JP2000064559A - 化粧板の取り付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】化粧板をホルダーを介して取り付けることで、
表面に凹溝を有する化粧板の施工を容易に行えるよう
し、化粧板表面から打ち込むビスを少なくして見た目の
良い化粧壁面を得る。 【解決手段】壁面から立ち上げた先端部に化粧板３の上
端部が掛止する被掛止部２３を設けてなる長尺のホルダ
ー２と、長手方向に連続して伸びる凹溝３２を有する長
尺材の上端部に掛止部３１を設け、下端部に壁面と接合
する折り返し部３３を設けてなる化粧板３とを具備し、
壁面に固定されたホルダー２の先端部に掛止部３１を重
ね合わせるようにして化粧板３を掛止させ、掛止された
化粧板３の凹溝３２の裏面を４ビスなどにより壁面に固
着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建造物壁面への化
粧板の取り付け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】建造物
の屋内外の壁面には、外観上の美的効果等の観点から化
粧板を取り付けることがある。この内、図８に示されて
いるように、軒桁と平行な連続する凹溝を壁面に現出す
る化粧板、いわゆる化粧胴差しを取り付ける場合、従
来、化粧板１１を手で支持しながら壁面１２の取り付け
位置に接合し、支持したままその上部、凹部及び下部の
三箇所にビス１３を打って固定する取り付け構造がとら
れており、取り付けに手間を要し施工効率が悪いという
問題があった。また、ビスを打ちつける箇所及び本数も
多いため、化粧板表面でビスが目立ち、見た目もあまり
良くないという問題があった。

【０００３】本発明は、従来技術の有するこのような問
題点に鑑み、化粧板をホルダーを介して取り付けるよう
にすることで、表面に凹溝を有するこの種の化粧板の施
工を容易に行えるようし、化粧板表面から打ち込むビス
を少なくして見た目の良い化粧壁面が得られるようにす
ることを課題とする。

【０００４】上記課題を解決するため本発明の化粧板の
取り付け構造は、躯体壁面の所定位置に固定され、この
壁面から立ち上げた先端部に化粧板の上端部が掛止する
被掛止部を設けてなる長尺のホルダーと、長手方向に連
続して伸びる凹溝を有する長尺材の上端部に掛止部を設
け、下端部に壁面と接合する折り返し部を設けてなる化
粧板とを具備し、壁面に固定されたホルダーの先端部に
掛止部を重ね合わせるようにして化粧板を掛止させ、掛
止された化粧板の上記凹溝の裏面をビスなどにより壁面
に固着してなる構成を有するものである。

【０００５】この構成によれば、壁面に固定したホルダ
ーに化粧板を掛止し、その後、化粧板の凹溝から壁面に
ビスを打ち込んで化粧板が固定される。ホルダーに化粧
板を仮止めできるのでビスを打ち込む際に化粧板を手で
支持する必要がなく、上記凹溝の部分のみがビス止めさ
れるので、ビスが目立たず、化粧壁面の見た目も良くな
る。

【０００６】また、本発明の化粧板の取り付け構造は、
躯体壁面の所定位置に固定され、この壁面から立ち上げ
た一端部に化粧板の端部が掛止する被掛止部を設け、こ
れと反対側に壁面から延長した他端部に化粧板の他端部
が係合する被係合部を設けると共に、化粧板の凹溝との
接合部を有するホルダーと、長手方向に連続して伸びる
凹溝を有する長尺材の一端部に掛止部を設け、他端部に
裏面側への折り返し部を設けてなる化粧板とを具備し、
壁面に固定されたホルダーの一端部に掛止部を重ね合わ
せるようにして化粧板を掛止させ、ホルダー他端部の被
係合部に化粧板の折り返し部を係合させ、化粧板の凹溝
の裏面をビスなどによりホルダーの接合部に固着してな
る構成を有するものである。

【０００７】この構成によれっても前記構成と同様、ホ
ルダーに化粧板を掛止した後に凹溝からホルダーにビス
を打ち込んで化粧板を固定することができ、また、長手
方向を水平に向けて固定したホルダーに対しても、ホル
ダー両端に化粧板の両端を掛止又は係合して結合するこ
とで、化粧板の長手方向を壁面に対して鉛直に向けて取
り付けることもできる。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態を図面を
参照して説明する。図１は本発明の取り付け構造の一例
を示した縦断面図、図２は図１に示す形態のホルダーの
断面斜視図、図３は図１に示す形態の化粧板の断面図、
図４は図１に示す形態の化粧板を入隅と出隅に適用した
場合の外観図、図５は本発明の取り付け構造の他の例を
示した縦断面図、図６は図５に示す形態のホルダーの斜
視図、図７は図４に示す形態の化粧板の断面図であり、
図中、符号１は躯体、２はホルダー、３は化粧板、４は
ビス、５はコーキングなどのバックアップ材を示してい
る。

【０００９】図１〜図４に示した形態において、ホルダ
ー２は、長尺材を折り曲げ、取り付け孔２１を有する固
定部２２に対し、適宜高さで立ち上げた先端部を段状に
折曲し、さらに固定部２２と平行に折り返して、その端
部に被掛止部２３を設けて形成してある。

【００１０】化粧板３は、長尺材を用いて適宜長さに形
成されており、その上端部は上記ホルダー２の被掛止部
２３に重合するように先端を裏面に折り返して断面下向
きコ字状の掛止部３１を構成し、上端部と下方に連なる
表面部に裏面に突設した長手方向に連続して伸びる凹溝
３２を設けると共に、その下端部は先端を裏面に折り返
して断面上向きコ字状の折り返し部３３を構成し、掛止
部３１をホルダー２の被掛止部２３に掛止した状態で、
凹溝３２の裏面と折り返し部３３とが壁面に接合するよ
うに設けてある。なお、凹溝３２とその上の表面部との
折れ部には、化粧板内部に進入した水を抜くための孔３
２ａが穿設してある。

【００１１】従って、本形態における化粧板３の取り付
けは、予め躯体１の壁面所定箇所にホルダー２をビス４
によって締付固定しておき、化粧板３をその掛止部３１
をホルダー２の被掛止部２３の内側に差し入れながら掛
止させ、その後、凹溝３２からビス４を壁面に打ち込ん
で化粧板３を躯体１に固着することにより行うことがで
きる。また、化粧板３を取り付けた後、ホルダー２の被
掛止部２３と壁面との間に溝ができるので、この中にバ
ックアップ材５を充填すればよい。

【００１２】なお、躯体１の隅部やコーナー部の壁面に
おいても、図４に示す如く、入隅では化粧板３を内方に
直角に折り曲げ或いは直角に連ねて形成したものを、入
隅では化粧板３を外方に直角に折り曲げ或いは直角に連
ねて形成したものをそれぞれ用い、また、これと同様に
折曲形成したホルダー２を用いて取り付けることができ
る。

【００１３】図５〜図７に示した形態においては、ホル
ダー２は、適宜な幅の板材を折り曲げ、取り付け孔２１
を有する固定部２２に対し、適宜高さで立ち上げた先端
部を段状に折曲し、さらに固定部２２と平行に折り返し
て、その端部に被掛止部２３を設け、また、固定部２２
の下端部を固定部２２に対して適宜な高さ下方に傾斜さ
せると共に固定部２２と平行に延長して化粧板３の凹溝
が接合する接合面部２４を設け、その下側に取り付け孔
２５を有する固定部２６を設け、さらにその下端部に断
面下向きＶ字状に折り曲げてなる被係合部２７を設けて
形成してある。上記接合面部２４にはビス挿通用の取り
付け孔２８が穿設してある。

【００１４】化粧板３は、長尺を用いて適宜長さに形成
されており、その上端部は上記ホルダー２の被掛止部２
３に重合するように断面下向きコ字状に折り返し、且つ
その先端部を水平に折曲してなる掛止部３１を構成し、
上端部と下方に連なる表面部に裏面に突設した長手方向
に連続して伸びる凹溝３２を設けると共に、その下端部
は先端を裏面に折り返して断面上向きコ字状の折り返し
部３３を構成し、掛止部３１をホルダー２の被掛止部２
３に掛止した状態で、凹溝３２の裏面がホルダー２の接
合面部２４に接合し、折り返し部３３がホルダー２の被
係合部２７に係合するように設けてある。

【００１５】従って、本形態における化粧板３の取り付
けは、予め躯体１の壁面所定箇所にホルダー２をビス４
によって締付固定しておき、化粧板３をその掛止部３１
をホルダー２の被掛止部２３の内側に差し入れながら掛
止させると共に、折り返し部３３を被係合部２７に係合
させて化粧板３をホルダー２に結合し、その後、凹溝３
２からビス４をホルダー２の接合面部２４に打ち込んで
化粧板３をホルダー２に固着することにより行うことが
できる。この場合、化粧板３を取り付けた後、化粧板３
の掛止部３１と壁面との間に溝ができるので、この中に
バックアップ材５を充填することができる。

【００１６】なお、図５〜図７に示した形態では、ホル
ダー２を、その長手方向を鉛直に向けて壁面に固定し、
その上下両端に化粧板３が掛止又は係合するように設け
たが、ホルダー２を、その長手方向を水平に向けて壁面
に固定した場合にも、その左右両端に化粧板３の対応端
部を掛止し又は係合して取り付けることができる。この
場合、化粧板３は長尺方向を鉛直に向けて取り付けられ
ることになる。入隅、出隅などの隅部やコーナー部にお
いても、壁面の折曲形状に対応させて折曲されたホルダ
ー２、化粧板３を用いて化粧壁面を構成できるのは前述
の形態と同様である。

【００１７】上記何れの形態であっても、躯体１にホル
ダー２を固定し、このホルダー２に化粧板３を掛止して
両部材を結合し、その後、化粧板３の凹部から壁面又は
ホルダー２にビス４を打ち込むことにより化粧板３を壁
面に取り付けることができる。よって、従来の如くビス
４を打ち込んでいる間に化粧板３を支持する必要がな
く、容易且つ迅速に化粧壁面の施工が可能となる。ま
た、化粧板３の凹部のみにビス４が打ち込まれるので、
使用するビスが少なくて済み、凹部に隠れたビズは目立
たず、化粧壁面の外観を向上させることができる。

【００１８】

【発明の効果】本発明の化粧板の取り付け構造によれ
ば、化粧板をホルダーを介して取り付けるようにしてい
るので、表面に連続した凹部を有するこの種の化粧板の
施工を容易に行え、化粧板表面から打ち込むビスを少な
くして見た目の良い化粧壁面を構成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の化粧板の取り付け構造の一例を示した
縦断面図である。

【図２】図１に示す形態のホルダーの断面斜視図であ
る。

【図３】図１に示す形態の化粧板の断面図である。

【図４】図１に示す形態の化粧板を入隅と出隅に適用し
た場合の外観図である。

【図５】本発明の化粧板の取り付け構造の他の例を示し
た縦断面図である。

【図６】図５に示す形態のホルダーの斜視図である。

【図７】図４に示す形態の化粧板の断面図である。

【図８】従来の化粧板の取り付け構造の一例を示した縦
断面図である。

【符号の説明】

1 躯体 2 ホルダー 3 化粧板 4 ビス 5 バックアップ材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 躯体壁面の所定位置に固定され、この壁
   面から立ち上げた先端部に化粧板の上端部が掛止する被
   掛止部を設けてなる長尺のホルダーと、長手方向に連続
   して伸びる凹溝を有する長尺材の上端部に掛止部を設
   け、下端部に壁面と接合する折り返し部を設けてなる化
   粧板とを具備し、壁面に固定されたホルダーの先端部に
   掛止部を重ね合わせるようにして化粧板を掛止させ、掛
   止された化粧板の上記凹溝の裏面をビスなどにより壁面
   に固着してなる構成を有する化粧板の取り付け構造。
2. 【請求項２】 躯体壁面の所定位置に固定され、この壁
   面から立ち上げた一端部に化粧板の端部が掛止する被掛
   止部を設け、これと反対側に壁面から延長した他端部に
   化粧板の他端部が係合する被係合部を設けると共に、化
   粧板の凹溝との接合部を有するホルダーと、長手方向に
   連続して伸びる凹溝を有する長尺材の一端部に掛止部を
   設け、他端部に裏面側への折り返し部を設けてなる化粧
   板とを具備し、壁面に固定されたホルダーの一端部に掛
   止部を重ね合わせるようにして化粧板を掛止させ、ホル
   ダー他端部の被係合部に化粧板の折り返し部を係合さ
   せ、化粧板の凹溝の裏面をビスなどによりホルダーの接
   合部に固着してなる構成を有する化粧板の取り付け構
   造。