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JP2000071121A - 歯車のホーニング加工方法と歯車のホーニング加工方法に使用する歯付ドレッサ - Google Patents

歯車のホーニング加工方法と歯車のホーニング加工方法に使用する歯付ドレッサ

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Publication number
JP2000071121A
JP2000071121A JP28323598A JP28323598A JP2000071121A JP 2000071121 A JP2000071121 A JP 2000071121A JP 28323598 A JP28323598 A JP 28323598A JP 28323598 A JP28323598 A JP 28323598A JP 2000071121 A JP2000071121 A JP 2000071121A
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Akira Takenoshita
明 竹ノ下
Masataka Iwatsubo
正隆 岩坪
Tatsuro Takami
達郎 高見
Teruo Azuma
輝夫 東
Hiroshi Gunhara
宏 郡原
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SEIWA TEKKO KK
Toyota Motor Corp
ASANO GEAR CO Ltd
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SEIWA TEKKO KK
Toyota Motor Corp
ASANO GEAR CO Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23FMAKING GEARS OR TOOTHED RACKS
    • B23F19/00Finishing gear teeth by other tools than those used for manufacturing gear teeth
    • B23F19/05Honing gear teeth

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 線接触の前提でホーニング加工状態或いはド
レッシング加工状態が正確に把握でき、内歯付歯車創成
工具による外歯付ワークのホーニング仕上げの精度を大
幅に向上することができ、内歯付歯車創成工具の使用可
能代を大きくする歯車のホーニング加工方法と歯車のホ
ーニング加工方法に使用する歯付ドレッサの提供。 【解決手段】 内歯付歯車創成工具により歯車状ワーク
の歯面を精密仕上げする歯車のホーニング加工方法にお
いて、内歯付歯車創成工具とドレッシング加工具の対及
び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各対が食い
違い軸線接触歯車を構成するように位置を決定する。歯
付ドレッサは、内歯付歯車創成工具の砥石底歯を除去す
るドレッシング加工具の歯の先端部にスリットを設けた
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯車創成工具をド
レッシング加工具によりドレッシング加工した後、歯車
創成工具により歯車状ワークの歯面を精密仕上げする歯
車のホーニング加工方法と歯車のホーニング加工方法に
使用する歯付ドレッサに関する技術の分野に属するもの
である。
【0002】
【従来の技術】内歯付工具等の歯車創成工具と歯車状ワ
ーク或いは歯付ドレッサ等のドレッシング加工具と歯車
創成工具の位置を決定する場合、理論的には、はすば歯
車の対であるネジ歯車として位置付けし、計算してい
た。例えば、内歯付工具を歯付ドレッサでドレッシング
する場合、その内歯付工具と歯付ドレッサの位置は、交
差角を概ね10度近辺に決め、内歯付工具と歯付ドレッ
サの切り込み方向の位置をネジ歯車として計算し、その
位置を決定していた。しかし、ネジ歯車は、はすば歯車
の対が食い違い軸間に利用されるものであり、他方、内
歯付工具を歯付ドレッサでドレッシングして精密加工し
てできたものは、はすば歯車ではない。
【0003】また、上記のものをネジ歯車として考えた
場合、当然歯面は点接触ということになるが、実際に精
密加工されたものは、線接触のものである。このよう
に、従来の内歯付工具と外歯付ワークや内歯付工具と歯
付ドレッサの位置を決定する方法は、前提を間違えて、
はすば歯車の対であるネジ歯車として位置付けし、計算
していた。このため、点接触の前提での間違った接触状
態の予測からは、ホーニング加工状態、ドレッシング加
工状態が正確に把握できないという問題が生じていた。
【0004】また、従来の歯車状ワークのホーニング加
工状態及び歯車創成工具のドレッシング加工状態を予め
予想するための方法もなかったために、例えば、まずは
すば歯車の対であるネシ歯車として位置付けし、計算し
て位置を決定し、その条件でホーニングテスト加工をし
て、その結果により判断するという方法がとられてい
た。
【0005】また、従来は、予め交差角を概ね10度近
辺に決めて固定していた。このように、交差角を一定と
する方法では、砥石の使用可能代がわずかであるという
問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、内歯付
工具等の歯車創成工具で外歯付ワーク等の歯車状ワーク
を精密にホーニング加工する場合、或いは内歯付工具等
の歯車創成工具を歯付ドレッサ等のドレッシング工具で
ドレッシング加工する場合、従来は、理論的にはネジ歯
車として位置付けていたため上記のような種々の問題が
あった。本発明は、歯車創成工具と歯車状ワーク或いは
歯車創成工具とドレッシング加工具が食い違い軸線接触
歯車を構成するとして、前記の歯車のホーニング加工或
いは歯車創成工具のドレッシング加工における種々の問
題の解決策を提供するものである。
【0007】また、内歯付工具等の歯車創成工具の砥石
の使用可能代を大きく取る方法としては、内歯砥石式歯
車ホーニング加工が始まった当初から、交差角を一定と
しない方法で砥石の使用可能代を大きく出来ることは知
られていた。しかしながら、砥石設計の未熟さ、すなわ
ちねじ歯車前提では上記のように加工状態が把握でき
ず、内歯付工具と外歯付ワークまたは内歯付工具と歯付
ドレッサの位置を決定する方法が複雑であること等の理
由から、実施されていなかった。
【0008】本発明は、食い違い軸線接触歯車として位
置付けし、計算することにより、線接触の前提でホーニ
ング加工状態或いはドレス加工状態が正確に把握でき、
歯車創成工具による外歯付ワークのホーニング仕上げの
精度を大幅に向上することができるとともに、歯車創成
工具の使用可能代を大きくする歯車のホーニング加工方
法、歯車創成工具のドレッシング加工方法及び歯付ドレ
ッサの提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る歯車のホーニング加工方法は、内歯付歯
車創成工具により歯車状ワークの歯面を精密仕上げする
歯車のホーニング加工方法において、歯車状ワークと内
歯付歯車創成工具が食い違い軸線接触歯車を構成するよ
うに位置を決定する。
【0010】上記目的を達成するための本発明に係る歯
車のホーニング加工方法は、内歯付歯車創成工具をドレ
ッシング加工具によりドレッシング加工した後、内歯付
歯車創成工具により歯車状ワークの歯面を精密仕上げす
る歯車のホーニング加工方法において、内歯付歯車創成
工具とドレッシング加工具の対及び歯車状ワークと内歯
付歯車創成工具の対の各対が食い違い軸線接触歯車を構
成するように位置を決定する。
【0011】内歯付歯車創成工具とドレッシング加工具
の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各対
が食い違い軸線接触歯車を構成するように位置を決定す
る歯車のホーニング加工方法において、内歯付歯車創成
工具とドレッシング加工具の対及び歯車状ワークと内歯
付歯車創成工具の対の各対が特定の相対速度場と同じ相
対速度場を作るように内歯付歯車創成工具とドレッシン
グ加工具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の
対の各対のそれぞれの位置を決定する。
【0012】内歯付歯車創成工具とドレッシング加工具
の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各対
が食い違い軸線接触歯車を構成するように位置を決定す
る歯車のホーニング加工方法において、内歯付歯車創成
工具とドレッシング加工具の対及び歯車状ワークと内歯
付歯車創成工具の対の各対のそれぞれの任意の接触位置
における相対速度を特定の相対速度と等しくするように
内歯付歯車創成工具とドレッシング加工具の対及び歯車
状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各対のそれぞれの
位置を決定する。
【0013】内歯付歯車創成工具とドレッシング加工具
の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各対
が食い違い軸線接触歯車を構成するように位置を決定す
る歯車のホーニング加工方法において、内歯付歯車創成
工具とドレッシング加工具の対及び歯車状ワークと内歯
付歯車創成工具の対の各対の任意の点が両者の接触面上
の一点となるように内歯付歯車創成工具とドレッシング
加工具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対
の各対のそれぞれの位置を決定する。
【0014】内歯付歯車創成工具とドレッシング加工具
の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各対
が食い違い軸線接触歯車を構成するように位置を決定す
る歯車のホーニング加工方法において、内歯付歯車創成
工具とドレッシング加工具の対及び歯車状ワークと内歯
付歯車創成工具の対の各対の任意の点を随時変更しなが
ら内歯付歯車創成工具とドレッシング加工具の対及び歯
車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各対のそれぞれ
の位置を随時決定する。
【0015】内歯付歯車創成工具とドレッシング加工具
の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各対
が食い違い軸線接触歯車を構成するように位置を決定す
る歯車のホーニング加工方法において、内歯付歯車創成
工具とドレッシング加工具の対及び歯車状ワークと内歯
付歯車創成工具の対の各対の任意の点とその任意の点以
外の有効歯面における接触状態又は接触線の形態によ
り、内歯付歯車創成工具とドレッシング加工具の対及び
歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各対のそれぞ
れの位置を決定する。
【0016】内歯付歯車創成工具とドレッシング加工具
の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各対
が食い違い軸線接触歯車を構成するように位置を決定す
る歯車のホーニング加工方法において、内歯付歯車創成
工具とドレッシング加工具の対の位置の決定方法とそれ
によって決定された位置と歯車状ワークと内歯付歯車創
成工具の対の位置の決定方法とそれによって決定された
位置を相違させる。
【0017】内歯付歯車創成工具とドレッシング加工具
の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各対
が食い違い軸線接触歯車を構成するように位置を決定す
る歯車のホーニング加工方法において、内歯付歯車創成
工具とドレッシング加工具の対及び歯車状ワークと内歯
付歯車創成工具の対の各対の軸間距離の変更ができる範
囲での交差角の変更範囲を小さくする。
【0018】内歯付歯車創成工具とドレッシング加工具
の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各対
が食い違い軸線接触歯車を構成するように位置を決定す
る歯車のホーニング加工方法において、内歯付歯車創成
工具とドレッシング加工具の対及び歯車状ワークと内歯
付歯車創成工具の対の各対の間にトリミング干渉が生ず
ると、内歯付歯車創成工具の歯幅端の形状を検知し、該
検知された歯幅端の形状に沿って内歯付歯車創成工具と
ドレッシング加工具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車
創成工具の対の各対のそれぞれを軸方向から噛み合わせ
る。
【0019】内歯付歯車創成工具とドレッシング加工具
の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各対
が食い違い軸線接触歯車を構成するように位置を決定す
る歯車のホーニング加工方法において、内歯付歯車創成
工具とドレッシング加工具の対及び歯車状ワークと内歯
付歯車創成工具の対の各対の交差角のプラス側とマイナ
ス側にまたがって使用する。
【0020】内歯付歯車創成工具とドレッシング加工具
の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各対
が食い違い軸線接触歯車を構成するように位置を決定す
る歯車のホーニング加工方法において、歯車状ワークの
歯面の精密仕上げ前のドレッシング加工に、内歯付歯車
創成工具の歯底部分を除去するサイクルを付加する。
【0021】本発明に係る歯車のホーニング加工方法に
使用する歯付ドレッサは、内歯付歯車創成工具の砥石歯
底を除去するドレッシング加工具の歯の先端部にスリッ
トを設けたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】図1から図4を参照して本発明に
係る歯車のホーニング加工方法の第1実施例について説
明する。図1及び図2は内歯付工具2例えばホーニング
用砥石の内歯10によって外歯付ワーク1の外歯9がホ
ーニング加工されている状況を示しており、内歯付工具
2はホーニング用砥石歯車軸の中心26の周りをω
回転速度で矢印方向に回転しており、センタ14、14
に支持された支持軸13に固定された外歯付ワーク1は
支持軸13の中心25の周りを回転速度ωで矢印方向
に回転して、外歯付ワーク1の外歯9がホーニング加工
される。内歯付工具2と外歯付ワーク1は交差角γを有
するように傾斜して取り付けられており、ワーク1の外
歯9がホーニング加工過程にある内歯付工具2と外歯付
ワーク1との軸間距離a及び前記交差角γは、数値制御
されている。15は工具のホルダ、16は押え具であ
る。
【0023】図3及び図4は外歯付ワーク1の外歯9を
ホーニング加工する内歯付工具2がその前工程としてド
レス歯車3によって、ドレッシング加工されている状況
を示している。内歯付歯車創成工具すなわち内歯付工具
2の内歯10がドレス歯車3の歯11によってドレッシ
ング加工されている状況を示しており、内歯付工具2は
ホーニング用砥石歯車軸の中心26の周りをωの回転
速度で矢印方向に回転している。センタ14、14に支
持された支持軸13に固定されたドレス歯車3は支持軸
13の中心25の周りを回転速度ωで矢印方向に回転
して、内歯付工具2の内歯10がドレッシング加工され
る。内歯付工具2とドレス歯車3は交差角γを有するよ
うに傾斜して取り付けられており、内歯付工具2の歯1
1がドレッシング加工過程にある内歯付工具2とドレス
歯車3との軸間距離aと交差角γは、数値制御されてい
る。15は工具のホルダ、16は押え具である。
【0024】図1から図4に示すように、内歯付工具2
はドレス歯車3によりドレッシング加工された後、歯車
状ワークすなわち外歯付ワーク1の歯9の面を精密仕上
げする。しかし、この場合、内歯付工具2の内歯10が
外歯付ワーク1の外歯9を十分に精密仕上げできるとき
には、前記ドレッシング加工は省略される。なお、ドレ
ッシング加工からドレッシング加工までの間をドレスイ
ンターバルという。
【0025】内歯付工具2とドレス歯車3の対及び歯車
状ワーク1と内歯付工具2の対の各対のそれぞれは、互
いに食い違い軸線接触歯車を構成するように位置を決定
して、外歯付ワーク1の外歯9を内歯付工具2で精密加
工する。
【0026】図5に示すように、本発明に係る内歯付歯
車創成工具のドレッシング加工方法に使用する歯付ドレ
ッサの一例として、歯付ドレッサ3には、外歯付ワーク
1を加工するための内歯付工具2の砥石面をドレッシン
グ加工する歯車の歯11の先端部18に、その歯幅方向
に複数のスリット19がほぼ均等間隔に設けられてい
る。消耗が激しい歯付ドレッサ3の歯11の先端部18
の歯幅方向に複数のスリット19がほぼ均等間隔に設け
られているので、歯付ドレッサ3の歯11の先端部18
の面積が増え、砥石の歯底を容易に除去することができ
る。また、歯付ドレッサ3の歯11の先端部18の消耗
も少なくてすみ、歯付ドレッサ3の寿命を延ばすことが
できる。
【0027】本発明に係る歯車のホーニング加工方法に
おけるホーニング用砥石軸、媒介歯車軸及び被削歯車軸
の位置関係を示す模式図である図6を参照して本発明に
係る歯車のホーニング加工方法の第2実施例について説
明する。内歯付工具2のホーニング用砥石歯車軸4は、
ωの回転速度で矢印方向に回転しており、ホーニング
用砥石歯車軸4とドレス歯車軸6とは軸間距離aを保っ
ており、ドレス歯車軸6はωの回転速度で矢印方向に
回転している。そして、両者の相対速度は、それらの間
の瞬間軸7の周りにネジ運動の場をつくっている。ここ
に第3の歯車軸、すなわち媒介歯車軸5が考えられる。
本実施例においては、この媒介歯車軸5を仲介とする理
論を用いる。この場合、ある特定の相対速度、例えば砥
石の使用始めと全く同じ相対速度を作るように内歯付工
具2と歯付ドレッサ3の位置を決定すると、砥石の使用
始めと全く同じ接触線が得られる。なお、8はこれら3
つの軸の共通垂線、γは内歯付工具2と外歯付ワーク1
との交差角、23はホーニング用砥石とドレス歯車の相
対速度を示している。
【0028】本発明に係る歯車のホーニング加工方法に
おけるホーニング用砥石歯車軸、瞬間軸及びドレス歯車
軸の位置関係を示す模式図である図7を参照して本発明
の第3実施例について説明する。例えば歯付ドレッサ3
と砥石の任意接触位置における相対速度をある特定な相
対速度、例えば砥石の使用始め、と等しくするようにド
レス歯車3と瞬間軸7の位置を決定する。22はねじ螺
旋、23は円弧近似線、24は点Pにおける相対速度ベ
クトルである。ホーニング用砥石歯車軸4とドレス歯車
軸6との間の7は瞬間軸である。このように、歯面上の
1点Pにおける相対速度場を与えて相手歯車軸を決定す
る。
【0029】本発明に係る歯車のホーニング加工方法に
おけるホーニング用砥石軸、ドレス歯車軸の位置関係を
示す模式図である図8を参照して本発明の第4実施例に
ついて説明する。例えば、ドレス歯車3の歯面17上の
一点に注目し、この点の面法線のみが望む相対運動のも
とで接触の条件を満たすように決定する。例えば内歯付
工具2とドレス歯車3の両軸間距離aと回転比を定める
と、ドレス歯車3の任意位置における歯面17上の任意
点Pのドレス歯車面の法線nが接触の条件を満足するよ
うに交差角γを定める。
【0030】本発明に係る歯車のホーニング加工方法に
おけるホーニング用砥石軸、ドレス歯車軸の位置関係を
示す模式図である図9を参照して本発明の第5実施例に
ついて説明する。例えば、ドレス歯車上で接触点の軌
跡、例えば、初期位置における接触面上の任意曲線を与
え、この任意の点の面法線が望む相対運動のもとで接触
の条件を満足するような軸関係を定める。例えば、両軸
の軸間距離と回転比を一定に保つと、交差角γが連続的
に変化することになる。歯付ドレッサ3の歯車面上に任
意の接触線の軌跡を示す線21を与え、所要の回転比の
もとでのこの上のすべての点におけるドレス歯車3の歯
面17の法線nが接触の条件を満足するように軸関係を
定めると、例えば両軸間距離aと回転比を一定に定める
と、交差角γが連続的に変化する。
【0031】図10は本発明に係る歯車のホーニング加
工方法の第6実施例における砥石面の創成の様子を示す
グラフ図、図11は第6実施例における接触線の形態の
一例を示すグラフ図である。このように、ドレス歯車3
の歯面17全体の接触状態及び接触線の形態、例えば相
対滑りの大きさや方向等が把握でき、外歯付ワーク1の
歯面17とホーニング加工面をコントロールできるとと
もに、曲率干渉、第2種の干渉等の干渉を避けるように
軸位置を決定出来る。
【0032】前記のように、歯面17全体の接触状態及
び接触線形態、ドレッシング加工後の砥石の歯面の形態
及び砥石と外歯付ワーク1を噛み合わせた時の状態も分
かるので、例えば、ドレッシング加工時とホーニング加
工時の軸位置関係や位置の決め方を変えることにより所
要の歯面例えば修正歯面を容易に創成することができ
る。
【0033】図12は本発明に係る歯車のホーニング加
工方法の第7実施例における軸間距離拡大量と交差角と
の関係を示すグラフ図である。L1は交差角γの範囲を
小さく選んだライン、L2は交差角γの通常選択ライン
そしてSは交差角γの実用使用可能範囲をそれぞれ示し
ている。このグラフ図によると、例えば、実用使用可能
範囲内で軸間距離aと交差角γを選定することができる
ので、例えば交差角γが0°になることを避けるよう
に、また冶具、ローダー等の干渉を避けるために交差角
γの範囲或いは交差角γを小さく選ぶことができる。ま
た、交差角範囲を小さく選ぶことにより、1回当たりの
ドレッシング加工量が少なくてすむのでトータルのホー
ニング加工数を増やすことができる。
【0034】例えば、交差角γを大きくして砥石のネジ
レ角が大きくなった場合、半径方向に移動して噛み合わ
せることが出来ない、いわゆるトリミング干渉が起るこ
とがある。この場合、内歯付工具2と歯付ドレッサ3と
の間にトリミング干渉があると、砥石の使用範囲を限定
することになる。本発明では、内歯付工具2の歯幅12
端の形状を検知し、内歯付工具2と歯付ドレッサ3を軸
方向から噛み合わせることにより、内歯付工具2の砥石
の面を歯付ドレッサ3により創成する。砥石の歯幅方向
の形状も把握できるので、強制同期の場合は勿論、連れ
回りの場合のオリエンテーションによる歯合わせでも軸
方向移動による噛み合わせが可能となる。
【0035】例えば、内歯付工具2と歯付ドレッサ3の
両軸間距離Lを拡大していくと被加工歯車の諸元上の交
差角γが0°になる場合がある。従来、こうした場合、
交差角γが0°になる手前まで使用していたが、本発明
の交差角γのプラス側とマイナス側にまたがって使用す
る内歯付工具2の内歯10面のドレッシング加工方法で
は、交差角γが0°を超えて、交差角γの+側と−側
(0°を通過する)を跨って使用するので、砥石の使用
量が大幅に増加する。
【0036】内歯付工具2と歯付ドレッサ3の両軸間距
離aを拡大していくと、内歯付工具2を例えば、半径方
向に30mm程度ドレッシングすることになる。この場
合、歯付ドレッサ3の歯先の先端部の消耗が激しいため
に、例えば、砥石の歯底を除去する歯付ドレッサ3を用
いて内歯付工具2の歯底部分を除去するサイクルを付加
させると、歯底部分を容易に除去することができる。こ
のドレッシング加工方法は、歯面ドレス以外のサイクル
で付随的に行っても良い。
【0037】また、ホーニング加工機は、例えば、内歯
付工具2の位置軸と歯付ドレッサ3の位置軸は3次元的
位置関係にあり、それらの同期と内歯付工具2の回転軸
と歯付ドレッサ3の回転軸の連れ廻りと強制回転同期が
可能である。
【0038】また従来、予め交差角γを概ね10°近辺
に決めて固定していたために、砥石の使用可能代が僅か
しかなかったが、本発明によると砥石の使用可能代を大
きくすることができる。また、例えば内歯付工具2と外
歯付ワーク1或いは、内歯付工具2と歯付ドレッサ3の
両軸の位置と交差角γを決定する本発明により、確実且
つ容易に砥石の使用可能代を大きくすることができる。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る歯車のホーニング加工方法
は、ドレッシング加工時とホーニング加工時の軸位置関
係や位置の決め方を変えることにより所要の歯面例えば
修正歯面を容易に創成することができるとともに、砥石
の使用代が大幅に伸び、更に、交差角範囲を小さく選ぶ
ことにより、1回当たりのドレッシング加工量が少なく
てすむのでトータルのホーニング加工数を増やすことが
できるという効果を有する。
【0040】本発明に係る歯車のホーニング加工方法
は、砥石の歯幅方向の形状も把握でき、強制同期の場合
は勿論、連れ回りの場合のオリエンテーションによる歯
合わせでも軸方向移動による噛み合わせが可能となると
ともに、確実且つ容易に砥石の使用可能代を大きくする
ことができるという効果を有する。
【0041】本発明に係る歯車のホーニング加工方法に
使用する歯付ドレッサは、先端部の面積が増え、砥石の
歯底を除去する率を上げることができ、また、先端部の
消耗も少なくてすみ、歯付ドレッサの寿命を延ばすこと
ができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯車のホーニング加工方法の第1
実施例における歯車状ワークと内歯付歯車創成工具との
位置関係を説明するための一部を断面で示す説明図であ
る。
【図2】図1のA−A線での断面図である。
【図3】本発明に係る歯車のホーニング加工方法の第1
実施例における歯付ドレッサと内歯付歯車創成工具との
位置関係を説明するための一部を断面で示す説明図であ
る。
【図4】図2のB−B線での断面図である。
【図5】本発明に係る歯車のホーニング加工方法に使用
する歯付ドレッサの一部を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る歯車のホーニング加工方法の第2
実施例におけるホーニング用砥石軸、媒介歯車軸及びド
レス歯車軸の位置関係を示す模式図である。
【図7】本発明に係る歯車のホーニング加工方法の第3
実施例におけるホーニング用砥石歯車軸、瞬間軸及びド
レス歯車軸の位置関係を示す模式図である。
【図8】本発明に係る歯車のホーニング加工方法の第4
実施例におけるホーニング用砥石軸、ドレス歯車軸及び
歯面の位置関係を示す模式図である。
【図9】本発明に係る歯車のホーニング加工方法の第5
実施例におけるホーニング用砥石軸、ドレス歯車軸及び
歯面の位置関係を示す模式図である。
【図10】本発明に係る歯車のホーニング加工方法の第
6実施例における砥石面の創成の様子を示すグラフ図で
ある。
【図11】本発明に係る歯車のホーニング加工方法の第
6実施例における接触線の形態例を示すグラフ図であ
る。
【図12】本発明に係る歯車のホーニング加工方法の第
7実施例における軸間距離拡大量と交差角との関係を示
すグラフ図である。
【符号の説明】
1 外歯付ワーク 2 内歯付工具 3 ドレス歯車 4 ホーニング用砥石歯車軸 5 媒介歯車軸 6 ドレス歯車軸 7 瞬間軸 8 共通垂線 9 ワークの外歯 10工具の内歯 11ドレス歯車の歯 17ドレス歯車の歯面 18ドレス歯車の歯の先端部 19スリット a 軸間距離 γ 交差角
フロントページの続き (72)発明者 竹ノ下 明 島根県簸川郡斐川町大字上直江2139番地の 5 清和鉄工株式会社出雲工場内 (72)発明者 岩坪 正隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 高見 達郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 東 輝夫 大阪府大阪狭山市東池尻4丁目1402番地の 1 株式会社浅野歯車工作所内 (72)発明者 郡原 宏 島根県松江市法吉町249番地14 Fターム(参考) 3C047 AA35 CC12 DD12 EE16

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内歯付歯車創成工具により歯車状ワーク
    の歯面を精密仕上げする歯車のホーニング加工方法にお
    いて、歯車状ワークと内歯付歯車創成工具が食い違い軸
    線接触歯車を構成するように位置を決定することを特徴
    とする歯車のホーニング加工方法。
  2. 【請求項2】 内歯付歯車創成工具をドレッシング加工
    具によりドレッシング加工した後、内歯付歯車創成工具
    により歯車状ワークの歯面を精密仕上げする歯車のホー
    ニング加工方法において、内歯付歯車創成工具とドレッ
    シング加工具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工
    具の対の各対が食い違い軸線接触歯車を構成するように
    位置を決定することを特徴とする歯車のホーニング加工
    方法。
  3. 【請求項3】 内歯付歯車創成工具とドレッシング加工
    具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各
    対が特定の相対速度場と同じ相対速度場を作るように内
    歯付歯車創成工具とドレッシング加工具の対及び歯車状
    ワークと内歯付歯車創成工具の対の各対のそれぞれの位
    置を決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の歯車のホーニング加工方法。
  4. 【請求項4】 内歯付歯車創成工具とドレッシング加工
    具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各
    対の任意の接触位置における相対速度を特定の相対速度
    と等しくするように内歯付歯車創成工具とドレッシング
    加工具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対
    の各対のそれぞれの位置を決定することを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の歯車のホーニング加工方
    法。
  5. 【請求項5】 内歯付歯車創成工具とドレッシング加工
    具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各
    対の任意の点が両者の接触面上の一点となるように内歯
    付歯車創成工具とドレッシング加工具の対及び歯車状ワ
    ークと内歯付歯車創成工具の対の各対のそれぞれの位置
    を決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載の歯車のホーニング加工方法。
  6. 【請求項6】 内歯付歯車創成工具とドレッシング加工
    具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各
    対の任意の点を随時変更しながら内歯付歯車創成工具と
    ドレッシング加工具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車
    創成工具の対の各対のそれぞれの位置を随時決定するこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項4又は
    請求項5に記載の歯車のホーニング加工方法。
  7. 【請求項7】 内歯付歯車創成工具とドレッシング加工
    具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各
    対の任意の点とその任意の点以外の有効歯面における接
    触状態又は接触線の形態により、内歯付歯車創成工具と
    ドレッシング加工具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車
    創成工具の対の各対のそれぞれの位置を決定することを
    特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項4又は請求
    項5に記載の歯車のホーニング加工方法。
  8. 【請求項8】 内歯付歯車創成工具とドレッシング加工
    具の対の位置の決定方法とそれによって決定された位置
    と歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の位置の決定
    方法とそれによって決定された位置を相違させることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の歯車のホーニ
    ング加工方法。
  9. 【請求項9】 内歯付歯車創成工具とドレッシング加工
    具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各
    対の軸間距離の変更ができる範囲での交差角の変更範囲
    を小さくすることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の歯車のホーニング加工方法。
  10. 【請求項10】 内歯付歯車創成工具とドレッシング加
    工具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の
    各対において、トリミング干渉が生ずると、内歯付歯車
    創成工具の歯幅端の形状を検知し、該検知された歯幅端
    の形状に沿って内歯付歯車創成工具とドレッシング加工
    具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の各
    対のそれぞれを軸方向から噛み合わせることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の歯車のホーニング加工
    方法。
  11. 【請求項11】 内歯付歯車創成工具とドレッシング加
    工具の対及び歯車状ワークと内歯付歯車創成工具の対の
    各対の交差角のプラス側とマイナス側にまたがって使用
    することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の歯
    車のホーニング加工方法。
  12. 【請求項12】 歯車状ワークの歯面の精密仕上げ前の
    ドレッシング加工に、内歯付歯車創成工具の歯底部分を
    除去するサイクルを付加させることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の歯車のホーニング加工方法。
  13. 【請求項13】 内歯付歯車創成工具の砥石歯底を除去
    するドレッシング加工具の歯の先端部にスリットを設け
    たことを特徴とする歯車のホーニング加工方法に使用す
    る歯付ドレッサ。
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