JP2000171834A - 液晶表示装置とその製造方法 - Google Patents
液晶表示装置とその製造方法Info
- Publication number
- JP2000171834A JP2000171834A JP27443399A JP27443399A JP2000171834A JP 2000171834 A JP2000171834 A JP 2000171834A JP 27443399 A JP27443399 A JP 27443399A JP 27443399 A JP27443399 A JP 27443399A JP 2000171834 A JP2000171834 A JP 2000171834A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- substrate
- liquid crystal
- signal line
- crystal display
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
- Thin Film Transistor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】下層配線のエッチング端部での絶縁膜等とのコ
ンタクト特性が良好で、ステップカバレージが充分で、
かつ基板との接着性を満足させ、上層配線の切断や下層
配線との短絡の発生を防止して信頼性を向上させる。 【解決手段】絶縁性基板1上に第1の金属層からなる第
1層2Aと、第1の金属層とは異なる第2の金属層から
なる第2層2Bを第1層上に形成してなる積層構造の配
線2を備え、第1層2Aの側端面がテーパ角60°以下
の順テーパ形状を有し、第2層2Bの側端面が基板面に
垂直な形状、または逆テーパ形状の何れかであり、かつ
第2層2Bの膜厚を前記第1層の膜厚の2分の1以下と
した。
ンタクト特性が良好で、ステップカバレージが充分で、
かつ基板との接着性を満足させ、上層配線の切断や下層
配線との短絡の発生を防止して信頼性を向上させる。 【解決手段】絶縁性基板1上に第1の金属層からなる第
1層2Aと、第1の金属層とは異なる第2の金属層から
なる第2層2Bを第1層上に形成してなる積層構造の配
線2を備え、第1層2Aの側端面がテーパ角60°以下
の順テーパ形状を有し、第2層2Bの側端面が基板面に
垂直な形状、または逆テーパ形状の何れかであり、かつ
第2層2Bの膜厚を前記第1層の膜厚の2分の1以下と
した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に係
り、特に薄膜トランジスタ(TFT)方式等のアクティ
ブマトリクス型の液晶表示装置における配線積層部分の
断線を無くして歩留りを向上させた液晶表示装置とその
製造方法に関する。
り、特に薄膜トランジスタ(TFT)方式等のアクティ
ブマトリクス型の液晶表示装置における配線積層部分の
断線を無くして歩留りを向上させた液晶表示装置とその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】静止画や動画を含めた各種の画像を表示
するデバイスとして液晶表示装置が広く用いられてい
る。
するデバイスとして液晶表示装置が広く用いられてい
る。
【0003】液晶表示装置は、基本的には少なくとも一
方が透明なガラス等からなる二枚の基板の間に液晶層を
挟持し、上記基板に形成した画素形成用の各種電極に選
択的に電圧を印加して所定画素の点灯と消灯を行う型式
(所謂、単純マトリクス型)と、上記各種電極と画素選
択用のスイッチング素子を形成してこのスイッチング素
子を選択することにより所定画素の点灯と消灯を行う型
式(所謂、薄膜トランジスタ(TFT)をスイッチング
素子として用いるアクティブマトリクス型)とに分類さ
れる。
方が透明なガラス等からなる二枚の基板の間に液晶層を
挟持し、上記基板に形成した画素形成用の各種電極に選
択的に電圧を印加して所定画素の点灯と消灯を行う型式
(所謂、単純マトリクス型)と、上記各種電極と画素選
択用のスイッチング素子を形成してこのスイッチング素
子を選択することにより所定画素の点灯と消灯を行う型
式(所謂、薄膜トランジスタ(TFT)をスイッチング
素子として用いるアクティブマトリクス型)とに分類さ
れる。
【0004】特に、後者のアクティブマトリクス型の液
晶表示装置は、コントラスト性能、高速表示性能等から
液晶表示装置の主流となっている。
晶表示装置は、コントラスト性能、高速表示性能等から
液晶表示装置の主流となっている。
【0005】このアクティブマトリクス型液晶表示装置
は、一方の基板に形成した電極と他方の基板に形成した
電極との間に液晶層の配向方向を変えるための電界を印
加する縦電界方式が一般的であったが、最近は液晶に印
加する電界の方向を基板面とほぼ平行な方向とする横電
界方式(In−Plane Switching Mo
de:IPS方式)の液晶表示装置が実用化されてい
る。
は、一方の基板に形成した電極と他方の基板に形成した
電極との間に液晶層の配向方向を変えるための電界を印
加する縦電界方式が一般的であったが、最近は液晶に印
加する電界の方向を基板面とほぼ平行な方向とする横電
界方式(In−Plane Switching Mo
de:IPS方式)の液晶表示装置が実用化されてい
る。
【0006】図16は本発明を適用するアクティブマト
リクス型液晶表示装置の一例の全体構成を説明する展開
斜視図である。同図は本発明による液晶表示装置(以
下、液晶表示パネル、回路基板、バックライト、その他
の構成部材を一体化したモジュール:MDLと称する)
の具体的構造を説明するものである。
リクス型液晶表示装置の一例の全体構成を説明する展開
斜視図である。同図は本発明による液晶表示装置(以
下、液晶表示パネル、回路基板、バックライト、その他
の構成部材を一体化したモジュール:MDLと称する)
の具体的構造を説明するものである。
【0007】SHDは金属板からなるシールドケース
(メタルフレームとも言う)、WDは表示窓、INS1
〜3は絶縁シート、PCB1〜3は回路基板(PCB1
はドレイン側回路基板:映像信号線駆動用回路基板、P
CB2はゲート側回路基板:走査信号線駆動回路基板、
PCB3はインターフェース回路基板)、JN1〜3は
回路基板PCB1〜3同士を電気的に接続するジョイ
ナ、TCP1,TCP2はテープキャリアパッケージ、
PNLは液晶表示パネル、GCはゴムクッション、IL
Sは遮光スペーサ、PRSはプリズムシート、SPSは
拡散シート、GLBは導光板、RFSは反射シート、M
CAは一体化成形により形成された下側ケース(モール
ドフレーム)、MOはMCAの開口、LPは蛍光管、L
PCはランプケーブル、GBは蛍光管LPを支持するゴ
ムブッシュ、BATは両面粘着テープ、BLは蛍光管や
導光板等からなるバックライトを示し、図示の配置関係
で拡散板部材を積み重ねて液晶表示モジュールMDLが
組立てられる。
(メタルフレームとも言う)、WDは表示窓、INS1
〜3は絶縁シート、PCB1〜3は回路基板(PCB1
はドレイン側回路基板:映像信号線駆動用回路基板、P
CB2はゲート側回路基板:走査信号線駆動回路基板、
PCB3はインターフェース回路基板)、JN1〜3は
回路基板PCB1〜3同士を電気的に接続するジョイ
ナ、TCP1,TCP2はテープキャリアパッケージ、
PNLは液晶表示パネル、GCはゴムクッション、IL
Sは遮光スペーサ、PRSはプリズムシート、SPSは
拡散シート、GLBは導光板、RFSは反射シート、M
CAは一体化成形により形成された下側ケース(モール
ドフレーム)、MOはMCAの開口、LPは蛍光管、L
PCはランプケーブル、GBは蛍光管LPを支持するゴ
ムブッシュ、BATは両面粘着テープ、BLは蛍光管や
導光板等からなるバックライトを示し、図示の配置関係
で拡散板部材を積み重ねて液晶表示モジュールMDLが
組立てられる。
【0008】液晶表示モジュールMDLは、下側ケース
MCAとシールドケースSHDの2種の収納・保持部材
を有し、絶縁シートINS1〜3、回路基板PCB1〜
3、液晶表示パネルPNLを収納固定した金属製のシー
ルドケースSHDと、蛍光管LP、導光板GLB、プリ
ズムシートPRS等からなるバックライトBLを収納し
た下側ケースMCAとを合体させて構成される。
MCAとシールドケースSHDの2種の収納・保持部材
を有し、絶縁シートINS1〜3、回路基板PCB1〜
3、液晶表示パネルPNLを収納固定した金属製のシー
ルドケースSHDと、蛍光管LP、導光板GLB、プリ
ズムシートPRS等からなるバックライトBLを収納し
た下側ケースMCAとを合体させて構成される。
【0009】ドレイン側回路基板PCB1およびゲート
側回路基板PCB2には液晶表示パネルPNLの各画素
を駆動するための集積回路チップが搭載され、またイン
ターフェース回路基板PCB3には外部ホストからの映
像信号の受入れ、タイミング信号等の制御信号を受け入
れる集積回路チップ、およびタイミングを加工してクロ
ック信号を生成するタイミングコンバータ(TCON)
等が搭載される。
側回路基板PCB2には液晶表示パネルPNLの各画素
を駆動するための集積回路チップが搭載され、またイン
ターフェース回路基板PCB3には外部ホストからの映
像信号の受入れ、タイミング信号等の制御信号を受け入
れる集積回路チップ、およびタイミングを加工してクロ
ック信号を生成するタイミングコンバータ(TCON)
等が搭載される。
【0010】上記タイミングコンバータで生成されたク
ロック信号はインターフェース回路基板PCB3および
ドレイン側回路基板PCB1とゲート側駆動基板PCB
2に敷設されたクロック信号ラインを介して集積回路チ
ップに供給される。
ロック信号はインターフェース回路基板PCB3および
ドレイン側回路基板PCB1とゲート側駆動基板PCB
2に敷設されたクロック信号ラインを介して集積回路チ
ップに供給される。
【0011】インターフェース回路基板PCB3および
ドレイン側回路基板PCB1およびゲート側回路基板P
CB2は多層配線基板であり、上記クロック信号ライン
はインターフェース回路基板PCB3およびインターフ
ェース回路基板PCB3およびドレイン側回路基板PC
B1およびゲート側回路基板PCB2の内層配線として
形成される。
ドレイン側回路基板PCB1およびゲート側回路基板P
CB2は多層配線基板であり、上記クロック信号ライン
はインターフェース回路基板PCB3およびインターフ
ェース回路基板PCB3およびドレイン側回路基板PC
B1およびゲート側回路基板PCB2の内層配線として
形成される。
【0012】なお、液晶表示パネルPNLはTFTおよ
び各種の配線/電極を形成したTFT基板と、カラーフ
ィルタを形成したフィルタ基板の2枚の基板を貼り合わ
せ、その間隙に液晶を封止してなり、TFTを駆動する
ためのドレイン側回路基板PCB1、ゲート側回路基板
PCB2およびインターフェース回路基板PCB3がテ
ープキャリアパッケージTCP1,TCP2で接続さ
れ、各回路基板間はジョイナJN1,2,3で接続され
ている。
び各種の配線/電極を形成したTFT基板と、カラーフ
ィルタを形成したフィルタ基板の2枚の基板を貼り合わ
せ、その間隙に液晶を封止してなり、TFTを駆動する
ためのドレイン側回路基板PCB1、ゲート側回路基板
PCB2およびインターフェース回路基板PCB3がテ
ープキャリアパッケージTCP1,TCP2で接続さ
れ、各回路基板間はジョイナJN1,2,3で接続され
ている。
【0013】図17は図16に示した液晶表示装置を構
成するTFT基板の1画素付近の配線構造を説明する模
式図であって、1は基板、2は走査信号線(ゲート線、
ゲート配線またはゲート電極))、2'は隣接走査信号
線(隣接ゲート線)、3は映像信号線(ドレイン配線ま
たはドレイン電極)、4はソース配線(ソース配線また
はソース電極)、5は画素電極、TFTは薄膜トランジ
スタ、Caddは付加容量素子を示す。
成するTFT基板の1画素付近の配線構造を説明する模
式図であって、1は基板、2は走査信号線(ゲート線、
ゲート配線またはゲート電極))、2'は隣接走査信号
線(隣接ゲート線)、3は映像信号線(ドレイン配線ま
たはドレイン電極)、4はソース配線(ソース配線また
はソース電極)、5は画素電極、TFTは薄膜トランジ
スタ、Caddは付加容量素子を示す。
【0014】同図において、基板1の周辺を除く中央部
は表示領域となっており、この表示領域には他方の基板
であるフィルタ基板と貼り合わせ間隙に液晶が封止され
ている。
は表示領域となっており、この表示領域には他方の基板
であるフィルタ基板と貼り合わせ間隙に液晶が封止され
ている。
【0015】そして、この表示領域には図中X方向に延
在する走査信号線2(ゲート線)とY方向に併設される
映像信号線3(ドレイン線)が形成されている。また、
この走査信号線2と絶縁されてY方向に延在し、かつX
方向に併設されるソース電極4が形成されている。
在する走査信号線2(ゲート線)とY方向に併設される
映像信号線3(ドレイン線)が形成されている。また、
この走査信号線2と絶縁されてY方向に延在し、かつX
方向に併設されるソース電極4が形成されている。
【0016】これら走査信号線2および映像信号線3で
囲まれた領域がそれぞれ1画素の領域を構成している。
すなわち、上記表示領域はマトリクス状に配置された多
数の画素領域の集合体で形成されることにある。
囲まれた領域がそれぞれ1画素の領域を構成している。
すなわち、上記表示領域はマトリクス状に配置された多
数の画素領域の集合体で形成されることにある。
【0017】各画素領域は、走査信号線2および映像信
号線3からの走査信号の供給によってオンとされる薄膜
トランジスタTFTと、このオンとされた薄膜トランジ
スタTFTを介して映像信号線3からの映像信号が供給
される画素電極5とが形成されている。また、これらの
薄膜トランジスタTFTおよび画素電極5の他に、薄膜
トランジスタTFTを駆動する走査信号線2とは異なる
他の隣接走査信号線2’と前記画素電極5との間に付加
容量素子Caddが形成されている。
号線3からの走査信号の供給によってオンとされる薄膜
トランジスタTFTと、このオンとされた薄膜トランジ
スタTFTを介して映像信号線3からの映像信号が供給
される画素電極5とが形成されている。また、これらの
薄膜トランジスタTFTおよび画素電極5の他に、薄膜
トランジスタTFTを駆動する走査信号線2とは異なる
他の隣接走査信号線2’と前記画素電極5との間に付加
容量素子Caddが形成されている。
【0018】この付加容量素子Caddは、薄膜トラン
ジスタTFTがオフとされても画素電極5に映像信号を
長く蓄積させて置くために設けられている。
ジスタTFTがオフとされても画素電極5に映像信号を
長く蓄積させて置くために設けられている。
【0019】この種の液晶表示装置においては、画素を
選択するための上記した各種配線が基板1上に各種の成
膜手段とパターニング手段を用いて形成されている。
選択するための上記した各種配線が基板1上に各種の成
膜手段とパターニング手段を用いて形成されている。
【0020】薄膜トランジスタ型等のアクティブマトリ
クス型の液晶表示装置の配線には、ヒロックの発生が少
ない高融点金属が用いられている。その配線材料として
は、純金属ではクローム(Cr)やモリブデン(Mo)
を挙げることができる。また、合金材料としては、上記
のCrとMoの合金、あるいはMoとタングステン
(W)などが使用されている。
クス型の液晶表示装置の配線には、ヒロックの発生が少
ない高融点金属が用いられている。その配線材料として
は、純金属ではクローム(Cr)やモリブデン(Mo)
を挙げることができる。また、合金材料としては、上記
のCrとMoの合金、あるいはMoとタングステン
(W)などが使用されている。
【0021】特に、純金属のうちCrは基板およびレジ
ストとの密着性が良好であり、かつ配線をエッチング処
理した場合にエッチング端部が基板面と垂直に加工され
るという特性を持つ。
ストとの密着性が良好であり、かつ配線をエッチング処
理した場合にエッチング端部が基板面と垂直に加工され
るという特性を持つ。
【0022】このような特性の材料を用いて基板上の最
下層に配線(下層配線)を形成するした場合、上記垂直
なエッチング端部のために当該下層配線の上部に形成さ
れる絶縁膜等による上記エッチング端部垂直壁での所謂
ステップカバレージが悪くなり、絶縁耐圧の劣化や上部
に形成される他の配線(上部配線)の上記下層配線乗り
越え部分での断線が発生するという問題があった。
下層に配線(下層配線)を形成するした場合、上記垂直
なエッチング端部のために当該下層配線の上部に形成さ
れる絶縁膜等による上記エッチング端部垂直壁での所謂
ステップカバレージが悪くなり、絶縁耐圧の劣化や上部
に形成される他の配線(上部配線)の上記下層配線乗り
越え部分での断線が発生するという問題があった。
【0023】図18は従来技術による液晶表示装置の構
成例を説明するTFT付近の構造を説明する部分断面図
であって、図16と同様に、1はTFT基板、1’はフ
ィルタ基板、2は走査信号線(ゲート信号線)、3は映
像信号線(ドレイン信号線)、4はソース電極、5は画
素電極、6は絶縁膜、7は半導体層、7Aはコンタクト
層、8は保護膜、8Aはコンタクトホール、9はカラー
フィルタ、10はブラックマトリクス、11は平滑層、
12は共通電極、TFTは薄膜トランジスタ、Cadd
は付加容量素子、LCは液晶を示す。
成例を説明するTFT付近の構造を説明する部分断面図
であって、図16と同様に、1はTFT基板、1’はフ
ィルタ基板、2は走査信号線(ゲート信号線)、3は映
像信号線(ドレイン信号線)、4はソース電極、5は画
素電極、6は絶縁膜、7は半導体層、7Aはコンタクト
層、8は保護膜、8Aはコンタクトホール、9はカラー
フィルタ、10はブラックマトリクス、11は平滑層、
12は共通電極、TFTは薄膜トランジスタ、Cadd
は付加容量素子、LCは液晶を示す。
【0024】図17において、一方の基板であるTFT
基板1上のTFT部分には、ゲート信号線2、絶縁膜
6、半導体層7、コンタクト層7A、ドレイン信号線
3、ソース信号線4、保護膜8、画素電極5等が成膜お
よびエッチング処理によるパターニングで多層構造に積
層され、また付加容量部分には隣接ゲート信号線2’、
絶縁膜6、保護膜8および画素電極5が同様に積層され
ている。
基板1上のTFT部分には、ゲート信号線2、絶縁膜
6、半導体層7、コンタクト層7A、ドレイン信号線
3、ソース信号線4、保護膜8、画素電極5等が成膜お
よびエッチング処理によるパターニングで多層構造に積
層され、また付加容量部分には隣接ゲート信号線2’、
絶縁膜6、保護膜8および画素電極5が同様に積層され
ている。
【0025】前記したように、基板1の最下層に形成さ
れたゲート信号線2は純Cr又はCrとMoの合金材料
からなり、そのエッチング処理で端部(側端面)が基板
1の面と垂直に加工されている。このため、その上層に
成膜された絶縁膜6がこの垂直の壁面のためにそのエッ
ジ部で図示したようなステップカバレージ不十分となる
部分が生じる。
れたゲート信号線2は純Cr又はCrとMoの合金材料
からなり、そのエッチング処理で端部(側端面)が基板
1の面と垂直に加工されている。このため、その上層に
成膜された絶縁膜6がこの垂直の壁面のためにそのエッ
ジ部で図示したようなステップカバレージ不十分となる
部分が生じる。
【0026】このように、従来の技術では、絶縁膜6の
上にはドレイン信号線3やソース信号線4が形成される
が、これらドレイン信号線3やソース信号線4がゲート
信号線2を乗り越える部分で図示したような絶縁間隔の
減少あるいは膜厚不足が生じて、耐圧低下あるいは短絡
が発生し、または断線が発生するという問題があった。
上にはドレイン信号線3やソース信号線4が形成される
が、これらドレイン信号線3やソース信号線4がゲート
信号線2を乗り越える部分で図示したような絶縁間隔の
減少あるいは膜厚不足が生じて、耐圧低下あるいは短絡
が発生し、または断線が発生するという問題があった。
【0027】また、純Cr材料を用いた配線では、その
上面がドライエッチングの雰囲気に曝されるフッ化物が
生成し、上部に形成した膜とのコンタクト特性が劣化す
るという問題があり、CrとMo、あるいはMoとWの
合金材料を配線材料とした場合は、下地または基板に対
する接着力が弱く、成膜した後の熱履歴で剥離し易くな
るという問題もあった。
上面がドライエッチングの雰囲気に曝されるフッ化物が
生成し、上部に形成した膜とのコンタクト特性が劣化す
るという問題があり、CrとMo、あるいはMoとWの
合金材料を配線材料とした場合は、下地または基板に対
する接着力が弱く、成膜した後の熱履歴で剥離し易くな
るという問題もあった。
【0028】なお、この種の配線形成におけるステップ
カバレージの問題を解決するものとして、特開平7−3
01822号公報に記載の技術がある。この公報に開示
の技術は、配線材料としてスパッタリング等でCrとM
oの成分比率を異ならせた2層の合金層を形成し、単に
下層と上層のエッチング速度の違いを利用してエッチン
グ側端面に正のテーパを持たせるものである。
カバレージの問題を解決するものとして、特開平7−3
01822号公報に記載の技術がある。この公報に開示
の技術は、配線材料としてスパッタリング等でCrとM
oの成分比率を異ならせた2層の合金層を形成し、単に
下層と上層のエッチング速度の違いを利用してエッチン
グ側端面に正のテーパを持たせるものである。
【0029】また、上記のステップカバレージの問題を
解決するものとして、本出願人は、先に、ゲート信号線
およびドレイン/ソース信号線の配線に純Crあるいは
Cr合金の端膜を用いることに代えて、下層に純Cr
を、その上層にCrMo合金を用いた積層配線を用いた
ものを提案した。
解決するものとして、本出願人は、先に、ゲート信号線
およびドレイン/ソース信号線の配線に純Crあるいは
Cr合金の端膜を用いることに代えて、下層に純Cr
を、その上層にCrMo合金を用いた積層配線を用いた
ものを提案した。
【0030】この積層配線では、上層のCr−Mo合金
層が画素電極であるITO(インジウム・スズ・オキサ
イド)との低コンタクト抵抗を、下層の純Crでは絶縁
基板、半導体(a−Si)基板との良好な密着性を実現
している。また、Cr−Mo合金は純Crに比較して低
応力であり、純Cr短膜で形成した配線よりもCr−M
o合金層と純Crの積層配線は応力が低く、膜応力に起
因した断線を少なくすることができる。
層が画素電極であるITO(インジウム・スズ・オキサ
イド)との低コンタクト抵抗を、下層の純Crでは絶縁
基板、半導体(a−Si)基板との良好な密着性を実現
している。また、Cr−Mo合金は純Crに比較して低
応力であり、純Cr短膜で形成した配線よりもCr−M
o合金層と純Crの積層配線は応力が低く、膜応力に起
因した断線を少なくすることができる。
【0031】加工性については、純CrとCr−Mo合
金の腐食電位差、つまり電池反応を利用することにより
エッチング側端面を順テーパ形状に加工することができ
る。
金の腐食電位差、つまり電池反応を利用することにより
エッチング側端面を順テーパ形状に加工することができ
る。
【0032】電池反応は、エッチング薬液(エッチャン
ト)として硝酸第2セリウムアンモニウムを用いたと
き、Cr−50Mo(Moが50wt%含有のCr−M
o合金、なお、同様にMoを30wt%含有したCr−
Mo合金はCr−30Moのように表記する)および純
Crの腐食電位は、それぞれ+1080mV、+110
0mVであり、純Crの方が20mV高く、上層にCr
−Mo合金を、下層に純Crを配した積層膜としたとき
に生じ、これにより上層のCr−Mo合金層が純Cr層
よりもエッチング速度が早くなるため、下層の純Cr層
のエッチング側端面がテーパ形状に加工される。
ト)として硝酸第2セリウムアンモニウムを用いたと
き、Cr−50Mo(Moが50wt%含有のCr−M
o合金、なお、同様にMoを30wt%含有したCr−
Mo合金はCr−30Moのように表記する)および純
Crの腐食電位は、それぞれ+1080mV、+110
0mVであり、純Crの方が20mV高く、上層にCr
−Mo合金を、下層に純Crを配した積層膜としたとき
に生じ、これにより上層のCr−Mo合金層が純Cr層
よりもエッチング速度が早くなるため、下層の純Cr層
のエッチング側端面がテーパ形状に加工される。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、上層をCr−Mo合金層と下層を純Crとした積層
膜をエッチングした場合、上層のエッチング側端面は垂
直または逆テーパ形状となる。上層と下層の膜厚比(上
層膜厚/下層膜厚)が大きいと上層膜上に成膜する絶縁
膜の上層膜エッチング側端面へのステップカバレージが
悪化するため、この膜厚比は小さくすることが望まれる
(0.5以下、好ましくは0.3以下)。しかし、膜厚
比を小さくすると、積層膜のエッチング側端面のテーパ
角が大きくなり、その積層膜の上に成膜した絶縁膜等の
ステップカバレージが悪化するという問題があった。
て、上層をCr−Mo合金層と下層を純Crとした積層
膜をエッチングした場合、上層のエッチング側端面は垂
直または逆テーパ形状となる。上層と下層の膜厚比(上
層膜厚/下層膜厚)が大きいと上層膜上に成膜する絶縁
膜の上層膜エッチング側端面へのステップカバレージが
悪化するため、この膜厚比は小さくすることが望まれる
(0.5以下、好ましくは0.3以下)。しかし、膜厚
比を小さくすると、積層膜のエッチング側端面のテーパ
角が大きくなり、その積層膜の上に成膜した絶縁膜等の
ステップカバレージが悪化するという問題があった。
【0034】上記の問題に対し、上層のCr−Mo合金
層のMo含有量を多く設定することでCr−Mo合金層
の腐食電位を小さくし、純Crとの電池反応を進行させ
ることにより、上層と下層の膜厚比を小さくして良好な
エッチング側端面のテーパ形状を良好にすることができ
る。しかし、Cr−Mo合金層のMo含有量を多くする
と、エッチングマスクであるレジストとの密着性が悪化
するので、レジスト剥がれに起因する断線等の不良発生
の原因となる。
層のMo含有量を多く設定することでCr−Mo合金層
の腐食電位を小さくし、純Crとの電池反応を進行させ
ることにより、上層と下層の膜厚比を小さくして良好な
エッチング側端面のテーパ形状を良好にすることができ
る。しかし、Cr−Mo合金層のMo含有量を多くする
と、エッチングマスクであるレジストとの密着性が悪化
するので、レジスト剥がれに起因する断線等の不良発生
の原因となる。
【0035】本発明の目的は、上記従来技術の諸問題を
解消し、下層配線と上部導体膜とのコンタクト特性が良
好で、絶縁膜等上部膜のステップカバレージが充分で、
かつ基板との接着性を満足させ、上層配線の切断や下層
配線との短絡の発生を防止して信頼性を向上させた液晶
表示装置とその製造方法を提供することにある。
解消し、下層配線と上部導体膜とのコンタクト特性が良
好で、絶縁膜等上部膜のステップカバレージが充分で、
かつ基板との接着性を満足させ、上層配線の切断や下層
配線との短絡の発生を防止して信頼性を向上させた液晶
表示装置とその製造方法を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、異種金属間の腐食電位差による腐食速度
の相違を利用したものであり、下記に記載の手段を採用
した。
め、本発明は、異種金属間の腐食電位差による腐食速度
の相違を利用したものであり、下記に記載の手段を採用
した。
【0037】(1)絶縁性基板上に第1の金属層からな
る第1層と、前記第1の金属層とは異なる第2の金属層
からなる第2層を前記第1層上に形成してなる積層構造
の配線を備え、前記第1層の側端面がテーパ角60°以
下の順テーパ形状を有し、前記第2層の側端面が基板面
に垂直な形状、または逆テーパ形状の何れかであり、か
つ前記第2層の膜厚が前記第1層の膜厚の2分の1以下
とした。
る第1層と、前記第1の金属層とは異なる第2の金属層
からなる第2層を前記第1層上に形成してなる積層構造
の配線を備え、前記第1層の側端面がテーパ角60°以
下の順テーパ形状を有し、前記第2層の側端面が基板面
に垂直な形状、または逆テーパ形状の何れかであり、か
つ前記第2層の膜厚が前記第1層の膜厚の2分の1以下
とした。
【0038】(2)走査信号線、映像信号線、画素電極
を含む複数の配線、および前記走査信号線と映像信号線
に接続して画素のオン/オフを制御するアクティブ素子
を備えた一方の基板と、少なくともカラーフィルタを備
えて前記一方の基板と微小間隙をもって貼り合わせた他
方の基板と、前記一方の基板と他方の基板の間隙に液晶
を封入してなる液晶表示装置において、少なくとも前記
走査信号線の配線が、前記一方の基板側に形成された純
クローム層からなる第1層と、前記第1層上に形成され
たクロームとモリブデンを主成分とする合金層からなる
第2層との積層構造を有し、前記第1層の側端面がテー
パ角60°以下の順テーパ形状を有し、前記第2層の側
端面が基板面に垂直な形状、または逆テーパ形状の何れ
かであり、かつ前記第2層の膜厚を前記第1層の膜厚の
2分の1以下とした。
を含む複数の配線、および前記走査信号線と映像信号線
に接続して画素のオン/オフを制御するアクティブ素子
を備えた一方の基板と、少なくともカラーフィルタを備
えて前記一方の基板と微小間隙をもって貼り合わせた他
方の基板と、前記一方の基板と他方の基板の間隙に液晶
を封入してなる液晶表示装置において、少なくとも前記
走査信号線の配線が、前記一方の基板側に形成された純
クローム層からなる第1層と、前記第1層上に形成され
たクロームとモリブデンを主成分とする合金層からなる
第2層との積層構造を有し、前記第1層の側端面がテー
パ角60°以下の順テーパ形状を有し、前記第2層の側
端面が基板面に垂直な形状、または逆テーパ形状の何れ
かであり、かつ前記第2層の膜厚を前記第1層の膜厚の
2分の1以下とした。
【0039】(3)走査信号線、映像信号線、画素電極
を含む複数の配線、および前記走査信号線と映像信号線
に接続して画素のオン/オフを制御するアクティブ素子
を備えた一方の基板と、少なくともカラーフィルタを備
えて前記一方の基板と微小間隙をもって貼り合わせた他
方の基板と、前記一方の基板と他方の基板の間隙に液晶
を封入してなる液晶表示装置において、少なくとも前記
一方の基板上に絶縁材の薄膜層からなる下地層を有し、
前記走査信号線の配線が、クロームとモリブデンを主成
分とする合金層からなり、この合金層と前記下地層の間
に純クローム層を介在させてなり、前記第1層の側端面
がテーパ角60°以下の順テーパ形状を有し、前記第2
層の側端面が基板面に垂直な形状、または逆テーパ形状
の何れかであり、かつ前記第2層の膜厚を前記第1層の
膜厚の2分の1以下とした。
を含む複数の配線、および前記走査信号線と映像信号線
に接続して画素のオン/オフを制御するアクティブ素子
を備えた一方の基板と、少なくともカラーフィルタを備
えて前記一方の基板と微小間隙をもって貼り合わせた他
方の基板と、前記一方の基板と他方の基板の間隙に液晶
を封入してなる液晶表示装置において、少なくとも前記
一方の基板上に絶縁材の薄膜層からなる下地層を有し、
前記走査信号線の配線が、クロームとモリブデンを主成
分とする合金層からなり、この合金層と前記下地層の間
に純クローム層を介在させてなり、前記第1層の側端面
がテーパ角60°以下の順テーパ形状を有し、前記第2
層の側端面が基板面に垂直な形状、または逆テーパ形状
の何れかであり、かつ前記第2層の膜厚を前記第1層の
膜厚の2分の1以下とした。
【0040】(4)ゲート線とドレイン線、映像信号
線、画素電極を含む複数の配線、および前記ゲート線と
ドレイン線と映像信号線に接続して画素のオン/オフを
制御するアクティブ素子を備えた一方の基板と、少なく
ともカラーフィルタを備えて前記一方の基板と微小間隙
をもって貼り合わせた他方の基板と、前記一方の基板と
他方の基板の間隙に液晶を封入してなる液晶表示装置に
おいて、少なくとも前記一方の基板上に絶縁材の薄膜層
からなる下地層を有し、前記ゲート線が前記一方の基板
側に形成された純クローム層からなる第1層と、前記第
1層上に形成されたクロームとモリブデンを主成分とす
る合金層からなる第2層との積層構造であり、前記ドレ
イン線がクロームとモリブデンを主成分とする合金層か
らなる単層構造であり、前記第1層の側端面がテーパ角
60°以下の順テーパ形状を有し、前記第2層の側端面
が基板面に垂直な形状、または逆テーパ形状の何れかで
あり、かつ前記第2層の膜厚を前記第1層の膜厚の2分
の1以下とした。
線、画素電極を含む複数の配線、および前記ゲート線と
ドレイン線と映像信号線に接続して画素のオン/オフを
制御するアクティブ素子を備えた一方の基板と、少なく
ともカラーフィルタを備えて前記一方の基板と微小間隙
をもって貼り合わせた他方の基板と、前記一方の基板と
他方の基板の間隙に液晶を封入してなる液晶表示装置に
おいて、少なくとも前記一方の基板上に絶縁材の薄膜層
からなる下地層を有し、前記ゲート線が前記一方の基板
側に形成された純クローム層からなる第1層と、前記第
1層上に形成されたクロームとモリブデンを主成分とす
る合金層からなる第2層との積層構造であり、前記ドレ
イン線がクロームとモリブデンを主成分とする合金層か
らなる単層構造であり、前記第1層の側端面がテーパ角
60°以下の順テーパ形状を有し、前記第2層の側端面
が基板面に垂直な形状、または逆テーパ形状の何れかで
あり、かつ前記第2層の膜厚を前記第1層の膜厚の2分
の1以下とした。
【0041】(5)ゲート線とドレイン線、映像信号
線、画素電極を含む複数の配線、および前記ゲート線と
ドレイン線と映像信号線に接続して画素のオン/オフを
制御するアクティブ素子を備えた一方の基板と、少なく
ともカラーフィルタを備えて前記一方の基板と微小間隙
をもって貼り合わせた他方の基板と、前記一方の基板と
他方の基板の間隙に液晶を封入してなる液晶表示装置に
おいて、少なくとも前記一方の基板上に絶縁材の薄膜層
からなる下地層を有し、前記ゲート線およびドレイン線
が前記一方の基板側に形成された純クローム層からなる
第1層と、前記第1層上に形成されたクロームとモリブ
デンを主成分とする合金層からなる第2層との積層構造
であり、前記第1層の側端面がテーパ角60°以下の順
テーパ形状を有し、前記第2層の側端面が基板面に垂直
な形状、または逆テーパ形状の何れかであり、かつ前記
第2層の膜厚を前記第1層の膜厚の2分の1以下とし
た。
線、画素電極を含む複数の配線、および前記ゲート線と
ドレイン線と映像信号線に接続して画素のオン/オフを
制御するアクティブ素子を備えた一方の基板と、少なく
ともカラーフィルタを備えて前記一方の基板と微小間隙
をもって貼り合わせた他方の基板と、前記一方の基板と
他方の基板の間隙に液晶を封入してなる液晶表示装置に
おいて、少なくとも前記一方の基板上に絶縁材の薄膜層
からなる下地層を有し、前記ゲート線およびドレイン線
が前記一方の基板側に形成された純クローム層からなる
第1層と、前記第1層上に形成されたクロームとモリブ
デンを主成分とする合金層からなる第2層との積層構造
であり、前記第1層の側端面がテーパ角60°以下の順
テーパ形状を有し、前記第2層の側端面が基板面に垂直
な形状、または逆テーパ形状の何れかであり、かつ前記
第2層の膜厚を前記第1層の膜厚の2分の1以下とし
た。
【0042】(6)上記(4)または(5)において、
少なくとも前記一方の基板上に絶縁材の薄膜層からなる
下地層を有し、この下地層の上に前記ゲート線とドレイ
ン線、映像信号線、画素電極を含む複数の配線、および
前記ゲート線とドレイン線と映像信号線に接続して画素
のオン/オフを制御するアクティブ素子を形成した。
少なくとも前記一方の基板上に絶縁材の薄膜層からなる
下地層を有し、この下地層の上に前記ゲート線とドレイ
ン線、映像信号線、画素電極を含む複数の配線、および
前記ゲート線とドレイン線と映像信号線に接続して画素
のオン/オフを制御するアクティブ素子を形成した。
【0043】(7)上記(2)〜(6)において、前記
ゲート線が2層構造であり、前記画素電極をインジュウ
ム−スズオキサイド膜で形成してなり、前記ゲート線と
前記画素電極の間に成膜された絶縁層とで付加容量素子
を形成した。
ゲート線が2層構造であり、前記画素電極をインジュウ
ム−スズオキサイド膜で形成してなり、前記ゲート線と
前記画素電極の間に成膜された絶縁層とで付加容量素子
を形成した。
【0044】(8)走査信号線、映像信号線、画素電極
を含む複数の配線、および前記走査信号線と映像信号線
に接続して画素のオン/オフを制御するアクティブ素子
を備えた一方の基板と、少なくともカラーフィルタを備
えて前記一方の基板と微小間隙をもって貼り合わせた他
方の基板と、前記一方の基板と他方の基板の間隙に液晶
を封入してなる液晶表示装置の製造方法において、前記
走査信号線が、異なる組成の金属材料で構成した下層と
上層からなる積層構造の薄膜とし、この薄膜を腐食電位
差調整液が添加されたエッチング薬液中に浸漬させ、前
記エッチング薬液中での前記上層の腐食電位を前記下層
の腐食電位より低く設定して前記上層と下層の間に電池
反応を生起させ、腐食電位の低い前記上層のエッチング
速度を前記下層より早くすることにより、前記積層構造
の薄膜の下層側端面に順テーパを形成すると共に上層側
端面に基板面に垂直な形状、または逆テーパ形状の何れ
かを付与する。
を含む複数の配線、および前記走査信号線と映像信号線
に接続して画素のオン/オフを制御するアクティブ素子
を備えた一方の基板と、少なくともカラーフィルタを備
えて前記一方の基板と微小間隙をもって貼り合わせた他
方の基板と、前記一方の基板と他方の基板の間隙に液晶
を封入してなる液晶表示装置の製造方法において、前記
走査信号線が、異なる組成の金属材料で構成した下層と
上層からなる積層構造の薄膜とし、この薄膜を腐食電位
差調整液が添加されたエッチング薬液中に浸漬させ、前
記エッチング薬液中での前記上層の腐食電位を前記下層
の腐食電位より低く設定して前記上層と下層の間に電池
反応を生起させ、腐食電位の低い前記上層のエッチング
速度を前記下層より早くすることにより、前記積層構造
の薄膜の下層側端面に順テーパを形成すると共に上層側
端面に基板面に垂直な形状、または逆テーパ形状の何れ
かを付与する。
【0045】上記の各構成において、上層をCr−Mo
合金層、下層を純Cr層とした積層膜で構成し、この積
層膜上に形成する絶縁膜を、例えば300〜400nm
としたとき、上層のエッチング側端面の形状が垂直また
は逆テーパとなっても、その絶縁膜のステップカバレー
ジが悪化しない膜厚としてCrに50wt%のMoを混
入したCr−Mo合金層の膜厚は20nm、下層の純C
rの膜厚は180nmとし、エッチング薬液として硝酸
第2セリウムアンモニウム水溶液(15wt%)に硝酸
HNO3 (10vol%)を添加したものを用いる。
合金層、下層を純Cr層とした積層膜で構成し、この積
層膜上に形成する絶縁膜を、例えば300〜400nm
としたとき、上層のエッチング側端面の形状が垂直また
は逆テーパとなっても、その絶縁膜のステップカバレー
ジが悪化しない膜厚としてCrに50wt%のMoを混
入したCr−Mo合金層の膜厚は20nm、下層の純C
rの膜厚は180nmとし、エッチング薬液として硝酸
第2セリウムアンモニウム水溶液(15wt%)に硝酸
HNO3 (10vol%)を添加したものを用いる。
【0046】このエッチング薬液中でのCr−Moと純
Crの各腐食電位は1100mV、1140mVであ
り、40mVの腐食電位差がある。硝酸を添加しない硝
酸第2セリウムアンモニウム(15wt%)水溶液で
は、Cr−Moと純Crの各腐食電位は1080mV、
1100mVで、腐食電位差は20mVである。
Crの各腐食電位は1100mV、1140mVであ
り、40mVの腐食電位差がある。硝酸を添加しない硝
酸第2セリウムアンモニウム(15wt%)水溶液で
は、Cr−Moと純Crの各腐食電位は1080mV、
1100mVで、腐食電位差は20mVである。
【0047】つまり、硝酸を添加したエッチング薬液は
Cr−Moと純Crの腐食電位差を大きくする働きがあ
る。腐食電位差を大きくすることにより、Cr−Moと
純Cr間の電池反応が進行し、同じ膜構成でありながら
エッチング側端縁のテーパ各を低角にすることができ
る。後述の実施例で詳述するように、積層膜のエッチン
グ側端縁のテーパ角をが60°以下にすることで、その
上に形成する絶縁膜の絶縁耐圧が高くなり、またエッチ
ング側端縁のステップカバレージが良好になる。
Cr−Moと純Crの腐食電位差を大きくする働きがあ
る。腐食電位差を大きくすることにより、Cr−Moと
純Cr間の電池反応が進行し、同じ膜構成でありながら
エッチング側端縁のテーパ各を低角にすることができ
る。後述の実施例で詳述するように、積層膜のエッチン
グ側端縁のテーパ角をが60°以下にすることで、その
上に形成する絶縁膜の絶縁耐圧が高くなり、またエッチ
ング側端縁のステップカバレージが良好になる。
【0048】なお、例えば、3層(Cr−Mo合金、A
l合金、純Cr)の膜構造でも、エッチング薬液に硝酸
を添加することで、Cr−Mo合金および純Crの腐食
電位を変化させることができ、同じ膜構造でありながら
エッチング側端縁のテーパ各を低角にすることができ
る。
l合金、純Cr)の膜構造でも、エッチング薬液に硝酸
を添加することで、Cr−Mo合金および純Crの腐食
電位を変化させることができ、同じ膜構造でありながら
エッチング側端縁のテーパ各を低角にすることができ
る。
【0049】また、上層と下層とでその腐食電位に差を
生じさせ、上層の腐食電位を下層のそれより低く設定す
ることにより、両者を腐食電位差調整液としての硝酸を
添加した同一のエッチング薬液に浸漬させた場合に、上
層でサイドエッチングが進行し、下層の上部でもその下
部よりもサイドエッチングが早く進行する。
生じさせ、上層の腐食電位を下層のそれより低く設定す
ることにより、両者を腐食電位差調整液としての硝酸を
添加した同一のエッチング薬液に浸漬させた場合に、上
層でサイドエッチングが進行し、下層の上部でもその下
部よりもサイドエッチングが早く進行する。
【0050】図5は上層と下層の腐食電位に差を持たせ
たときの電池反応によるエッチングの進行状態を説明す
る模式図である。
たときの電池反応によるエッチングの進行状態を説明す
る模式図である。
【0051】基板1上に形成した第1層2Aと第2層2
Bからなる2層の積層構造の配線層の下層である上記第
1層2Aを純Cr、上層である上記第2層をCrとMo
の合金層(Cr−Mo)としたとき、エッチング液中で
の第1層2Aの腐食電位を高く(H)し、第2層2Bの
腐食電位を低く(L)することにより、エッチング薬液
に浸漬したときに、両者間に電池反応が生起する。この
電池反応により、エッチングは図中矢印Eに示したよう
に進行する。
Bからなる2層の積層構造の配線層の下層である上記第
1層2Aを純Cr、上層である上記第2層をCrとMo
の合金層(Cr−Mo)としたとき、エッチング液中で
の第1層2Aの腐食電位を高く(H)し、第2層2Bの
腐食電位を低く(L)することにより、エッチング薬液
に浸漬したときに、両者間に電池反応が生起する。この
電池反応により、エッチングは図中矢印Eに示したよう
に進行する。
【0052】電池反応の影響で上下層の界面が最もエッ
チング速度が大きくなり、下層2A全体の側端面は順テ
ーパ形状に加工され、上層2Bの側端面は基板1の面と
垂直な形状あるいは若干逆テーパ形状に加工される。
チング速度が大きくなり、下層2A全体の側端面は順テ
ーパ形状に加工され、上層2Bの側端面は基板1の面と
垂直な形状あるいは若干逆テーパ形状に加工される。
【0053】このように、2種類の異なる組成の上下層
間の電池反応によって、相対的に上層のエッチング速度
を加速させる場合、上層よりも下層の腐食電位を高く設
定することが不可欠である。しかも、側端面を順テーパ
形状に加工するためには下層のエッチング時にも上層の
サイドエッチングが進行する必要がある。したがって、
上下層は同一のエッチング薬液でエッチングが進行する
ように同一の合金系か、あるいは別の金属であっても同
一のエッチング薬液でエッチングされる材料とする必要
がある。
間の電池反応によって、相対的に上層のエッチング速度
を加速させる場合、上層よりも下層の腐食電位を高く設
定することが不可欠である。しかも、側端面を順テーパ
形状に加工するためには下層のエッチング時にも上層の
サイドエッチングが進行する必要がある。したがって、
上下層は同一のエッチング薬液でエッチングが進行する
ように同一の合金系か、あるいは別の金属であっても同
一のエッチング薬液でエッチングされる材料とする必要
がある。
【0054】そして、両者の腐食電位差があまり大きい
と上層だけが急激にエッチングされて下層のエッチング
が進まないか、エッチングがなされてもテーパ角が小さ
くなってしまう。そのため、上下層の腐食電位差は10
mV以上300mV以下とするのが望ましいことが実験
的により分かった。
と上層だけが急激にエッチングされて下層のエッチング
が進まないか、エッチングがなされてもテーパ角が小さ
くなってしまう。そのため、上下層の腐食電位差は10
mV以上300mV以下とするのが望ましいことが実験
的により分かった。
【0055】その中でも、30mV以上200mV以下
で所望のテーパ角を得ることができた。
で所望のテーパ角を得ることができた。
【0056】この条件を満たせば、上下層それぞれの単
独でのエッチング速度に関係なく、また単独での下層の
組成のエッチング速度が上層のエッチング速度より大き
くても、両者を積層構造とすることで所望とするテーパ
形状を持った配線の形成が可能となる。
独でのエッチング速度に関係なく、また単独での下層の
組成のエッチング速度が上層のエッチング速度より大き
くても、両者を積層構造とすることで所望とするテーパ
形状を持った配線の形成が可能となる。
【0057】このように、基板上に形成する配線の側端
面にテーパ形状を持たせたことで、その上に形成する絶
縁膜のステップカバレージが良好となり、絶縁耐圧の劣
化や上部に形成される他の配線(上部配線)の上記下層
配線乗り越え部分でのCVD絶縁膜等の薄膜(CVD
膜)にクラックが入り、これがその上層に成膜するドレ
イン配線やソース配線の断線を招くという問題が解消さ
れる。
面にテーパ形状を持たせたことで、その上に形成する絶
縁膜のステップカバレージが良好となり、絶縁耐圧の劣
化や上部に形成される他の配線(上部配線)の上記下層
配線乗り越え部分でのCVD絶縁膜等の薄膜(CVD
膜)にクラックが入り、これがその上層に成膜するドレ
イン配線やソース配線の断線を招くという問題が解消さ
れる。
【0058】なお、上記の電池反応を利用したエッチン
グにおいて、上層の層厚を小さくすれば、その側端面の
形状が基板面に垂直あるいは逆テーパ系形状であって
も、その後に上部に形成される膜のステップカバレージ
の不良は回避できる。
グにおいて、上層の層厚を小さくすれば、その側端面の
形状が基板面に垂直あるいは逆テーパ系形状であって
も、その後に上部に形成される膜のステップカバレージ
の不良は回避できる。
【0059】図19は上層をCr−Mo合金(20n
m)、下層をCr(180nm)とした積層膜上に絶縁
膜(窒化シリコン、300nm)を形成した時の、積層
膜エッチング側端縁のテーパ角と絶縁膜の絶縁耐圧の関
係を示している。テーパ角が小さくなるにつれ絶縁耐圧
は高くなり、テーパ角60°以下では絶縁耐圧が2.5
×105 V/mm以上となる。TFTの特性検査および
特性修正時にTFTに印加される電界は、最大2.5×
105 V/mmである。従って、TFTの特性検査およ
び特性修正時に印加される最大2.5×105 V/mm
の電界(電位差にして60V)により絶縁膜が絶縁破壊
しない為に、積層膜のエッチング側端縁のテーパ角は6
0°以下である必要がある。
m)、下層をCr(180nm)とした積層膜上に絶縁
膜(窒化シリコン、300nm)を形成した時の、積層
膜エッチング側端縁のテーパ角と絶縁膜の絶縁耐圧の関
係を示している。テーパ角が小さくなるにつれ絶縁耐圧
は高くなり、テーパ角60°以下では絶縁耐圧が2.5
×105 V/mm以上となる。TFTの特性検査および
特性修正時にTFTに印加される電界は、最大2.5×
105 V/mmである。従って、TFTの特性検査およ
び特性修正時に印加される最大2.5×105 V/mm
の電界(電位差にして60V)により絶縁膜が絶縁破壊
しない為に、積層膜のエッチング側端縁のテーパ角は6
0°以下である必要がある。
【0060】図6は上層と下層の膜厚比を変化させたと
きのゲート配線部に形成したCVD膜に入るクラックの
長さ変化の説明図であって、横軸に下層の膜厚aと上層
の膜厚bの比a/bを、縦軸にクラック長さ(nm)を
取って示す。なお、同図中の膜断面図において、CLは
クラックを示す。
きのゲート配線部に形成したCVD膜に入るクラックの
長さ変化の説明図であって、横軸に下層の膜厚aと上層
の膜厚bの比a/bを、縦軸にクラック長さ(nm)を
取って示す。なお、同図中の膜断面図において、CLは
クラックを示す。
【0061】同図に示したように、上層2Bの膜厚aが
下層2Aの膜厚bより厚い場合、すなわちa/bが1以
上の場合にはCVD膜のゲート配線2への絶縁膜6のカ
バレージが悪く、長いクラックが生じる。
下層2Aの膜厚bより厚い場合、すなわちa/bが1以
上の場合にはCVD膜のゲート配線2への絶縁膜6のカ
バレージが悪く、長いクラックが生じる。
【0062】これに対し、a/bが減少するにつれてク
ラックが入り難くなり、a/bが0.5以下でクラック
の発生が激減し、0.3以下では殆どクラックが発生せ
ず、ゲート/ドレイン間の耐圧は向上する。
ラックが入り難くなり、a/bが0.5以下でクラック
の発生が激減し、0.3以下では殆どクラックが発生せ
ず、ゲート/ドレイン間の耐圧は向上する。
【0063】そして、a/bが0.5以下、好ましくは
0.3以下になるように上層2Bの膜厚を薄く形成する
ことで、クラックが皆無ないしは実用上問題のない状態
にすることができる。例えば、下層2Aの膜厚を200
nmとしたとき、上層2Bの膜厚は60nm以下でクラ
ックは殆ど入らない優れたステップカバレージを実現で
きる。
0.3以下になるように上層2Bの膜厚を薄く形成する
ことで、クラックが皆無ないしは実用上問題のない状態
にすることができる。例えば、下層2Aの膜厚を200
nmとしたとき、上層2Bの膜厚は60nm以下でクラ
ックは殆ど入らない優れたステップカバレージを実現で
きる。
【0064】上層2Bの膜厚が薄い程、その上に成膜さ
れる絶縁膜のクラック発生の影響を低減できるが、薄膜
を基板全面に形成するための不可欠の膜厚は10nm以
上であるため、上層2Bの膜厚は10nm以上60nm
以下とするのが望ましい。
れる絶縁膜のクラック発生の影響を低減できるが、薄膜
を基板全面に形成するための不可欠の膜厚は10nm以
上であるため、上層2Bの膜厚は10nm以上60nm
以下とするのが望ましい。
【0065】ここで、純Cr層とCr−Mo合金層の積
層膜構造のテーパエッチングにメカジズムについて説明
する。
層膜構造のテーパエッチングにメカジズムについて説明
する。
【0066】Cr−Mo合金層と純Crの単独での加工
速度すなわちエッチングレートを比較すると、Cr−M
o合金層の方が純Crより約4倍早い。したがって、C
r−Mo合金層を純Cr層の上層に積層して多層膜を形
成すると、純Crの方が早くサイドエッチングが進行
し、Cr−Mo合金層が純Cr上にオーバーハング状に
残るはずである。しかし、現実には、Cr−Mo合金層
の方が純Cr層より早くサイドエッチングが進み、結果
的にはエッチング側端縁に良好な順テーパ形状が形成さ
れる。これは、単なるエッチングレート差によるものだ
けでなく、両層の間の電位差に基づく電池反応が起こ
り、エッチングレートが逆転することによるものであ
る。
速度すなわちエッチングレートを比較すると、Cr−M
o合金層の方が純Crより約4倍早い。したがって、C
r−Mo合金層を純Cr層の上層に積層して多層膜を形
成すると、純Crの方が早くサイドエッチングが進行
し、Cr−Mo合金層が純Cr上にオーバーハング状に
残るはずである。しかし、現実には、Cr−Mo合金層
の方が純Cr層より早くサイドエッチングが進み、結果
的にはエッチング側端縁に良好な順テーパ形状が形成さ
れる。これは、単なるエッチングレート差によるものだ
けでなく、両層の間の電位差に基づく電池反応が起こ
り、エッチングレートが逆転することによるものであ
る。
【0067】ある溶液中に材料を浸すと、その材料の当
該溶液中での酸化還元電位が発現する。腐食環境の溶液
では、材料は溶解する際の酸化還元電位すなわち腐食電
位が発現する。同一の溶液中に2種類の異なる電極を浸
すと、それぞれが異なる腐食電位を示す。これらの電極
間を結線すると、2種類の電極間に電位差が生じ、電流
が流れる。この構成をガルバニックセルと言い、その電
流をガルバニック電流と称する。
該溶液中での酸化還元電位が発現する。腐食環境の溶液
では、材料は溶解する際の酸化還元電位すなわち腐食電
位が発現する。同一の溶液中に2種類の異なる電極を浸
すと、それぞれが異なる腐食電位を示す。これらの電極
間を結線すると、2種類の電極間に電位差が生じ、電流
が流れる。この構成をガルバニックセルと言い、その電
流をガルバニック電流と称する。
【0068】このガルバニックセルでは、酸化還元電位
の低い方がアノード電極として働き、アノード電極の表
面では酸化反応が起こり、電極がイオン化して溶け出
す。一方、酸化還元電位の低い方がカソード電極として
働き、カソード電極側では水の還元反応が起こり、水素
が発生する。
の低い方がアノード電極として働き、アノード電極の表
面では酸化反応が起こり、電極がイオン化して溶け出
す。一方、酸化還元電位の低い方がカソード電極として
働き、カソード電極側では水の還元反応が起こり、水素
が発生する。
【0069】Cr−Mo合金層と順Cr層の積層構造を
Crのエッチング液に浸すと、Cr−Mo合金層と順C
r層とでガルバニックセルが形成され、それぞれエッチ
ング液に接触している部分で酸化還元反応が起こり、積
層している両者の界面でガルバニック電流が流れること
になる。
Crのエッチング液に浸すと、Cr−Mo合金層と順C
r層とでガルバニックセルが形成され、それぞれエッチ
ング液に接触している部分で酸化還元反応が起こり、積
層している両者の界面でガルバニック電流が流れること
になる。
【0070】Crエッチング液中ではCr−Mo合金層
の腐食電位は順Crのそれより約20mV程度低いた
め、Cr−Mo合金層がアノード電極、順Cr層がカソ
ード電極となり、両者の間でガルバニック電流が流れ
る。
の腐食電位は順Crのそれより約20mV程度低いた
め、Cr−Mo合金層がアノード電極、順Cr層がカソ
ード電極となり、両者の間でガルバニック電流が流れ
る。
【0071】もともと、Cr−Mo合金層、順Cr層と
も、例えば下記の式(1)および式(2)で示されるエ
ッチングという酸化反応が起こっている。
も、例えば下記の式(1)および式(2)で示されるエ
ッチングという酸化反応が起こっている。
【0072】 Cr→Cr3++3e ・・・・・・・(1) Mo→Mo3++3e ・・・・・・・(2) ここで、ガルバニックセルのアノード電極側となるCr
−Mo合金層側では酸化反応、すなわち上式(1)およ
び(2)に示されるエッチング反応が促進されることに
なる。一方、カソード電極側となる順Cr層側では、通
常、水の還元反応による水素ガスが発生するが、ここで
も式(1)に示すCrの酸化反応であるエッチング反応
が起きている。この場合、Crイオンを下記の式(3)
に示すように一部還元することでCrのエッチング反応
を抑制することになる。
−Mo合金層側では酸化反応、すなわち上式(1)およ
び(2)に示されるエッチング反応が促進されることに
なる。一方、カソード電極側となる順Cr層側では、通
常、水の還元反応による水素ガスが発生するが、ここで
も式(1)に示すCrの酸化反応であるエッチング反応
が起きている。この場合、Crイオンを下記の式(3)
に示すように一部還元することでCrのエッチング反応
を抑制することになる。
【0073】 Cr3++3e→Cr ・・・・・・・(3) 以上のような電池反応は、上層であるCr−Mo合金層
のエッチングが終わり、下層の純Cr層と上層のCr−
Mo合金層の両層がエッチング液に触れた瞬間から始ま
る。すなわち、Cr−Mo合金層の膜厚方向へのエッチ
ング終了と共に上層のCr−Mo合金層のサイドエッチ
ングが加速される。その結果、界面近傍のCr−Mo合
金層が最も速くエッチングがなされて後退する。
のエッチングが終わり、下層の純Cr層と上層のCr−
Mo合金層の両層がエッチング液に触れた瞬間から始ま
る。すなわち、Cr−Mo合金層の膜厚方向へのエッチ
ング終了と共に上層のCr−Mo合金層のサイドエッチ
ングが加速される。その結果、界面近傍のCr−Mo合
金層が最も速くエッチングがなされて後退する。
【0074】下層の純Cr層は、界面に近いほど速くエ
ッチング液に触れるため、そこにエッチング液が浸入
し、Cr層のエッチングが進行する。したがって、下層
の純Cr層はCr−Mo合金層との界面に近い程エッチ
ング後退が進み、順テーパ状に加工される。
ッチング液に触れるため、そこにエッチング液が浸入
し、Cr層のエッチングが進行する。したがって、下層
の純Cr層はCr−Mo合金層との界面に近い程エッチ
ング後退が進み、順テーパ状に加工される。
【0075】Cr−Mo合金層と純Cr層との電位差
は、その積層界面で最も高く、界面からの距離が離れる
に応じて電位差は小さくなる。したがって、上層のCr
−Mo合金層は上側(レジスト側)ほど酸化反応が小さ
くなるため、そのサイドエッチングレートは小さくな
る。その結果、Cr−Mo合金層の側端縁は若干の逆テ
ーパまたは垂直に近い形状となる。
は、その積層界面で最も高く、界面からの距離が離れる
に応じて電位差は小さくなる。したがって、上層のCr
−Mo合金層は上側(レジスト側)ほど酸化反応が小さ
くなるため、そのサイドエッチングレートは小さくな
る。その結果、Cr−Mo合金層の側端縁は若干の逆テ
ーパまたは垂直に近い形状となる。
【0076】純Cr層とCr−Mo合金層を単に積層し
た場合の断面形状は、通常、上層のサイドエッチングレ
ートと下層のサイドエッチングレートの大小関係で決ま
るが、本発明は、上記とに加えてエッチング液に腐食電
位差調整液を添加することで界面のサイドエッチングを
制御可能としたものである。この腐食電位差調整液とし
ては、エッチング液が硝酸第2セリウムアンモニウムで
ある場合には硝酸が適している。
た場合の断面形状は、通常、上層のサイドエッチングレ
ートと下層のサイドエッチングレートの大小関係で決ま
るが、本発明は、上記とに加えてエッチング液に腐食電
位差調整液を添加することで界面のサイドエッチングを
制御可能としたものである。この腐食電位差調整液とし
ては、エッチング液が硝酸第2セリウムアンモニウムで
ある場合には硝酸が適している。
【0077】従来技術では、特に単層の場合は、はレジ
ストと膜界面でのエッチング液のしみ込みによるサイド
エッチング、は膜自体のサイドエッチングレート及び下
地界面でのサイドエッチングレートとなる。この場合、
に関しては、レジストと膜界面でのエッチング液のしみ
込みがレジストと膜との密着力に大きく依存し、したが
って、大画面になる程、レジスト密着性を均一に制御す
るのは困難となる。すなわち、密着力の小さい場所で
は、サイドエッチングレートが大きくなる。その結果、
基板内でテーパ形状のばらつきを生じる。
ストと膜界面でのエッチング液のしみ込みによるサイド
エッチング、は膜自体のサイドエッチングレート及び下
地界面でのサイドエッチングレートとなる。この場合、
に関しては、レジストと膜界面でのエッチング液のしみ
込みがレジストと膜との密着力に大きく依存し、したが
って、大画面になる程、レジスト密着性を均一に制御す
るのは困難となる。すなわち、密着力の小さい場所で
は、サイドエッチングレートが大きくなる。その結果、
基板内でテーパ形状のばらつきを生じる。
【0078】これに対し、本発明では、上記とに加え
て、を導入することで、テーパ形状を積層した材料の酸
化還元電位だけで制御することができる。したがって、
のレジスト密着性の面内分布が大きい場合でも、その影
響を皆無とすることができ、断面形状を基板面積によら
ず面内で均一に制御することができる。
て、を導入することで、テーパ形状を積層した材料の酸
化還元電位だけで制御することができる。したがって、
のレジスト密着性の面内分布が大きい場合でも、その影
響を皆無とすることができ、断面形状を基板面積によら
ず面内で均一に制御することができる。
【0079】図7は純CrとCr−Mo合金の硝酸第2
セリウム水溶液での腐食電位の変化をMo濃度を変えて
測定した結果の説明図である。
セリウム水溶液での腐食電位の変化をMo濃度を変えて
測定した結果の説明図である。
【0080】純CrすなわちMo濃度が0の場合の腐食
電位は1100mV、Moを50wt%含むCr−Mo
合金、すなわちCr−50Mo合金の場合は1080m
Vである。この両者の電位差を利用することで図4に示
したテーパエッチングが可能となる。なお、純Moの腐
食電位は360mVと低いために、Mo濃度が高くなる
程Cr−Mo合金の腐食電位は低下する。
電位は1100mV、Moを50wt%含むCr−Mo
合金、すなわちCr−50Mo合金の場合は1080m
Vである。この両者の電位差を利用することで図4に示
したテーパエッチングが可能となる。なお、純Moの腐
食電位は360mVと低いために、Mo濃度が高くなる
程Cr−Mo合金の腐食電位は低下する。
【0081】図8は純Crと組み合わせるCr−Mo合
金の組成を変化させたときのテーパ角変化の説明図であ
る。
金の組成を変化させたときのテーパ角変化の説明図であ
る。
【0082】図示されたように、Mo濃度が0の場合、
即ち純Crの場合はCr単独の配線となり、テーパ角は
90度(基板面と垂直)になり、Cr−50Moの場合
には約60度となる。テーパ角が低い方がCVD膜およ
び配線膜のカバレージが良好となる一方、サイドエッチ
量が大きくなって、パターン精度が低下する。したがっ
て、テーパ角は必要に応じて10〜60度の範囲で選択
する。
即ち純Crの場合はCr単独の配線となり、テーパ角は
90度(基板面と垂直)になり、Cr−50Moの場合
には約60度となる。テーパ角が低い方がCVD膜およ
び配線膜のカバレージが良好となる一方、サイドエッチ
量が大きくなって、パターン精度が低下する。したがっ
て、テーパ角は必要に応じて10〜60度の範囲で選択
する。
【0083】上記した技術事項に基づいて本発明は、エ
ッチング液に腐食電位差調整液を添加することで界面の
サイドエッチングを制御可能とし、基板面内のテーパ角
分布を大幅に改善できるようにしたものである。この腐
食電位差調整液としては、エッチング液が硝酸第2セリ
ウムアンモニウムである場合には硝酸が適している。
ッチング液に腐食電位差調整液を添加することで界面の
サイドエッチングを制御可能とし、基板面内のテーパ角
分布を大幅に改善できるようにしたものである。この腐
食電位差調整液としては、エッチング液が硝酸第2セリ
ウムアンモニウムである場合には硝酸が適している。
【0084】また、フォトレジストと金属薄膜との間へ
のエッチング液の浸み込みを利用するテーパ加工の場
合、フォトレジストと金属薄膜との密着性の面内ばらつ
きを反映してテーパ角が大きくばらつき、中央部と周辺
部とでテーパ角が2倍程開くことがある。これに対し、
本発明の場合、、上記腐食電位差が使用する材料によっ
て決まっているものであることから、上層膜と下層膜と
の電位差を利用した本発明によれば、エッチングしたテ
ーパ角の面内ばらつきが極めて小さく、±9%以内に制
御することができる。
のエッチング液の浸み込みを利用するテーパ加工の場
合、フォトレジストと金属薄膜との密着性の面内ばらつ
きを反映してテーパ角が大きくばらつき、中央部と周辺
部とでテーパ角が2倍程開くことがある。これに対し、
本発明の場合、、上記腐食電位差が使用する材料によっ
て決まっているものであることから、上層膜と下層膜と
の電位差を利用した本発明によれば、エッチングしたテ
ーパ角の面内ばらつきが極めて小さく、±9%以内に制
御することができる。
【0085】図9は硝酸第2セリウムアンモニウムに添
加するHNO3 の添加量に対する腐食電位の変化の説明
図である。図中、△は純Cr、□はCr−30Mo、◇
はCr−50Moの場合を示す。なお、腐食電位はAg
−AgClの腐食電位を基準としたものである。図9に
は、腐食電位は純Crが高く、Cr−30Mo、Cr−
50Moの何れも低いことが示されている。
加するHNO3 の添加量に対する腐食電位の変化の説明
図である。図中、△は純Cr、□はCr−30Mo、◇
はCr−50Moの場合を示す。なお、腐食電位はAg
−AgClの腐食電位を基準としたものである。図9に
は、腐食電位は純Crが高く、Cr−30Mo、Cr−
50Moの何れも低いことが示されている。
【0086】図10は硝酸第2セリウムアンモニウムに
添加するHNO3 の添加量に対するガルバニック電流の
変化の説明図であり、(a)は純CrとCr−30Mo
対、(b)は純CrとCr−50Mo対のガルバニック
電流の変化を示す。
添加するHNO3 の添加量に対するガルバニック電流の
変化の説明図であり、(a)は純CrとCr−30Mo
対、(b)は純CrとCr−50Mo対のガルバニック
電流の変化を示す。
【0087】図10からわかるように、硝酸添加量が多
くなるにつれてガルバニック電流が増大しており、すな
わち純CrとCr−Mo合金の腐食電位差が拡大してい
る。
くなるにつれてガルバニック電流が増大しており、すな
わち純CrとCr−Mo合金の腐食電位差が拡大してい
る。
【0088】図11は硝酸第2セリウムアンモニウムに
添加するHNO3 の添加量に対するガルバニック電圧の
変化の説明図であり、(a)は純CrとCr−30Mo
対、(b)は純CrとCr−50Mo対のガルバニック
電流の変化を示す。
添加するHNO3 の添加量に対するガルバニック電圧の
変化の説明図であり、(a)は純CrとCr−30Mo
対、(b)は純CrとCr−50Mo対のガルバニック
電流の変化を示す。
【0089】図11から分かるように、硝酸添加量が多
くなるにつれ、CrとCr−Mo合金間のガルバニック
電圧差、すなわち腐食電位差が拡大する。また対向電極
をCr、試料電極をCr−Mo合金とし、電極間を短絡
させ同じ試験溶液中に浸漬した場合、その電極間にはガ
ルバニック電位に向かって補償するガルバニック電流が
流れ、それぞれの電極における腐食電位差はCrの腐食
電位とCr−Mo合金の腐食電位のほぼ中間の値をと
る。そして、その腐食電位は硝酸添加量が多くなるにつ
れて増大する。
くなるにつれ、CrとCr−Mo合金間のガルバニック
電圧差、すなわち腐食電位差が拡大する。また対向電極
をCr、試料電極をCr−Mo合金とし、電極間を短絡
させ同じ試験溶液中に浸漬した場合、その電極間にはガ
ルバニック電位に向かって補償するガルバニック電流が
流れ、それぞれの電極における腐食電位差はCrの腐食
電位とCr−Mo合金の腐食電位のほぼ中間の値をと
る。そして、その腐食電位は硝酸添加量が多くなるにつ
れて増大する。
【0090】図12は硝酸第2セリウムアンモニウムに
添加するHNO3 の添加量に対する積層膜のエッチング
側端縁のテーパ角の変化の説明図であり、◇はCr/C
r−30Moの積層膜、□はCr/Cr−50Moの積
層膜のテーパ角をそれぞれ示す。
添加するHNO3 の添加量に対する積層膜のエッチング
側端縁のテーパ角の変化の説明図であり、◇はCr/C
r−30Moの積層膜、□はCr/Cr−50Moの積
層膜のテーパ角をそれぞれ示す。
【0091】図12に示されたように、Cr/Cr−3
0Moでも、またCr/Cr−50Moであっても、腐
食電位差調整液(HNO3 )を添加しないエッチング側
端縁のテーパ角は基板に対して60°を下回ることはな
い。
0Moでも、またCr/Cr−50Moであっても、腐
食電位差調整液(HNO3 )を添加しないエッチング側
端縁のテーパ角は基板に対して60°を下回ることはな
い。
【0092】これに対し、腐食電位差調整液(HN
O3 )を5vol.%添加した場合はCr/Cr−30
Moで56°、Cr/Cr−50Moで48°、以下、
添加量を10vol.%、20vol.%、40vo
l.%としたときは、各々52°と46°、48°と4
4°、45°と45°となり、添加量を40vol.%
とすると、それぞれ16°と15°となる。
O3 )を5vol.%添加した場合はCr/Cr−30
Moで56°、Cr/Cr−50Moで48°、以下、
添加量を10vol.%、20vol.%、40vo
l.%としたときは、各々52°と46°、48°と4
4°、45°と45°となり、添加量を40vol.%
とすると、それぞれ16°と15°となる。
【0093】テーパ角が減少する現象は、濃度0vo
l.%から40vol.%までは前記した電池反応が寄
与し、40vol.%を越えると浸透力の強い硝酸がレ
ジスト/薄膜界面に浸入し、界面でのエッチングを促進
する効果と、上記の電池反応による効果とが合わさるこ
とによりし、急激にテーパ角が小さくなるのである。
l.%から40vol.%までは前記した電池反応が寄
与し、40vol.%を越えると浸透力の強い硝酸がレ
ジスト/薄膜界面に浸入し、界面でのエッチングを促進
する効果と、上記の電池反応による効果とが合わさるこ
とによりし、急激にテーパ角が小さくなるのである。
【0094】従来から、硝酸添加によりテーパ加工を施
す技術があるが、これはレジスト/薄膜界面への強い浸
透力のみを利用したものであり、腐食電位差調整液とし
て用いるものでなない。本発明は硝酸を腐食電位差調整
液として用いたことを特徴としたものである。このよう
に、エッチング液に腐食電位差調整液を添加することに
よって60°以下のテーパ角を形成することができる。
す技術があるが、これはレジスト/薄膜界面への強い浸
透力のみを利用したものであり、腐食電位差調整液とし
て用いるものでなない。本発明は硝酸を腐食電位差調整
液として用いたことを特徴としたものである。このよう
に、エッチング液に腐食電位差調整液を添加することに
よって60°以下のテーパ角を形成することができる。
【0095】図13はエッチング液として硝酸第2セリ
ウムアンモニウムのみを用いたときのCr/Cr−Mo
積層膜のエッチング状態を走査型電子顕微鏡で撮影した
画像の模写図であって、(a)はCr/Cr−30Mo
積層膜、(b)はCr/Cr−50Mo積層膜の各断面
のエッチング状態を示す。図中、SUBは基板、Rはレ
ジストを示す。
ウムアンモニウムのみを用いたときのCr/Cr−Mo
積層膜のエッチング状態を走査型電子顕微鏡で撮影した
画像の模写図であって、(a)はCr/Cr−30Mo
積層膜、(b)はCr/Cr−50Mo積層膜の各断面
のエッチング状態を示す。図中、SUBは基板、Rはレ
ジストを示す。
【0096】図14はエッチング液として硝酸第2セリ
ウムアンモニウムに腐食電位差調整液として硝酸(HN
O3 )を10vol.%添加したときのCr/Cr−M
o積層膜のエッチング状態を走査型電子顕微鏡で撮影し
た画像の模写図であって、(a)はCr/Cr−30M
o積層膜、(b)はCr/Cr−50Mo積層膜の各断
面のエッチング状態を示す。図中、SUBは基板、Rは
レジストを示す。
ウムアンモニウムに腐食電位差調整液として硝酸(HN
O3 )を10vol.%添加したときのCr/Cr−M
o積層膜のエッチング状態を走査型電子顕微鏡で撮影し
た画像の模写図であって、(a)はCr/Cr−30M
o積層膜、(b)はCr/Cr−50Mo積層膜の各断
面のエッチング状態を示す。図中、SUBは基板、Rは
レジストを示す。
【0097】図13と図14を比較して明らかなよう
に、図13ではエッチング側端縁のテーパ角は60°を
下回らないが、図14では腐食電位差調整液の作用によ
り下地膜Crと上層膜Cr−Mo間の腐食電位差が大き
くなり、電池反応が促進されることによりエッチング側
端縁のテーパ角は(a)と(b)それぞれ52°と46
°まで小さくなっている。
に、図13ではエッチング側端縁のテーパ角は60°を
下回らないが、図14では腐食電位差調整液の作用によ
り下地膜Crと上層膜Cr−Mo間の腐食電位差が大き
くなり、電池反応が促進されることによりエッチング側
端縁のテーパ角は(a)と(b)それぞれ52°と46
°まで小さくなっている。
【0098】図15はエッチング液としての硝酸第2セ
リウムアンモニウムに腐食電位差調整液として硝酸(H
NO3 )を60vol.%添加したときのCr/Cr−
Mo積層膜のエッチング状態を走査型電子顕微鏡で撮影
した画像の模写図であって、(a)はCr/Cr−30
Mo積層膜、(b)はCr/Cr−50Mo積層膜の各
断面のエッチング状態を示す。
リウムアンモニウムに腐食電位差調整液として硝酸(H
NO3 )を60vol.%添加したときのCr/Cr−
Mo積層膜のエッチング状態を走査型電子顕微鏡で撮影
した画像の模写図であって、(a)はCr/Cr−30
Mo積層膜、(b)はCr/Cr−50Mo積層膜の各
断面のエッチング状態を示す。
【0099】図15では腐食電位差調整液による電池反
応促進効果に加え、硝酸(HNO3)のレジスト/Cr
−Mo薄膜界面への浸透作用により、テーパ角は(a)
と(b)でそれぞれ16°と15°まで小さくなってい
る。積層膜のエッチング側端縁のテーパ角が45°以下
になると、上層Cr−Mo合金のテーパ角は順テーパ形
状となる。
応促進効果に加え、硝酸(HNO3)のレジスト/Cr
−Mo薄膜界面への浸透作用により、テーパ角は(a)
と(b)でそれぞれ16°と15°まで小さくなってい
る。積層膜のエッチング側端縁のテーパ角が45°以下
になると、上層Cr−Mo合金のテーパ角は順テーパ形
状となる。
【0100】以上のように、本発明によれば、エッチン
グ液に腐食電位差調整液を添加することで、エッチング
側端縁の基板に対するテーパ角を60°以下に小さくで
きるので、ステップカバレージの良好な薄膜電極配線が
可能となる。
グ液に腐食電位差調整液を添加することで、エッチング
側端縁の基板に対するテーパ角を60°以下に小さくで
きるので、ステップカバレージの良好な薄膜電極配線が
可能となる。
【0101】なお、本発明を逆スタガ型TFTにおける
ゲート配線の形成に適用した場合、その上部に形成され
るSiN等からなる絶縁膜(ゲート絶縁膜)、a−Si
半導体膜、ドレイン配線等のステップカバレージが良好
となり、その結果、絶縁耐圧の向上やドレイン配線の断
線不良率が低減される。
ゲート配線の形成に適用した場合、その上部に形成され
るSiN等からなる絶縁膜(ゲート絶縁膜)、a−Si
半導体膜、ドレイン配線等のステップカバレージが良好
となり、その結果、絶縁耐圧の向上やドレイン配線の断
線不良率が低減される。
【0102】また、Moを混合した上層はフッ素系ガス
でドライエッチングしても、フッ化物が形成され難く、
酸化雰囲気中でも酸化され難くいため、当該電極上に形
成した他の電極とのコンタクトが良好に保たれる。
でドライエッチングしても、フッ化物が形成され難く、
酸化雰囲気中でも酸化され難くいため、当該電極上に形
成した他の電極とのコンタクトが良好に保たれる。
【0103】腐食電位差を調整できるものであれば、腐
食電位差調整液として硝酸以外の薬液を用いてもよい。
例えば、過酸化水素水、過塩素酸は、硝酸第2セリウム
アンモニウム水溶液に添加することにより、CrとCr
−Mo間の腐食電位差を調整することが可能であり、そ
の積層膜のエッチング側端縁のテーパ角を60°以下に
することができる。
食電位差調整液として硝酸以外の薬液を用いてもよい。
例えば、過酸化水素水、過塩素酸は、硝酸第2セリウム
アンモニウム水溶液に添加することにより、CrとCr
−Mo間の腐食電位差を調整することが可能であり、そ
の積層膜のエッチング側端縁のテーパ角を60°以下に
することができる。
【0104】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、実施例を参照して詳細に説明する。
き、実施例を参照して詳細に説明する。
【0105】図1は本発明による液晶表示素子の要部構
造を説明する部分断面図、図2は同要部構造を説明する
部分平面図であって、前記図11と同様に、1はTFT
基板、1’はフィルタ基板、2は走査信号線(ゲート配
線(電極))、3は映像信号線(ドレイン配線(電
極))、4はソース配線(電極)、5は画素電極、6は
絶縁膜、7は半導体層、7Aはコンタクト層、8は保護
膜、8Aはコンタクトホール、9はカラーフィルタ、1
0はブラックマトリクス、11は平滑層、12は共通電
極、TFTは薄膜トランジスタ、Caddは付加容量素
子、LCは液晶を示す。そして、3A,3Bはドレイン
配線3、4A,4Bはソース配線4をそれぞれ構成する
Cr−Moの合金層と純Crとの積層部、2Aはゲート
配線2を構成する第1層(下層)、2Bは同第2層(上
層)である。
造を説明する部分断面図、図2は同要部構造を説明する
部分平面図であって、前記図11と同様に、1はTFT
基板、1’はフィルタ基板、2は走査信号線(ゲート配
線(電極))、3は映像信号線(ドレイン配線(電
極))、4はソース配線(電極)、5は画素電極、6は
絶縁膜、7は半導体層、7Aはコンタクト層、8は保護
膜、8Aはコンタクトホール、9はカラーフィルタ、1
0はブラックマトリクス、11は平滑層、12は共通電
極、TFTは薄膜トランジスタ、Caddは付加容量素
子、LCは液晶を示す。そして、3A,3Bはドレイン
配線3、4A,4Bはソース配線4をそれぞれ構成する
Cr−Moの合金層と純Crとの積層部、2Aはゲート
配線2を構成する第1層(下層)、2Bは同第2層(上
層)である。
【0106】上記ゲート電極2の下層2Aは純Cr層で
あり、上層2BはCr−Moの合金層である。そして、
下層2Aの厚みは180nm、上層2Bの厚みは20n
mとして当該配線の側端面の大部分に良好な60°以下
の順テーパを付けている。なお、上層2Bの側端面は図
1に示したように基板面に垂直な形状であるが、その層
厚が小さいために、配線全体としての順テーパ形状にあ
まり影響しない。
あり、上層2BはCr−Moの合金層である。そして、
下層2Aの厚みは180nm、上層2Bの厚みは20n
mとして当該配線の側端面の大部分に良好な60°以下
の順テーパを付けている。なお、上層2Bの側端面は図
1に示したように基板面に垂直な形状であるが、その層
厚が小さいために、配線全体としての順テーパ形状にあ
まり影響しない。
【0107】このように、ゲート配線2を積層構造とし
て第1層の純Cr層に良好な順テーパを形成したことに
より、その上部に形成されるドレイン配線3やソース配
線4の断線が防止され、また絶縁膜6にクラックあるい
はピンホールが発生する不具合を回避できる。また、基
板と接する下層を純Cr層としたことでゲート配線2と
基板との密着性が高まり、熱応力等による配線または電
極の剥離を防止できる。
て第1層の純Cr層に良好な順テーパを形成したことに
より、その上部に形成されるドレイン配線3やソース配
線4の断線が防止され、また絶縁膜6にクラックあるい
はピンホールが発生する不具合を回避できる。また、基
板と接する下層を純Cr層としたことでゲート配線2と
基板との密着性が高まり、熱応力等による配線または電
極の剥離を防止できる。
【0108】上記のようにゲート配線2を形成した基板
1の表面の全域には、ゲート配線2と、後述するように
ドレイン配線3およびソース配線4との層間絶縁を図る
ための絶縁膜6として窒化シリコン(SiN)膜が形成
される。
1の表面の全域には、ゲート配線2と、後述するように
ドレイン配線3およびソース配線4との層間絶縁を図る
ための絶縁膜6として窒化シリコン(SiN)膜が形成
される。
【0109】そして、ゲート配線2とドレイン配線3お
よびソース電極4で囲まれる画素領域の一角における絶
縁膜6の上部には薄膜トランジスタTFTが形成され
る。この薄膜トランジスタTFTの形成領域において
は、ゲート絶縁膜として機能する前記絶縁膜6の上層で
前記ゲート配線2の上部に位置する絶縁膜6の表面には
ゲート配線2に跨がるようにしてアモルファスシリコン
(a−Si)からなる半導体層7が形成されている。
よびソース電極4で囲まれる画素領域の一角における絶
縁膜6の上部には薄膜トランジスタTFTが形成され
る。この薄膜トランジスタTFTの形成領域において
は、ゲート絶縁膜として機能する前記絶縁膜6の上層で
前記ゲート配線2の上部に位置する絶縁膜6の表面には
ゲート配線2に跨がるようにしてアモルファスシリコン
(a−Si)からなる半導体層7が形成されている。
【0110】そして、この半導体層7は、ソース配線4
の形成領域の下層となるように形成されている。ソース
配線4を半導体層7との積層構造とするのは、段切れ防
止と交差するゲート配線2との間の容量を低減させるた
めである。
の形成領域の下層となるように形成されている。ソース
配線4を半導体層7との積層構造とするのは、段切れ防
止と交差するゲート配線2との間の容量を低減させるた
めである。
【0111】薄膜トランジスタTFTの形成領域におけ
る半導体層7の表面にはドレイン配線3およびソース配
線4が形成され、これら各配線3,4はそれを平面的に
見た場合に前記ゲート配線2を間にして互いに対向して
配置される。
る半導体層7の表面にはドレイン配線3およびソース配
線4が形成され、これら各配線3,4はそれを平面的に
見た場合に前記ゲート配線2を間にして互いに対向して
配置される。
【0112】なお、半導体層7の表面のドレイン配線3
およびソース配線4との界面には当該半導体層7に高濃
度の不純物がドープされたコンタクト層7Aが形成され
ている。この高濃度の不純物層は、半導体層7を形成し
た時点でその全面に形成されており、その後に形成する
各配線3,4をマスクとして当該各配線3,4から露出
している不純物層をエッチングすることによって形成さ
れる。
およびソース配線4との界面には当該半導体層7に高濃
度の不純物がドープされたコンタクト層7Aが形成され
ている。この高濃度の不純物層は、半導体層7を形成し
た時点でその全面に形成されており、その後に形成する
各配線3,4をマスクとして当該各配線3,4から露出
している不純物層をエッチングすることによって形成さ
れる。
【0113】そして、ドレイン配線3およびソース配線
4は、同一の工程で、かつ同一の材料で形成されるよう
になっている。この材料の一例としては、ゲート配線2
と同様の積層配線を用いる。また、CrとMoの単層合
金層を用いてもよい。
4は、同一の工程で、かつ同一の材料で形成されるよう
になっている。この材料の一例としては、ゲート配線2
と同様の積層配線を用いる。また、CrとMoの単層合
金層を用いてもよい。
【0114】また、図2に示したように、ソース配線4
は画素電極5の形成領域にまで延在して形成され、この
延在部において前記画素領域5とのコンタクトをとるよ
うに構成されている。
は画素電極5の形成領域にまで延在して形成され、この
延在部において前記画素領域5とのコンタクトをとるよ
うに構成されている。
【0115】ここで、ソース配線4はドレイン配線4と
同一材料で形成され、CrとMoとの合金層3B,4B
と純Cr層3AM4Aとの積層構造によって形成されて
いる。なお、CrとMoとの合金層は、前記したCr−
30Mo、Cr−50Moに限らない。
同一材料で形成され、CrとMoとの合金層3B,4B
と純Cr層3AM4Aとの積層構造によって形成されて
いる。なお、CrとMoとの合金層は、前記したCr−
30Mo、Cr−50Moに限らない。
【0116】このように加工された基板1の表面の全域
には、前記薄膜トランジスタTFTへの液晶の直接接触
を回避するために、例えばシリコン窒化膜(SiN)か
らなる保護膜8が形成される。この保護膜8には前記ソ
ース配線(電極)4の延在部の一部を露出させるコンタ
クトホール8Aが形成されている。
には、前記薄膜トランジスタTFTへの液晶の直接接触
を回避するために、例えばシリコン窒化膜(SiN)か
らなる保護膜8が形成される。この保護膜8には前記ソ
ース配線(電極)4の延在部の一部を露出させるコンタ
クトホール8Aが形成されている。
【0117】そして、この保護膜8の上面における画素
領域内には、例えばITO膜からなる画素電極5が形成
される。この画素電極5はコンタクトホール8Aを通し
てソース配線4と電気的接続が可能となるようになって
いる。
領域内には、例えばITO膜からなる画素電極5が形成
される。この画素電極5はコンタクトホール8Aを通し
てソース配線4と電気的接続が可能となるようになって
いる。
【0118】この場合、画素電極5の一部は、薄膜トラ
ンジスタTFTを駆動するためのゲート配線(電極)2
とは異なる他の隣接ゲート配線(電極)2’上まで延在
するように形成され、これによって画素電極5と隣接ゲ
ート配線2’との間に介在される絶縁膜6および保護膜
8の積層体を誘電体膜とする付加容量Caddが構成さ
れる。
ンジスタTFTを駆動するためのゲート配線(電極)2
とは異なる他の隣接ゲート配線(電極)2’上まで延在
するように形成され、これによって画素電極5と隣接ゲ
ート配線2’との間に介在される絶縁膜6および保護膜
8の積層体を誘電体膜とする付加容量Caddが構成さ
れる。
【0119】なお、図1に示したように、上記のように
各種の成膜がなされた基板1は液晶LCを挟んで他方の
基板(透明基板)1’と貼り合わせられる。この他方の
基板1’の液晶LC側にはブラックマトリクス10で区
画された複数のカラーフィルタ9と、このカラーフィル
タ9を覆う平滑層11を介して各画素領域に共通な共通
電極12が例えばITOで形成されている。
各種の成膜がなされた基板1は液晶LCを挟んで他方の
基板(透明基板)1’と貼り合わせられる。この他方の
基板1’の液晶LC側にはブラックマトリクス10で区
画された複数のカラーフィルタ9と、このカラーフィル
タ9を覆う平滑層11を介して各画素領域に共通な共通
電極12が例えばITOで形成されている。
【0120】以上説明した構成とすることによって、ド
レイン配線(電極),ソース配線(電極)の断線や短絡
が低減され、信頼性の高い液晶表示装置を得ることがで
きる。
レイン配線(電極),ソース配線(電極)の断線や短絡
が低減され、信頼性の高い液晶表示装置を得ることがで
きる。
【0121】次に、本発明による液晶表示装置の製造方
法の一例を図1〜図4を参照して説明する。
法の一例を図1〜図4を参照して説明する。
【0122】図3および図4は本発明による液晶表示装
置の製造方法の一例を説明する概略工程図であって、図
1および図2と同一符号は同一部分に対応する。
置の製造方法の一例を説明する概略工程図であって、図
1および図2と同一符号は同一部分に対応する。
【0123】先ず、ガラス基板1の主表面の全域にスパ
ッタリング法等を用いて純Cr層の第1層(下層)2A
を180nm厚に成膜する(図3のa)。
ッタリング法等を用いて純Cr層の第1層(下層)2A
を180nm厚に成膜する(図3のa)。
【0124】次に、第1層の上層を覆ってスパッタリン
グ法等を用いてCr−50Moの合金層を膜厚20nm
に成膜して第2層(上層)2Bを形成して、主としてC
r配線となる積層構造体を形成する(図3のb)。この
積層構造体はゲート配線(電極)2となるものである。
上層のCr−Mo合金に含まれるMo量を50wt%以
下にすることで、ヘキサメチルジシラザン等のシリコン
カップリング剤によるレジスト密着強化剤を使用しなく
とも、レジスト密着性が良好となり、パターン形成精度
を落とすことなくプロセスを簡略化することができる。
グ法等を用いてCr−50Moの合金層を膜厚20nm
に成膜して第2層(上層)2Bを形成して、主としてC
r配線となる積層構造体を形成する(図3のb)。この
積層構造体はゲート配線(電極)2となるものである。
上層のCr−Mo合金に含まれるMo量を50wt%以
下にすることで、ヘキサメチルジシラザン等のシリコン
カップリング剤によるレジスト密着強化剤を使用しなく
とも、レジスト密着性が良好となり、パターン形成精度
を落とすことなくプロセスを簡略化することができる。
【0125】上記積層構造体の上面の全域にフォトレジ
スト20を塗布し(図3のc)、ゲート配線2と一体に
形成される薄膜トランジスタTFTのゲート電極端子2
C等のパターンを有するフォトマスク20aを介してフ
ォトレジスト20を選択的に露光する。
スト20を塗布し(図3のc)、ゲート配線2と一体に
形成される薄膜トランジスタTFTのゲート電極端子2
C等のパターンを有するフォトマスク20aを介してフ
ォトレジスト20を選択的に露光する。
【0126】その後、フォトレジスト20を現像し、ゲ
ート配線2と、ゲート配線端子2C等の形成領域以外の
領域に相当するフォトレジスト部分を除去して、当該除
去部分の上記積層構造体を露出させる(図4のd)。
ート配線2と、ゲート配線端子2C等の形成領域以外の
領域に相当するフォトレジスト部分を除去して、当該除
去部分の上記積層構造体を露出させる(図4のd)。
【0127】残存したフォトレジスト20をマスクとし
て、露出された積層構造体をエッチング薬液中に浸漬し
てエッチング処理を行う。このエッチング薬液として
は、硝酸第2セリウムアンモン水溶液に腐食電位差調整
液として硝酸を添加したものを用いる。このエッチング
処理時、積層構造体を構成する上下層のそれぞれの腐食
電位は、前記図7で説明したように、上層のCr−50
Moの合金層が1080mV、下層の純Crが1100
mVであり、両者の間に20mVの電位差が生じる。ま
た、腐食電位差調整液として硝酸を添加したことで、前
記図9〜図12で説明したように電池反応を促進させ、
上層の腐食電位を下層のそれより低くすることで腐食電
位の低い上層を電池反応で下層よりも速くエッチングさ
せ、ゲート電極2の両側の側端面に基板に対して60°
以下の良好な順テーパ角を付けることができる(図4の
e)。このとき、上層の側端面は基板面に垂直形状また
は逆テーパとなるので、上層の層厚を下層のそれより薄
く形成するのが望ましい。例えば、上層を20nm厚
に、下層を180nmとする。
て、露出された積層構造体をエッチング薬液中に浸漬し
てエッチング処理を行う。このエッチング薬液として
は、硝酸第2セリウムアンモン水溶液に腐食電位差調整
液として硝酸を添加したものを用いる。このエッチング
処理時、積層構造体を構成する上下層のそれぞれの腐食
電位は、前記図7で説明したように、上層のCr−50
Moの合金層が1080mV、下層の純Crが1100
mVであり、両者の間に20mVの電位差が生じる。ま
た、腐食電位差調整液として硝酸を添加したことで、前
記図9〜図12で説明したように電池反応を促進させ、
上層の腐食電位を下層のそれより低くすることで腐食電
位の低い上層を電池反応で下層よりも速くエッチングさ
せ、ゲート電極2の両側の側端面に基板に対して60°
以下の良好な順テーパ角を付けることができる(図4の
e)。このとき、上層の側端面は基板面に垂直形状また
は逆テーパとなるので、上層の層厚を下層のそれより薄
く形成するのが望ましい。例えば、上層を20nm厚
に、下層を180nmとする。
【0128】エッチング処理が終了した後、フォトレジ
スト20を除去し、エッチング処理で残存した積層膜に
よってゲート配線2、ゲート配線端子2C等が形成され
る(図4のf)。
スト20を除去し、エッチング処理で残存した積層膜に
よってゲート配線2、ゲート配線端子2C等が形成され
る(図4のf)。
【0129】以下、上記の工程でゲート配線2、ゲート
配線端子2C等が形成された基板1に対して、下記の工
程でTFT基板を加工する。
配線端子2C等が形成された基板1に対して、下記の工
程でTFT基板を加工する。
【0130】先ず、上の各工程によりゲート配線2、ゲ
ート配線端子2C等が形成された基板1の主表面の全域
にシリコン窒化物からなる絶縁層6、i型アモルファス
Si(a−Si)からなる半導体層7、およびn型の不
純物がドーピングされたアモルファスSi半導体コンタ
クト層7Aを、例えばCVD法を用いて順次形成する。
ート配線端子2C等が形成された基板1の主表面の全域
にシリコン窒化物からなる絶縁層6、i型アモルファス
Si(a−Si)からなる半導体層7、およびn型の不
純物がドーピングされたアモルファスSi半導体コンタ
クト層7Aを、例えばCVD法を用いて順次形成する。
【0131】この場合、同一のCVD装置を用いて、連
続的に絶縁層6、半導体層7、およびn型の不純物がド
ーピングされた半導体コンタクト層7Aを順次形成する
ことによって製造工程を簡略化できる。このとき、図1
に示したゲート配線1Cを全体として順テーパに加工し
てあることで、このゲート配線1Cの上層に成膜するC
VDによるゲート絶縁膜のカバレージが良好となり、ゲ
ート絶縁膜の欠陥やさらにその上層に乗り上げ形成され
るドレイン配線やソース配線等とゲート配線間の短絡あ
るいはこれらの断線が回避される。
続的に絶縁層6、半導体層7、およびn型の不純物がド
ーピングされた半導体コンタクト層7Aを順次形成する
ことによって製造工程を簡略化できる。このとき、図1
に示したゲート配線1Cを全体として順テーパに加工し
てあることで、このゲート配線1Cの上層に成膜するC
VDによるゲート絶縁膜のカバレージが良好となり、ゲ
ート絶縁膜の欠陥やさらにその上層に乗り上げ形成され
るドレイン配線やソース配線等とゲート配線間の短絡あ
るいはこれらの断線が回避される。
【0132】そして、上記n型の不純物がドーピングさ
れた半導体コンタクト層7Aの上面の全域にフォトレジ
スト膜を塗布し、薄膜トランジスタTFTのパターンが
形成されたフォトマスクを介して選択的に露光を行う。
れた半導体コンタクト層7Aの上面の全域にフォトレジ
スト膜を塗布し、薄膜トランジスタTFTのパターンが
形成されたフォトマスクを介して選択的に露光を行う。
【0133】その後、上記フォトレジスト膜を現像して
薄膜トランジスタTFTの形成領域以外の領域のフォト
レジスト膜を除去し、この除去された部分から上記n型
の不純物がドーピングされた半導体コンタクト層7Aの
上面を露出させる。
薄膜トランジスタTFTの形成領域以外の領域のフォト
レジスト膜を除去し、この除去された部分から上記n型
の不純物がドーピングされた半導体コンタクト層7Aの
上面を露出させる。
【0134】残存したフォトレジスト膜をマスクとし
て、このマスクから露出した上記半導体コンタクト層7
Aおよびその下層の半導体層7を選択的にエッチングす
る。
て、このマスクから露出した上記半導体コンタクト層7
Aおよびその下層の半導体層7を選択的にエッチングす
る。
【0135】この場合、半導体層7の下層に位置する絶
縁膜層6はエッチングすることなく残存させる。
縁膜層6はエッチングすることなく残存させる。
【0136】これにより、薄膜トランジスタTFTの形
成領域において、ゲート絶縁層となるシリコン窒化膜、
i型アモルファスSi半導体層、およびコンタクト層と
なるn型不純物がドーピングされたアモルファスSi半
導体層が順次形成されることになる。
成領域において、ゲート絶縁層となるシリコン窒化膜、
i型アモルファスSi半導体層、およびコンタクト層と
なるn型不純物がドーピングされたアモルファスSi半
導体層が順次形成されることになる。
【0137】また、その後に形成されるソース電極4の
下層には、n型の不純物がドーピングされた半導体コン
タクト層7Aおよび半導体層7の積層構造が形成され
る。
下層には、n型の不純物がドーピングされた半導体コン
タクト層7Aおよび半導体層7の積層構造が形成され
る。
【0138】さらに、上記のようにして加工された基板
1の主表面の全域に、例えばスパッタリング法を用いて
CrとMoの合金層と順Cr層の積層構造を形成する。
この積層構造は、ソース配線4およびドレイン配線3、
ドレイン配線端子3B等のパターンが形成されたフォト
マスクを介して上記フォトレジストを選択露光する。
1の主表面の全域に、例えばスパッタリング法を用いて
CrとMoの合金層と順Cr層の積層構造を形成する。
この積層構造は、ソース配線4およびドレイン配線3、
ドレイン配線端子3B等のパターンが形成されたフォト
マスクを介して上記フォトレジストを選択露光する。
【0139】その後、前記フォトレジスト膜を現像する
ことによって、ソース配線4およびドレイン配線3、ド
レイン配線端子3B等の形成領域以外の領域に相当する
フォトレジスト膜を除去し、この除去された部分から上
記合金膜を露出させる。
ことによって、ソース配線4およびドレイン配線3、ド
レイン配線端子3B等の形成領域以外の領域に相当する
フォトレジスト膜を除去し、この除去された部分から上
記合金膜を露出させる。
【0140】そして、残存したフォトレジスト膜をマス
クとして、このマスクから露出した上記合金層を選択エ
ッチングする。
クとして、このマスクから露出した上記合金層を選択エ
ッチングする。
【0141】これにより、残存した合金層によって、ソ
ース配線4およびドレイン配線3、ドレイン配線端子3
B等が形成される。
ース配線4およびドレイン配線3、ドレイン配線端子3
B等が形成される。
【0142】さらに、上記薄膜トランジスタTFTの形
成領域に形成された半導体層7の上層であってn型の不
純物がドーピングされた半導体コンタクト層7Aを上記
のソース配線4およびドレイン配線3をマスクとして選
択エッチングする。これにより、残存した前記n型不純
物がドーピングされた半導体コンタクト層7Aは半導体
層7に対するソース配線4およびドレイン配線3との界
面にのみ形成され、コンタクト層7Aとして機能するよ
うになる。
成領域に形成された半導体層7の上層であってn型の不
純物がドーピングされた半導体コンタクト層7Aを上記
のソース配線4およびドレイン配線3をマスクとして選
択エッチングする。これにより、残存した前記n型不純
物がドーピングされた半導体コンタクト層7Aは半導体
層7に対するソース配線4およびドレイン配線3との界
面にのみ形成され、コンタクト層7Aとして機能するよ
うになる。
【0143】次に、上記の各工程で加工された基板1の
主表面の全域にシリコン窒化物からなる保護膜8を、例
えばプラズマCVD法により成膜する。この際、ソース
配線4、ドレイン配線3の側端縁が下層のゲート配線2
の形状に倣って全体として順テーパ形状に形成されてい
るため、保護膜8によるステップカバレージが良好とな
り、ゲート配線およびドレイン配線の乗り上げ部でのピ
ンホール等の膜欠陥の少ない保護膜8を得ることができ
る。また、ゲート配線およびドレイン配線が順テーパ形
状に加工されることで薄膜トランジスタTFT形成部分
の表面の段差は緩やかなものとなる。
主表面の全域にシリコン窒化物からなる保護膜8を、例
えばプラズマCVD法により成膜する。この際、ソース
配線4、ドレイン配線3の側端縁が下層のゲート配線2
の形状に倣って全体として順テーパ形状に形成されてい
るため、保護膜8によるステップカバレージが良好とな
り、ゲート配線およびドレイン配線の乗り上げ部でのピ
ンホール等の膜欠陥の少ない保護膜8を得ることができ
る。また、ゲート配線およびドレイン配線が順テーパ形
状に加工されることで薄膜トランジスタTFT形成部分
の表面の段差は緩やかなものとなる。
【0144】そして、上記保護膜8にコンタクト穴8A
を形成する。この際、同時にドレイン配線端子3B上の
上面に形成されている保護膜8およびゲート配線端子2
C上の上面に形成されている保護膜8に開口を形成す
る。
を形成する。この際、同時にドレイン配線端子3B上の
上面に形成されている保護膜8およびゲート配線端子2
C上の上面に形成されている保護膜8に開口を形成す
る。
【0145】上記の保護膜8の加工に用いたマスクをそ
のまま用いてドライエッチングを施す。これにより、絶
縁層6にスルーホール穴空けがなされ、ゲート配線端子
2C,ドレイン配線端子、3Bおよび所望の領域におい
ては基板1の表面が露出するまで開口が形成されること
になる。ドライエッチングガスでスルーホールを形成す
る際、オーバーエッチング時間に電極表面がガスに曝さ
れる。このソース配線表面をCr−Mo合金層とするこ
とで、純Cr層とした場合に比較してフッ化物や塩化物
の形成が少なく、したがって上部のITO膜とのコンタ
クト特性を大幅に向上させることができる。
のまま用いてドライエッチングを施す。これにより、絶
縁層6にスルーホール穴空けがなされ、ゲート配線端子
2C,ドレイン配線端子、3Bおよび所望の領域におい
ては基板1の表面が露出するまで開口が形成されること
になる。ドライエッチングガスでスルーホールを形成す
る際、オーバーエッチング時間に電極表面がガスに曝さ
れる。このソース配線表面をCr−Mo合金層とするこ
とで、純Cr層とした場合に比較してフッ化物や塩化物
の形成が少なく、したがって上部のITO膜とのコンタ
クト特性を大幅に向上させることができる。
【0146】このように加工された基板1の表面の全領
域にITO膜を形成する。このITO膜の厚さとしては
70〜300nmが適当であり、本例ではそれを140
nmとした。
域にITO膜を形成する。このITO膜の厚さとしては
70〜300nmが適当であり、本例ではそれを140
nmとした。
【0147】上記ITO膜の表面の全域にフォトレジス
ト膜を形成し、画素電極5やゲート配線、ドレイン配線
端子等のパターンを有するフォトマスクを介してフォト
レジスト膜の選択露光を行う。
ト膜を形成し、画素電極5やゲート配線、ドレイン配線
端子等のパターンを有するフォトマスクを介してフォト
レジスト膜の選択露光を行う。
【0148】そして、フォトレジスト膜を現像し、画素
電極5や各ゲート配線、ドレイン配線端子等の形成領域
以外のフォトレジスト膜を除去する。
電極5や各ゲート配線、ドレイン配線端子等の形成領域
以外のフォトレジスト膜を除去する。
【0149】残存したフォトレジスト膜をマスクとし
て、このマスクから露出した上記ITO膜を選択エッチ
ングする。これにより、残存されたITO膜によって上
記画素電極5等が形成される。
て、このマスクから露出した上記ITO膜を選択エッチ
ングする。これにより、残存されたITO膜によって上
記画素電極5等が形成される。
【0150】上記した各工程で所要の配線、電極、等を
形成したTFT基板1に図1に示したフィルタ基板1’
を貼り合わせ、両者の間隙に液晶LCを封入して液晶パ
ネルが得られる。なお、図示していないが、アクティブ
フィルタ基板の液晶LCと接する面には液晶LCの分子
を初期配向させるための配向膜が成膜されている。
形成したTFT基板1に図1に示したフィルタ基板1’
を貼り合わせ、両者の間隙に液晶LCを封入して液晶パ
ネルが得られる。なお、図示していないが、アクティブ
フィルタ基板の液晶LCと接する面には液晶LCの分子
を初期配向させるための配向膜が成膜されている。
【0151】このようにして製造した液晶パネルを、前
記図7で説明したような各種の構成材と共に組み立てて
液晶表示装置を得る。
記図7で説明したような各種の構成材と共に組み立てて
液晶表示装置を得る。
【0152】なお、上記の実施例では、ゲート配線2の
材料として、基板側の層(第1層;下層に純Crを、上
層(第2層)にCr−Moの単層合金層を用い、ドレイ
ン配線3とソース配線4としてCr−Moの単層合金層
を用いているが、本発明はこれに限るものではなく、ド
レイン配線もゲート配線と同様の積層構造としてもよ
く、その場合の製造方法はゲート配線と同様である。
材料として、基板側の層(第1層;下層に純Crを、上
層(第2層)にCr−Moの単層合金層を用い、ドレイ
ン配線3とソース配線4としてCr−Moの単層合金層
を用いているが、本発明はこれに限るものではなく、ド
レイン配線もゲート配線と同様の積層構造としてもよ
く、その場合の製造方法はゲート配線と同様である。
【0153】又、上記Crに代えてアルミニウム(A
l)、チタン(Ti)、タングステン(W)、その他本
発明が着目した加工特性を有する配線(電極)材料とし
ての金属材料を単体あるいは合金の形で使用することが
できることは言うまでもない。
l)、チタン(Ti)、タングステン(W)、その他本
発明が着目した加工特性を有する配線(電極)材料とし
ての金属材料を単体あるいは合金の形で使用することが
できることは言うまでもない。
【0154】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
薄膜トランジスタTFT基板に形成する、特に走査信号
線(電極)の側端面に良好な順テーパ形状を付与するこ
とが可能となり、その上部に位置する各種の薄膜の亀
裂、ピンホール、あるいは断線等の膜欠陥、上下層間の
短絡等を防止できる。
薄膜トランジスタTFT基板に形成する、特に走査信号
線(電極)の側端面に良好な順テーパ形状を付与するこ
とが可能となり、その上部に位置する各種の薄膜の亀
裂、ピンホール、あるいは断線等の膜欠陥、上下層間の
短絡等を防止できる。
【0155】また、特に走査信号線の材料として純クロ
ーム層を下層とし、クローム−モリブデン合金層を上層
とした積層構造を採用したことでその上部に形成される
他の走査信号線や電極等の金属薄膜とのコンタクトが良
好となる。さらに、基板側の層に純クロームを用いたこ
とで基板との密着性が高まり、その後の加工工程での熱
履歴や熱応力等による膜剥離が防止される。
ーム層を下層とし、クローム−モリブデン合金層を上層
とした積層構造を採用したことでその上部に形成される
他の走査信号線や電極等の金属薄膜とのコンタクトが良
好となる。さらに、基板側の層に純クロームを用いたこ
とで基板との密着性が高まり、その後の加工工程での熱
履歴や熱応力等による膜剥離が防止される。
【0156】そして、下層配線の側端面に60°以下の
順テーパ形状を付与したことで、薄膜トランジスタ基板
の表面の凹凸が緩やかとなり、液晶の配向不良等が低減
し、コントラストの良好な液晶表示装置を提供すること
ができる。
順テーパ形状を付与したことで、薄膜トランジスタ基板
の表面の凹凸が緩やかとなり、液晶の配向不良等が低減
し、コントラストの良好な液晶表示装置を提供すること
ができる。
【0157】なお、本発明は上記実施例で説明した、所
謂縦電界型の液晶表示装置に限るものではなく、共通電
極もアクティブマトリクス基板側に形成した、所謂横電
界型の液晶表示装置、あるいは電極配線等が互いに交差
する乗り越え部を有する他の型式の液晶表示装置および
類似の各種半導体装置にも同様に適用できる。
謂縦電界型の液晶表示装置に限るものではなく、共通電
極もアクティブマトリクス基板側に形成した、所謂横電
界型の液晶表示装置、あるいは電極配線等が互いに交差
する乗り越え部を有する他の型式の液晶表示装置および
類似の各種半導体装置にも同様に適用できる。
【図1】本発明による液晶表示素子の要部構造を説明す
る部分断面図である。
る部分断面図である。
【図2】本発明による液晶表示素子の要部構造を説明す
る部分平面図である。
る部分平面図である。
【図3】本発明による液晶表示装置の製造方法の一例を
説明する概略工程図である。
説明する概略工程図である。
【図4】本発明による液晶表示装置の製造方法の一例を
説明する図3に続く概略工程図である。
説明する図3に続く概略工程図である。
【図5】上層と下層の腐食電位に差を持たせたときの電
池反応によるエッチングの進行状態を説明する模式図で
ある。
池反応によるエッチングの進行状態を説明する模式図で
ある。
【図6】上層と下層の膜厚比を変化させたときのゲート
配線部に形成したCVD膜に入るクラックの長さ変化の
説明図である。
配線部に形成したCVD膜に入るクラックの長さ変化の
説明図である。
【図7】純CrとCr−Mo合金の硝酸第2セリウム水
溶液での腐食電位の変化をMo濃度を変えて測定した結
果の説明図である。
溶液での腐食電位の変化をMo濃度を変えて測定した結
果の説明図である。
【図8】純Crと組み合わせるCr−Mo合金の組成を
変化させたときのテーパ角変化の説明図である。
変化させたときのテーパ角変化の説明図である。
【図9】硝酸第2セリウムアンモニウムに添加するHN
O3 の添加量に対する腐食電位の変化の説明図である。
O3 の添加量に対する腐食電位の変化の説明図である。
【図10】硝酸第2セリウムアンモニウムに添加するH
NO3 の添加量に対するガルバニック電流の変化の説明
図である。
NO3 の添加量に対するガルバニック電流の変化の説明
図である。
【図11】硝酸第2セリウムアンモニウムに添加するH
NO3 の添加量に対するガルバニック電圧の変化の説明
図である。
NO3 の添加量に対するガルバニック電圧の変化の説明
図である。
【図12】硝酸第2セリウムアンモニウムに添加するH
NO3 の添加量に対する積層膜のエッチング側端縁のテ
ーパ角の変化の説明図である。
NO3 の添加量に対する積層膜のエッチング側端縁のテ
ーパ角の変化の説明図である。
【図13】エッチング液としての硝酸第2セリウムアン
モニウムのみを用いたときのCr/Cr−Mo積層膜の
エッチング状態を走査型電子顕微鏡で撮影した画像の模
写図である。
モニウムのみを用いたときのCr/Cr−Mo積層膜の
エッチング状態を走査型電子顕微鏡で撮影した画像の模
写図である。
【図14】エッチング液として硝酸第2セリウムアンモ
ニウムに腐食電位差調整液として硝酸(HNO3 )を1
0vol.%添加したときのCr/Cr−Mo積層膜の
エッチング状態を走査型電子顕微鏡で撮影した画像の模
写図である。
ニウムに腐食電位差調整液として硝酸(HNO3 )を1
0vol.%添加したときのCr/Cr−Mo積層膜の
エッチング状態を走査型電子顕微鏡で撮影した画像の模
写図である。
【図15】エッチング液としての硝酸第2セリウムアン
モニウムに腐食電位差調整液としてHNO3 を60vo
l.%添加したときのCr/Cr−Mo積層膜のエッチ
ング状態を走査型電子顕微鏡で撮影した画像の模写図で
ある。
モニウムに腐食電位差調整液としてHNO3 を60vo
l.%添加したときのCr/Cr−Mo積層膜のエッチ
ング状態を走査型電子顕微鏡で撮影した画像の模写図で
ある。
【図16】本発明による配向膜を用いたアクティブマト
リクス型液晶表示装置の全体構成を説明する展開斜視図
である。
リクス型液晶表示装置の全体構成を説明する展開斜視図
である。
【図17】図16に示した液晶表示装置を構成するTF
T基板の1画素付近の配線構造を説明する模式図であ
る。
T基板の1画素付近の配線構造を説明する模式図であ
る。
【図18】従来技術による液晶表示装置の構成例を説明
するTFT付近の構造を説明する部分断面図である。
するTFT付近の構造を説明する部分断面図である。
【図19】積層膜エッチング側端縁のテーパ角度とその
上層の絶縁膜の絶縁耐圧の関係を説明する図である。
上層の絶縁膜の絶縁耐圧の関係を説明する図である。
1 TFT基板 1' フィルタ基板 2 走査信号線(ゲート配線またはゲート電極) 2A 走査信号線(ゲート配線またはゲート電極)を構
成する第1層(下層) 2B 同第2層(上層) 3 ドレイン電極(ドレイン配線) 4 ソース電極(ソース配線) 5 画素電極 6 絶縁膜 7 半導体層 7A コンタクト層 8 保護膜 8A コンタクトホール 9 カラーフィルタ 10 ブラックマトリクス 11 平滑層 12 共通電極 TFT 薄膜トランジスタ Cadd 付加容量素子。
成する第1層(下層) 2B 同第2層(上層) 3 ドレイン電極(ドレイン配線) 4 ソース電極(ソース配線) 5 画素電極 6 絶縁膜 7 半導体層 7A コンタクト層 8 保護膜 8A コンタクトホール 9 カラーフィルタ 10 ブラックマトリクス 11 平滑層 12 共通電極 TFT 薄膜トランジスタ Cadd 付加容量素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 卓也 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 藤井 和美 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 日 立製作所日立研究所内
Claims (8)
- 【請求項1】絶縁性基板上に第1の金属層からなる第1
層と、前記第1の金属層とは異なる第2の金属層からな
る第2層を前記第1層上に形成してなる積層構造の配線
を備え、前記第1層の側端面がテーパ角60°以下の順
テーパ形状を有し、前記第2層の側端面が基板面に垂直
な形状、または逆テーパ形状の何れかであり、かつ前記
第2層の膜厚が前記第1層の膜厚の2分の1以下である
ことを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項2】走査信号線、映像信号線、画素電極を含む
複数の配線、および前記走査信号線と映像信号線に接続
して画素のオン/オフを制御するアクティブ素子を備え
た一方の基板と、少なくともカラーフィルタを備えて前
記一方の基板と微小間隙をもって貼り合わせた他方の基
板と、前記一方の基板と他方の基板の間隙に液晶を封入
してなる液晶表示装置において、 少なくとも前記走査信号線の配線が、前記一方の基板側
に形成された純クローム層からなる第1層と、前記第1
層上に形成されたクロームとモリブデンを主成分とする
合金層からなる第2層との積層構造を有し、前記第1層
の側端面がテーパ角60°以下の順テーパ形状を有し、
前記第2層の側端面が基板面に垂直な形状、または逆テ
ーパ形状の何れかであり、かつ前記第2層の膜厚が前記
第1層の膜厚の2分の1以下であることを特徴とする液
晶表示装置。 - 【請求項3】走査信号線、映像信号線、画素電極を含む
複数の配線、および前記走査信号線と映像信号線に接続
して画素のオン/オフを制御するアクティブ素子を備え
た一方の基板と、少なくともカラーフィルタを備えて前
記一方の基板と微小間隙をもって貼り合わせた他方の基
板と、前記一方の基板と他方の基板の間隙に液晶を封入
してなる液晶表示装置において、 少なくとも前記一方の基板上に絶縁材の薄膜層からなる
下地層を有し、前記走査信号線の配線が、クロームとモ
リブデンを主成分とする合金層からなり、この合金層と
前記下地層の間に純クローム層を介在させてなり、前記
第1層の側端面がテーパ角60°以下の順テーパ形状を
有し、前記第2層の側端面が基板面に垂直な形状、また
は逆テーパ形状の何れかであり、かつ前記第2層の膜厚
が前記第1層の膜厚の2分の1以下であることを特徴と
する液晶表示装置。 - 【請求項4】ゲート線とドレイン線、映像信号線、画素
電極を含む複数の配線、および前記ゲート線とドレイン
線と映像信号線に接続して画素のオン/オフを制御する
アクティブ素子を備えた一方の基板と、少なくともカラ
ーフィルタを備えて前記一方の基板と微小間隙をもって
貼り合わせた他方の基板と、前記一方の基板と他方の基
板の間隙に液晶を封入してなる液晶表示装置において、 少なくとも前記一方の基板上に絶縁材の薄膜層からなる
下地層を有し、前記ゲート線が前記一方の基板側に形成
された純クローム層からなる第1層と、前記第1層上に
形成されたクロームとモリブデンを主成分とする合金層
からなる第2層との積層構造であり、前記ドレイン線が
クロームとモリブデンを主成分とする合金層からなる単
層構造であり、前記第1層の側端面がテーパ角60°以
下の順テーパ形状を有し、前記第2層の側端面が基板面
に垂直な形状、または逆テーパ形状の何れかであり、か
つ前記第2層の膜厚が前記第1層の膜厚の2分の1以下
であることを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項5】ゲート線とドレイン線、映像信号線、画素
電極を含む複数の配線、および前記ゲート線とドレイン
線と映像信号線に接続して画素のオン/オフを制御する
アクティブ素子を備えた一方の基板と、少なくともカラ
ーフィルタを備えて前記一方の基板と微小間隙をもって
貼り合わせた他方の基板と、前記一方の基板と他方の基
板の間隙に液晶を封入してなる液晶表示装置において、 少なくとも前記一方の基板上に絶縁材の薄膜層からなる
下地層を有し、前記ゲート線およびドレイン線が前記一
方の基板側に形成された純クローム層からなる第1層
と、前記第1層上に形成されたクロームとモリブデンを
主成分とする合金層からなる第2層との積層構造であ
り、前記第1層の側端面がテーパ角60°以下の順テー
パ形状を有し、前記第2層の側端面が基板面に垂直な形
状、または逆テーパ形状の何れかであり、かつ前記第2
層の膜厚が前記第1層の膜厚の2分の1以下であること
を特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項6】少なくとも前記一方の基板上に絶縁材の薄
膜層からなる下地層を有し、この下地層の上に前記ゲー
ト線とドレイン線、映像信号線、画素電極を含む複数の
配線、および前記ゲート線とドレイン線と映像信号線に
接続して画素のオン/オフを制御するアクティブ素子を
形成してなることを特徴とする請求項4または5に記載
の液晶表示装置。 - 【請求項7】前記ゲート線が2層構造であり、前記画素
電極をインジュウム−スズオキサイド膜で形成してな
り、前記ゲート線と前記画素電極の間に成膜された絶縁
層とで付加容量素子を形成したことを特徴とする請求項
2〜6の何れかに記載の液晶表示装置。 - 【請求項8】走査信号線、映像信号線、画素電極を含む
複数の配線、および前記走査信号線と映像信号線に接続
して画素のオン/オフを制御するアクティブ素子を備え
た一方の基板と、少なくともカラーフィルタを備えて前
記一方の基板と微小間隙をもって貼り合わせた他方の基
板と、前記一方の基板と他方の基板の間隙に液晶を封入
してなる液晶表示装置の製造方法において、 前記走査信号線が、異なる組成の金属材料で構成した下
層と上層からなる積層構造の薄膜とし、この薄膜を腐食
電位差調整液が添加されたエッチング薬液中に浸漬さ
せ、前記エッチング薬液中での前記上層の腐食電位を前
記下層の腐食電位より低く設定して前記上層と下層の間
に電池反応を生起させ、腐食電位の低い前記上層のエッ
チング速度を前記下層より早くすることにより、前記積
層構造の薄膜の下層側端面に順テーパを形成すると共に
上層側端面に基板面に垂直な形状、または逆テーパ形状
の何れかを付与することを特徴とする液晶表示装置の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27443399A JP2000171834A (ja) | 1998-10-02 | 1999-09-28 | 液晶表示装置とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-281166 | 1998-10-02 | ||
JP28116698 | 1998-10-02 | ||
JP27443399A JP2000171834A (ja) | 1998-10-02 | 1999-09-28 | 液晶表示装置とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000171834A true JP2000171834A (ja) | 2000-06-23 |
Family
ID=26551038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27443399A Pending JP2000171834A (ja) | 1998-10-02 | 1999-09-28 | 液晶表示装置とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000171834A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005123710A (ja) * | 2003-10-14 | 2005-05-12 | Seiko Epson Corp | エッチング方法およびこれを利用した圧電デバイスと圧電振動片の製造方法。 |
JP2009016756A (ja) * | 2007-07-09 | 2009-01-22 | Nec Lcd Technologies Ltd | アクティブマトリクス駆動表示装置 |
WO2011108050A1 (ja) * | 2010-03-02 | 2011-09-09 | シャープ株式会社 | 薄膜トランジスタ基板及びその製造方法 |
JP2011228560A (ja) * | 2010-04-22 | 2011-11-10 | Hitachi Displays Ltd | 画像表示装置及びその製造方法 |
JP2013254963A (ja) * | 2009-02-20 | 2013-12-19 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 半導体装置 |
JP2015130453A (ja) * | 2014-01-09 | 2015-07-16 | 株式会社Joled | 薄膜トランジスタ、表示装置および電子機器 |
JP2016181713A (ja) * | 2011-01-28 | 2016-10-13 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 半導体装置 |
-
1999
- 1999-09-28 JP JP27443399A patent/JP2000171834A/ja active Pending
Cited By (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005123710A (ja) * | 2003-10-14 | 2005-05-12 | Seiko Epson Corp | エッチング方法およびこれを利用した圧電デバイスと圧電振動片の製造方法。 |
JP4513304B2 (ja) * | 2003-10-14 | 2010-07-28 | セイコーエプソン株式会社 | エッチング方法およびこれを利用した圧電デバイスと圧電振動片の製造方法。 |
JP2009016756A (ja) * | 2007-07-09 | 2009-01-22 | Nec Lcd Technologies Ltd | アクティブマトリクス駆動表示装置 |
US7804092B2 (en) | 2007-07-09 | 2010-09-28 | Nec Corporation | Active-matrix-drive display unit including TFT |
JP2013254963A (ja) * | 2009-02-20 | 2013-12-19 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 半導体装置 |
US12136629B2 (en) | 2009-02-20 | 2024-11-05 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Thin film transistor, method for manufacturing the same, and semiconductor device |
US10586811B2 (en) | 2009-02-20 | 2020-03-10 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Thin film transistor, method for manufacturing the same, and semiconductor device |
US8987822B2 (en) | 2009-02-20 | 2015-03-24 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Thin film transistor, method for manufacturing the same, and semiconductor device |
US11824062B2 (en) | 2009-02-20 | 2023-11-21 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Thin film transistor, method for manufacturing the same, and semiconductor device |
US9209283B2 (en) | 2009-02-20 | 2015-12-08 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Thin film transistor, method for manufacturing the same, and semiconductor device |
US9443981B2 (en) | 2009-02-20 | 2016-09-13 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Thin film transistor, method for manufacturing the same, and semiconductor device |
US11011549B2 (en) | 2009-02-20 | 2021-05-18 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Thin film transistor, method for manufacturing the same, and semiconductor device |
US9859306B2 (en) | 2009-02-20 | 2018-01-02 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Thin film transistor, method for manufacturing the same, and semiconductor device |
US10096623B2 (en) | 2009-02-20 | 2018-10-09 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Thin film transistor, method for manufacturing the same, and semiconductor device |
WO2011108050A1 (ja) * | 2010-03-02 | 2011-09-09 | シャープ株式会社 | 薄膜トランジスタ基板及びその製造方法 |
JP2011228560A (ja) * | 2010-04-22 | 2011-11-10 | Hitachi Displays Ltd | 画像表示装置及びその製造方法 |
JP2016181713A (ja) * | 2011-01-28 | 2016-10-13 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 半導体装置 |
JP2015130453A (ja) * | 2014-01-09 | 2015-07-16 | 株式会社Joled | 薄膜トランジスタ、表示装置および電子機器 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6433842B1 (en) | Liquid crystal display device and method of manufacturing the same | |
JP2985124B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP3785900B2 (ja) | 液晶表示装置とその製造方法 | |
US6888585B2 (en) | Control signal unit for a liquid crystal display | |
JP4070896B2 (ja) | 電気光学素子および該電気光学素子の製造方法 | |
JP2009180981A (ja) | アクティブマトリックス基板及びその製造方法 | |
JP2002148659A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2000284326A (ja) | 液晶表示装置とその製造方法 | |
US20030112382A1 (en) | Liquid crystal display device | |
US20010020994A1 (en) | Liquid crystal display device | |
KR100356452B1 (ko) | 액정 표시 장치 및 그 제조 방법 | |
JPH06250210A (ja) | 液晶表示装置およびその製造方法 | |
JP2001142092A (ja) | 液晶表示装置とその製造方法 | |
JP2000171834A (ja) | 液晶表示装置とその製造方法 | |
JP2006189830A (ja) | 液晶表示装置およびその製造方法 | |
US6934000B1 (en) | Liquid crystal display | |
JP2000056323A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP3536762B2 (ja) | 液晶画像表示装置と画像表示装置用半導体装置の製造方法 | |
JP3362413B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2000066223A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2001005028A (ja) | 液晶表示装置とその製造方法 | |
JP4098692B2 (ja) | Tftアレイ基板の製造方法 | |
KR100692717B1 (ko) | 액정표시장치와 그 제조방법 | |
JP4724220B2 (ja) | 電気光学素子および該電気光学素子の製造方法 | |
JP4249241B2 (ja) | 電気光学素子および該電気光学素子の製造方法 |