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JP2000158986A - シートのリクライニング装置 - Google Patents

シートのリクライニング装置

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Publication number
JP2000158986A
JP2000158986A JP10340247A JP34024798A JP2000158986A JP 2000158986 A JP2000158986 A JP 2000158986A JP 10340247 A JP10340247 A JP 10340247A JP 34024798 A JP34024798 A JP 34024798A JP 2000158986 A JP2000158986 A JP 2000158986A
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JP
Japan
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bracket
operation lever
seat
seat back
lock
Prior art date
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Application number
JP10340247A
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Inventor
Mitsuhiro Yamashita
光宏 山下
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Delta Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Delta Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートバックの前倒操作を容易に行い得るよ
うにする。 【解決手段】 シートボトムS1用の第1ブラケット2
と、シートバックS2用の第2ブラケット3とがカム軸
6回りに相対回動自在に連結され、第2ブラケット3に
は内歯の内歯ラチェット34が形成されている一方、第
1ブラケット2にはカム軸6に対して点対称に形状設定
された一対の円弧形状のガイド部材22が設けられ、各
ガイド部材22間には、カム軸6に装着されたカム5
と、このカム5の回動動作によって互いに逆方向に移動
して内歯ラチェット34に噛合する爪歯41aを備えた
一対のロックギヤ4とが装着され、ロック位置とロック
解除位置との間でカム軸6を回動操作する操作レバー7
が設けられ、この操作レバー7は、コイルばね77の付
勢力によってロック位置に位置するように付勢され、第
2ブラケット3には、シートバックS2が所定範囲内の
傾倒姿勢にあるときにロック解除位置にある操作レバー
7を保持する円弧状ストッパ39が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートボトムの後
部に傾倒可能に連結されたシートバックと、シートボト
ムとの連結部分に装着されてシートバックの傾倒角度を
調節するように構成されたシートのリクライニング装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平8−214978号公報に
記載されたようなシートのリクライニング装置(リクラ
イナ)が知られている。このリクライナは、シートボト
ムの後端部に突設されたロアアームと、シートバックの
下端部に突設され、かつ、上記ロアアームに操作軸回り
に回動自在に連結されたたアッパアームとからなる基本
構成を有している。これら両アーム間にはラチェット構
造が介設され、このラチェット構造は、アッパアームに
形成された内歯ラチェットと、ロアアームに上記内歯ラ
チェットに対応して膨設された一対の膨出部と、これら
一対の膨出部間に形成されたガイド溝と、このガイド溝
に案内されて互いに反対方向に移動可能に嵌め込まれた
一対の爪歯部材とからなっている。
【0003】上記爪歯部材は、上記内歯ラチェット内で
操作軸を中心とした点対称位置に設けられ、操作レバー
の操作でこの操作軸を軸心回りに正逆回動することによ
り、内歯ラチェットに噛合した噛合位置と、内歯ラチェ
ットに対する噛合が解除された解除位置との間で位置変
更し得るようになっている。そして、爪歯部材を噛合位
置に位置設定することにより、シートバックは、操作軸
回りの回動が阻止されて所定の傾倒姿勢が維持される一
方、爪歯部材を解除位置に位置設定することにより、シ
ートバックは、それを操作軸回りに回すことで傾斜姿勢
を変更し得る状態になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の上記
のようなリクライナにあっては、上記操作レバーは、所
定の付勢手段によって爪歯部材が内歯ラチェットに噛合
する方向に付勢されているため、シートバックの傾倒姿
勢を変更するときには、その操作中に亘って操作レバー
を付勢手段の付勢力に抗して操作していなければならな
い。単にシートバックの傾倒角度を調節するためだけの
場合は、操作レバーは極めて短い時間で操作されるた
め、付勢手段の付勢力に抗した操作レバーの操作が苦に
なることはないが、シートバックの傾倒操作の内には、
後部シートへの乗降のために前部シートのシートバック
を継続して前倒しなければならないときがあり、このよ
うな場合には、例えば起立姿勢に設定されたシートバッ
クを略90°も前に倒さなければならない。従って、こ
の前倒操作の間中、操作レバーを付勢手段の付勢力に抗
して操作位置に設定する必要があり、非常に面倒である
という問題点を有していた。
【0005】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、シートバックの前倒操作を
容易に行い得るシートのリクライニング装置を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
シートのリクライニング装置は、シートボトムと、所定
の範囲内で傾倒するようにシートボトムに連結されたシ
ートバックとの連結部分に配設され、操作レバーの操作
によって上記範囲内で任意に設定されたシートバックの
傾倒姿勢のロックおよびロック解除を行うように構成さ
れたリクライニングシートにおける操作レバーの付勢構
造であって、シートボトムに固定された第1ブラケット
と、シートバックに固定された第2ブラケットとが設け
られ、上記第1ブラケットと第2ブラケットとは、いず
れか一方に凹設された凹部に、他方に凸設された凸部を
嵌め合わせることによって相互に相対回動可能に結合さ
れ、上記凹部の内周面には内歯ラチェットが形成され、
上記凸部は、互いに平行でかつ互いに対向した摺接面を
有する一対の片割れ凸部によって形成され、上記各片割
れ凸部の摺接面間に摺接状態で移動可能に嵌装され、か
つ、互いに反対側の先端面に上記内歯ラチェットに噛合
する爪歯の形成された一対のロックギヤが設けられ、カ
ム軸回りに回動して上記一対のロックギヤを互いに逆方
向に移動させるカムが設けられ、上記第1および第2ブ
ラケットは、それぞれ相対回動の中心部分に穿設された
中心孔を有し、上記カム軸はこの中心孔に挿入されてお
り、上記爪歯が上記内歯ラチェットに噛合したロック位
置と上記爪歯の上記内歯ラチェットに対する噛合が解除
されたロック解除位置との間で上記カム軸を回動操作す
る操作レバーが設けられ、この操作レバーは、付勢手段
の付勢力によってロック位置に位置するように付勢さ
れ、上記シートバックが所定範囲内の傾倒姿勢にあると
きにロック解除位置にある上記操作レバーを保持するロ
ック解除保持手段が設けられていることを特徴とするも
のである。
【0007】このリクライナによれば、普段は一対のロ
ックギヤの爪歯が内歯ラチェットに噛合されていること
により、シートバックは、カム軸回りの回動がロックさ
れ、設定された所定の傾倒姿勢が維持された状態になっ
ている。そして、操作レバーの操作によってカム軸を所
定方向に回動することにより、カム軸と一体のカムが所
定方向に回動し、この回動によって一対のロックギヤが
ガイド部材に案内されつつ互いに接近する方向に移動
し、これによって各ロックギヤの爪歯の内歯ラチェット
に対する噛合が解除されるため、第1ブラケットと第2
ブラケットとはカム軸回りに相対回動が可能な状態にな
り、第2ブラケットと一体のシートバックは、それを回
動操作することにより所望の傾倒姿勢になる。
【0008】ついで、所望のシートバックの傾倒姿勢が
選択された状態で把持していた操作レバーを離すことに
より、操作レバーは付勢手段の付勢力によってロック位
置に移行し、これによって一対のロックギヤがガイド部
材に案内されつつ互いに離間する方向に移動して爪歯が
内歯ラチェットに噛合するため、第2ブラケットのカム
軸回りの回動がロックされ、第2ブラケットと一体のシ
ートバックの傾倒姿勢が保持される。
【0009】そして、シートバックが所定範囲内の傾倒
姿勢にあるときにロック解除位置にある操作レバーの位
相を保持するロック解除保持手段が設けられているた
め、例えばシートバックが前倒姿勢になる範囲で機能す
るようにロック解除保持手段を設けておくことにより、
シートバックを前倒させるに際して把持していた操作レ
バーから手を離しても、操作レバーのロック解除状態が
維持される。従って、シートが前席である場合、搭乗者
の後席に対する乗降のためにシートバックを前倒操作す
るときに、付勢手段の付勢力に抗して操作レバーをロッ
ク解除位置に操作し続ける必要はなく、その分シートバ
ックの前倒操作が容易になる。
【0010】なお、操作手段のロック解除位置は、シー
トバックが前倒しになる範囲に設定することに限定され
るものではなく、例えばシートバックが後倒したリクラ
イニング姿勢の所定範囲をロック解除位置として採用し
てもよい。こうすることによって、シートバックのリク
ライニング姿勢を所定の複数段の間で段階的に切り換え
得るようになる。
【0011】本発明の請求項2記載のシートのリクライ
ニング装置は、請求項1記載のシートのリクライニング
装置において、上記操作レバーは、上記第1ブラケット
に上記カム軸に平行に設けられた支持軸回りに回動自在
に軸支され、操作レバーと上記カム軸との間には操作レ
バーの回動操作に連動してカム軸を回動させるリンクア
ームが介設され、上記第2ブラケットには、上記シート
バックが所定範囲内の傾倒姿勢にあるときは、操作レバ
ーと干渉して操作レバーのロック解除位置を維持するよ
うに突設された、カム軸と同心の上記ロック解除保持手
段としての円弧突起が突設されていることを特徴とする
ものである。
【0012】このリクライナによれば、操作レバーをロ
ック解除位置に操作することにより、操作レバーの操作
がリンクアームを介してカム軸に伝達されて爪歯の内歯
ラチェットに対する噛合が解除され、これによってシー
トバックはカム軸回りに回動可能になる。そして、この
状態でシートバックを所定の範囲内に向けて傾倒して第
2ブラケットを回動させることにより、第2ブラケット
の円弧突起と操作レバーとが互いに干渉し、これによっ
てロック解除位置にある操作レバーの支持軸回りの回動
が阻止されるため、操作レバーはそれから手を離しても
ロック解除位置が維持される。
【0013】このように、操作レバーを第1ブラケット
に支持軸回りに回動し得るように軸支するとともに操作
レバーの回動をリンクアームを介してカム軸に伝達する
一方、第2ブラケットに操作レバーのロック解除位置を
維持する円弧突起を設けることにより、シートバックの
所定回動範囲では操作レバーから手を離した状態でシー
トバックの回動動作を行い得るようにする、いわゆるロ
ック解除維持構造を簡単なものにすることが可能であ
り、リクライナの製造コストを安価に抑える上で有効で
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のリクライナが適
用されたリクライニングシートの一実施形態を示す側面
視の説明図である。この図に示すように、自動車用のシ
ートSは、着座席であるシートボトムS1と、このシー
トボトムS1の後方(図1の右方)端部に立設された背
凭れであるシートバックS2とからなっている。シート
ボトムS1の後端部とシートバックS2の下端部との間
には、幅方向(図1の紙面に直交する方向)一対のリク
ライナ1が設けられており、このリクライナ1を操作す
ることによってシートバックS2を、前に倒れた前倒姿
勢と、後ろに倒れた後倒姿勢との間で所望の傾倒姿勢に
姿勢変更し得るようになっている。因に、図1における
シートバックS2は、前倒姿勢と後倒姿勢の中間である
起立姿勢に設定されている。
【0015】図2は、リクライナ1の一実施形態を示す
一部切欠き分解斜視図であり、図3は、その組立斜視図
である。また図4は、図3のP線視図であり、図5は、
図4の一部破断図である。また図6は、図3のQ−Q線
断面図である。なお、図2および図3において、X−X
方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X
方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方
向を後方という。また、図2および図3においては、シ
ートSの右方位置に設置されるリクライナ1を示してい
る。
【0016】これらの図に示すように、リクライナ1
は、シートボトムS1に固定された第1ブラケット2
と、シートバックS2に上記第1ブラケット2に対向し
て固定された第2ブラケット3と、これらブラケット
2,3間に介設される一対のロックギヤ4と、カム軸6
回りに正逆共回りして上記一対のロックギヤ4を離接す
る方向に移動させるカム5と、上記カム軸6を軸心回り
に正逆回動操作する操作レバー7とを備えた基本構成を
有している。
【0017】上記第1ブラケット2は、上部が半円状を
呈しているとともに下部が方形を呈した金属製の板状体
によって形成され、半円状の曲率中心部分に上記カム軸
6を挿通する挿通孔21が穿設されているとともに、第
1ブラケット2の右方の面には、前後方向一対のガイド
部材22が右方に向けて膨設されている。各ガイド部材
22は、挿通孔21を中心とした円弧状に形成され、か
つ、挿通孔21に対して点対称に形状設定されている。
【0018】そして、各ガイド部材22の対向面には、
それぞれ上下方向に延びるガイド凹部23が凹設されて
いるとともに、前方のガイド部材22のガイド凹部23
の上部および後方のガイド部材22のガイド凹部23の
下部には上下寸法の大きい長尺突起22aが、また前方
のガイド凹部23の下部および後方のガイド凹部23の
上部には上下寸法の小さい短尺突起22bがそれぞれ形
成されている。
【0019】前後のガイド凹部23間にはロックギヤ4
およびカム5を収容する収容空間24が形成されてい
る。また、互いに対向した前後の長尺突起22aおよび
短尺突起22bの対向面は互いに平行に形成されている
とともに、対向面間に各ロックギヤ4の一部(後述する
爪歯部41)を摺接状態で嵌装する上下一対の嵌装溝2
5が形成されている。これら嵌装溝25は、挿通孔21
を挟んで上下で対向配置されているとともに、溝幅寸法
が同一に設定されている。
【0020】また、各ガイド部材22の右側面には、ガ
イド部材22の外周面と同心の円弧状の回転ガイド凸状
22cがそれぞれ設けられ、この回転ガイド凸状22c
が後述する第2ブラケット3の回転ガイド溝31aに摺
接状態で嵌入されるようになっている。
【0021】上記第2ブラケット3は、下方が半円形状
に形成されているとともに上方が矩形状に形成された板
状体から形成されている。かかる第2ブラケット3の右
側面には、半円形状部分の曲率中心を中心とした円形膨
出部31が膨設されているとともに、この円形膨出部3
1の中心部分には上記第1ブラケット2の挿通孔21に
対向した挿通孔21と同径の貫通孔32が穿設されてい
る。
【0022】そして、挿通孔21および貫通孔32をカ
ム軸6より大径に寸法設定することにより、カム軸6が
これら挿通孔21および貫通孔32に遊嵌され、これに
よってカム軸6の軸心と、第1および第2ブラケットと
の相対回動の中心とが、たとえば寸法誤差によって心ず
れした状態になっていてもカム軸6の回動が可能であ
り、一対のロックギヤ4に対するカム軸6の回動操作が
常に確実に行われるとともに、一対のロックギヤ4の一
方のみが内歯ラチェット34に噛合する、いわゆる片効
き状態の発生を有効に防止し得るようになっている。
【0023】また、円形膨出部31の左側部には、第2
ブラケット3の板状部分が円形に刳抜かれた状態の装着
凹部33が設けられている。この装着凹部33の内径寸
法は、上記一対のガイド部材22の曲率半径より僅かに
大きく寸法設定されている。これによって第1ブラケッ
ト2と第2ブラケット3とを合わせた状態で、各ガイド
部材22は、それらの円弧外周面が装着凹部33の内周
面に摺接しながら装着凹部33内に装着されるようにな
っている。
【0024】かかる装着凹部33の内周面には、径方向
に切り込まれることによって形成された内歯からなる内
歯ラチェット34が設けられ、第1ブラケット2と第2
ブラケット3とは、ガイド部材22が装着凹部33に装
着されることによって、ガイド凹部23の円弧外周面が
内歯ラチェット34の歯の頂部に摺接した状態で挿通孔
21の中心回りに相対回動し得るようになっている。
【0025】また、円形膨出部31の左側面には、上記
回転ガイド凸状22cに対応した円弧状の回転ガイド溝
31aが凹設され、回転ガイド凸状22cが回転ガイド
溝31aに嵌め込まれることによって第1ブラケット2
と第2ブラケット3との相対回動がより安定して行われ
るようになっている。
【0026】かかる装着凹部33の内周面には、径方向
に切り込まれることによって形成された内歯からなる内
歯ラチェット34が全周長に亘って設けられ、第1ブラ
ケット2と第2ブラケット3とは、回転ガイド凸状22
cが回転ガイド溝31aに嵌まり込んだ状態で挿通孔2
1の中心回りに相対回動し得るようになっている。そし
て、内歯ラチェット34が、回転ガイド溝31aより径
寸法の大きい装着凹部33の内周面に形成されているこ
とによって、ロックピッチ(内歯ラチェットの1枚の歯
と隣の歯との間の中心角)を小さい角度にすることが可
能になり、より小さいピッチで第1ブラケット2と第2
ブラケット3との相対回動をロックすることが可能にな
り、結果としてより精密にロック位置を位置決めするこ
とができるようになっている。
【0027】かかる第2ブラケット3の上縁部には、前
後端部にそれぞれ取付け孔35が穿設され、これらの取
付け孔35を介してボルト止めされることにより第2ブ
ラケット3がシートバックS2に固定されるようになっ
ている。また、第2ブラケット3は、前後の取付け孔3
5間に穿設された前後方向一対の係止孔36を有してい
る。これらの係止孔36は、スペーサ37を介して上部
押え板38をねじ止めするためのものであり、スペーサ
37および上部押え板38にはそれぞれ係止孔36に対
応した孔が穿設されている。
【0028】そして、第2ブラケット3の左面上部にス
ペーサ37および上部押え板38を積層した状態でそれ
ぞれに係止孔36に通したボルトBを挿通した後、ナッ
トNで締結することにより、上部押え板38がスペーサ
37を介して第2ブラケット3に固定されることにな
る。上記スペーサ37の厚み寸法は、第1ブラケット2
の厚み寸法より僅かに大きく寸法設定されている。
【0029】また、上記第1ブラケット2の下縁部に
は、前後端部にそれぞれ取付け孔26が穿設され、これ
らの取付け孔26を介してボルト止めされることにより
第1ブラケット2がシートボトムS1に固定されるよう
になっている。また、第1ブラケット2には、前後の取
付け孔26間に穿設された前後方向一対の係止孔27が
穿設されている。これらの係止孔27は、断面視でジグ
ザグ状を呈した下部押え板28をねじ止めするためのも
のである。
【0030】上記下部押え板28は、上縁部に円形膨出
部31の周面に摺接するように円弧縁部の形成された円
弧押え部28aと、この円弧押え部28aの下縁部から
第2ブラケット3の厚み寸法より僅かに大きい段差部を
介して下方に向けて延設された平板部28bとからなっ
ている。平板部28bには、上記係止孔27に対応した
孔が穿設されている。
【0031】従って、第1ブラケット2のガイド部材2
2を第2ブラケット3の装着凹部33に嵌め込んだ状態
でスペーサ37を介して上部押え板38を第2ブラケッ
ト3にボルト止めするとともに、下部押え板28を第1
ブラケット2にボルト止めすることにより、図3および
図5に示すように、上部押え板38の下縁部と第2ブラ
ケット3との間に第1ブラケット2の上縁部が挾持され
るとともに、下部押え板28の上縁部と第1ブラケット
2との間に第2ブラケット3の下縁部が挾持された状態
で第1ブラケット2と第2ブラケット3とが相対回動可
能に互いに結合されるようになっている。
【0032】上記ロックギヤ4は、図4に示すように、
第1ブラケット2に膨設された一対のガイド部材22の
長尺突起22aと短尺突起22bとの間の嵌装溝25に
摺接状態で上下動可能に嵌め込まれる爪歯部41と、こ
の爪歯部41の側縁部から第1ブラケット2の挿通孔2
1を迂回してガイド凹部23に嵌まり込むように延設さ
れた足部42とからなっている。爪歯部41は、先端縁
に形成された第2ブラケット3の内歯ラチェット34に
噛合する爪歯41aを有しており、ガイド部材22が装
着凹部33に嵌め込まれた状態で爪歯41aが内歯ラチ
ェット34に噛合することにより第1ブラケット2と第
2ブラケット3との相対回動が規制されるようになって
いる。
【0033】上記足部42は、外側の縁部がガイド凹部
23の内縁部に摺接するように形状設定されているとと
もに、長さ寸法がガイド凹部23の上下寸法より距離d
だけ短く寸法設定され、これによってガイド凹部23内
で距離d(図4)だけ上下動し得るようになっている。
上記距離dは、上記爪歯41aの歯の深さ寸法より若干
大きめに設定され、ロックギヤ4が挿通孔21から径方
向に外方に向けて移動することによって爪歯41aが内
歯ラチェット34に噛合する一方、ロックギヤ4が挿通
孔21の方向に向けて移動することにより爪歯41aの
内歯ラチェット34に対する噛合が解除されるようにな
っている。
【0034】かかるロックギヤ4は、足部42の先端側
に第1ブラケット2の上下方向に延びる中心線に向かっ
て突設された係合部43を有しているとともに、爪歯部
41の上記足部42と反対側の縁部が第1ブラケット2
の横方向に延びる中心線に向かって突出した三角形状の
突出部44を有している。そして、突出部44の先端か
ら係合部43にかけてカム5の一部(後述する扇状突起
52)を収容する湾曲凹部45が形成されている。
【0035】また、係合部43および突出部44の上下
方向に延びる縁部は、それぞれ長尺突起22aおよび短
尺突起22bの対向縁面と面一状態になるとともに、挿
通孔21を中心とした点対称状態で一対のロックギヤ4
を前後のガイド凹部23に嵌め込むことによって、前後
のロックギヤ4の係合部43と上記突出部44とが互い
に当接し合い、これによって各ロックギヤ4の収容空間
24(図2)への装着状態が安定するようになってい
る。
【0036】上記カム5は、所定径寸法のカム本体51
と、このカム本体51の互いに対向した縁部から外方に
向かって突設された扇形の一対の扇状突起52とからな
っている。カム本体51の中心部分には、カム軸6が軸
心回りに共回り可能に嵌入される小判孔53が穿設され
ている。上記扇状突起52は、中心角が略90°に角度
設定されている一方、上記湾曲凹部45は、その内壁面
に扇状突起52の両端角部が摺接しながらカム5がカム
軸6回りに共回りし得るように形状設定されている。
【0037】一方、上記湾曲凹部45は、突出部44の
先端から爪歯41aの方向に向かって斜めに形成された
傾斜部45a(図4)と、この傾斜部45aと上記係合
部43との間に形成された湾曲部45bとから構成され
ている。そして、カム5をカム軸6回りに時計方向に回
動させることにより、扇状突起52の一方の角部52a
が各ロックギヤ4の係合部43を押圧して爪歯部41が
互いに接近する方向に移動し、これによって爪歯41a
の内歯ラチェット34に対する噛合が解除される一方、
カム5をカム軸6回りに反時計方向に回動させることに
より、扇状突起52の他方の角部52bが各ロックギヤ
4の傾斜部45aを押圧して爪歯部41が互いに離反す
る方向に移動し、これによって爪歯41aが内歯ラチェ
ット34に噛合するように傾斜部45aおよび湾曲部4
5bの形状が設定されている。
【0038】上記カム軸6は、上記カム5の小判孔53
に摺接状態で嵌入される断面視が小判形状の軸本体61
と、この軸本体61の右端位置に形成された軸頭部62
と、上記軸本体61の軸心に沿うように左端面から螺設
されたねじ孔63に螺着される抜止めねじ64とを備え
て構成されている。軸本体61は第1および第2ブラケ
ット2,3の挿通孔21および貫通孔32に摺接状態で
嵌入し得るように外径寸法が設定されている。
【0039】そして、軸本体61を後述するリンクアー
ムの小判孔を介して第2ブラケット3の貫通孔32に嵌
入した状態でカム5の小判孔53を軸本体61に外嵌す
ることにより、カム5がカム軸6に軸心回りに共回り可
能に装着されるようになっている。この状態でロックギ
ヤ4の装着された第1ブラケット2の挿通孔21を軸本
体61に外嵌し、抜止めねじ64をねじ孔63に螺着し
て締結することにより、カム5が第1ブラケット2の収
容空間24にカム軸6と共回り可能に装着された状態に
なるようにしている。
【0040】上記操作レバー7は、前後方向に延びるレ
バー本体71と、このレバー本体71の基端側(後端
側)に形成された逆三角形状の装着部72と、この装着
部72と上記カム軸6とをリンクするリンクアーム73
とからなっている。装着部72は下端位置に回動中心と
なる回動中心孔72aを有している一方、上記第1ブラ
ケット2の前後方向の略中央部下部位置には回動中心孔
72aに対応した装着孔29が穿設され、装着部72を
第1ブラケット2の右面下部に積層した状態で回動中心
孔72aおよび装着孔29に回動中心軸74を挿通して
ナットで締結することにより、操作レバー7が回動中心
軸74回りに回動自在に第1ブラケット2に取り付けら
れるようになっている。
【0041】上記リンクアーム73は、直状のアーム本
体73aと、このアーム本体73aの上方端部から左方
に向かって突設された筒状スペーサ73bとからなって
いる。筒状スペーサ73bには、カム軸6の軸本体61
が嵌入される小判孔73cが穿設されており、この小判
孔73cに軸本体61を差し通すことによって第2ブラ
ケット3の貫通孔32、カム5の円弧孔53および第1
ブラケット2の挿通孔21に嵌挿されたカム軸6はリン
クアーム73を軸心回りに回動することによってリンク
アーム73と共回りするようになっている。
【0042】また、アーム本体73aの下端部にはリン
ク孔73dが穿設されている一方、装着部72の上部の
前方部分には先下がりに延びる(前方に向かって下方に
傾斜した)長孔72bが穿設されている。この長孔72
bおよび上記リンク孔73dにリンク軸(支持軸)75
を差し通して両者を連結することにより、操作レバー7
の回動中心軸74回りの時計方向への回動操作でリンク
アーム73はカム軸6回りに時計方向に回動するととも
に、操作レバー7の逆操作でリンクアーム73も逆方向
(反時計方向)に回動するようになっている。
【0043】また、装着部72の後方上縁部には筒状ス
ペーサ73bの長さ寸法と略同一の幅寸法を備えた係止
突片76が左方に向けて突設されている一方、第2ブラ
ケット3の円形膨出部31には右面の下部前方部分に貫
通孔32の中心と同心の円弧状ストッパ(円弧突起)3
9が突設されている。そして、この円弧状ストッパ39
と上記係止突片76とは、シートバックS2が後倒姿勢
に設定された状態では相互に干渉しないが、操作レバー
7をロック解除位置に操作してシートバックS2を前倒
させた状態で互いに干渉し合い、これによってシートバ
ックS2が前倒姿勢に設定された状態では、操作レバー
7のロック解除位置が保持されるように相互の位置関係
および相互の寸法が設定されている。
【0044】また、第1ブラケット2とレバー本体71
との間にはコイルばね77が介設され、操作レバー7
は、このコイルばね77の付勢力によって常に回動中心
軸74回りに反時計方向に向かう力を受け、常時は爪歯
41aが内歯ラチェット34に噛合したロック位置に位
置設定されるようになっている。
【0045】図7および図8は、本発明の作用を説明す
るための説明図である。そして、図7はリクライナ1の
内部におけるカム5とロックギヤ4との関連動作を示す
ものであり、図8はリクライナ1の外部における操作レ
バー7の操作と第2ブラケット3の傾倒状態との関連を
示すものである。また、図7および図8において、
(イ)はシートバックS2の回動がロックされた状態、
(ロ)はシートバックS2の回動ロックが解除された状
態をそれぞれ示している。
【0046】まず、図7および図8の(イ)に示す状態
では、第2ブラケット3が直立姿勢に設定され、操作レ
バー7の係止突片76は第2ブラケット3の円弧状スト
ッパ39と干渉しない状態になっている(図8の
(イ))。従って、操作レバー7は、コイルばね77の
付勢力によりカム軸6回りに反時計方向に向かう付勢力
を受け、これによるカム5のカム軸6回りの共回りによ
って各扇状突起52が各ロックギヤ4の対応した傾斜部
45aをそれぞれ離間方向に押圧し(図7の(イ))、
この押圧によってロックギヤ4の爪歯部41の爪歯41
aが第2ブラケット3の内歯ラチェット34に噛合した
状態になっている。そして、爪歯41aの内歯ラチェッ
ト34への噛合によって第2ブラケット3はカム軸6回
りの回動が規制(ロック)されており、設定されたシー
トバックS2(図1)の姿勢が保持された状態になって
いる。
【0047】ついで、シートSの着座者が操作レバー7
を把持して上方に向けて操作すると、この操作レバー7
の回動中心軸74回りの回動が、装着部72の長孔72
bに嵌挿されたリンク軸75を介してリンクアーム73
に伝達され、リンクアーム73はカム軸6回りに時計方
向に回動し、これによってカム軸6が時計方向に回動す
る(図8の(ロ))。この回動によるカム5のカム軸6
との共回りによって各扇状突起52の一方の端部による
各ロックギヤ傾斜部45aに対する押圧が解除されると
ともに、扇状突起52の他方の端部の係合部43に対す
る押圧によって各ロックギヤ4はそれぞれカム軸6の方
向に移動し、これによって、図7の(ロ)に示すよう
に、爪歯41aの内歯ラチェット34に対する噛合が解
除される。この解除によって、図7の(ロ)に二点鎖線
で示すように、第2ブラケット3はカム軸6回りに任意
に正逆回動することができ、これによってシートバック
S2の傾倒姿勢を任意に設定することが可能になる。
【0048】ついで、シートバックS2を所望の後倒姿
勢に設定した後に、把持していた操作レバー7を離す
と、操作レバー7は、コイルばね77の付勢力によって
カム軸6回りに反時計方向にカム軸6と共回りして爪歯
41aは内歯ラチェット34に噛合し、リクライナ1
は、図7の(イ)に示す、シートバックS2の傾倒姿勢
維持状態に復帰する。
【0049】そして、本発明においては、操作レバー7
を把持して上方に引き、ロック解除位置に位置設定した
後にシートバックS2を前に倒して第2ブラケット3を
前倒させると、図8の(ロ)に示すように、操作レバー
7の係止突片76が第2ブラケット3の円弧状ストッパ
39に干渉し、これによってロック解除位置に位置した
操作レバー7は、回動中心軸74回りの反時計方向への
回動が阻止された状態になっている。従って、この状態
ではレバー本体71を把持している手を離しても、操作
レバー7は、コイルばね77の付勢力に抗して回動中心
軸74回りに回動しないため、爪歯41aの内歯ラチェ
ット34に対する噛合が解除された状態(図7の
(ロ))が維持され、これによって操作レバー7の操作
を継続することなくシートバックS2がシートボトムS
1上に折り畳まれた状態になるまで前倒操作を続けるこ
とが可能になる。
【0050】以上詳述したように、本発明のリクライナ
1は、シートボトムS1に固定された第1ブラケット2
と、シートバックS2に固定され、かつ、カム軸6回り
に回動自在に第1ブラケット2に連結された第2ブラケ
ット3とを備えて基本構成されている。そして、第2ブ
ラケット3にはカム軸6を中心とした内歯のラチェット
34が形成されているとともに、第1ブラケット2には
この内歯ラチェット34に円弧周面が摺接状態で嵌め込
まれ、かつ、カム軸6に対して点対称に形状設定された
互いに離間配置の一対の円弧形状のガイド部材22が設
けられている。各ガイド部材22間には、カム軸6に軸
心回りに共回り可能に取り付けられたカム5と、このカ
ム5の回動動作によって互いに逆方向に移動するように
形状設定され、かつ、互いに離間した状態で内歯ラチェ
ット34に噛合する爪歯41aを備えた一対のロックギ
ヤ4とが装着されている。また、爪歯41aが内歯ラチ
ェット34に噛合したロック位置と爪歯41aの内歯ラ
チェット34に対する噛合が解除されたロック解除位置
との間でカム軸6を回動操作する操作レバー7が設けら
れ、この操作レバー7は、コイルばね77の付勢力によ
ってロック位置に位置するように付勢されている。そし
て、第2ブラケット3には、シートバックS2が所定範
囲内の傾倒姿勢にあるときにロック解除位置にある操作
レバー7を保持する円弧状ストッパ39が設けられてい
る。
【0051】従って、普段は一対のロックギヤ4の爪歯
41aが内歯ラチェット34に噛合されていることによ
り、シートバックS2は、カム軸6回りの回動がロック
され、設定された所定の傾倒姿勢が維持された状態にな
っている。そして、操作レバー7の操作によってカム軸
6を所定方向に回動することにより、カム軸6と一体の
カム5が所定方向に回動し、この回動によって一対のロ
ックギヤ4がガイド部材22に案内されつつ互いに接近
する方向に移動し、これによって各ロックギヤ4の爪歯
41aの内歯ラチェット34に対する噛合が解除される
ため、第1ブラケット2と第2ブラケット3とはカム軸
6回りに相対回動が可能な状態になり、第2ブラケット
3と一体のシートバックS2は、それを回動操作するこ
とにより所望の傾倒姿勢になる。
【0052】ついで、所望のシートバックS2の傾倒姿
勢が選択された状態で把持していた操作レバー7を離す
ことにより、操作レバー7はコイルばね77の付勢力に
よってロック位置に移行し、これによって一対のロック
ギヤ4がガイド部材22に案内されつつ互いに離間する
方向に移動して爪歯41aが内歯ラチェット34に噛合
するため、第2ブラケット3のカム軸6回りの回動がロ
ックされ、第2ブラケット3と一体のシートバックS2
の傾倒姿勢が保持される。
【0053】そして、シートバックS2が所定範囲内の
傾倒姿勢にあるときにロック解除位置にある操作レバー
7の位相を保持する円弧状ストッパ39が設けられてい
るため、例えばシートバックS2が前倒姿勢になる範囲
で機能するように円弧状ストッパ39を設けておくこと
により、シートバックS2を前倒させるに際して把持し
ていた操作レバー7から手を離しても、操作レバー7の
ロック解除状態が維持される。従って、シートが前席で
ある場合、搭乗者の後席に対する乗降のためにシートバ
ックS2を前倒操作するときに、コイルばね77の付勢
力に抗して操作レバー7をロック解除位置に操作し続け
る必要はなく、その分シートバックS2の前倒操作が容
易になる。
【0054】また、操作レバー7を、第1ブラケット2
にカム軸6に平行に設けられたリンク軸75回りに回動
自在に軸支し、操作レバー7とカム軸6との間には操作
レバー7の回動操作に連動してカム軸6を回動させるリ
ンクアーム73を介設することにより、操作レバー7を
ロック解除位置に操作することにより、操作レバー7の
操作がリンクアーム73を介してカム軸6に伝達されて
爪歯41aの内歯ラチェット34に対する噛合が解除さ
れ、これによってシートバックS2はカム軸6回りに回
動可能になる。そして、この状態でシートバックS2を
所定の範囲内に向けて傾倒して第2ブラケット3を回動
させることにより、第2ブラケット3の円弧状ストッパ
39と操作レバー7とが互いに干渉し、これによってロ
ック解除位置にある操作レバー7のリンク軸75回りの
回動が阻止されるため、操作レバー7はそれから手を離
してもロック解除位置が維持される。
【0055】このように、操作レバー7を第1ブラケッ
ト2にリンク軸75回りに回動し得るように軸支すると
ともに操作レバー7の回動をリンクアーム73を介して
カム軸6に伝達する一方、第2ブラケット3に操作レバ
ー7のロック解除位置を維持する円弧状ストッパ39を
設けることにより、シートバックS2の所定回動範囲で
は操作レバー7から手を離した状態でシートバックS2
の回動動作を行い得るようにする、いわゆるロック解除
維持構造を簡単なものにすることが可能であり、リクラ
イナの製造コストを安価に抑える上で有効である。
【0056】図9は、リクライナの第2実施形態を示す
一部切欠き分解斜視図である。第1実施形態のリクライ
ナ1においては、第1ブラケット2のガイド部材22に
設けられたガイド凸条22cが第2ブラケット3のガイ
ド溝31aに嵌まり込むようにしているが、こうする代
わりに、第2実施形態のリクライナ1aにおいては、第
2ブラケット3aに内歯ラチェット34の設けられた第
1周面34aと、ガイド部材22の外周面が摺接する第
2周面34bとを同心で設け、第1周面34aの径寸法
と第2周面34bの径寸法と略同一に設定するか、ある
いは第1周面34aの径寸法を第2周面34bの径寸法
より若干より大きく設定している。こうすることによっ
て第1ブラケット2aのガイド部材22および第2ブラ
ケット3aの円形膨出部31に、第1実施形態で採用さ
れているようなガイド凸条22cおよびガイド溝31a
を設ける必要がなくなり、第1および第2ブラケット2
a,3aをよりシンプルな構造のものにすることができ
る。
【0057】本発明は上記の実施形態に限定されるもの
ではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0058】(1)上記の実施形態においては、レバー
本体71の回動中心軸74回りの回動と、リンクアーム
73のカム軸6回りの回動とが同一方向になるように構
成されているが、本発明は、レバー本体71とリンクア
ーム73の回動方向を同一にすることに限定されるもの
ではなく、互いに逆方向に回動するようにレバー本体7
1とリンクアーム73とをリンクしてもよい。但し、こ
うするためには、ガイド部材22、ロックギヤ4および
カム5の配置を、上記実施形態の配置に対して前後で逆
にする必要がある。
【0059】(2)また、操作レバー7のロック解除位
置は、シートバックS2が前倒しになる範囲に設定する
ことに限定されるものではなく、例えばシートバックS
2が後倒したリクライニング姿勢の所定範囲をロック解
除位置として採用してもよい。こうすることによって、
シートバックS2のリクライニング姿勢を所定の複数段
の間で段階的に切り換え得ることができる。
【0060】(3)上記の実施形態においては、円弧状
ストッパ39を第2ブラケット3に一体的に設けたが、
これを別体として第2ブラケッ3にねじ止めその他で着
脱自在に取り付けるようにすれば、操作レバー7のロッ
ク解除範囲を容易に変更することができる。
【0061】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のシートのリクラ
イニング装置によれば、付勢手段の付勢力によってロッ
ク位置に位置するように付勢された操作レバーは、シー
トバックが所定範囲内の傾倒姿勢にあるときにロック解
除保持手段によって設定されたロック解除位置を保持す
るようにしているため、例えばシートバックが前倒姿勢
になる範囲で機能するようにロック解除保持手段を設け
ておくことにより、シートバックを前倒させるに際して
把持していた操作レバーから手を離しても、操作レバー
のロック解除状態を維持することができる。従って、シ
ートが前席である場合、搭乗者の後席に対する乗降のた
めにシートバックを前倒操作するときに、付勢手段の付
勢力に抗して操作レバーをロック解除位置に操作し続け
る必要はなく、その分シートバックの前倒操作を容易に
行うことができる。
【0062】本発明の請求項2記載のシートのリクライ
ニング装置におれば、操作レバーを、第1ブラケットに
カム軸に平行に設けられた支持軸回りに回動自在に軸支
し、操作レバーとカム軸との間に操作レバーの回動操作
に連動してカム軸を回動させるリンクアームを介設し、
第2ブラケットには、シートバックが所定範囲内の傾倒
姿勢にあるときは、操作レバーと干渉して操作レバーの
ロック解除位置を維持するように突設されたカム軸と同
心の円弧突起を突設したため、操作レバーをロック解除
位置に操作することにより、操作レバーの操作がリンク
アームを介してカム軸に伝達されて爪歯の内歯ラチェッ
トに対する噛合が解除され、これによってシートバック
をカム軸回りに回動可能にすることができる。
【0063】そして、この状態でシートバックを所定の
範囲内に向けて傾倒して第2ブラケットを回動させるこ
とにより、第2ブラケットの円弧突起と操作レバーとが
互いに干渉し、これによってロック解除位置にある操作
レバーの支持軸回りの回動が阻止されるため、操作レバ
ーはそれから手を離してもロック解除位置を維持するこ
とができる。
【0064】このように、操作レバーを第1ブラケット
に支持軸回りに回動し得るように軸支するとともに操作
レバーの回動をリンクアームを介してカム軸に伝達する
一方、第2ブラケットに操作レバーのロック解除位置を
維持する円弧突起を設けることにより、シートバックの
所定回動範囲では操作レバーから手を離した状態でシー
トバックの回動動作を行い得るようにする、いわゆるロ
ック解除維持機構を簡単な構造のものにすることがで
き、リクライナの製造コストを安価に抑える上で好都合
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリクライナが適用されるリクライニン
グシートの一実施形態を示す側面視の説明図である。
【図2】リクライナの一実施形態を示す一部切欠き分解
斜視図である。
【図3】図2のリクライナの組立斜視図である。
【図4】図3のP線視図である。
【図5】図4の一部断面図である。
【図6】図3のQ−Q線断面図である。
【図7】(イ)および(ロ)は、本発明の作用を説明す
るための説明図であり、リクライナの内部におけるカム
とロックギヤとの関連動作を示すものである。
【図8】(イ)および(ロ)は、本発明の作用を説明す
るための説明図であり、リクライナの外部における第2
ブラケットの傾倒状態と操作レバーの操作可能範囲との
関連を示すものである。
【図9】リクライナの第2実施形態を示す一部切欠き分
解斜視図である。
【符号の説明】
S シート S1 シートボトム S2 シートバック 1 リクライナ 2 第1ブラケット 22 ガイド部材 22c 回転ガイド凸状 3 第2ブラケット 31a 回転ガイド溝 34 内歯ラチェット 39 円弧状ストッパ(円弧突起) 4 ロックギヤ 41a 爪歯 5 カム 6 カム軸 7 操作レバー 77 コイルばね

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートボトムと、所定の範囲内で傾倒す
    るようにシートボトムに連結されたシートバックとの連
    結部分に配設され、操作レバーの操作によって上記範囲
    内で任意に設定されたシートバックの傾倒姿勢のロック
    およびロック解除を行うように構成されたリクライニン
    グシートにおける操作レバーの付勢構造であって、 シートボトムに固定された第1ブラケットと、シートバ
    ックに固定された第2ブラケットとが設けられ、 上記第1ブラケットと第2ブラケットとは、いずれか一
    方に凹設された凹部に、他方に凸設された凸部を嵌め合
    わせることによって相互に相対回動可能に結合され、 上記凹部の内周面には内歯ラチェットが形成され、 上記凸部は、互いに平行でかつ互いに対向した摺接面を
    有する一対の片割れ凸部によって形成され、 上記各片割れ凸部の摺接面間に摺接状態で移動可能に嵌
    装され、かつ、互いに反対側の先端面に上記内歯ラチェ
    ットに噛合する爪歯の形成された一対のロックギヤが設
    けられ、 カム軸回りに回動して上記一対のロックギヤを互いに逆
    方向に移動させるカムが設けられ、 上記第1および第2ブラケットは、それぞれ相対回動の
    中心部分に穿設された中心孔を有し、上記カム軸はこの
    中心孔に挿入されており、 上記爪歯が上記内歯ラチェットに噛合したロック位置と
    上記爪歯の上記内歯ラチェットに対する噛合が解除され
    たロック解除位置との間で上記カム軸を回動操作する操
    作レバーが設けられ、 この操作レバーは、付勢手段の付勢力によってロック位
    置に位置するように付勢され、 上記シートバックが所定範囲内の傾倒姿勢にあるときに
    ロック解除位置にある上記操作レバーを保持するロック
    解除保持手段が設けられていることを特徴とするシート
    のリクライニング装置。
  2. 【請求項2】 上記操作レバーは、上記第1ブラケット
    に上記カム軸に平行に設けられた支持軸回りに回動自在
    に軸支され、操作レバーと上記カム軸との間には操作レ
    バーの回動操作に連動してカム軸を回動させるリンクア
    ームが介設され、上記第2ブラケットには、上記シート
    バックが所定範囲内の傾倒姿勢にあるときは、操作レバ
    ーと干渉して操作レバーのロック解除位置を維持するよ
    うに突設された、カム軸と同心の上記ロック解除保持手
    段としての円弧突起が突設されていることを特徴とする
    請求項1記載のシートのリクライニング装置。
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