JP2000133859A - レーザを用いたマーキング方法及びマーキング装置 - Google Patents
レーザを用いたマーキング方法及びマーキング装置Info
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- JP2000133859A JP2000133859A JP10306013A JP30601398A JP2000133859A JP 2000133859 A JP2000133859 A JP 2000133859A JP 10306013 A JP10306013 A JP 10306013A JP 30601398 A JP30601398 A JP 30601398A JP 2000133859 A JP2000133859 A JP 2000133859A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 被加工物の内部にマーキングする際に、被加
工部材の表面への損傷を防止することができるマーキン
グ方法及びマーキング装置を提供する。 【解決手段】 被加工部材の表面のうちレーザビームが
通過する領域が他の物体と直接触れないように、該被加
工部材を保持する。レーザ光源から出射した前記レーザ
ビームを被加工部材の内部のある微小領域に集光する。
被加工部材の集光部分を変質させてマーキングする。
工部材の表面への損傷を防止することができるマーキン
グ方法及びマーキング装置を提供する。 【解決手段】 被加工部材の表面のうちレーザビームが
通過する領域が他の物体と直接触れないように、該被加
工部材を保持する。レーザ光源から出射した前記レーザ
ビームを被加工部材の内部のある微小領域に集光する。
被加工部材の集光部分を変質させてマーキングする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザを用いたマ
ーキング方法及びマーキング装置に関し、特に被加工部
材の内部にマーキングするマーキング方法及びマーキン
グ装置に関する。
ーキング方法及びマーキング装置に関し、特に被加工部
材の内部にマーキングするマーキング方法及びマーキン
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザビームによるアブレーションを利
用して、例えば透明ガラス基板等の被加工部材の表面に
マーキングする方法が知られている。この方法による
と、被加工部材の表面に微細な割れが発生し、その破片
が製造ラインに混入する場合がある。また、マーキング
された位置の近傍に「デブリ」と称される付着物が堆積
するため、この付着物を除去するための洗浄を行う必要
がある。
用して、例えば透明ガラス基板等の被加工部材の表面に
マーキングする方法が知られている。この方法による
と、被加工部材の表面に微細な割れが発生し、その破片
が製造ラインに混入する場合がある。また、マーキング
された位置の近傍に「デブリ」と称される付着物が堆積
するため、この付着物を除去するための洗浄を行う必要
がある。
【0003】被加工部材の表面に損傷を与えることな
く、その内部にレーザビームを集光し、被加工部材の内
部にマーキングを行う方法が、特開平3−124486
号公報に開示されている。この方法によると、被加工部
材の表面が損傷を受けないため、微細な割れの発生、及
びデブリの付着を防止できる。
く、その内部にレーザビームを集光し、被加工部材の内
部にマーキングを行う方法が、特開平3−124486
号公報に開示されている。この方法によると、被加工部
材の表面が損傷を受けないため、微細な割れの発生、及
びデブリの付着を防止できる。
【0004】上述の特開平3−124486号公報に開
示された方法によると、被加工部材の表面から0.5〜
2.5mm程度の深さの位置にマーキングを行うことが
できる。
示された方法によると、被加工部材の表面から0.5〜
2.5mm程度の深さの位置にマーキングを行うことが
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者の実験によ
ると、レーザビームを基板内部に強く集光する場合に
も、内部だけでなく基板表面にダメージを生じる場合が
あった。
ると、レーザビームを基板内部に強く集光する場合に
も、内部だけでなく基板表面にダメージを生じる場合が
あった。
【0006】本発明の目的は、被加工物の内部にマーキ
ングする際に、被加工部材の表面への損傷を防止するこ
とができるマーキング方法及びマーキング装置を提供す
ることである。
ングする際に、被加工部材の表面への損傷を防止するこ
とができるマーキング方法及びマーキング装置を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点による
と、被加工部材の表面のうちレーザビームが通過する領
域が他の物体と直接触れないように、該被加工部材を保
持する工程と、レーザ光源から出射した前記レーザビー
ムを被加工部材の内部のある微小領域に集光することに
より、前記被加工部材の集光部分を変質させてマーキン
グする工程とを有するマーキング方法が提供される。
と、被加工部材の表面のうちレーザビームが通過する領
域が他の物体と直接触れないように、該被加工部材を保
持する工程と、レーザ光源から出射した前記レーザビー
ムを被加工部材の内部のある微小領域に集光することに
より、前記被加工部材の集光部分を変質させてマーキン
グする工程とを有するマーキング方法が提供される。
【0008】本発明の他の観点によると、被加工部材の
表面のうちレーザビームが通過する領域が、気体層と触
れるように該被加工部材を保持する工程と、レーザ光源
から出射した前記レーザビームを被加工部材の内部のあ
る微小領域に集光することにより、前記被加工部材の集
光部分を変質させてマーキングする工程とを有するマー
キング方法が提供される。
表面のうちレーザビームが通過する領域が、気体層と触
れるように該被加工部材を保持する工程と、レーザ光源
から出射した前記レーザビームを被加工部材の内部のあ
る微小領域に集光することにより、前記被加工部材の集
光部分を変質させてマーキングする工程とを有するマー
キング方法が提供される。
【0009】本発明の他の観点によると、レーザ光源
と、前記レーザ光源からのレーザビームを、被加工部材
の内部のある微小領域に集光する集光光学系と、被加工
部材の表面のうちレーザビームが通過する領域が他の物
体と直接触れないように該加工部材を保持する保持部材
とを有するマーキング装置が提供される。
と、前記レーザ光源からのレーザビームを、被加工部材
の内部のある微小領域に集光する集光光学系と、被加工
部材の表面のうちレーザビームが通過する領域が他の物
体と直接触れないように該加工部材を保持する保持部材
とを有するマーキング装置が提供される。
【0010】マーキングの際に被加工部材の表面のうち
レーザビームの通過する領域が直接保持部材と接触しな
いので、保持部材に付着している微粒子等が被加工部材
の表面に再付着することを防止できる。このため、微粒
子等とレーザビームとの相互作用による表面の損傷が防
止される。
レーザビームの通過する領域が直接保持部材と接触しな
いので、保持部材に付着している微粒子等が被加工部材
の表面に再付着することを防止できる。このため、微粒
子等とレーザビームとの相互作用による表面の損傷が防
止される。
【0011】
【発明の実施の形態】本願発明の実施例を説明する前
に、本願発明者の行った予備実験について説明する。レ
ーザビームを基板の内部に集光し、表面に損傷を与える
ことなく内部にのみマーキングしようとしたところ、表
面にも損傷が生ずる場合があった。表面の損傷は、基板
表面に吸着あるいは付着している微粒子等による影響が
大きいと考えられる。この微粒子の影響で、レーザビー
ムが散乱され、基板表面でレーザエネルギ密度がマーキ
ングしきい値を超えると考えられる。このような微粒子
による影響を避けるために、マーキング処理の前に基板
を予め洗浄したとしても、マーキングの際に保持台等か
ら基板に微粒子が付着することが多い。
に、本願発明者の行った予備実験について説明する。レ
ーザビームを基板の内部に集光し、表面に損傷を与える
ことなく内部にのみマーキングしようとしたところ、表
面にも損傷が生ずる場合があった。表面の損傷は、基板
表面に吸着あるいは付着している微粒子等による影響が
大きいと考えられる。この微粒子の影響で、レーザビー
ムが散乱され、基板表面でレーザエネルギ密度がマーキ
ングしきい値を超えると考えられる。このような微粒子
による影響を避けるために、マーキング処理の前に基板
を予め洗浄したとしても、マーキングの際に保持台等か
ら基板に微粒子が付着することが多い。
【0012】図1は、本発明の第1の実施例によるマー
キング装置の動作原理図を示す。レーザ光源1から、1
本のレーザビーム10が出射する。レーザビーム10
は、ビーム成形部2に入射する。ビーム成形部2は、レ
ーザビーム11のビーム形状やエネルギ分布などを所定
のサイズと形状に成形したり、あるいは複数の本数に分
割したりする光学装置である。ビーム成形部2から出た
レーザビーム11は、反射鏡3、4で方向を変えられ
て、集光光学系5に入射する。
キング装置の動作原理図を示す。レーザ光源1から、1
本のレーザビーム10が出射する。レーザビーム10
は、ビーム成形部2に入射する。ビーム成形部2は、レ
ーザビーム11のビーム形状やエネルギ分布などを所定
のサイズと形状に成形したり、あるいは複数の本数に分
割したりする光学装置である。ビーム成形部2から出た
レーザビーム11は、反射鏡3、4で方向を変えられ
て、集光光学系5に入射する。
【0013】集光光学系5に対向するように、例えば金
属製の保持台6が配置されている。保持台6の上に被加
工部材であるガラス基板7が載置される。集光光学系5
は、集光されたビーム12を、ガラス基板7の内部の微
小領域に集光する。
属製の保持台6が配置されている。保持台6の上に被加
工部材であるガラス基板7が載置される。集光光学系5
は、集光されたビーム12を、ガラス基板7の内部の微
小領域に集光する。
【0014】図2(A)にガラス基板7と保持台6を含
む領域の断面図を示す。ガラス基板7の内部の微小領域
8及びその近傍においてレーザビームのエネルギ密度が
高くなる。このレーザビームのエネルギ密度がしきい値
を超えると、光学的非線型現象による吸収が起こると考
えられる。この吸収に基づき、光学的損傷(Optical Dam
age)あるいは光学的絶縁破壊(Optical Breakdown) が生
じ、ガラス基板7の微小領域8が変質し、外部から視認
し得るようなる。
む領域の断面図を示す。ガラス基板7の内部の微小領域
8及びその近傍においてレーザビームのエネルギ密度が
高くなる。このレーザビームのエネルギ密度がしきい値
を超えると、光学的非線型現象による吸収が起こると考
えられる。この吸収に基づき、光学的損傷(Optical Dam
age)あるいは光学的絶縁破壊(Optical Breakdown) が生
じ、ガラス基板7の微小領域8が変質し、外部から視認
し得るようなる。
【0015】このような構成において、反射鏡3及び4
を揺動させて集光点を移動させ、ガラス基板7の内部に
マーキングをすることができる。もちろん、レーザビー
ム12を固定して保持台6を移動させることによって
も、所望の形状のマーキングをすることができる。
を揺動させて集光点を移動させ、ガラス基板7の内部に
マーキングをすることができる。もちろん、レーザビー
ム12を固定して保持台6を移動させることによって
も、所望の形状のマーキングをすることができる。
【0016】図2(A)に示す第1の実施例では、保持
台6に貫通孔9が設けられている。ガラス基板7を透過
したレーザビームが保持台6の貫通孔9を通過するよう
な構成とされている。従って、ガラス基板7の表面のう
ちレーザビームが通過する領域は、他の物体と直接接触
しておらず、空気層または気体層と触れている。このた
め、保持台6に付着している微粒子がガラス基板7の表
面のうちレーザビームの透過する領域に再付着すること
を防止できる。
台6に貫通孔9が設けられている。ガラス基板7を透過
したレーザビームが保持台6の貫通孔9を通過するよう
な構成とされている。従って、ガラス基板7の表面のう
ちレーザビームが通過する領域は、他の物体と直接接触
しておらず、空気層または気体層と触れている。このた
め、保持台6に付着している微粒子がガラス基板7の表
面のうちレーザビームの透過する領域に再付着すること
を防止できる。
【0017】図2(B)に示す第2の実施例では、保持
台6とガラス基板7との間にスペーサ13が挟まれてい
る。スペーサ13は、ガラス基板7の表面のうちレーザ
ビームの通過する領域と直接接触しないように配置され
る。従って、ガラス基板7の表面のうちレーザビームの
通過する領域に、保持台6あるいはスペーサ13から微
粒子が付着することを防止できる。このスペーサ13の
材質はガラス基板7よりも柔らかいものが望ましく、例
えば0.2mm厚の高分子フィルムでよい。柔らかいス
ペーサ13を用いることにより、ガラス基板7の裏側に
キズがつきにくくなる。
台6とガラス基板7との間にスペーサ13が挟まれてい
る。スペーサ13は、ガラス基板7の表面のうちレーザ
ビームの通過する領域と直接接触しないように配置され
る。従って、ガラス基板7の表面のうちレーザビームの
通過する領域に、保持台6あるいはスペーサ13から微
粒子が付着することを防止できる。このスペーサ13の
材質はガラス基板7よりも柔らかいものが望ましく、例
えば0.2mm厚の高分子フィルムでよい。柔らかいス
ペーサ13を用いることにより、ガラス基板7の裏側に
キズがつきにくくなる。
【0018】図2(C)に示す第3の実施例では、図2
(A)の構成にさらに、ビーム12を保持台6の下で吸
収してガラス基板7に戻らないようにするための光トラ
ップ15を設けている。
(A)の構成にさらに、ビーム12を保持台6の下で吸
収してガラス基板7に戻らないようにするための光トラ
ップ15を設けている。
【0019】例えば、反射防止のための黒色塗料を塗布
した載置面上にガラス基板を接触させて載置し、マーキ
ングを行った場合には、ほぼすべての基板について、表
面にクラックが発生した。これに対し、第1〜第3の実
施例のように、ガラス基板の裏面を載置面に接触させな
い場合には、表面にクッラクが発生することはなかっ
た。
した載置面上にガラス基板を接触させて載置し、マーキ
ングを行った場合には、ほぼすべての基板について、表
面にクラックが発生した。これに対し、第1〜第3の実
施例のように、ガラス基板の裏面を載置面に接触させな
い場合には、表面にクッラクが発生することはなかっ
た。
【0020】次に、本発明のさらに別の実施例を図3〜
図7を参照して説明する。これらの実施例においては、
上述の実施例と同様にガラス基板のような被加工部材の
表面への微粒子の付着を防止すると同時に、被加工部材
の表面におけるレーザビームのエネルギ密度を低くし、
表面損傷の発生を、より効果的に防止することができ
る。
図7を参照して説明する。これらの実施例においては、
上述の実施例と同様にガラス基板のような被加工部材の
表面への微粒子の付着を防止すると同時に、被加工部材
の表面におけるレーザビームのエネルギ密度を低くし、
表面損傷の発生を、より効果的に防止することができ
る。
【0021】図3(A)は、本発明の第4の実施例によ
るマーキング装置の概略断面図を示す。図3(B)は第
4の実施例のビーム形状を示す。同図で図1あるいは図
2中の参照番号と同一の参照番号のものは同じ機能要素
を示すので、それらについては説明を省略する。また、
反射鏡3、4については図示を省略してある。
るマーキング装置の概略断面図を示す。図3(B)は第
4の実施例のビーム形状を示す。同図で図1あるいは図
2中の参照番号と同一の参照番号のものは同じ機能要素
を示すので、それらについては説明を省略する。また、
反射鏡3、4については図示を省略してある。
【0022】図3(A)において、レーザ光源1から、
1本のレーザビーム10が出射する。レーザビーム10
は、ビーム成形部2に入射する。ビーム成形部2は、レ
ーザビーム10を2つの部分ビーム11Aと11Bとに
分割する。分割された部分ビーム11Aと11Bは、集
光光学系5に入射する。なお、部分ビーム11Aと11
Bとの総エネルギの和が、レーザビーム10のエネルギ
にほぼ等しくなり、エネルギロスの生じないように分割
することが好ましい。
1本のレーザビーム10が出射する。レーザビーム10
は、ビーム成形部2に入射する。ビーム成形部2は、レ
ーザビーム10を2つの部分ビーム11Aと11Bとに
分割する。分割された部分ビーム11Aと11Bは、集
光光学系5に入射する。なお、部分ビーム11Aと11
Bとの総エネルギの和が、レーザビーム10のエネルギ
にほぼ等しくなり、エネルギロスの生じないように分割
することが好ましい。
【0023】集光光学系5は、部分ビーム11Aと11
Bとを、被加工部材であるガラス基板7の内部の微小領
域8に集光する。
Bとを、被加工部材であるガラス基板7の内部の微小領
域8に集光する。
【0024】微小領域8から発生する光が、光検出器2
3により観測される。光検出器23の観測結果が位置調
節手段24に通知される。一般的に、被加工部材7の表
面でアブレーションが生ずると、その内部で光学的損傷
あるいは光学的絶縁破壊が起きている場合に比べて、発
光強度が大きくなるとともに、発光スペクトルも変化す
る。表面でアブレーションが生じている場合には、波長
600nm近傍にピ−クを有する発光スペクトルが得ら
れる。
3により観測される。光検出器23の観測結果が位置調
節手段24に通知される。一般的に、被加工部材7の表
面でアブレーションが生ずると、その内部で光学的損傷
あるいは光学的絶縁破壊が起きている場合に比べて、発
光強度が大きくなるとともに、発光スペクトルも変化す
る。表面でアブレーションが生じている場合には、波長
600nm近傍にピ−クを有する発光スペクトルが得ら
れる。
【0025】位置調節手段24は、光検出器23から得
られた発光強度、及びスペクトル情報に基づいて、被加
工部材7の表面でアブレーションが生じないように、集
光光学系5と保持台6とのレーザビームの光軸方向に関
する相対位置を調節する。例えば、波長600nm近傍
の光の強度変化を観測することにより、表面でアブレー
ションが生じていることを検出することができる。この
ようにして、被加工部材(ガラス基板)7の表面に損傷
を与えることなく、その内部にマーキングすることが可
能になる。
られた発光強度、及びスペクトル情報に基づいて、被加
工部材7の表面でアブレーションが生じないように、集
光光学系5と保持台6とのレーザビームの光軸方向に関
する相対位置を調節する。例えば、波長600nm近傍
の光の強度変化を観測することにより、表面でアブレー
ションが生じていることを検出することができる。この
ようにして、被加工部材(ガラス基板)7の表面に損傷
を与えることなく、その内部にマーキングすることが可
能になる。
【0026】また、2本の部分ビーム11Aと11Bと
に分割して微小領域8に集光するため、1本のレーザビ
ーム10をそのまま集光する場合に比べて、被加工部材
7の深さ方向に関するレーザビームのエネルギ密度分布
を、より微小な領域に集中させることができる。このた
め、変質する領域の深さ方向の長さを短くすることがで
き、変質領域が被加工部材7の表面まで達することを抑
制することが可能になる。
に分割して微小領域8に集光するため、1本のレーザビ
ーム10をそのまま集光する場合に比べて、被加工部材
7の深さ方向に関するレーザビームのエネルギ密度分布
を、より微小な領域に集中させることができる。このた
め、変質する領域の深さ方向の長さを短くすることがで
き、変質領域が被加工部材7の表面まで達することを抑
制することが可能になる。
【0027】被加工部材7の深さ方向に関して、より微
小な領域にレーザビームを集光させるためには、集光光
学系5の対物レンズとして、なるべく開口数の大きなレ
ンズを用いることが好ましい。
小な領域にレーザビームを集光させるためには、集光光
学系5の対物レンズとして、なるべく開口数の大きなレ
ンズを用いることが好ましい。
【0028】なお、使用するレーザビームとしては、被
加工部材7との組み合わせにより適当なものを選択す
る。例えば、石英ガラスにマーキングする場合には、石
英ガラスに対して透明な波長領域、すなわち赤外線領
域、可視光線領域、もしくは紫外線領域の波長を有する
レーザビームを使用することができる。また、一般的な
板ガラスにマーキングする場合には、板ガラスに対して
透明な波長領域、すなわち赤外線領域もしくは可視光線
領域の波長を有するレーザビームを使用することができ
る。また、ガラス以外にも、例えばシリコン基板等にマ
ーキングしたい場合には、シリコン基板に対して透明な
波長領域のレーザビームを用いればよい。
加工部材7との組み合わせにより適当なものを選択す
る。例えば、石英ガラスにマーキングする場合には、石
英ガラスに対して透明な波長領域、すなわち赤外線領
域、可視光線領域、もしくは紫外線領域の波長を有する
レーザビームを使用することができる。また、一般的な
板ガラスにマーキングする場合には、板ガラスに対して
透明な波長領域、すなわち赤外線領域もしくは可視光線
領域の波長を有するレーザビームを使用することができ
る。また、ガラス以外にも、例えばシリコン基板等にマ
ーキングしたい場合には、シリコン基板に対して透明な
波長領域のレーザビームを用いればよい。
【0029】レーザ光源1としては、例えばNd:YA
Gレーザ、Nd:YLFレーザ等の固体レーザ装置を用
いるのが便利であろう。例えば、赤外線領域の波長を有
するレーザビームを出力するNd:YAGレーザ装置を
用いた場合、波長変換器を用いて波長を2倍にすれば可
視光線領域の波長を有するレーザビームを得ることがで
きる。また、4倍波とすれば、紫外線領域の波長を有す
るレーザビームを得ることができる。使用するレーザビ
ームの波長が短くなるほど、マーキングすべき位置の空
間的解像度を高くすることができる。
Gレーザ、Nd:YLFレーザ等の固体レーザ装置を用
いるのが便利であろう。例えば、赤外線領域の波長を有
するレーザビームを出力するNd:YAGレーザ装置を
用いた場合、波長変換器を用いて波長を2倍にすれば可
視光線領域の波長を有するレーザビームを得ることがで
きる。また、4倍波とすれば、紫外線領域の波長を有す
るレーザビームを得ることができる。使用するレーザビ
ームの波長が短くなるほど、マーキングすべき位置の空
間的解像度を高くすることができる。
【0030】さらに、レーザ光源1として、パルスレー
ザ装置を用いることにより、被加工部材7のマーキング
部近傍の温度上昇を抑制することができる。このため、
温度上昇による悪影響を回避し、マーキングされる深さ
方向の位置を均一に揃えることが可能になる。なお、パ
ルス幅の短いものを使用することが好ましい。これは、
熱的効果の大きさがパルス幅の平方根に比例するためで
ある。具体的には、1ナノ秒以下のパルス幅で発振する
レーザ光源を用いることが好ましい。
ザ装置を用いることにより、被加工部材7のマーキング
部近傍の温度上昇を抑制することができる。このため、
温度上昇による悪影響を回避し、マーキングされる深さ
方向の位置を均一に揃えることが可能になる。なお、パ
ルス幅の短いものを使用することが好ましい。これは、
熱的効果の大きさがパルス幅の平方根に比例するためで
ある。具体的には、1ナノ秒以下のパルス幅で発振する
レーザ光源を用いることが好ましい。
【0031】図3(B)は、ビーム成形部2の一構成例
を示す。ビーム成形部2は、断面が2等辺三角形の第1
のプリズム2Aと第2のプリズム2Bを含んで構成され
る。第1及び第2のプリズム2A及び2Bは、相互に等
しい頂角、例えば120°を有し、各々の底面同士が相
互に平行になり、かつ頂点に相当する稜同士が相互に平
行に対向するように配置されている。
を示す。ビーム成形部2は、断面が2等辺三角形の第1
のプリズム2Aと第2のプリズム2Bを含んで構成され
る。第1及び第2のプリズム2A及び2Bは、相互に等
しい頂角、例えば120°を有し、各々の底面同士が相
互に平行になり、かつ頂点に相当する稜同士が相互に平
行に対向するように配置されている。
【0032】レーザビーム10が第1のプリズム2Aの
底面に垂直入射する。レーザビーム10の光軸に垂直な
方向に関する光強度分布を曲線10aで示す。中心にお
いて光強度が最大となり、中心から離れるに従って徐々
に低下している。
底面に垂直入射する。レーザビーム10の光軸に垂直な
方向に関する光強度分布を曲線10aで示す。中心にお
いて光強度が最大となり、中心から離れるに従って徐々
に低下している。
【0033】プリズム2Aの1対の斜面から出射するレ
ーザビームは、2つの部分ビーム11Aと11Bとに分
割される。部分ビーム11Aと11Bは、それぞれプリ
ズム2Bの2つの斜面に入射する。プリズム2Bの底面
からは、2本の平行な部分ビーム11Aと11Bが出射
する。
ーザビームは、2つの部分ビーム11Aと11Bとに分
割される。部分ビーム11Aと11Bは、それぞれプリ
ズム2Bの2つの斜面に入射する。プリズム2Bの底面
からは、2本の平行な部分ビーム11Aと11Bが出射
する。
【0034】このように、1対の2等辺三角形プリズム
を用いることにより、1本のレーザビーム10を2本の
部分ビーム11Aと11Bとに分割することができる。
なお、図3(B)の場合、レーザビーム10の中心部
が、各部分ビーム11A、11Bの外側に位置し、レー
ザビーム10の周辺部が、各部分ビーム11A、11B
の内側に位置する。このため、各部分ビーム11A、1
1Bの光強度分布は、曲線11Aa、11Baで示すよ
うに、2本の部分ビーム11Aと11Bとの中心から遠
ざかるに従って大きくなる。
を用いることにより、1本のレーザビーム10を2本の
部分ビーム11Aと11Bとに分割することができる。
なお、図3(B)の場合、レーザビーム10の中心部
が、各部分ビーム11A、11Bの外側に位置し、レー
ザビーム10の周辺部が、各部分ビーム11A、11B
の内側に位置する。このため、各部分ビーム11A、1
1Bの光強度分布は、曲線11Aa、11Baで示すよ
うに、2本の部分ビーム11Aと11Bとの中心から遠
ざかるに従って大きくなる。
【0035】このように、2本の部分ビーム11Aと1
1Bの外側の光強度の方が、内側の光強度よりも強い。
このため、2本の部分ビームを微小領域に集光させる際
に、光強度がしきい値を超える領域をより小さな領域に
絞り込むことが可能になる。
1Bの外側の光強度の方が、内側の光強度よりも強い。
このため、2本の部分ビームを微小領域に集光させる際
に、光強度がしきい値を超える領域をより小さな領域に
絞り込むことが可能になる。
【0036】なお、被加工部材7の表面への各部分ビー
ム11A、11Bの入射角がブリュスタ角と等しくなる
ように調節することが好ましい。ブリュスタ角とするこ
とにより、反射による損失を少なくすることができる。
ム11A、11Bの入射角がブリュスタ角と等しくなる
ように調節することが好ましい。ブリュスタ角とするこ
とにより、反射による損失を少なくすることができる。
【0037】次に、図4を参照して、第5の実施例につ
いて説明する。図4(A)に示すように、第5の実施例
においては、ビーム成形部2は1本のビームを出射する
が、その出射ビームの横断面のエネルギ分布を特別な形
状としている。その他の構成は図3(A)の場合と同様
である。
いて説明する。図4(A)に示すように、第5の実施例
においては、ビーム成形部2は1本のビームを出射する
が、その出射ビームの横断面のエネルギ分布を特別な形
状としている。その他の構成は図3(A)の場合と同様
である。
【0038】レーザ光源1から出射したレーザビーム1
0の光軸に垂直な方向に関する光強度分布は、曲線10
aで示すように、中心において強く、中心から離れるに
従って弱くなる。
0の光軸に垂直な方向に関する光強度分布は、曲線10
aで示すように、中心において強く、中心から離れるに
従って弱くなる。
【0039】ビーム成形部2は、レーザビーム10を整
形し、中心において弱く、中心から遠ざかるに従って強
くなるような光強度分布を有するレーザビーム11Cを
出力する。レーザビーム11Cの光強度分布を曲線11
aで示す。
形し、中心において弱く、中心から遠ざかるに従って強
くなるような光強度分布を有するレーザビーム11Cを
出力する。レーザビーム11Cの光強度分布を曲線11
aで示す。
【0040】レーザビーム10をそのまま集光すると、
光軸方向に関して比較的長い領域において、その光軸近
傍の光強度がしきい値を超える。一方、レーザビーム1
1Cのように、その光軸近傍において光強度の弱いビー
ムを集光する場合には、光軸方向に関してより短い領域
でのみしきい値を超えるように制御することが容易にな
る。
光軸方向に関して比較的長い領域において、その光軸近
傍の光強度がしきい値を超える。一方、レーザビーム1
1Cのように、その光軸近傍において光強度の弱いビー
ムを集光する場合には、光軸方向に関してより短い領域
でのみしきい値を超えるように制御することが容易にな
る。
【0041】このため、被加工部材( ガラス基板) 7の
厚さ方向に関して、より短い領域にのみマーキングする
ことができ、クラックの表面への到達を抑制することが
可能になる。
厚さ方向に関して、より短い領域にのみマーキングする
ことができ、クラックの表面への到達を抑制することが
可能になる。
【0042】被加工部材7の深さ方向に関して、より微
小な領域にレーザビームを集光させるためには、集光光
学系5の対物レンズとして、なるべく開口数の大きなレ
ンズを用いることが好ましい。
小な領域にレーザビームを集光させるためには、集光光
学系5の対物レンズとして、なるべく開口数の大きなレ
ンズを用いることが好ましい。
【0043】図4(B)は、第5の実施例で使用するビ
ーム成形部2の一構成例を示す。ビーム成形部2は、第
1の円錐プリズム20Aと第2の円錐プリズム20Bと
を含んで構成される。第1及び第2の円錐プリズム20
Aと20Bとは、相互にその中心軸を共通にし、かつ頂
点同士を対向させるように配置されている。
ーム成形部2の一構成例を示す。ビーム成形部2は、第
1の円錐プリズム20Aと第2の円錐プリズム20Bと
を含んで構成される。第1及び第2の円錐プリズム20
Aと20Bとは、相互にその中心軸を共通にし、かつ頂
点同士を対向させるように配置されている。
【0044】レーザビーム10が、第1の円錐プリズム
20Aの底面に垂直入射する。レーザビーム10の外周
部の光束が第2の円錐プリズム20Bの頂点近傍に入射
するように、第1の円錐プリズム20Aと第2の円錐プ
リズム20Bとの間隔が調整されている。第2の円錐プ
リズム20Bの底面から出射するレーザビーム11Cの
光強度は、その中心近傍において強く、中心から遠ざか
るに従って弱くなる。
20Aの底面に垂直入射する。レーザビーム10の外周
部の光束が第2の円錐プリズム20Bの頂点近傍に入射
するように、第1の円錐プリズム20Aと第2の円錐プ
リズム20Bとの間隔が調整されている。第2の円錐プ
リズム20Bの底面から出射するレーザビーム11Cの
光強度は、その中心近傍において強く、中心から遠ざか
るに従って弱くなる。
【0045】このように、1対のプリズムを使用するこ
とにより、中心近傍において弱い光強度分布を有するレ
ーザビームを形成することができる。
とにより、中心近傍において弱い光強度分布を有するレ
ーザビームを形成することができる。
【0046】次に、図5を参照して、第6の実施例につ
いて説明する。図5(A)に示すように、第6の実施例
においては、ビーム成形部2は、図4の第5の実施例と
は異なるエネルギ分布特性を有するビームを生成する。
その他の構成は図4(A)の場合と同様である。
いて説明する。図5(A)に示すように、第6の実施例
においては、ビーム成形部2は、図4の第5の実施例と
は異なるエネルギ分布特性を有するビームを生成する。
その他の構成は図4(A)の場合と同様である。
【0047】レーザビーム10は、その光軸に垂直な仮
想平面においてほぼ円形となるような断面形状10bを
有する。ビーム成形部2は、レーザビーム10の断面形
状10bを整形し、光軸に垂直な仮想平面上の光照射領
域が円環状となるような断面形状11Dを有するレーザ
ビーム11を出射する。すなわち、レーザビーム11の
中心近傍における光強度がほぼ0になる。なお、レーザ
ビーム11の総エネルギが整形前のレーザビーム10の
総エネルギにほぼ等しくなり、エネルギロスが生じない
ようにすることが好ましい。
想平面においてほぼ円形となるような断面形状10bを
有する。ビーム成形部2は、レーザビーム10の断面形
状10bを整形し、光軸に垂直な仮想平面上の光照射領
域が円環状となるような断面形状11Dを有するレーザ
ビーム11を出射する。すなわち、レーザビーム11の
中心近傍における光強度がほぼ0になる。なお、レーザ
ビーム11の総エネルギが整形前のレーザビーム10の
総エネルギにほぼ等しくなり、エネルギロスが生じない
ようにすることが好ましい。
【0048】このような円環状のビーム断面形状を有す
るレーザビーム11を、被加工部材7内の微小領域8に
集光する。レーザビーム11の中心軸近傍における光強
度の増大を抑制でき、光軸方向に関してより短い領域で
のみしきい値を超えるように制御することが容易にな
る。
るレーザビーム11を、被加工部材7内の微小領域8に
集光する。レーザビーム11の中心軸近傍における光強
度の増大を抑制でき、光軸方向に関してより短い領域で
のみしきい値を超えるように制御することが容易にな
る。
【0049】被加工部材7の深さ方向に関して、より微
小な領域にレーザビームを集光させるためには、集光光
学系5の対物レンズとして、なるべく開口数の大きなレ
ンズを用いることが好ましい。
小な領域にレーザビームを集光させるためには、集光光
学系5の対物レンズとして、なるべく開口数の大きなレ
ンズを用いることが好ましい。
【0050】図5(B)は、第6の実施例で使用するビ
ーム成形部2の一構成例を示す。ビーム成形部2は、第
1の円錐プリズム30Aと第2の円錐プリズム30Bと
を含んで構成される。第1及び第2の円錐プリズム30
Aと30Bとは、相互にその中心軸を共通にし、かつ頂
点同士を対向させるように配置されている。
ーム成形部2の一構成例を示す。ビーム成形部2は、第
1の円錐プリズム30Aと第2の円錐プリズム30Bと
を含んで構成される。第1及び第2の円錐プリズム30
Aと30Bとは、相互にその中心軸を共通にし、かつ頂
点同士を対向させるように配置されている。
【0051】図4(B)の場合には、レーザビーム10
の外周部の光束が第2の円錐プリズム20Bの頂点近傍
に入射するように、第1の円錐プリズム20Aと第2の
円錐プリズム20Bとの間隔が調整されていたが、図5
(B)では、第1と第2の円錐プリズムの間隔がより長
くされている。このため、第2の円錐プリズム30Bか
ら出射したレーザビーム11が、円環状の断面形状を有
することになる。このようにして、円形断面を有するレ
ーザビームから円環状断面を有するレーザビームを得る
ことができる。
の外周部の光束が第2の円錐プリズム20Bの頂点近傍
に入射するように、第1の円錐プリズム20Aと第2の
円錐プリズム20Bとの間隔が調整されていたが、図5
(B)では、第1と第2の円錐プリズムの間隔がより長
くされている。このため、第2の円錐プリズム30Bか
ら出射したレーザビーム11が、円環状の断面形状を有
することになる。このようにして、円形断面を有するレ
ーザビームから円環状断面を有するレーザビームを得る
ことができる。
【0052】図5では、円形断面を有するレーザビーム
から円環状断面を有するレーザビームを得る場合につい
て説明したが、当初から円環状断面を有するレーザビー
ムを出力するレーザ光源を使用してもよい。
から円環状断面を有するレーザビームを得る場合につい
て説明したが、当初から円環状断面を有するレーザビー
ムを出力するレーザ光源を使用してもよい。
【0053】図6(A)は、円環状断面を有するレーザ
ビームを出力するレーザ光源の一例の概略断面図を示
す。凹面鏡40と、それよりも小口径の凸面鏡41とに
より光共振器が構成されている。この光共振器は、その
内部を往復する光線束がある回数往復すると、凸面鏡4
1の縁から外れて外部に漏れるように構成された不安定
光共振器である。
ビームを出力するレーザ光源の一例の概略断面図を示
す。凹面鏡40と、それよりも小口径の凸面鏡41とに
より光共振器が構成されている。この光共振器は、その
内部を往復する光線束がある回数往復すると、凸面鏡4
1の縁から外れて外部に漏れるように構成された不安定
光共振器である。
【0054】この光共振器内に、レーザ媒質42が配置
されている。レーザ媒質42内で誘導放出が起こり、レ
ーザ発振が生ずる。光共振器内を所定回数往復して増幅
されたレーザビームが、凸面鏡41の縁から外れて外部
に放射される。放射されるレーザビームのその光軸に垂
直な断面形状は、円環状になる。
されている。レーザ媒質42内で誘導放出が起こり、レ
ーザ発振が生ずる。光共振器内を所定回数往復して増幅
されたレーザビームが、凸面鏡41の縁から外れて外部
に放射される。放射されるレーザビームのその光軸に垂
直な断面形状は、円環状になる。
【0055】図5では、円環状のレーザビーム11に整
形するビーム成形部2と、レーザビーム11を集光する
集光光学系5とを異なる光学系で構成した場合を説明し
たが、これらを1つの光学系で構成することもできる。
形するビーム成形部2と、レーザビーム11を集光する
集光光学系5とを異なる光学系で構成した場合を説明し
たが、これらを1つの光学系で構成することもできる。
【0056】図6(B)は、ビーム成形部2の機能と集
光光学系5の機能の両者を併せ持つ光学系の一例を示
す。大口径の凹面鏡45と小口径の凸面鏡46が、その
中心軸を共有するように配置され、シュバルツシュルト
型反射光学系を構成している。凹面鏡45の中心部に貫
通孔45aが設けられ、レーザビーム11が貫通孔45
aを通って凸面鏡46に入射する。
光光学系5の機能の両者を併せ持つ光学系の一例を示
す。大口径の凹面鏡45と小口径の凸面鏡46が、その
中心軸を共有するように配置され、シュバルツシュルト
型反射光学系を構成している。凹面鏡45の中心部に貫
通孔45aが設けられ、レーザビーム11が貫通孔45
aを通って凸面鏡46に入射する。
【0057】凸面鏡46に入射したレーザビーム11
は、凸面鏡46と凹面鏡45で反射し、収束光線束31
となって、被加工部材7内の微小領域8に集光する。収
束光線束31の光軸に垂直な仮想平面における断面形状
は、円環状となる。シュバルツシュルト型反射光学系を
用いることにより、レーザビームの断面形状を円環状と
するとともに、収束光線束を形成することができる。
は、凸面鏡46と凹面鏡45で反射し、収束光線束31
となって、被加工部材7内の微小領域8に集光する。収
束光線束31の光軸に垂直な仮想平面における断面形状
は、円環状となる。シュバルツシュルト型反射光学系を
用いることにより、レーザビームの断面形状を円環状と
するとともに、収束光線束を形成することができる。
【0058】次に、図7を参照して、第5の実施例の変
形例について説明する。なお、これらの変形例は、第4
及び第6の実施例にも適用することが可能である。
形例について説明する。なお、これらの変形例は、第4
及び第6の実施例にも適用することが可能である。
【0059】図7(A)に示すように、被加工部材7が
板状である場合、その表側から微小領域8に向けてレー
ザビーム11Cを集光すると同時に、裏側からもレーザ
ビーム11Eを集光する。このため、被加工部材7の表
側と裏側に、それぞれ集光光学系5Aと5Bが配置され
ている。
板状である場合、その表側から微小領域8に向けてレー
ザビーム11Cを集光すると同時に、裏側からもレーザ
ビーム11Eを集光する。このため、被加工部材7の表
側と裏側に、それぞれ集光光学系5Aと5Bが配置され
ている。
【0060】なお、表側から入射するレーザビーム11
Cの光軸と裏側から入射するレーザビーム11Eの光軸
とを共通にする必要はない。一方のレーザビームを斜入
射してもよく、双方のレーザビームを斜入射してもよ
い。また、2本に限らず、3本以上のレーザビームを微
小領域8に集光させてもよい。
Cの光軸と裏側から入射するレーザビーム11Eの光軸
とを共通にする必要はない。一方のレーザビームを斜入
射してもよく、双方のレーザビームを斜入射してもよ
い。また、2本に限らず、3本以上のレーザビームを微
小領域8に集光させてもよい。
【0061】図7(B)に示すように、集光光学系5の
対物レンズ5aと被加工部材7の表面との間に、液体5
0を充満させてもよい。液体50として、用いるレーザ
ビームの波長域において透明な液体、例えば水を用いる
ことができる。通常の液体の屈折率は大気の屈折率より
も大きいため、被加工部材7の表面における屈折率差を
小さくすることができる。このため、液体50を充満さ
せない場合に比べて、被加工部材7内の集光角θを大き
くすることができる。集光角を大きくすることにより、
微小領域8近傍のしきい値を超えた領域を、より局在化
させることができる。
対物レンズ5aと被加工部材7の表面との間に、液体5
0を充満させてもよい。液体50として、用いるレーザ
ビームの波長域において透明な液体、例えば水を用いる
ことができる。通常の液体の屈折率は大気の屈折率より
も大きいため、被加工部材7の表面における屈折率差を
小さくすることができる。このため、液体50を充満さ
せない場合に比べて、被加工部材7内の集光角θを大き
くすることができる。集光角を大きくすることにより、
微小領域8近傍のしきい値を超えた領域を、より局在化
させることができる。
【0062】図7(C)に示すように、被加工部材7の
表面のうちレーザビーム11Cの入射する領域に、ガス
吹付手段55から清浄な空気等の気体を吹き付けながら
レーザ照射を行ってもよい。吹き付けられたガスによ
り、被加工部材7の表面へのゴミの付着を抑制すること
ができる。
表面のうちレーザビーム11Cの入射する領域に、ガス
吹付手段55から清浄な空気等の気体を吹き付けながら
レーザ照射を行ってもよい。吹き付けられたガスによ
り、被加工部材7の表面へのゴミの付着を抑制すること
ができる。
【0063】また、被加工部材7の裏面のうちレーザビ
ーム11Cが出射する領域及びその近傍に、水等の液体
を吹き付けながらレーザ照射を行ってもよい。水を吹き
付けることにより、裏面におけるレーザビームの反射を
抑制することができる。また、冷却効率を高めることが
できる。
ーム11Cが出射する領域及びその近傍に、水等の液体
を吹き付けながらレーザ照射を行ってもよい。水を吹き
付けることにより、裏面におけるレーザビームの反射を
抑制することができる。また、冷却効率を高めることが
できる。
【0064】以上説明した実施例においては、被加工部
材はガラス基板であったが、ガラスに限らず、光源から
の照射光を通すような他の材料をマーキング加工する場
合にも適用できる。
材はガラス基板であったが、ガラスに限らず、光源から
の照射光を通すような他の材料をマーキング加工する場
合にも適用できる。
【0065】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マーキングの際に被加工部材の表面のうちレーザビーム
の通過領域が直接保持部材と接触しない。このため、被
加工部材表面のレーザビームの通過領域への微粒子等の
付着が抑制され、表面の損傷が防止される。
マーキングの際に被加工部材の表面のうちレーザビーム
の通過領域が直接保持部材と接触しない。このため、被
加工部材表面のレーザビームの通過領域への微粒子等の
付着が抑制され、表面の損傷が防止される。
【図1】本発明の第1の実施例によるマーキング装置の
概略図である。
概略図である。
【図2】本発明の第1、第2、及び第3の実施例による
マーキング装置の部分概略図である。
マーキング装置の部分概略図である。
【図3】本発明の第4の実施例によるマーキング装置の
概略図である。
概略図である。
【図4】本発明の第5の実施例の構成例を示す概略図で
ある。
ある。
【図5】本発明の第6の実施例によるマーキング装置の
概略図である。
概略図である。
【図6】本発明の第7の実施例の構成例を示す概略図で
ある。
ある。
【図7】本発明の第5の実施例の変形例によるマーキン
グ装置の概略図である。
グ装置の概略図である。
1 レーザ光源 2 ビーム成形部 3、4 反射鏡 5 集光光学系 6 保持台 7 被加工部材 8 微小領域 9 貫通孔 10、11、12 レーザビーム 11A、11B 部分ビーム 13 スペーサ 14 開口部 15 光トラップ 20A、20B 円錐プリズム 23 光検出器 24 位相調節手段
Claims (7)
- 【請求項1】 被加工部材の表面のうちレーザビームが
通過する領域が他の物体と直接触れないように、該被加
工部材を保持する工程と、 レーザ光源から出射した前記レーザビームを被加工部材
の内部のある微小領域に集光することにより、前記被加
工部材の集光部分を変質させてマーキングする工程とを
有するマーキング方法。 - 【請求項2】 被加工部材の表面のうちレーザビームが
通過する領域が、気体層と触れるように該被加工部材を
保持する工程と、 レーザ光源から出射した前記レーザビームを被加工部材
の内部のある微小領域に集光することにより、前記被加
工部材の集光部分を変質させてマーキングする工程とを
有するマーキング方法。 - 【請求項3】 さらに、前記被加工部材を透過した前記
レーザビームを吸収する工程を含む請求項1または2に
記載のマーキング方法。 - 【請求項4】 レーザ光源と、 前記レーザ光源からのレーザビームを、被加工部材の内
部のある微小領域に集光する集光光学系と、 被加工部材の表面のうちレーザビームが通過する領域が
他の物体と直接触れないように該加工部材を保持する保
持部材とを有するマーキング装置。 - 【請求項5】 前記保持部材が、前記被加工部材を透過
したレーザビームが通過する領域に貫通孔を有する請求
項4に記載のマーキング装置。 - 【請求項6】 前記保持部材が、 主表面を有するステージと、 該主表面上に載置される被加工部材と該主表面との間に
配置されるスペーサとを含む請求項4に記載のマーキン
グ装置。 - 【請求項7】 さらに、前記被加工部材を透過したレー
ザビームを吸収する光トラップを有する請求項5に記載
のマーキング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10306013A JP2000133859A (ja) | 1998-10-27 | 1998-10-27 | レーザを用いたマーキング方法及びマーキング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10306013A JP2000133859A (ja) | 1998-10-27 | 1998-10-27 | レーザを用いたマーキング方法及びマーキング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000133859A true JP2000133859A (ja) | 2000-05-12 |
Family
ID=17952040
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10306013A Pending JP2000133859A (ja) | 1998-10-27 | 1998-10-27 | レーザを用いたマーキング方法及びマーキング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000133859A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004031016A (ja) * | 2002-06-24 | 2004-01-29 | Mitsubishi Materials Corp | サージアブソーバおよびそのマイクロギャップ形成方法 |
RU2478588C2 (ru) * | 2006-10-18 | 2013-04-10 | Тиама | Способ и установка для маркировки прозрачных или полупрозрачных объектов при высокой температуре |
JP2015213952A (ja) * | 2014-05-12 | 2015-12-03 | 株式会社ディスコ | レーザー加工装置 |
US9543256B2 (en) | 2002-03-12 | 2017-01-10 | Hamamatsu Photonics K.K. | Substrate dividing method |
JP6083006B1 (ja) * | 2016-02-17 | 2017-02-22 | 株式会社シーティーアイ | 容器の製造方法およびレーザー加工システム |
US9837315B2 (en) | 2000-09-13 | 2017-12-05 | Hamamatsu Photonics K.K. | Laser processing method and laser processing apparatus |
CN110961780A (zh) * | 2018-10-01 | 2020-04-07 | 三星显示有限公司 | 激光处理设备 |
US20210382210A1 (en) * | 2020-06-09 | 2021-12-09 | IonQ, Inc. | Parabolic cassegrain-type reflector for ablation loading |
-
1998
- 1998-10-27 JP JP10306013A patent/JP2000133859A/ja active Pending
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US9837315B2 (en) | 2000-09-13 | 2017-12-05 | Hamamatsu Photonics K.K. | Laser processing method and laser processing apparatus |
US11424162B2 (en) | 2002-03-12 | 2022-08-23 | Hamamatsu Photonics K.K. | Substrate dividing method |
US9711405B2 (en) | 2002-03-12 | 2017-07-18 | Hamamatsu Photonics K.K. | Substrate dividing method |
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