JP2000074143A - 三次元免震装置 - Google Patents
三次元免震装置Info
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Abstract
震動の免震効果とその震動減衰効果とに優れた小型の三
次元免震装置を提供する。 【解決手段】 上部構造物1を下部構造物2に対し、複
数の皿ばね12を積層した皿ばね組を介して上下方向に
弾性支持する上下免震機能を有する三次元免震装置にお
いて、皿ばね組18の適宜箇所における皿ばね12間に
摩擦板10を介在させ、この摩擦板10と皿ばね12の
大径側周縁部との接触部の摺動摩擦により震動減衰力を
得るとともに、摩擦板10の介在によりその上下の皿ば
ね12を直列配置となして変位ストロークを確保する。
Description
皿ばねを用いた三次元免震装置に係わり、特に、上下の
減衰力の増大化を図った三次元免震装置の改良に関す
る。
物との間に介設されて上部構造物の水平及び上下震動を
吸収可能な三次元免震装置として、多数の皿ばねを積層
してなる上下免震機構としての皿ばね組と水平免震機構
としての積層ゴムアイソレータとを上下に直列に組み合
わせるようにしたものが、例えば特開平8−21867
8号公報等に開示されている。
は、上下震動を各皿ばねのたわみ変形によって吸収する
免震機能と、その変形時における皿ばね同士の接触面の
摺動により震動エネルギーを摩擦エネルギーに変換して
消耗させる震動減衰機能とを有している。即ち、笠状を
なす皿ばねを同一方向に面接触させて多数積み重ねて並
列配置すれば、その重ね合わせる皿ばね同士の総接触面
積に応じて震動減衰力が得られる。ただしこの場合に
は、変位ストロークは単一の皿ばねの最大圧縮変形量に
等しくなる。一方、笠状をなす皿ばねの小径側の頂部同
士および大径側の底部同士をそれぞれ突き合わせて、交
互に逆向きに積み重ねて直列配置すれば、各々の皿ばね
のたわみ変形能力が合算されて上下方向の変位ストロー
クを大きくできる。ただしこの場合には、各皿ばね同士
の接触面による摩擦減衰力は得られなくなる。一般に上
下方向の減衰力が小さい場合が多く、より多くの減衰力
が得られるようなシステムが望まれる。
従来の皿ばねを用いた上下免震機構では、減衰力が十分
でなく、より多くの減衰力が望まれる。特に、変位スト
ロークが得られるように皿ばねを直列配置した場合、減
衰力が得られなくなるので、これを解決する必要があ
る。
めに、本発明の請求項1に示す三次元免震装置にあって
は、上部構造物をその下方の下部構造物に、積層ゴムア
イソレータと水平方向の摩擦ダンパとを並設して免震支
持し、該摩擦ダンパは、上記上部あるいは下部のいずれ
か一方の構造物に固設された滑り板と、積層した複数の
皿ばねを介して他方の構造物に取り付けられて該皿ばね
の弾発力により該滑り板に圧接される滑り材とから構成
した免震装置において、前記積層ゴムアイソレータは上
下方向の剛性を低く設定して上下の震動を吸収可能に形
成すると共に該摩擦ダンパの皿ばね間での摩擦による減
衰力を確保する。特に皿ばねの直列配置の場合には、適
宜箇所に摩擦板を介在させて摩擦による減衰力を得られ
るようにした。
ムの水平方向の変位と摩擦ダンパの横滑りとにより吸収
され、上下震動は、摩擦ダンパの皿バネと積層ゴムとの
上下方向の撓みで吸収される。
構成する滑り板と滑り材との摩擦力以上の水平力が、地
震等で発生した場合に、滑り板と滑り材との間で滑りが
生じ、この滑り摩擦力が減衰力となって地震の伝達を低
減する。つまり、滑り板と滑り材とは上部構造体の重量
で押圧され、発生した滑り摩擦により震動エネルギーを
消費する摩擦ダンパとしての機能有し、摩擦ダンパと並
設した積層ゴムアイソレータによって、その滑りによっ
て生じた上部構造物と下部構造物との相対位置のずれを
基準位置に補正することによって、水平方向の免震作用
を奏する。
の場合、重ね合わせる皿ばね間の適宜箇所に摩擦板を介
在させたので、摩擦板に当接する皿ばねはその変形時に
おいて大径側周縁部が当該摩擦板と摺動することになる
ので、その際に発生する摩擦力により震動エネルギーを
吸収して減衰することができるようになる。従って、変
位ストロークの増大化を図りつつも減衰力が得られるよ
うになる。
板の外径寸法は、前記皿ばねの最大圧縮変位時、つまり
平板状態まで変形されたときの外径寸法よりも大きくし
ておき、皿ばねが最大に圧縮変形されたときにも、皿ば
ねの大径側の外周縁部が摩擦板から脱落しないようにし
ておくことが望ましい。
組で、同一の向きに並列配置される皿ばね同士の接触面
は粗面にして摩擦係数を高く設定することが望ましく、
これにより、上下震動の減衰力の増大化が図れる。
添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明
の第1実施形態にかかる三次元免震装置の概略構成を示
す断面図である。
の建物1と下部構造物としての基礎部材2との対向面間
に、積層ゴムアイソレータ20と上下免震機構を有する
摩擦ダンパ8とを並設し介在した構成となっている。
端板20a,20bと薄いゴムシートと鋼板とを交互に
積み重ねた積層ゴムとで構成され、建物1の下面に積層
ゴムアイソレータ20の上端部の端板20bを、建物1
の下面と対向する基礎部材2の上面に積層ゴムアイソレ
ータ20の下端部の端板20aをそれぞれ固定してい
る。
に取り付けられた支持部材22と、その支持部材22に
対向する基礎部材2の上面に取り付けられた滑り板24
と、滑り板24を押圧するスライド部材26と、スライ
ド部材26の押圧手段としての皿ばね組18と、皿ばね
組18を構成する皿ばね12の位置を規制するガイド1
4とで構成されている。
し、その下面には滑り材28が取り付けられている。こ
こで、前記滑り材28は、フェノール樹脂,メラミン樹
脂,フラン樹脂,ポリイミド樹脂,DFK樹脂,グアナ
ミン樹脂,エポキシ樹脂,キシレン樹脂,シリコーン樹
脂,ジアリルフタレーン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂
などの熱硬化型樹脂を結合材として、アラミド繊維,ガ
ラス繊維,ビニロン繊維,カーボンファイバー,アスベ
ストなどの繊維材料と、カシューダスト,鉛などの摩擦
調整材と、硫酸バリュームなどの充填剤とからなる複合
摩擦材料で形成されている。
下方向に延びる円柱形状のガイド14が一体的に立設さ
れ、スライド部材26上面には前記ガイド14の直径よ
り僅かに大きな貫通孔を有する平坦な円盤状の摩擦板1
0をガイド14を挿通して固定配置し、更にその上側に
は、中央部に前記ガイド14の直径より僅かに大きな貫
通孔を有する笠状の皿ばね12と上記摩擦板10とを交
互に上記ガイド14に挿通して積層配置し、皿ばね組1
8を形成する。ここで、摩擦板10の外径寸法は、皿ば
ね12の最大圧縮変位時の外径寸法、つまり平板状態ま
で圧縮変形されたときの外径寸法よりも大きく設定され
ている。
ちらに向いていてもかまわず、個々にバラバラであって
も良いのであるが、図示例にあっては摩擦板10を挟む
2枚の皿ばね12、12の上下の向きは、全て逆になる
ように重ね合わせている。即ち、皿ばね12の配置は、
スライド部材26上に摩擦板10、その上に下方向に開
いた皿ばね12、その上に摩擦板10その上に上方向に
開いた皿ばね12、さらに、摩擦板10、その上に下方
向に開いた皿ばね12、というように摩擦板10と皿ば
ね12が交互に積み重なり、皿ばね12の上下の向きも
交互に入れ替わるように積み重ねて直列配置している。
ここで、従来の積層ゴムアイソレータは、上部構造物の
支承としても機能していたため、剛性の高いゴムが使用
されていたが、本実施形態に示す上記積層ゴムアイソレ
ータ20は、上下方向の剛性が低く柔らかい免震ゴムを
採用し、上下動の吸収を可能にしている。
建物1の下面に取り付けられた支持部材22には、ガイ
ド14の直径より大きな円形状の凹部16が形成され、
その凹部16にはガイド14の上部先端が入り込んでい
る。また、前記建物1下面に設けられた円形状の凹部1
6の周りにも摩擦板10が固定され、前記積層された複
数の皿ばね12,12,……の最上部の皿ばね12が当
接している。
にあっては、水平震動については、建物1の下面と対向
する基礎部材2の上面間に並設した摩擦ダンパ8と積層
ゴムアイソレータ20とが免震機能を発揮する。即ち、
摩擦ダンパ8を構成する滑り板24と滑り材28との摩
擦力以上の水平力が、地震等で発生した場合に、滑り板
24と滑り材28との間で滑りが生じ、この滑り摩擦力
が減衰力となって地震の伝達を低減する。つまり、滑り
板24と滑り材28とは上部構造体の重量で押圧され、
発生した滑り摩擦により震動エネルギーを消費する摩擦
ダンパ8としての機能有し、摩擦ダンパ8と並設した積
層ゴムアイソレータ20によって、その滑りによって生
じた建物1と基礎部材2との相対位置のずれを基準位置
に補正することによって、水平方向の免震作用を奏す
る。
皿ばねと積層ゴムとの上下方向の撓みで吸収される。即
ち、摩擦ダンパ8の押圧手段として重ね合わせる皿ばね
12,12,……間に摩擦板10を介在させたので、そ
れぞれの皿ばね12,12,……が摩擦板10で仕切ら
れることによって、笠状の上下方向の向きをたとえ同一
の方向に向けて重ね合わせてあったとしても、直列配列
の皿ばね組18として機能することになる。即ち、圧縮
力に対して各々が独立して変形した際、積み重ねた皿ば
ね組18の全体の変形量は個々の皿ばね12の変形量の
総和となり、大きな変形量を得ることができる。従っ
て、地震等の上下方向の震動は皿ばね組全体としての変
形量で吸収されるから、その免震ストロークが大きく確
保されることになり、上下の震動を吸収して建物1に伝
わる震動を小さくすることができる。
変形する際には、皿ばね12は外周部が広がる方向に変
形し、逆に押圧力が弱まると閉じる方向に変形する。こ
のため、摩擦板10に接している皿ばね12の外周部
が、摩擦板10表面を摺動することによって摩擦力を生
じる。この摩擦力が、震動による皿ばね12の圧縮およ
び反発を抑制するとともに、震動の減衰力として働き、
地震等の震動エネルギーを吸収して震動を小さく抑える
ことができる。また、この摩擦力は、皿ばね12外周部
が摩擦板10表面を摺動ことによって発生するものであ
るため、摩擦板10の材質や表面粗さを変更することに
よって、自由に設定することができる。即ち、摩擦板1
0の材質や表面粗さを変更することで、建物1の大きさ
や設置箇所、設置条件等に合わせた所望の減衰力を得る
ことができる。
次元免震装置の概略構成を示す断面図である。この第2
実施形態の三次元免震装置は、その全体的な構成は前述
の図1のものとほぼ同様であり、よって以下には同一の
部材には同一の符号を付してその説明を省略し、相違す
る点について説明する。
間に介在させる皿ばね12の数は各1枚ずつとしたが、
当該図2の実施形態の三次元免震装置では、摩擦板10
間に設ける皿ばね12を同一方向に複数枚ずつ重ねて並
列配置する構成としてあり、ここでは3枚ずつ同一方向
に重ねている。
重ね合わせると、上下震動に伴う皿ばね12のたわみ変
形時に、上下に接触し合う各皿ばね10同士の接触面間
にずれが生じて摺動するから、当該接触面間に摩擦力が
発生し、前記皿ばねの外周部と摩擦板10表面との間で
発生する摩擦力と合わせて、さらに大きな震動減衰力を
得ることができる。ここで、上下に接触して重ね合わさ
れる皿ばね12の接触面を粗面に形成して摩擦係数を高
く設定しておけば、より大きな摩擦力を発生させて、震
動減衰力の増大化を図ることができる。また、当然のこ
とながら、重ね合わせる皿ばねの枚数を調節することに
よって、皿ばねの接触面を増減させ所望の減衰力に設定
できることは勿論である。
々の皿ばね12のばね剛性を違えるなどして、皿ばね組
18全体としての剛性を幅広く調節し得るから、建物震
動の固有周期を予想される外部震動に対して共振しない
領域に設定することが容易に行えるようになる。
示す三次元免震装置にあっては、水平震動に対しては、
建物の下面と対向する基礎部材の上面間に並設した摩擦
ダンパと積層ゴムアイソレータとが免震機能を有する。
これは、摩擦ダンパを構成する滑り板と滑り材との摩擦
力以上の水平力が、地震等で発生した場合に、滑り板と
滑り材との間で滑りが生じ、この滑り摩擦力が減衰力と
なって地震の伝達を低減するものである。つまり、滑り
板と滑り材とは上部構造体の重量で押圧され、発生した
滑り摩擦により震動エネルギーを消費する摩擦ダンパと
しての機能有し、摩擦ダンパと並設した積層ゴムアイソ
レータによって、その滑りによって生じた建物と基礎部
材との相対位置のずれを基準位置に補正することによっ
て、水平方向の免震作用を奏する。
皿ばねと積層ゴムとの上下方向の撓みで吸収される。即
ち、摩擦ダンパの押圧手段として重ね合わせる皿ばね間
の適宜箇所に摩擦板を介在させ、皿ばねのストロークを
増大させるための直列は位置では、減衰力が少なくなる
のを補う。摩擦板に当接する皿ばねはその変形時におい
て大径側周縁部が当該摩擦板と摺動することになるの
で、その際に発生する摩擦力により震動エネルギーを吸
収して減衰することができるようになる。従って、スト
ロークの増大化を図りつつも減衰力が得られるようにな
る。また、積層ゴムアイソレータと上下方向の免震機能
を備えた摩擦ダンパとを並設したので直列に組み合わせ
る場合に比べ上部構造物と下部構造物間のクリアランス
を小さくし、工費が抑えられるため三次元免震装置を備
えた建物を極めて安価で供給することができる。
擦板表面との摺動によって発生するものであるため、摩
擦板の材質や表面粗さを変更することによって、自由に
設定することができる。即ち、摩擦板の材質や表面粗さ
を変更することによって建物の大きさや設置箇所、設置
条件等に合わせた所望の減衰力得ることができる。
の外径寸法を前記皿ばねの最大圧縮変位時、つまり平板
状態まで変形されたときの外径寸法よりも大きくしてお
くことで、皿ばねが最大に圧縮変形されたときにもその
大径側の外周縁部が摩擦板から脱落することを防止で
き、円滑な作動を行わすことができる。
組で、同一の向きに並列配置される皿ばね同士の接触面
は粗面にして摩擦係数を高く設定しておくことで、より
大きな摩擦力を発生させて、震動減衰力の一層の増大化
を図ることができる。
組み込まれた三次元免震装置の概略構成を示す断面図で
ある。
組み込まれた三次元免震装置の概略構成を示す断面図で
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】 上部構造物をその下方の下部構造物に、
積層ゴムアイソレータと水平方向の摩擦ダンパとを並設
して免震支持し、該摩擦ダンパは、上記上部あるいは下
部のいずれか一方の構造物に固設された滑り板と、積層
した複数の皿ばねを介して他方の構造物に取り付けられ
て該皿ばねの弾発力により該滑り板に圧接される滑り材
とから構成した免震装置において、前記積層ゴムアイソ
レータは上下方向の剛性を低く設定して上下の震動を吸
収可能に形成すると共に該摩擦ダンパの皿ばね間には適
宜箇所に摩擦板を介在させて、該摩擦板の上下の皿ばね
を直列配置としたことを特徴とする三次元免震装置。 - 【請求項2】 前記摩擦板の外径寸法は、前記皿ばねの
最大圧縮変位時の外径寸法よりも大きいことを特徴する
請求項1記載の三次元免震装置。 - 【請求項3】 前記皿ばね組で、同一の向きに並列配置
される皿ばね同士の接触面を粗面にして摩擦係数を高く
設定したことを特徴とする請求項1記載の三次元免震装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24537798A JP4244408B2 (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | 三次元免震装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000074143A true JP2000074143A (ja) | 2000-03-07 |
JP4244408B2 JP4244408B2 (ja) | 2009-03-25 |
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- 1998-08-31 JP JP24537798A patent/JP4244408B2/ja not_active Expired - Fee Related
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