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JP2000039701A - マスク及びそれを用いた露光方法 - Google Patents

マスク及びそれを用いた露光方法

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JP2000039701A
JP2000039701A JP22109598A JP22109598A JP2000039701A JP 2000039701 A JP2000039701 A JP 2000039701A JP 22109598 A JP22109598 A JP 22109598A JP 22109598 A JP22109598 A JP 22109598A JP 2000039701 A JP2000039701 A JP 2000039701A
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mask
exposure
pattern
wafer
masks
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博義 久保
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周期パターンの露光と通常のパターン露光の
2重露光を光束に行うことができるマスク及びそれを用
いた露光方法を得ること。 【解決手段】 所定面上にパターンを転写する為のマス
クであって、該マスクはパターン形状が同一の2つのマ
スクで該パターン形状と異なるパターン形状のマスクを
挟んで配置して構成していること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスク及びそれを
用いた露光方法に関し、特に微細な回路パターンで感光
基板上を露光し、例えばIC,LSI等の半導体チッ
プ、液晶パネル等の表示素子、磁気ヘッド等の検出素
子、CCD等の撮像素子といった各種デバイスの製造に
用いられる際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、IC、LSI、液晶パネル等
のデバイスをフォトリソグラフィー技術を用いて製造す
るときには、フォトマスク又はレチクル等(以下、「マ
スク」と記す。)の面上に形成した回路パターンを投影
光学系によってフォトレジスト等が塗布されたシリコン
ウエハ又はガラスプレート等(以下、「ウエハ」と記
す。)の感光基板上に投影し、そこに転写する(露光す
る)投影露光方法及び投影露光装置が使用されている。
【0003】近年、上記デバイスの高集積化に対応し
て、ウエハに転写するパターンの微細化、即ち高解像度
化とウエハにおける1チップの大面積化とが要求されて
いる。
【0004】従ってウエハに対する微細加工技術の中心
を成す上記投影露光方法及び投影露光装置においても、
現在、0.5/μm以下の寸法(線幅)の像(回路パタ
ーン像)を広範囲に形成するべく、解像度の向上と露光
面積の拡大が計られている。
【0005】従来の投影露光装置の摸式図を図54に示
す。図54中、191は遠紫外線露光用の光源であるエ
キシマーレーザ、192は照明光学系、193は照明光
学系192から照射される照明光、194はマスク、1
95はマスク194から出て光学系(投影光学系)19
6に入射する物体側露光光、196は縮小型の投影光学
系、197は投影光学系196から出て基板198に入
射する像側露光光、198は感光基板であるウエハ、1
99は感光基板を保持する基板ステージを、示す。
【0006】エキシマレーザ191から出射したレーザ
光は、引き回し光学系(190a,190b)によって
照明光学系192に導光され、照明光学系192により
所定の光強度分布、配光分布、開き角(関口数NA)等
を持つ照明光193となるように調整され、マスク19
4を照明する。マスク194にはウエハ198上に形成
する微細パターンを投影光学系196の投影倍率の逆数
倍(例えば2倍や4倍や5倍)した寸法のパターンがク
ロム等によって石英基板上に形成されており、照明光1
93はマスク194の微細パターンによって透過回折さ
れ、物体側露光光195となる。投影光学系196は、
物体側露光光195を、マスク194の微細パターンを
上記投影倍率で且つ充分小さな収差でウエハ198上に
結像する像側露光光197に変換する。像側露光光19
7は図54の下部の拡大図に示されるように、所定の開
口数NA(=Sin(θ))でウエハ198上に収束
し,ウエハ198上に微細パターンの像を結ぶ。基板ス
テージ199は、ウエハ198の互いに異なる複数の領
域(ショット領域:1個又は複数のチップとなる領域)
に順次、微細パターンを形成する場合に、投影光学系の
像平面に沿ってステップ移動することによりウエハ19
8の投影光学系196に対する位置を変えている。
【0007】現在主流となりつつある上記のエキシマレ
ーザを光源とする投影露光装置は高い投影解像力を有し
ているが、例えば0.15μm以下のパターン像を形成
することが技術的に困難である。
【0008】投影光学系196は、露光(に用いる)波
長に起因する光学的な解像度と焦点深度との間のトレー
ドオフによる解像度の限界がある。投影露光装置による
解像パターンの解像度Rと焦点深度DOFは,次の
(1)式と(2)式の如きレーリーの式によって表され
る。
【0009】R=k1 =(λ/NA) ‥‥‥(1) DOF=k2 =(λ/NA2 ) ‥‥‥(2) ここで、λは露光波長、NAは投影光学系196の明る
さを表す像側の開口数、k1 ,k2 はウエハ198の
現像プロセス特性等によって決まる定数であり、通常
0.5〜0.7程度の値である。この(1)式と(2)
式から、解像度Rを小さい値とする高解像度化には開口
数NAを大きくする「高NA化」がある。しかしなが
ら、実際の露光では投影光学系196の焦点深度DOF
をある程度以上の値にする必要があるため、高NA化を
ある程度以上に進めることが難しいこと、この為、高解
像度化には結局、露光波長λを小さくする「短波長化」
が必要となることとが分かる。
【0010】ところが露光波長の短波長化を進めていく
と重大な問題が発生してくる。それは投影光学系196
を構成するレンズの硝材がなくなってしまうことであ
る。殆どの硝材の透過率は遠紫外線領域では0に近く、
特別な製造方法を用いて露光装置用(露光波長約248
nm)に製造された硝材として溶融石英が現存するが、
この溶融石英の透過率も波長193nm以下の露光波長
に対しては急激に低下する。線幅0.15μm以下の微
細パターンに対応する露光波長150nm以下の領域で
は実用的な硝材の開発は非常に困難である。また遠紫外
線領域で使用される硝材は、透過率以外にも、耐久牲,
屈折率均一性,光学的歪み,加工性等の複数条件を満た
す必要があり、この事から、実用的な硝材の存在が危ぶ
まれている。
【0011】このように従来の投影露光方法及び投影露
光鼓置では、ウエハ上に線幅0.15μm以下のパター
ンを形成する為には150nm程度以下まで露光波長の
短波長化が必要である。これに対し、現在のところ、こ
の波長領域では実用的な硝材が存在しないので、ウエハ
に線幅0.15μm以下のパターンを形成することがで
きなかった。
【0012】米国特許第5415835号公報は2光束
干渉露光によって敏細パターンを形成する技術を開示し
ており、この2光束干渉露光によれば、ウエハに線幅
0.15μm以下のパターンを形成することができる。
【0013】2光束干渉露光の原理を図55を用いて説
明する。2光束干渉露光は、レーザ151からの可干渉
牲を有し且つ平行光線束であるレーザ光L151をハー
フミラー152によってレーザ光L151a,L151
abの2光束に分割し、分割した2光束を夫々平面ミラ
ー153a,153bによって反射することにより2個
のレーザ光(可干渉性の平行光線束)を0より大きく9
0度末満のある角度を成してウエハ154面上で交差さ
せることにより交差部分に干渉縞を形成している。この
干渉縞(の光強度分布)によってウエハ154を露光し
て感光させることで干渉縞の光強度分布に応じた微細な
周期パターンをウエハ154に形成するものである。
【0014】2光束L151a,L151bがウエハ1
54面の立てた垂線に対して互いに逆方向に同じ角度だ
け傾いた状態でウエハ面で交差する場合、この2光束干
渉露光における解像度Rは次の(3)式で表される。
【0015】 R=λ/(4sinθ) =λ/4NA =0.25(λ/NA) ‥‥‥(3) ここで、RはL&S(ライン・アンド・スペース)の夫
々の幅、即ち干渉縞の明部と暗部の夫々の幅を示してい
る。又βは2光束の夫々の像面に対する入射角度(絶対
値)を表し、NA=Sinθである。
【0016】通常の投影露光における解像度の式である
(l)式と2光束干渉露光における解像度の式である
(3)式とを比較すると、2光束干渉露光の解像度Rは
(1)式においてk1 =0.25とした場合に相当す
るから、2光束干渉露光ではk1 =0.5〜0.7で
ある通常の投影露光の解像度より2倍以上の解像度を得
ることが可能である。
【0017】上記米国特許には開示されていないが、例
えばλ=0.248nm(KrFエキシマ)でNA=
0.6の時は、R=0.10μmが得られる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】2光束干渉露光は、基
本的に干渉縞の光強度分(露光量分布)に相当する単純
な縞パターンしか得られないので、所望の形状の回路パ
ターンをウエハに形成することが難しい。
【0019】そこで上記米国特許第5415835号公
報は、2光束干渉露光によって単純な縞パターン(周期
パターン)即ち2値的な露光量分布をウエハ(のレジス
ト)に与えた後、露光装置の分解能の範囲内の大きさの
ある開口が形成されたマスクを用いて通常リソグラフィ
ー(露光)を行なって更に別の2値的な露光量分布をウ
エハに与えることにより、孤立の線(パターン)を得る
ことを提案している。
【0020】しかしながら、上記米国特許第54158
35号公報の多重露光の方法は、2光束干渉露光用の露
光装置にウエハを設置して露光した後で、別の通常露光
用の露光装置にウエハを設置し直して露光を行うので、
時間がかかるという問題があった。
【0021】本発明の目的は、マスクを挿脱することな
く比較的短い時間で多重露光が行えるマスク及びそれを
用いた露光方法を提供することにある。
【0022】本発明は、適切に構成したマスクを用いる
ことにより、マスクを交換しないで2光束干渉露光に代
表される周期パターン露光と周期パターンを含まない通
常パターン露光(通常露光)の2つの露光を感光基板
(ウエハ)面上の異なった領域で同時に行うことによ
り、回路パターンをウエハに高いスループットで形成す
ることが可能なマスク及びそれを用いた露光方法の提供
を目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明のマスクは、(1
−1)所定面上にパターンを転写する為のマスクであっ
て、該マスクはパターン形状が同一の2つのマスクで該
パターン形状と異なるパターン形状のマスクを挟んで配
置して構成していることを特徴としている。
【0024】本発明の露光方法は、(2−1)パターン
形状が同一の2つのマスクで該パターン形状と異なるパ
ターン形状のマスクを挟んで配置したマスクを照明手段
からの光で照明し、該複数のマスクのうち隣接する少な
くとも2つのマスクのパターンを感光基板上に同時に転
写することを特徴としている。
【0025】特に、(2−1−1)前記隣接する少なく
とも2つのマスクパターンで前記感光基板を一方向に転
写した後、該少なくとも2つのマスクのうち1つのマス
クを含まない隣接する少なくとも2つのマスクで該感光
基板を逆方向に該感光基板上に同一領域を互いに異なっ
たマスクのパターンで多重露光していること。
【0026】(2−1−2)前記隣接する少なくとも2
つのマスクで感光基板を露光するとき、該感光基板上の
露光方向によって該隣接する少なくとも2つのマスクの
組み合わせが異なっていること。
【0027】(2−1−3)前記少なくとも2つのマス
クのうち少なくとも1つのマスクを通過する光量を調整
する光量調整部材を設けていること。等を特徴としてい
る。
【0028】本発明の露光装置は、(3−1)構成(1
−1)の露光方法を用いていることを特徴としている。
【0029】本発明のデバイスの製造方法は、(4−
1)構成(2−1)の露光方法を用いてレチクル面上の
パターンをウエハ面上に転写した後、該ウエハを現像処
理工程を介してデバイスを製造していることを特徴とし
ている。
【0030】(4−2)構成(3−1)の露光装置を用
いて、レチクル面上のパターンをウエハ面上に転写した
後、該ウエハを現像処理工程を介してデバイスを製造し
ていることを特徴としている。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は本発明の露光装置の実施形
態1の要部概略図である。
【0032】図1は2光束干渉用露光と通常の投影露光
の双方が同時に行える高解像度のステップアンドリピー
ト方式及びステップアンドスキャン方式の露光装置を示
している。
【0033】図1において、221はKrF又はArF
エキシマレーザー、222は照明光学系であり、後述す
るようにマスク(分割マスク)223面上の互いに異な
るパターンより成るFMマスクとRMマスクを異なった
照明条件で照明している。223はマスク(レチクル)
であり、図2に示すように周期的パターン(微細パター
ン)より成る高密度のFMマスクと回路パターン(通常
パターン)より成るRMマスクが同一基板上(同一平面
上)複数個、一方に設けている。224はマスクステー
ジ(レチクルステージ)、227はマスク223の回路
パターンをウエハ228上に縮小投影する投影光学系、
225はマスク(レチクル)チェンジャであり、ステー
ジ224に、通常のレチクルとレベンソン位相シフトマ
スク(レチクル)、エッジシフタ型のマスク(レチク
ル)、位相シフタを有していない周期パターンマスク
(レチクル)等のうち少なくとも2つのマスクが設けら
れたマスク(分割マスク)223を選択的に供給する為
に設けてある。当然であるが分割マスク以外のマスクが
あっても良い。
【0034】また、マスクステージは微細パターンの方
向と周期パターンの方向と平行にする為に、予めマスク
にバーコード等に描かれてある情報をもとにマスク22
3を回転させる機能を持たせてある。
【0035】図1の229はXYZステージであり、こ
のステージ229は、光学系227の光軸に直交する平
面及びこの光軸方向に移動可能で、レーザー干渉計等を
用いてそのXY方向の位置が正確に制御される。
【0036】202はFMマスクとRMマスクでのウエ
ハ面上での露光量を各々独立に変える為の露光ユニット
であり、NDフィルタ203,NDフィルタ可動部20
4を有している。NDフィルタ203のうち一つのND
フィルタでFMマスク又はRMマスクに入射する露光量
を制御している。
【0037】205は可動ユニットコントローラであ
り、NDフィルタ・可動部204を駆動制御している。
【0038】206は制御コントローラであり、各種の
露光制御を行っている。207はウエハキャリアであ
り、複数のウエハを収納している。ウエハ供給回収搬送
装置201はウエハキャリア207からウエハを選択し
てウエハステージ229に搬送裁置している。
【0039】走査露光は周知のようにレチクルステージ
とウエハステージが同期を取って駆動して行っている。
【0040】また、図1の装置は、不図示のレチクル位
置合わせ光学系、ウエハ位置合わせ光学系(オフアクシ
ス位置合わせ光学系とTTL位置合わせ光学系とTTR
位置合わせ光学系)とを備える。
【0041】図2は本発明の分割マスク223の一実施
形態の説明図である。本実施形態のマスク223はFM
マスクを挟んでRMマスクを同一基板223a上又は同
一平面上に設けている。FMマスクは通常の投影露光で
は解像できない程度の微細なパターンを周期的に配列し
た周期的パターンFMPより成っている。RMマスクは
投影露光で改造できる線幅より成る通常の回路パターン
(例えばゲートパターン等)RMPより成っている。同
図の最下図は断面を示しており、FMパターンは位相型
パターンより成る場合を示している。
【0042】本実施形態では図3に示すように、分割マ
スク223を構成する複数のマスクのうち、2つのマス
ク(例えばRM1マスクとFMマスク)を同時にウエハ
228面上に投影露光している。このときRM1マスク
とFMマスクとを照明系で異なった照明条件で照明して
いる。尚、2つのマスクの解像パターンが共に大きく、
投影光学系で十分解像できるものであれば、2つのマス
クの照明条件は同一であっても良い。
【0043】図1の露光装置の照明光学系222は部分
的コヒーレント照明とがコヒーレント照明とが同時に行
えるように構成してあり、コヒーレント照明は、図4の
ブロック230内の図示した前述した(1a)又は(1
b)の照明光を、レベンソン型位相シフトレチクル又は
エッジシフタ型レチクル又は位相シフタを有していない
周期パターンレチクル等の一方のマスクに供給し、部分
的コヒーレント照明はブロック230内に図示した(2
a)の照明光を他の通常パターンのマスクに供給する。
部分的コヒーレント照明とコヒーレント照明の同時照明
は、後述するように、光学系222が有する複数のフラ
イアイレンズのうち、中央領域の複数のフライアイレン
ズと周辺領域の複数のフライアイレンズの配置角度や形
状などを調整して、それから出射する光束の出射角度を
変えて行っている。
【0044】本発明の露光方法及び露光装置における2
重露光における露光波長は400nm以下であり、好ま
しくは250nm以下である。250nm以下の露光波
長の光を得るにはKrFエキシマレーザ(約248n
m)やArFエキシマレーザ(約193nm)を用い
る。
【0045】尚、本発明において「投影露光」というの
は、マスクに形成された任意のパターンからの3個以上
の平行光線束が互いに異なる様々な角度で像面に入射し
て露光が行なわれるものである。
【0046】本発明の露光装置はマスクのパターンをウ
エハに投影する投影光学系と、部分的コヒーレント照明
とコヒーレント照明の双方の同時照明が可能なマスク照
明光学系222とを有し、部分的コヒーレント照明によ
ってFMマスクの通常パターンの露光を行い、コヒーレ
ント照明によって2光束干渉露光を行うことにより、R
Mマスクの周期パターン露光を同時に行うことを特徴と
している。「部分的コヒーレント照明」とはσ=(照明
光学系の開口数/投影光学系の開口数)の値がゼロより
大きく1より小さい照明であり、「コヒーレント照明」
とは、σの値がゼロまたはそれに近い値であり、部分的
コヒーレント照明のσに比べて相当小さい値である。
【0047】周期パターン露光でのコヒーレント照明で
はσを0.3以下にする。通常露光を行う際の部分的コ
ヒーレント照明はσを0.6以上にする。σ=0.8が
望ましい。さらに照度分布が外側に比べて内側が低い輪
帯照明にすると、なお効果的である。
【0048】図5,図6は本発明の実施形態における、
マスク照明光学系222として部分的コヒーレント照明
とコヒーレント照明とを同時に行える光学系の説明図で
ある。
【0049】同図において、51はフライアイレンズ
(オプティカルインテグレータ)であり、出射面に複数
の2次光源を形成している。フライアイレンズ51は中
央領域の複数のフライアイレンズ51aからの光束の出
射角度と、周辺領域の複数のフライアイレンズ51bか
らの光束の出射角度が互いに異なるようにフライアイレ
ンズ51aと51bの傾き、形状などを設定している。
フライアイレンズ51a( 51b) の出射面の2次光源
からの光束は絞り52を通過し、コンデンサーレンズ5
3によって絞り54面上の一方の面54a(54b)を
重ね合わせるようにしている。
【0050】55は集光レンズであり、絞り54の開口
54a(54b)を通過した光束でマスクMのFMマス
ク( RMマスク) を照明している。ここで図5の小σ照
明系を構成し、図6は大σ(輪帯)照明系を構成してい
る。
【0051】尚、図5,図6の光学系においてはFMマ
スクとRMマスクの照明強度を調整する為の光量調整手
段( NDフィルター等) を一方の光路中に設けるのが良
い。
【0052】図7は図5,図6の照明系における有効光
源とマスクとの関係を示す説明図である。図7(A)は
図5の小σ照明系の場合を示し、図7( B) は図6の大
σ照明系の場合を示している。
【0053】本発明の露光装置は2光束干渉露光装置と
通常(投影)露光装置を両装置で共用される被露光基板
(感光基板)を保持する移動ステージとを有している。
【0054】以上説明した露光方法及び露光装置を用い
てIC,LSI等の半導体チップ、液晶パネル等の表示
素子、磁気ヘッド等の検出素子、CCD等の撮像素子と
いった各種デバイスの製造が可能である。
【0055】本発明は以上説明した実施形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲におい
て種々に変更することが可能である。特に2光束干渉露
光及び通常露光の各ステップでの露光回数や露光量の段
数は適宜選択することが可能であり、更に露光の重ね合
わせもずらして行なう等適宜調整することが可能であ
る。このような調整を行うことで形成可能な回路パター
ンにバリエーションが増える。
【0056】図5の照明系によって照明されたFMマス
クのパターンの投影状態を図8〜図10を用いて説明す
る。
【0057】図8中、161はマスク、162はマスク
161から出て光学系163に入射する物体側露光光、
163は投影光学系、164は開口絞り、165は投影
光学系163から出てウエハ166に入射する像側露光
光、166は感光基板であるウエハを示し、167は絞
り164の円形開口に相当する瞳面での光束の位置を一
対の黒点で示した説明図である。図8は2光束干渉露光
を行っている状態の摸式図であり、物体側露光光162
と像側露光光165は双方とも、通常の投影露光とは異
なり、2つの平行光線束だけから成っている。
【0058】図8に示すような通常の投影露光装置にお
いて2光束干渉露光(周期パターン露光)を行う為に
は、マスク161とその照明方法を図9又は図10のよ
うに設定すれば良い。以下これら3種の例について説明
する。
【0059】図9(A)はレベンソン型の位相シフトマ
スク173を示しており、クロムより成る遮光部171
のピッチPOが(a1)式で0、位相シフタ172のピ
ッチPOSが(a2)式で表されるマスクである。
【0060】 P0 =MP=2MR=Mλ/(2NA) ‥‥‥(a1) POS=2P0 =Mλ/(NA) ‥‥‥(a2) ここで、Mは投影光学系163の投影倍率、λは露光波
長、NAは投影光学系163の像側の開口数を示す。
【0061】一方、図9(B)が示すマスク174はク
ロムより成る遮光部のないシフタエッジ型の位相シフト
マスクであり、レベンソン型と同様に位相シフタ175
のピッチPOSを上記(a2)式を満たすように構成し
たものである。
【0062】図9(A),(B)の夫々の位相シフトマ
スクを用いて2光束干渉露光を行うには、これらのマス
クをσ=0(又は0に近い値)所謂コヒーレント照明を
行う。具体的には図9に示すようにマスク面170に対
して垂直な方向(光軸に平行な方向)から平行光線束を
マスク170に照射する。
【0063】ここで、σ=照明光学系の開口数/投影光
学系の開口数 である。
【0064】このような照明を行うと、マスク170か
ら上記垂直な方向に出る0次透過回折光に関しては、位
相シフタ172(175)により隣り合う透過光の位相
差がπとなって打ち消し合い存在しなくなり、±1次の
透過回折光の2平行光線束はマスク170から投影光学
系163の光軸に対して対称に発生し、図8の2個の物
体側露光165がウエハ166上で干渉する。また2次
以上の高次の回折光は投影光学系163の開口絞り16
4の開口に入射しないので結像には寄与しない。
【0065】図10に示したマスク180は、クロムよ
り成る遮光部181のピッチPOが(a1)式と同様の
(a3)式で表されるマスクである。
【0066】 P0 =MP=2MR=Mλ/(2NA) ‥‥‥(a3) ここで、Mは投影光学系163の投影倍率、λは露光波
長、NAは投影光学系163の像側の開口数を示す。
【0067】図10の位相シフタを有していないマスク
には、1個又は2個の平行光線束による斜入射照明とす
る。この場合の平行光線束のマスク180への入射角θ
0は(a4)式を満たすように設定される。2個の平行
光線束を用いる場合が、光軸を基準にして互いに逆方向
にθ0傾いた平行光線束によりマスクを照明する。
【0068】sinθ0 =M/NA ‥‥‥(a4) ここでも、Mは投影光学系163の投影倍率、NAは投
影光学系163の像側の開口数を示す。
【0069】図10が示す位相シフタを有していないマ
スクを上記(a4)式を満たす平行光線束により斜入射
照明を行うと、マスク180からは、光軸に対して角度
θ0で直進する0次透過回折光とこの0次透過回折光の
光路と投影光学系の光軸に関して対称な光路に沿って進
む(光軸に対して角度−θ0 で進む)−1次透過回折
光の2光束が図16の2個の物体側露光光162として
生じ、この2光束が投影光学系163の開口絞り164
の開口部に入射し、結像が行われる。
【0070】尚、本発明においてはこのような1個又は
2個の平行光線束による斜入射照明も「コヒーレント照
明」として取り扱う。
【0071】以上が通常の投影露光装置を用いて2光束
干渉露光を行う技術であり、通常の投影露光装置の照明
光学系を前述の如く構成してあるので、図10の照明光
学系の0<σ<1に対応する不図示の開口絞りをσ0に
対応する特殊開口絞りに交換可能にする等して、投影露
光装置において実質的にコヒーレント照明を行うよう構
成することができる。
【0072】図11〜図19は本発明の2重露光を用い
た露光方法の実施形態の説明図である。図11は本発明
の露光方法を示すフローチャートである。図11には本
発明の露光方法を構成するFMマスクによる周期パター
ン露光ステップ、RMマスクによる投影露光ステップ
(通常パターン露光ステップ)、現像ステップの各ブロ
ックとその流れが示してある。
【0073】同図において(1ショット内を多重露光す
るときの)周期パターン露光ステップと投影露光ステッ
プの順序は、逆でも良い。また、各露光ステップ間に
は、精密な位置合わせを行なうステップ等があるが、こ
こでは図示を略した。
【0074】本発明の露光方法及び露光装置は、被露光
基板(感光基板)の各チップ領域に対して周期パターン
露光と通常の露光を同時に行い、これを前述したように
ステップ方向に繰り返すことにより二重露光を行うこと
を特徴としている。
【0075】ここで通常パターン露光とは周期パターン
露光より解像度が低いが任意のパターンで露光が行える
露光である。
【0076】通常パターン露光によって露光されるパタ
ーン(通常パターン)は解像度以下の微細なパターンを
含み、周期パターン露光はこの微細なパターンと略同線
幅の周期パターンを形成するようにする。通常パターン
露光の解像度以上の大きなパターンは、周期パターン露
光の線幅に限定されないが整数倍が効果的である。
【0077】通常パターン露光は任意の形状をしている
のでいろいろな方向を向いていてもよい。一般にICパ
ターンでは、方向がある方向とそれに直行する方向の2
方向を向いている場合が多く、最も微細なパターンはあ
る特定の1方向のみに限定される場合が多い。
【0078】二重露光で周期パターン露光をする際、そ
の通常パターンの最も微細なパターンの方向に、周期パ
ターンの方向を合致させることが重要である。
【0079】また、周期パターンのピークの中心は、通
常パターンにおける解像度以下の微細なパターンの中心
に合致するように露光する。
【0080】本発明における二重露光とは周期パターン
露光と通常パターン露光の二重露光という意味であっ
て、周期パターン露光は、通常パターン露光の最も微細
なパターンの方向に平行にして何回繰り返して露光して
も良い。
【0081】本発明の露光方法及び露光装置の周期パタ
ーン露光と通常パターン露光のそれぞれは、1回また
は、複数回の露光段階よりなり、複数回の露光段階を取
る場合は、各露光階ごとに異なる露光量分布を感光基板
に与えている。
【0082】図11のフローに従って露光を行なう場
合、まず周期パターンによりウエハ(感光基板)を図1
2に示すような周期パターンで露光する。図12中の数
字は露光量を表しており、図12(A)の斜線部は露光
量1(実際は任意)で白色部は露光量0である。
【0083】このような周期パターンのみを露光後現像
する場合、通常,感光基板のレジストの露光しきい値E
thは図12(B)の下部のグラフに示す通り露光量0
と1の間に設定する。尚、図12(B)の上部は最終的
に得られるリソグラフィーパターン(凹凸パターン)を
示している。
【0084】図13に、この場合の感光基板のレジスト
に関して、現像後の膜厚の露光量依存性と露光しきい値
とをポジ型レジスト(以下、「ポジ型」と記す。)とネ
ガ型レジスト(以下、「ネガ型」配す。)の各々につい
て示す。ポジ型の場合は露光しきい値Eth以上の場合
に、ネガ型の場合は露光しきい値Eth以下の場合に、
現像後の膜厚が0となる。
【0085】図14はこのような露光を行った場合の現
像とエッチングプロセスを経てリソグラフィーパターン
が形成される様子を、ネガ型とポジ型の場合に関して示
した摸式図である。
【0086】本実施形態においては、この通常の露光感
度設定とは異なり、図15(図12(A)と同じ)及び
図16に示す通り、周期パターン露光での中心露光量を
1としたとき、露光基板のレジストの露光しきい値Et
hを1よりも大きく設定している。この感光基板は図1
2に示す下地パターン露光のみ行った露光パターン(露
光量分布)を現像した場合は露光量が不足するので、多
少の膜厚変動はあるものの現像によって膜厚が0となる
部分は生じず、エッチングによってリソグラフィーパタ
ーンは形成されない。これは即ち周期パターンの消失と
見做すことができる(尚、ここではネガ型を用いた場合
の例を用いて本発明の説明を行うが、本発明はポジ型の
場合も実施できる。)。
【0087】尚、図16において、上部はリソグラフィ
ーパターンを示し(何もできない)、下部のグラフは露
光量分布と露光しきい値の関係を示す。尚、下部に記載
のE1 は周期パターン露光における露光量を、E2 は
通常の投影露光における露光量を表している。
【0088】本実施形態の特徴は、周期パターン露光の
みでは一見消失する高解像度の露光パターンを通常の投
影露光による露光装置の分解能以下の大きさのパターン
を含む任意の形状の露光パターンと融合して所望の領域
のみ選択的にレジストの露光しきい値以上の露光をし、
最終的に所望のリソグラフィーパターンを形成できると
ころにある。
【0089】図17(A)は通常の投影露光(通常パタ
ーン露光)による露光パターンであり、微細なパターン
である為、解像できずに被露光物体上での強度分布はぼ
けて広がっている。本実施形態では通常の投影露光の解
像度の約半分の紙幅の微細パターンとしている。
【0090】図17(A)の露光パターンを作る投影露
光を、図15の周期パターン露光の後に、現像工程なし
で、同一レジストの同一領域に重ねて行ったとすると、
このレジスト面上への合計の露光量分布は図17(B)
の下部のグラフのようになる。
【0091】尚、ここでは周期パターン露光の露光量E
1 と投影露光の露光量E2 の比が1:1、レジストの
露光しきい値Ethが露光量E1 (=1)と露光量E
1 と投影露光の露光量E2 の和(=2)の間に設定さ
れている為、図17(B)の上部に示したリソグラフィ
ーパターンが形成される。
【0092】その際、通常パターンの中心が周期パター
ンのピークと合致させておく。又、通常パターンの方向
と周期パターンの方向とを合致させている。
【0093】図17(B)の上部に示す孤立線パターン
は、解像度が周期パターン露光のものであり且つ単純な
周期パターンもない。従って通常の投影露光で実現でき
る解像度以上の高解像度のパターンが得られたことにな
る。
【0094】ここで仮に、図18の露光パターンを作る
投影露光(図15の露光パターンの2倍の線幅で露光し
きい値以上(ここではしきい値の2倍の露光量)の投影
露光)を、図5の周期パターン露光の後に、現像工程な
しで、同一レジストの同一領域に重ねる。この際、通常
パターンの中心が周期パターン露光のピーク位置と合致
させることで重ね合わせたパターンの対称性が良く、良
好なるパターン像が得られる。
【0095】このレジストの合計の露光量分布は図18
(B)のようになり、2光束干渉露光(周期パターン露
光)の露光パターンは消失して最終的に投影露光による
リソグラフィーパターンのみが形成される。
【0096】また、図19に示すように、図5の露光パ
ターンの3倍の線幅で行う場合も理屈は同様であり、4
倍以上の線幅の露光パターンでは、基本的に2倍の線幅
の露光パターンと3倍の線幅の露光パターンの組み合わ
せから、最終的に得られるリソグラフィーパターンの線
幅は自明でであり、投影露光で実現できるリソグラフィ
ーパターンは全て、本実施形態でも、形成可能である。
【0097】以上簡潔に説明した周期パターン露光と投
影露光の夫々による露光量分布(絶対値及び分布)と感
光基板のレジストのしきい値の調整を行うことにより、
図16,図17(B),図18(B),及び図19
(B)で示したような多種のパターンの組み合わせより
成り且つ最小線幅が周期パターン露光の解像度(図17
(B)のパターンとなる回路パターンを形成することが
できる。
【0098】以上の露光方法の原理をまとめると、 (ア-1) 投影露光(通常パターン露光)をしないパターン
領域即ちレジストの露光しきい値以下の周期露光パター
ンは現像により消失する。
【0099】(ア-2) レジストの露光しきい値以下の露光
量で行った投影露光のパターン領域に関しては投影露光
と周期パターン露光のパターンの組み合わせにより決ま
る周期パターン露光の解像度を持つ露光パターンが形成
される。
【0100】(ア-3) 露光しきい値以上の露光量で行った
投影露光のパターン領域は投影露光のみでは解像しなか
った微細パターンも同様に(マスクに対応する)形成す
る。ということになる。
【0101】更に露光方法の利点として、最も解像力の
高い周期パターン露光を2光束干渉露光で行えば、通常
の露光に比してはるかに大きい焦点深度が得られること
が挙げられる。
【0102】以上の説明では周期パターン露光と投影露
光の順番は周期パターン露光を先としたが、この順番に
限定されない。
【0103】次に本発明の実施形態2でRMマスクとし
てゲートパターンを用いた場合について説明する。
【0104】本実施形態は露光により得られる回路パタ
ーン(リソグラフィーパターン)として、図20に示す
所謂ゲート型のパターンを対象としている。
【0105】図20のゲートパターンは横方向の即ち図
中A−A’方向の最小線幅が0.1μmであるのに対し
て、縦方向では0.2μm以上である。本発明によれ
ば、このような1次元方向のみ高解像度を求められる2
次元パターンに対しては2光束干渉露光(周期パターン
露光)をかかる高解像度の必要な1次元方向のみで行え
ばいい。
【0106】本実施形態では、図21を用いて1次元方
向のみの2光束干渉露光と通常の投影露光の組み合わせ
の一例を示す。
【0107】図21において、図21(A)は1次元方
向のみの2光束干渉露光による周期的な露光パターンを
示す。この露光パターンの周期は0.2μmであり、こ
の露光パターンは線幅0.1μmL&Sパターンに相当
する。図21の下部における数値は露光量を表すもので
ある。このような2光束干渉露光を前述の露光装置で行
っている。
【0108】本実施形態では2光束干渉露光(周期パタ
ーン露光)の次に行う通常の投影露光(通常パターン露
光)によって図21(B)が示すゲートパターンの露光
を行う。図21(C)の上部には2光束干渉露光による
露光パターンとの相対的位置関係と通常の投影露光の露
光パターンの領域での露光量を示し、同図の下部は、通
常の投影露光によるウエハのレジストに対する露光量を
縦横を最小線幅のピッチの分解能でマップ化したもので
ある。
【0109】図21の下部に示す露光量分布は、マスク
から入射される光強度を1としてウエハに露光される強
度分布を示したものである。
【0110】図21(A)の周期パターンの露光による
露光量分布は、理想的には1と0の矩形波であるはずだ
が、2光束干渉露光の解像限界付近の線幅を用いている
ので、0次光と1次光のみで形成されるsin 波となって
いる。そのsin 波の最大値をIo、最小値をI 1とあらわ
す。このとき、照明条件のσによって、I 0とI 1の値
が定まる。
【0111】図21(B) の通常の投影露光による露光量
分布は、各部分での代表的な値を示している。この投影
露光による露光パターンの最小線幅の部分は、解像せず
ぼけて広がり、光強度の各店の値は下がる。露光量は、
大まかにパターン中心部をb,両サイドをd,両側から
のぼけ像がくる中心部をcとする。最小線幅の2倍の線
幅は、b,c,d の値よりも大きいが、投影露光の解像限界
付近の線幅であるため、少しぼけてa の値をとる。これ
ら、a,b,c,d の値は、照明条件によって変化する。
【0112】図21(C) の露光量分布は、図21(A) の
露光パターンと図21( B) の露光パターンの露光量の
加算した結果生じたものである。
【0113】2光束干渉露光と投影露光の各露光での光
量比は、それぞれの露光の照明条件により異なる。加算
における各露光での光量比は、照明系の照度比として、 2光束干渉露光:投影露光=1:k とし、kの値は次のようにして求める。
【0114】図21(C) の露光量分布は、上記の露光量
分布、光量比を用いて、以下の式で表せる。
【0115】a' = k×a + I 0 a" = k×a + I 1 b' = k ×b + I 0 c' = k×c+ I1 d' = k×d + I 1 所望のゲートパターンを得るためには、レジストの感光
のしきい値Icとの関係式を得る。
【0116】たとえば、レジストがネガ型の場合、以下
のようになる。
【0117】a' >I C a" >I C b' >I C c' <I C d' <I C a',a",b'は差が小さい方が望ましく、c'と特にb'との差
がある方が望ましい。これらの式を解くことにより、各
照明条件での最適光量比が求められる。特に微細パター
ンの関係する以下の2式は重要である。
【0118】レジストがネガ型の場合、 k×b+I 0>I C k×c+I 1<I C レジストがポジ型の場合、 k×b+I 1<I C k×c+I 0>I C レジストがポジ型の場合、露光量分布の大小関係が反転
し、レジストしきい値Icとの不等号が逆になるが、同様
に最適光量比が求められる。
【0119】以上説明した2光束干渉露光と通常の投影
露光の照明方法の異なった2つを組み合わせによって図
22の微細回路パターンが形成される様子について述べ
る。本実施形態においては2光束干渉露光と通常の投影
露光を同時に行うので、その間には現像過程はない。従
って各露光の露光パターンが重なる領域での露光量は加
算され、加算後の露光量(分布)により新たな露光パタ
ーンが生じることと成る。
【0120】図22,図23,図24は波長248nm のK
rFエキシマステッパーを用いたときの具体的な実施例
である。
【0121】図22に示すような、最小線幅0.12μmの
ゲートパターンを通常露光し、重ねてレベンソンタイプ
の位相シフトマスクで、その最小線幅と重なるように周
期パターンを露光したものである。
【0122】投影レンズのNAは0.6 、照明系のσは、レ
ベンソンマスクによる露光では、0.3 とした。通常マス
ク露光時では、σ=0.3,0.6,0.8,輪帯照明とした。
【0123】位相シフトマスクなどの2光束干渉により
周期パターンを露光する場合の、コヒーレント照明はσ
の値がゼロまたは、それに近い値であるが、あまり小さ
くすると単位時間当たりの露光量が小さくなり、露光に
要する時間が長くなるので実際的でない。
【0124】周期パターン露光のときはσが0.3 以下で
あることが望ましく、レベンソンマスクによる露光では
その最大であるσ=0.3 とした。
【0125】通常露光では、一般的に部分的コヒーレン
ト照明にするが、σを大きくすると複雑な形状の再現性
はよくなり、かつ深度は広がる。照度分布が外側に比べ
て内側が低いいわゆる輪帯照明では、この傾向は顕著に
なるが、コントラストは落ちるという欠点がある。
【0126】図23(A)に示すように、通常露光のσ
を周期パターン露光のσと同じ0.3にして同じ照明条件
で二重露光を行うと、ゲートパターンがデフォーカス0
±0.2 μmの範囲で解像されるが、線パターンの部分が
うねっており、くびれた部分が断線の原因となるため好
ましくない。
【0127】又、通常パターン露光のときはσ=0.6
以上にするのが良い。図23(B)に示すように、通常
露光のσを0.6 にするとデフォーカス0±0.4 μmの範
囲でゲートパターンが解像されるようになり、線パター
ンの部分がうねりは解消されている。通常露光と周期パ
ターン露光の露光量比を 通常露光:周期パターン露光=
1.5 :1とした。
【0128】図24(A)に示すように、通常露光のσ
が0.8 と大きくなると、複雑な形状の再現性は若干よく
なる。通常露光と周期パターン露光の露光量比を通常パ
ターン露光:周期パターン露光=2 :1とした。通常パ
ターン露光のときは周期パターン露光に比べて2倍以上
の露光量とするのが良い。
【0129】図24(B)では、通常露光を輪帯照明と
し、リング内側の0.6 から外側の0.8 までの照度を1、
リング内側の0.6 以下を照度0とした場合の二次元強度
分布である。通常露光と周期パターン露光の露光量比を
通常露光:周期パターン露光=2.5:1とした。
【0130】輪帯照明では、σが0.8 の時よりも、複雑
な形状の再現性はよくなり、かつ深度は広がる。デフォ
ーカス±0.4 μm以下で良好な像が得られた。
【0131】このように微細な回路パターンは、周期パ
ターン露光との二重露光によって形成される。通常露光
パターンの微細なパターンは光強度が低くコントラスト
も低いので、通常は解像されないが、コントラストが高
い周期パターン露光と二重に露光し重ね合わせることに
よって、微細なパターンはコントラストが増強され解像
されるようになる。
【0132】一方、通常露光パターンの解像度以上の大
きなパターンも、周期パターン露光の強度と重ね合わさ
れコントラストが増強されるので、周期パターン露光の
線幅の整数倍にするとエッジがシャープな像となる。本
発明の露光方法によって、0.12μmといった微細な線幅
を有する回路パターンが、例えばσや照度の光量比を可
変とする照明条件の切り替え可能な照明光学系を有する
投影露光装置を用いて形成可能としている。
【0133】周期パターン露光と通常パターン露光の光
量比は、照明条件の組み合わせによる最適値を前述の計
算式によって求めた。
【0134】照明条件1 周期パターンの露光はσ=0.
3、通常パターン露光はσ=0.3図21(A) の下部に示し
た周期パターンの露光による露光量分布と、図21(B)
の下部に示した通常の投影露光による露光量分布(ベス
トフォーカス)を以下に示す。
【0135】I 0 = 0.80 I1 = 0.23 a = 1.31 b = 0.34 c = 0.61 d = 0.09 k = 1.0 のとき最適であり、 a' = 2.11 a" = 1.54 b'= 1.21 c'= 0.89 d'= 0.32 となり、後の比較のため、最大値のa'を1で規格化する
と次のようになる。
【0136】a' = 1.0 a" = 0.73 b'= 0.57 c'= 0.42
d'= 0.15 I0 =0.38 照明条件2 周期パターンの露光はσ=0.3、通常パター
ン露光はσ=0.6 I 0 = 0.80 I1 = 0.23 a = 1.25 b = 0.44 c = 0.53 d = 0.13 k = 1.5 のとき最適であり、 a' = 2.68 a" = 2.11 b'= 1.46 c'= 1.03 d'= 0.43 となり、後の比較のため、最大値のa'を1で規格化する
と次のようになる。
【0137】a' = 1.0 a" = 0.79 b'= 0.55 c'= 0.38
d'= 0.16 I0 =0.30 照明条件3 周期パターンの露光はσ=0.3、通常パター
ン露光はσ=0. 8 I 0 = 0.80 I1 = 0.23 a = 1.20 b = 0.48 c = 0.47 d = 0.16 k = 2.0 のとき最適であり、 a' = 3.20 a" = 2.63 b'= 1.76 c'= 1.17 d'= 0.55 となり、最大値のa'を1で規格化すると次のようにな
る。
【0138】a' = 1.0 a" = 0.82 b'= 0.55 c'= 0.37
d'= 0.17 I0 =0.25 照明条件4 周期パターンの露光はσ=0.3、通常パター
ン露光はσ=0. 8で輪帯照明とし、内側(輪帯内側)σ
0.6以下の照度分布をゼロとした。
【0139】I 0 = 0.80 I1 = 0.23 a = 1.10 b = 0.47 c = 0.36 d = 0.19 k = 2.5 のとき最適であり、 a' = 3.55 a" = 2.98 b'= 1.98 c'= 1.13 d'=0.71 となり、最大値のa'を1で規格化すると次のようにな
る。
【0140】a' = 1.0 a" = 0.84 b'= 0.56 c'= 0.32
d'=0.20 I0 = 0. 23 今までの議論で、レジストしきい値は、最大露光量3の
とき1.5 だったので、最大露光量で規格化するとレジス
トしきい値は0.5 となる。この規格化された露光量分布
を見ると、a',a",b'は規格化されたレジストしきい値0.
5 より大きく、c',d',I 0 はしきい値より小さい。
【0141】現像によって露光量がレジストしきい値よ
り大きい部分がのこるから、露光量がa',a",b'のみパタ
ーンとして現像後残ることになる。従って、図21(C)
の下部で灰色に示された部分が、現像後の形状である。
【0142】一般に、通常露光パターンを露光するとき
は、周期パターンを露光するときの約2倍の露光量が適
切で、通常露光パターンを露光するときの照明条件と、
周期パターンを露光するときの照明条件の組合わせによ
って最適な露光量比があり、前述の計算式で求められ
る。
【0143】前述の計算式から、種々の照明条件の組合
わせを計算した結果、次のことが示された。周期パター
ン露光のときσ=0.3で通常パターン露光の照明条件
σが0.8 より小さいときは、通常パターンを露光すると
きの露光量を周期パターンを露光するときの露光量より
2倍以下にするとよい。
【0144】周期パターンのときσ=0.3で通常パタ
ーンを露光するときの照明条件が輪帯照明のときは、輪
帯の巾が小さいときは、通常パターンを露光する露光量
が周期パターンを露光するときの露光量より2倍以上に
するとよい。
【0145】周期パターンを露光するときの照明条件σ
が0.3 より小さいときは、通常パターンを露光する露光
量は、周期パターンを露光するときの露光量より2倍以
上にするとよい。
【0146】尚、本発明において (a)照明光学系の照明方法としては、KrFエキシマ
レーザー、ArFエキシマレーザー又はF2エキシマレ
ーザーから光でマスクパターンを照明することが適用可
能である。
【0147】(b)露光装置においては屈折系、反射−
屈折系、又は反射系のいずれかより成る投影光学系によ
って前記マスクパターンを投影することが適用可能であ
る。
【0148】(c)露光装置としては本発明の露光方法
を露光モードとして有するステップアンドリピート型縮
小投影露光装置や本発明の露光方法を露光モードとして
有するステップアンドスキャン型縮小投影露光装置等が
適用可能である。
【0149】次に本発明の分割マスクを用いた露光方法
及び露光装置について順次説明する。図25は本発明の
分割レチクル(分割マスク)の実施形態1の説明図であ
る。本実施形態の分割マスクBMはRM1マスクとFM
マスク、そしてRM2マスクをステップ露光方向に同一
基板上にFMマスクを挟んでRM1マスクとRM2マス
クを配列している。
【0150】分割マスクBMの3つのマスクが1図の投
影露光での露光範囲となっている。RM1マスクとRM
2マスクは同一パターンより成っている。FMマスクは
通常の露光では投影露光では改造できない程度の微細パ
ターンを周期的に配列した周期的パターンより成ってい
る。
【0151】RM1マスクとRM2マスクは投影露光で
解像できる線幅より成る通常の回路パターン(例えばゲ
ートパターン等)より成っている。尚、RM1マスクと
RM2マスクを以下RMマスクともいう。
【0152】図26はウエハ228面上に分割マスクB
Mによる投影露光領域を示している。図26においてS
1〜S4は各々1図の投影露光によってパターンが露光
される1ショット領域を示している。
【0153】(C1,C2),(C3,C4),(C
5,C6)(C7,C8)は各々1図の投影露光によっ
てパターンが露光される1チップ領域を示している。
【0154】図27は本実施形態における2重露光の手
順を図26の1列のショット領域S1〜S4と、1列の
チップ領域C1〜C8、そして露光回数について示して
いる。
【0155】図28は投影露光回数毎におけるウエハ2
28面上におけるパターン露光状態を示している。分割
マスクBMの1つのマスク(RM1マスク)パターンは
投影光学系227によってウエハW上の1ショット領域
S1内の1つのチップ領域(C1)に投影されるように
設定している。
【0156】即ち、分割マスクBMの2つのマスク(例
えばRM1マスクとFMマスク)のパターンが1回の投
影露光でウエハW上の1ショット領域S1に投影露光す
るように設定している。
【0157】次に本実施形態において、分割マスクBM
のパターンをウエハW上に多重露光する手順について説
明する。
【0158】まず、ウエハ供給回収搬送装置201でウ
エハ228をウエハステージ229に裁置し、ウエハア
ライメントを行う。アライメントはこのとき1回だけで
あとは行う必要はない。
【0159】第1回目の露光では分割マスクBMのうち
の投影露光が可能な範囲のRM2マスクを遮光手段で覆
い露光光が入射しないようにする。即ち、ウエハ228
面上を投影露光しないようにしている。そして、分割マ
スクBMのRM1マスクとFMマスクのパターンをウエ
ハ228上の1ショット領域S1に投影露光する。
【0160】図27,図28では1ショット領域のうち
1チップ領域C1にRM1マスクのパターンが投影露光
され、1チップ領域C1にRM1マスクのパターンが投
影露光され、1チップ領域C2にFマスクのパターンが
投影露光されている状態をR1,Fで示している。
【0161】図27において分割マスクBMのFMマス
クとRMマスクのうち記号R1,R2を円で囲ったマス
ク(1回目〜4回目の露光ではR2)は遮光されて、投
影露光されないことを示している。
【0162】2回目の露光ではウエハ228をステップ
移動させて、ショット領域S2の投影露光を行う。この
とき図27,図28に示すようにショット領域S2のチ
ップ領域C3にRM1マスクのパターンR1がチップ領
域C4にFMマスクのパターンFが投影露光される。
【0163】これを繰り返して(図4では4回)ウエハ
228が露光端(図27,図28ではショット領域S4
の位置)にきたらステップ露光を逆方向に行う。尚、4
回目の投影露光では、ショット領域S4のチップ領域C
7はRM1マスクのパターンR1、チップ領域C8はF
MマスクのパターンFで投影露光されている。そして今
度はRM1マスクを遮光手段で覆い、RM2マスクの遮
光手段を外す。
【0164】図27において、RM1マスクはR1を円
で囲んで遮光されている状態を示している。そして5回
目の投影露光ではショット領域S4を分割マスクBMの
FMマスクとRM2マスクで投影露光する。
【0165】即ち、図27,図28に示すように、ショ
ット領域S4のチップ領域C7はFMマスクのパターン
Fで、チップ領域C8はRM2マスクのパターンR2で
投影露光する。尚、4回目と5回目の間で投影されるレ
チクルが動いていることになるのでウエハステージはチ
ップ領域分、横(x)移動する。
【0166】これによってチップ領域C7をRM1マス
クとFMマスクで2重露光し、チップ領域C8をFMマ
スクとRM2マスクで2重露光している。
【0167】6回目の投影露光では、ウエハ228をス
テップ移動させてショット領域S3のチップ領域C5を
FMマスクで、チップ領域C6をRM2マスクで投影露
光する。これによってチップ領域C5をRM1マスクと
FMマスクのパターンで2重露光し、チップ領域C6を
FMマスクとRMマスクで2重露光している。
【0168】このような動作を繰り返すことにより、ウ
エハ228面上をFMマスクとRMマスクの互いに異な
ったパターンで2重露光をしている。
【0169】図29は本実施形態においてFMマスクと
RMマスクによるウエハ面上への露光量を制御する為の
他の実施形態の説明図である。
【0170】図29(A)はNDフィルターをFMマス
クの上方に設けた実施形態である。図29(B)はND
フィルターをFMマスクに近接させて(間隔G)配置し
た実施形態である。
【0171】同図ではFMマスクとRMマスクのうちF
Mマスクのパターン領域AにNDフィルターを設けて、
ウエハ面上への露光量を調整している。
【0172】このときの投影光学系のNA、投影倍率M
ag、照明開口率σ、照明系NA値NAill 、分割マス
クBMの基板の厚さD等の諸元は同図の下方に示す如く
設定している。
【0173】尚、分割マスクを構成するFMマスクとR
Mマスクの配列順は、図25に限らず、例えばFM1マ
スク、RMマスク、FM2マスク(FM1マスクとパタ
ーンが同じ)としても良い。
【0174】分割マスクを構成する複数のマスクの配列
は、隣接するマスクのパターンが異なっていれば任意に
設定できる。これは以下の全ての実施形態においても同
様である。
【0175】図30は本発明の実施形態2の分割マスク
BMの説明図である。本実施形態では投影露光する時の
有効露光範囲内に分割マスクBMの複数のマスクのうち
の2つのマスク(RMマスクとFMマスク)が入るよう
に設定し、実施形態1に比べて1図の露光によるウエハ
面上での露光範囲を拡大している点が異なっている。
【0176】RM1マスクとRM2マスクは同一パター
ンである。ステップアンドリピート方式で一方向に露光
するときは、例えば開口枠等を用いて図23(A)のよ
うにマスクの位置を変えて露光範囲がRM1マスクとF
Mマスクとなるようにし、逆方向に露光する時は図23
(B)のようにマスクの位置を変えてFMマスクとRM
2マスクとなるようにしている。これによって、実施形
態1と同様の多重露光を行っている。
【0177】図31は実施形態におけるウエハ228面
上に分割マスクBMによる投影露光領域を示している。
図31においてS1〜S4は各々1図の投影露光によっ
てパターンが露光される1ショット領域を示している。
【0178】(C1,C2),(C3,C4),(C
5,C6),(C7,C8)は各々1図の投影露光によ
ってパターンが露光される1チップ領域を示している。
【0179】図32は本実施形態における2重露光の手
順を図31の1列のショット領域S1〜S4と、1列の
チップ領域C1〜C8、そして露光回数について示して
いる。
【0180】図33は投影露光回数毎におけるウエハ2
28面上におけるパターン露光状態を示している。分割
マスクBMの1つのマスク(RM1マスク)パターンは
投影光学系227によってウエハW上の1ショット領域
S1内の1つのチップ領域(C1)に投影されるように
設定している。
【0181】即ち、分割マスクBMの2つのマスク(例
えばRM1マスクとFMマスク)のパターンが1回の投
影露光でウエハW上の1ショット領域S1に投影露光す
るように設定している。
【0182】次に本実施形態において、分割マスクBM
のパターンをウエハW上に多重露光する手順について説
明する。
【0183】まず、ウエハ供給回収搬送装置201でウ
エハ228をウエハステージ229に裁置し、ウエハア
ライメントを行う。アライメントはこのとき1回だけで
あとは行う必要はない。
【0184】第1回目の露光では図30(A)に示すよ
うに分割マスクBMのうちの投影露光が可能な範囲のR
M1マスクとFMマスクを開口和枠で特定する。そし
て、分割マスクBMのRM1マスクとFMマスクのパタ
ーンをウエハ228上の1ショット領域S1に投影露光
する。
【0185】図32,図33では1ショット領域のうち
1チップ領域C1にRM1マスクのパターンが投影露光
され、1チップ領域C1にRM1マスクのパターンが投
影露光され、1チップ領域C2にFマスクのパターンが
投影露光されている状態をR1,Fで示している。
【0186】図32において分割マスクBMのFMマス
クとRMマスクのうち記号R1,R2を円で囲ったマス
ク(1回目〜4回目の露光ではR2)は、投影露光され
ないことを示している。
【0187】2回目の露光ではウエハ228をステップ
移動させて、ショット領域S2の投影露光を行う。この
とき図32,図33に示すようにショット領域S2のチ
ップ領域C3にRM1マスクのパターンR1がチップ領
域C4にFMマスクのパターンFが投影露光される。
【0188】これを繰り返して(図32では4回)ウエ
ハ228が露光端(図32,図33ではショット領域S
4の位置)にきたらステップ露光を逆方向に行う。尚、
4回目の投影露光では、ショット領域S4のチップ領域
C7はRM1マスクのパターンR1、チップ領域C8は
FMマスクのパターンFで投影露光されている。そして
今度は図30(B)に示すように、FMマスクとRM2
マスクが露光範囲となるように開口枠を設定する。な
お、レチクルステージでは投影レンズ227に対して1
チップ分レチクルを移動させる。
【0189】図32において、RM1マスクはR1を円
で囲んで投影露光されない状態を示している。そして5
回目の投影露光ではショット領域S4を分割マスクBM
のFMマスクとRM2マスクで投影露光する。
【0190】即ち、図32,図33に示すように、ショ
ット領域S4のチップ領域C7はFMマスクのパターン
Fで、チップ領域C8はRM2マスクのパターンR2で
投影露光する。
【0191】これによってチップ領域C7をRM1マス
クとFMマスクで2重露光し、チップ領域C8をFMマ
スクとRM2マスクで2重露光している。
【0192】6回目の投影露光では、ウエハ228をス
テップ移動させてショット領域S3のチップ領域C5を
FMマスクで、チップ領域C6をRM2マスクで投影露
光する。これによってチップ領域C5をRM1マスクと
FMマスクのパターンで2重露光し、チップ領域C6を
FMマスクとRMマスクで2重露光している。
【0193】このような動作を繰り返すことにより、ウ
エハ228面上をFMマスクとRMマスクの互いに異な
ったパターンで2重露光をしている。
【0194】図34は本発明の分割レチクル(分割マス
ク)の実施形態3の説明図である。本実施形態の分割マ
スクBMはRM1マスクとFMマスク、そしてRM2マ
スク、そしてFM2マスクの順にステップ露光方向に同
一基板上に配列している。
【0195】分割マスクBMの4つのマスクのうち3つ
のマスクが1図の投影露光での露光範囲となっている。
ここでFM1マスクとFM2マスクは同一パターンより
成っている。RM1マスクとRM2マスクは同一パター
ンより成っている。FM1マスクとFM2マスクは通常
の露光では投影露光では改造できない程度の微細パター
ンを周期的に配列した周期的パターンより成っている。
【0196】RM1マスクとRM2マスクは投影露光で
解像できる線幅より成る通常の回路パターン(例えばゲ
ートパターン等)より成っている。尚、RM1マスクと
RM2マスクを以下RMマスクともいう。FM1マスク
とFM2マスクを以下FMマスクとも言う。
【0197】ステップアンドリピート方式で一方向に投
影露光する時には開口枠等を用いて、図34(B)のよ
うにマスクの位置を変えて露光範囲がRM1マスク、F
M1マスク、RM2マスクとなるようにし、又逆方向に
投影露光するときには、図34(A)に示すように、開
口枠やマスクの位置を変えて露光範囲がFM1マスク、
RM2マスク、FM2マスクとなるようにしている。
【0198】図35はウエハ228面上に分割マスクB
Mによる投影露光領域を示している。図35においてS
1〜S3は各々1図の投影露光によってパターンが露光
される1ショット領域を示している。
【0199】(C1,C2,C3),(C4,C5,C
6),(C7,C8,C9)は各々1図の投影露光によ
ってパターンが露光される1チップ領域を示している。
【0200】図36は本実施形態における2重露光の手
順を図35の1列のショット領域S1〜S3と、1列の
チップ領域C1〜C9、そして露光回数について示して
いる。
【0201】図37は投影露光回数毎におけるウエハ2
28面上におけるパターン露光状態を示している。分割
マスクBMの1つのマスク(RM1マスク)パターンは
投影光学系227によってウエハW上の1ショット領域
S1内の1つのチップ領域(C1)に投影されるように
設定している。
【0202】即ち、分割マスクBMの3つのマスク(例
えばRM1マスクとFMマスクとRM2マスク)のパタ
ーンが1回の投影露光でウエハW上の1ショット領域S
1に投影露光するように設定している。
【0203】次に本実施形態において、分割マスクBM
のパターンをウエハW上に多重露光する手順について説
明する。
【0204】まず、ウエハ供給回収搬送装置201でウ
エハ228をウエハステージ229に裁置し、ウエハア
ライメントを行う。アライメントはこのとき1回だけで
あとは行う必要はない。
【0205】第1回目の露光では分割マスクBMのうち
の投影露光が可能な範囲のRM1マスク、FM1マス
ク、そしてRM2マスクを開口枠で特定する。そして、
分割マスクBMのRM1マスクとFM1マスク、そして
RM2マスクのパターンをウエハ228上の1ショット
領域S1に投影露光する。
【0206】図36,図37では1ショット領域のうち
1チップ領域C1にRM1マスクのパターンが投影露光
され、1チップ領域C1にRM1マスクのパターンが投
影露光され、1チップ領域C2にFM1マスクのパター
ンが投影露光され、1チップ領域C3にRM2マスクの
パターンが投影露光されている状態をR1,F1,R2
で示している。
【0207】図36において分割マスクBMのFMマス
クとRMマスクのうち記号F1,F2,R1,R2を円
で囲ったマスク(1回目〜3回目の露光ではR2)は投
影露光されないことを示している。
【0208】2回目の露光ではウエハ228をステップ
移動させて、ショット領域S2の投影露光を行う。この
とき図36,図37に示すようにショット領域S2のチ
ップ領域C4にRM1マスクのパターンR1がチップ領
域C5にFM1マスクのパターンF1がチップ領域C6
にRM2マスクのパターンR2が投影露光される。
【0209】これを繰り返して(図36では3回)ウエ
ハ228が露光端(図36,図37ではショット領域S
3の位置)にきたらステップ露光を逆方向に行う。尚、
3回目の投影露光では、ショット領域S3のチップ領域
C7はRM1マスクのパターンR1、チップ領域C8は
FM1マスクのパターンF1、チップ領域C9はRM2
マスクのパタンR2で露光されている。そして今度は図
34(B)に示すようにRM1マスク,FM2マスクが
露光範囲となるように設定している。
【0210】図36において、RM1マスクはR1を円
で囲んで投影露光されない状態を示している。そして4
回目の投影露光ではショット領域S3を分割マスクBM
のFM1マスク,RM2マスク,FM2マスクで投影露
光する。尚、レチクルステージを1チップ分動かす。
【0211】即ち、図36に示すように、ショット領域
S3のチップ領域C7はFM1マスクのパターンF1
で、チップ領域C8はRM2マスクのパターンR2,チ
ップ領域C9はFM2マスクのパターンF2で投影露光
する。
【0212】これによってチップ領域C7をRM1マス
クとFM1マスクで2重露光し、チップ領域C8をFM
1マスクとRM2マスクで2重露光し、チップ領域C9
をRM2マスクとFM2マスクで2重露光している。
【0213】RM1マスクとRM2マスクは全く同じパ
ターンであり、又FM1マスクとFM2マスクも全く同
じパターンであり、これによって2つのチップ領域C
7,C8,C9は各々FMマスクとRMマスクで2重露
光している。
【0214】5回目の投影露光では、ウエハ228をス
テップ移動させてショット領域S2のチップ領域C4を
FM1マスクで、チップ領域C5をRMマスクで、チッ
プ領域C6をFM2マスクで投影露光する。これによっ
てチップ領域C4をRM1マスクとFM1マスクのパタ
ーンで2重露光し、チップ領域C5をFM1マスクとR
M2マスクのパターンで2重露光し、チップ領域C6を
RMマスクとFMマスクで2重露光している。
【0215】このような動作を繰り返すことにより、ウ
エハ228面上をFM2マスクとRM2マスクの互いに
異なったパターンで2重露光をしている。
【0216】次に本発明の露光方法の実施形態4につい
て説明する。分割マスクの構成は実施形態1と同様であ
る。本実施形態では実施形態1に比べて露光回数によっ
て分割マスクを構成する複数のマスクのうち投影露光さ
れるマスクが異なっている。
【0217】次に本実施形態を実施形態1と一部重複す
るが順次説明する。
【0218】図38は本発明の分割レチクル(分割マス
ク)の実施形態4の説明図である。本実施形態の分割マ
スクBMはRM1マスクとFMマスク、そしてRM2マ
スク、そしてFM2マスクの順にステップ露光方向に同
一基板上に配列している。
【0219】分割マスクBMの4つのマスクのうち3つ
のマスクが1図の投影露光での露光範囲となっている。
ここでFM1マスクとFM2マスクは同一パターンより
成っている。RM1マスクとRM2マスクは同一パター
ンより成っている。FM1マスクとFM2マスクは通常
の露光では投影露光では改造できない程度の微細パター
ンを周期的に配列した周期的パターンより成っている。
【0220】RM1マスクとRM2マスクは投影露光で
解像できる線幅より成る通常の回路パターン(例えばゲ
ートパターン等)より成っている。尚、RM1マスクと
RM2マスクを以下RMマスクともいう。
【0221】図39はウエハ228面上に分割マスクB
Mによる投影露光領域を示している。図39においてS
1〜S4はパターンが露光される1ショット領域を示し
ている。
【0222】C1〜C8は投影露光によってパターンが
露光される1チップ領域を示している。
【0223】図40は本実施形態における2重露光の手
順を図27と同様に図39の1列のショット領域C1〜
C8と、そして露光回数について示している。
【0224】図41は投影露光回数毎におけるウエハ2
28面上におけるパターン露光状態を示している。分割
マスクBMの1つのマスク(RM1マスク)パターンは
投影光学系227によってウエハW上の1ショット領域
S1内の1つのチップ領域(C1)に投影されるように
設定している。
【0225】即ち、分割マスクBMの2つのマスク(例
えばRM1マスクとFM2マスク)又は3つのマスクの
パターンが1回の投影露光でウエハW上の2つのチップ
C1,C2又は3つのチップC1,C2,C3に投影露
光するように設定している。
【0226】次に本実施形態において、分割マスクBM
のパターンをウエハW上に多重露光する手順について説
明する。
【0227】まず、ウエハ供給回収搬送装置201でウ
エハ228をウエハステージ229に裁置し、ウエハア
ライメントを行う。第1回目の露光では分割マスクBM
の3つのマスクのパターンR1,F,R2が各々チップ
領域C1,C2,C3に投影露光するようにしている。
【0228】第2回目の露光では分割マスクBMのうち
の投影露光が可能な範囲のRM1マスクを遮光手段で覆
い、露光光が入射しないようにする。即ちウエハ228
面上を投影露光しないようにしている。そして分割マス
クBMのFMマスクとRM2マスクのパターンをウエハ
228上のチップ領域C4,C5に投影露光する。
【0229】図40,図41では例えば1チップ領域C
1にRM1マスクのパターンが投影露光され、1チップ
領域C2にFマスクのパターンが投影露光され、1チッ
プ領域C2にFM1マスクのパターンが投影露光されて
いる状態をR1,Fで示している。
【0230】図40において分割マスクBMのFMマス
クとRMマスクのうち記号R1,R2を円で囲ったマス
ク(2回目,3回目の露光ではR1)は遮光されて投影
露光されないことを示している。
【0231】3回目の露光ではウエハ228をステップ
移動させて、チップ領域C6,C7の投影露光を行う。
このとき図40,図41に示すようにチップ領域C6に
FMマスクのパターンFがチップ領域C7にRM2マス
クのパターンR2投影露光される。
【0232】これを繰り返して(図40では4回)ウエ
ハ228が露光端(図40,図41ではショット領域S
4の位置)にきたらRM1マスクとRM2マスクを遮光
して、チップ領域C8ではFMマスクのみのパターンを
露光する。
【0233】次にステップ露光を逆方向に行う。第5回
目の露光では、分割マスクBMの3つのマスクの投影露
光を行う。
【0234】このときチップ領域C6はFMマスクとR
M1マスクのパターン、チップ領域C7はRMマスクと
FM2マスクとFMマスクのパターン、チップ領域C8
はFMマスクとRM2マスクのパターンで各々2重露光
されている。
【0235】6回目の露光ではRM2マスクを遮光し、
RM1マスクとFMマスクで投影露光を行う。そして最
後(図17では8回目)の露光ではRM1マスクとRM
2マスクを遮光し、全チップ領域C1〜C8をFMマス
クとRMマスクで2重露光を行っている。
【0236】次に本発明の実施形態5について説明す
る。本実施形態は多重露光を走査して行う場合である。
【0237】図42は本発明の分割レチクル(分割マス
ク)の実施形態5の説明図である。本実施形態の分割マ
スクBMはRM1マスクとFMマスク、そしてRM2マ
スクを(走査スキャン)露光方向に同一基板上にFMマ
スクを挟んでRM1マスクとRM2マスクを配列してい
る。
【0238】RM1マスクとRM2マスクは同一パター
ンより成っている。FMマスクは通常の露光では投影露
光では改造できない程度の微細パターンを周期的に配列
した周期的パターンより成っている。
【0239】RM1マスクとRM2マスクは投影露光で
解像できる線幅より成る通常の回路パターン(例えばゲ
ートパターン等)より成っている。尚、RM1マスクと
RM2マスクを以下RMマスクともいう。
【0240】図43はウエハ228面上における分割マ
スクBMによる走査露光領域を示している。図43にお
いてS1〜S4は各々1図の走査露光によってパターン
が露光される1ショット領域を示している。
【0241】(C1,C2),(C3,C4),(C
5,C6),(C7,C8)は各々1図の走査露光によ
ってパターンが露光される1チップ領域を示している。
【0242】図44は本実施形態における2重露光の手
順を図43の1列のショット領域S1〜S4と、チップ
領域C1〜C8、そして露光回数について示している。
【0243】図45は走査投影露光回数毎におけるウエ
ハ228面上におけるパターン露光状態を示している。
図46はウエハ228上の走査露光順を示している。分
割マスクBMの1つのマスク(RM1マスク)パターン
は投影光学系227によってウエハW上の1ショット領
域S1内の1つのチップ領域(C1)に走査投影される
ように設定している。
【0244】即ち、分割マスクBMの2つのマスク(例
えばRM1マスクとFMマスク)のパターンが1回の走
査投影露光でウエハW上の1ショット領域S1に走査投
影露光するように設定している。
【0245】次に本実施形態において、分割マスクBM
のパターンをウエハW上に走査多重露光する手順につい
て説明する。
【0246】まず、ウエハ供給回収搬送装置201でウ
エハ228をウエハステージ229に裁置し、ウエハア
ライメントを行う。
【0247】第1回目の走査露光では分割マスクBMの
うちのRM2マスクを遮光手段で覆い露光光が入射しな
いようにする。即ち、ウエハ228面上を走査投影露光
しないようにしている。そして、分割マスクBMのRM
1マスクとFMマスクのパターンの露光スリット範囲で
順次走査してウエハ228上の1ショット領域S1に投
影露光する。
【0248】図44,図45では1ショット領域のうち
1チップ領域C1にRM1マスクのパターンが走査投影
露光され、1チップ領域C2にFマスクのパターンが走
査投影露光されている状態をR1,Fで示している。
【0249】図44において分割マスクBMのFMマス
クとRMマスクのうち記号R1,R2を円で囲ったマス
ク(1回目〜4回目の露光ではR2)は遮光されて、走
査投影露光されないことを示している。
【0250】2回目の走査露光では、1回目の走査露光
が終了し、2回目の露光のためにUターンと所定の速度
でレチクルとウエハが同期した状態でショット領域S2
の走査投影露光を行う。このとき図44,図45に示す
ようにショット領域S2のチップ領域C3にRM1マス
クのパターンR1がチップ領域C4にFMマスクのパタ
ーンFが走査投影露光される。図42(B)に示すよう
にスリット範囲の走査方向を変えている(R2は遮光さ
れている)。
【0251】これを繰り返して(図4では4回)ウエハ
228が露光端(図44,図45ではショット領域S4
の位置)にきたら走査露光をマスクを変えて行う。尚、
4回目の走査投影露光では、ショット領域S4のチップ
領域C7はRM1マスクのパターンR1、チップ領域C
8はFMマスクのパターンFで走査投影露光されてい
る。そして今度はRM1マスクを遮光手段で覆い、RM
2マスクの遮光手段を外す。
【0252】図44において、RM1マスクはR1を円
で囲んで遮光されている状態を示している。そして5回
目の走査投影露光ではショット領域S4を分割マスクB
MのFMマスクで走査投影露光する。
【0253】即ち、図44,図45に示すように、ショ
ット領域S4のチップ領域C7はFMマスクのパターン
Fで、チップ領域C8はRM2マスクのパターンR2で
走査投影露光する。
【0254】これによってチップ領域C7をRM1マス
クとFMマスクで2重露光し、チップ領域C8をFMマ
スクとRM2マスクで2重露光している。
【0255】これによって2つのチップ領域C7,C8
は各々FMマスクとRMマスクで2重露光している。
【0256】6回目の走査投影露光では、ショット領域
S3のチップ領域C5をFMマスクで、チップ領域C6
をRM2マスクで走査投影露光する。これによってチッ
プ領域C5をRM1マスクとFMマスクのパターンで2
重露光し、チップ領域C6をFMマスクとRM2マスク
で2重露光している。
【0257】このような動作を繰り返すことにより、ウ
エハ228面上をFMマスクとRMマスクの互いに異な
ったパターンで2重露光をしている。
【0258】次に本発明の実施形態6について説明す
る。本実施形態は多重露光を走査して行う場合である。
本実施形態は実施形態5とはチップに対する走査方向が
異なっており、走査終了後にマスクを移動させてマスク
面上の走査領域を変えて行っている。
【0259】図47は本発明の分割レチクル(分割マス
ク)の実施形態6の説明図である。本実施形態の分割マ
スクBMはRM1マスクとFMマスク、そしてRM2マ
スクを(走査スキャン)露光方向に同一基板上にFMマ
スクを挟んでRM1マスクとRM2マスクを配列してい
る。
【0260】RM1マスクとRM2マスクは同一パター
ンより成っている。FMマスクは通常の露光では投影露
光では改造できない程度の微細パターンを周期的に配列
した周期的パターンより成っている。
【0261】RM1マスクとRM2マスクは投影露光で
解像できる線幅より成る通常の回路パターン(例えばゲ
ートパターン等)より成っている。尚、RM1マスクと
RM2マスクを以下RMマスクともいう。
【0262】図48はウエハ228面上における分割マ
スクBMによる走査露光領域を示している。図48にお
いてS1〜S4は各々1図の走査露光によってパターン
が露光される1ショット領域を示している。
【0263】(C1,C2),(C3,C4),(C
5,C6),(C7,C8)は各々1図の走査露光によ
ってパターンが露光される1チップ領域を示している。
【0264】図49は本実施形態における2重露光の手
順を図48の1列のショット領域S1〜S4と、チップ
領域C1〜C8、そして露光回数について示している。
【0265】図50は走査投影露光回数毎におけるウエ
ハ228面上におけるパターン露光状態を示している。
図51はウエハ228上の走査露光順を示している。分
割マスクBMの1つのマスク(RM1マスク)パターン
は投影光学系227によってウエハW上の1ショット領
域S1内の1つのチップ領域(C1)に走査投影される
ように設定している。
【0266】即ち、分割マスクBMの2つのマスク(例
えばRM1マスクとFMマスク)のパターンが1回の走
査投影露光でウエハW上の1ショット領域S1に走査投
影露光するように設定している。
【0267】次に本実施形態において、分割マスクBM
のパターンをウエハW上に走査多重露光する手順につい
て説明する。
【0268】まず、ウエハ供給回収搬送装置201でウ
エハ228をウエハステージ229に裁置し、ウエハア
ライメントを行う。
【0269】第1回目の走査露光では分割マスクBMの
うちのRM2マスクを遮光手段で覆い露光光が入射しな
いようにする(図47(B)の状態)スキャン方向は図
2は上から下であるが2回目の露光では下から上にスキ
ャンする。即ち、ウエハ228面上を走査投影露光しな
いようにしている。そして、分割マスクBMのRM1マ
スクとFMマスクのパターンの露光スリット範囲で順次
走査してウエハ228上の1ショット領域S1に投影露
光する。
【0270】図49,図50では1ショット領域のうち
1チップ領域C1にRM1マスクのパターンが走査投影
露光され、1チップ領域C2にFマスクのパターンが走
査投影露光されている状態をR1,Fで示している。
【0271】図49において分割マスクBMのFMマス
クとRMマスクのうち記号R1,R2を円で囲ったマス
ク(1回目〜4回目の露光ではR2)は遮光されて、走
査投影露光されないことを示している。
【0272】2回目の走査露光では、ショット領域S2
の走査投影露光を行う。このとき図49,図50に示す
ようにショット領域S2のチップ領域C3にRM1マス
クのパターンR1がチップ領域C4にFMマスクのパタ
ーンFが走査投影露光される。
【0273】これを繰り返して(図4では4回)ウエハ
228が露光端(図49,図50ではショット領域S4
の位置)にきたら走査露光をマスクを変えて行う。又図
47(A)に示すようにスリット範囲の走査方向を変え
ている。尚、4回目の走査投影露光では、ショット領域
S4のチップ領域C7はRM1マスクのパターンR1、
チップ領域C8はFMマスクのパターンFで走査投影露
光されている。そして今度はRM1マスクを遮光手段で
覆い、RM2マスクの遮光手段を外す。
【0274】図49において、RM1マスクはR1を円
で囲んで遮光されている状態を示している。そして5回
目の走査投影露光ではショット領域S4を分割マスクB
MのFMマスクとRM2マスクで走査投影露光する。
【0275】即ち、図49,図50に示すように、ショ
ット領域S4のチップ領域C7はFMマスクのパターン
Fで、チップ領域C8はRM2マスクのパターンR2で
走査投影露光する。
【0276】これによってチップ領域C7をRM1マス
クとFMマスクで2重露光し、チップ領域C8をFMマ
スクとRM2マスクで2重露光している。
【0277】RM1マスクとRM2マスクは全く同じパ
ターンであり、これによって2つのチップ領域C7,C
8は各々FMマスクとRMマスクで2重露光している。
【0278】6回目の走査投影露光では、ショット領域
S3のチップ領域C5をFMマスクで、チップ領域C6
をRM2マスクで走査投影露光する。これによってチッ
プ領域C5をRM1マスクとFMマスクのパターンで2
重露光し、チップ領域C6をFMマスクとRM2マスク
で2重露光している。
【0279】このような動作を繰り返すことにより、ウ
エハ228面上をFMマスクとRMマスクの互いに異な
ったパターンで2重露光をしている。
【0280】次に上記説明した投影露光装置を利用した
半導体デバイスの製造方法の実施形態を説明する。
【0281】図52は半導体デバイス(ICやLSI等
の半導体チップ、或いは液晶パネルやCCD等)の製造
のフローを示す。
【0282】ステップ1(回路設計)では半導体デバイ
スの回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。
【0283】一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリ
コン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4
(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、前記用意したマ
スクとウエハを用いてリソグラフィ技術によってウエハ
上に実際の回路を形成する。
【0284】次のステップ5(組立)は後工程と呼ば
れ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導
体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシ
ング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封
入)等の工程を含む。
【0285】ステップ6(検査)ではステップ5で作製
された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト
等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイス
が完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0286】図53は上記ウエハプロセスの詳細なフロ
ーを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸
化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶
縁膜を形成する。
【0287】ステップ13(電極形成)ではウエハ上に
電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打
込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15
(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステ
ップ16(露光)では前記説明した露光装置によってマ
スクの回路パターンをウエハに焼付露光する。
【0288】ステップ17(現像)では露光したウエハ
を現像する。ステップ18(エッチング)では現像した
レジスト以外の部分を削り取る。ステップ19(レジス
ト剥離)ではエッチングがすんで不要となったレジスト
を取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことに
よってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0289】本実施形態の製造方法を用いれば、従来は
製造が難しかった高集積度の半導体デバイスを容易に製
造することができる。
【0290】
【発明の効果】本発明は以上のように、 (ア−1)各要素を設定することにより、マスクを挿脱
することなく、短い時間で多重露光が行える。
【0291】(ア−2)適切に構成したマスクを用いる
ことにより、マスクを交換しないで2光束干渉露光に代
表される周期パターン露光と周期パターンを含まない通
常パターン露光(通常露光)の2つの露光を感光基板
(ウエハ)面上の異なった領域で同時に行うことによ
り、回路パターンをウエハに高いスループットで形成す
ることが可能なマスク及びそれを用いた露光方法を達成
することができる。
【0292】(ア−3)本発明によれば、周期的なパタ
ーンを有するFMマスクと通常パターンを施したRMマ
スクを有した分割マスクを用いて、FMマスクの周期的
パターンとRMマスクの通常パターンを投影光学系を介
して同時に感光基板(ウエハ)面上の異なったチップ領
域に投影露光し、これをステップ方向と逆方向で隣接す
る複数のマスクの組み合わせを変えて繰り返すことによ
り1 チップ領域内を異なったパターンで高いスループッ
トで多重露光することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の実施形態1 の要部概略図
【図2】図1のマスクの説明図
【図3】図1のウエハ面上の投影マスクパターンの説明
【図4】図1の照明光学系の照明方法の説明図
【図5】図1の照明光学系の説明図
【図6】図1の照明光学系の説明図
【図7】図1の露光装置の露光条件の説明図
【図8】図1の露光装置の一部分の説明図
【図9】図1の露光装置の一部分の説明図
【図10】図1の露光装置の一部分の説明図
【図11】本発明の露光方法のフローチャート
【図12】2光束干渉露光による露光パターンを示す説
明図
【図13】レジストの露光感度特性を示す説明図
【図14】現像によるパターン形成を示す説明図
【図15】通常の2光束干渉露光による露光パターンを
示す説明図
【図16】本発明における2光束干渉露光による露光パ
ターンを示す説明図
【図17】本発明の実施形態1において形成できる露光
パターン(リソグラフィーパターン)の一例を示す説明
【図18】本発明の実施形態1において形成できる露光
パターン(リソグラフィーパターン)の他の一例を示す
説明図
【図19】本発明の実施形態1において形成できる露光
パターン(リソグラフィーパターン)の他の一例を示す
説明図
【図20】本発明の実施形態2に係るゲートパターンを
示す説明図
【図21】本発明の実施形態2を示す説明図
【図22】ゲートパターンを説明する図
【図23】形成されたゲートパターンの説明図
【図24】形成されたゲートパターンの説明図
【図25】本発明のマスクの実施形態1の説明図
【図26】本発明のマスクを用いた時のウエハ面上の投
影状態の説明図
【図27】本発明の露光方法の実施形態1の説明図
【図28】本発明の露光方法の実施形態1のウエハ面上
の投影露光の説明図
【図29】本発明の露光方法におけるマスク近傍の説明
【図30】本発明のマスクの実施形態2の説明図
【図31】本発明のマスクを用いたときのウエハ面上の
投影状態の説明図
【図32】本発明の露光方法の実施形態2の説明図
【図33】本発明の露光方法の実施形態2のウエハ面上
の投影露光の説明図
【図34】本発明のマスクの実施形態3の説明図
【図35】本発明のマスクを用いたときのウエハ面上の
投影状態の説明図
【図36】本発明の露光方法の実施形態3の説明図
【図37】本発明の露光方法の実施形態3のウエハ面上
の投影露光の説明図
【図38】本発明のマスクの実施形態4の説明図
【図39】本発明のマスクを用いたときのウエハ面上の
投影状態の説明図
【図40】本発明の露光方法の実施形態4の説明図
【図41】本発明の露光方法の実施形態4のウエハ面上
の投影露光の説明図
【図42】本発明のマスクの実施形態5の説明図
【図43】本発明のマスクを用いたときのウエハ面上の
投影状態の説明図
【図44】本発明の露光方法の実施形態5の説明図
【図45】本発明の露光方法の実施形態5のウエハ面上
の投影露光の説明図
【図46】本発明の露光方法の走査方向の説明図
【図47】本発明のマスクの実施形態6の説明図
【図48】本発明のマスクを用いたときのウエハ面上の
投影状態の説明図
【図49】本発明の露光方法の実施形態6の説明図
【図50】本発明の露光方法の実施形態6のウエハ面上
の投影露光の説明図
【図51】本発明の露光方法の走査方向の説明図
【図52】本発明のデバイスの製造方法のフローチャー
【図53】本発明のデバイスの製造方法のフローチャー
【図54】従来の投影露光装置を示す概略図
【図55】従来の2光束干渉用露光装置の一例を示す概
略図
【符号の説明】
221 エキシマレーザ 222 照明光学系 223 マスク(レチクル) 224 マスク(レチクル)ステージ 225 2光束干渉用マスクと通常投影露光用のマスク 226 マスク(レチクル)チェンジャ 227 投影光学系 228 ウエハ 229 XYZステージ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定面上にパターンを転写する為のマス
    クであって、該マスクはパターン形状が同一の2つのマ
    スクで該パターン形状と異なるパターン形状のマスクを
    挟んで配置して構成していることを特徴とするマスク。
  2. 【請求項2】 パターン形状が同一の2つのマスクで該
    パターン形状と異なるパターン形状のマスクを挟んで配
    置したマスクを照明手段からの光で照明し、該複数のマ
    スクのうち隣接する少なくとも2つのマスクのパターン
    を感光基板上に同時に転写することを特徴とする露光方
    法。
  3. 【請求項3】 前記隣接する少なくとも2つのマスクパ
    ターンで前記感光基板を一方向に転写した後、該少なく
    とも2つのマスクのうち1つのマスクを含まない隣接す
    る少なくとも2つのマスクで該感光基板を逆方向に該感
    光基板上に同一領域を互いに異なったマスクのパターン
    で多重露光していることを特徴とする請求項2の露光方
    法。
  4. 【請求項4】 前記隣接する少なくとも2つのマスクで
    感光基板を露光するとき、該感光基板上の露光方向によ
    って該隣接する少なくとも2つのマスクの組み合わせが
    異なっていることを特徴とする請求項2又は3の露光方
    法。
  5. 【請求項5】 前記少なくとも2つのマスクのうち少な
    くとも1つのマスクを通過する光量を調整する光量調整
    部材を設けていることを特徴とする請求項2,3又は4
    の露光方法。
  6. 【請求項6】 請求項2から5のいずれか1 項の露光方
    法を用いていることを特徴とする露光装置。
  7. 【請求項7】 請求項2から5のいずれか1 項の露光方
    法を用いてレチクル面上のパターンをウエハ面上に転写
    した後、該ウエハを現像処理工程を介してデバイスを製
    造していることを特徴とするデバイスの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6の露光装置を用いて、レチクル
    面上のパターンをウエハ面上に転写した後、該ウエハを
    現像処理工程を介してデバイスを製造していることを特
    徴とするデバイスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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