JP2000128803A - ティッシュ・ファクター・パスウェイ・インヒビター−2抗体 - Google Patents
ティッシュ・ファクター・パスウェイ・インヒビター−2抗体Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ティッシュ・ファクター・パスウェイ・インヒ
ビター(TFPI)−2の生理的な役割を直接明らかに
することを可能にするとともに、TFPI−2の関与す
る種々の病態の解明または治療法の研究のために、TF
PI−1と交叉反応しない、TFPI−2に特異的な抗
体等を提供すること。 【解決手段】TFPI−1とは交叉反応しない、TFP
I−2に特異的な抗体またはその断片、かかる抗体また
はその断片を有効成分として含有してなる血管平滑筋増
殖調節剤、およびかかる抗体またはその断片を含有して
なる血管の増殖に関連する疾患の診断薬。
ビター(TFPI)−2の生理的な役割を直接明らかに
することを可能にするとともに、TFPI−2の関与す
る種々の病態の解明または治療法の研究のために、TF
PI−1と交叉反応しない、TFPI−2に特異的な抗
体等を提供すること。 【解決手段】TFPI−1とは交叉反応しない、TFP
I−2に特異的な抗体またはその断片、かかる抗体また
はその断片を有効成分として含有してなる血管平滑筋増
殖調節剤、およびかかる抗体またはその断片を含有して
なる血管の増殖に関連する疾患の診断薬。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗体に関する。さ
らに詳しくは、ティッシュ・ファクター・パスウェイ・
インヒビター−2抗体またはその断片、ならびにかかる
抗体またはその断片を含有する血管平滑筋増殖調節剤お
よび診断薬に関する。
らに詳しくは、ティッシュ・ファクター・パスウェイ・
インヒビター−2抗体またはその断片、ならびにかかる
抗体またはその断片を含有する血管平滑筋増殖調節剤お
よび診断薬に関する。
【0002】
【従来の技術】血管平滑筋細胞の増殖は、動脈硬化や経
皮経管冠状動脈形成術後の再狭窄の病因と密接に関連し
ている(Ross, R. (1993) Nature 362, 801-809 )。血
管内皮細胞は、種々の機構からなる抗血栓性機能をも
ち、血液の流動性を維持する一方、傷害を受けた場合に
は、速やかに血栓を形成して傷害部位を保護する血栓性
機能ももっている。このような相反する機能をもつ内皮
細胞により、血液の恒常性が維持されており、そのバラ
ンスが動脈硬化等により崩れると、心筋梗塞や脳梗塞等
の種々の循環器疾患が引き起こされると考えられる。内
皮細胞の抗血栓性については、細胞表面に存在するアン
チトロンビンIII やトロンボモジュリンによる抗凝固作
用や、プロスタグランジンI2 (PGI2 )の産生によ
る抗血小板作用、組織プラスミノーゲンアクチベーター
(t−PA)の産生やプラスミノーゲンの結合による線
溶促進活性等が知られている。
皮経管冠状動脈形成術後の再狭窄の病因と密接に関連し
ている(Ross, R. (1993) Nature 362, 801-809 )。血
管内皮細胞は、種々の機構からなる抗血栓性機能をも
ち、血液の流動性を維持する一方、傷害を受けた場合に
は、速やかに血栓を形成して傷害部位を保護する血栓性
機能ももっている。このような相反する機能をもつ内皮
細胞により、血液の恒常性が維持されており、そのバラ
ンスが動脈硬化等により崩れると、心筋梗塞や脳梗塞等
の種々の循環器疾患が引き起こされると考えられる。内
皮細胞の抗血栓性については、細胞表面に存在するアン
チトロンビンIII やトロンボモジュリンによる抗凝固作
用や、プロスタグランジンI2 (PGI2 )の産生によ
る抗血小板作用、組織プラスミノーゲンアクチベーター
(t−PA)の産生やプラスミノーゲンの結合による線
溶促進活性等が知られている。
【0003】最近、抗凝固活性を有する新しいタイプの
インヒビターが血管内皮細胞で産生されることが明らか
となり、注目されるようになった。このインヒビター、
即ち、ティッシュ・ファクター・パスウェイ・インヒビ
ター(Tissue Facter PathwayInhibitor:TFPI)
(TFPIは、TFPI−1と称されることもあり、以
下TFPI−1と略す)は、血管内皮細胞で合成され、
内皮上または血漿中に存在する(Jesty, J. ら、(1994)
Biochemistry 33, 12686-12694; Sprecher, C.A.ら、
(1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91, 3353-3357; P
eterson, L. C.ら、(1996) Biochemistry 35, 266-272
)。TFPI−1は、外因性の凝固経路の初期工程を
阻害し、鬱血を調節する。TFPI−1は、第Xa因子
のインヒビター、または第Xa因子存在下での第VIIa
因子−組織因子(TF)複合体のインヒビターである。
TFPI−1は、3つのタンデムドメインを有するKuni
tz型プロテアーゼインヒビターである。第1の阻害ドメ
インは、第VIIa因子/TF複合体と相互作用し、複合
体:第Xa因子/TFPI−1/第VIIa因子/TFを
形成することにより、第VIIa因子/TF複合体の蛋白
分解活性を阻害する。第VIIa因子/TF複合体は、第
X因子および第IX因子を活性な酵素に変換する。第2
のドメインは、第Xa因子と相互作用し、直接第Xa因
子を阻害する。第3の阻害ドメインの機能は、ヘパリン
との結合である。第Va因子とともに第Xa因子は、プ
ロトロンビンをトロンビンに開裂させ、フィブリンクロ
ットの発生に導く。
インヒビターが血管内皮細胞で産生されることが明らか
となり、注目されるようになった。このインヒビター、
即ち、ティッシュ・ファクター・パスウェイ・インヒビ
ター(Tissue Facter PathwayInhibitor:TFPI)
(TFPIは、TFPI−1と称されることもあり、以
下TFPI−1と略す)は、血管内皮細胞で合成され、
内皮上または血漿中に存在する(Jesty, J. ら、(1994)
Biochemistry 33, 12686-12694; Sprecher, C.A.ら、
(1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91, 3353-3357; P
eterson, L. C.ら、(1996) Biochemistry 35, 266-272
)。TFPI−1は、外因性の凝固経路の初期工程を
阻害し、鬱血を調節する。TFPI−1は、第Xa因子
のインヒビター、または第Xa因子存在下での第VIIa
因子−組織因子(TF)複合体のインヒビターである。
TFPI−1は、3つのタンデムドメインを有するKuni
tz型プロテアーゼインヒビターである。第1の阻害ドメ
インは、第VIIa因子/TF複合体と相互作用し、複合
体:第Xa因子/TFPI−1/第VIIa因子/TFを
形成することにより、第VIIa因子/TF複合体の蛋白
分解活性を阻害する。第VIIa因子/TF複合体は、第
X因子および第IX因子を活性な酵素に変換する。第2
のドメインは、第Xa因子と相互作用し、直接第Xa因
子を阻害する。第3の阻害ドメインの機能は、ヘパリン
との結合である。第Va因子とともに第Xa因子は、プ
ロトロンビンをトロンビンに開裂させ、フィブリンクロ
ットの発生に導く。
【0004】一方、TFPI−2は、TFPI−1と構
造上類似している(Sprecher, C. A. ら、(1994) Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 91, 3353-3357; Peterson, L.
C.ら、(1996) Biochemistry 35, 266-272 )。TFPI
−2は、短い酸性アミノ末端領域、3つのタンデムKuni
tz型プロテアーゼ阻害ドメインおよび塩基性アミノ酸に
富むカルボキシ末端尾部を有する。TFPI−2は、ト
リプシンのアミド分解活性およびヒト第VIIa因子とT
Fの複合体の活性を阻害する。TFPI−2は、TFP
I−1と比べて、第Xa因子のアミド分解活性に関して
は弱い阻害活性しか示さない。TFPI−2は、胎盤蛋
白質5、即ち、PP5と同一の蛋白質である(Miyagi,
Y.ら、(1994) J. Biochem. 116, 939-942 )。TFPI
−2(PP5)は、以前に報告された第VIIa因子/T
F複合体およびトリプシンを阻害する能力に加え、第X
Ia因子、プラスミン、血漿カリクレインおよびキモトリ
プシンの強いインヒビターである。
造上類似している(Sprecher, C. A. ら、(1994) Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 91, 3353-3357; Peterson, L.
C.ら、(1996) Biochemistry 35, 266-272 )。TFPI
−2は、短い酸性アミノ末端領域、3つのタンデムKuni
tz型プロテアーゼ阻害ドメインおよび塩基性アミノ酸に
富むカルボキシ末端尾部を有する。TFPI−2は、ト
リプシンのアミド分解活性およびヒト第VIIa因子とT
Fの複合体の活性を阻害する。TFPI−2は、TFP
I−1と比べて、第Xa因子のアミド分解活性に関して
は弱い阻害活性しか示さない。TFPI−2は、胎盤蛋
白質5、即ち、PP5と同一の蛋白質である(Miyagi,
Y.ら、(1994) J. Biochem. 116, 939-942 )。TFPI
−2(PP5)は、以前に報告された第VIIa因子/T
F複合体およびトリプシンを阻害する能力に加え、第X
Ia因子、プラスミン、血漿カリクレインおよびキモトリ
プシンの強いインヒビターである。
【0005】血液凝固系における前記性質に加え、TF
PI−1の種々の動脈における内膜または平滑筋細胞に
対する抗増殖作用が報告されている。動脈硬化ウサギの
動脈損傷モデルにおいて、組換えTFPI−1での処置
は、血管造影上の再狭窄を低下させ、新生内膜過形成を
減少させた(Jang, Y.ら、(1995) Circulation 92, 304
1-3050)。ミニブタの頸動脈でのバルーン誘導性動脈損
傷後の最初の24時間における組換えTFPI−1投与
によるTF仲介性凝固の阻害は、その後の新生内膜形成
と管腔の狭窄を減少させるのに効果があるように思われ
る(Oltrona, L. ら、(1997) Circulation 96, 646-65
2)。組換えTFPI−1は、培養ヒト新生児大動脈平
滑筋細胞に対して増殖阻害活性を示す(Kamikubo, Y.
ら、(1997) FEBS Lett. 407, 116-120)。このように、
TFPI−1は、種々の作用が明らかになり、医薬品へ
の応用研究が活発に行なわれているのに対し、構造上類
似のTFPI−2に関してはその生理学的機能はほとん
ど知られていない。
PI−1の種々の動脈における内膜または平滑筋細胞に
対する抗増殖作用が報告されている。動脈硬化ウサギの
動脈損傷モデルにおいて、組換えTFPI−1での処置
は、血管造影上の再狭窄を低下させ、新生内膜過形成を
減少させた(Jang, Y.ら、(1995) Circulation 92, 304
1-3050)。ミニブタの頸動脈でのバルーン誘導性動脈損
傷後の最初の24時間における組換えTFPI−1投与
によるTF仲介性凝固の阻害は、その後の新生内膜形成
と管腔の狭窄を減少させるのに効果があるように思われ
る(Oltrona, L. ら、(1997) Circulation 96, 646-65
2)。組換えTFPI−1は、培養ヒト新生児大動脈平
滑筋細胞に対して増殖阻害活性を示す(Kamikubo, Y.
ら、(1997) FEBS Lett. 407, 116-120)。このように、
TFPI−1は、種々の作用が明らかになり、医薬品へ
の応用研究が活発に行なわれているのに対し、構造上類
似のTFPI−2に関してはその生理学的機能はほとん
ど知られていない。
【0006】なお、最近、TFPI−2を認識する抗体
を含む診断薬が市販されているが、かかる抗体はTFP
I−1とも交叉反応することから、該抗体を用いた診断
では明確な病態との関連性を明らかにすることができな
いのが現状である。
を含む診断薬が市販されているが、かかる抗体はTFP
I−1とも交叉反応することから、該抗体を用いた診断
では明確な病態との関連性を明らかにすることができな
いのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、TFPI−2の生理的
な役割を直接明らかにすることを可能にするとともに、
TFPI−2の関与する種々の病態の解明または治療法
の研究のために、TFPI−1と交叉反応しない、TF
PI−2に特異的な抗体等を提供することを目的とす
る。
術に鑑みてなされたものであり、TFPI−2の生理的
な役割を直接明らかにすることを可能にするとともに、
TFPI−2の関与する種々の病態の解明または治療法
の研究のために、TFPI−1と交叉反応しない、TF
PI−2に特異的な抗体等を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、平滑筋の
細胞増殖に関する内皮細胞の効果を研究するために、培
養ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)で覆われた1.
0μmの膜を有する培養挿入物とウシ大動脈平滑筋細胞
で覆われたマイクロテストプレートを用いて調べたとこ
ろ、当該内皮細胞が挿入物中に存在する場合、当該平滑
筋細胞の増殖が見られた。そこで、培養HUVECのコ
ンディション培地から平滑筋細胞の増殖活性(すなわ
ち、マイトジェン活性)を有する物質を精製し、そのN
末端アミノ酸配列を分析したところ、意外にも、当該マ
イトジェン物質は、血管平滑筋細胞に対して増殖阻害活
性を有するTFPI−1と構造の類似したTFPI−2
であることを発見した。さらに、本発明者らは、精製し
た組換えTFPI−2を抗原としてTFPI−2に特異
的な抗体を作製し、本発明を完成するに至った。
細胞増殖に関する内皮細胞の効果を研究するために、培
養ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)で覆われた1.
0μmの膜を有する培養挿入物とウシ大動脈平滑筋細胞
で覆われたマイクロテストプレートを用いて調べたとこ
ろ、当該内皮細胞が挿入物中に存在する場合、当該平滑
筋細胞の増殖が見られた。そこで、培養HUVECのコ
ンディション培地から平滑筋細胞の増殖活性(すなわ
ち、マイトジェン活性)を有する物質を精製し、そのN
末端アミノ酸配列を分析したところ、意外にも、当該マ
イトジェン物質は、血管平滑筋細胞に対して増殖阻害活
性を有するTFPI−1と構造の類似したTFPI−2
であることを発見した。さらに、本発明者らは、精製し
た組換えTFPI−2を抗原としてTFPI−2に特異
的な抗体を作製し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、(1) ティ
ッシュ・ファクター・パスウェイ・インヒビター(TF
PI)−1とは交叉反応しない、TFPI−2に特異的
な抗体またはその断片、(2) TFPI−2がヒト由
来である前記(1)記載の抗体またはその断片、(3)
前記(1)または(2)記載の抗体またはその断片を
有効成分として含有してなる血管平滑筋増殖調節剤、
(4) 前記(1)または(2)記載の抗体またはその
断片を含有してなる、血管の増殖に関連する疾患の診断
薬、に関する。
ッシュ・ファクター・パスウェイ・インヒビター(TF
PI)−1とは交叉反応しない、TFPI−2に特異的
な抗体またはその断片、(2) TFPI−2がヒト由
来である前記(1)記載の抗体またはその断片、(3)
前記(1)または(2)記載の抗体またはその断片を
有効成分として含有してなる血管平滑筋増殖調節剤、
(4) 前記(1)または(2)記載の抗体またはその
断片を含有してなる、血管の増殖に関連する疾患の診断
薬、に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の抗体またはその断片は、
ティッシュ・ファクター・パスウェイ・インヒビター
(TFPI)−2に特異的な抗体またはその断片であっ
て、かつ、TFPI−1とは交叉反応しない抗体または
その断片である。
ティッシュ・ファクター・パスウェイ・インヒビター
(TFPI)−2に特異的な抗体またはその断片であっ
て、かつ、TFPI−1とは交叉反応しない抗体または
その断片である。
【0011】本発明の抗体またはその断片は、TFPI
−1とは交叉反応しない限り、モノクローナル抗体、ポ
リクローナル抗体またはそれらの断片のいずれでもよ
い。かかる抗体のクラスは、IgA、IgD、IgE、
IgGおよびIgMが挙げられるが、IgGが好まし
い。ここで抗体断片には、Fab、F(ab)2 および
Fcが含まれる。
−1とは交叉反応しない限り、モノクローナル抗体、ポ
リクローナル抗体またはそれらの断片のいずれでもよ
い。かかる抗体のクラスは、IgA、IgD、IgE、
IgGおよびIgMが挙げられるが、IgGが好まし
い。ここで抗体断片には、Fab、F(ab)2 および
Fcが含まれる。
【0012】本発明の抗体またはその断片が認識し、当
該抗体を作製するための抗原としても用いられるTFP
I−2としては、ヒト、ウサギ、ラット等の哺乳動物由
来のものが挙げられるが、配列番号:1に記載のヒト由
来のTFPI−2が好ましい。TFPI−2は、天然の
蛋白質、組換え蛋白質のいずれでもよく、抗原性を有す
る限りかかる蛋白質の部分ペプチドであってもよい。
該抗体を作製するための抗原としても用いられるTFP
I−2としては、ヒト、ウサギ、ラット等の哺乳動物由
来のものが挙げられるが、配列番号:1に記載のヒト由
来のTFPI−2が好ましい。TFPI−2は、天然の
蛋白質、組換え蛋白質のいずれでもよく、抗原性を有す
る限りかかる蛋白質の部分ペプチドであってもよい。
【0013】TFPI−2の製造方法としては、例え
ば、天然のTFPI−2を発現している細胞のコンディ
ション培地から、マイトジェン活性を指標にして、天然
のTFPI−2を精製する方法と、TFPI−2をコー
ドするDNAを発現ベクターに組み込んで適当な宿主で
発現させた後に発現した組換えTFPI−2を精製する
方法とが挙げられる。
ば、天然のTFPI−2を発現している細胞のコンディ
ション培地から、マイトジェン活性を指標にして、天然
のTFPI−2を精製する方法と、TFPI−2をコー
ドするDNAを発現ベクターに組み込んで適当な宿主で
発現させた後に発現した組換えTFPI−2を精製する
方法とが挙げられる。
【0014】天然のTFPI−2を精製する方法は、例
えば、参考例1に記載のように、ヒト臍帯静脈内皮細胞
(HUVEC)のコンディション培地を限外濾過により
濃縮し、ヘパリンアフィニティーカラムを用いてマイト
ジェン活性画分を溶出した後、ProRPC HR 5/10カラム
(Amersham Pharmacia Biotech社製) を用いるLC−6
A高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システム
(Shimadzu社製) によりマイトジェン活性画分を溶出す
る方法である。
えば、参考例1に記載のように、ヒト臍帯静脈内皮細胞
(HUVEC)のコンディション培地を限外濾過により
濃縮し、ヘパリンアフィニティーカラムを用いてマイト
ジェン活性画分を溶出した後、ProRPC HR 5/10カラム
(Amersham Pharmacia Biotech社製) を用いるLC−6
A高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システム
(Shimadzu社製) によりマイトジェン活性画分を溶出す
る方法である。
【0015】組換えTFPI−2を精製する方法は、例
えば、参考例2〜4に記載のように、TFPI−2のc
DNAをPCR等により調製し、哺乳動物発現ベクター
pK4Kにクローニングした発現ベクターを構築した
後、ベビーハムスター腎(BHK)tk- ts13細胞
等にリン酸カルシウム沈殿法等により形質転換し、メト
トレキサート(MTX)等による選別の後、コンディシ
ョン培地を回収し、前記天然のTFPI−2と同様に精
製する方法である。
えば、参考例2〜4に記載のように、TFPI−2のc
DNAをPCR等により調製し、哺乳動物発現ベクター
pK4Kにクローニングした発現ベクターを構築した
後、ベビーハムスター腎(BHK)tk- ts13細胞
等にリン酸カルシウム沈殿法等により形質転換し、メト
トレキサート(MTX)等による選別の後、コンディシ
ョン培地を回収し、前記天然のTFPI−2と同様に精
製する方法である。
【0016】本明細書において「TFPI−1とは交叉
反応しない」とは、TFPI−2抗体を用いた通常の酵
素免疫アッセイ(EIA)システムでTFPI−1を測
定することができないこと、またはTFPI−1および
TFPI−2を常法によりSDS−ポリアクリルアミド
電気泳動(SDS−PAGE)に付してウエスタンブロ
ッティングした後、TFPI−2抗体によりTFPI−
2しか検出できないことをいう。
反応しない」とは、TFPI−2抗体を用いた通常の酵
素免疫アッセイ(EIA)システムでTFPI−1を測
定することができないこと、またはTFPI−1および
TFPI−2を常法によりSDS−ポリアクリルアミド
電気泳動(SDS−PAGE)に付してウエスタンブロ
ッティングした後、TFPI−2抗体によりTFPI−
2しか検出できないことをいう。
【0017】本発明の抗TFPI−2抗体は、例えば、
Antibodies; A Laboratory Manual, Lane.H.D.ら
編、Cold Spring Harber Laboratory Press 出版 N
ew York 1989年などに記載の方法に従って、前記精製
したTFPI−2を抗原として用いて適切な方法で適切
な動物を免疫することにより、TFPI−2を認識する
抗体またはその活性を中和する抗体を容易に作製し、精
製することができる。さらに、作製された抗体がTFP
I−1とは交叉反応しないことを確認することにより、
TFPI−2に特異的な抗体が得られる。
Antibodies; A Laboratory Manual, Lane.H.D.ら
編、Cold Spring Harber Laboratory Press 出版 N
ew York 1989年などに記載の方法に従って、前記精製
したTFPI−2を抗原として用いて適切な方法で適切
な動物を免疫することにより、TFPI−2を認識する
抗体またはその活性を中和する抗体を容易に作製し、精
製することができる。さらに、作製された抗体がTFP
I−1とは交叉反応しないことを確認することにより、
TFPI−2に特異的な抗体が得られる。
【0018】本発明の抗TFPI−2抗体の断片は、前
記精製された抗体にパパイン、ペプシン等の蛋白分解酵
素を作用させることにより得られる。
記精製された抗体にパパイン、ペプシン等の蛋白分解酵
素を作用させることにより得られる。
【0019】抗体またはその断片の用途としては、アフ
ィニティークロマトグラフィーやcDNAライブラリー
のスクリーニング等の研究用試薬、免疫学的診断薬、医
薬等が挙げられる。
ィニティークロマトグラフィーやcDNAライブラリー
のスクリーニング等の研究用試薬、免疫学的診断薬、医
薬等が挙げられる。
【0020】また、本発明は、前記抗体またはその断片
を有効成分として含有する血管平滑筋増殖調節剤を提供
する。
を有効成分として含有する血管平滑筋増殖調節剤を提供
する。
【0021】本発明の抗体またはその断片を血管平滑筋
増殖調節剤に含有させる場合には、その形状は、溶液
状、懸濁状、乳液状、凍結乾燥品等とすることができ
る。凍結乾燥品は、使用直前に適当な溶媒、塩水、緩衝
液等に溶解して用いる。
増殖調節剤に含有させる場合には、その形状は、溶液
状、懸濁状、乳液状、凍結乾燥品等とすることができ
る。凍結乾燥品は、使用直前に適当な溶媒、塩水、緩衝
液等に溶解して用いる。
【0022】本発明の抗体またはその断片は、TFPI
−2に特異的に結合して、その活性を中和する作用を有
するので、かかる抗体またはその断片を有効成分として
含有する本発明の血管平滑筋増殖調節剤は、以下のよう
な効果を奏する。即ち、TFPI−2の血管平滑筋細胞
の増殖促進作用、血液凝固作用の阻害等をイン・ビボま
たはイン・ビトロで阻止することが可能である。さら
に、TFPI−2が関与する疾患の治療剤または予防剤
としても有用である。
−2に特異的に結合して、その活性を中和する作用を有
するので、かかる抗体またはその断片を有効成分として
含有する本発明の血管平滑筋増殖調節剤は、以下のよう
な効果を奏する。即ち、TFPI−2の血管平滑筋細胞
の増殖促進作用、血液凝固作用の阻害等をイン・ビボま
たはイン・ビトロで阻止することが可能である。さら
に、TFPI−2が関与する疾患の治療剤または予防剤
としても有用である。
【0023】本発明の血管平滑筋増殖剤を前記疾患の治
療剤または予防剤として使用する場合、非経口的に投与
することが好ましい。即ち、液剤、乳剤、懸濁液剤、リ
ポソーム剤等として静脈内、皮下、筋肉内等に注射する
ことができ、坐剤として直腸投与することもできる。こ
のような剤形は、医薬として許容される通常の担体、賦
形剤、結合剤、安定剤、乳化剤、緩衝剤、溶解補助剤、
等張剤等と本発明の抗体またはその断片とを配合するこ
とにより製造することができる。
療剤または予防剤として使用する場合、非経口的に投与
することが好ましい。即ち、液剤、乳剤、懸濁液剤、リ
ポソーム剤等として静脈内、皮下、筋肉内等に注射する
ことができ、坐剤として直腸投与することもできる。こ
のような剤形は、医薬として許容される通常の担体、賦
形剤、結合剤、安定剤、乳化剤、緩衝剤、溶解補助剤、
等張剤等と本発明の抗体またはその断片とを配合するこ
とにより製造することができる。
【0024】本発明の血管平滑筋増殖調節剤の投与量
は、治療または予防目的の疾患、患者の年齢、体重等に
より適宜調整することができるが、通常1回につき0.00
01mg〜1000mg、好ましくは0.001mg 〜1000mgであり、こ
れを1日当たり1〜3回程度投与するのが好ましい。
は、治療または予防目的の疾患、患者の年齢、体重等に
より適宜調整することができるが、通常1回につき0.00
01mg〜1000mg、好ましくは0.001mg 〜1000mgであり、こ
れを1日当たり1〜3回程度投与するのが好ましい。
【0025】さらに、本発明は、本発明の抗体またはそ
の断片を含有する診断薬を提供する。
の断片を含有する診断薬を提供する。
【0026】本発明の抗体またはその断片を診断薬に含
有させるために、その形状を、溶液状、懸濁状、乳液
状、凍結乾燥品等とすることができる。凍結乾燥品は、
使用直前に適当な溶媒、塩水、緩衝液等に溶解して用い
る。抗体またはその断片の含有量は、用いる診断方法に
応じて適宜決定すればよい。
有させるために、その形状を、溶液状、懸濁状、乳液
状、凍結乾燥品等とすることができる。凍結乾燥品は、
使用直前に適当な溶媒、塩水、緩衝液等に溶解して用い
る。抗体またはその断片の含有量は、用いる診断方法に
応じて適宜決定すればよい。
【0027】本発明の診断薬は、免疫学的診断法に用い
られることが好ましく、具体的には、イムノブロット
法、放射免疫測定法(RIA)、酵素免疫測定法(EL
ISA)、蛍光測定法または発光測定法等が挙げられ
る。
られることが好ましく、具体的には、イムノブロット
法、放射免疫測定法(RIA)、酵素免疫測定法(EL
ISA)、蛍光測定法または発光測定法等が挙げられ
る。
【0028】さらに、当該診断薬は、目的の診断法に応
じて、免疫学的反応を行なうための試薬、かかる反応の
検出用試薬を含んでもよい。免疫学的反応を行なうため
の試薬としては、緩衝剤、塩等が挙げられる。検出用試
薬としては、本発明の抗体もしくはその断片、または本
発明の抗体もしくはその断片と抗原との複合体を認識す
る標識された二次抗体、標識に対応した基質等の通常の
免疫学的診断法に用いられる試薬が挙げられる。ここで
標識とは、ビオチン、アルカリフォスファターゼ等が例
示される。
じて、免疫学的反応を行なうための試薬、かかる反応の
検出用試薬を含んでもよい。免疫学的反応を行なうため
の試薬としては、緩衝剤、塩等が挙げられる。検出用試
薬としては、本発明の抗体もしくはその断片、または本
発明の抗体もしくはその断片と抗原との複合体を認識す
る標識された二次抗体、標識に対応した基質等の通常の
免疫学的診断法に用いられる試薬が挙げられる。ここで
標識とは、ビオチン、アルカリフォスファターゼ等が例
示される。
【0029】本発明の診断薬は、従来の診断薬とは異な
り、TFPI−2が関与する疾患を特異的に診断すると
いう効果を奏する。
り、TFPI−2が関与する疾患を特異的に診断すると
いう効果を奏する。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、これらは本発明の限定を意図するものでは
ない。
説明するが、これらは本発明の限定を意図するものでは
ない。
【0031】参考例1 TFPI−2の精製 ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)は、ワリイシ(War
iishi, S.)ら、Biochem. Biophys. Res. Commun. 216,
729-735 (1995)に記載の方法に従って培養し、そのコン
ディション培地からTFPI−2を精製した。800m
lのコンディション培地を、4℃で限外濾過膜(YM1
0、Amicon社製) により20mlに濃縮した。この20
mlの溶液を、予め50mM Tris−HCl(pH
7.4)で平衡化させておいたHiTrap Heparinアフィニ
ティーカラム(5ml、AmershamPharmacia Biotech社
製) にかけた。試料の適用後、当該カラムを50mlの
50mM Tris−HCl(pH7.4)溶液で洗浄
した。TFPI−2を含むマイトジェン活性画分は、1
M NaClを含む50mM Tris−HCl(pH
7.4)の20mlで溶出された。溶出液をCentriprep
10 (Amicon社製)で0.5mlまで濃縮した。当該濃
縮液を、LC−6A高速液体クロマトグラフィー(HP
LC)システム(Shimadzu社製) を用いて、ProRPC HR
5/10カラム(Amersham Pharmacia Biotech社製) に注入
した。流速は1ml/分であり、280nmでピークを
モニターした。当該カラムを、15%アセトニトリル中
0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)から100%アセ
トニトリル中0.1%TFAまで形成された勾配で溶出
した(図1)。カラムから溶出したマイトジェン活性画
分を凍結乾燥させた。マイトジェン活性は、後述の参考
例5に記載の方法を用いて測定した。
iishi, S.)ら、Biochem. Biophys. Res. Commun. 216,
729-735 (1995)に記載の方法に従って培養し、そのコン
ディション培地からTFPI−2を精製した。800m
lのコンディション培地を、4℃で限外濾過膜(YM1
0、Amicon社製) により20mlに濃縮した。この20
mlの溶液を、予め50mM Tris−HCl(pH
7.4)で平衡化させておいたHiTrap Heparinアフィニ
ティーカラム(5ml、AmershamPharmacia Biotech社
製) にかけた。試料の適用後、当該カラムを50mlの
50mM Tris−HCl(pH7.4)溶液で洗浄
した。TFPI−2を含むマイトジェン活性画分は、1
M NaClを含む50mM Tris−HCl(pH
7.4)の20mlで溶出された。溶出液をCentriprep
10 (Amicon社製)で0.5mlまで濃縮した。当該濃
縮液を、LC−6A高速液体クロマトグラフィー(HP
LC)システム(Shimadzu社製) を用いて、ProRPC HR
5/10カラム(Amersham Pharmacia Biotech社製) に注入
した。流速は1ml/分であり、280nmでピークを
モニターした。当該カラムを、15%アセトニトリル中
0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)から100%アセ
トニトリル中0.1%TFAまで形成された勾配で溶出
した(図1)。カラムから溶出したマイトジェン活性画
分を凍結乾燥させた。マイトジェン活性は、後述の参考
例5に記載の方法を用いて測定した。
【0032】表1に、増殖を停止したウシ大動脈平滑筋
細胞に対する各精製工程におけるマイトジェン画分の活
性を示す。前記一連の精製工程により、HUVECの濃
縮コンディション培地からマイトジェン活性を有する物
質が約420倍に精製されたことが明らかとなった。
細胞に対する各精製工程におけるマイトジェン画分の活
性を示す。前記一連の精製工程により、HUVECの濃
縮コンディション培地からマイトジェン活性を有する物
質が約420倍に精製されたことが明らかとなった。
【0033】
【表1】
【0034】前記最終精製工程後のマイトジェン活性画
分(0.1μg)を、Phast System(Amersham Pharmac
ia Biotech社製) を用いて、SDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(PAGE)に付した。泳動後の蛋白質
は、クーマシーブリリアントブルーで染色した。使用し
た分子量マーカーは、Amersham Pharmacia Biotech社製
から入手した。この結果、32kDaの分子量を有する
蛋白質が精製されたことがわかった(図2、レーン
B)。
分(0.1μg)を、Phast System(Amersham Pharmac
ia Biotech社製) を用いて、SDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(PAGE)に付した。泳動後の蛋白質
は、クーマシーブリリアントブルーで染色した。使用し
た分子量マーカーは、Amersham Pharmacia Biotech社製
から入手した。この結果、32kDaの分子量を有する
蛋白質が精製されたことがわかった(図2、レーン
B)。
【0035】精製された蛋白質を、Applied Biosystems
470A 気相シークエンサー(Perkin-Elmer 社製) を用い
る自動エドマン分解により、アミノ酸配列分析を行なっ
た。その結果、当該蛋白質は、N末端に、DAAQEP
TGNNAEI(配列番号:3)のアミノ酸配列を有す
ることが明らかとなった。このN末端アミノ酸配列は、
シグナルペプチドが除去された後のTFPI−2(PP
5)と同一のN末端アミノ酸配列であった。TFPI−
2の全アミノ酸配列を配列番号:1に示す。
470A 気相シークエンサー(Perkin-Elmer 社製) を用い
る自動エドマン分解により、アミノ酸配列分析を行なっ
た。その結果、当該蛋白質は、N末端に、DAAQEP
TGNNAEI(配列番号:3)のアミノ酸配列を有す
ることが明らかとなった。このN末端アミノ酸配列は、
シグナルペプチドが除去された後のTFPI−2(PP
5)と同一のN末端アミノ酸配列であった。TFPI−
2の全アミノ酸配列を配列番号:1に示す。
【0036】参考例2 TFPI−2cDNAを含む発現ベクターの構築 ニイドメ(Niidome, T.) ら、Biochem. Biophys. Res. C
ommun. 203, 1821-1827 (1994)に記載の方法に従って、
BamHIとHindIII の単一の制限部位を含む哺乳
動物発現ベクターpK4Kを用いて、pK4KT2と命
名した発現ベクターを構築した。即ち、TFPI−2c
DNAを、TFPI−2のヌクレオチド39−54およ
び763−782にそれぞれ対応するセンスオリゴヌク
レオチド5’−ATGGACCCCGCTCGCC−
3’(配列番号:4)およびアンチセンスオリゴヌクレ
オチド5’−GCCATAAAGACAAACAAGA
T−3’(配列番号:5)を用いて、ポリメラーゼ連鎖
反応(PCR)により作製した。鋳型は、TFPI−2
cDNAを含むpBluescriptII SK(−)
(Stratagene 社製) であった。得られたPCR産物を、
DNA Blunting Kit(Takara Biomedical
s 社製) により平滑末端化し、同様に平滑末端化した前
記pK4Kベクターに連結した。当該PCR産物の配列
は、自動DNAシーケンサー373A(Applied Biosyst
ems, Perkin-Elmer Corp.)により、配列番号:2に記載
の第39位〜第782位までのヌクレオチドに対応する
塩基配列を有することを確認した。
ommun. 203, 1821-1827 (1994)に記載の方法に従って、
BamHIとHindIII の単一の制限部位を含む哺乳
動物発現ベクターpK4Kを用いて、pK4KT2と命
名した発現ベクターを構築した。即ち、TFPI−2c
DNAを、TFPI−2のヌクレオチド39−54およ
び763−782にそれぞれ対応するセンスオリゴヌク
レオチド5’−ATGGACCCCGCTCGCC−
3’(配列番号:4)およびアンチセンスオリゴヌクレ
オチド5’−GCCATAAAGACAAACAAGA
T−3’(配列番号:5)を用いて、ポリメラーゼ連鎖
反応(PCR)により作製した。鋳型は、TFPI−2
cDNAを含むpBluescriptII SK(−)
(Stratagene 社製) であった。得られたPCR産物を、
DNA Blunting Kit(Takara Biomedical
s 社製) により平滑末端化し、同様に平滑末端化した前
記pK4Kベクターに連結した。当該PCR産物の配列
は、自動DNAシーケンサー373A(Applied Biosyst
ems, Perkin-Elmer Corp.)により、配列番号:2に記載
の第39位〜第782位までのヌクレオチドに対応する
塩基配列を有することを確認した。
【0037】参考例3 形質転換と細胞培養 形質転換されていないベビーハムスター腎(BHK)t
k- ts13細胞を、5%ウシ胎仔血清(FCS)、ス
トレプトマイシン(30μg/ml)およびペニシリン
(30ユニット/ml)を補足したDulbeccoの変法Eagl
e 培地(DMEM)中で増殖させた。Cell Phe
ct トランスフェクションキット(Amersham Pharmaci
a Biotech 社製) を用いる改変したリン酸カルシウム沈
殿法により、当該BHKtk- ts13細胞(2×10
5 細胞)を、参考例2で作製した5μgのpK4KT2
ベクターで形質転換した。BHKT2と命名した形質転
換した細胞を、5%FCSを含むDMEM中で増殖させ
た。250nMのメトトレキサート(MTX)による選
別の後、細胞培養上清(コンディション培地)を回収
し、組換えTFPI−2(rTFPI−2)の単離のた
めに用いた。
k- ts13細胞を、5%ウシ胎仔血清(FCS)、ス
トレプトマイシン(30μg/ml)およびペニシリン
(30ユニット/ml)を補足したDulbeccoの変法Eagl
e 培地(DMEM)中で増殖させた。Cell Phe
ct トランスフェクションキット(Amersham Pharmaci
a Biotech 社製) を用いる改変したリン酸カルシウム沈
殿法により、当該BHKtk- ts13細胞(2×10
5 細胞)を、参考例2で作製した5μgのpK4KT2
ベクターで形質転換した。BHKT2と命名した形質転
換した細胞を、5%FCSを含むDMEM中で増殖させ
た。250nMのメトトレキサート(MTX)による選
別の後、細胞培養上清(コンディション培地)を回収
し、組換えTFPI−2(rTFPI−2)の単離のた
めに用いた。
【0038】参考例4 組換えTFPI−2(rTFPI−2)の精製 参考例1に記載と同様の方法を用いて、参考例3で得ら
れたBHKT2のコンディション培地(1000ml)
からrTFPI−2を精製した。精製されたrTFPI
−2のSDS−PAGEを図2、レーンCに示す。
れたBHKT2のコンディション培地(1000ml)
からrTFPI−2を精製した。精製されたrTFPI
−2のSDS−PAGEを図2、レーンCに示す。
【0039】その結果、天然のTFPI−2と同じ分子
量(32kDa)を有する蛋白質が精製されたことが明
らかとなった。
量(32kDa)を有する蛋白質が精製されたことが明
らかとなった。
【0040】参考例5 rTFPI−2のマイトジェン活性 ウシ大動脈平滑筋細胞は、ロス(Ross)のエクスプラント
技法の改変法により成牛の大動脈の中間層から単離した
(Shirotani, M.ら、J. Pharmacol. Exp. Ther.259, 738
-744 (1990)) 。10%FCS、ペニシリン(100U
/ml)およびカナマイシン(100μg/ml)を補
足したDMEM中で、5%のCO2 を含む空気の加湿環
境下、37℃でウシ大動脈平滑筋細胞を増殖させた。増
殖させた。培養用培地(DMEM+10%FCS)を3
日毎に交換し、約7日後にコンフルエント平滑筋細胞単
層を得た。細胞は、第2継代から第6継代まで使用し
た。当該細胞を0.1%トリプシン−0.02%EDT
A溶液で回収し、96ウエルプレート(Nunk社製)
にウエル当たり3,000個の細胞密度で播種した。4
8時間後、当該細胞の増殖を0.1%FCSを含むDM
EMで停止させた。さらに48時間後、新鮮な培地(D
MEM+0.1%FCS)と種々の濃度の製造例4で精
製されたrTFPI−2(最終濃度:0〜500nM)
を、前記増殖停止細胞に同時に添加した。48時間後、
Premix WST-1 細胞増殖アッセイシステム(Takara Biom
edical社製) を用いて、細胞の増殖アッセイを行なっ
た。前記システムは、テトラゾリウムから産生したホル
マゾンを600nmの参照波長とともに420nmでア
ッセイする。得られた吸光度の値を、標準曲線から細胞
数に変換した(図3)。
技法の改変法により成牛の大動脈の中間層から単離した
(Shirotani, M.ら、J. Pharmacol. Exp. Ther.259, 738
-744 (1990)) 。10%FCS、ペニシリン(100U
/ml)およびカナマイシン(100μg/ml)を補
足したDMEM中で、5%のCO2 を含む空気の加湿環
境下、37℃でウシ大動脈平滑筋細胞を増殖させた。増
殖させた。培養用培地(DMEM+10%FCS)を3
日毎に交換し、約7日後にコンフルエント平滑筋細胞単
層を得た。細胞は、第2継代から第6継代まで使用し
た。当該細胞を0.1%トリプシン−0.02%EDT
A溶液で回収し、96ウエルプレート(Nunk社製)
にウエル当たり3,000個の細胞密度で播種した。4
8時間後、当該細胞の増殖を0.1%FCSを含むDM
EMで停止させた。さらに48時間後、新鮮な培地(D
MEM+0.1%FCS)と種々の濃度の製造例4で精
製されたrTFPI−2(最終濃度:0〜500nM)
を、前記増殖停止細胞に同時に添加した。48時間後、
Premix WST-1 細胞増殖アッセイシステム(Takara Biom
edical社製) を用いて、細胞の増殖アッセイを行なっ
た。前記システムは、テトラゾリウムから産生したホル
マゾンを600nmの参照波長とともに420nmでア
ッセイする。得られた吸光度の値を、標準曲線から細胞
数に変換した(図3)。
【0041】図3より、rTFPI−2は、用量応答様
式(1〜500nM)で細胞の増殖を増加させることが
わかった。
式(1〜500nM)で細胞の増殖を増加させることが
わかった。
【0042】参考例6 rTFPI−2によるDNA合成の誘導(1) 参考例5と同様に、ウシ大動脈平滑筋細胞を96ウエル
プレートに播種し、0.1%FCSを含むDMEMによ
り細胞増殖を停止させた。48時間後、新鮮な培地(D
MEM+0.1%FCS)と種々の濃度の参考例4で精
製されたrTFPI−2(最終濃度:0〜500nM)
を、前記増殖停止細胞に同時に添加した。24時間後、
5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(BrdU)を添
加し、Biotrak 細胞増殖ELISAシステム(Amersham
Pharmacia Biotech 社製) を用いて、DNA合成中のB
rdUのDNAへの取り込みを12時間後に測定するこ
とによりDNA合成の検出を行なった(図4)。
プレートに播種し、0.1%FCSを含むDMEMによ
り細胞増殖を停止させた。48時間後、新鮮な培地(D
MEM+0.1%FCS)と種々の濃度の参考例4で精
製されたrTFPI−2(最終濃度:0〜500nM)
を、前記増殖停止細胞に同時に添加した。24時間後、
5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(BrdU)を添
加し、Biotrak 細胞増殖ELISAシステム(Amersham
Pharmacia Biotech 社製) を用いて、DNA合成中のB
rdUのDNAへの取り込みを12時間後に測定するこ
とによりDNA合成の検出を行なった(図4)。
【0043】図4より、BrdUは、rTFPI−2刺
激により用量依存的にDNAに取り込まれることがわか
った。
激により用量依存的にDNAに取り込まれることがわか
った。
【0044】参考例7 rTFPI−2によるDNA合成の誘導(2) 参考例6において、0.1%FCSの代わりに10ng
/mlの血小板由来増殖因子(PDGF、Upstate 社
製) を使用すること以外は参考例6と同様に、rTFP
I−2によるDNA合成の誘導を行なった(図5)。
/mlの血小板由来増殖因子(PDGF、Upstate 社
製) を使用すること以外は参考例6と同様に、rTFP
I−2によるDNA合成の誘導を行なった(図5)。
【0045】図5より、0.1%FCSの代わりに10
ng/mlのPDGFを使用した場合でも、BrdU
は、rTFPI−2の用量依存的にDNAに取り込まれ
ることがわかった。
ng/mlのPDGFを使用した場合でも、BrdU
は、rTFPI−2の用量依存的にDNAに取り込まれ
ることがわかった。
【0046】製造例1 抗TFPI−2ポリクローナル抗体の製造と精製 1mlのPBSに溶解した、参考例4で精製した100
μgのrTFPI−2を等量のFreundの完全アジュバン
ト(WAKO製)と混合させてエマルジョンを形成させた
後、日本白色種家兎に皮下注射することにより初回免疫
を行なった。50日後、1mlのPBS中100μgの
rTFPI−2を等量のFreundの不完全アジュバント
(WAKO製)と混合させてエマルジョンを形成させたもの
を追加免疫(ブースト)に使用した。ブースト後20、
40日目に家兎の動脈より採血して血清を分離した後、
−80℃で凍結保存した。
μgのrTFPI−2を等量のFreundの完全アジュバン
ト(WAKO製)と混合させてエマルジョンを形成させた
後、日本白色種家兎に皮下注射することにより初回免疫
を行なった。50日後、1mlのPBS中100μgの
rTFPI−2を等量のFreundの不完全アジュバント
(WAKO製)と混合させてエマルジョンを形成させたもの
を追加免疫(ブースト)に使用した。ブースト後20、
40日目に家兎の動脈より採血して血清を分離した後、
−80℃で凍結保存した。
【0047】得られた抗血清より、常法に従ってプロテ
インGカラムを用いてIgG画分を精製した。
インGカラムを用いてIgG画分を精製した。
【0048】実施例1 抗TFPI−2ポリクローナル抗体によるTFPI−2
の検出 (1)ウエスタンブロッティングによる参考例4で精製
したrTFPI−2の検出 参考例4で精製したrTFPI−2をSDS−PAGE
に付し、常法によりウエスタンブロッティングを行なっ
た。ブロッティングされた膜を、製造例1で精製した抗
TFPI−2ポリクローナル抗体、次いで、市販のアル
カリフォスファターゼ結合抗ウサギ抗体を用いて常法に
よりインキュベートし、発色によりrTFPI−2を検
出した。
の検出 (1)ウエスタンブロッティングによる参考例4で精製
したrTFPI−2の検出 参考例4で精製したrTFPI−2をSDS−PAGE
に付し、常法によりウエスタンブロッティングを行なっ
た。ブロッティングされた膜を、製造例1で精製した抗
TFPI−2ポリクローナル抗体、次いで、市販のアル
カリフォスファターゼ結合抗ウサギ抗体を用いて常法に
よりインキュベートし、発色によりrTFPI−2を検
出した。
【0049】その結果、本発明の抗体は、32kDaの
分子量を有するrTFPI−2を検出することがわかっ
た。
分子量を有するrTFPI−2を検出することがわかっ
た。
【0050】(2)ウエスタンブロッティングによるヒ
ト血液中のTFPI−2の検出 心臓カテーテル検査中のヒトヘパリン採血10mlをヘ
パリンカラムによりアフィニティー濃縮後、前記(1)
と同様にTFPI−2を検出した。
ト血液中のTFPI−2の検出 心臓カテーテル検査中のヒトヘパリン採血10mlをヘ
パリンカラムによりアフィニティー濃縮後、前記(1)
と同様にTFPI−2を検出した。
【0051】その結果、本発明の抗体は、ヒトの血液中
のTFPI−2を検出することがわかった。本発明の抗
体をELISAに用いることにより、血液中のTFPI
−2を定量することも可能である。
のTFPI−2を検出することがわかった。本発明の抗
体をELISAに用いることにより、血液中のTFPI
−2を定量することも可能である。
【0052】実施例2 抗TFPI−2ポリクローナル抗体の交叉反応性 TFPI−1(三光純薬製)および参考例4で精製した
rTFPI−2を、実施例1(1)と同様にウエスタン
ブロッティングを行ない、アルカリフォスファターゼを
用いた発色反応により検出した結果、本発明の抗体は、
TFPI−1を認識しないことがわかった。
rTFPI−2を、実施例1(1)と同様にウエスタン
ブロッティングを行ない、アルカリフォスファターゼを
用いた発色反応により検出した結果、本発明の抗体は、
TFPI−1を認識しないことがわかった。
【0053】実施例3 抗TFPI−2ポリクローナル抗体によるTFPI−2
の血管平滑筋増殖作用の阻止 参考例6において、rTFPI−2(最終濃度:0〜5
00nM)を添加し、製造例1で精製した抗TFPI−
2ポリクローナル抗体の連続希釈物をさらに添加した
後、BrdUの取り込みによるウシ大動脈平滑筋細胞の
DNA合成の検出を行なった。
の血管平滑筋増殖作用の阻止 参考例6において、rTFPI−2(最終濃度:0〜5
00nM)を添加し、製造例1で精製した抗TFPI−
2ポリクローナル抗体の連続希釈物をさらに添加した
後、BrdUの取り込みによるウシ大動脈平滑筋細胞の
DNA合成の検出を行なった。
【0054】その結果、前記抗体の添加によりDNA合
成が抑制され、本発明の抗体は、TFPI−2の血管平
滑筋増殖作用を阻止することがわかった。
成が抑制され、本発明の抗体は、TFPI−2の血管平
滑筋増殖作用を阻止することがわかった。
【0055】
【発明の効果】本発明により、TFPI−1と交叉反応
しない、TFPI−2に特異的な抗体またはその断片が
提供され、かかる抗体等によりTFPI−2の生理的な
役割が直接明らかにされ、TFPI−2の関与する種々
の病態の解明または治療法の研究が進展する。また、か
かる抗体またはその断片を含有する血管平滑筋増殖調節
剤は、TFPI−2の関与する種々の病態の治療または
予防に効果を奏する。さらに、かかる抗体またはその断
片を含有する診断薬は、TFPI−2の関与する疾患の
診断に有用である。
しない、TFPI−2に特異的な抗体またはその断片が
提供され、かかる抗体等によりTFPI−2の生理的な
役割が直接明らかにされ、TFPI−2の関与する種々
の病態の解明または治療法の研究が進展する。また、か
かる抗体またはその断片を含有する血管平滑筋増殖調節
剤は、TFPI−2の関与する種々の病態の治療または
予防に効果を奏する。さらに、かかる抗体またはその断
片を含有する診断薬は、TFPI−2の関与する疾患の
診断に有用である。
【0056】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> SHIONOGI & CO., LTD. <120> Tissue Factor Pathway Inhibitor -2 Antibody <130> SG-10-002 <160> 5
【0057】 <210> 1 <211> 235 <212> PRT <213> Homo sapiens <220> <221> SIGNAL <222> (1)...(22) <400> 1 Met Asp Pro Ala Arg Pro Leu Gly Leu Ser Ile Leu Leu Leu Phe Leu 5 10 15 Thr Glu Ala Ala Leu Gly Asp Ala Ala Gln Glu Pro Thr Gly Asn Asn 20 25 30 Ala Glu Ile Cys Leu Leu Pro Leu Asp Tyr Gly Pro Cys Arg Ala Leu 35 40 45 Leu Leu Arg Tyr Tyr Tyr Asp Arg Tyr Thr Gln Ser Cys Arg Gln Phe 50 55 60 Leu Tyr Gly Gly Cys Glu Gly Asn Ala Asn Asn Phe Tyr Thr Trp Glu 65 70 75 80 Ala Cys Asp Asp Ala Cys Trp Arg Ile Glu Lys Val Pro Lys Val Cys 85 90 95 Arg Leu Gln Val Ser Val Asp Asp Gln Cys Glu Gly Ser Thr Glu Lys 100 105 110 Tyr Phe Phe Asn Leu Ser Ser Met Thr Cys Glu Lys Phe Phe Ser Gly 115 120 125 Gly Cys His Arg Asn Arg Ile Glu Asn Arg Phe Pro Asp Glu Ala Thr 130 135 140 Cys Met Gly Phe Cys Ala Pro Lys Lys Ile Pro Ser Phe Cys Tyr Ser 145 150 155 160 Pro Lys Asp Glu Gly Leu Cys Ser Ala Asn Val Thr Arg Tyr Tyr Phe 165 170 175 Asn Pro Arg Tyr Arg Thr Cys Asp Ala Phe Thr Tyr Thr Gly Cys Gly 180 185 190 Gly Asn Asp Asn Asn Phe Val Ser Arg Glu Asp Cys Lys Arg Ala Cys 195 200 205 Ala Lys Ala Leu Lys Lys Lys Lys Lys Met Pro Lys Leu Arg Phe Ala 210 215 220 Ser Arg Ile Arg Lys Ile Arg Lys Lys Gln Phe 225 230 235
【0058】 <210> 2 <211> 979 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (39)...(743) <400> 2 ggacgccttg cccagcgggc cgcccgaccc cctgcaccat ggaccccgct cgccccctgg 60 ggctgtcgat tctgctgctt ttcctgacgg aggctgcact gggcgatgct gctcaggagc 120 caacaggaaa taacgcggag atctgtctcc tgcccctaga ctacggaccc tgccgggccc 180 tacttctccg ttactactac gacaggtaca cgcagagctg ccgccagttc ctgtacgggg 240 gctgcgaggg caacgccaac aatttctaca cctgggaggc ttgcgacgat gcttgctgga 300 ggatagaaaa agttcccaaa gtttgccggc tgcaagtgag tgtggacgac cagtgtgagg 360 ggtccacaga aaagtatttc tttaatctaa gttccatgac atgtgaaaaa ttcttttccg 420 gtgggtgtca ccggaaccgg attgagaaca ggtttccaga tgaagctact tgtatgggct 480 tctgcgcacc aaagaaaatt ccatcatttt gctacagtcc aaaagatgag ggactgtgct 540 ctgccaatgt gactcgctat tattttaatc caagatacag aacctgtgat gctttcacct 600 atactggctg tggagggaat gacaataact ttgttagcag ggaggattgc aaacgtgcat 660 gtgcaaaagc tttgaaaaag aaaaagaaga tgccaaagct tcgctttgcc agtagaatcc 720 ggaaaattcg gaagaagcaa ttttaaacat tcttaatatg tcatcttgtt tgtctttatg 780 gcttatttgc ctttatggtt gtatctgaag aataatatga cagcatgagg aaacaaatca 840 ttggtgattt attcaccagt ttttattaat acaagtcact ttttcaaaaa tttggatttt 900 tttatatata actagctgct attcaaatgt gagtctacca tttttaattt atggttcaac 960 tgtttgtgag actgaattc 979
【0059】 <210> 3 <211> 13 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 3 Asp Ala Ala Gln Glu Pro Thr Gly Asn Asn Ala Glu Ile 5 10
【0060】 <210> 4 <211> 16 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 4 atggaccccg ctcgcc 16
【0061】 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 5 gccataaaga caaacaagat 20
【図1】図1は、ProRPC HR 5/10カラムを用いた逆相高
速液体クロマトグラフィーの結果を示す。図中、点線
は、15%アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸
(TFA)から100%アセトニトリル中0.1%TF
Aまでの勾配を示し、黒塗りのピークは、増殖を停止さ
せたウシ大動脈平滑筋細胞に対する細胞増殖活性を示
す。
速液体クロマトグラフィーの結果を示す。図中、点線
は、15%アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸
(TFA)から100%アセトニトリル中0.1%TF
Aまでの勾配を示し、黒塗りのピークは、増殖を停止さ
せたウシ大動脈平滑筋細胞に対する細胞増殖活性を示
す。
【図2】図2は、精製した天然のTFPI−2(レーン
B)およびrTFPI−2(レーンC)のSDS−PA
GEの結果を示す電気泳動の写真である。レーンAは、
分子量マーカーを示し、各バンドは、上から、ホスホリ
ラーゼb:94kDa;ウシ血清アルブミン:67kD
a;オブアルブミン:43kDa;カルボニックアンヒ
ドラーゼb:30kDa;ダイズトリプシンインヒビタ
ー:20.1kDa;α−ラクトアルブミン:14.4
kDaである。
B)およびrTFPI−2(レーンC)のSDS−PA
GEの結果を示す電気泳動の写真である。レーンAは、
分子量マーカーを示し、各バンドは、上から、ホスホリ
ラーゼb:94kDa;ウシ血清アルブミン:67kD
a;オブアルブミン:43kDa;カルボニックアンヒ
ドラーゼb:30kDa;ダイズトリプシンインヒビタ
ー:20.1kDa;α−ラクトアルブミン:14.4
kDaである。
【図3】図3は、ウシ大動脈平滑筋細胞に対する種々の
濃度(0〜500nM)のrTFPI−2のマイトジェ
ン活性を示すグラフである。グラフの各点は、6回の平
均を示し、縦線は、標準偏差を示す。
濃度(0〜500nM)のrTFPI−2のマイトジェ
ン活性を示すグラフである。グラフの各点は、6回の平
均を示し、縦線は、標準偏差を示す。
【図4】図4は、低濃度の血清により増殖を停止させた
ウシ大動脈平滑筋細胞に対する種々の濃度(0〜500
nM)のrTFPI−2のマイトジェン活性をBrDU
の取り込みによって測定したグラフである。グラフの各
点は、6回の平均を示し、縦線は、標準偏差を示す。
ウシ大動脈平滑筋細胞に対する種々の濃度(0〜500
nM)のrTFPI−2のマイトジェン活性をBrDU
の取り込みによって測定したグラフである。グラフの各
点は、6回の平均を示し、縦線は、標準偏差を示す。
【図5】図5は、PDGF添加のDMEMにより増殖を
停止させたウシ大動脈平滑筋細胞に対する種々の濃度
(0〜500nM)のrTFPI−2のマイトジェン活
性をBrDUの取り込みによって測定したグラフであ
る。グラフの各点は、6回の平均を示し、縦線は、標準
偏差を示す。
停止させたウシ大動脈平滑筋細胞に対する種々の濃度
(0〜500nM)のrTFPI−2のマイトジェン活
性をBrDUの取り込みによって測定したグラフであ
る。グラフの各点は、6回の平均を示し、縦線は、標準
偏差を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12P 21/02 C 15/09 ZNA G01N 33/50 T C12P 21/02 33/53 D G01N 33/50 C12N 5/00 B 33/53 15/00 ZNAA //(C12P 21/02 C12R 1:91) Fターム(参考) 2G045 AA13 AA25 CA25 DA36 DA77 FB03 4B024 AA01 AA11 BA61 BA80 CA04 EA04 GA11 HA11 4B064 AG01 AG21 AG26 BA14 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4C085 AA13 AA19 CC03 EE01 GG01 4H045 AA11 BA10 CA40 DA75 DA86 EA23 EA24 EA50 FA72 FA74 HA05
Claims (4)
- 【請求項1】 ティッシュ・ファクター・パスウェイ・
インヒビター(TFPI)−1とは交叉反応しない、T
FPI−2に特異的な抗体またはその断片。 - 【請求項2】 TFPI−2がヒト由来である請求項1
記載の抗体またはその断片。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の抗体またはその
断片を有効成分として含有してなる血管平滑筋増殖調節
剤。 - 【請求項4】 請求項1または2記載の抗体またはその
断片を含有してなる、血管の増殖に関連する疾患の診断
薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10296759A JP2000128803A (ja) | 1998-10-19 | 1998-10-19 | ティッシュ・ファクター・パスウェイ・インヒビター−2抗体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10296759A JP2000128803A (ja) | 1998-10-19 | 1998-10-19 | ティッシュ・ファクター・パスウェイ・インヒビター−2抗体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000128803A true JP2000128803A (ja) | 2000-05-09 |
Family
ID=17837762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10296759A Pending JP2000128803A (ja) | 1998-10-19 | 1998-10-19 | ティッシュ・ファクター・パスウェイ・インヒビター−2抗体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000128803A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8450275B2 (en) | 2010-03-19 | 2013-05-28 | Baxter International Inc. | TFPI inhibitors and methods of use |
US8466108B2 (en) | 2008-12-19 | 2013-06-18 | Baxter International Inc. | TFPI inhibitors and methods of use |
US8962563B2 (en) | 2009-12-21 | 2015-02-24 | Baxter International, Inc. | TFPI inhibitors and methods of use |
CN110437335A (zh) * | 2008-08-04 | 2019-11-12 | 拜耳医药保健有限公司 | 针对组织因子途径抑制剂(tfpi)的单克隆抗体 |
CN114751976A (zh) * | 2021-08-31 | 2022-07-15 | 河南农业大学 | 一种用于制备鸡tfpi2多克隆抗体的多肽、人工抗原、多克隆抗体及应用 |
-
1998
- 1998-10-19 JP JP10296759A patent/JP2000128803A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US9777051B2 (en) | 2008-12-19 | 2017-10-03 | Baxalta GmbH | TFPI inhibitors and methods of use |
US11001613B2 (en) | 2008-12-19 | 2021-05-11 | Takeda Pharmaceutical Company Limited | TFPI inhibitors and methods of use |
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US8450275B2 (en) | 2010-03-19 | 2013-05-28 | Baxter International Inc. | TFPI inhibitors and methods of use |
US9556230B2 (en) | 2010-03-19 | 2017-01-31 | Baxalta GmbH | TFPI inhibitors and methods of use |
US10201586B2 (en) | 2010-03-19 | 2019-02-12 | Baxalta GmbH | TFPI inhibitors and methods of use |
US9018167B2 (en) | 2010-03-19 | 2015-04-28 | Baxter International Inc. | TFPI inhibitors and methods of use |
JP2013522291A (ja) * | 2010-03-19 | 2013-06-13 | バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド | Tfpi阻害剤および使用方法 |
US11793855B2 (en) | 2010-03-19 | 2023-10-24 | Takeda Pharmaceutical Company Limited | TFPI inhibitors and methods of use |
US10800816B2 (en) | 2012-03-21 | 2020-10-13 | Baxalta GmbH | TFPI inhibitors and methods of use |
CN114751976A (zh) * | 2021-08-31 | 2022-07-15 | 河南农业大学 | 一种用于制备鸡tfpi2多克隆抗体的多肽、人工抗原、多克隆抗体及应用 |
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