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JP2000129952A - 耐震壁および耐震壁の施工方法 - Google Patents

耐震壁および耐震壁の施工方法

Info

Publication number
JP2000129952A
JP2000129952A JP10302748A JP30274898A JP2000129952A JP 2000129952 A JP2000129952 A JP 2000129952A JP 10302748 A JP10302748 A JP 10302748A JP 30274898 A JP30274898 A JP 30274898A JP 2000129952 A JP2000129952 A JP 2000129952A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall
earthquake
resistant
wall portion
beams
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10302748A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiko Masuda
安彦 増田
Hiroaki Edo
宏彰 江戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP10302748A priority Critical patent/JP2000129952A/ja
Publication of JP2000129952A publication Critical patent/JP2000129952A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工期間を短期化できるとともに工費を低減
でき、かつまた壁自体にエネルギ吸収能をも具備させる
ことができる耐震壁およびその施工方法を提供する。 【解決手段】 上下の梁12,14間に設けられ上端に
凹部20dを有し、上側の梁12に接合される上壁部分
20aと、下端に凹部20dを有し、下側の梁14に接
合される下壁部分20bと、該下壁部分20bと上記上
壁部分20aとの間に形成されこれら壁部分よりも低耐
力な壁柱部分20cとからなる耐震壁20をプレキャス
トにより一体に形成する。壁柱部分20cの低耐力化
は、壁厚を薄くしたり、梁12,14の長手方向に分割
する。また、この耐震壁20は、上記上下の梁12,1
4の上記凹部20dに対応する位置に突設させた定着部
材を上記凹部に定着させて上記上下の梁12,14に接
合するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上下の梁に対して
容易に施工することができて、工期短縮や工費削減が可
能なうえに、地震等の外力に対して架構を効果的に補強
することができる耐震壁およびその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、柱および梁で取り囲まれた架構に
対して耐震壁を施工するに際しては、柱や梁に取り付け
たアンカーに結合した壁筋を挟んでその両側に型枠を建
て込み、次いでその内部に壁コンクリートを現場打ち
し、その後壁コンクリートが硬化するのを待ったうえ
で、最終的に型枠を解体し撤去するようにしている。
【0003】また他方、特開平3−76953号公報(I
nt.Cl.E04B 2/02)に開示された施工方法も知られてい
る。この工法では、上記アンカーと結合される補強筋を
挿通する孔部を備えたコンクリートブロックを予めプレ
キャスト成形しておき、これを架構内に積み上げて耐震
壁を構築するようになっている。具体的には、コンクリ
ートブロックを積み上げながら、コンクリートブロック
相互で互いに連通させた孔部に補強筋を配設するように
し、その後すべての孔部に対してこれを完全に埋めるよ
うにグラウト材を充填することで、コンクリートブロッ
ク全体を一体化して耐震壁とするようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の耐震壁の施工方法のうち、前者では、型枠を用い
るため、多くの資材を必要とするとともに、型枠の組立
や解体・撤去に多くの作業手間を必要としていた。ま
た、耐震壁全体を現場打ちコンクリートで構築するた
め、このコンクリート打設時に発生するポンプ車の騒音
問題があり、休日や夜間の作業が制限され、工期が長期
化していた。さらに、耐震壁全体を現場打ちコンクリー
トで構築するために打設コンクリートの養生に相当の期
間を要し、この面からも施工期間が長期化するという問
題があった。
【0005】他方、後者の施工方法では、補強筋を配設
したコンクリートブロックの孔部全体に亘って大量のグ
ラウト材を充填することになるが、このグラウト材は比
較的高価で、工費がかさむという問題があった。
【0006】さらに、従前の耐震壁は、建物架構の剛性
を高めて耐震性能を向上するものであるが、従来から単
に壁としてのみ考えられていて、エネルギ吸収能を高め
るなどの配慮はまったくなされてはいなかった。
【0007】そこで本発明の目的は、施工期間を短期化
できるとともに工費を低減でき、かつまた壁自体にエネ
ルギ吸収能をも具備させることができる耐震壁およびそ
の施工方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の耐震壁は、上
下の梁間に設けられる耐震壁において、上側の上記梁か
ら突設される定着部材を定着させる凹部を上端に有し
て、該上側の梁に接合される上壁部分と、下側の上記梁
から突設される定着部材を定着させる凹部を下端に有し
て、該下側の梁に接合される下壁部分と、これら下壁部
分と上壁部分との間に形成される壁柱部分とをプレキャ
ストにより一体に形成するとともに、該壁柱部分の耐力
をこれら上壁部分および下壁部分よりも小さく設定した
ことを特徴とする。
【0009】請求項2の耐震壁は、前記壁柱部分の壁厚
が前記上壁部分および前記下壁部分よりも薄く形成され
ることを特徴とする。
【0010】請求項3の耐震壁は、前記壁柱部分が前記
梁の長手方向に分割して形成されることを特徴とする。
【0011】請求項4の耐震壁の施工方法は、上下の梁
間に設けられる耐震壁の施工方法において、上端に凹部
を有し、上側の梁に接合される上壁部分と、下端に凹部
を有し、下側の梁に接合される下壁部分と、該下壁部分
と上記上壁部分との間に形成されこれら壁部分よりも低
耐力な壁柱部分とからなる耐震壁をプレキャストにより
一体に形成するとともに、上記上下の梁に上記凹部に対
応させて定着部材を突設し、該定着部材を上記凹部に定
着させて上記耐震壁を上記上下の梁に接合するようにし
たことを特徴とする。
【0012】上記請求項記載の発明の作用について説明
すると、請求項1の耐震壁では、これをプレキャストに
より形成するようにしていて、従来のように現場でコン
クリートを型枠内に打設して耐震壁を構築するのとは異
なり、型枠建て込み用の作業用資材が不要になるととも
に、型枠の組立および解体などの作業が必要なくなっ
て、耐震壁の構築作業の省力化を達成できる。また、打
設コンクリートの養生期間も不要となって、工期短縮を
達成できる。さらに、工場生産可能なプレキャスト製で
あるため、現場でのコンクリート打設作業をなくすこと
ができてポンプ車の使用による騒音問題を解決でき、こ
れによる作業日程の制限もなくなって、この面からも工
期を短縮化できる。
【0013】他方、コンクリートブロックを用いた従来
工法と比較しても、耐震壁を上下の梁に接合するための
定着部分は耐震壁の上下端の凹部のみであり、従ってコ
ンクリートブロックの孔部全体にわたってグラウト材を
充填する場合よりも、その使用量を削減できて、工費削
減を達成できる。
【0014】また、耐震壁は、上壁部分と下壁部分とこ
れら下壁部分および上壁部分の間に形成される壁柱部分
とから一体に形成されているとともに、特に壁柱部分の
耐力がこれら上壁部分および下壁部分よりも小さく設定
されていて、架構に地震等の水平外力が加わった場合
に、耐震壁のうち耐力の小さく設定された壁柱部分にせ
ん断応力が集中し当該壁柱部分が早期に降伏して、この
壁柱部分で架構に作用する外力エネルギを吸収すること
ができる。特に、水平外力の入力によって下側の梁に対
し上側の梁が相対的に水平変位すると、上壁部分および
下壁部分を介してこれら梁に連結された壁柱部分の上端
と下端との間には、ほぼ同じ変位量の位置ずれが生じる
が、壁柱部分の高さが上下の梁間の高さよりも低いの
で、壁柱部分に発生する歪みは上下の梁間の歪みよりも
大きくなり、これにより壁柱部分が架構よりも確実に先
に降伏して外力エネルギを吸収することとなり、架構の
損傷を確実に防ぐことができる。
【0015】請求項2の耐震壁は、前記壁柱部分の壁厚
が前記上壁部分および前記下壁部分よりも薄く形成され
ていて、これによりきわめて簡単な構成で壁柱部分を上
壁部分や下壁部分よりも低耐力化できるとともに、この
際、耐震壁を形成するコンクリート量を削減することも
できる。
【0016】請求項3の耐震壁は、前記壁柱部分が前記
梁の長手方向に分割して形成されていて、その分割数や
分割する際の幅によって、壁柱部分の耐力を任意かつ自
由に設定でき、所望のエネルギ吸収性能の壁柱部分を備
えた耐震壁を形成できる。
【0017】請求項4の耐震壁の施工方法は、上記プレ
キャスト製の耐震壁の凹部に対応させて上下の梁に定着
部材を突設し、該定着部材を上記凹部に定着させて上記
耐震壁を上記上下の梁に接合するようにしたので、請求
項1の耐震壁の場合と同様に、現場で耐震壁を構築する
のとは異なり、型枠建て込み用の資材が不要になるとと
もに、型枠の建て込み・解体などの作業が必要なくなっ
て、耐震壁の構築作業の省力化を達成できる。また、打
設コンクリートの養生期間も不要となって、工期短縮を
達成できる。さらに、工場生産可能なプレキャスト製の
耐震壁を用いるので、ポンプ車の使用による騒音問題も
解決できるとともに、これに伴って作業日程の制限もな
くなって、工期を短縮化できる。
【0018】他方、コンクリートブロックを用いた従来
工法と比較しても、耐震壁を上下の梁に接合するための
定着部分は耐震壁の上下端の凹部のみであり、グラウト
材の使用量を削減できて、工費削減を達成できる。
【0019】また、耐震壁が破壊されても、グラウト材
による定着部分をはつり出して破壊された耐震壁を撤去
することで、簡単な作業で新たな耐震壁と交換すること
が可能で、容易に耐震機能を復元することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1および図
2に示すように、本発明に係る耐震壁20は、互いに間
隔を隔てて設けられた一対の柱10,10と、これら柱
10,10の上端部間および下端部間に設けられた一対
の上下の梁12,14とで構成された架構18の内部
に、柱10,10との間に空間をあけて、上下の梁1
2,14に接合して設けられる。
【0021】この耐震壁20は、比較的せいの低い上方
の上壁部分20aおよび下方の下壁部分20bと、これ
ら下壁部分20bと上壁部分20 aとの間に形成される
壁柱部分20cとからなり、これら部分がプレキャスト
により一体に形成されて構成されている。この耐震壁2
0の幅方向両側には、上壁部分20aの上端と下壁部分
20bの下端とにそれぞれ、上梁12の下面および下梁
14の上面に向かって開口されて凹部20dが形成され
ている。図示例にあっては、これら凹部20dは、上壁
部分20aおよび下壁部分20bにそれぞれ2つずつ、
これら壁部分を壁厚方向に貫通する溝として形成されて
いる。
【0022】これら上下の凹部20d,20d,20
d,20dには、上梁12の下面および下梁14の上面
のこれら凹部20d,20d,20d,20dに対応す
る箇所から当該凹部20d内に達するように突設される
アンカー16が挿入されるとともに、これらアンカー1
6が挿入された状態でグラウト材が充填されるようにな
っている。このようにして、アンカー16が凹部20d
に定着されて耐震壁20の上壁部分20aおよび下壁部
分20bが上下の梁12,14に対して接合されること
で、上下の梁間に耐震壁20が構築されることになる。
【0023】そして特に、図示するように、ほぼ等しい
壁厚で形成された上壁部分20aと下壁部分20bとに
挟まれた壁柱部分20cは、段付き部を介してこれら上
壁部分20aおよび下壁部分20bよりも薄い壁厚で形
成されて当該上壁部分20aや下壁部分20bよりも低
耐力に設定され、かつ上下梁間12,14の高さよりも
低い高さとされている。図示例では壁柱部分20cは、
上壁部分20aおよび下壁部分20bに対しそれらの壁
厚方向中央位置に形成されているが、壁厚方向のいずれ
かに位置ずれさせて形成してもよく、従って壁柱部分2
0cの壁面を上壁部分20aおよび下壁部分20bのい
ずれか一方の壁面と面一に形成してもよい。このように
すると、当該耐震壁20をプレキャスト成形する際に、
面一となる側を一連に型枠成形でき、生産性を向上する
ことができる。また、図示例では、段付き部が形成され
ているが、上壁部分20aおよび下壁部分20bと壁柱
部分20cとの間は、上壁部分20aや下壁部分20b
の壁厚を漸次減少させた傾斜面や湾曲面で形成するよう
にしてもよい。
【0024】この耐震壁20の施工方法について説明す
ると、まず、上述した耐震壁20を工場などでプレキャ
ストにより形成し、現場へと搬送する。他方、現場で
は、耐震壁20の凹部20d,20d,20d20d位
置に対応させて、上梁12の下面および下梁14の上面
にこれより架構18内へ突出させてアンカー16を設け
ておく。
【0025】次いで、架構18内へ耐震壁20を搬入
し、アンカー16と凹部20dの位置を合わせて耐震壁
20を上梁12と下梁14との間に設置する。次いで、
図示しないけれども、上壁部分20aおよび下壁部分2
0bの表裏面に、凹部20dを壁厚方向両側から塞ぐ塞
ぎ板を取り付ける。その後、塞ぎ板で囲んだ凹部20d
内にグラウト材を充填し、当該グラウト材の硬化により
凹部20dにアンカーを定着させて、耐震壁20を上梁
12と下梁14とに接合する。この際、耐震壁20の上
端縁と上梁12の下面との隙間および耐震壁20の下端
縁と下梁14の上面との隙間に、さらにグラウト材を充
填して、耐震壁20をこれら梁12,14により強固に
接合することが好ましい。そしてグラウト材が硬化した
ならば、塞ぎ板を取り外す。これにより、耐震壁20の
設置施工を完了することができる。
【0026】以上のように、本実施形態の耐震壁とその
施工方法では、耐震壁20をプレキャストにより形成す
るようにしたので、従来のように現場でコンクリートを
型枠内に打設して耐震壁20を構築するのとは異なり、
型枠建て込み用の作業用資材が不要になるとともに、型
枠の組立および解体などの作業が必要なくなって、耐震
壁20の構築作業の省力化を達成できる。また、打設コ
ンクリートの養生期間も不要となって、工期短縮を達成
できる。さらに、工場生産可能なプレキャスト製なの
で、現場でのコンクリート打設作業をなくすことができ
てポンプ車の使用による騒音問題を解決でき、これによ
る作業日程の制限もなくなって、この面からも工期を短
縮化できる。
【0027】他方、コンクリートブロックを用いた従来
工法と比較しても、耐震壁20を上下の梁12,14に
接合するための定着部分は耐震壁20の上下端の凹部2
0d,20d,20d,20dのみであり、従ってコン
クリートブロックの孔部全体にわたってグラウト材を充
填する場合よりも、その使用量を削減できて、工費削減
を達成できる。
【0028】また、耐震壁20を、上壁部分20aと下
壁部分20bとこれら下壁部分20bおよび上壁部分2
0aの間に形成される壁柱部分20cとから一体に形成
するとともに、特に壁柱部分20cの耐力をこれら上壁
部分20aおよび下壁部分20bよりも小さく設定した
ので、架構18に地震等の水平外力が加わった場合に、
耐震壁20のうち耐力を小さく設定した壁柱部分20c
にせん断応力を集中させて当該壁柱部分20cを早期に
降伏させて、この壁柱部分20cで架構18に作用する
外力エネルギを吸収させることができる。特に、水平外
力の入力によって下側の梁14に対し上側の梁12が相
対的に水平変位すると、上壁部分20aおよび下壁部分
20bを介してこれら梁12,14に連結された壁柱部
分20cの上端と下端との間には、ほぼ同じ変位量の位
置ずれが生じるが、図2に示したように壁柱部分20c
の高さh’が上下の梁12,14間の高さhよりも低い
ので、例えばh’=h/2の場合、上梁12がδだけ水
平変位すると、架構18の変形角θは、ほぼθ=δ/h
となり、この際、壁柱部分20cの変形角θ’は、θ’
=2δ/hとなって、架構18の変形量の2倍の変形量
となる。すなわち、壁柱部分20cに発生する歪みは上
下の梁12,14間の歪みよりも大きくなり、これによ
り壁柱部分20cが架構18よりも確実に先に降伏して
外力エネルギを吸収することとなり、架構18の損傷を
確実に防ぐことができる。
【0029】他方、前記壁柱部分20cの壁厚を前記上
壁部分20aおよび前記下壁部分20bよりも薄く形成
することにより、きわめて簡単な構成で壁柱部分20c
を上壁部分20aや下壁部分20bよりも低耐力化でき
るとともに、この際、耐震壁20を形成するコンクリー
ト量を削減することもできる。
【0030】また、上記施工方法によれば、特に耐震壁
20が損傷を受けたり破壊された場合でも、グラウト材
による定着部分をはつり出して損傷された耐震壁20を
撤去することにより、簡単な作業で新たな耐震壁20と
交換することが可能で、容易に耐震機能を復元すること
ができる。
【0031】ところで、上記実施形態にあっては、壁部
分を壁厚方向に貫通させて凹部20dを形成する場合を
例示したが、この凹部20dは箱抜き形状の窪み部とし
て形成してもよいことはもちろんであり、要するに梁1
2,14から突設させたアンカー16を挿入配置できる
形態であればよい。
【0032】図3および図4には、上記実施形態の変形
例が示されている。上記実施形態と異なる点は、壁柱部
分20cにスリットや隙間を形成することで、これを梁
12,14の長手方向に分割して形成したことにある。
【0033】このよう壁柱部分20cを分割すること
で、その壁厚が上壁部分20aや下壁部分20bと同じ
であっても、その耐力を低く設定することができる。壁
柱部分20cを薄くするだけでは十分な低耐力化を確保
できない場合に、これと併用して有効である。特に分割
によって低耐力化するようにすると、その分割数や分割
する際の幅によって、壁柱部分10cの耐力を任意かつ
自由に設定でき、所望のエネルギ吸収性能の壁柱部分2
0cを備えた耐震壁20を形成できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1で
は、耐震壁をプレキャストにより形成するようにしてい
て、従来のように現場でコンクリートを型枠内に打設し
て耐震壁を構築するのとは異なり、型枠建て込み用の作
業用資材が不要になるとともに、型枠の組立および解体
などの作業が必要なくなって、耐震壁の構築作業の省力
化を達成できる。また、打設コンクリートの養生期間も
不要となって、工期短縮を達成できる。さらに、工場生
産可能なプレキャスト製であるため、現場でのコンクリ
ート打設作業をなくすことができてポンプ車の使用によ
る騒音問題を解決でき、これによる作業日程の制限もな
くなって、この面からも工期を短縮化できる。
【0035】他方、コンクリートブロックを用いた従来
工法と比較しても、耐震壁を上下の梁に接合するための
定着部分は耐震壁の上下端の凹部のみであり、従ってコ
ンクリートブロックの孔部全体にわたってグラウト材を
充填する場合よりも、その使用量を削減できて、工費削
減を達成できる。
【0036】また、耐震壁は、上壁部分と下壁部分とこ
れら下壁部分および上壁部分の間に形成される壁柱部分
とから一体に形成されているとともに、特に壁柱部分の
耐力がこれら上壁部分および下壁部分よりも小さく設定
されていて、架構に地震等の水平外力が加わった場合
に、耐震壁のうち耐力の小さく設定された壁柱部分にせ
ん断応力が集中し当該壁柱部分が早期に降伏して、この
壁柱部分で架構に作用する外力エネルギを吸収すること
ができる。特に、水平外力の入力によって下側の梁に対
し上側の梁が相対的に水平変位すると、上壁部分および
下壁部分を介してこれら梁に連結された壁柱部分の上端
と下端との間には、ほぼ同じ変位量の位置ずれが生じる
が、壁柱部分の高さが上下の梁間の高さよりも低いの
で、壁柱部分に発生する歪みは上下の梁間の歪みよりも
大きくなり、これにより壁柱部分が架構よりも確実に先
に降伏して外力エネルギを吸収することとなり、架構の
損傷を確実に防ぐことができる。
【0037】請求項2の耐震壁は、前記壁柱部分の壁厚
が前記上壁部分および前記下壁部分よりも薄く形成され
ていて、これによりきわめて簡単な構成で壁柱部分を上
壁部分や下壁部分よりも低耐力化できるとともに、この
際、耐震壁を形成するコンクリート量を削減することも
できる。
【0038】請求項3の耐震壁は、前記壁柱部分が前記
梁の長手方向に分割して形成されていて、その分割数や
分割する際の幅によって、壁柱部分の耐力を任意かつ自
由に設定でき、所望のエネルギ吸収性能の壁柱部分を備
えた耐震壁を形成できる。
【0039】請求項4の耐震壁の施工方法は、上記プレ
キャスト製の耐震壁の凹部に対応させて上下の梁に定着
部材を突設し、該定着部材を上記凹部に定着させて上記
耐震壁を上記上下の梁に接合するようにしたので、請求
項1の耐震壁の場合と同様に、現場で耐震壁を構築する
のとは異なり、型枠建て込み用の資材が不要になるとと
もに、型枠の建て込み・解体などの作業が必要なくなっ
て、耐震壁の構築作業の省力化を達成できる。また、打
設コンクリートの養生期間も不要となって、工期短縮を
達成できる。さらに、工場生産可能なプレキャスト製の
耐震壁を用いるので、ポンプ車の使用による騒音問題も
解決できるとともに、これに伴って作業日程の制限もな
くなって、工期を短縮化できる。
【0040】他方、コンクリートブロックを用いた従来
工法と比較しても、耐震壁を上下の梁に接合するための
定着部分は耐震壁の上下端の凹部のみであり、グラウト
材の使用量を削減できて、工費削減を達成できる。
【0041】また、耐震壁が破壊されても、グラウト材
による定着部分をはつり出して破壊された耐震壁を撤去
することで、簡単な作業で新たな耐震壁と交換すること
が可能で、容易に耐震機能を復元することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプレキャスト耐震補強壁を上下の梁間
に設けた第1実施形態を示す正面図である。
【図2】本発明のプレキャスト耐震補強壁を上下の梁間
に設けた第1実施形態を示す側面図である。
【図3】本発明のプレキャスト耐震補強壁を上下の梁間
に設けた第2の実施形態を示す正面図である
【図4】本発明のプレキャスト耐震補強壁を上下の梁間
に設けた第2の実施形態を示す側面図である。
【符号の説明】
10 柱 12,14 梁 16 アンカー 18 架構 20 耐震壁 20a 上壁部分 20b 下壁部分 20c 壁柱部分 20d 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E002 EB13 FB02 FB25 JA01 JA02 JB09 MA09 MA12 3J066 AA26 BA03 BB01 BB04 BC03 BF02 BG01 BG05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下の梁間に設けられる耐震壁におい
    て、 上側の上記梁から突設される定着部材を定着させる凹部
    を上端に有して、該上側の梁に接合される上壁部分と、
    下側の上記梁から突設される定着部材を定着させる凹部
    を下端に有して、該下側の梁に接合される下壁部分と、
    これら下壁部分と上壁部分との間に形成される壁柱部分
    とをプレキャストにより一体に形成するとともに、該壁
    柱部分の耐力をこれら上壁部分および下壁部分よりも小
    さく設定したことを特徴とする耐震壁。
  2. 【請求項2】 前記壁柱部分の壁厚が前記上壁部分およ
    び前記下壁部分よりも薄く形成されることを特徴とする
    請求項1に記載の耐震壁。
  3. 【請求項3】 前記壁柱部分が前記梁の長手方向に分割
    して形成されることを特徴とする請求項1または2に記
    載の耐震壁。
  4. 【請求項4】 上下の梁間に設けられる耐震壁の施工方
    法において、 上端に凹部を有し、上側の梁に接合される上壁部分と、
    下端に凹部を有し、下側の梁に接合される下壁部分と、
    該下壁部分と上記上壁部分との間に形成されこれら壁部
    分よりも低耐力な壁柱部分とからなる耐震壁をプレキャ
    ストにより一体に形成するとともに、 上記上下の梁に上記凹部に対応させて定着部材を突設
    し、 該定着部材を上記凹部に定着させて上記耐震壁を上記上
    下の梁に接合するようにしたことを特徴とする耐震壁の
    施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008231827A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Kajima Corp 補強コンクリートブロック造壁体及びその施工方法
CN106760053A (zh) * 2016-12-29 2017-05-31 河北建筑工程学院 可复位刚性连接的装配式钢框架填充墙体系及其施工方法
JP2018197474A (ja) * 2017-05-24 2018-12-13 積水ハウス株式会社 壁部材と基礎の接合構造

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