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JP2000142385A - 斜面運搬装置 - Google Patents

斜面運搬装置

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Publication number
JP2000142385A
JP2000142385A JP32629098A JP32629098A JP2000142385A JP 2000142385 A JP2000142385 A JP 2000142385A JP 32629098 A JP32629098 A JP 32629098A JP 32629098 A JP32629098 A JP 32629098A JP 2000142385 A JP2000142385 A JP 2000142385A
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JP
Japan
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carriage
slope
moving
sheave
rope
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Application number
JP32629098A
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Shuichi Nishizawa
修一 西澤
Chikanari Honda
周成 本田
Noriyuki Oshima
紀享 大島
Satoru Koyama
哲 小山
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Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走路建設が簡易に済む斜面運搬装置を提供す
ることにより、関連工事の工期短縮・工費低減に寄与す
る。 【解決手段】 斜面上に一定間隔で立設した支持杭10
と、これらの支持杭10の上方に掛け渡された覆工板1
1と、を有する台車走路1と、前記覆工板11上を踏破
するタイヤ20と、このタイヤ20により移動可能に支
持された荷台21と、を有する運搬台車2と、この運搬
台車2を斜面に沿って移動させる台車移動手段3と、を
備えることを特徴とする斜面運搬装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤロープ等の
索体を介して斜面に沿って運搬台車を移動させることに
より資機材や人員を運搬するための斜面運搬装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、道路やダム等の土木工事にお
いて、斜面に沿って資機材や人員を運搬するための装置
としては、斜面上にレールを敷設し、このレールに沿っ
て走る運搬台車にワイヤロープ等の索体の一端を連結
し、適宜シーブ等を介してウィンチのような索体巻取装
置で索体を巻き取るものが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる斜面運
搬装置では、走路建設工事に多大な手間を要するという
問題がある。すなわち、レールを敷設するためには、ま
ず原地盤を整地してその上に鉄筋コンクリート製のスラ
ブを構築するという走路覆工工事が必要であり、さらに
レールの設置に際しても凹凸や曲りが許されない等、高
い精度が要求されるため、工期や工費が嵩むといった不
都合がある。
【0004】そこで、本発明は、上記問題に鑑み、走路
建設が簡易に済む斜面運搬装置を提供することにより、
関連工事の工期短縮・工費低減に寄与することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1記載
の発明は、斜面上に一定間隔で立設した支持杭と、これ
らの支持杭の上方に掛け渡された覆工板と、を有する台
車走路と、前記覆工板上を踏破するタイヤと、このタイ
ヤにより移動可能に支持された荷台と、を有する運搬台
車と、この運搬台車を斜面に沿って移動させる台車移動
手段と、を備えることを特徴とする斜面運搬装置であ
る。
【0006】かかる構成の斜面運搬装置によれば、台車
走路の覆工板上を運搬台車がタイヤで走るためレールを
敷設する必要がなく、また原地盤を整地してその上に鉄
筋コンクリート製のスラブを構築する走路覆工工事も不
要となるため、走路建設工事が極めて簡易に済む。
【0007】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明において、前記台車移動手段が、複数のシーブ
と、これらのシーブに掛け回された索体と、この索体を
巻き取り送り出すための索体巻送手段と、からなり、前
記シーブが、前記運搬台車の前方左右に一基ずつ固定さ
れた移動シーブと、斜面上方であって前記台車走路の延
長上に設置されたリターンシーブと、を備え、前記索体
巻送手段が、前記リターンシーブの両側に一基ずつ設置
され、前記索体が、前記一方の索体巻送手段、前記一方
の移動シーブ、前記リターンシーブ、前記他方の移動シ
ーブ、前記他方の索体巻送手段、の順に掛け回されると
ともに、前記リターンシーブと前記二基の移動シーブと
の間においてそれぞれ斜面上方に設置された索体破断安
全手段を経由する、ことを特徴とする。
【0008】かかる構成の斜面運搬装置によれば、請求
項1記載の発明の作用を奏するのみならず、リターンシ
ーブによって区分される二の索体系列を有するため、1
基の索体巻送手段にかかる負担が少なく、また、全体と
しては1本の索体でありながら見かけ上4本の索体を介
して運搬台車を牽引していることになるので、索体にか
かる張力が分散され索体の破断に対する安全性が高い。
さらに、仮に索体がその途中で破断して一方の索体系列
が機能しなくなっても、索体破断安全手段が他方の索体
系列を依然として固定しているため、運搬台車が斜面を
滑り落ちることがなく安全性が高い。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、本発明
の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、同一
要素には同一符号を用い、重複する説明は省略するもの
とする。
【0010】図1は本発明に係る斜面運搬装置の一実施
形態を表す側面図であり、図2(a)は図1の平面図、
図2(b)は図2(a)のI−I’断面図である。また、
符号1は台車走路、符号2は運搬台車、符号3は台車移
動手段を示している。以下、これらの各構成要素ごとの
構成・作用等について詳述することにより、本発明の意
義を明らかにする。
【0011】1.台車走路 台車走路1は斜面に建造される運搬台車2のための走路
であり、斜面上に一定間隔で立設した支持杭10と、支
持杭10の上方に掛け渡された覆工板11と、を有する
構成となっている。具体的には、図2(a)のA−A’
断面、B−B’断面を表す図3(a),(b)に示すよ
うに、斜面縦断方向に左右二列に一定間隔で立設された
支持杭10と、これらの支持杭10の頭部に斜面縦断方
向に左右二列に掛け渡された覆工桁12と、これら左右
の覆工桁12,12間に斜面横断方向に掛け渡された桁
受け部材13と、桁受け部材13の中央部と支持杭10
の足下とを高力ボルトで連結するV字形のブレース14
と、覆工桁12の上に斜面縦断方向に左右二列に敷設さ
れた覆工板11と、から構成されている。そして、これ
ら台車走路1の構成要素のうち、覆工板11は運搬台車
2のタイヤ20が直接載るものであり、支持杭10は台
車走路1を斜面上に定着させるためのものであり、その
他は全て覆工板11を支持杭10に固定するためのもの
である。したがって、支持杭10と覆工板11以外の構
成要素は、この役割を果たす限り適宜他の形態に変更す
ることができる。
【0012】このように台車走路1は、従来のレール方
式の走路に比べて極めて簡易な構成となっている。なぜ
なら、従来のレール方式の場合のように原地盤を整地し
てその上に鉄筋コンクリート製のスラブを構築する走路
覆工工事は不要であり、高い精度でレールを敷設する必
要もないからである。すなわち、この台車走路1におい
ては、原地盤に手を加えずに何らかの手段により斜面上
に覆工板11を敷設すればよく、また覆工板11の敷設
に際してもそれほど高い精度が要求されない。覆工板1
1の上をタイヤ20を備えた運搬台車2が走行できる程
度の曲りや凹凸は許容できるからである。さらに、走路
覆工工事が不要となった結果、装置撤去後の現状復帰も
容易となり自然環境の保護に寄与するという付随的な効
果も生じる。
【0013】また、台車走路1の中心軸上にはH形鋼か
らなる軌条15が固定されており、この軌条15は、索
体たるワイヤロープ34が切れて運搬台車2が滑り落ち
てくる等の非常時に、後述する非常停止装置28が把持
する対象となる。さらに、図3(b)に示すように、左
右の覆工板11の内側に各1個、外側に各2個、合計6
個の道中車16が固定された片持ち梁13aが、斜面縦
断方向に一定間隔で配置されている。これらの道中車1
6は、後述するようにワイヤロープ34を案内する役割
を果たす。また、桁受け部材13は二のH形鋼を長手方
向に連結ピン17で連結した構造となっているため、こ
の連結ピン17をもってその両側のH形鋼をずらして連
結することにより、曲折した台車走路1を形成すること
ができるようになっている。
【0014】なお、支持杭10、覆工板11、覆工桁1
2、桁受け部材13、ブレース14等を工場や仮設ヤー
ド等で予め組み立ててユニット化しておき、これらのユ
ニットをクレーン等の揚重装置を用いて斜面上に据え付
けることにより台車走路1を構築すれば、特に急傾斜面
における走路建設作業が省力化され、工期の短縮を図る
ことができる。
【0015】2.運搬台車 運搬台車2は資材や人員を積んで斜面上を移動する台車
であり、覆工板11上を踏破するタイヤ20と、このタ
イヤ20により移動可能に支持された荷台21と、を有
する。具体的には、図4に示すように、両側に8輪ずつ
計16輪のタイヤ20を具備するシャーシ22と、資材
や人員を積載する荷台21と、シャーシ22上に荷台2
1を支持するためのフレーム23と、から構成されてい
る。
【0016】ここで、シャーシ22は、荷台21上に積
載する重量物やフレーム23等上部構造の自重による大
きな負荷を集中的に受けるため、高張力鋼などで製作さ
れる。また、荷台21及びフレーム23はH形鋼をボル
ト等で組み付けた構造であり、現地で組み立てた後溶接
固定して強固なものとする。さらに、資機材のみを運搬
するとき、人員のみを輸送するとき、あるいは資機材及
び人員の双方を運搬輸送するとき、のいずれにも即座に
対応できるよう、荷台21の上部には人員輸送用のキャ
ビン24が着脱自在に装備される。なお、キャビン24
を荷台21から取り外したときには、その開口部を鋼板
製の蓋で塞ぐ。
【0017】また、図4(c)に示すように、タイヤ2
0のホイール25は、アクスル26及び軸受27によっ
て片持ち形式でシャーシ22に対して連結されている。
したがって、通常の両持ち形式の車軸等を使用した場合
と異なり、シャーシ22の下方中央部には空間が確保さ
れ、軌条15にシャーシ22が接触することもなく、非
常停止装置28を固定することもできるようになってい
る。なお、タイヤ20としては、パンク等による不測の
事態に対処すべくノーパンクタイヤが使用される。この
とき、台車2の走行速度があまり大きくないことから、
ノーパンクタイヤの弱点である発熱等の問題は回避でき
る。
【0018】また、シャーシ22には非常停止装置28
が設けられている。この非常停止装置28は、ワイヤロ
ープ34が切れる等の非常時にはこれを自動的に検知
し、摩擦板28aが軌条15を両側から挟み込むことに
より、その摩擦力で運搬台車2を非常停止させる役割を
果たす。具体的な構成としては、図4(a)の囲み部分
の拡大断面図である図5(a)及びそのA−A’断面図
である図5(b)に示すように、軌条15のウェブを両
側から挟み込む格好の摩擦板28aは、ピン28bによ
ってレバー28cと連結されているとともに、シャーシ
22に一体固定されたブラケットカバー28dによって
外側から包み込まれた格好となっている。そして、摩擦
板28aとブラケットカバー28dは、平時においては
図5(a)におけるB−B’断面図である図5(c)に
示すように、凹凸が噛み合った状態で一体化しており、
摩擦板28aと軌条15とは離れた関係にある。
【0019】ここで、ワイヤロープ34が切れたとき等
の非常時には、バネシリンダ28eが勢い良く図5
(a)における仮想線で表示したようにレバー28cを
回転させる。すると、このレバー28cの先端が摩擦板
28aをブラケットカバー28dから引き出し、図5
(d)に示すように摩擦板28aが軌条15に押し当て
られるので、この両者の摩擦力により運搬台車2が強制
停止させられる。
【0020】なお、図5(d)に示すように摩擦板28
aが軌条15に押し当てられた状態になると、レバー2
8cがその元端に連結されたリンク28f、ターンバッ
クル28gを介してローラチェーン28hを回転させ、
これに連結された図示しないアクスル26を運搬台車2
が上昇する方向に回転させ、運搬台車2の強制停止作用
を補助することになる。
【0021】さらに、この非常停止装置28は所定重量
のおもりを有しており、これがシャーシ22の前方中央
に固定されているため、特に急傾斜面の場合において、
運搬台車2の移動開始時等にその前方が浮き上がること
を防止するいわゆるバランサーとしての役割をも果た
す。
【0022】また図4(a)に示すように、フレーム2
3の支柱23a及びブレース23bは、それぞれの中間
部において油圧により伸縮自在な構造となっている。し
たがって、台車走路1の勾配が変化する場合に荷台21
を常に水平に保持したり、台車走路1の勾配が急な場合
に荷台21の傾斜を調節することができる。
【0023】なお、本発明における運搬台車2の形状・
構造等は本実施形態に限定されるものではなく、必要な
機能を奏する限りにおいて適宜変更可能である。
【0024】3.台車移動手段 図1及び図2に示すように、本実施形態における台車移
動手段3は、斜面上部の架台30上に水平に固定された
5基のシーブ32f,32g,32k,32o,32
p、架台30の斜面側に垂直に固定された6基のシーブ
32e,32h,32j,32l,32n,32q、運
搬台車2のシャーシ22の前方左右に水平に固定された
2基のシーブ32i,32m、斜面下部のピット31内
に架台やブラケットにより垂直に固定された計6基のシ
ーブ32b〜32d及び32r〜32t、ピット31の
上方の地盤に垂直に設置固定された2基のシーブ32
a,32uと、シーブ32a,32uの延長上に設置さ
れたウィンチ33と、シーブ31a〜31uにこの順で
掛け回されたワイヤロープ34と、から構成されてい
る。
【0025】このように構成された台車移動手段3にお
いては、ウィンチ33がワイヤロープ34の両端部を巻
き取ることによって、運搬台車2が台車走路1に沿って
斜面上を上昇することになる。ここで、シーブ32a〜
32uはワイヤロープ34の方向を変える役割をし、道
中車16はワイヤロープ34がよれないように台車走路
1に沿ってこれを案内する役割を果たす。
【0026】次に、台車移動手段3の別の実施形態につ
いて、図6に基づいて説明する。図6(a)は台車移動
手段3’の平面図であり、同図(b)はその側面図であ
る。これらの図に表された台車移動手段3’は、2基の
移動シーブ35a,35bと、1基のリターンシーブ3
5cと、4基のシーブ35d〜35gと、シーブ35a
〜35gに掛け回された索体たるワイヤロープ36と、
このワイヤロープ36を巻き取り送り出すための索体巻
送手段たるウィンチ37と、を有している。そして、符
号36a,36bは道中車、符号37aは発電機、符号
37bは減速機、符号37cはパルスジェネレータ、符
号37dは油圧モータ、符号37eは制御盤、符号37
fは油圧ユニット、符号38は索体破断安全手段たるワ
イヤ長修正装置、符号39はワイヤ張力検出装置を示
す。
【0027】ここで、移動シーブ35a,35bは、運
搬台車2の前方左右に各1基ずつ横向きに固定され、リ
ターンシーブ35cは2基のウィンチ37,37の間に
水平に設置固定されている。また、シーブ35d〜35
gは、法肩近傍に4基並列に垂直に設置固定されてい
る。そして、ワイヤロープ36は、一方のウィンチ3
7、シーブ35d、移動シーブ35a、シーブ35e、
リターンシーブ35c、シーブ35f、移動シーブ35
b、シーブ35g、他方のウィンチ37、の順に掛け回
されており、リターンシーブ35cによって区分される
二の索体系列をもって運搬台車2を牽引する構成となっ
ている。したがって、1基のウィンチ37にかかる負担
が少なく、また、全体としては1本のワイヤロープ36
でありながら見かけ上4本のワイヤロープで運搬台車2
を牽引していることになるので、ワイヤロープ36にか
かる張力が分散され破断に対する安全性が高い。
【0028】また、シーブ35eとリターンシーブ35
cとの間、シーブ35fとリターンシーブ35cとの間
において、ワイヤロープ36はそれぞれ、斜面上方の地
盤に設置固定されたワイヤ長修正装置38を経由してい
る。このワイヤ長修正装置38内においては、ワイヤロ
ープ36は分断されて各端部がそれぞれ別の油圧ピスト
ン38a,38bに連結されている。したがって、二の
索体系列が異なる速度で運搬台車2を牽引したとき、す
なわち2基のウィンチ37,37のワイヤロープ36の
巻き送り速さが異なるため運搬台車2が台車走路1に対
して斜めに向いたときには、2基のワイヤ長修正装置3
8内においてそれぞれ油圧ピストン38a,38bの間
隔が自動的に調節されるためこれを修正することができ
るようになっている。
【0029】さらに、ワイヤ長修正装置38は、二の索
体系列間の運搬台車2の牽引速度を調節するのみなら
ず、ワイヤロープ36の破断に対する安全を確保する役
割をも果たす。すなわち、一方の索体系列において、ウ
ィンチ37とワイヤ長修正装置38との間でワイヤロー
プ36が破断した場合であっても、当該ワイヤ長修正装
置38内の油圧ピストン38aはリターンシーブ35c
側のワイヤロープ36の端部を依然として把持したまま
であるため、ワイヤロープ36の破断の影響が他方の索
体系列に及ばず、運搬台車2は当該他方の索体系列のみ
によって吊り下げられて斜面上を滑り落ちることがな
い。また、ワイヤ長修正装置38とリターンシーブ35
cとの間でワイヤロープ36が破断した場合であって
も、2基のワイヤ長修正装置38内の油圧ピストン38
b,38bは移動シーブ35a,35b側のワイヤロー
プ36の端部を依然として把持したままであるため、運
搬台車2はそれ以前と同様に2基のウィンチ37,37
によって牽引され、斜面上を滑り落ちることもない。
【0030】さらに、4基のシーブ35d〜35gの下
にはワイヤ張力検出装置39が設置されており、ワイヤ
ロープ36に生じている張力を検出することができるよ
うになっている。具体的には、シーブ35d〜35gが
ワイヤ張力検出装置39のロードセル39a上に載置さ
れており、このロードセル39aがワイヤロープ36に
生じている張力に応じたシーブ35d〜35gの沈下量
を測定し、この測定値に対応したひずみゲージの電気抵
抗の変化からワイヤロープ36に生じている張力を測定
することができるようになっている。したがって、ワイ
ヤロープ36の破断を事前に検知してこれを未然に防止
することができるので、安全性がさらに高まっている。
【0031】なお、以上二実施形態を通じて説明した台
車移動手段3におけるウィンチ33及び台車移動手段
3’におけるウィンチ37は、油圧駆動方式であること
が望ましい。なぜなら、回転速度が制御しやすく、無段
速度制御が行えるからである。また、これらの動力源と
しては、可搬式のディーゼルエンジンを用いることが望
ましい。大出力が必要であっても比較的小型の装置で足
りるからであり、特に山間僻地においては装置の設置の
手間が軽く有効である。
【0032】さらに、ウィンチ33、ウィンチ37は、
装置全体が監視できる場所から有線又は無線で遠隔操作
することが望ましい。施工の効率化と安全性の向上のた
めである。また、その操作盤には学習機能をもたせたコ
ンピュータを直結し、各種最適な操作情報をコンピュー
タの学習機能によって生成させ、この操作情報に基づ
き、ウィンチ33、ウィンチ37の操作を自動又は半自
動的で制御することが望ましい。施工の効率化をさらに
高めるためである。
【0033】なお、本発明における台車移動手段の構造
等は以上の二実施形態に限定されるものではなく、必要
な機能を奏する限りにおいて適宜変更可能である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、台車走路の覆工板上を運搬台車がタイヤで
走るためレールを敷設する必要がなく、また原地盤を整
地してその上に鉄筋コンクリート製のスラブを構築する
走路覆工工事も不要となるため、走路建設工事が極めて
簡易に済むので、関連工事の工期短縮・工費低減を図る
ことができる。
【0035】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載の発明の作用を奏するのみならず、リターンシ
ーブによって区分される二の索体系列を有するため、1
基の索体巻送手段にかかる負担が少なく、また、全体と
しては1本の索体でありながら見かけ上4本の索体を介
して運搬台車を牽引していることになるので、索体にか
かる張力が分散され索体の破断に対する安全性が高い。
さらに、仮に索体がその途中で破断して一方の索体系列
が機能しなくなっても、索体破断安全手段が他方の索体
系列を依然として固定しているため、運搬台車が斜面を
滑り落ちることがなく安全性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る斜面運搬装置の一実施形態を表す
側面図である。
【図2】(a)は図1の平面図であり、(b)は(a)
のI−I’断面図である。
【図3】(a)は図2(a)のA−A’断面図であり、
(b)は同B−B’断面図である。
【図4】(a)は運搬台車の側面図であり、(b)はそ
のA−A’断面図、(c)は同B−B’断面図である。
【図5】(a)は図4(a)の囲み部分の拡大断面図、
(b)はそのA−A’断面図、(c),(d)は同B−
B’断面図である。
【図6】(a)は台車移動手段の別の実施形態を表す平
面図であり、(b)はその側面図である。
【符号の説明】
1 … 台車走路 2 … 運搬台車 3,3’ … 台車移動手段 10 … 支持杭 11 … 覆工板 12 … 覆工桁 13 … 桁受け部材 13a… 片持ち梁 14 … ブレース 15 … 軌条 16 … 道中車 17 … 連結ピン 20 … タイヤ 21 … 荷台 22 … シャーシ 23 … フレーム 23a… 支柱 23b… ブレース 24 … キャビン 25 … ホイール 26 … アクスル 27 … 軸受 28 … 非常停止装置 28a… 摩擦板 28b… ピン 28c… レバー 28d… ブラケットカバー 28e… バネシリンダ 28f… リンク 28g… ターンバックル 28h… ローラチェーン 30 … 架台 31 … ピット 32a〜32u … シーブ 33 … ウィンチ 34 … ワイヤロープ 35a,35b … 移動シーブ 35c… リターンシーブ 35d〜35g … シーブ 36 … ワイヤロープ 36a,36b … 道中車 37 … ウィンチ 37a… 発電機 37b… 減速機 37c… パルスジェネレータ 37d… 油圧モータ 37e… 制御盤 37f… 油圧ユニット 38 … ワイヤ長修正装置(索体破断安全手段) 38a,38b … 油圧ピストン 39 … ワイヤ張力検出装置 39a… ロードセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大島 紀享 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 小山 哲 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 Fターム(参考) 3F301 AA00 BA15 BB05 BB09 BC02 CA06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜面上に一定間隔で立設した支持杭と、
    これらの支持杭の上方に掛け渡された覆工板と、を有す
    る台車走路と、 前記覆工板上を踏破するタイヤと、このタイヤにより移
    動可能に支持された荷台と、を有する運搬台車と、 この運搬台車を斜面に沿って移動させる台車移動手段
    と、を備えることを特徴とする斜面運搬装置。
  2. 【請求項2】 前記台車移動手段は、複数のシーブと、
    これらのシーブに掛け回された索体と、この索体を巻き
    取り送り出すための索体巻送手段と、からなり、 前記シーブは少なくとも、前記運搬台車の前方左右に一
    基ずつ固定された移動シーブと、斜面上方であって前記
    台車走路の延長上に設置されたリターンシーブと、を備
    え、 前記索体巻送手段は、前記リターンシーブの両側に一基
    ずつ設置され、 前記索体は、前記一方の索体巻送手段、前記一方の移動
    シーブ、前記リターンシーブ、前記他方の移動シーブ、
    前記他方の索体巻送手段、の順に掛け回されるととも
    に、前記リターンシーブと前記二基の移動シーブとの間
    においてそれぞれ斜面上方に設置された索体破断安全手
    段を経由する、ことを特徴とする請求項1記載の斜面運
    搬装置。
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