の
面に固着担持され且つ薄板形態をもつ吸着剤構造体12
とで構成されている。そして、図8に示すように、上記
支持部材11の上記吸着剤構造体12に対応する部位の
表面、即ち、吸着剤担持面11aは微細孔17,17,
・・をもつ凹凸構造とされ、この凹凸構造の吸着剤担持
面11aの表面に貼り付け状態で吸着剤21を担持させ
てこれを上記吸着剤構造体12としている。
【0064】かかる構造の吸着モジュール1によれば、
上記支持部材11の吸着剤担持面11aを微細な凹凸構
造とし該吸着剤担持面11aに上記吸着剤構造体12を
担持させることで、該吸着剤構造体12の厚みを薄く維
持しつつ吸着モジュール体積当たりの吸着剤21の使用
量を増加させることができる。その結果、吸着あるいは
脱着能力を同じに設定する場合には、吸着剤21の使用
量の増加分だけ吸着モジュール1の小型化、延いては吸
着式冷凍機Z1の小型化が図れるものである。
【0065】A−6:第6の構造例 第6の構造例は、本願の請求項10に記載の発明に対応
するものであって、図9に示すように、例えば金属製の
薄板材でなる支持部材11と、該支持部材11の一方の
面に固着担持された吸着剤構造体12とで構成されてい
る。そして、図10に示すように、上記吸着剤構造体1
2は、微細メッシュの金網18を芯材とし、この金網1
8の多数の線材19,19,・・の表面に吸着剤21を
付着担持させて構成されている。この場合、上記金網1
8の上記各線材19,19,・・の表面が間接的ではあ
るが上記支持部材11における吸着剤担持面11aとし
て機能することとなり、従って、該吸着剤担持面11a
は上記金網18の構造的特徴に対応して、微細な多孔構
造をもつことになる。
【0066】かかる構造の吸着モジュール1によれば、
上記支持部材11の吸着剤担持面11aを微細な多孔構
造とし該吸着剤担持面11aに上記吸着剤構造体12を
担持させているので、該吸着剤構造体12の厚みを薄く
維持しつつ吸着モジュール体積当たりの吸着剤21の使
用量を増加させることができる。その結果、吸着あるい
は脱着能力を同じに設定する場合には、吸着剤21の使
用量の増加分だけ吸着モジュール1の小型化、延いては
吸着式冷凍機Z1の小型化が図れる。
【0067】A−7:第7の構造例 第7の構造例は、上記各構造例の如く上記吸着モジュー
ル1を、上記支持部材11と吸着剤構造体12とで構成
したものを前提とし、かかる基本構造をもつ吸着モジュ
ール1において、該吸着剤構造体12の厚さと熱抵抗と
を特定関係に設定したものである。
【0068】即ち、本願の請求項9に記載の発明を適用
して、上記吸着剤構造体12を薄板状形態とするととも
に、その厚さを、該吸着剤構造体12の熱抵抗が上記支
持部材11の熱抵抗と同等又はそれ以下となるように設
定したものである。
【0069】かかる設定は、(イ)一般に上記支持部材
11としては金属材が使用されるが、この金属材からな
る支持部材11の熱伝導率に比して、上記吸着剤構造体
12を構成する吸着剤21の熱伝導率は一般に低いとい
う特性があること、(ロ)吸着剤構造体12の熱抵抗
は、その熱伝導率と厚さとの積によって規定され、熱抵
抗を下げるには上記吸着剤構造体12の厚さを薄くする
必要があること、(ハ)上述のように一方の吸着モジュ
ール1の吸着剤構造体12において発生した吸着熱を他
方の吸着モジュール2の吸着剤構造体12側に効率良く
移動させるには、該吸着剤構造体12の熱抵抗を、熱移
動が行われる一対の吸着剤構造体12,12の間に位置
する上記支持部材11の熱抵抗と同等かそれ以下に抑え
る必要があること、等を考慮したものである。
【0070】このような設定とすることで、上記吸着剤
構造体12の厚さを薄くできる分だけ該吸着剤構造体1
2における熱抵抗が小さく抑えられるとともに、上記吸
着剤構造体12の熱抵抗を上記支持部材11の熱抵抗と
同等又はそれ以下に設定したことにより該支持部材11
を介して行われる吸着モジュール相互間の熱移動が促進
され、これらの相乗作用として、上記吸着剤構造体12
においては冷媒蒸気の吸着あるいは脱着操作が速やかに
行われてその効率が向上することから、その分だけ上記
吸着剤21の必要量を少なくして上記吸着モジュール1
の小型化、延いては吸着式冷凍機Z1の小型化を図るこ
とが可能となるものである。
【0071】B:吸着剤21の材料等 B−1:第1の具体例 第1の具体例は、請求項2に記載の発明に対応するもの
で、上記吸着剤21を、例えばアルミナ等の多孔質の無
機酸化物で構成するものである。かかる構成の吸着剤2
1によれば、無機酸化物が多孔質であることから良好な
吸着特性が得られ、それだけ吸着式冷凍機Z1のCOP
が向上することになる。尚、この場合、この吸着剤21
に対応する冷媒としては、水、アンモニアが好適であ
る。
【0072】B−2:第2の具体例 第2の具体例は、請求項3に記載の発明に対応するもの
で、冷媒として水を用いるものにおいて、吸着剤21の
材料として水との相性が良く高い吸着特性をもつゼオラ
イトを採用するものである。かかる構成の吸着剤21に
よれば、上記吸着剤21において良好な吸着特性が得ら
れ、それだけ吸着式冷凍機Z1のCOPが向上すること
になる。
【0073】B−3:第3の具体例 第3の具体例は、請求項4に記載の発明に対応するもの
で、冷媒としてアンモニアを用いるものにおいて、吸着
剤21の材料としてアンモニアとの相性が良く高い吸着
特性をもつ塩類を採用するものである。かかる構成の吸
着剤21によれば、上記吸着剤21において良好な吸着
特性が得られ、それだけ吸着式冷凍機Z 1のCOPが向
上することになる。
【0074】B−4:第4の具体例 第4の具体例は、請求項5に記載の発明に対応するもの
で、上記冷媒として水を用いるものにおいて、吸着剤2
1として水との相性が良く高い吸着特性をもつシリカゲ
ルを採用したものである。かかる構成の吸着剤21によ
れば、上記吸着剤21において良好な吸着特性が得ら
れ、それだけ吸着式冷凍機Z1のCOPが向上すること
になる。
【0075】B−5:第5の具体例 第5の具体例は、請求項6に記載の発明に対応するもの
で、上記冷媒として水を用いるものにおいて、吸着剤2
1として水との相性が良く高い吸着特性をもつキセロゲ
ルを採用したものである。かかる構成の吸着剤21によ
れば、上記吸着剤21において良好な吸着特性が得ら
れ、それだけ吸着式冷凍機Z1のCOPが向上すること
になる。
【0076】第2の実施形態 図11には、本願発明の第2の実施形態にかかる吸着式
冷凍機Z2を示している。この吸着式冷凍機Z2は、請求
項11に記載の発明を適用して、一対の吸着モジュール
1,2間において吸着熱の連続的な熱回収を可能とした
ものであって、その主要構成をなす上記各吸着モジュー
ル1,2は、共に、薄円板状形態をもつ支持部材11と
該支持部材11の一方の表面に固着担持された薄円板状
形態をもつ吸着剤構造体12とで構成されている。そし
て、この一対の吸着モジュール1,2は、その支持部材
11を直接接触させた背向状態で配置されるとともに、
適宜の駆動手段、例えば超音波モータによって相互に逆
方向に回転駆動されるようになっている。また、この一
対の吸着モジュール1,2は、冷媒循環路29によって
蒸発器3と凝縮器4及び膨張弁5に接続されて冷媒循環
系を構成している。
【0077】さらに、上記一対の吸着モジュール1,2
の実際の配置に際しては、これらの中心位置を横切って
それぞれシール機構13,13が設けられ、該各吸着モ
ジュール1,2の吸着剤構造体12においては、該シー
ル機構13を挟んでその一方側と他方側との間での水蒸
気の移動が阻止される。さらに、上記各吸着モジュール
1,2の上記シール機構13を挟んで対向する両部位の
うち、一方の部位(以下、「脱着側部位」という)にお
ける上記シール機構13の一端寄り位置には加熱手段
(図示省略)が、他方の部位(以下、「吸着側部位」と
いう)における上記シール機構13の他端寄り位置には
冷却手段(図示省略)がそれぞれ配置されている。
【0078】次に、上記の如く構成された吸着式冷凍機
2の動作を、図11及び図12を参照して説明する。
尚、以下の説明に際しては、上記一対の吸着モジュール
1,2のうち、上側に位置する吸着モジュール1に着目
し、この吸着モジュール1における動作を主にして説明
する。また、図11におけるポイント〜と、図12
におけるポイント〜とを対応させて説明する。
【0079】先ず、上記吸着モジュール1の吸着剤構造
体12は、脱着側部位のポイントの位置において加熱
手段により加熱され、該吸着剤構造体12に吸着されて
いた水蒸気(冷媒蒸気)の脱着が完了する。尚、ここで
発生した水蒸気は、上記凝縮器4において凝縮され、水
となる。
【0080】上記ポイントにおいて水蒸気の脱着が完
了した上記吸着剤構造体12は、上記吸着モジュール1
の回転に伴って上記シール機構13を越えて吸着側部位
に移動する。そして、吸着側部位への移動後、該吸着側
部位のポイントまで移動する間においては、上記吸着
剤構造体12は自らの保有熱(顕熱)で他方の吸着モジ
ュール2を加熱し(図12の矢印(a)参照)、自らは
冷却され、飽和温度まで温度が低下する(即ち、保有熱
の回収である)。
【0081】ポイントにおいて飽和温度まで温度の低
下した上記吸着剤構造体12は、上記蒸発器3からの水
蒸気の吸着を開始し、それに伴って吸着熱を発生し、こ
の吸着熱によって他方の吸着モジュール2を加熱(図1
2の矢印(b)及び(c)参照)し、それに伴って自ら
は冷却される(即ち、吸着熱の回収である)。そして、
上記吸着モジュール1は、上記吸着剤構造体12で発生
する吸着熱によって上記他方の吸着モジュール2を加熱
しながら回転し、該吸着剤構造体12における水蒸気の
吸着がさらに進行し、最終的に、ポイントにおいて上
記冷却手段により冷却され、水蒸気の吸着を完了する。
【0082】吸着が完了した吸着剤構造体12は、上記
シール機構13を通過して吸着側部位から脱着側部位に
移動し、ポイントを経てポイントに達し、1サイク
ルを終了するが、この脱着側部位においては、上記吸着
側部位における作動とは逆に、他方の吸着モジュール2
からの保有熱と吸着熱を受けて加熱され、上記吸着剤構
造体12に吸着されていた水蒸気の脱着が行われ、その
機能の再生が図られるものである。
【0083】以上に述べたように、この実施形態の吸着
式冷凍機Z2においては、上記一対の吸着モジュール
1,2を、その厚さ方向に対向配置させた状態で相互に
逆方向に回転させることで、該各吸着モジュール1,2
相互間において保有熱と吸着熱の熱回収を行わせ、該各
吸着モジュール1,2でそれぞれ連続的な吸着及び脱着
を行うものであるため、上記保有熱と吸着熱の熱回収熱
の分だけ上記各吸着モジュール1,2への上記加熱手段
による必要加熱量を少なくすることができ、それだけ吸
着式冷凍機Z2のCOPをより層高めることが可能とな
る。
【0084】また、この場合、上記加熱手段を、触媒燃
焼を行う燃焼機構で構成することで、該触媒燃焼におい
てはその燃焼温度が低いという特性からして、高い燃焼
温度おいて発生するNOx等の有害ガスは、その発生が
抑制されることとなり、その結果、上記加熱手段を燃焼
機構で構成したにも拘わらず、周辺環境を汚染すること
の少ない吸着式冷凍機を提供することができることにな
る。
【0085】さらに、上記各吸着モジュール1,2の回
転駆動手段を超音波モータで構成すると、該超音波モー
タは薄く且つ小型という特質をもつことから、該回転駆
動手段の小型化が図れ、延いては吸着式冷凍機Z2の小
型化が促進される。
【0086】第3の実施形態 図13及び図14には、本願発明の第3の実施形態にか
かる吸着式冷凍機Z3を示している。この吸着式冷凍機
3は、請求項12に記載の発明を適用したものであっ
て、上記第2の実施形態における吸着式冷凍機Z2を基
本形態とし、かかる基本形態において伝熱効率をさらに
高めて吸着式冷凍機Z3全体のコンパクト化をより一層
進めたものである。
【0087】即ち、この吸着式冷凍機Z3は、近接して
背向配置され且つ相互に逆方向に回転駆動される一対の
吸着モジュール1,2の間に、次述の圧力隔壁10を介
在設置して構成される。
【0088】上記圧力隔壁10は上記各吸着モジュール
1,2と同様の円板形態を持つ部材であって、上記各吸
着モジュール1,2の間において固定配置される(図1
4参照)。そして、この圧力隔壁10には、上記各吸着
モジュール1,2相互間での熱伝導を行ってその保有熱
及び吸着熱の熱回収作用を促進させるための一対の熱伝
導部33,33が該圧力隔壁10の中心を挟んでその両
側に対向配置されるとともに、冷却媒体が循環されて上
記冷却手段7を構成する一方の熱交換部31と、加熱媒
体が循環されて上記加熱手段8を構成する他方の熱交換
部32とが、上記一対の熱伝導部33,33の中間に位
置するようにして設けられている。
【0089】尚、この一対の吸着モジュール1,2と上
記圧力隔壁10の外に、上記蒸発器3と凝縮器4及び膨
張弁5が備えられて上記吸着式冷凍機Z3が構成される
が、図13においてはこれらの部材の図示を省略してい
る。
【0090】そして、特に、この実施形態においては、
図14に示すように、上述の如くして構成された吸着式
冷凍機Z3を、その厚さ方向に所定間隔をもって複数個
重合配置して一つの吸着式冷凍システムを構成してい
る。従って、上記各吸着式冷凍機Z3,Z3,・・の対向
隙間が水蒸気の通気路6として活用できるとともに、該
通気路6はシール機構13によって上記脱着側部位と吸
着側部位とに区画されている。
【0091】かかる構成の吸着式冷凍機Z3において
は、上記第2の実施形態にかかる吸着式冷凍機Z2の場
合と同様に、上記一対の吸着モジュール1,2を、その
厚さ方向に対向配置させた状態で相互に逆方向に回転さ
せて該各吸着モジュール1,2相互間において保有熱と
吸着熱の熱回収を行わせ、これによって該各吸着モジュ
ール1,2でそれぞれ連続的な吸着及び脱着を行うもの
であるため、上記保有熱と吸着熱の熱回収熱の分だけ上
記各吸着モジュール1,2への上記加熱手段による必要
加熱量を少なくすることができ、それだけ吸着式冷凍機
3のCOPをより層高めることが可能となるものであ
るが、それに加えて、上記圧力隔壁10を配置したこと
により特有の効果が奏せられるものである。
【0092】即ち、この実施形態にかかる吸着式冷凍機
3によれば、上記複数の吸着モジュール1,2の間
に、該各吸着モジュール1,2を加熱する加熱手段8と
冷却する冷却手段7及び該各吸着モジュール1,2間で
の熱移動を行う熱移動手段9を設けているので、該各吸
着モジュール1,2のそれぞれにおける伝熱効率が向上
し、該各吸着モジュール1,2相互間における熱移動が
促進され、その結果、該各吸着モジュール1,2のより
一層の小型化、延いては吸着式冷凍機Z3のより一層の
小型化が可能となるものである。
【0093】また、この実施形態にかかる吸着式冷凍機
3を適数個組み合わせることで所要の冷凍能力をもつ
吸着式冷凍システムを容易に構成することができるもの
である。
【0094】さらに、この実施形態の吸着式冷凍機Z3
においては、請求項14に記載の発明を適用して、上記
複数の吸着モジュール1,2同士の接触面、又は該各吸
着モジュール1,2と上記冷却手段7、加熱手段8及び
熱移動手段9との接触面にフッ素樹脂コーティング層を
設けることもでき、かかる構成とした場合には、これら
接触部分における摺動抵抗及び伝熱抵抗が共に低下し、
それだけ上記各吸着モジュール1,2における吸着及び
脱着効率がさらに向上し、延いては吸着式冷凍機Z3
COPのより一層の向上が期待できるものである。
【0095】また、上述のように、上記各吸着モジュー
ル1,2を円板状形態とし、その一側に冷却手段7を、
他側に加熱手段8をそれぞれ配置することで、該各吸着
モジュール1,2においてはその部位間における温度差
が大きくなることから、温度差による熱歪みが生じるこ
とも懸念される。かかる場合に有効な対応手段として、
例えば請求項15に記載の発明を適用して、図15に示
すように、上記吸着モジュール1,2を放射状に複数個
に分割して構成し、これら各分割部分の熱変形(熱膨張
と熱収縮)とを該分割部分の径方向への移動により吸収
する熱歪吸収構造とすることが考えられる。かかる構成
とすれば、上記各吸着モジュール1,2のそれぞれにお
ける熱歪が防止され、これにより吸着式冷凍機Z3の作
動上の信頼性が確保されることになる。
【0096】第4の実施形態 図16には、本願発明の第4の実施形態にかかる吸着式
冷凍機Z4を示している。この吸着式冷凍機Z4は、一対
の吸着モジュール1,2を備えて構成されるものである
が、この場合、該各吸着モジュール1,2を、共に、円
板状形態をもつ吸着剤構造体12の両面にそれぞれ薄板
円板状の支持部材11,11を固着して構成される。そ
して、これら一対の吸着モジュール1,2を、その対向
する側の支持部材11,11同士を直接接触させ且つ相
対回転可能とする一方、該各吸着モジュール1,2の反
対向側の各支持部材11,11同士の外側に上記冷却手
段7と加熱手段8を配置している。
【0097】かかる構成の吸着式冷凍機Z4において
は、上記第2の実施形態にかかる吸着式冷凍機Z2の場
合と同様に、上記各吸着モジュール1,2相互間におけ
る保有熱と吸着熱の熱回収により該各吸着モジュール
1,2でそれぞれ連続的な吸着及び脱着が行われ、かか
る熱回収の分だけ上記各吸着モジュール1,2への上記
加熱手段による必要加熱量を少なくすることができ、そ
れだけ吸着式冷凍機Z2のCOPをより層高めることが
できることに加えて、次のような特有の効果が得られ
る。
【0098】即ち、この実施形態の吸着式冷凍機Z4
おいては、上記複数の吸着モジュール1,2を、上記吸
着剤構造体12の両面にそれぞれ支持部材11,11を
備えた構成とし、該複数の吸着モジュール1,2の相対
向する一方の支持部材11,11同士を直接接触させて
これら両者間において熱回収を行わせるとともに、該複
数の吸着モジュール1,2の他方の支持部材11,11
側に上記冷却手段7と加熱手段8とを設けているので、
上記各吸着モジュール1,2間で直接的に熱交換が行わ
れ、それだけ該各吸着モジュール1,2において発生す
る吸着熱の回収効率が向上し、結果的に吸着式冷凍機の
COPがより一層向上することになる。
【0099】第5の実施形態 図17には、本願発明の第5の実施形態にかかる吸着式
冷凍機Z5を示している。この吸着式冷凍機Z5は、請求
項18が適用されたものであって、図14に示すように
薄板形態に形成された冷凍ユニットXを、所要個数だけ
順次積層して所要の冷凍能力をもつ吸着式冷凍機を構成
したものである。
【0100】上記冷凍ユニットXは、図18に示すよう
に、上下一対の吸着モジュール1,2と、その平面方向
の両側にそれぞれ配置された蒸発器3と凝縮器4、及び
該蒸発器3と凝縮器4の間に配置された膨張弁5とで構
成されるものであって、上記各実施形態で説明したよう
に、上記各吸着モジュール1,2が共に薄型形態をもつ
ことを利用して、冷凍ユニットX全体を薄型形態に形成
したものである。
【0101】このような薄型構成の冷凍ユニットXを所
要個数積層して上記吸着式冷凍機Z 5を構成すること
で、上記冷凍ユニットXの設置数の増減によって吸着式
冷凍機Z5全体としての冷凍能力の調整が可能であり、
その結果、上記冷凍ユニットXの量産効果によって吸着
式冷凍機Z5の製造コストの低下を図ることが可能とな
るものである。
【0102】その他 本願発明にかかる吸着式冷凍機は、冷凍機のみならず、
ヒートポンプ、ヒートトランスフォーマ等の空気調和機
器として広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる吸着式冷凍機の第1の実施形
態を示す構造図である。
【図2】図1に示した吸着モジュールの第1の構造例を
示す断面図である。
【図3】図2に示した吸着モジュールの要部拡大断面図
である。
【図4】図1に示した吸着モジュールの第2の構造例を
示す斜視図である。
【図5】図1に示した吸着モジュールの第3の構造例を
示す断面図である。
【図6】図1に示した吸着モジュールの第4の構造例を
示す断面図である。
【図7】図1に示した吸着モジュールの第5の構造例を
示す断面図である。
【図8】図7に示した吸着モジュールの要部拡大断面図
である。
【図9】図1に示した吸着モジュールの第6の構造例を
示す断面図である。
【図10】図9に示した吸着モジュールの要部拡大断面
図である。
【図11】本願発明にかかる吸着式冷凍機の第2の実施
形態を示す分解斜視図である。
【図12】図11に示した吸着式冷凍機の温度−圧力線
図である。
【図13】本願発明にかかる吸着式冷凍機の第3の実施
形態を示す分解斜視図である。
【図14】図13に示した吸着式冷凍機の断面図であ
る。
【図15】図14に示した吸着式冷凍機に適用される吸
着モジュールの他の構造例の説明図である。
【図16】本願発明にかかる吸着式冷凍機の第4の実施
形態を示す断面図である。
【図17】本願発明にかかる吸着式冷凍機の第5の実施
形態を示す斜視図である。
【図18】図17に示した吸着式冷凍機を構成する冷凍
ユニットの平面図である。
【図19】従来一般的なバッチ式吸着式冷凍機のシステ
ム説明図である。
【図20】図19に示したバッチ式吸着式冷凍機の状態
変化図である。
【符号の説明】
1及び2は吸着モジュール、3は蒸発器、4は凝縮器、
5は膨張弁、6は通気路、7は冷却手段、8は加熱手
段、9は熱移動手段、10は圧力隔壁、11は支持部
材、12は吸着剤構造体、13はシール機構、14は
穴、15は溝、16は通孔、17は微細孔、18は金
網、19は、21は吸着剤、22は補助材、31は熱交
換部、32は熱交換部、33は熱伝導部、Xは冷凍ユニ
ット、Z1〜Z5は吸着式冷凍機である。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却により冷媒蒸気の吸着を行い、加熱
    により吸着した冷媒蒸気の脱着を行う吸着剤(21)を
    備えた複数の吸着モジュール(1),(2)を、直接に
    又は間接に接触させ、一方の吸着モジュール(1又は
    2)で発生した吸着熱又は保有熱を他方の吸着モジュー
    ル(2又は1)に導きこれを該他方の吸着モジュール
    (2又は1)の加熱又は再生に利用し得るように構成し
    たことを特徴とする吸着式冷凍機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記吸着剤(21)が無機酸化物で構成され、上記一方
    の吸着モジュール(1又は2)において発生した吸着熱
    を上記他方の吸着モジュール(2又は1)の再生に利用
    することを特徴とする吸着式冷凍機。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 上記冷媒を水で、上記吸着剤(21)をゼオライトでそ
    れぞれ構成し、 上記一方の吸着モジュール(1又は2)において発生し
    た吸着熱を上記他方の吸着モジュール(2又は1)の再
    生に利用することを特徴とする吸着式冷凍機。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 上記冷媒をアンモニアで、上記吸着剤(21)を塩類で
    それぞれ構成し、 上記一方の吸着モジュール(1又は2)において発生し
    た吸着熱を上記他方の吸着モジュール(2又は1)の再
    生に利用することを特徴とする吸着式冷凍機。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 上記冷媒を水で、上記吸着剤(21)をシリカゲルでそ
    れぞれ構成し、 上記一方の吸着モジュール(1又は2)において発生し
    た吸着熱を上記他方の吸着モジュール(2又は1)の再
    生に利用することを特徴とする吸着式冷凍機。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 上記冷媒を水で、上記吸着剤(21)をキセロゲルでそ
    れぞれ構成し、 上記一方の吸着モジュール(1又は2)において発生し
    た吸着熱を上記他方の吸着モジュール(2又は1)の再
    生に利用することを特徴とする吸着式冷凍機。
  7. 【請求項7】 請求項2,3,4,5又は6において、 上記吸着剤(21)が、該吸着剤(21)を支持部材
    (11)に固着せしめるとともに伝熱性を高め又は冷媒
    蒸気の透過性を高める性状をもつ補助材(22)との複
    合構造とされていることを特徴とする吸着式冷凍機。
  8. 【請求項8】 請求項2,3,4,5又は6において、 上記吸着剤(21)が所定形態をもつ吸着剤構造体(1
    2)として支持部材(11)に支持せしめられるととも
    に、上記吸着剤構造体(12)又は上記支持部材(1
    1)又はこれら両者に、冷媒蒸気の通路として機能する
    穴(14),(14),・・、又は溝(15),(1
    5),・・が設けられていることを特徴とする吸着式冷
    凍機。
  9. 【請求項9】 請求項2,3,4,5,6,7又は8に
    おいて、 上記吸着剤構造体(12)を薄板状形態とするととも
    に、その厚さを、該吸着剤構造体(12)の熱抵抗が上
    記支持部材(11)の熱抵抗と同等又はそれ以下となる
    ように設定したことを特徴とする吸着式冷凍機。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 上記支持部材(11)の吸着剤担持面(11a)が微細
    な凹凸構造又は多孔構造をもち、該吸着剤担持面(11
    a)に上記吸着剤構造体(12)が担持されていること
    を特徴とする吸着式冷凍機。
  11. 【請求項11】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9又は10において、 上記複数の吸着モジュール(1),(2)は、板状形態
    をもつ上記支持部材(11)に上記吸着剤構造体(1
    2)を担持させて構成され、且つその厚さ方向に対向配
    置された状態で相互に逆方向に回転せしめられることを
    特徴とする吸着式冷凍機。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 上記複数の吸着モジュール(1),(2)の間に、該各
    吸着モジュール(1),(2)を加熱する加熱手段
    (8)と冷却する冷却手段(7)及び該各吸着モジュー
    ル(1),(2)間での熱移動を行う熱移動手段(9)
    が設けられていることを特徴とする吸着式冷凍機。
  13. 【請求項13】 請求項11において、 上記複数の吸着モジュール(1),(2)が、上記吸着
    剤構造体(12)の両面にそれぞれ支持部材(11),
    (11)を備えた構成とされ、 該複数の吸着モジュール(1),(2)の相対向する一
    方の支持部材(11),(11)同士が直接接触してこ
    れら両者間において熱回収を行うとともに、該複数の吸
    着モジュール(1),(2)の他方の支持部材(1
    1),(11)側に上記冷却手段(7)と加熱手段
    (8)とが設けられていることを特徴とする吸着式冷凍
    機。
  14. 【請求項14】 請求項11,12又は13において、 上記複数の吸着モジュール(1),(2)同士の接触
    面、又は該各吸着モジュール(1),(2)と上記冷却
    手段(7)、加熱手段(8)及び熱移動手段(9)との
    接触面にフッ素樹脂コーティング層が設けられているこ
    とを特徴とする吸着式冷凍機。
  15. 【請求項15】 請求項11,12,13又は14にお
    いて、 上記各吸着モジュール(1),(2)の上記支持部材
    (11)が、該吸着モジュール(1),(2)の温度変
    化による熱歪を吸収し得る熱歪吸収構造を備えているこ
    とを特徴とする吸着式冷凍機。
  16. 【請求項16】 請求項11,12,13,14又は1
    5において、 上記加熱手段(8)が、触媒燃焼を行う燃焼機構で構成
    されていることを特徴とする吸着式冷凍機。
  17. 【請求項17】 請求項11,12,13,14,15
    又は16において、 上記複数の吸着モジュール(1),(2)の回転駆動手
    段が超音波モータで構成されていることを特徴とする吸
    着式冷凍機。
  18. 【請求項18】 請求項11,12,13,14,1
    5,16又は17において、 上記複数の吸着モジュール(1),(2)と蒸発器
    (3)と凝縮器(4)とを一体化して冷凍ユニット
    (X)を構成し、該冷凍ユニット(X)を複数個設置し
    て所要の冷凍能力を得るようにしたことを特徴とする吸
    着式冷凍機。
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