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JP2000194209A - 加熱装置 - Google Patents

加熱装置

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Publication number
JP2000194209A
JP2000194209A JP10371984A JP37198498A JP2000194209A JP 2000194209 A JP2000194209 A JP 2000194209A JP 10371984 A JP10371984 A JP 10371984A JP 37198498 A JP37198498 A JP 37198498A JP 2000194209 A JP2000194209 A JP 2000194209A
Authority
JP
Japan
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heat
film
resistant
heating
recording material
Prior art date
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Pending
Application number
JP10371984A
Other languages
English (en)
Inventor
Ken Murooka
謙 室岡
Koichi Okuda
幸一 奥田
Yasuto Tsubakimoto
椿本  康人
Toshihiko Ochiai
俊彦 落合
Satoru Taniguchi
悟 谷口
Noriyuki Ito
紀之 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP10371984A priority Critical patent/JP2000194209A/ja
Publication of JP2000194209A publication Critical patent/JP2000194209A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 材質、材質、厚さ、表裏、温湿度、吸水率等
の種々の条件によって大きく変化する記録材シートのカ
ール量を最小限に抑えることができる加熱装置を提供す
ること。 【構成】 固定の加熱体16と、該加熱体16を保持す
る加熱体保持部材(フィルム案内部材15)と、前記加
熱体16に内面が対向圧接されて移動駆動されるエンド
レスの定着フィルム(耐熱性フィルム)14と、該定着
フィルム14の内部に設けられたフィルム案内部材15
と、前記定着フィルム14と外周部が接して駆動手段に
よって駆動される耐熱性ベルト19と、前記定着フィル
ム14の内周に接する少なくとも1つ以上のガイドロー
ラ(ベルトガイド部材)22と、前記定着フィルム14
と耐熱性ベルト19を挟んで加熱体16との間に定着ニ
ップNを形成する加圧ローラ(加圧部材)17とを有し
て成る加熱装置において、前記耐熱性ベルト19の走行
方向を前記定着ニップNの直後から可変とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルム加熱方式
を採用する加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば未定着画像を記録材に加熱
定着するための加熱装置には、所定の温度に維持された
加熱ローラと、弾性層を有して加熱ローラに圧接される
加圧ローラによって記録材を狭持搬送しつつこれを加熱
する熱ローラ方式が多用されている。
【0003】その他、フラッシュ加熱方式、オーブン加
熱方式、熱板加熱方式、高周波加熱方式等の種々の方式
を採用する加熱装置が知られている。
【0004】一方、固定支持された加熱体(以下、ヒー
タと称する)と、該ヒータに対向圧接しつつ搬送(移動
駆動)される耐熱性フィルムと、該耐熱性フィルムを介
して記録材をヒータに密着させる加圧部材を有し、ヒー
タの熱を耐熱性フィルムを介して記録材へ付与すること
によって記録材面に形成担持されている未定着画像を記
録材面に加熱定着させるフィルム加熱方式を採用する加
熱装置が提案され、既に実用に供されている。
【0005】より具体的には、加熱装置は、薄肉の耐熱
性フィルム(又はシート)と、該耐熱性フィルムの移動
駆動手段と、耐熱性フィルムを中にしてその一方面側に
固定支持して配置されたヒータと、他方面側にヒータに
対向して配置され該ヒータに対して耐熱性フィルムを介
して画像定着すべき記録材の顕画像担持面を密着させる
加圧部材を有しており、該加熱装置においては耐熱性フ
ィルムは少なくとも画像定着実行時には該フィルムと加
圧部材との間に搬送導入される記録材と順方向に略同一
速度で走行移動され、該耐熱性フィルムを挟んでヒータ
と加圧部材との圧接によって形成される定着ニップに記
録材を通過させることにより、該記録材の顕画像担持面
を耐熱性フィルムを介してヒータで加熱し、顕画像(未
定着トナー像)に熱エネルギーを付与してこれを軟化・
溶融せしめて記録材に定着せしめ、次いでニップ通過後
の記録材と耐熱性フィルムとを分離点で離間させること
が行われる。
【0006】このようなフィルム加熱方式を採用する加
熱装置においては、昇温の速いヒータと薄膜の耐熱性フ
ィルムを用いるためにウェイトタイムを短縮して所謂ク
イックスタートが可能となるとともに、従来の加熱装置
の種々の欠点を解決することができる。
【0007】図8に耐熱性フィルムとしてエンドレスフ
ィルムを使用したフィルム加熱方式の画像加熱定着装置
の一例を示す。
【0008】即ち、図8は従来の画像加熱定着装置の概
略構成を示す断面図であり、同図において、14はエン
ドレスベルト状の耐熱性フィルム(以下、定着フィルム
又は単にフィルムと称する)であり、これは耐熱性樹脂
で構成されたフィルム案内部材15にガイドされながら
図示矢印方向(時計方向)に従動回転する。
【0009】又、16は定着フィルム14の面移動方向
と交差する方向(フィルム14の幅方向)を長手とする
低熱容量線状加熱体であり、これは不図示のヒータ基板
(セラミック材)、通電発熱抵抗体(発熱体)、表面保
護層、検温素子等で構成され、前記フィルム案内部材1
5に取り付けて固定支持されている。
【0010】17は加圧部材としての加圧ローラであ
り、この加圧ローラ17はエンドレスベルト状の前記定
着フィルム14の下行側部分を挟んで不図示の付勢手段
で前記加熱体16の下面に圧接された状態で記録材シー
トPの搬送方向に対して順方向(反時計方向)に回転す
る。
【0011】又、定着フィルム14は加圧ローラ17の
反時計方向の回転駆動に伴って時計方向に所定の周速度
(即ち、不図示の画像形成部側から搬送されて来る未定
着トナー画像Taを上面に担持した被加熱材としての記
録材シートPの搬送速度(プロセススピード))と略同
速度で従動回転する。
【0012】そして、定着ニップNの出口直後には、被
加熱材出口ガイド(以下、分離ガイドと称する)29が
設置されており、この分離ガイド29は定着ニップNを
通過して出た記録材シートPを装置本体の出口付近に形
成された不図示の排紙ローラニップに向けて案内する。
【0013】不図示の画像形成部から搬送された未定着
のトナー画像Taを上面に担持した記録材シートPは、
ガイド13に案内されて加熱体16と加圧ローラ17と
の定着ニップNの定着フィルム14と加圧ローラ17と
の間に進入し、未定着トナー画像面が記録材シートPの
搬送速度と同一速度で同方向に回動駆動される定着フィ
ルム14の下面に密着してフィルム14と一緒の重なり
状態で加熱体16と加圧ローラ17との定着ニップNを
通過していく。
【0014】加熱体16は通電発熱抵抗体に対して所定
のタイミングで通電加熱されて該加熱体16側の熱エネ
ルギーが定着フィルム14を介して記録材シートP側に
伝達され、トナー画像Taは定着ニップNを通過してい
く過程において加熱されて軟化・溶融像として記録材シ
ートPに定着される。そして、排紙部へ至る時までには
トナーは十分に冷却されて固化し、記録材シートPに完
全に定着したトナー像Tcとなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このようなフィルム加
熱方式を採用する加熱装置には以下のような問題があっ
た。
【0016】即ち、加熱体16においてはセラミックを
材料とするヒータ基板に通電発熱抵抗体(発熱体)がス
クリーン印刷されているが、セラミックのヒータ基板の
エッジと定着フィルム14の内面が摺動するために定着
フィルム14の内面が摩耗するという問題があった。
【0017】上記問題を解決するため、従来、加圧ロー
ラ17と加熱体16で形成される定着ニップNの幅より
もヒータ基板の幅を広く設定するとともに、加熱体16
を支持するフィルム案内部材15に突起15b,15c
を形成することによってヒータ基板のエッジと定着フィ
ルム14の内面が接触しないようにしている。
【0018】上記構成を採用することにより、定着ニッ
プNを通過した直後の記録材シートPはフィルム案内部
材15の突起15bにより下方向に案内されるため、印
字面側が凸となる方向に強くカールされ、その後、排紙
ガイド32,33に案内されながら今度は印字面側が凹
となる向きにカールが矯正されて不図示の排紙トレイ上
に排紙される。
【0019】しかしながら、フィルム案内部材15の突
起15bで形成されたカールが排紙ガイド32,33で
適切に矯正されるとは限らず、排紙トレイ上に排紙され
た記録材シートPは印字面側或は印字面と逆側にカール
した状態となることがある。尚、そのときのカール量と
カール方向は記録材シートPの材質、厚さ、表裏、温湿
度、吸水率等により大きく変化する。
【0020】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、材質、材質、厚さ、表裏、温
湿度、吸水率等の種々の条件によって大きく変化する記
録材シートのカール量を最小限に抑えることができる加
熱装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、固定の加熱体と、該加熱体
を保持する加熱体保持部材と、前記加熱体に内面が対向
圧接されて移動駆動されるエンドレスの耐熱性フィルム
と、該耐熱性フィルムの内部に設けられたフィルム案内
部材と、前記耐熱性フィルムと外周部が接して駆動手段
によって駆動される耐熱性ベルトと、前記耐熱性フィル
ムの内周に接する少なくとも1つ以上のベルトガイド部
材と、前記耐熱性フィルムと耐熱性ベルトを挟んで前記
加熱体との間にニップを形成する加圧部材とを有して成
る加熱装置において、前記耐熱性ベルトの走行方向を前
記ニップ直後から可変としたことを特徴とする。
【0022】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記耐熱性ベルトの走行方向を手動で変更
するための調整手段を設けたことを特徴とする。
【0023】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記耐熱性ベルトの走行方向をアクチュエ
ータを用いて間接的に変更可能としたことを特徴とす
る。
【0024】従って、請求項1記載の発明によれば、耐
熱性ベルトの走行方向をニップ直後から可変としたた
め、材質、材質、厚さ、表裏、温湿度、吸水率等の種々
の条件によって大きく変化する記録材シートのカール量
の大きさとカール方向を調整することができ、出力され
た記録材シートのカール量を最小限に抑えることができ
る。
【0025】請求項2記載の発明によれば、耐熱性ベル
トの走行方向を手動で変更するための調整手段を設けた
ため、ユーザーは種々の条件下における記録材シートの
実際のカール量を確認しながら、出力した記録材シート
のカール量を自由に調整して最適化することが可能とな
る。
【0026】請求項3記載の発明によれば、耐熱性ベル
トの走行方向をアクチュエータを用いて間接的に変更可
能としたため、ユーザーはプリンタドライバーや画像形
成装置の操作パネル上等から記録材シートのカール量を
自由に調整するための操作を行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0028】<実施の形態1> (1)加熱装置の全体的概略構成:図1は本発明の実施
の形態1に係る加熱装置(定着装置)の断面図、図2は
同加熱装置の斜視図、図3及び図4は同加熱装置の作用
を説明するための部分断面図、図5は加熱装置を備える
画像形成装置の断面図である。
【0029】図1において、14はエンドレスベルト状
の耐熱性フィルム(以下、定着フィルム又は単にフィル
ムと称する)であり、これは後述の加熱体16を含むフ
ィルム案内部材15に外嵌されている。ここで、このエ
ンドレスの耐熱性フィルム14の内周長は加熱体16を
含むフィルム案内部材15の外周長よりも例えば3mm
程度長く設定しており、従って、定着フィルム14は加
熱体16を含むフィルム案内部材15に対して周長に余
裕をもってルーズに外嵌されている。
【0030】ところで、前記加熱体16は定着フィルム
14の面移動方向と交差する方向(フィルム14の幅方
向)を長手とする低熱容量線状加熱体であって、これは
ヒータ基板(セラミック材)16b、通電発熱抵抗体
(発熱体)16a、不図示の表面保護層、検温素子等で
構成されており、前記フィルム案内部材15に取り付け
て固定支持されている。
【0031】又、加熱体16の支持部材としての前記フ
ィルム案内部材15は高剛性・高耐熱性の熱硬化性樹脂
(フェノール樹脂)で構成された横長の部材であって、
このフィルム案内部材15は加圧バネ25a,25b
(図2参照)によって後述の加圧ローラ17に対して加
圧されている。
【0032】17は加圧ローラ(圧接ローラ、バックア
ップローラ)であり、これは加熱体16との間に定着フ
ィルム14と後述の耐熱搬送ベルト19を挟んで定着ニ
ップNを形成するとともに、耐熱搬送ベルト19を接触
駆動する。そして、図2に示すように、加圧ローラ17
は中心軸17aとこれに外装されたゴム弾性体から成る
ローラ部17bとで構成されており、中心軸17aの左
右端部は不図示の軸受部材によって回転自在に支持さ
れ、加圧ローラ17は中心軸17aの一端に取り付けら
れた加圧ローラ駆動ギヤ24によって図1の矢印方向に
回転駆動される。
【0033】ここで、加圧ローラ17と加熱体16で形
成される定着ニップNの幅は加熱体16のヒータ基板1
6bの幅よりも狭く設定されている。又、加熱体16を
支持するフィルム案内部材15には突起15b,15c
が形成されており(図3及び図4参照)、定着フィルム
14の内周面が加熱体16のヒータ基板16bの上下流
のエッジに接触しないようにしている。
【0034】又、加圧ローラ17とその下流側に配置さ
れたガイドローラ22の間には耐熱ゴム製の耐熱搬送ベ
ルト19が懸回張設されている。尚、ガイドローラ22
は回転自在に支持されており、これは耐熱搬送ベルト1
9がスムーズに回転するようこれをガイドしている。
又、加圧ローラ17とガイドローラ22の間には、耐熱
搬送ベルト19の弛みを吸収するためのテンションロー
ラ20が配置されており、このテンションローラ20は
バネ21によって所定の圧力で耐熱搬送ベルト19に張
力を付与している。
【0035】ここで、加圧ローラ17と耐熱搬送ベルト
19間の摩擦係数をμ1、耐熱搬送ベルト19と定着フ
ィルム14間の摩擦係数μ2、定着フィルム14と加熱
体16間の摩擦係数をμ3、耐熱搬送ベルト19と記録
材シートP間の摩擦係数をμ4、記録材シートPと定着
フィルム14間の摩擦係数をμ5とすると、 μ1>μ2>μ3 μ4>μ5>μ3 の関係を満たすよう各摩擦係数μ1〜μ5が設定されて
いる。
【0036】又、加圧ローラ17の中心軸17aとガイ
ドローラ22の軸22aの両端部はリンク部材23によ
り回転自在に軸支されており、このリンク部材23は加
圧ローラ17の中心軸17aを中心に回動可能である。
そして、図5に示すように、リンク部材23にはレバー
Lが取り付けてられており、該レバーLの一端は本体外
部に突出し、その一端を上下させることによってリンク
部材23及び耐熱搬送ベルト19を図示A位置からB位
置に無段階に移動させることができる。即ち、定着ニッ
プNを通過した後の記録材シートPの送り出し方向を調
整することができる。このように、定着ニップNを通過
した後の記録材シートPの送り出し方向を変えた場合の
定着動作とその効果については後述する。
【0037】而して、耐熱搬送ベルト19と定着フィル
ム14は加圧ローラ17の回転に伴い矢印方向に所定の
周速度(即ち、不図示の画像形成部側から搬送されて来
る未定着トナー画像Taを上面に担持した被加熱材とし
ての記録材シートPの搬送速度(プロセススピード))
と略同じ周速度で従動回転する。
【0038】(2)動作:次に、加熱装置の動作につい
て説明する。
【0039】不図示の駆動源機構から加圧ローラ駆動ギ
ヤ24に駆動力が伝達され、加圧ローラ17が所定の周
速度で矢印方向へ回転駆動されると、定着ニップNにお
いて加圧ローラ17の回転駆動により摩擦力で送り移動
力が掛かり、耐熱搬送ベルト19と定着フィルム14が
加圧ローラ17の回転周速と略同速度で回動駆動され
る。
【0040】そして、搬送ベルト19と定着フィルム1
7の駆動と加熱体16への通電を行った状態において、
未定着トナー像Taを担持した記録材シートPが定着ニ
ップNの定着フィルム14と耐熱搬送ベルト19との間
に像担持面を上にして導入されると、該記録材シートP
は定着フィルム14の面に密着して定着フィルム14と
共に定着ニップNを移動通過し、その移動通過過程で定
着ニップNにおいて定着フィルム14の内面に接してい
る加熱体16の熱エネルギーが定着フィルム14を介し
て記録材シートPに付与され、トナー画像Taは軟化溶
融して記録材シートPに定着される。
【0041】定着ニップNを通過した記録材シートP
は、定着フィルム14と耐熱搬送ベルト19に挟まれた
状態のまま前記フィルム案内部材15の突起部15bに
より形成された搬送路を移動する。この記録材シートP
は、定着ニップNを通過した直後は進行方向斜め下向き
に搬送されることによって一時的には印字面側が凸とな
る方向に強くカールされるが、フィルム案内部材15の
突起部15bを通過した直後は耐熱搬送ベルト19に沿
って搬送方向斜め上向きに搬送されるため、印字面側が
凹となる向きにカールが矯正されることになる。
【0042】又、耐熱搬送ベルト19の搬送方向は前述
のようにリンク部材23に取り付けられたレバーLによ
って装置本体外部から操作できるようになっているた
め、ユーザーは自分が使用している記録材シートPのカ
ールの状態を見ながらレバーLを操作することによって
耐熱搬送ベルト19の角度を調整することができる。例
えば、厚手の紙(例えば、坪量105g/m2 の紙)を
通紙する場合、厚紙はその剛性が高いため、フィルム案
内部材15の突起部15bの影響を受けにくい傾向にあ
り、突起部15bを通過した後の矯正量は比較的小さく
て良い。本実施の形態では、レバーLを図示のA位置近
辺へ移動させれば用紙のカール量は最小限に抑えられ
る。
【0043】又、逆に薄手の紙(例えば、坪量64g/
2 の紙)を通紙する場合、薄紙はその剛性が低いた
め、フィルム案内部材15の突起部15bの影響を受け
易い傾向にあり、突起部15bを通過した後の矯正量は
大きくする必要があることが多い。即ち、本実施の形態
ではレバーLを図示のB位置近辺に移動させればカール
量を最小化することができる。
【0044】実際、記録材シートPのカール量とカール
方向は該記録材シートPの厚さだけでなく、材質、温湿
度、吸水率、表裏の差等の様々な条件により大きく変化
するが、それらの記録材シートPの種類や様々な条件下
でもカール量を最小化させるためには以上のような構成
が有効となる。
【0045】(3)画像形成装置例:次に、本発明に係
る加熱定着装置を組み込んだ画像形成装置の概略構成を
図5に基づいて説明する。
【0046】本実施の形態に係る画像形成装置は転写式
電子写真プロセスを利用したレーザービームプリンタで
あり、該画像形成装置においては、画像形成スタート信
号により電子写真感光体(以下、感光ドラムと称する)
10が図示矢印方向(時計方向)に回転駆動され、その
表面が不図示の帯電器によって所定の極性と電位に一様
帯電される。そして、この感光ドラム10の帯電処理面
に対してレーザースキャナ8から目的の画像情報の時系
列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザー
ビームLが出力され、このレーザービームLはミラー9
を介して感光ドラム10面に照射される。すると、感光
ドラム10面には目的の画像情報に対応した静電潜像が
順次形成され、この静電潜像は現像器11によって現像
されてトナー画像として顕画化される。
【0047】一方、給紙カセット1内の記録材シートP
が給紙ローラ7によって給送され、この記録材シートP
はUターンガイド4a,4bで形成される用紙搬送経路
を通ってレジストローラ対5a,5bまで搬送される。
その後、記録材シートPはレジストローラ対5a,5b
によって感光ドラム10の回転と同期取りされて搬送ガ
イド6a,6b間を通り抜け、感光ドラム10とこれに
対向圧接された転写ローラ12とで構成される転写部へ
給送され、該記録材シートP面に感光ドラム10上に形
成された前記トナー画像が順次転写されていく。
【0048】而して、転写部を通過した記録材シートP
は、感光ドラム10面から分離されてガイド13に沿っ
て加熱定着装置へ導入され、該加熱定着装置の前記動作
と作用によって未定着トナー画像の加熱定着を受ける。
【0049】その後、トナー画像の定着を受けた記録材
シートPは、搬送ローラ対34a,34bと排紙ローラ
対35a,35bによってガイド32と33の間を搬送
され、排紙トレイ34上に画像形成物(プリント)とし
て出力される。
【0050】尚、本実施の形態では、ガイドローラ22
を回転自在に支持する構成を示したが、表面が摺動性の
良い部材(例えば、ステンレスの丸棒材)をリンク部材
23に固定し、これを耐熱搬送ベルト19との間で摺動
させても同様の機能を得ることができる。
【0051】又、レバーLは手動でユーザーが無段階に
操作する例を示したが、電動のアクチュエータ等を用い
てレバーLを間接的に操作しても同様の効果が得られ
る。
【0052】ところで、本発明に係る加熱装置は、画像
形成装置の加熱定着装置としてだけでなく、その他に画
像面加熱つや出し装置、仮定着装置等としても効果的に
活用することができる。
【0053】<実施の形態2>次に、本発明の実施の形
態2について説明する。
【0054】前記実施の形態1では、耐熱搬送ベルト1
9として耐熱ゴムを用いた例を示したが、クイックスタ
ート性を向上させるために耐熱搬送ベルト19の膜厚T
は総厚200μm以下、好ましくは100μm以下20
μm以上の耐熱性・離型性・強度・耐久性等のある単層
或は複合層フィルムを使用することができる。
【0055】具体的な材料として、例えばポリイミド・
ポリエーテルイミド(PEI)・ポリエーテルサルホン
(PES)・4フッ化エチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)・ポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)、ポリパラバン酸(PP
A)、或は複合層フィルム、例えば20μm厚のポリイ
ミドフィルムの少なくとも画像当接面側に4フッ化エチ
レン樹脂(PTFE)・PFA・FEP等のフッ素樹脂
・シリコン樹脂等、更にはそれに導電材(カーボンブラ
ック・グラファイト・導電性ウイスカ等)を添加した離
型性コート層を10μm厚に施したもの(例えば、20
μm厚のポリイミドフィルム等)等を用いることができ
る。これらの材質はゴム径の材料と比較して経年劣化も
少なく、より製品寿命の長い製品をユーザーに提供し得
る。
【0056】<実施の形態3>次に、本発明の実施の形
態3を図6に基づいて説明する。尚、図6は本実施の形
態3に係る加熱装置の断面図であり、本図においては図
1に示したと同一要素には同一符号を付しており、以
下、それらについての説明は省略する。
【0057】図6において、25は耐熱搬送ベルト19
を駆動するための駆動ローラであり、これは耐熱搬送フ
ィルム19に対して摩擦係数の高い耐熱材料(例えば、
シリコンゴム等)をコートした金属ローラであって、不
図示の駆動源により図示矢印方向に駆動される。そし
て、加圧ローラ17は、駆動ローラ25によって駆動さ
れた耐熱搬送ベルト19の回転速度と略同速で従動回転
する。
【0058】金属製ローラで構成される駆動ローラ25
はゴム等の弾性体から成る弾性ローラと比較して熱膨張
率が格段に小さいことから、該駆動ローラ25の温度が
高温になってもその径変化が小さく、従って、駆動ベル
ト19の周速を一定に保つことができるという効果が得
られる。
【0059】<実施の形態4>次に、本発明の実施の形
態4を図7に基づいて説明する。尚、図7は実施の形態
に係る加熱装置の斜視図であり、本図においては図2に
示したと同一要素には同一符号を付しており、以下、そ
れらについての説明は省略する。
【0060】図4において、45は耐熱搬送ベルト19
を駆動する可動式駆動ローラであり、これはゴム等の弾
性体や金属軸に弾性体をコートしたもの等、耐熱搬送ベ
ルト19に対して摩擦係数の大きな材料で構成されてい
る。そして、この可動式駆動ローラ45は軸41aを介
してギヤ41bによって伝達される駆動力により回転駆
動される。尚、ギヤ41bは不図示の駆動源からギヤ4
3b、ギヤ42bを介して順次駆動力を伝達されて回転
する。
【0061】ここで、ギヤ軸42aは加圧ローラ軸17
aと同軸上にあり、且つ、ギヤ軸41aとリンク44に
よって回動自在に結合されているため、ギヤ42bとギ
ヤ41bは互いに噛み合った状態でギヤ軸42aと加圧
ローラ軸17aを中心として回動可能に支持されてい
る。
【0062】以上のような構成を採ることにより、前記
実施の形態1と同様に装置外に突き出たレバーLを操作
することによって可動式駆動ローラ45は図示A位置か
らB位置までの範囲でその位置が調整される。
【0063】本実施の形態で示した構成では、可動式駆
動ローラ45により耐熱搬送ベルト19が駆動されるた
め、加圧ローラ17と可動式駆動ローラ45の間での耐
熱搬送ベルト19の張力が増すことになって耐熱搬送ベ
ルト19が弛みなく張るため、記録材シートPを安定的
に搬送することが可能となり、該記録材シートPにジャ
ムが発生したりしわが寄る等の不具合が解消される。
【0064】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
記載の発明によれば、耐熱性ベルトの走行方向をニップ
直後から可変としたため、材質、材質、厚さ、表裏、温
湿度、吸水率等の種々の条件によって大きく変化する記
録材シートのカール量の大きさとカール方向を調整する
ことができ、出力された記録材シートのカール量を最小
限に抑えることができるという効果が得られる。
【0065】請求項2記載の発明によれば、耐熱性ベル
トの走行方向を手動で変更するための調整手段を設けた
ため、ユーザーは種々の条件下における記録材シートの
実際のカール量を確認しながら、出力した記録材シート
のカール量を自由に調整して最適化することが可能とな
るという効果が得られる。
【0066】請求項3記載の発明によれば、耐熱性ベル
トの走行方向をアクチュエータを用いて間接的に変更可
能としたため、ユーザーはプリンタドライバーや画像形
成装置の操作パネル上等から記録材シートのカール量を
自由に調整するための操作を行うことができるという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る加熱装置(定着装
置)の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る加熱装置(定着装
置)の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る加熱装置(定着装
置)の作用を説明するための部分断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る加熱装置(定着装
置)の作用を説明するための部分断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る加熱装置(定着装
置)を備える画像形成装置の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る加熱装置の断面図
である。
【図7】本発明の実施の形態4に係る加熱装置の斜視図
である。
【図8】従来の画像加熱定着装置の概略構成を示す断面
図である。
【符号の説明】
14 定着フィルム(耐熱性フィルム) 15 フィルム案内部材(フィルム案内部材:加熱
体保持部材) 16 加熱体 17 加圧ローラ(加圧部材) 19 耐熱搬送ベルト 22 ガイドローラ(ガイド部材) L レバー(調整手段) N 定着ニップ(ニップ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 椿本 康人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 落合 俊彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 谷口 悟 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 伊藤 紀之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA15 AA45 AA47 BA10 BA11 BA12 BE03 CA35

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定の加熱体と、該加熱体を保持する加
    熱体保持部材と、前記加熱体に内面が対向圧接されて移
    動駆動されるエンドレスの耐熱性フィルムと、該耐熱性
    フィルムの内部に設けられたフィルム案内部材と、前記
    耐熱性フィルムと外周部が接して駆動手段によって駆動
    される耐熱性ベルトと、前記耐熱性フィルムの内周に接
    する少なくとも1つ以上のベルトガイド部材と、前記耐
    熱性フィルムと耐熱性ベルトを挟んで前記加熱体との間
    にニップを形成する加圧部材とを有して成る加熱装置に
    おいて、 前記耐熱性ベルトの走行方向を前記ニップ直後から可変
    としたことを特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記耐熱性ベルトの走行方向を手動で変
    更するための調整手段を設けたことを特徴とする請求項
    1記載の加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記耐熱性ベルトの走行方向をアクチュ
    エータを用いて間接的に変更可能としたことを特徴とす
    る請求項1記載の加熱装置。
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