JP2000059081A - 電磁波シールド材料の製造方法 - Google Patents
電磁波シールド材料の製造方法Info
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- JP2000059081A JP2000059081A JP10222800A JP22280098A JP2000059081A JP 2000059081 A JP2000059081 A JP 2000059081A JP 10222800 A JP10222800 A JP 10222800A JP 22280098 A JP22280098 A JP 22280098A JP 2000059081 A JP2000059081 A JP 2000059081A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】CRT、LCD、PDP、ELなどのディスプ
レイおよびそれらの前面に設置されるフィルターとして
適用可能な、ガラスや樹脂基板に金属薄膜を積層した電
磁波シールド材料において、電磁波シールド効果、可視
光透過性、基板と金属薄膜との密着性、金属薄膜の均一
性に優れた電磁波シールド材料を、安価なコストで製造
するための方法を提供する。 【解決手段】ガラスまたは樹脂からなる基板の少なくと
も片側の面に、導電性を有する金属の薄膜を積層し、し
かる後にその金属薄膜層を研磨することを特徴とする可
視光透過性電磁波シールド材料の製造方法。
レイおよびそれらの前面に設置されるフィルターとして
適用可能な、ガラスや樹脂基板に金属薄膜を積層した電
磁波シールド材料において、電磁波シールド効果、可視
光透過性、基板と金属薄膜との密着性、金属薄膜の均一
性に優れた電磁波シールド材料を、安価なコストで製造
するための方法を提供する。 【解決手段】ガラスまたは樹脂からなる基板の少なくと
も片側の面に、導電性を有する金属の薄膜を積層し、し
かる後にその金属薄膜層を研磨することを特徴とする可
視光透過性電磁波シールド材料の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波シールド材
料の製造方法に関し、更に詳しくは、ブラウン管(以下
CRTと略す)、液晶(以下LCDと略す)、プラズマ
ディスプレイ(以下PDPと略す)、エレクトロルミネ
ッサンス(以下ELと略す)、発光ダイオード(以下L
EDと略す)などのディスプレイおよびそれらの前面に
設置されるフィルターに用いられる可視光透過性を有す
る電磁波シールド材料の製造方法に関する。
料の製造方法に関し、更に詳しくは、ブラウン管(以下
CRTと略す)、液晶(以下LCDと略す)、プラズマ
ディスプレイ(以下PDPと略す)、エレクトロルミネ
ッサンス(以下ELと略す)、発光ダイオード(以下L
EDと略す)などのディスプレイおよびそれらの前面に
設置されるフィルターに用いられる可視光透過性を有す
る電磁波シールド材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の電気通信情報関連技術の進展に伴
い、電子機器から発せられる電磁波による電子機器の誤
動作や人体への影響などの電磁環境問題がクローズアッ
プされ、その対策が必要となっている。
い、電子機器から発せられる電磁波による電子機器の誤
動作や人体への影響などの電磁環境問題がクローズアッ
プされ、その対策が必要となっている。
【0003】従来から、樹脂やガラスのように導電性の
乏しい材料に電磁波シールド効果を持たせる手段とし
て、各種の導電性表面処理が考案され実用化されてい
る。導電性表面処理としては、銅やニッケル、銀などの
無電解メッキ、亜鉛、銅、アルミなどの金属溶射、金属
箔貼付、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティ
ング、導電性塗料など、プラスチック表面に金属薄膜を
積層する方法があり、パソコンや携帯電話などの電子機
器の筐体などに適用されている。
乏しい材料に電磁波シールド効果を持たせる手段とし
て、各種の導電性表面処理が考案され実用化されてい
る。導電性表面処理としては、銅やニッケル、銀などの
無電解メッキ、亜鉛、銅、アルミなどの金属溶射、金属
箔貼付、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティ
ング、導電性塗料など、プラスチック表面に金属薄膜を
積層する方法があり、パソコンや携帯電話などの電子機
器の筐体などに適用されている。
【0004】一方、CRT、LCD、PDP、ELなど
のディスプレイモニター部分の電磁波シールドには、シ
ールド効果だけでなく、表示画像の透視性を確保するた
め可視光透過性が必要である。樹脂やガラスを基板とす
るディスプレイモニターおよびその前面フィルターの電
磁波シールド材料に関する従来技術としては、金属をコ
ーティングするなどして導電性を付与した繊維からなる
メッシュを基板に積層する方法(例えば、特開平9−1
45918号公報、特開平9−247581号公報、特
開平9−247582号公報、特開平9−247583
号公報、特開平9−247584号公報)、スパッタリ
ングを用いる技術(特開平9−306366号公報)や
導電性塗料を用いる技術(特開平9−330666号公
報、特開平9−330667号公報)で基板上に可視光
域(400〜700nm)よりも薄い金属薄膜を設ける
などしてシールド効果と可視光透過性を両立させる方法
などが開示されている。
のディスプレイモニター部分の電磁波シールドには、シ
ールド効果だけでなく、表示画像の透視性を確保するた
め可視光透過性が必要である。樹脂やガラスを基板とす
るディスプレイモニターおよびその前面フィルターの電
磁波シールド材料に関する従来技術としては、金属をコ
ーティングするなどして導電性を付与した繊維からなる
メッシュを基板に積層する方法(例えば、特開平9−1
45918号公報、特開平9−247581号公報、特
開平9−247582号公報、特開平9−247583
号公報、特開平9−247584号公報)、スパッタリ
ングを用いる技術(特開平9−306366号公報)や
導電性塗料を用いる技術(特開平9−330666号公
報、特開平9−330667号公報)で基板上に可視光
域(400〜700nm)よりも薄い金属薄膜を設ける
などしてシールド効果と可視光透過性を両立させる方法
などが開示されている。
【0005】しかしながら、導電性メッシュを用いる方
法では、金属あるいは導電性を付与した繊維部分には可
視光透過性がないため、なるべくその部分の面積を減ら
すようメッシュのピッチ幅を広げるなどして可視光透過
性を上げる工夫がなされているが、そうすると逆に電磁
波シールド効果が低くなるという問題があり、可視光透
過性と電磁波シールド効果の両方を高いレベルで満足さ
せ得るのが難しく、さらに、メッシュのピッチ幅によっ
てはモアレ干渉縞を起こすといった問題がある。
法では、金属あるいは導電性を付与した繊維部分には可
視光透過性がないため、なるべくその部分の面積を減ら
すようメッシュのピッチ幅を広げるなどして可視光透過
性を上げる工夫がなされているが、そうすると逆に電磁
波シールド効果が低くなるという問題があり、可視光透
過性と電磁波シールド効果の両方を高いレベルで満足さ
せ得るのが難しく、さらに、メッシュのピッチ幅によっ
てはモアレ干渉縞を起こすといった問題がある。
【0006】また、スパッタリングによる金属薄膜形成
技術は、可視光透過性の金属薄膜を得ることが可能であ
り、すぐれた導電性、基板との密着性、膜厚の均一性な
どの優れた特徴を有しているが、PDPのような大面積
に対応した大型成型品には不向きであり、装置が非常に
高価であるという問題がある。
技術は、可視光透過性の金属薄膜を得ることが可能であ
り、すぐれた導電性、基板との密着性、膜厚の均一性な
どの優れた特徴を有しているが、PDPのような大面積
に対応した大型成型品には不向きであり、装置が非常に
高価であるという問題がある。
【0007】さらに、導電性塗料による金属薄膜形成技
術では、可視光透過性を有する薄さの金属薄膜の導電性
が悪く、良好な電磁波シールド効果が得られにくいとい
う問題があり、メッシュ状に塗布することで膜厚を厚く
するなどの工夫がなされているが、可視光透過性と電磁
波シールド性を両立させるのが難しい。
術では、可視光透過性を有する薄さの金属薄膜の導電性
が悪く、良好な電磁波シールド効果が得られにくいとい
う問題があり、メッシュ状に塗布することで膜厚を厚く
するなどの工夫がなされているが、可視光透過性と電磁
波シールド性を両立させるのが難しい。
【0008】上記以外の導電性表面処理として、銅やニ
ッケル、銀などの無電解メッキ、亜鉛、銅、アルミなど
の金属溶射、金属箔貼付などの方法は、コストが安い反
面、可視光透過性を有する、すなわち可視光の波長より
も薄い均一な薄膜を得ることが困難である。また表面処
理とは別に、樹脂やガラス基板そのものに電磁波シール
ド効果を付与する試みとして、樹脂やガラスに導電性フ
ィラーを混入するなどして成形した導電性透明基板が検
討されているが、これらの方法では未だ十分な電磁波シ
ールド効果を得るレベルには至っていない。
ッケル、銀などの無電解メッキ、亜鉛、銅、アルミなど
の金属溶射、金属箔貼付などの方法は、コストが安い反
面、可視光透過性を有する、すなわち可視光の波長より
も薄い均一な薄膜を得ることが困難である。また表面処
理とは別に、樹脂やガラス基板そのものに電磁波シール
ド効果を付与する試みとして、樹脂やガラスに導電性フ
ィラーを混入するなどして成形した導電性透明基板が検
討されているが、これらの方法では未だ十分な電磁波シ
ールド効果を得るレベルには至っていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、CR
T、LCD、PDP、ELなどのディスプレイおよびそ
れらの前面に設置されるフィルターとして適用可能な、
ガラスや樹脂基板に金属薄膜を積層した電磁波シールド
材料において、電磁波シールド効果、可視光透過性、基
板と金属薄膜との密着性、金属薄膜の均一性に優れた電
磁波シールド材料を、安価なコストで製造するための方
法を提供することである。
T、LCD、PDP、ELなどのディスプレイおよびそ
れらの前面に設置されるフィルターとして適用可能な、
ガラスや樹脂基板に金属薄膜を積層した電磁波シールド
材料において、電磁波シールド効果、可視光透過性、基
板と金属薄膜との密着性、金属薄膜の均一性に優れた電
磁波シールド材料を、安価なコストで製造するための方
法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は基本的に下記の構成を有する。
め、本発明は基本的に下記の構成を有する。
【0011】すなわち、「基板の少なくとも片側の面
に、導電性を有する金属の薄膜を積層し、しかる後にそ
の金属薄膜層を研磨することを特徴とする可視光透過性
電磁波シールド材料の製造方法。」である。
に、導電性を有する金属の薄膜を積層し、しかる後にそ
の金属薄膜層を研磨することを特徴とする可視光透過性
電磁波シールド材料の製造方法。」である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態について
説明する。
説明する。
【0013】まずはじめに、本発明でいう可視光透過性
とは、表示画像の透視性や色調などを実用レベルで満足
するために必須のものであり、波長が400nmから7
00nmの範囲の可視光の透過率で表され、その波長域
全般にわたって少なくとも40%以上を有することが好
ましい。また、本発明でいう電磁波シールド効果とは、
電磁波のエネルギー(周波数)をシールド材料が吸収ま
たは反射することで、電磁波のエネルギーをどれだけ減
衰できるかをいい、ある測定距離(3mまたは10mま
たは30m)における電界強度の減衰度(デシベル;d
B(μV/m))で表され、30MHzから1000M
Hzの周波数範囲の電界強度減衰度の準尖頭値が少なく
とも30dB以上を有することが好ましい。
とは、表示画像の透視性や色調などを実用レベルで満足
するために必須のものであり、波長が400nmから7
00nmの範囲の可視光の透過率で表され、その波長域
全般にわたって少なくとも40%以上を有することが好
ましい。また、本発明でいう電磁波シールド効果とは、
電磁波のエネルギー(周波数)をシールド材料が吸収ま
たは反射することで、電磁波のエネルギーをどれだけ減
衰できるかをいい、ある測定距離(3mまたは10mま
たは30m)における電界強度の減衰度(デシベル;d
B(μV/m))で表され、30MHzから1000M
Hzの周波数範囲の電界強度減衰度の準尖頭値が少なく
とも30dB以上を有することが好ましい。
【0014】本発明に用いる基板とは、CRT、LC
D、PDP、EL、LED等のフラットパネルディスプ
レイおよびそれらの前面に設置されるフィルターに用い
られる透明な基板であって、無アルカリガラス、ソーダ
ライムガラス、ホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、ポ
リメチルメタクリエート、ポリカーボネート等の透明性
樹脂基板が例示される。
D、PDP、EL、LED等のフラットパネルディスプ
レイおよびそれらの前面に設置されるフィルターに用い
られる透明な基板であって、無アルカリガラス、ソーダ
ライムガラス、ホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、ポ
リメチルメタクリエート、ポリカーボネート等の透明性
樹脂基板が例示される。
【0015】本発明では、まず、上記基板の少なくとも
片側の面に導電性を有する金属薄膜を積層する。積層す
る金属としては導電性の金属であれば特に限定されるも
のではないが、金、白金、パラジウム、銀、銅、黄銅、
コバルト、鉄、すず、ニッケル、亜鉛、アルミニウムか
ら選ばれる少なくとも1種を含む金属または合金が好ま
しく、さらに、体積固有抵抗率(Ω・cm)が低いこと、
安価であること、薄膜形成が容易であることなどを考慮
すると、銀がより好適に用いられる。
片側の面に導電性を有する金属薄膜を積層する。積層す
る金属としては導電性の金属であれば特に限定されるも
のではないが、金、白金、パラジウム、銀、銅、黄銅、
コバルト、鉄、すず、ニッケル、亜鉛、アルミニウムか
ら選ばれる少なくとも1種を含む金属または合金が好ま
しく、さらに、体積固有抵抗率(Ω・cm)が低いこと、
安価であること、薄膜形成が容易であることなどを考慮
すると、銀がより好適に用いられる。
【0016】金属薄膜を積層するための手段は、金属薄
膜の形成が可能な方法であれば特に限定されるものでは
ないが、無電解メッキ、金属溶射、金属箔貼付、真空蒸
着、スパッタリング、イオンプレーティング、導電性塗
料など、従来から、樹脂やガラスのように導電性の乏し
い材料に電磁波シールド効果を持たせる手段として用い
られている各種の導電性表面処理が好適に用いられ、中
でも薄膜の均一性、基板との密着性、薄膜形成が容易、
かつ安価に製造できることを考慮すると、無電解メッキ
がより好適である。
膜の形成が可能な方法であれば特に限定されるものでは
ないが、無電解メッキ、金属溶射、金属箔貼付、真空蒸
着、スパッタリング、イオンプレーティング、導電性塗
料など、従来から、樹脂やガラスのように導電性の乏し
い材料に電磁波シールド効果を持たせる手段として用い
られている各種の導電性表面処理が好適に用いられ、中
でも薄膜の均一性、基板との密着性、薄膜形成が容易、
かつ安価に製造できることを考慮すると、無電解メッキ
がより好適である。
【0017】樹脂やガラスに無電解メッキする方法は、
脱脂処理−エッチング処理−活性化処理(センシタイジ
ング・アクチベーティング)−無電解メッキのように、
一般に知られている方法が用いられる。銀メッキの場合
には最後の無電解メッキの工程で銀鏡反応が好適に用い
られる。また、最近、ノートパソコンの筐体などに電磁
波シールドを施す方法として主流工法となっている、積
層する面に触媒を含んだプライマーを塗装し、その上に
直接無電解メッキを施すという「片面メッキ」SST
(シングルサイドテクノロジー)法(工業材料Vol.44 N
o.9 p.56に記載)も本発明では好適に用いられる。
脱脂処理−エッチング処理−活性化処理(センシタイジ
ング・アクチベーティング)−無電解メッキのように、
一般に知られている方法が用いられる。銀メッキの場合
には最後の無電解メッキの工程で銀鏡反応が好適に用い
られる。また、最近、ノートパソコンの筐体などに電磁
波シールドを施す方法として主流工法となっている、積
層する面に触媒を含んだプライマーを塗装し、その上に
直接無電解メッキを施すという「片面メッキ」SST
(シングルサイドテクノロジー)法(工業材料Vol.44 N
o.9 p.56に記載)も本発明では好適に用いられる。
【0018】さらに、無電解メッキ後に電解メッキを施
してもかまわない。
してもかまわない。
【0019】積層する金属薄膜の厚さは特に限定される
ものではないが、その後に行う研磨にかかる時間を短縮
するためにも10μm以下が好ましい。
ものではないが、その後に行う研磨にかかる時間を短縮
するためにも10μm以下が好ましい。
【0020】金属薄膜を積層したら、次にその薄膜を所
望の可視光透過性が得られるまで、すなわち薄膜の厚み
が0.5μm以下、好ましくは0.4μm以下になるま
で研磨する。また一方、研磨後の膜厚の下の値としては
0.01μm以上であることが好ましい。研磨手段とし
ては、砥粒を用いて研磨する機械研磨、金属を溶解する
などの化学作用を用いる化学研磨、電解研磨などが挙げ
られるが、本発明では、最近、超精密研磨として半導体
製造分野で適用が進んでいる化学機械研磨法(Chem
ical Mechanical Polishin
g;以下CMPと略す)が好適に用いられる。
望の可視光透過性が得られるまで、すなわち薄膜の厚み
が0.5μm以下、好ましくは0.4μm以下になるま
で研磨する。また一方、研磨後の膜厚の下の値としては
0.01μm以上であることが好ましい。研磨手段とし
ては、砥粒を用いて研磨する機械研磨、金属を溶解する
などの化学作用を用いる化学研磨、電解研磨などが挙げ
られるが、本発明では、最近、超精密研磨として半導体
製造分野で適用が進んでいる化学機械研磨法(Chem
ical Mechanical Polishin
g;以下CMPと略す)が好適に用いられる。
【0021】CMPとは、酸化膜や水和膜など表面膜の
生成やエッチングなどの化学的効果を有する加工液に硬
質超微細砥粒を分散したスラリー(研磨剤)を被加工面
と研磨布の間に供給し、被加工面と研磨布を相対運動さ
せることで、被加工面を超精密研磨する方法である。半
導体製造分野ではベアシリコンウエハーのポリッシング
やシリコン上に形成した化合物半導体やメタル配線など
の平坦化技術として適用されている。
生成やエッチングなどの化学的効果を有する加工液に硬
質超微細砥粒を分散したスラリー(研磨剤)を被加工面
と研磨布の間に供給し、被加工面と研磨布を相対運動さ
せることで、被加工面を超精密研磨する方法である。半
導体製造分野ではベアシリコンウエハーのポリッシング
やシリコン上に形成した化合物半導体やメタル配線など
の平坦化技術として適用されている。
【0022】本発明で用いられる硬質超微細砥粒として
は、CMP用研磨剤であれば特に限定されるものではな
いが、粒径が1μm以下のものが好ましく、さらには表
面平坦性の向上を考慮すると0.3μm以下のものがよ
り好ましい。砥粒の材質はコロイダルシリカ、酸化鉄
粉、炭酸バリウム粉、酸化ジルコニア粉、アルミナ粉、
酸化セリウム粉、二酸化マンガン粉の少なくとも1種が
好ましく、より好ましくは粒径0.2μm以下のコロイ
ダルシリカまたはアルミナ粉が好適に用いられる。
は、CMP用研磨剤であれば特に限定されるものではな
いが、粒径が1μm以下のものが好ましく、さらには表
面平坦性の向上を考慮すると0.3μm以下のものがよ
り好ましい。砥粒の材質はコロイダルシリカ、酸化鉄
粉、炭酸バリウム粉、酸化ジルコニア粉、アルミナ粉、
酸化セリウム粉、二酸化マンガン粉の少なくとも1種が
好ましく、より好ましくは粒径0.2μm以下のコロイ
ダルシリカまたはアルミナ粉が好適に用いられる。
【0023】本発明で用いられる加工液としては、金属
薄膜の加工表面に酸化膜や水和膜を生成する作用のある
溶液、エッチング作用のある溶液が好適に用いられ、水
酸化カリウムの水溶液や過酸化水素水、アンモニア水な
どが例示される。
薄膜の加工表面に酸化膜や水和膜を生成する作用のある
溶液、エッチング作用のある溶液が好適に用いられ、水
酸化カリウムの水溶液や過酸化水素水、アンモニア水な
どが例示される。
【0024】本発明で用いられる研磨布としては、精密
研磨用の研磨布であれば特に限定されるものではない
が、金属薄膜層を一様に研磨するため、基板の反りやう
ねりにならうことが必要であり、そのような研磨布とし
て、例えばポリエステル繊維の不織布にポリウレタンを
含浸したタイプ(例えば、商品名:Subaシリーズ、
ロデール・ニッタ(株)製)、独立気泡を有するポリウ
レタン発泡タイプ(例えば、商品名:IC1000、M
Hシリーズ、ロデール・ニッタ(株)製)、スウェード
タイプ(例えば、商品名:Supremeシリーズ、ロ
デール・ニッタ(株)製)、二層タイプ(例えば、IC
1000とSubaを貼り合わせたもの、ロデール・ニ
ッタ(株)製)などが例示される。
研磨用の研磨布であれば特に限定されるものではない
が、金属薄膜層を一様に研磨するため、基板の反りやう
ねりにならうことが必要であり、そのような研磨布とし
て、例えばポリエステル繊維の不織布にポリウレタンを
含浸したタイプ(例えば、商品名:Subaシリーズ、
ロデール・ニッタ(株)製)、独立気泡を有するポリウ
レタン発泡タイプ(例えば、商品名:IC1000、M
Hシリーズ、ロデール・ニッタ(株)製)、スウェード
タイプ(例えば、商品名:Supremeシリーズ、ロ
デール・ニッタ(株)製)、二層タイプ(例えば、IC
1000とSubaを貼り合わせたもの、ロデール・ニ
ッタ(株)製)などが例示される。
【0025】さらに本発明では、研磨により所望する可
視光透過性を得た後、金属薄膜層上に反射防止膜を形成
することが望ましい。反射防止膜としては、シリカ膜が
好ましく、スピンコーティングやスプレーコーティン
グ、スクリーン印刷、塗工などのコーティング方法で積
層される。
視光透過性を得た後、金属薄膜層上に反射防止膜を形成
することが望ましい。反射防止膜としては、シリカ膜が
好ましく、スピンコーティングやスプレーコーティン
グ、スクリーン印刷、塗工などのコーティング方法で積
層される。
【0026】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。
【0027】比較例1 240×180mmの大きさで、厚みが0.5mmのポ
リカーボネートを基板に用い、その片面に無電解メッキ
により銀の薄膜層を形成した。無電解メッキはまず、マ
スキングを施した基板を、硫酸540mL/L、クロム
酸25g/Lを含む水溶液に70℃で30分間浸漬して
基板をエッチングし、次に塩化第一すず20g/L、塩
酸5mL/Lの水溶液に25℃で5分間浸漬してセンシ
タイジングを行い、次に塩化パラジウム0.2g/L、
塩酸1mL/Lの水溶液に35℃で5分間浸漬してアク
チベーティングを行った。その後、硝酸銀60g/L、
28%アンモニア60g/L、37%ホルムアルデヒド
40mL/Lの溶液に室温で2分間浸漬して銀の薄膜を
形成した。得られた銀薄膜層の厚みは平均で1.5μm
であり、400〜700nmの範囲の可視光の透過性が
なく、透視性は全く得られなかった。
リカーボネートを基板に用い、その片面に無電解メッキ
により銀の薄膜層を形成した。無電解メッキはまず、マ
スキングを施した基板を、硫酸540mL/L、クロム
酸25g/Lを含む水溶液に70℃で30分間浸漬して
基板をエッチングし、次に塩化第一すず20g/L、塩
酸5mL/Lの水溶液に25℃で5分間浸漬してセンシ
タイジングを行い、次に塩化パラジウム0.2g/L、
塩酸1mL/Lの水溶液に35℃で5分間浸漬してアク
チベーティングを行った。その後、硝酸銀60g/L、
28%アンモニア60g/L、37%ホルムアルデヒド
40mL/Lの溶液に室温で2分間浸漬して銀の薄膜を
形成した。得られた銀薄膜層の厚みは平均で1.5μm
であり、400〜700nmの範囲の可視光の透過性が
なく、透視性は全く得られなかった。
【0028】比較例2 比較例1において、無電解メッキ液の濃度および温度、
浸漬時間などの処理条件を変更して、銀薄膜層の厚みと
して可視光透過性が得られる0.4μm以下の厚みを得
るよう試みたところ、薄膜層の厚みが薄くなるにつれ、
基板全面にわたって均一な薄膜を安定して得ることが困
難になった。
浸漬時間などの処理条件を変更して、銀薄膜層の厚みと
して可視光透過性が得られる0.4μm以下の厚みを得
るよう試みたところ、薄膜層の厚みが薄くなるにつれ、
基板全面にわたって均一な薄膜を安定して得ることが困
難になった。
【0029】実施例1 比較例1と同じ方法で、ポリカーボネート基板の片面に
平均厚み1.5μmの銀薄膜層を形成した。その後、こ
の銀薄膜層をCMPにより研磨した。スラリーには粒子
径230nmのアルミナを過酸化水素水に懸濁したもの
を用い、研磨布にはロデール・ニッタ製のSuba40
0を用いた。回転定盤の回転速度60rpm、加工圧力
200g/cm2で10分間研磨した。
平均厚み1.5μmの銀薄膜層を形成した。その後、こ
の銀薄膜層をCMPにより研磨した。スラリーには粒子
径230nmのアルミナを過酸化水素水に懸濁したもの
を用い、研磨布にはロデール・ニッタ製のSuba40
0を用いた。回転定盤の回転速度60rpm、加工圧力
200g/cm2で10分間研磨した。
【0030】研磨後の銀薄膜層は、厚みが0.22μ
m、表面粗さが10nm以下であり、基板全面にわたっ
て均一で厚みむらの非常に小さい銀薄膜が得られた。こ
のものの400〜700nmの範囲の可視光の透過率は
平均して80%であり、透視性を十分満足する透過率が
得られた。さらに、こうして得た電磁波シールドパネル
の表面抵抗値は0.3Ω/□であり、測定距離10mで
の電磁波シールド効果は、30MHz〜230MHzの
範囲でおよそ45dB、230MHz〜1000MHz
の範囲でおよそ53dBであり、情報処理装置等電波障
害自主規制協議会(VCCI)の測定距離10mでのク
ラスAの許容値を充分満足するシールド効果を有するも
のであった。
m、表面粗さが10nm以下であり、基板全面にわたっ
て均一で厚みむらの非常に小さい銀薄膜が得られた。こ
のものの400〜700nmの範囲の可視光の透過率は
平均して80%であり、透視性を十分満足する透過率が
得られた。さらに、こうして得た電磁波シールドパネル
の表面抵抗値は0.3Ω/□であり、測定距離10mで
の電磁波シールド効果は、30MHz〜230MHzの
範囲でおよそ45dB、230MHz〜1000MHz
の範囲でおよそ53dBであり、情報処理装置等電波障
害自主規制協議会(VCCI)の測定距離10mでのク
ラスAの許容値を充分満足するシールド効果を有するも
のであった。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、CRT、LCD、PD
P、EL、LEDなどのディスプレイおよびそれらの前
面に設置されるフィルターとして適用可能な、ガラスや
樹脂基板に金属薄膜を積層した電磁波シールド材料にお
いて、電磁波シールド効果、可視光透過性、基板と金属
薄膜との密着性、金属薄膜の均一性に優れた電磁波シー
ルド材料を、安価なコストで製造するための方法を提供
することができる。
P、EL、LEDなどのディスプレイおよびそれらの前
面に設置されるフィルターとして適用可能な、ガラスや
樹脂基板に金属薄膜を積層した電磁波シールド材料にお
いて、電磁波シールド効果、可視光透過性、基板と金属
薄膜との密着性、金属薄膜の均一性に優れた電磁波シー
ルド材料を、安価なコストで製造するための方法を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2K009 BB02 BB11 CC14 DD08 DD16 EE00 5E321 AA04 BB23 GG05 GH01 5G435 AA16 AA17 GG11 GG33 HH02 KK07
Claims (4)
- 【請求項1】 ガラスまたは樹脂からなる基板の少なく
とも片側の面に、導電性を有する金属の薄膜を積層し、
しかる後にその金属薄膜層を研磨することを特徴とする
可視光透過性電磁波シールド材料の製造方法。 - 【請求項2】 研磨手段に化学機械研磨法を用いること
を特徴とする請求項1記載の可視光透過性電磁波シール
ド材料の製造方法。 - 【請求項3】 導電性を有する金属の薄膜を積層するた
めの手段に、無電解メッキ法を用いることを特徴とする
請求項1または2記載の可視光透過性電磁波シールド材
料の製造方法。 - 【請求項4】基板がガラスまたは樹脂からなるものであ
る請求項1〜3いずれかに記載の可視光透過性電磁波シ
ールド材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10222800A JP2000059081A (ja) | 1998-08-06 | 1998-08-06 | 電磁波シールド材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10222800A JP2000059081A (ja) | 1998-08-06 | 1998-08-06 | 電磁波シールド材料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000059081A true JP2000059081A (ja) | 2000-02-25 |
Family
ID=16788104
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10222800A Pending JP2000059081A (ja) | 1998-08-06 | 1998-08-06 | 電磁波シールド材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000059081A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007037545A1 (en) * | 2005-09-30 | 2007-04-05 | Fujifilm Corporation | Method for producing conductive film and light-sensitive material for conductive film production |
-
1998
- 1998-08-06 JP JP10222800A patent/JP2000059081A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007037545A1 (en) * | 2005-09-30 | 2007-04-05 | Fujifilm Corporation | Method for producing conductive film and light-sensitive material for conductive film production |
US7749686B2 (en) | 2005-09-30 | 2010-07-06 | Fujifilm Corporation | Method for producing conductive film and light-sensitive material for conductive film production |
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