本作は、廣嶋玲子による児童小説「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」シリーズを原作に、
プールの授業が大嫌いな真由美(大原)はある日、いつもの商店街で見慣れぬ店・銭天堂を発見する。真由美は、店主の紅子(白石)にすすめられて購入したお菓子“型ぬき人魚グミ”を作って食べると、たちまち泳げるように。しかし、水から上がるととてつもない乾きを覚えるようになり、さらには脚にうろこが生えてきて……。
“リーディングドラマ”と銘打たれているものの、白石以外の出演者である大原とダンサー2名は終始台本を持たず、歌や動きを多用したパフォーマンスを繰り広げる。また、ダンサー2名が商店街の街並みやプールの水面に立つ波を身体を遣って見立てたり、真由美が人魚になっていく様子が白いゴム紐を脚に巻き付けて表現されたりと、工夫に富んだ演出が観る者を楽しませ、“老若男女に親しまれる”という原作の特色を代弁するかのように物語が進んでいった。
大原は、11歳の少女が持つ水への恐怖心から、それを克服したときの高揚感までを表情豊かに見せ、歌唱シーンでは華やかな声色で子供の柔軟な感性を表現した。対する白石はおおらかな存在感で作品世界になじみ、大原とは対照的な魅力を放つ。特に紅子の登場シーンは見もので、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」が厳かに響く中、神妙な面持ちで登場し、場の空気を一瞬で変える白石の姿には、演技や語りの力だけでなく、ユーモアのセンスものぞいた。
望みがかなう紅子のお菓子によって、悪夢のような体験をした真由美。しかし物語はそれだけにとどまらず、真由美が手にした希望も描かれ、最後には爽やかな余韻を残す。ゾッとしてワクワクしてほっこりする、そんな“お楽しみ”があと2編も待っていると思うと、早く本作の全容を味わいたい衝動に駆られた。
本作は4月19・20日の神奈川・神奈川県立青少年センター 紅葉坂ホール公演を皮切りに全国で上演される。
リーディングドラマ「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」
2025年4月19日(土)・20日(日)
神奈川県 神奈川県立青少年センター 紅葉坂ホール
2025年4月26日(土)
大阪府 茨木市文化・子育て複合施設おにクル ゴウダホール
2025年4月27日(日)
大阪府 南海浪切ホール 大ホール
2025年4月29日(火・祝)
神奈川県 相模女子大学グリーンホール 大ホール
2025年5月2日(金)
北海道 音更町文化センター ふれあいホール
2025年5月4日(日)
北海道 名寄市民文化センター EN-RAYホール
2025年5月6日(火)
北海道 共済ホール
2025年5月10日(土)・11日(日)
愛知県 愛知県産業労働センター(ウインクあいち) 大ホール
2025年5月17日(土)・18日(日)
福岡県 福岡市民ホール 中ホール
2025年5月24日(土)
神奈川県 ひらしん平塚文化芸術ホール 大ホール
2025年5月25日(日)
神奈川県 横浜市鶴見区民文化センター サルビアホール
2025年5月31日(土)・6月1日(日)
東京都 シアター1010
スタッフ
原作:廣嶋玲子「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」(偕成社)
台本・演出:
出演
※子供料金あり。
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リーディングドラマ「#ふしぎ駄菓子屋銭天童」
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